「知能犯・白露」
短編の白露ssです。
白露ならこうするだろうな(恐らくやりそう)と思い付き、書きました(笑)。
白露「提督、今日は軍法会議早く終わったねぇ~♪」
提督「ああ、そうだな。 早く帰って休息でもしよう。」
帰り道に提督と白露が会話をしている。
この日は、軍法会議のため提督と付き添いとして白露が同行しており、予定時間より早く
終了したため、2人で徒歩で帰る途中だった。
白露「あっ。」
白露が見た物、それは最近出来たばかりのサーティー〇ン(アイス屋)である。
サーティー〇ンは他のアイス店と比べると値は張るが、種類が豊富で人気がある。
しかも、ダブルやトリプル(2段、3段乗せ)もあり、子供なら誰もが魅了する。
白露「提督ぅ~、ちょっと小腹空かない?」
白露の言葉に、
提督「・・・うん、空いてないよ。 オレは早く帰って緑茶が飲みたいかな。」
目の前にサーティー〇ンがあるのに気づき、話を逸らそうとする提督。
白露「あたしは、ちょ~っと小腹が空いたんだけどなぁ~。」
今度は提督に甘えて見る。
提督「そうか、帰ったら煎餅でも食べなさい。」
またも、話を逸らす提督。
白露「むむむ・・・提督って本当に女心が分からないよね!」
明らかに顔を逸らしている提督、それを知った白露が怒って提督に意見する。
提督「あのね、あそこのアイスクリームは高いんだぞ。 普段鎮守府で白露たちが食べてる
アイスの何倍の値段だと思ってるんだ?」
提督は説明するも、
白露「だって食べた事ないもん! だから提督1度だけ! 1度だけでいいから食べたいなぁ~♪」
白露のお願いに、
提督「もっと言うとな・・・白露がいつも姉妹たちに体験談を話すせいで、今度は姉妹たちがオレに押し寄せて来るわけだ。
「僕には無いの?」や「江風さんには?」とかね、それは自覚してるのかな?」
提督の言い分に、
白露「じゃあさ! 皆の分も買って行こうよ! それなら問題ないでしょ!」
提督「・・・」
白露を含めると、全部で8人(春雨・山風は違う鎮守府にいる)、そしてサーティー〇ン1個の値段は約250円。
それを8個買うとなると・・・約2000円になる計算だ、
提督「アイスだけに2000円って、高過ぎるだろ! 駄目だ、余裕で却下だ!」
提督は立ち去ろうとする。
白露「待ってよ提督! じゃあさ、あたしの分は無しでいいから・・・妹たちの分だけでいいから!
それなら1個分安くなるでしょ、ねぇ?」
提督「・・・」
散々自分が食べたいと叫んでいた白露が今度は「いらない」と言う・・・「絶対何か企んでいるな?」と思う提督。
白露「お願いだって、提督ぅ!! ・・・こんなにお願いしてるのに、提督は酷いよ、最低だよぉ!
