「パイ〇リとは何ですか?」
懲りずにどこで知ったのか、再び皆に尋ねる朝潮に皆は・・・
駆逐艦朝潮、よく周りからあらぬ知識を植え付けられる。
最近は辞書で調べる等、自分で解決しようと試みることが多く、
前のように周りに執拗に質問責めが終息したかに見えた・・・が、
朝潮の口からまたもあらぬ質問が飛び出す。
「パイ〇リって何ですか?」
聞かれたサラトガが思わず飲んでいた水を吹き出す。
「あ、朝潮ちゃん・・・今度は一体どこでそれを知ったの?」
突然の質問に、サラトガは困惑する。
「鹿島さんが言っていたのです!」
朝潮はその時の出来事を説明する。
・・・
「あれは、鹿島さんですね。」
執務室から鹿島が出て来て、
「もうっ! 提督さんったら朝からいきなり・・・せめて夜にお願いしてくださいよ!」
鹿島は困っているのか喜んでいるのかよく分からない表情をしていて、
「鹿島さん、おはようございます!」
「あら、朝潮ちゃん! おはようございます!」
お互いに挨拶を交わし、
「所で、どうしたのですか? 何か困った事があるのですか?」
朝潮が質問すると、
「困った事? 提督さんのお願いにちょっと困ったかな~♪」
「? 司令官のお願い、ですか?」
朝潮は首を傾げると、
「そうです! 聞いてくださいよ~、提督さんが朝から私に「パイ〇リしてくれ!」って言うんですよ~。
朝から盛んなのは結構ですが、せめて夜に言って欲しいです!」
鹿島は躊躇いも無く答えるも、
「・・・パイ〇リ? パイ〇リとは一体何ですか?」
朝潮が言葉を返すと、鹿島は「ああ、しまったぁ」と思ったのか、
「ご、ごめんなさい! 朝潮ちゃんにはちょっと難しかったかな・・・今のお話忘れてください!」
そう言って、鹿島はその場から去ってしまう。
・・・
「今度は鹿島さん・・・いくら大きいからって子供の前で口走らなくても・・・」
サラトガは大きくため息をつく、
「それで、鹿島さんが言った「パイ〇リ」と言う言葉が頭から離れなくて・・・もし、サラトガさんが
意味を知っているのでしたら、是非この朝潮に教えて欲しいのです!」
朝潮が真剣な面持ちでサラトガに詰め寄る。
「そ、そうですね~・・・え~っとですねぇ。」
サラトガは顔を真っ赤にする。
「サラトガさんが顔を真っ赤にしている・・・パイ〇リとはそんなに恥ずかしい意味なのですか?」
「・・・」
「はいっ、とても恥ずかしいです!」と思うサラトガ。
「では、答えられる範囲でいいですので、意味を教えて頂けませんか?」
いつもならここで身を引くが、今回は執拗に聞いてくる朝潮。
「え、え~っと・・・そ、そうですね。」
サラトガは悩んだ末に、
「言葉の通りの意味です! はいっ!」
サラトガは無難な回答をする。
「言葉の通り・・・ですか?」
朝潮は少し考えて、
「パイ〇リ・・・パイとズリですから・・・アップルパイなどのパイを手で擦るって言う意味ですか?」
朝潮らしい回答に、
「全然違います。」と敢えて無言を貫くサラトガ。
「分かりました! 朝潮、パイ〇リの意味が分かって嬉しいです、ありがとうございました!!」
朝潮は満足して去って行く。
「ふぅ~・・・やっといなくなりました。」
サラトガは安堵の息を漏らす。
「それにしても可哀そうに朝潮ちゃん・・・また変な知識を植え付けられちゃって。」
ここまで来ると最早サラトガは朝潮に対して同情の気持ちしかない。
「そうなのですね~・・・これがパイ〇リなんですね~。」
早速朝潮は冷蔵庫に入っていたおやつのパイを手で擦って見る。
「う~ん、意味は分かったのですがどうして鹿島さんは「夜の方がいい」と言ったのでしょう?」
朝潮は考える、
「・・・分かりません、やはりここは分かりそうな人間に尋ねてみるのがいいですね!」
そう言って、おやつのパイを冷蔵庫に戻すと、部屋から出て行く。
「あっ、蒼龍さん! おはようございます!」
