「元提督が怒ると悪魔みたいに怖い」
元部下であるサラトガから要請を受けて、現場に向かう元提督。 しかし、彼はとても不機嫌で・・・
注:元提督と村雨がマジ切れします(笑)、一部拷問内容が含まれていますので、
耐性の無い方は見ない事を勧めます。
キャラ紹介、
提督:元提督、村雨と一緒に店を切り盛りしている。 サラトガから頼まれごとを受け渋々承諾するが、
かなり不機嫌な様子。
村雨:元駆逐艦で今は店の女将さん、提督同様かなり不機嫌な様子。
サラトガ:提督の元部下の海外空母艦娘、提督にお願いがあって頼みに来た。
蒼龍:提督の元部下の空母艦娘、提督の付き添いにサラトガと一緒に同行することになった。
比叡:目的地で遭遇する戦艦艦娘。
摩耶:目的地で遭遇する重巡艦娘。
提督がサラトガと蒼龍を連れてある場所へと向かっている。
提督「鎮守府で艦娘たちが反乱を起こしたかぁ~。」
どうやら提督たちは反乱を起こした艦娘たちがいる鎮守府へと向かう途中のようだ。
提督「うん、そうだね。確かに艦娘たちが反乱を起こしたなら放って置くことは出来ないよね?
このままずっと提督達との仲に亀裂が入ったままでは良くないね・・・ここはきちんと改心させるべきだね。」
そう思って、鎮守府に向かう提督だが、
提督「だけどさぁ、何で・・・」
提督はぼそっと呟き、
提督「何でこんな日に限って要請が来るんだよ!!」
何故か提督の機嫌が悪い、一体何があったのだろうか?
・・・・・・
・・・
・
そもそもの発端は店にサラトガがやって来て、
サラ「お願いします! 提督の力が必要なんです、力を貸して頂けないでしょうか?」
サラトガの必死の願いに、
提督「いやぁ、気持ちは分かるんだけど今日は久々の休日でね、今から嫁さんと旅行へ行くところなんだけど。」
提督と村雨は旅行用の荷物を持っていた状態でサラにお願いをされていた。
サラ「そこを何とか! 提督にしか頼れない事なんです! お願いです、私の頼みを聞いて頂けないでしょうか!」
サラトガが何度も頭を下げる。
提督「はぁ~、村雨ならどうする?」
村雨の意見を聞こうと尋ねる提督。
村雨「そうですね~、はっきり言って迷惑ですね!」
うん、最もな意見です。
村雨「せめて明日にして頂けませんか? 私たちはこれから旅行へ行く途中なのに、こんな事をお願いされて
とても不愉快極まりないんですが?」
村雨は急に不機嫌になり、サラトガに詰め寄る。
サラ「・・・気分を害したのなら謝ります! ですが急を要する事態なのです! 村雨さんの怒る気持ちは分かります、
ですがここは堪えて鎮守府の問題解決に御協力を・・・」
サラトガが言い終える前に、
村雨「はい? 何か言いましたか?」
村雨の怒涛の声に、
サラ「・・・・・・」
何も答えられないサラトガ。
村雨「と・に・か・く! 旅行が終わってからにして頂けませんか? サラトガさんだって久々の休暇中に
他人の都合のいいお願いを聞かされたら嫌と思うでしょ?」
サラ「・・・・・・」
村雨は怒ると怖い、それは空母の艦娘であっても恐ろしさは知っている。
提督「それで、一体どんな用件なんだ?」
途中で提督が間に入る。
サラ「! 提督・・・」
提督「勘違いするな、話くらい聞いてやるだけだ。」
提督の言葉に、
サラ「ありがとうございます・・・実は。」
サラトガ事情を説明する。
・・・・・・
サラトガによると、何人かの艦娘が、鎮守府の待遇に耐え切れずに反乱を起こして鎮守府を占拠させた”との情報。
