「哀しき深海棲艦」
艦娘と深海棲艦との戦闘中、特殊な深海棲艦が出現して・・・
「深海棲艦を確認しました、戦闘を開始します!」
旗艦の指示で各員が主砲を構えて応戦する。
敵は駆逐艦と空母ヲ級の編成部隊、味方側の編成は空母と戦艦が控えていて優勢である。
「この程度の敵、私たちで十分よ!」
戦艦と空母の艦娘が前に出る、各砲撃と艦載機爆撃で空母以外の敵は殲滅するが、
「何だあの空母は? 青色に光っているぞ!」
赤でも金でもない、漂うオーラが青色の特殊な空母ヲ級である。
「撃てぇ! 撃てぇ!」
追撃をするが、全て回避してある艦娘に近づく。
「はっ!」
彼女は駆逐艦の朝潮、目の前に立たれたことで砲撃意欲を無くす。
「オオオ・・・」
ヲ級は朝潮をしばし観察した後、
「!? なっ!?」
突如朝潮を担いで、海域から離脱しようとする。
「朝潮! 何をしている! 奴を捕まえろ!」
仲間の駆逐艦たちが追いかけるが、
「駄目です、早すぎて・・・追いつけません。」
駆逐艦たちが息を切らす頃には、ヲ級の姿は完全に消えてしまう。
・・・・・・
・・・
・
「う~ん・・・はっ!」
朝潮は目を覚ます、
「・・・ここは?」
目が覚めた場所は洞窟?
「・・・!?」
振り向くとそこには、
「オオ?」
先程の深海棲艦がいた、
「このっ! 私をここに連れて来て何を・・・拉致したつもり!?」
朝潮は主砲を構える。
「オオオ・・・」
「来ないで! 少しでも動いたら撃つから!」
朝潮は構えた状態で動かない、
「・・・・・・」
怖いのか、足をガクガクさせる朝潮・・・無防備とはいえ、相手は空母。
艦載機でも飛ばされれば、瞬時に自分の負けが確定される。
「オオオ。」
ヲ級は朝潮の警告を無視して近づいてくる。
「来ないで! 撃つわよ! 私は本気だから!!」
そう言いつつも、朝潮は撃てない。
「・・・・・・」
朝潮は気づいていた・・・そう、主砲に弾が装填されていない、ヲ級がこの洞窟に連れて来た際に
弾薬を抜き取ったのだ、それでも、
「本気で撃つから!! それ以上・・・近づかないで!」
あくまで相手を睨みつけるだけの行為、朝潮はヲ級が退くか自分が殺されるかの選択を迫られていた。
「オオ、オオオ~。」
ヲ級は朝潮の警告を聞かず、結局ゼロ距離まで詰め寄り、手を出す。
「ひっ!」
朝潮は目をつむる、が、
「オオオ~♪」
ヲ級が手に何かを持っている、それは・・・
「? ・・・果物?」
ヲ級は丁寧に朝潮の前に数個の果物を置く。
「オオオオ~♪」
その後、にっこりと微笑みその場から立ち去る。
「・・・・・・」
朝潮はしばし呆然と立ち尽くし、
「た、助かった・・・」
力が抜けて腰を下ろす。
・・・・・・
「早くここから脱出しないと!」
朝潮は脱出を試みるが、
「!? そんな!」
朝潮が見た物、唯一出口と言える場所は水が浸かっている、つまり潜らないと脱出できない。
「・・・・・・」
もちろん、潜るための道具など持ち合わせていない。 浅ければ少し息を止めて潜ればいいだろうが、
深ければ・・・そのまま海中で絶命してしまう、そんな中で朝潮は脱出を諦めざるを得なくなる。
「くっ、皆が、皆が私を探してくれる、絶対に!」
朝潮は仲間が見つけてくれるのをただひたすらに願った。
・・・・・・
「・・・う~ん。」
疲れていたのか、もしくは緊迫した状況で緊張感が解けたのか洞窟内で眠ってしまう朝潮。
「う~ん・・・!?」
朝潮はすぐに目を覚ます。
「オオ・・・オオオ~。」
朝潮の隣でヲ級が不思議そうに見守っていたのだ。
