絵里『ラララお弁当』
場劇生年三
里絵瀬絢:演主
希 條東:演主
こに澤矢:演主
キーンコーンカーンコーン…
「え〜マイクてすマイクてす」
希「只今より、お弁当タイムなり」
にこ「マイクなんてないでしょ?」
絵里「もう、希ったら」フフッ
希「お腹へったかー!」オ-ッ
希「お弁当食べたいかー!」オ-ッ
にこ「あんたね…」
にこ「そんなに食い気ばっか出してると、そのうち色気がなくなるわよ?」
希「…」
にこ「?」
希「にこーっち?」ズズ-ィ
にこ「な、なによっ」
希「お弁当見せて?」
にこ「は?」
絵里「?」
にこ「…」ゴソゴソ
にこ「はい」パカッ
希「お〜♪」ワォ
希「さすがはにこっちやね、いつ見ても可愛くて美味しそ〜」
にこ「ふふ〜ん♪そーでしょそーでしょ?」
にこ「なんてったってこの私が手間ひま掛けて作ったお弁当だからね!」フンスッ
希「あむっ」パクッ
絵里「あ」
にこ「愛情も栄養もたっぷり入ったこの…」
希「〜♪」ムグムグ
にこ「…にこ特製……お弁当…」
希「ホント美味しいわ〜」
絵里「…」ポカ-ン
希「ごちそうさまー」
にこ「…」
希「ふぅ」
にこ「あ、あんた…」
希「…違うんよ?」
希「ウチはただ美味しそうだなーって見てただけなの」
希「そしたら、にこっちの卵焼きが急にウチの口めがけて飛んで来たんよ」
絵里「…」
希「だからウチは口を開けて迎え撃ったの、まさか卵焼きが飛びかかってくるなんて思わなかったからね?」
にこ「…」
希「まぁ?世の中夢と希望とスピリチュアルで出来てるみたいやから?他になにかが飛んで来ても不思議じゃないのかも」
にこ「…絵里」
絵里「な、なに?」
希「もしかしたら次はアスパラベーコンが飛んで来るかも知れない」
にこ「希を押さえてちょうだい」
絵里「え?」
希「もしくはチーズちくわかも…」
にこ「両手掴んでて」
絵里「こう?」ニギッ
希「でもパプリカは飛んで来ない様な気が…ん?」
にこ「そう、そのままで」
希「え?」
ゴソゴソ
にこ「ん〜これかしら?」
希「あ!ちょ、ちょっとにこっち!」
にこ「…お?」
にこ「はっけ〜ん!」ゴソ~
希「にこっち!?」
カパッ
にこ「あらあら東條さん?」
にこ「いつもは割と凝ったお弁当なのに今日はなんだか簡単ですのね〜?」
希「い、いやぁ…今朝はちょっと寝坊してさ…?」
にこ「そうなんですの?じゃあこのバター炒めなんかは冷凍ものですの?」
希「そ、そうですの…」
にこ「は〜むっ」パクッ
希「ああっ!?」
にこ「おいひぃでふの〜」
希「ウ、ウチのほうれん草ーっ!!」
にこ「え?なに?」モグモグ
絵里「…」
希「ほうれん草っ!!」
にこ「はぁ?もう結構?」モグモグ
ゴクンッ
にこ「あんた何言ってんの?」
希「〜っ!」
絵里「ね、ねぇにこ?なんだか可哀想になって来たわ…もうやめましょ?」
にこ「違うのよ?私はただ美味しそうだなぁって見てたの」
にこ「そしたら勝手に私の口に飛び込んで来たのよ…」
にこ「もう結構がねっ!」
希「うぅ〜っ!!」
希「ウチは卵だけやったのに!にこっちは4種類も食べたぁ!」
にこ「はぁ!?」
にこ「なに言ってんのよ!?私バター炒めしか食べてないじゃないの!」
希「違うもん!ほうれん草にコーンにベーコンに人参やもん!」
希「コレで4種類やもん!」