提督「それなら本営に直接報告すればいいだろう? オレみたいに提督を辞めた人間に頼まなくたって。」
提督の言葉に、
サラ「本営には報告済みです! ですが、即解体とか処罰と言ったまま、何もしない状態で・・・」
本営は処罰を考えているようだが、捕縛するのはあくまで人任せのようだ。
提督「う~ん・・・」
提督は難しい顔をする。
サラ「他に頼める人間は貴方しかいないんです! お願いします! せっかくの休日を台無しにしてしまって
申し訳ないです! でも、このまま放って置くわけには・・・」
サラトガの必死の、必死のお願いに、
提督「村雨ならどうする?」
またも村雨に尋ねる提督。
村雨「私としては「知った事ですか!」と言いたい所ですが・・・」
村雨は提督を見つめ、
村雨「行くんですよね? でしたら私は何も言いません、提督の思うようにしてください。」
村雨は心が折れ、行くことを許してくれた。
提督「ありがとう、今日の埋め合わせはちゃんとするからさ。」
村雨「・・・・・・」
「サラトガさんがでしょ?」と敢えて言わずに心の中に留める村雨。
提督「じゃあ行こうか、サラ。」
提督も半ばイラついた表情で、
サラ「ありがとうございます(怯)、では私について来てください!」
そう言って、サラトガと提督は目的地に向かって行った。
・・・・・・
事情を説明して蒼龍にも来てもらうも、提督の機嫌が悪いのは変わらず、
蒼龍「提督はどうしてあんなに機嫌が悪いのですか?」
蒼龍が気になって聞くと、
サラ「ちょっと事情がありまして・・・」
サラトガはこれまでの経緯を説明する。
蒼龍「成程~、それで提督は怒っているのですね~。」
蒼龍は納得して、
蒼龍「確かに・・・せっかくの休日を崩されたらそれは怒りますね。」
蒼龍も提督と同じ意見だ。
サラ「それは分かっています! ですが、今回の件は誰も手を出せなくて・・・」
反乱をした艦娘を止めるには、屈強な心の人間でないと説得は難しい。
サラトガにとって思い当たる人間はまさに提督しかいなかったのだ。
蒼龍「まぁ、提督なら大丈夫ですよ・・・正直あまり提督が怒る光景は見たくないのですが。」
そう言った瞬間に蒼龍は微かに震え始める。
サラ「? どうしたんですか蒼龍さん?」
サラトガの質問に、
蒼龍「提督が怒ると・・・悪魔みたいに怖いですから!」
蒼龍は胸の内を語る。
・・・・・・
提督「ここだな?」
目的の鎮守府に着き、
提督「反乱を起こしたのだから弁明の余地は無いね。」
そう言って、鍵が掛かっているだろう扉を一蹴りで破壊する。
提督「さっさと説得してオレは嫁さんと旅行に行くぞ!!」
提督は鎮守府内に入る。
比叡「初めまして司令! 私は金剛型2番艦の比叡と・・・」
提督の前に現れ、丁寧に紹介するも、
提督「知ってる! それで? 比叡たちは一体何故に反乱を起こしたんだ?」
比叡以外に重巡の摩耶や駆逐艦が複数おり、少数のようで全員が室内に集まっている。
比叡「まぁまぁ、その話は後にしてまずは長旅だったでしょうから少しお話でも致しましょう。」
比叡が笑顔で語り掛けるも、
提督「オレは忙しいんだよ! オレが言えることはただ1つ! 下らない反乱は止めてさっさと鎮守府に戻れ。」
相変わらず提督の機嫌が悪い。
比叡「・・・はぁ~。」
比叡は呆れ返ったようにため息をつき、
比叡「もう少し穏便に済ませたいと思ったのですが。」
比叡が合図すると、重巡の摩耶や駆逐艦たちが提督達の周りを囲い、
比叡「どうせ本営からの説得係でしょう? 私たちはそれに応じる気はありません!