「こ、来ないで! 近寄らないで!!」
朝潮はすぐにヲ級から離れる。
「何のつもり? 私をここに連れて来て、殺さずただ観察して・・・一体何がしたいの!?」
「・・・オオ。」
「殺すなら早く殺して! ずっと時間だけが過ぎて行くのはもう嫌! だから早く殺して!!」
恐怖からか無力感からか朝潮の瞳から涙が流れる。
「オ? オオ・・・」
ヲ級は徐々に朝潮との距離を縮める。
「来ないで!! 来ないでよ!!」
朝潮は後ろに退くが、
「! 後ろは行き止まり! 私は、もう駄目?」
ヲ級は近づいて行き・・・目の前まで詰め寄って来た。
「・・・・・・」
最早、朝潮に抵抗する術は無い、ただヲ級をジッと睨む続けているだけだ。
「オオオ・・・オオ~。」
しかし、ヲ級は何を思ったのか朝潮をハグして来た。
「!? なっ!?」
朝潮も予想外の行動に驚き、そして何も出来ない。
「オオオ~、オオオ~。」
「・・・・・・」
僅かだが、ヲ級からの気持ちが分かったような気がした朝潮。
”怖がらないで”と思っている?
その瞬間、脳内に声が聞こえて来た。
”大丈夫、貴方に危害を加えたりしない”
「・・・この声は、ヲ級からの、声?」
紛れもなくヲ級から発している言葉だが、それ以上に、
「この声・・・どこかで聞いたことが。」
声に覚えがあるようで、必死に思い出そうとする朝潮。
「・・・・・・」
緊張が解れたのか、もしくは疲労が蓄積されたのか、そのまま眠りに就いてしまう朝潮。
「オオオ、オオ~♪」
ヲ級は朝潮は丁寧に寝かせた後、隣で不思議そうに寝顔を見つめていた。
・・・・・・
その後も、朝潮とヲ級の奇妙な生活が続く。
洞窟から出られないのは相変わらずで、ヲ級が時折いなくなっては食料を調達してくる日々。
「・・・・・・」
朝潮は差しだされる食料を渋々食べる。
毒が入っているかもしれない、そう思って口を付けずにいたが、
何日も食べず、空腹が続き「餓死するくらいなら」と遂に口を付け、今も無事に生存している。
「・・・・・・」
ヲ級を見て、不思議そうに思う朝潮。
「何がしたいの? 私とは敵のはずでは?」
明らかに戦意が無いヲ級をただ見つめる朝潮、
「それに、あの声・・・どこかで、いや、いつも聞いていた気が・・・」
聞き慣れた声、朝潮は必死に思い出すが、
「思い出せない・・・でも、確かに聞いたことがある、この声は。」
何度も何度も思い出していると、
「オオオ? オオオ~♪」
またヲ級が朝潮に近づき、今度はおでこを互いにくっつける。
「・・・・・・」
その瞬間にまた脳内に声が流れる。
”怖がらないで、私はあなたに危害を加えない”
「・・・・・・」
今度こそ鮮明に聞こえた・・・「怖がらないで、私はあなたに危害を加えない」って。
そもそも洞窟内に監禁している時点で、危害を加えているはずだが、
「・・・・・・」
脳内に声が聞こえて、朝潮ははっとする。
「この声! いやそんな! そんなはずは・・・」
声の主に気付く朝潮、しかし、
「も、もしかして・・・あなたは。」
ヲ級に向かって口を開く。
「あ、赤城さん?」
朝潮が「赤城」と言うと、
”久しぶり、朝潮ちゃん”
またも脳内に声が聞こえた。
・・・・・・
1航戦の空母赤城、ある海域での戦闘中に大破した駆逐艦の朝潮を庇って被弾し轟沈、
その後も赤城の遺留品を海上で捜索するも見つからず、朝潮含む加賀が悲しみに暮れていた。
「どうして赤城さん・・・ヲ級の姿なんかに?」
朝潮は未だ目の前にいるヲ級が元は赤城だと信じられない。