廊下で蒼龍と出会う。
「あら朝潮ちゃん、おはよう!」
お互いに挨拶を交わし、
「そうだ、蒼龍さんなら分かるかもしれません!」
「? 私に分かる事?」
蒼龍は首を傾げ、
「先程、サラトガさんから聞いたのですが。」
朝潮は躊躇いも無く、
「パイ〇リってどうして夜の方がいいのですか?」
「・・・」
朝潮と蒼龍の周囲の時間が一瞬止まったかのような現象が起き、
「あ、朝潮ちゃん。 今何て言ったのかしら?」
「聞き間違いよね~」と思い、再び尋ねるも、
「すいません、聞きづらかったですか? では、もう一度言います・・・パイ〇リとはどうして夜がいいのですか?」
「・・・」
「聞き間違いでは無いわね」と思う蒼龍。
「そ、そうね・・・朝からその行為は恥ずかしいと言うか、何と言うか。」
蒼龍も顔を赤くし始める。
「そうなのですか! パイ〇リは朝すると恥ずかしいのですか!!?」
朝潮はかなり驚いた様子。
「う、うん。朝は恥ずかしいわね・・・せめて夜よね。」
鹿島と同じ「夜にする行為」と答える蒼龍。
「と言うか朝潮ちゃん、一体誰に聞いたのかしら? それ以上にパイ〇リの意味は知っているの?」
蒼龍の質問に、
「はいっ! 言葉は鹿島さんから聞いて・・・パイ〇リは食べるパイを手で擦る行為だとサラトガさんから教えて頂きました!」
朝潮の言葉に、
「鹿島さん・・・それにサラトガさん、意味が全然違うんだけど!!」と、2人に対して怒りを露わにする。
「それで蒼龍さん! どうしてパイ〇リはどうして夜でなければならないのですか?」
朝潮の真面目な表情に、
「そ、そうね・・・え~っと・・・何て答えたらいいかしら。」
蒼龍は再び顔を赤くし始め、
「ごめんなさい、私では上手く説明出来ないわ。」
蒼龍は早々に白旗を出す。
「そうですか・・・がっかりです。」
朝潮はしょんぼりしながら重い足取りで去って行く。
「あっ、朝潮ちゃん・・・う~ん。」
蒼龍は考え込み、
「本当に朝潮ちゃんは周りから変な知識を植え付けられて不便よね~。」
サラトガと同様に朝潮に同情する蒼龍。
「う~ん・・・パイ〇リは夜がいい・・・むむむ。」
朝潮は未だに悩んでいる。
「そうだ、司令官に直接聞けばいいかもしれません!」
先程鹿島が執務室から出て来て、提督への愚痴をこぼしていたのだから、当然執務室には提督がいる事になる。
「司令官! 失礼します!!」
執務室の扉を叩くと、朝潮が室内に入る。
「? 朝潮か、一体どうした?」
朝潮が入室して来て、首を傾げる提督。
「司令官に聞きたいことがあります!!」
「? オレに?」
「はいっ!!」
そう言って、朝潮は一度深呼吸をして、
「パイ〇リはどうして夜の方がいいのですか?」
「・・・」
それを聞いた提督は耳を疑い、
「い、今何て言った?」
思わず聞き返す提督。
「あっ、すいません。 聞き取りづらかったですか? ではもう一度、パイ〇リはどうして夜の方がいいのですか?」
「・・・」
「聞き間違いでは無い」と悟った上で、頭を抱え込む提督。
「と言うか・・・その言葉をどこで知った?」
提督の質問に、
「はいっ! 今日の朝、執務室の廊下を歩いていたら鹿島さんが扉から出て来て、司令官から「パイ〇リしてくれ!」と
言われたことを話してくれました!!」
「・・・(恥)」
「それで、分かりそうな艦娘の方に何人かに質問をした所、「パイ〇リは夜にする行為」と言っておりまして、
どうして夜の方がいいのかを知りたく、司令官にお尋ねしました!!」
「・・・(恥)」
「それで司令官! パイ〇リはどうして夜でなければ行けないのですか?」
朝潮の真面目な表情に、
「そ、それはだな・・・え~っと。」
提督は悩んだ末に、
「あ、朝潮は知る必要は無い。 お前には関係の無い事だからな!!」
「えっ、朝潮には関係ない事なのですか!?」
提督の言葉に朝潮は一瞬驚く、