こうなったら生きて返しません、死体になって貰いますよ!!」
比叡達が武器を持って襲い掛かる。
提督「はぁ~・・・」
今度は提督が深いため息をつき、
提督「勘違いするなよ、穏便に済ませたかったのは・・・このオレの方だよ!!」
そう言って、提督が腕を前に出して構える。
・・・・・・
・・・
・
比叡「ううっ・・・」
摩耶「お、お、お前は一体何なんだよ!?」
提督によって返り討ちに遭った比叡達が口を開く。
提督「誰でもいいだろう? もう一度聞くが・・・何故反乱を起こしたんだ?」
提督は側にある椅子に座って事情を聞く。
摩耶「・・・鎮守府の待遇が気に入らなかったからだよ!」
摩耶は素直に答える。
摩耶「口では偉そうにしてるくせに、本音はただの口だけ達者! あたし達に無理な出撃をさせておいて、
あいつは執務室でただ飲んだくれで適当な指示をして! おかげで鳥海は大破して今療養中なんだよ!」
提督「・・・・・・」
比叡「私のお姉さま・・・金剛姉さまが、毎日のように司令に暴力を振るわれて、いつも傷だらけで・・・それが許せなくて!」
提督「・・・・・・」
駆逐艦娘「私たちの鎮守府では給料の未払いがずっと続いて、提督に講義したら逆に暴力を振るわれて・・・ううっ。」
各艦娘たちが事情を話して行き、
提督「そうか、よくあるパターンだな・・・口だけの提督に金に無頓着な奴、そして暴力的提督とまぁ。」
事情が分かったところで、
提督「いいだろう、お前たちの問題。 オレが全て解決してやる!」
提督の言葉に比叡達は耳を疑う。
摩耶「解決するって・・・一体どうやって?」
摩耶の質問に、
提督「それは知らなくていい、苦痛が伴う内容だ。 オレが今言った事はすぐに忘れろ。」
摩耶「・・・・・・」
”苦痛”と聞き、素直に詮索をしない摩耶。
提督「それで、給料未払いの皆は大体合計でどれくらい貰えるはずだったんだ?」
駆逐艦娘たちに尋ねると、
駆逐艦娘「み、皆で大体・・・300万円近くです!」
駆逐艦の1人が素直に打ち明けて、
提督「・・・いいだろう、 オレが500万円を支給する、それで反乱を止めて
違う鎮守府に移るんだ・・・分かったか?」
提督の説得に、
駆逐艦娘「5、500万円も!? ・・・は、はいっ! もうこんなバカな真似は致しません! 約束します!」
提督「よし・・・じゃあ蒼龍、この子達を蒼龍がいる鎮守府へ連れて行ってくれ。」
そう言って、蒼龍に駆逐艦の子たちを渡してその場から去る。
提督「さて、後は比叡と摩耶だけだけど、2人はどうする?」
提督の質問に、
比叡「本当に私と金剛姉さまの無念を晴らしてくれるのですか?」
比叡の言葉に、
提督「ああ、何なら比叡も同席すればいい。」
比叡「・・・分かりました。」
提督の説得で、比叡は改心する。
摩耶「ふん、暴力は暴力で解決しようって考えかい? あたしは別に否定はしねぇけど・・・」
摩耶が忠告をする、
摩耶「あたしの提督は階級が大将で、鎮守府にいる人間は誰1人逆らえないんだ! それでも、あんたは
解決出来ると言えるのか?」
摩耶の言葉に、
提督「ああ、階級なんてただの肩書き。肩書きなんてものは別の力の前に簡単に崩れ去る物だよ。」
提督の意味深な言葉に、
摩耶「(恐)わ、分かったよ・・・あたしももうこんなバカな真似は、二度としないからさ。」
摩耶も態度を改めた。
・・・・・・
提督「はぁ~、これで終われると思ったのに。」
提督は最初と違って更に不機嫌で、
提督「今度はあいつらの反乱の引き金となった提督たちに指導かぁ・・・」
既に提督の怒りは頂点に達し掛けていて、
提督「二度と悪さをしないように懲らしめてやろう。 二度とな!」
そう言って、重い足取りで更なる目的地へと歩いて行く。
サラトガ「・・・・・・」
比叡「ひ、ひえー。」
提督の悪魔のような表情を見て怯えるサラトガ達。
中将「き、貴様! いきなりやって来て何の真似だ!!」
提督は鎮守府に赴くなり、許可なく勝手に侵入。
門番と護衛艦娘を一捻りした挙句に、執務室で作業中の中将を椅子に縛り付けた。
提督「何の真似? それは中将殿が一番分かっているはずでは?」
そう言うと、提督は比叡を前に出し、