「オオオ・・・オオ~♪」
”信じられないかもしれないけど、私は赤城よ”
しかし、脳内に聞こえる声は紛れもなく、赤城であり、朝潮は認めざるを得ない・・・そして、
「ごめんなさい、あの時私のせいで赤城さんが・・・」
朝潮はあの時の悲劇を思い出す、
「私のせいで、私のせいで・・・本当に!」
何度も頭を下げ続ける朝潮に対して、
「オオオ、オオ~!」
またもハグしてくるヲ級。
”朝潮ちゃんは悪くないわ、あの時は運が悪かっただけ”
「・・・赤城さん。」
”でも、朝潮ちゃんが無事で良かった、私は沈んでこんな姿になったけど、朝潮ちゃんは助かって本当に良かったわ”
「あ、赤城さん!」
朝潮もヲ級を強く抱きしめる。
・・・・・・
”朝潮ちゃん、お願いがあるの”
ヲ級はポケットらしき部分から何かを取り出し、
”加賀さんにこれを、届けて欲しいの”
ヲ級が出した物・・・それは、損壊した赤城の艤装。
”これを加賀さんに渡して、加賀さんはまだ私がどこかで生きていると思っているから”
「・・・・・・」
赤城が沈んだ後、「赤城さんは沈んでいません、必ずどこかで生きています」と何度も周りに言い放ち、
現実を見ようともしなかった。
次第に仲間たちとの交流も途絶え、部屋に籠ったままとなる。
”これを見せれば加賀さんは私を諦め、立ち直れるはず。だからこれを加賀さんに届けて”
そう言って、ヲ級は朝潮に艤装を差し出す。
「・・・・・・」
朝潮は両手でその損傷した艤装を受け取る。
”ありがとう、朝潮ちゃん。 絶対に加賀・・さん・に。”
そう言った瞬間に突然ヲ級が苦しみだす。
「なっ!? 赤城さん! どうしたんですか? 大丈夫ですか!?」
急にヲ級が震えだし、痙攣とも言える動作を繰り返す。
「オオオ・・・オオ~?」
ヲ級の目つきが変わり、朝潮を睨み、
「オオオ、オオオオ~!!」
ヲ級が朝潮に襲い掛かる。
「なっ!」
突然の事に朝潮は成すすべもなく、首を絞められる。
「かはぁっ・・・あ、赤城さ、ん・・・止めて。」
徐々に首を閉める力が強くなり、朝潮は意識を失い掛ける。
「赤城、さん、止め・て。 お願・・い。」
僅かに口から発せられる小声、それが偶然にもヲ級の脳内に届いたのか、
「オオ? ・・・オオオ! オオオ!!」
またも苦しみだし、頭を必死で抑えるヲ級。
「ひゅ~・・・ひゅ~・・・ううっ。」
辛うじて意識を取り戻す朝潮、そして、
”私はもう限界ね”
またも脳内に聞こえる赤城の声が、
”私の意識が無くなりつつある、もうすぐ私はを完全にヲ級となって朝潮ちゃんを襲うわ”
「あ、赤城さん。」
「オオオ、オオオ~。」
赤城の最後の力だろうか、ヲ級の指を動かし何かを差す。
「? 主砲を差している?」
指差す方向には、弾切れの主砲が置かれていて、
”弾薬は戻して置いたから・・・それで、私を殺して”
赤城から発せられた驚きの言葉、
「そんな・・・私には、私には出来ません!」
一度自分のせいで赤城を沈めてしまった朝潮、それが今度は自らの手で殺すなんて、そんな事は出来なかった。
”お願い、このままだと朝潮ちゃんが死ぬことになるわ”
「でも、でも! 私には赤城さんを殺すなんて・・・出来ません!」
必死に訴える朝潮に、
「オオ? オオオ~!!」
ヲ級の意識が戻ったのか、またも襲い掛かろうとする。
「くっ!」
朝潮は目を閉じるが、
「・・・あ、赤城さん?」
間一髪のところで赤城の意識が戻ったのか、ヲ級の腕が直前で止められている。
”朝潮ちゃん、あなたは何? ただの女の子なの?”
