「執務室での事件2」
ビスマルクの愚痴に霧島が・・・
「皆さんお疲れ様です。 昼食におにぎりどうぞ!」
秋月さんが私たちのために昼食を持ってきてくれました。
今、執務室で私たち(霧島・比叡・ビスマルク・秋月)が海域への作戦を練っていたところです。
秋月さんが私たちに気を遣っておにぎりを握ってくれたのです。
「おにぎりねぇ~・・・」
ビスマルクさんがおにぎりを見つめて、
「私はいらない! もっとおいしそうなもの持ってきて。」
持っていたおにぎりをポイッと投げ捨てた。
「何をするんですか! ビスマルクさん!」
「何って、私はおにぎり以外の昼食が食べたいだけよ!」
「そうじゃなくて、なぜ秋月さんが持ってきてくれたおにぎりを投げ捨てたんですか!」
「おにぎりごときでむきにならないでよ! あんなもの、その辺のコンビニで100円程度で買える代物じゃない。」
ビスマルクははっと気づいて・・・
「あ、そういうことね。 秋月に100円あげればいいんだ・・・はい、秋月。 おにぎり代100円。」
と言って秋月にお金を投げたところで、
「あなたねぇ・・・いい加減にしなさいよ!」
霧島が怒った。
「何怒ってるの? たかがおにぎりごときでそんなに怒るようなものなの?」
「おにぎりとかそう言うんじゃなくて、あなたは何でいつも自分中心なのよ!」
「いいじゃない、私は強いのよ。 あなた達金剛型より遥かにね!」
「何を!」
2人が言い合っている所に、
「あの・・・霧島さん。」
秋月が言い寄って、
「私は気にしてませんから・・・あまり怒らないでください。」
「秋月さん・・・」
そうは言うものの・・・投げ捨てられたことで、秋月さんがショックを受けていたことが表情を見て取れた。
「ほら! 秋月が「気にしないで」って言ってるんだからもういいじゃない!」
その言葉に遂に・・・
「ビスマルク! ちょっと表へ出なさい!」
霧島が切れた。
「何? 喧嘩するの? 私に勝てると思ってるの?」
ビスマルクは反省どころか挑発してきた。
「あなたの態度には散々我慢してきたけど、もう限界! 一回締め直さなきゃいけないようね!」
「ふん! やれるものならやって見なさい!!」
睨みあいを続ける2人・・・
「あ、あの~・・・」
秋月が横から入って来て、
「本当に・・・本当に気にしていませんから・・・大丈夫ですから・・・おにぎりは私がいただきますので・・・(怯)」
「ビスマルク! 秋月さんに謝りなさい!」
「嫌よ! 私、悪いことなんかしてないから!」
両者互いに睨み合いが続き・・・
「お待たせ~! 比叡特製カレーが出来たよ~!」
執務室に比叡が入ってきた。
「皆の分作ってきたからね~はいこれ、霧島の分、これはビスマルクさんの分・・・後は私と秋月さんの分と。」
手際のよい動きでカレーを配る。
「・・・はぁ~。」
ビスマルクがため息をつく。
「おにぎりの次はカレーなんて・・・この鎮守府の食事は何て貧相なのかしら。」
「そんなことないですよ、カレーは鎮守府定番のメニューで・・・」
状況がわかっていない比叡がカレー話を始めるが・・・
「私はおにぎりもカレーもいらない! もっとマシなもの持ってきてよ!!」
「が~ん・・・比叡のカレー・・・否定されたぁ・・・(泣)」
比叡はショックのあまり撃沈・・・秋月も「あわわ・・・」と言葉を漏らすだけだ。
「せっかく秋月さんと比叡姉さまが作ってくれた昼食を馬鹿にするなんて・・・最低!!」
「うるさいわね! 文句を言ってる暇があったらさっさと違うもの持ってきなさいよ!」
「何だ? 騒がしいな?」
提督が入って来て・・・
「司令! 聞いてください! ビスマルクさんが食べ物を粗末に・・・」
「何? それはけしからん!」
提督がビスマルクを見ると・・・
「な、何よ・・・私はこれ以外の物が食べたいと言っているだけじゃない! ただそれだけなのに・・・」
謝りもせずに愚痴をこぼした。
「この期に及んであなたは・・・!」
今にも殴りかかろうとする霧島に、
「そうだな・・・ビスマルクの言う通りだな。」
提督の予想外の言葉に、
「司令!? 何を言っているんですか!?」
霧島は驚く。
「食べたくないんだろう? だったら食べる必要はないんじゃないか?」
「・・・・・・」
「提督は話が分かるわね・・・そうよ、私はここにあるものは食べたくないの、分かった?」
「・・・・・・」
霧島は苛立ちつつ、
「司令が仰るのなら・・・私は否定はしません。」
渋々納得して・・・ビスマルクは勝ったとばかりに満足げだ。
「霧島と秋月、昼食を終えたらオレの仕事を手伝ってくれ・・・」
「は・・・はい。」
提督が去り、ビスマルクを除く3人が食事を平らげ、昼休憩が終わった。
・・・・・・
「ちょっと!? 私の昼食は!?」
ビスマルクがまた叫ぶ。
「食べたくないんだろう? なら食べる必要ないだろ?」
「私が言いたいのは、あれ以外のメニューが食べたいって・・・」
「献立にケチ付けるやつは食べる価値が無い。」
「・・・・・・」
「あ、そうそう・・・夕食は秋月の新作おにぎりだから・・・お前の分は無しな。」
「!? なっ!?」
「食いたければ、その辺の売店へ行って自分で買ってこい!」
「ちょ・・・ちょっと待って。」
「以上! 昼休憩は終わりだ・・・早く出撃準備をしろ!」
・・・・・・
「お腹が空いたわ・・・」
昼休憩にあれだけ騒いで・・・何も食べずに出撃したから・・・私のお腹はすぐに鳴った。
「はぁ~・・・」
ビスマルクはため息をつく。
「どうして私はいつもこうなのかしら・・・」
別におにぎりとカレーが嫌なわけじゃないし、本当は食べても良かったけど・・・
あの時は何て言うか・・・別のものが欲しかったのよ・・・
「・・・・・・」
本当にただそれだけ・・・なのに・・・
「はぁ~・・・お腹空いたわ・・・こんな事なら変な意地を張らずに黙って食べていればよかったわ・・・」
ビスマルクの態度を察したのか、
「おにぎり食べます?」
霧島が差し出した。
「え・・・霧島・・・どうして?」
「さっきから鳴ってますよ・・・お腹(笑)」
「・・・・・・(恥)」
「食べるんですか? 食べないんですか?」
「・・・いただくわ。」
霧島から受け取ると、そのままかぶりつき・・・
「・・・おいしい。」
ビスマルクの表情が和らいだ。
「はむ・・・うむ・・・もぐ。」
3つあったおにぎりを全て平らげた。
「次からは文句言わず出されたものは食べる! わかった?」
霧島に言われ・・・
「・・・わかったわ(恥)」
「・・・それでよし! では、作戦海域に突入します!」
霧島・ビスマルク含む編成部隊は進軍を開始した。
・・・・・・
その後、無事帰還したビスマルクは、夕食に出された秋月のおにぎりをたらふく頬張ったそうな・・・
「執務室での事件2」 終
食事の事で喧嘩して食事抜きにされた・・・を、艦これ風に書いてみました(笑)
食べ物を粗末してはいかんよ