にこ「そーんなこと言ったら私の卵焼きだって卵と砂糖と牛乳と塩が入ってるわよ!!」
にこ「コレで4種類じゃないの!!」
絵里「あ…あのね?二人とも」
希「にこっちのは一つやん!卵焼きって言う一個の料理やん!」
にこ「アンタのだってほうれん草のバター炒めって言う一つの料理じゃない!」
絵里「だ、だから」
希「ウチが美味しく食べたんやからそれでいーやん!!」
にこ「もともと私が美味しく食べる予定だったのよ!!」
絵里「〜っっ」
希「にこっちが!!」
にこ「あんたが!!」
絵里「ッッッ」
希「にっ!!」
にこ「あっ!!」
絵里「ストォーーーーーーップ!!!!!」
絵里「キリがないわっ!お弁当食べられなくなるからもうやめて!!」
にこ「ふん!」
希「いーっだ!」
絵里「てゆーかあと20分しかないじゃないの!?お願いだからもう大人しくして!」
にこ「シュッシュッ!」
希「打つべし!打つべし!」
絵里「だいたい貴方たち卑しいわよ?おかずを一つ食べられたくらいでそんなに目くじら立てる事な…」
にこ「にこにこパーンチ!」スカッ
希「スピリチュアルキーック!」スカッ
絵里「やめなさいっ!!」グイッ
にこ「ぐぇっ」
希「うぎゅっ」
絵里「もう!」
絵里「…お互いおかずを交換したと思えばそれでいいでしょ?そうすれば何も問題ないじゃないのよ」
にこ「…あ」
希「?」
絵里「それと、この際だから言うけど…」
絵里「貴方たちはもう少し落ち着きを持ちなさい!」
にこ「…」コソコソ
希「あ」
絵里「海未や真姫なんかを見てみなさいよ?あの二人はいつだって取り乱したりしないじゃないの」メヲトジテ
にこ「…」ゴソゴソ
希「…」カパッ
絵里「私だって、おかずを一つ取られたくらいで一々取り乱したりなんかしないわよ?」マワリヲミナイ
にこ「…意外とおいひいわね」モグモグ
希「うんうん」モグモグ
絵里「いえ…むしろ自分の手料理を食べて貰えて嬉しいくらいだわ」ポンコツ
希「じゃあもう一個食べよう」
にこ「タコさん食べましょう」
絵里「だからね?後で私のオカズも少し分けてあげるから」チラッ
希「あーっ」
にこ「あーん」
絵里「貴方たちも…」
にこ「あむっ」
希「ほむっ」
絵里「お互い…にって…」
にこ「…?」モグモグ
希「〜♪」モグモグ
絵里「……」
絵里「ちょっと」
にこ・希『っ』ゴクンッ
にこ「え?」
希「なに?」
絵里「今、なに食べたの…?」
にこ「絵里のお弁当」
希「えりちのおかず」
絵里「へぇ…」
にこ「意外と美味しかったわ」
希「えりち嬉しい?」
絵里「……ふっ」スッ
「私のおかず返しなさい!!」
「なによ!食べて貰って嬉しいんでしょ!」
「落ち着き持たなあかんよ?」
「ふざけんじゃないわよぉ!!」
キーンコーンカーンコーン…
絵里・希・にこ『あっ!!?』
〜放課後〜
凛「ふんふふんふふ〜ん♪」
凛「お?もう誰か来てるみたいだにゃ〜」
凛「ん〜?」コソ
「全く…コレじゃただのおバカ三人組じゃないのよっ」
「あんたは昔からおバカだったじゃない?」
「…もう一回言ってみなさい」
「賢い可愛いの座は頂くわね?」
「絶対あげない!!」
「あ〜残念ながらそれはもうウチの物なんよ〜」
「あげないからっ!!」
「いいから早く食べましょ?」
「ホ〜ント、えりちは昔から変わらんね〜」
「…ふん!」