「・・・・・・」
”違うでしょ、貴方は艦娘! 海を護る戦士、そうでしょ?”
「・・・はい、そうです。」
”なら撃って、今朝潮ちゃんの目の前にいるのは赤城じゃない、艦娘の敵なのよ!”
「・・・・・・」
”また誰かを悲しませる気? また誰かを犠牲にしたいの、朝潮ちゃん!!”
「はっ!・・・ううっ!」
朝潮は悩んだ末に主砲を取り、ヲ級に向かって構える。
「うぐっ・・・ひっく、ううっ・・・」
朝潮は泣きながらヲ級に向かって狙いを定める。
”ありがとう、朝潮ちゃん・・・そして、さようなら”
最後に聞こえたであろう、赤城の温かい言葉が・・・
「うわ・・・うわああああああっ!!!!」
主砲を何発も砲撃、撃ち抜かれたヲ級は力なく地面に絶命する。
・・・・・・
「今のは砲撃音! 場所は・・・ここから近い!」
朝潮の捜索部隊だろうか、レーダーで砲撃音のする方向を特定する。
「! 前方に硝煙反応を確認! 直ちに捜索する!」
戦艦の長門達がすぐさま向かう。
「・・・・・・」
長門たちが見た光景は、砲撃音があった範囲内で立ちすくんでいた朝潮、
「! 朝潮、無事だったか! ずっと探していたんだぞ!」
長門達は朝潮を無事に保護、一緒に鎮守府と帰還する。
・・・・・・
朝潮はすぐに入渠し、検査をする。
幸いにも目立った損傷はなく、半月間行方不明だったにも関わらず、栄養不足と過労だけと診断され、
仲間たちは朝潮の精神力に驚いた。
「・・・・・・」
入渠を終え、傷も癒えた後、朝潮は誰かの部屋のドアに立っている。
「・・・・・・」
そこは、加賀の部屋。
赤城の轟沈後、しばらくして部屋から引篭り、最近加賀を見た人間もいない。
「加賀さん、朝潮です。 少しお話しをしたいのですが?」
何度も呼び掛ける朝潮、そして、
カチャッ(ドアが開く音)
部屋の鍵が開いた、
「・・・・・・」
朝潮は赤城の言った事を思い出す、
”朝潮ちゃん、加賀さんの事、よろしく頼むわね”
「・・・・・・」
片手に持っていた赤城の艤装を強く握りしめ、
「・・・失礼します。」
そう言って、加賀の部屋に入って行く朝潮だった。
「哀しき深海棲艦」 終
🍅『対馬』🍅が危険
リアルに危険
💀西暦2020年『東京五輪』の時
💀韓.国.🇰🇷💀は🍅『対馬』🍅を『侵略』してくる。💀
ん・・・?
コレ、ひょっとしたら朝潮がヲ級化した赤城を撃沈させれば、赤城が元に戻る可能性あるんじゃね?確率的に非常に低そうだけど。
凄まじい話
ジャパン・ミリタリー・レビュー『月刊誌『軍事研究』12月号(11月1日発行)』
あれだけ揉めた『💀🇰🇷韓.国.🇰🇷💀『済州島』で開催された『国際観艦式』における『海上自衛隊の『旭日旗(軍艦旗)』問題』』の記載なし。
一文・一行・一文字の記載なし。
ジャパン・ミリタリー・レビュー『月刊誌『軍事研究』』
何処の国の雑誌かな?(笑)
🇰🇷の雑誌かな?(笑)
かが『頭に来ました。』