提督「この子を見て何か見覚えは?」
中将「ああっ? 比叡を見て? ・・・何も無い!」
中将は、しらを切る。
比叡「嘘です! 司令はお姉さまを・・・金剛姉さまに暴力を振るっていたでしょ!!」
比叡の訴えに、
中将「知らん! オレは何も知らないし、暴力を振るった覚えもない!」
あくまで「知らない」と言い張る始末。
比叡「!? この人でなし!」
比叡が中将に拳を振りかざすも、
提督「こらこら、止めなさい。」
途中で提督が制する。
比叡「止めないでください! 比叡はこの人間を、許せません!!」
比叡は悔しいのか、涙ながらに訴える。
中将「オレは知らん! そこまで言うのなら証拠を見せろ、証拠を!!」
今度は”証拠を出せ”と言う始末で、
提督「とりあえず止めなさい。 暴力はいかんでしょう?」
提督が説得して比叡を何とか落ち着かせる。
中将「おい、そこの下っ端! 比叡はこのオレに危害を加えようとした! 今すぐ捕縛し、オレを解放しろ!」
中将の命令に、
提督「あっ? 下っ端とは、オレの事でしょうか?」
提督が急に表情を変えて中将に詰め寄る、
中将「ひっ! お、お前以外にだ、誰がいると言うんだ?」
怖いのか、震えながら講義する中将。
提督「本当に暴力は振るっていないと?」
提督の言葉に、
中将「し、知らない! オレは何もやって・・・」
提督「本当に・・・?」
提督の表情は人というより、鬼のような形相となり、
中将「・・・こ、金剛が悪いんだ! あいつが任務を連続で失敗するから!」
中将が素直に答える。
提督「おやおや、先程までしらを切っていたのに急に白状しちゃって・・・そうですかぁ~。」
提督は納得して、
提督「では、暴力を振るった中将殿には罰を与えなければ行けませんね~。」
中将「? ば、罰って?」
中将が顔を上げた瞬間に、
ばっちーん!!!!
提督の平手打ちが中将にヒットする。
中将「ごはぁっ!! ああ、あはぁがががぁぁっ!!?」
中将は口をうまく動かせない・・・どうやらさっきの平手打ちで顎が外れたらしい。
提督「おやおや、顎が外れたみたいですね・・・すぐに直しますので。」
そう言って、提督が片手で中将の顎を支え、次の瞬間、
ごきぃっ!!!!
中将「!!??!?!?!?」
中将の絶叫が室内に響く、
提督「あっ、すいません。 顎が砕けてしまいましたか? これでは話すことが出来ませんね~。」
提督は「すいませーん」と全く悪びれた様子もなく頭を下げる。
サラ「・・・(怯)」
提督の行動を見て昔の事を思い出すサラ。
・・・・・・
・・・
・
それは、サラが村雨の店で夕食をご馳走になっていた時の事、
サラ「提督って本当に温厚ですね! いくら艦娘が悪い事をしても絶対に手を挙げないんですから!」
提督は口頭注意はするものの、手を挙げることはない。
サラ「それで、提督に聞いて見たんですよ・・・「提督って手を挙げないから優しいですね!」って。」
村雨「あらあら、それで提督は何と答えたのですか?」
サラ「それが・・・意外な答えを言って来て。」
サラは笑いながら、
サラ「村雨ちゃんたちのあの「もちもちでぷにっとした肌に触るのがオレの楽しみだから、手を挙げたりして
傷でも負ったら、せっかくのお肌が台無しになるだろう?」って・・・」
村雨「・・・・・・」
サラ「何だかおかしくって! でも、それで提督が暴力を振るわないのが分かった気がします!」
サラの言葉に、
村雨「確かに一理ありますね、ですが本当の理由は違うんですよね~・・・」
村雨は難しい顔をする。
サラ「? 本当の理由ですか?」
サラは首を傾げる、
村雨「はいっ・・・この事は提督本人には言わないでくださいね? バレると後が怖いので!」
サラ「? はい。」
絶対に言わない約束をして、
村雨「実は・・・」
村雨は提督が皆に手を挙げない本当の理由を教える。
・・・・・・
・・・
・
提督が適当に謝ったところで、
提督「・・・まぁ、中将殿にはそもそも”口を開く筋合いは無い”ですからね。」
そう言って、提督は再び中将に平手打ちを何度も浴びせる。
ばっちーん!! ばっちーん!! ばっちーん!! ばぁーーん!!