ガチャ
凛「お疲れにゃー!」
にこ「!」モグモグ
希「…っ」ゴクッ
絵里「お、お疲れさま」カチャ
凛「あれー?三人とも今お昼なの?」
絵里「あはは…」
希「そうなんよ〜」
にこ「誰かさんのせいでね〜」
絵里「どの口が言ってるの!?」
希「このくち〜」イ-ッ
絵里「〜っ」
にこ「ほらほら落ち着きなさい?取り乱したらダメよ?」
絵里「……」
ヒョイ
にこ「ああっ!?」
絵里「ごめんなはいね?いこ、わたひひょっと取い乱ひひゃったわ」モグモグ
にこ「このおバカッ!!」
にこ「アスパラベーコンはメインだったのにぃ!!」
絵里「タコさんウィンナーもメインだったのよ!!」
希「はむっ」パクッ
絵里「ちょっと!?私の分無くなっちゃうからもうやめて!!」
希「美味しいわ〜♪」
にこ「…ねぇ?絵里」
絵里「なによ!」
にこ「希はまだ一つしか食べられてないわよ?」
希「ふむふむ」モグモグ
絵里「…ふ〜ん?それじゃ美味しく食べてあげなくちゃ…」
絵里「ね!」スッ
希「あ!?」
にこ「その唐揚げ…中々美味しそうね?」
凛「わーい!凛も食べるー!」
希「ちょ、ちょっと待って!」
ガチャ
真姫「お疲れ」
海未「お疲れさまです」
穂乃果「おつかれー!」
穂乃果「…お?」
希「待って待って!ウチのもうそんなにないから!」
絵里「私のだってそんなになかったわよ!」
凛「ブロッコリーおいひぃ♪」
にこ「そもそも最初に食べたのあんたでしょーが!!」
希「だから勝手にウチの口に飛び込んで来たんやってば!!」
絵里「まだ言うわけ!?」
穂乃果「……」
真姫「なんなの?これ」
海未「さぁ…」
穂乃果「ん〜?みんな今お昼食べてるの?」
真姫「いえ、凛はちゃんと昼に食べてたわ」
海未「じゃあ絵里たち三年生だけですか」
穂乃果「忙しかったのかな?」
ガチャ
ことり「おつかれさま〜」
花陽「おつかれさまです」
真姫「あら、二人ともお疲れ様」
ことり「…絵里ちゃんたち、お弁当食べてるの?」
海未「はい、どうやら忙しかった様ですね」
花陽「あれ?凛ちゃんも食べてるみたいだけど…」
真姫「凛はただ混ざってるだけよ」
穂乃果「あ〜なんか穂乃果もお腹減ってきちゃったな〜」
海未「貴方はさっき食べたばっかりでしょう!?」
穂乃果「だっていい匂いするんだもん!」
花陽「あ、あのね?穂乃果ちゃん」
穂乃果「なに?」
花陽「実は今日お菓子持って来たの、良かったら…」
穂乃果「ホントに!?食べるっ!」
ことり「私もお菓子あるからみんなで食べよ?」
凛「そうするにゃ!」ヒョコ
真姫「あんたはさっきブロッコリー食べてたでしょ!」
凛「お菓子は別腹にゃー♪」
真姫「最終的に行き着く場所は同じよ」
絵里「あーもー!半分以上なくなっちゃったじゃないのっ!」
にこ「もうやめましょ…また食べられなくなるわ」
希「あ、みんなお疲れさま!」
海未「お疲れ様です」
絵里「ご、ごめんなさいね?今食べてしまうから」
海未「いえ、気にしないで下さい」
穂乃果「穂乃果たちも一緒に食べていい?」
希「もちろんやって」
希「ウチらだけで食べてるのもなんか気まずいから助かるわ〜」
にこ「そーそー!どーせだからあんた達も一緒に食べましょ?」
凛「次は何にしよっかな〜?」
海未「貴方たち、こんな時間に食べたら太りますよ?」
ことり「はい、海未ちゃん?」