「そうだ、何故ならパイ〇リは特定の艦娘にしか出来ない特殊な特技なんだ。
そして朝潮! お前ではまずパイ〇リは出来ない! 従って朝潮は意味を知る必要が無いって事なんだ!!」
「そ、そうなのですか! パイ〇リは誰もが出来る事では無いのですか!?」
更に驚く朝潮。
「そう、だから出来ないお前が知る必要は無い! 分かったら早く部屋に戻れ、オレはこれから書類整理を
しないと行けないんだ!!」
「あっ、も、申し訳ありません! 失礼しました!!」
朝死は深く礼をした後、執務室から出る。
「そうなのですね、特定の艦娘にしか出来ない特技・・・」
提督に言われた事・・・「朝潮には出来ない、だから出来ないお前が知る必要が無い」、確かにそうかもしれないが、
「でも、出来ないからと言って知る必要が無いわけではありません! 出来なくてもいいです。
せめてこの朝潮、意味だけでも知りたいです!!」
朝潮は意を決し、ある場所へと向かって行く。
・・・
ここは別の鎮守府、
「そうか・・・また朝潮がねぇ~。」
執務室で誰かと話をしている提督。
「そうなんですよ~、今日は提督の依頼で別の鎮守府に報告書を届けに向かったら、朝潮ちゃんと会って
またあの子の口からあらぬ発言が出て来まして~。」
提督と会話をしている艦娘、それはサラトガである。
サラトガは提督の依頼で別の(朝潮がいる)鎮守府に赴いていたのだ。
「確か蒼龍さんもあの鎮守府に短期間出張で滞在していますよね? 朝潮ちゃんに質問されていなければいいのですが・・・」
・・・安心しなさいサラトガ、もう質問されているから(笑)
「朝潮は真面目だからねぇ、気になった言葉は気の済むまで調べようとするからなぁ~。」
サラトガの話を聞いて、提督は笑い出す。
「・・・で、朝潮は今度は何を聞こうとしていたわけ?」
提督の質問に、
「そう、それなんです! 朝潮ちゃんも変な知識を植え付けられちゃって本当に可愛そうです。」
サラトガは朝潮に同情して、
「今度は・・・パイ〇リって意味を聞こうとしていました。」
「パイ〇リ・・・これはまたマニアックな言葉を植え付けられたもんだなぁ~。」
そう言って、2人で笑い出す提督とサラトガ・・・そこに、
「失礼します、司令官!!」
執務室に誰かが入って来た、それは何と、
「あ、朝潮ちゃん!? どうしてここに!?」
別の鎮守府に入るはずの朝潮が何故かここにいて、
「はいっ! 元司令官にまた聞きたいことがあったのですが、再び司令官として再就任したと聞いてこの鎮守府に赴きました!!」
そう言って、朝潮は提督の前に立ち、
「司令官、再就任おめでとうございます!! この朝潮! 心から祝福します!!」
「そ、そうか。 それはありがとう。」
素直に礼を言う提督。
・・・礼儀正しさと言い、今の状態を見ている限り普段通りの朝潮に見えるのだが。
「早速ですが元・・・いいえ、司令官!! また聞きたいことがありましてこの場に参上しました!」
「そうか・・・それはパイ〇リではないかな?」
「! 流石司令官! 察しがいいです!!」
朝潮は期待の目で提督を見つめる。
「・・・」
「わざわざパイ〇リの意味を聞くためにここまで来て、ご苦労な事だなぁ~」と思う提督。
「それで、朝潮がいる鎮守府の提督や艦娘たちは何て言ったの?」
提督の質問に、
「はいっ! 一応サラトガさんや蒼龍さんからも聞き、他に休日だった艦娘の方々に尋ねたのですが・・・
皆恥ずかしいのか顔を赤くして・・・共通していたのが、「パイ〇リは夜に行う行為」と言っておりました。」
「そうかそうか、確かに夜だなぁ~。」
納得する提督。
「それと、司令官が「朝潮は知る必要は無い、お前ではパイ〇リは出来ないから!」とも言われました。」
朝潮の言葉に、
「何、それはけしからん! 意味くらい教えればいいだろう!」
と怒りを露わにする。
