キスしないと出れない部屋
海から来た人と海から来た人ⅡのPVが10000を越えた記念に電と海人をキスしないと出れない部屋に閉じ込めました。
海から来た人の短編なので海から来た人を読まないと面白くないと思います。(本編とか途中で止まった短編進めろって話ですが)
「なんなのですかここは」
目が覚めると見覚えのない部屋にいた。
殺風景な六畳程の部屋で家具も窓もない。
真っ白な壁に扉がひとつポツンとあるだけだ。
気付けば、そこにいた。
扉は開かない。鍵が掛かっているようだ。
電は首を傾げながら同じくその部屋にいる男性に問い掛けた。
「ここがどこだか分かりますか?」
「いや、分からん」
海人はお手上げといった様子で両手を上げた。
「俺は自分の部屋で寝た筈なんだが、寝ている間に運ばれたか? だとすれば見事な隠密だな、こんなことが可能なのは加賀、時雨、川内あたりしかいないだろう」
「加賀さんがこんな意味のないことをするとは思えないのです。時雨さんが海人の許可なくこんなことをするとは思えないので面白半分の川内さんでしょうか?」
「というか、これ夢か? 電、実はお前は俺の夢の登場人物じゃないのか?」
「それを証明する手段はないのですよ……」
電は溜め息を吐きながら答える。
「いや、冗談だ。自分が夢を見ているかどうかくらい分かる」
「凄い自信なのです」
「ところで、だ」
海人は見て見ぬふりをしていたその一枚の張り紙を指差す。
それは扉に貼り付けられていて、大きな文字ではっきりと【キスしないと出れない部屋】と書かれていた。
「あれ、マジか?」
「……現状、情報はあれしかないのですよ」
「するか? キス」
「い、電は嫌ではないですけど、流石に色々試してから最終手段なのですよ!」
「最終手段って嫌がってるじゃないか。……まぁいい、脱出手段を探すか」
「嫌ではないのです、嫌ではないのですが申し訳ないというか抜け駆けというかずるいというか後ろめたいのです……」
ボソボソと呟く電を背に、気にすることもなく海人はまっすぐ扉に歩いていき、次の瞬間爆発的な轟音と共に部屋が揺れた。
電としては口を開けて間抜けな顔を晒すのも致し方ないだろう。
「開いたぞ」
そこには回し蹴りで扉を吹き飛ばした海人がいたのだから。
「……人間とは思えないのです」
苦笑しつつ、ほっとして同時に残念さも抱えた複雑な表情で電は呆れたように笑った。
書いてる途中でこの男を閉じ込めるの無理だって気付いた。
海人「ふと思ったんだが、電は俺の名付け親だろ? つまり実質電は俺のママなのでは?」
電「外伝の短編だからって好き勝手言い放題なのです」
加賀「彼が蹴破れるなら私にも可能な筈です。扉の強度に問題があるのでは?」
瑞鶴「なら瑞鶴にだって出来るわ!」
不知火「私もいけます」
電「横須賀に帰れなのです」
金剛「テイトクと閉じ込められてバーニングな夜を過ごすネー」
鈴谷「はいはい横須賀勢はまだ出番先なので帰りましょうねー」
雷「それにしても夕立さんと時雨さんは本当に忠犬って感じよね」
海人「この前首輪付けてリード手渡された時はどうしたものかと」
雷「!?!?!?」
響「海人は娯楽の少ない島で容姿に優れた異性に囲まれて手を出さないって性欲はどうしてるんだい? 不能なの?」
海人「余計なお世話ここに極まるだな。それに俺に露出趣味はない」
響「?」
川内「どうもー、24時間海人を見守る川内です!」
海人「……俺にプライバシーはないんだよ」
響「つまり監視がなければズッコンバッコン?」
榛名「う、……浮気は流石に榛名大丈夫じゃないです!!」
海人「だそうだ」
なるほど!