中将「・・・(口が開けない)」
中将の顔が変形している・・・恐らく頬骨が砕けてしまったのだろう。
提督「おや中将殿、何だか変な顔になってますね~。」
提督は笑いながら中将に話し続ける、
提督「少しは分かって頂けましたかな? 殴られる人間の気持ちが? 殴る時は分からないと思うけど、
殴られた側はこんなに痛いものなんです・・・少しは金剛と比叡の気持ちを理解出来たと思うのですが?」
そう言って、また鬼の形相で中将に詰め寄る。
中将「・・・(無言で怯えながら首を縦に振る)」
提督「これを機に艦娘たちに暴力を振るうのは止める事ですね。」
中将「・・・(無言でこくこくと頷く)」
提督「分かってくれて何より・・・では次に行こうか!」
中将「(;O;)!?!?!?」
提督「比叡の件はこれで終わり・・・今度はオレの件だ。」
提督は、ぽきぽきと腕を鳴らして、
提督「てめぇのおかげでよ・・・今日の久々の休日が台無しになったんだよ。」
中将「・・・・・・」
提督「半月ぶりの休みだったのにさぁ・・・「提督に暴力を振るわれている、助けて!」なんて言われたら、
止むなく手を差し伸べざるを得ないだろう?」
提督の表情が鬼から悪魔の様な表情に変わり、
提督「せっかく嫁さんと一緒に旅行へ行こうと思ったのに・・・それを見事に崩しやがって、ただで済むと思うなよこのクズ野郎!!」
中将「( ;∀;)(震えて怯えて失禁状態)」
提督「でも! オレは温厚だからさ、慈悲として・・・」
そう言って、提督は腕を前に出して、
”100発で勘弁してやるよ♪”
中将「!?!?!?!!!!????」
中将の大絶叫がしばらくの間、室内に響き渡った。
・・・・・・
提督「よし、では次に行こうか。」
中将を懲らしめ、金剛と比叡の無念を晴らしてやり、次の目的地へと向かう提督とサラトガ。
サラ「・・・(怖)」
サラは村雨が言った事を思い出す。
・・・・・・
・・・
・
村雨「提督は本当は”手を挙げない”では無いんです・・・”手を挙げれない”んです。」
サラ「? どう言う事ですか?」
サラの質問に、
村雨「提督って腕力が異常に強いのはご存知ですよね?」
鎮守府で戦艦の艦娘ですら運べない重い荷物を、”提督が1人で運んでいる姿”を何度も目撃している村雨、
村雨「そんな腕力が強い人間からの暴力・・・優しく言うなら、平手打ち程度でも受けたら、相手はどうなると思います?」
サラ「・・・・・・」
村雨「間違いなく骨が砕けると思いますよ? 戦艦や空母の艦娘ならまだ耐えられそうですが、
駆逐艦がまともに平手打ちを受けたらどうなるか・・・」
サラ「・・・・・・」
村雨「前に長門さんが提督を怒らせてしまって、長門さんが提督に平手打ちをされた所を見たのですが・・・
その後、頬が赤く腫れてしまって、検査をしてみたら”頬骨にひびが入っていた”そうですよ。」
サラ「・・・・・・」
村雨「ビッグ7の方でも、”頬骨にひび”です。駆逐艦や軽巡クラスなら間違いなく、”骨が砕ける”でしょうね。」
村雨の説明に、
サラ「それは・・・何て恐ろしい理由なんでしょう(怯)」
「聞かない方が良かった」と後悔するサラトガ。
・・・・・・
・・・
・
提督「おい、サラ。 何をぼーっとしているんだ?」