海未「え?」
ことり「あ〜ん」
海未「う、わ…私はその…」
ことり「あ〜ん」
海未「あ、あ〜ん//」パクッ
海未「っ…おいひぃ…」モムモム
ことり「うふふ♪」
真姫「あんた達、これから練習あるのよ?」
真姫「今食べたりなんかしたら…」
にこ「真姫ちゃんもあ〜ん♪」
真姫「ちょっ!」
真姫「わ、私はそんな子供みたいな真似…」
にこ「プチトマトだよ〜?」
真姫「しょ、しょーがないわね!早く出しなさい?」ア-ン
にこ「もう目の前にこ〜♪」
凛「かよちんはなに持って来たの?」
花陽「え〜っと…確かチョコと…あ」
花陽「ハッピーターンもあるよ?」
凛「ハッピーターン!?食べたい!」
花陽「ちょっと待ってね?」ガサガサ
凛「えへへ〜ハッピーハッピー♪」
花陽「うふふ♪はいどうぞ」
凛「ハッピ…え?」
凛「これって…」
花陽「あ!」
凛「キャットフード…だよね?」
花陽「はわわわ!ちち、違うんだよ!?コレは…っ」
凛「確かに猫っぽいってよく言われるけどさ…」
花陽「違うの凛ちゃん!コレは近所の猫さんにあげようと思って持って来たものなの!」
凛「凛も…近所…」
花陽「凛ちゃん!?」
凛「…お皿持ってくるね」
花陽「だから違うんだってばー!!」
真姫「卑屈過ぎるわ」モグモグ
にこ「なに?コント?」モグモグ
絵里「…ふぅ」
絵里「ごちそうさま」
希「ごちそうさま〜」
にこ「ごちそうさまでした」
希「いや〜こんなに騒ぎながら食べたの初めてかも!」
にこ「てゆーか、昼と放課後に分けて食べたのも初めてだわ」
穂乃果「え?三人ともお昼出来なかったから食べてたんじゃないの?」
にこ「違うわよ、昼間食べようと思ったら絵里に邪魔されてさ?」
穂乃果「そうなの?」
絵里「違う」
希「えりちがあんまり寂しがるもんだから、ウチとにこっちであやしてたんよ〜」
にこ「そうなのよ〜」
凛「なのよ〜」
絵里「貴方たち…」
絵里「あんまり嘘ばっかり付いてると髪の毛左右に引っ張るからね?」
にこ「どーゆー脅しよ?それ」
絵里「知らないの?ツインテールを左右に引っ張ると頭割れちゃうのよ?」
花陽「ひぃ!?」
海未「…」
真姫「…」
にこ「ぅ…うそでしょ?」
絵里「試しに引っ張ってみる?きっとスイカみたいに」
『絵里』
絵里「は、はい?」
真姫「なんで今そう言う話するワケ?」
絵里「え…だ、だって!」
海未「食後に相応しくない話題は控えて下さい」
絵里「あぅ…ごめんなさい…」
希「まぁまぁ、そう落ちこまんと」
凛「気にしたらダメやで?」
絵里「うるさいうるさい!!」
にこ「…」
ことり「にこちゃん髪下ろしちゃったの?」
にこ「…そうよ」
穂乃果「あーお腹いっぱい!」
海未「はい、それでは屋上に」
穂乃果「おやすみなさい!」
海未「…」スッ
穂乃果「じょ、冗談だから!お願いだから振りかぶんないで!」
海未「さぁ穂乃果…」
海未「右手か左手、好きな方を選びなさい」
穂乃果「どっちもヤダ!!」
ことり「う、海未ちゃん落ち着いて?」
海未「私は至って冷静です」
穂乃果「もう!分かったよ!」
海未「早くしてください」
穂乃果「着替えますよーだ!」ベ-ッ
海未「…一発くらい入れておけば良かったですかね」スッ
穂乃果「!?」
穂乃果「き、着替えます!すぐ着替えますから!」
海未「ハリアップです」