失望したよ! あんまりだよぉ~っぽい!!」
提督「・・・」
「どこぞの妹の台詞を真似すんな!」と内心思う提督。
白露の思惑は掴めないが、本当に自分のアイスは「いらない」と言い、鎮守府で頑張っている姉妹たちに食べさせたいと
本気で言っている・・・白露の願いに流石の提督も心が折れ、
提督「店員さん、アイス7個をお勧め順に入れてくれる?」
結局、アイスを買ってあげる提督。
店員「はい、ご注文ありがとうございます!」
そう言って、店員は手際よく箱にアイスを入れて行き、
店員「お客様、ただいま期間限定で、アイス1個を無料でサービスしておりますが、
いかがなさいますか?」
提督「えっ、そうなの? じゃあ・・・」
提督が声を出す前に、
白露「はぁ~い! バニラくださーい!」
白露が勝手にバニラを注文する。
白露「いや~、はむはむ♪ 甘くて濃厚で美味しいねこれ~♪」
白露は笑顔でアイスを頬張る。
提督「・・・」
「こいつ知ってたな!」と思う提督。
・・・
鎮守府に戻り、提督は執務室に戻ってしばしの休憩をする。
提督「あれ? この鍵・・・白露の部屋の鍵だ。」
机の下に、白露の部屋の鍵が落ちているのに気付き、
「今頃部屋に入れなくて途方に暮れてるだろうから、白露に届けてやるか。」
部屋に入れないのは不憫だと思い、鍵を持って白露を探す提督。
提督「う~ん、白露はどこに行ったんだ?」
探しても見つからず、食堂に立ち寄った時である。
提督「おや? 白露の姿が・・・それに姉妹も全員揃ってるな。」
提督は気づかれないように、陰で様子を伺う。
時雨「これって、サーティー〇ンのアイスだよね!」
聞いたことはあるが、実物を見た事が無い時雨たちは驚く。
夕立「夕立たちのお土産に買って来てくれたっぽい~?」
夕立は目を輝かせている。
白露「うん! いつも鎮守府で頑張る妹たちを労うために買って来てあげたよ!」
白露は「ふっふ~ん♪」と得意げに語る・・・最も、買ったのは提督だが。
江風「白露の姉貴、流石じゃん! じゃあ江風は・・・このアイス貰うね~♪」
江風がアイスを1つ取ると、順に取って行く姉妹たち。
夕立「あれ? 数が足りないっぽい~。」
全部で8人いるのに、7個しか無い事に気付く夕立。
白露「あたしは提督に「いらない」って言ったから・・・あたしはお姉ちゃんだからね! 皆を労いたくて妹だけの分を
買って来たんだぁ~♪」
・・・実際は1個無料で帰り道に食べていたんだけど。
海風「ええっ、そんな・・・それは申し訳ないです。」
海風は遠慮するが、
白露「大丈夫大丈夫! あたしは妹が食べてる姿を見るのが好きだから! ・・・でも、せっかくだから各アイスを
1口だけくれたら、とっても嬉しいんだけどなぁ~♪」
白露がぼそっと小声で言うと、
夕立「いいっぽい~♪ 白露・・・はい、どうぞ♪」
夕立がスプーン1杯分のアイスを分けてくれる。
白露「本当? どれどれ~、はむはむ・・・これは苺だね、すっぱくて美味しい~♪」
夕立が白露にアイスを出すと、他の皆もそれに続く。
時雨「僕も・・・自分だけ食べるのは何だし・・・はい、どうぞ。」
江風「うん、じゃあ白露の姉貴の分もお皿に映して・・・はい、姉貴。」
五月雨「私は半分あればいいので・・・これは白露さんが食べてください♪」
と、姉妹たち全員が白露のためにとアイスを分けてくれる。
白露「皆、ありがとう! お姉ちゃんは本当に優しくていい妹たちを持ったよ!!
じゃあ、頂きます! はむはむ・・・お、美味しい~♪」
皆からアイスを貰って上機嫌な白露。
提督「・・・」
白露が結局全てのアイスを食べている姿を見て、
提督「・・・知能犯め。」
そう思いながら静かにその場から離れて行った。
「知能犯・白露」 終
その後、白露はアイスの食べ過ぎでしばらくトイレに籠っていました(笑)
白露…そんなに冷たいモノを
沢山食べたら腹壊すよ。
しかし、お題の時もそうだが
作者様はアイス好きなのですね♪
やはり、二個のアイスを巡って
一悶着あったと思う。
端から見て微笑ましい争いが。
夕立は、ぽい!ぽい!ぽい!言いながら
机を叩いてそうだ。
1さん、
はい、アイス大好きです♪
因みに、一番食べるアイスは”ピノ”です♪
開けたらしばらく置いて、
中身がクリーム状(棒で刺して簡単に貫通したら)になったら
食べます、結構美味しいですよ♪