サラ「! い、いえ! 何でもありません!」
提督「そうか、じゃあ次の目的地へ向かうぞ!」
そう言って、提督はまた目的地に向けて歩き出す。
少将「何だ貴様! 一体何のつもりだ!!」
鎮守府に赴くなり、執務室で作業中の少将を、中将同様に椅子に縛り付ける提督。
少将「おい、お前! こんな事をして無事で済むとでも!?」
自覚は無いようで、やたらと吠える少将に、
提督「こんばんわ、少将殿。 しかし・・・少将殿の執務室内は何とも貧相な家具しか置いていないようで・・・」
提督の言った通り、執務室内を見回すと、簡易な机に古ぼけた棚、切れかけの電灯など、良い環境には見えない。
提督「少将殿、貴方はもしや”ギャンブル依存症”ではありませんか?」
提督の言葉に、
少将「・・・・・・」
少将は無言のまま・・・どうやら図星のようだ。
提督「成程、別に悲観はしてませんよ? 個人の勝手なので、儲かろうと損しようとオレは関係ありませんので。」
少将「・・・・・・」
提督「ただ、それのせいで、給料を貰えない艦娘たちがオレに訴えて来まして・・・」
提督は少将に詰め寄り、
提督「一応確認のために、艦娘たちへの給料未払いは本当ですか?」
提督の質問に、
少将「・・・(そっぽを向く)」
少将は視線を合わせない、あくまで「知らない」と拒否している態度にも見える。
提督「正直に答えて下さい・・・答え次第では、この先少将殿に起こる悲劇の度合いが変わって行くので~。」
提督は笑顔だが、どこか睨みつけているようにも見え、
少将「・・・そ、そうだ。 だが仕方がないだろう、競馬で負けて金が無いんだからさ!!」
怖いのか、素直に艦娘への給料未払いを認める少将。
提督「そうですか~、では罪深き少将殿には罰を与えないと。」
少将「罰!? 罰って何だよ!?」
提督の表情を見て怯える少将に、
提督「少将殿の利き腕を切り落とします!!」
きっぱりと答える提督。
提督「よく言うでしょ? ”窃盗犯(スリ)に対して、二度と罪を犯さないために、腕を切り落とす”って。」
提督はにやにやして、
提督「今回は艦娘たちへの給料未払いなので、それとは関係ないでしょうが・・・オレから見れば立派な”給料泥棒”ですから。
窃盗と何ら変わらないでしょう?」
そう言って、提督がまた詰め寄ってくる。
少将「や、止めろ・・・頼む、止めてくれ!!」
少将は必死に助けを請おうとする。
提督「安心してください、”腕は切り落としません” この先、何かと不便でしょうから~。」
そう言って、手に取ったのは・・・何故か工具用のペンチ?
少将「何だそれは・・・ペンチ? ペンチで一体何を?」
少将の質問に、
提督「何って、こう使うんですけど?」
そう言って、提督がペンチを少将に向けた次の瞬間、
ベリッ!!!!
少将の指の爪を剥いだ、
少将「〇✕◇△!?!?!!!???」
少将の絶叫が室内に響き渡る。
提督「おやおや、まだ指の爪1本なのに・・・もう失神しかかって。」
少将の態度を見て呆れる提督、
提督「まだ19本あるんですよ? それとも1本毎に絶叫を上げるのですか?」
そう言って、提督は次の指の爪を容赦なく剥ぐ。
ベリッ!!!! ブチッ!!!! ゴリッ!!!!