ことり「あはは…」
花陽「り、凛ちゃん?」
凛「なぁに?」
花陽「さっきの本当に違うからね?」
凛「!」
凛「うん…大丈夫…」
凛「凛はかよちんの飼い猫だから…」
花陽「凛ちゃ〜んっ!」
真姫「凛、あんまり花陽をいじめるんじゃ無いわよ?」
凛「えへへ、冗談にゃ!」
花陽「やめてよも〜!」
真姫「ほら、行くわよ?」
凛「は〜い!」
絵里「なんで私ばっかり…だいたいにこと希が悪いんじゃないのよ…」ブツブツ
にこ「あんたもしつっこいわねー」
絵里「そもそもにこが先に始めた事じゃないのよ!」
にこ「希が始めたんじゃない!あんた一緒に見てたでしょ!?」
希「だぁから!勝手に飛び込んで来たって言ってるやん!?」
絵里「何回繰り返すつもりなの!?」
真姫「よく飽きないわね、そのやり取り」
真姫「お笑いコンテストにでも出るの?」
絵里・希・にこ『出ないからっ!!!』
真姫「えぇぇ…」
海未「準備はいいですか?行きますよ?」
穂乃果「ほいほい!オッケーです!」
ことり「うふふ♪」
花陽「私も大丈夫です!」
穂乃果「そんじゃれっつらごーっ!」
凛「ゴー!」
絵里「にこっ!!」
にこ「のぞっ!!」
希「ジャンピンエッグ!!」
海未「行きますよ!!!」ガチャ
バタンッ
〜翌日〜
絵里「おっべんとおっべんとラララ〜ララ〜♪」
絵里「今日は少〜し奮発した〜エリチカ特製おっべんと〜♪」
絵里「エリチカちゃんの〜チッチカお弁当開き〜♪」カチッ
カパッ
絵里「…あれ?」
絵里「なんか……少ない…?」
絵里「………」
絵里「ハッ!?」バッ
にこ「っ!?」モグッ
希「〜♪」モグモグ
絵里「あ…あなたたちぃいいっ!!」
にこ「ふむ!ふももん(希!逃げるわよ!)」モゴモゴ
希「ももんが(がってん!)」モゴモゴ
ダダッ!
絵里「待ちなさーいっ!!」シュタッ
にこ「ふもっふ!?(はやっ!?)」
希「にこっこ!(にこっち!)」
ガシッ
絵里「さぁ捕まえたわよ?大人しく貴方達のオカズを差し出しなさい!」
にこ「…っ!」ゴックン
にこ「ね、ねぇ?絵里」
絵里「交渉はムダよ?私が要求するのはまずそのハムカツ、それから」
希「おっと、そこまでやで?」
絵里「これ以上駄々を捏ねるのなら日の丸弁当にするわよ?それでもいいの?」
希「まぁまぁ、取り敢えずコレを聞いておくんなまし?」pi!
絵里「…?」
『おっべんとおっべんとラララ〜ララ〜♪』
絵里「!?」
『今日は少〜し奮発した〜エリチカ特製おっべんと〜♪』
『エリチカちゃんの〜チッチカお弁当開き〜♪』
pi!
希「ね?」
絵里「消してっ!!!」
にこ「また独特なセンスの歌ね」
希「でしょ?」
絵里「今すぐ消しなさいっ!!」
希「…ウチね?放送部員の子と友達なんよ」
希「この間もウチがリクエストした曲かけて貰ってね?ほんま嬉しかったわ〜」
絵里「あ、あなた…っ!!」
希「この曲もとっても素敵やんね〜?」
希「"リクエスト"しちゃおっかな〜」
絵里「〜っ」
バッ
希「!?」
絵里「もし、そんな事したらこの子達の命は無いものと思いなさい?」
希「ウチのカード!!」
絵里「さぁどうするの?消さないなんて言ったら一枚ずつ箸で穴を開けて行くわ」
希「ぐぬぬっ」
絵里「ふふっ」
希「…まだあるんよ?」
絵里「な、なにが?」
希「例えばこんなんとか」pi!