「それで、今まで朝潮の質問に全て丁寧に解説してくれた司令官にどうしても意味を教えて頂きたいのです!!」
朝潮は改まり、
「司令官、朝潮に「パイ〇リはどうして夜にする」のかを教えてください!!」
朝潮の願いに、
「いいだろう、教えてやる。」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ、何事にも興味を持つことはいい事だし、だからと言って間違った知識を持ってもらっては困るからな・・・
ここはきちんと教えるべきだろう。」
「お、お願いします!!」
そう言って、朝潮は回答を待つ。
「まず先に男性と女性、もしくは恋仲の2人がいる事が条件だよ。」
「な、成程・・・まずは2人いる事が前提なのですね!」
「そうそう、そして2人で一緒に入浴してそれから・・・」
「・・・」
提督の説明を真面目に聞いている朝潮と、どう答えるのか興味があるサラトガ。
「そして女性が男性の背中からハグするんだ。」
「は、ハグですか? 成程、要は抱き着くのですね!」
「そうそう、その時に女性のお胸が男性の背中に”むにゅっ”て触れるわけだよ。」
「確かに・・・普通に考えたら触れてしまいますね!」
「その時に背中にすりすりと擦れてしまう、つまりそれがパイ〇リって言うんだよ。」
「な、成程! パイとは”お胸”の事で、ズリとはやはり”擦る”と言う意味だったのですね!」
提督の説明に朝潮は「成程!」と理解していくが、
「? んんっ?」
側で顔をしかめるサラトガ。
「成程・・・では特定の艦娘しか出来ないと言うのは、お胸が大きい人の事を言うのですね!」
朝潮は納得して、
「でもどうして夜じゃないと行けないのですか?」
朝潮が一番聞きたかった質問を聞くと、
「考えて見てよ、朝っぱらから風呂場で男女が入浴していたらどう? 普通は恥ずかしいと思うだろう?」
「な、成程! 確かに早朝に2人とも裸を見られたら恥ずかしいですね!」
「そうだろ? だから、仕事終わりや深夜に2人で入浴するから、”夜が適切”なんだよ。」
「そうだったのですね! 成程! 丁寧な説明ありがとうございました!」
朝潮は意味を知って満足したようで、
「司令官ありがとうございます! 朝潮、パイ〇リの意味が分かって嬉しいです! それでは失礼します!!」
朝潮は自分の鎮守府に戻って行った。
「ふぅ~、朝潮は納得してくれたか。 知ってても意外に説明は大変な物だねぇ~。」
提督は伸びをする。
「・・・」
サラトガは何故か真顔で提督を見つめる。
「ん? どうしたサラトガ? オレの顔に何か付いているか?」
提督の質問に、
「提督・・・失礼ですが。」
そう言って、サラトガが一言、
「パイ〇リの意味が全然違いますよ!」
サラトガの言葉に、
「えっ、違うの!? てっきりオレはずっとそう言う意味だと!!」
提督はかなり驚いた様子でサラトガを見つめた。
「パイ〇リとは何ですか?」 終
その後、提督はサラトガにパイ〇リの本当の意味を教えて貰いました(笑)
朝潮型で出来そうなのは峰雲くらいで
君たちでは無理だ。其よりも無いことに
よる可能性を見つけるんだ!自分だけの武器を見つけるんだよ。忠犬朝潮よw
パイというお菓子をだね。余りにも当時の技術で作るのが難しく、パイに似た。パイに似せた偽物のお菓子をズルして売る人達に付けられた別名なんだよ!朝潮君はそんなずるい人間に成っては行けないという戒めの言葉なんだよ!鹿島君は彼にずるしてでも欲しいものが有るんだ!だから小遣い上げてくれと頼まれたんだと答えるんだ!天使を汚すこと無かれ。
うなぎパイは夜のお菓子なんでね きっと鹿島と朝からうなぎパイパーティしようとしたんですね(白目)
ていとくさんが一番の紳士です彼は天使を汚すことなくクールに決めました
後に妖精さんはそう語ったので合ったw
提督さんが一番の天使立ったで御座るw