「#&%*〇✕△%%&&$$----っ!!!!」
少将の大絶叫が永遠に響き渡る。
サラ「・・・(ガクガク)」
目の前の光景に涙目のサラ。
提督「これで両手足の爪20本全て・・・では、次に行こうか。」
提督は次に取り出したのは・・・裁縫用の針?
少将「あぅ・・・こ、今度はな、何を・・・」
提督の非人道的行為に怯えつつも、質問をする少将。
提督「何って、分からないんですか?」
そう言って、持っていた針を爪を剥いで露出した指に刺す。
ザクッ!!!!
少将「$%&##$&%〇✕◇!!!???」
恒例の少将の大絶叫が再び室内に響く。
提督「あーうるさい、まだ1回しか刺していないのに・・・」
呆れた提督は少将の口にガムテープを張り付ける。
少将「むぐうぅ~~!!」
何か叫んでいるようだが、上手く聞き取れない。
提督「これで終わりと思わないでくださいよ? オレの久々の休日を台無しにしたあんたには最低でも・・・」
少将「・・・(震えて怯えて失禁状態)」
”100回は刺さないと気が済まないよ♪”
提督は笑いながら、露出した指に躊躇なく刺して行った。
・・・・・・
・・・
・
提督「残るは摩耶の提督か。」
提督は「はぁ~」っとため息をついて、
提督「サラ、今何時になった?」
サラ「は、はい・・・時刻は・・・18時になった所です(怯)」
提督「18時か、はぁ~・・・」
提督は再びため息をつき、
提督「この件が終わったら、昼から外出って思っていたけど・・・時間的に無理じゃねぇかよ!!」
提督の不機嫌は最高潮に達する、
サラ「・・・(怯)」
サラはただただ怯える。
提督「悪いけど、サラは先に店に戻っていて。 もう1人には、きつめのお仕置きをするからさ。
サラもその光景に見るに耐えぬだろう?」
提督の言葉に、
サラ「は、はぁい!! 分かりましたぁ!!」
サラは素直に提督の指示で村雨の店に向かう。
・・・最も、提督の容赦のない拷問行為を見ていられなかったサラトガにとって、その場を離れられる
事は本人にとって好都合な状況であったが。
サラ「ふぅ~・・・やっとこの場から離れられました。」
サラは安堵の息を漏らす。
サラ「それにしても、提督が怒る所は初めて見ました。 蒼龍さんの言った通りあれはまるで・・・悪魔のようです!」
そう思って、サラは村雨の店に戻って行く。
・・・・・・
店に戻る途中で、
サラ「・・・流石に手ぶらで戻るのは、まずいですよね。」
元はと言えば、2人の旅行台無しにしたのはサラトガ本人とも言える、
サラ「ご迷惑を含めて・・・和菓子でもお土産に買って行きましょう。」
サラなりの気遣いとして、お土産屋へ寄り道する。
サラ「ただいま戻りました~。」
サラが店に入ると、
村雨「あら、サラトガさん! おかえりなさいませ~♪」
村雨がカウンターで包丁を研いでいて、
村雨「提督はどうしたのです?」
村雨の問いに、
サラ「もう1つの鎮守府に行ってから、戻ると聞きました。」
村雨「そうですか~、つまり今日の予定は見事台無しになったわけですね~♪」
村雨が笑顔なのか、睨んでいるのか分からない表情で見つめて来る。
サラ「・・・(怯)」
しばしの沈黙後、
サラ「あの・・・今日は本当にご迷惑を掛けました・・・良ければ、つまらない物ですが提督と一緒に
食べて貰えればと思って。」
そう言って、村雨に少し高価な和菓子のお土産を差し出す。
村雨「あら、そんなお気遣しなくても~♪ でも、せっかくの御好意なので、頂きます~♪」
いつもの笑顔に戻る村雨。
サラ「・・・(ほっ、良かったです。 村雨さんは怒っていませんね。)」
サラは一安心・・・しかし、それは大きな間違いだった。
村雨「・・・って、サラトガさん~♪」
ドスッ!!!!