『……』
絵里「え…?なにも聴こえないけど…」
『…ふぅ』パタンッ
絵里「っ」
『こんな恋愛素敵だわぁ…』
絵里「!?」
『私もこのヒロインみたいなチューされたいな〜』
『うふふふ〜♪』
にこ「こ、これって…っw」
『ラララチュッチュ♪ティラララチュッチュ♪』
『シャーラララフォーエ』BAN!!!!!!!!!!!!!!
希「ワォ!」
絵里「消せ」
にこ「アーッハッハッハwww!!」
絵里「消しなさいっ!!!」
絵里「東條希っ!!!!!」
キーンコーンカーンコーン
絵里「!?」
希「あれま」
にこ「くっくっくっwww」
絵里「あああもうぅっ!!二日連続で何やってるのよぉ!!」
にこ「まーた部室ねぇ」
希「…」ソロォ
絵里「希」ガシッ
希「!?」
絵里「続きは放課後…ね?」
希「あ、あはは…」
〜また放課後〜
絵里「信じられない…」
希「?」
にこ「なにが?」
絵里「なにが?ですって…」
ダンッ
絵里「二日続けて馬鹿騒ぎしてたお陰で!またお昼にお弁当食べ損なってるのよ!?なんとも思わないの!?」
希「まぁまぁ、こうして放課後食べられてるんやしええやん?」
絵里「いい訳ないでしょ!?」
にこ「うまうま♪」
にこ「ん〜、ちょっと濃い味ね」
絵里「しれっと私の食べてるんじゃないわよっ!!」
にこ「にこ〜♪」
絵里「あ〜もぅ…結局半分も無くなっちゃったじゃない…」
希「まぁ、ウチらの分わけてあげるから大丈夫やって」
絵里「当たり前よ!」
絵里「…はぁ」ドテッ
希「どったの?」
絵里「なんか叫び疲れた…」
絵里「もう好きにしてちょうだい…」
にこ「いやぁ、それにしてもさ?」
絵里「なぁに…」
にこ「あと何回、こういう事が出来るのかしらね?」
絵里「……は?」
希「…」
にこ「だからさ?」
にこ「こうしてる時間も含めて、いい三年間だったと思わない?って」
にこ「まぁそう言う話なわけよ」
絵里「……」
希「そうやんね〜」
希「ウチ、オカズの取り合いなんて生まれて初めてやったんよ〜」
にこ「私も、部室で誰かとお昼したのなんて本当に久しぶりだったわ」
絵里「…なんなのよ、いきなり」
にこ「ねぇねぇ絵里?」
絵里「なぁに?」
にこ「楽しかったわね」
絵里「……」
希「えりちはどうやった?」
希「やっぱりもっと静かに食べたかった?」
絵里「…いえ」
にこ「だとしたら謝るわ」
にこ「お詫びに明日からアンタの分のお弁当も作ってくるから、それで許してちょうだい?」
絵里「違うのよ、私は…」
にこ「…」
絵里「私は…亜里沙と希以外の人に手料理を食べて貰うの、本当に久しぶりだったわ」
絵里「もちろん、あんなにワイワイ騒ぎながら食べるのもね」
絵里「まるで、家族みんなで食事してる時の様な…賑やかでとても楽しい時間だった」
絵里「だから、怒ったりもしたけど…全然嫌なんかじゃなかったの」
絵里「…それどころか」
にこ「ならよかった!」
絵里「え?」
希「うふふふ〜♪」
希「家族やって〜にこっち〜?」
にこ「三姉妹かしら?」
絵里「…それも良いわね」
にこ「なら私が長女かしら?」
希「残念にこっち!もう末っ子枠しか空いてないんよ〜」
絵里「……」
にこ「なんでよっ!!」
希「背の順だからしょうがない」
絵里「本当に…」
にこ「これならどう!?」グンッ
希「それでも低いやん」
絵里「本当に…楽しいなぁ」
絵里「このままずっと、ずーっとこんな日々が続いたら…いいなぁ」
にこ「ならこう!」グインッ
希「手ェ伸ばしただけやん」
絵里「…」
絵里「もしもね?」
にこ「ん?」
絵里「もし、一年生の頃からこの三人で一緒に居て、なんの諍いもなくみんな仲良く二年間を過ごせて」
にこ「…」
絵里「そして、穂乃果達と出逢って…そのままμ'sを結成していたら…」
絵里「そしたら…今ごろ私たち」
にこ「コレでいいのよ」
絵里「っ」
絵里「…本当に良かったのかな?」
にこ「勿論よ、当たり前じゃない」
絵里「で、でもね?もし初めから三人仲良くしてたら…」
希「…」
絵里「にこにだって、あんなに冷たく当たったりしなかったし…っ」
にこ「おバカねぇ」
絵里「それに、穂乃果たちにだってあんな酷い態度とったりしなかった筈だもの!」
希「えりち」
絵里「私がもっと、二人と仲良くする努力をしてれば!」
希「絵里」
絵里「!?」
絵里「な、なに…?」
希「ずっと後悔してたんやね」
絵里「え?」
希「でもさ」
希「ウチら間に合ったやん?」
絵里「…」
希「だからもう、何も悔やむ事なんてないんよ?」
絵里「…そうかしら」
にこ「全部自分の所為にするのは傲慢だって、アンタ穂乃果にそう言ってたじゃない」
にこ「忘れちゃったの?」
絵里「…ううん、ちゃんと覚えてるわ」
絵里「全部覚えてる」
にこ「あんたはやっぱり賢いわね」
絵里「今となってはホントに…本当にいい思い出ばかりよ」
絵里「だから…絶対に忘れたりなんかしない…っ」
希「え〜りち♪」ギュッ
絵里「の、希…?」
にこ「絵里」
にこ「いい三年間だったわね」ポンッ
絵里「にこ…っ」
絵里「うん!」
希「ふふ」ナデナデ
絵里「うぅ…なんか考えたら涙出てきた…」グスッ
希「あらま、涙のフライング?」
にこ「♪」チラ
希「?」
希「!」ピコン
希「さてさて、えりち」
絵里「…え?」
希「もう思い残すことはないかな?」
絵里「思い残すこと?」
にこ「もう心残りはないのかって聞いてるのよ」
絵里「こ、心残りってゆーか…」
絵里「穂乃果達の事は…正直まだ気掛かりではあるけど、それはもうあの子達に全部任せたし…」
希「あの子らなら大丈夫やって」
絵里「そ、そうよね?」
絵里「そう考えれば、もう思い残す事は何もないのかな…?」
にこ「それなら良かったわ」
絵里「へ?良かった?」
希「じゃあえりち」
絵里「え?」
希「行こっか?」スッ
絵里「い、行く?」
絵里「行くって…何処に?」
にこ「もちろんあそこよ?」スッ
絵里「へぇ?そ、そら…?」
にこ「だってほら」
にこ「もう迎えが来てるわよ?」
絵里「む、迎え!?」ドキドキ
希「見えるやろ?裸の天使さんが」
絵里「どど、どこ!?どこに!?」
希「ヘッタクソなラッパが聴こえるやん?」
絵里「ぇええっ!!?」
絵里「あ、貴方たち一体何言ってるの!?」
希「ウチらは争い過ぎたんよ…」ハァ
にこ「ついさっき天罰が下ったの…」ハァ
絵里「天罰!?なんの!?」
希「残念やわ〜」
希「えりちはクォーターさんやから、ウチらとは行き先が違うみたいやで?」
絵里「なによそれぇ!?」
希「そっちのお供え物はピロシキなんだってさ?」
絵里「お、お供え物!?あんな脂っこいの毎日食べなきゃいけないの!?」
絵里「てゆーか死ぬの!!?」
にこ「どーしても復活したいのなら合言葉が必要だけど?」
絵里「ふっかつ……は?」
希「合言葉は"タマゴヤ・キアゲル"やからね?」
絵里「たまごや??」
にこ「辛いものが入ってたら、そのまま地獄行きになるから注意しなさい?」
絵里「あの…意味がよく…」
希「ほらほらえりち!早く唱えんと手遅れになるよ?」
絵里「え!?ちょ、ちょっと!」アセアセ
にこ「ハリアップ!タイムイズごはんよ!」
希「合言葉覚えとる?」
絵里「そ、そんなの覚えてな…」アワアワ
希「モウゼンブ・アゲマースやからね?」
にこ「さん、はいっ」
絵里「も…っ」
絵里「もうぜんぶ!あげまーすっ!!」
ババッ!!