村雨は受け取ったお土産を研いだ包丁で思い切り刺す。
サラ「!!!???」
サラは何が起きたのか一瞬分からない。
村雨「こんな物で私の機嫌を取れると思ったら大間違いですよ~?」
村雨は包丁を持ちながら笑顔で語り掛ける。
サラ「・・・(怯)」
村雨「さてと、サラトガさん♪ 今日の埋め合わせはどうしてくれるのでしょうか~♪」
笑顔のようで、冷酷に見える表情に、
サラ「・・・(ああっ、村雨ちゃん、とても怒ってる・・・あの表情、まるで・・・)」
サラは途端に涙目になり、心の中で叫ぶ。
”提督と同じ、悪魔です!!!!”
・・・・・・
提督「ただいま~。」
仕事を終えて店に戻る提督。
村雨「提督、おかえりなさい~♪」
笑顔で迎える村雨。
提督「今日はごめんな、なるべく早く終わらせようと思ったけど・・・結局こんな時間になって。」
提督は謝るも、
村雨「大丈夫ですよ、それにとてもいい朗報があるんですよ~♪」
提督「? 朗報?」
提督は首を傾げる、
村雨「はいっ♪ 何と、サラトガさんが明日1日この店に働きに来てくれるそうです!」
提督「サラが? ・・・それは有り難いけど、それが朗報なの?」
手伝いに来てくれるのは助かるが、それはいつもの事に感じる提督だが、
村雨「いえいえ、明日1日サラトガさんが私たちの代わりに店を切り盛りしてくれるんですって!」
提督「えっ、オレたちの代わりに? う~ん、そんな事サラに任せられるの?」
提督の質問に、
村雨「海風や夕立たちも応援で呼ぶんですよね、サラトガさん?」
村雨の質問に、
サラ「は、はぁい(怯)。 今日は本当に2人にはご迷惑をお掛けましたし・・・このサラ、償いとは言いませんが、
明日の1日、店のご奉仕をしたいと思っておりまして(ガクガクブルブル)」
サラは体を震わせながら、答える。
提督「・・・(察し)そうなんだ、じゃあせっかくだから頼もうかな。」
提督は何かを察して、サラに店を任せることにした。
・・・・・・
翌日、
提督「じゃあ悪いけど、よろしく頼むね。」
提督と村雨は旅行用トランクを持っていて、
サラ「はいっ! 今日1日は店を頑張らさせて頂きます(緊張)」
事前に海風と夕立を呼んでいるサラ。
村雨「では、行きましょうか提督♪」
村雨はワクワクしながら提督と一緒に旅行へ行く。
海風「珍しいですね、サラトガさんが店の切り盛りをするなんて。」
いつもは提督か村雨のどちらかがいる状態で手伝いを頼むはずなのに、サラトガに一任させるのは初めての経験で、
夕立「提督さんと村雨だけずるいっぽい~! 夕立も連れて行って欲しかったっぽい~。」
夕立は不満そうに呟く。
サラ「海風ちゃんと夕立ちゃん、今日は手伝いに来てくれて本当に感謝しています! では、今日1日皆で頑張りましょう!」
サラトガは店を開けて、朝からの仕事に専念する。
・・・・・・
・・・
・
その後、提督と村雨は旅行を満喫。
帰還後には2人はいつもと同じ態度に戻っており、
村雨「今日はありがとうございます~♪ では、今日の日給ですね~♪」
村雨もいつもと同じ笑顔でサラトガ達に日給を渡す。
サラ「あ、ありがとうございます・・・では、お疲れ様です!」
そう言って、店から出るも、
サラ「・・・・・・」
サラは思った。
”提督と村雨ちゃんは、絶対に怒らせてはいけない”・・・と。
「元提督が怒ると悪魔みたいに怖い」 終
あーサイコサイコ...
でもこういった単純な勧善懲悪ってむしろ少ないし面白いですね