希「ウチ卵焼きもーらい!!」ガッ
にこ「アンタは大人しくパセリでも食ってなさいよ!!」バシッ
絵里「…」
希「にこっち!箸で突き刺すの反則やからそれぇ!!」ズバッ
にこ「とか言いながら箱ごと持ってこーとすんじゃないわよっ!!」ガブッ
絵里「…ねぇ」
にこ・希『え?』
絵里「お迎えは?」
にこ・希『…』
希「お、お弁当天国へようこそー!」
にこ「にこー♪」
絵里「…」スッ
ゴツンッ!ゴツンッ!
Ω
にこ「…まぁね?コレで終わりって訳じゃないんだけどね?」
絵里「本当に反省してるの!?」
Ω
希「校内お弁当戦争はこれにて終結ってことで」
絵里「貴方たちはしばらくダイエットでもしてなさい!!」
にこ「次は晩御飯戦争よ!」
希「突撃!絢瀬家の晩御飯!」
絵里「聞いてるの!?」
希「まぁまぁ、これなら卒業なんて関係ないやん?」
絵里「!」
にこ「別に矢澤家でも、もしくは東條家でもいいわよ?」
絵里「…ま、まぁそれなら」
にこ「わたし個人としては西木野家にも突撃したいんだけどね?」
希「あ〜あそこはヤバそうやんね〜」
にこ「きっとアレよ?とろけるチーズで…フォ…フォ……えっと…」
にこ「…なんだったかしら?」
希「フォンドボ-…」ボソッ
にこ「そう!フォンドボーしてるんだわ!」
絵里「は?」
にこ「ほら、串に刺してトロットロのチーズつけて食べるアレよ」
絵里「…フォンデュのこと?」
にこ「は?」
希「っ」
絵里「…ぷふっ」
絵里「あははははっ!」
希「うっくっくっくっ!」
にこ「の、のぞみぃ!!?」
希「フォンドボーってwww」
にこ「あんたぁあああ!!」ガォ
希「うひゃぁああw!にこ鬼やーん!」ダッ
ガタッドタンッ
絵里「はぁ…」
絵里「あのね?」
にこ・希『へ?』
絵里「春になったらさ、みんでお弁当持ってピクニックにでも行きましょ?」
希「おー!それイイやん!」
にこ「ふふん?にこの本気弁当みたらみんな腰抜かすわよ?」
絵里「うふふ、楽しみにしてるわ♪」
希「そんじゃ新しくLINEグループでも作ろっか?」
にこ「なんでよ?」
希「どーせならさ?μ's以外の人もいっぱい誘いたいやん?」
絵里「そうね、亜里沙も連れてってあげたいし、助かるわ」
希「と言うわけでえりち」
絵里「なに?」
希「グループ名を考えて下さい!」
絵里「え?こう言うのは希の方が得意でしょ?」
希「いや〜ここはえりち独特の感性でズバッと決めて欲しくて」
絵里「そ、そんなに独特かしら?」
にこ「チッチカお弁当開き〜」
絵里「う、うるさい!それは忘れてってばっ!!」
希「んじゃ何にする?」
絵里「う〜ん……そうねぇ…」
絵里「あ」
にこ「お?」
希「決まった?」
絵里「こんなのどうかしら?」
絵里「ラララお弁当!」
にこ「oh…」
希「神よ…」
おわり
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