花陽「恒常性 μ's」
【んえつゅし】
なんみのずーゅみ
皆さんこんにちは
私の名前は小泉花陽
お米とアイドルが好きな普通の女子高生です
「かよちんおっはよーっ!」
この子は星空凛ちゃん。私の幼馴染です
凛「ん〜?どうしたの?」
元気で可愛くて、
とっても愛らしい私の大切な幼馴染なんです
凛「今日も学校まで競争にゃーっ!」ザッ
バヒュンッ!!
ちょっと脚がカモシカみたいに逞しいけど、とってもスレンダーな美人さんです
凛「かよちん遅いにゃー!」
凛ちゃんは凄く脚が速いんです
私が精一杯走って30分もかかる道でも
彼女は3分足らずで走り抜けてしまいます
凛「あ!かよちんみてみて!」
凛「音ノ木三柱神だにゃ!」
穂乃果「やぁやぁ、花陽ちゃん!」
ことり「おはよう!」
海未「園田海未。特技は筋トレです」
この人達は二年生の海未先輩とことり先輩
そして穂乃果先輩です
内気で冴えないこんな私を部へ誘ってくれた
とても素敵な先輩達です
穂乃果「さぁ!今日も元気にアイ活だよ!」
ことり「授業中の筋トレメニュー渡すね?」
海未「園田海未。趣味は生卵を飲む事です」
ちょっと身体がボブサップみたいなんだけど、気さくでとてもいい人達なんです
凛「三人ともおっはよー!」
穂乃果「凛ちゃんおはよー!」
ことり「今日も素敵な大腿筋だね♪」
海未「園田海未。好物は胸鎖乳突筋です」
穂乃果「あ〜分かるよそれ」
ことり「急いでるみたいだけど、なにかあるの?」
凛「実はね〜、これから真姫ちゃんの所に行こうとしてたんだよ」
そうなんです。
私のせいで少し遅れてしまったのですが、
これから真姫ちゃんに会いに行く予定だったのです
穂乃果「真姫ちゃんのとこ?なんでまた」
ことり「…うふふ。ことりは分かるよ?」
凛「さっすがことりちゃん!」
穂乃果「なに?筋肉の話?」
海未「園田海未。足音は西木野の調べです」
凛「それじゃあまた後でね!」
ことり「うん、じゃあね」
穂乃果「??」
穂乃果「…取り敢えず十字懸垂しよ」バッ
ことり「あ、ズルいよ穂乃果ちゃん!」バッ
海未「園田海未。勉学は筋肉の栄養です」
と言うわけで、
真姫ちゃんのいる音楽室へ急ぐ事にします。
【音楽室】
ポロロ〜ン♪
凛「お、弾いてる弾いてる!」
真姫ちゃんはこうしてたまに朝早く来ては
一人ピアノを弾いているのです
私も凛ちゃんもこれが聴きたくて、今日も早めに学校へ来ちゃいました
ジャーン…。
「…ふぅ」
パチパチパチパチッ
「!?」
凛「素敵だにゃー!」パチパチ
「…あら、花陽に凛じゃない」
真姫「おはよう」
この子が西木野真姫ちゃん
私と同じ一年生です
とっても大人っぽくて頭も凄く良いんですよ
真姫「今日は少し早いのね」
真姫「そんなに私のピアノが聴きたかったのかしら?」
彼女のピアノはとても素敵で、
まるで魔法の様な音色を奏でてくれます
凛「えへへ〜」
真姫「じ、冗談よ!冗談!」
真姫「真に受けないでよ!もうっ」
真姫ちゃんのピアノを聴くために早起きした事も、実は何度もあるんです
凛「いやぁ、流石真姫ちゃんだよ!」
凛「末はショパンかベートーベンかにゃ?」
真姫「そ、そんなわけ…っ」
凛「もしかしたら真姫ちゃんのピアノを聴くために宇宙人まで来ちゃうかもよ〜?」
真姫「な…っ//」
真姫「〜っっっ///」カチッ
ボフンッ!
ミミズク「…」
凛「あらら…言い過ぎたにゃ」
ちょっと恥ずかし過ぎると変身しちゃう癖があるんだけど、実はとっても優しいんです
凛「ま、真姫ちゃん!冗談だよ?冗談」
ミミズク「…」
凛「もう、しょうがないなぁ」ダキッ
ミミズク「…」
凛「じゃあかよちん」
凛「このまま教室まで行こう?」
そうでした
真姫ちゃんのピアノに夢中ですっかり忘れちゃってました
早く教室に行かないと怒られちゃいます。
【廊下】
「おは〜よ〜」
凛「あ!希ちゃん!」
この人は希先輩。三年生です
希「やぁ、花陽ちゃんに凛ちゃん」
希「元気しとる?」
凛「元気だにゃー!」
希「うんうん、よろしい」
私がまだ部へ馴染めず、塞ぎ込んでいる時にとても優しくしてくれた
みんなのお母さん的存在です
希「これから教室に行くん?」
凛「あ、そうだった!」
希「…ん?」
ミミズク「…」
希「あれま」
希「また真姫ちゃんボッフンしちゃたん?」
ミミズク「…」
希「しょうがないやんねぇ」ナデナデ
細やかな気配りが出来る人でもあるんです
憧れちゃいます
希「…」ガサガサ
凛「あー!」
凛「それガルボの新しい奴にゃ!」
希「あ、分かる?」
希「これホンマ美味しくってな〜」
希「思わず15袋も買ってもうたんよ〜」
凛「いいなぁ」
希「お陰さまでしばらくダイエットは無理やんね〜」タプン
ちょっと体重が私の3倍くらいあるけど、面白くて優しい先輩なんです
凛「凛にもちょうだ〜い!あーん!」
希「ええよ〜。はい、あーん」
凛「あむっ」
凛「おいひー!」
希「花陽ちゃんも。はい、あーん」
この人と過ごす時間はとても和やかで
私は凄く落ち着きます
ミミズク「…」ツンツン
凛「え?」
凛「…あっ!か、かよちん!」
希「ん?」
希「あちゃ〜、もうこんな時間かぁ」
凛「そ、それじゃあ希ちゃん!また後でね」
希「うん、二人ともまた後でな?」
またやってしまいました…
それでは、頑張って授業を受けて来ます。
〜放課後〜
【部室】
凛「おつかれにゃー!」
真姫「お疲れ」
穂乃果「お疲れさまー!」
ことり「お疲れさま♪」
海未「園田海未。夕刻の本懐です」
ここはみんなが集う部室です
私を大きく変えてくれるキッカケをくれた、
とても大切な場所なんです。
ことり「今日のメニューはこなせた?」
凛「バッチリにゃ!」
穂乃果「うんうん!」
穂乃果「前脛骨筋も良く仕上がってるね!」
海未「園田海未。甘きは長指伸筋です」
凛「き、厳しいにゃ〜!」
真姫「当然よ」
ことり「あはは」
ガチャ
にこ「はぁ…はぁ……っ」
真姫「あら、にこちゃん」
凛「部長さんのお出ましにゃー!」
この人はにこ先輩。三年生です
ことり「お疲れさま」
にこ「おつかれ…ハァ…」
凛「大丈夫?」
にこ「ち、ちょっと…座るわね…」
穂乃果「にこちゃんまたそんな筋肉して!」
穂乃果「なんで鍛えないの!?」
真姫「…」クルクル
海未「園田海未。驚異の体脂肪率です」
この部の部長さんでもある彼女
唯一私と同じ趣味を持つ人でもあります
にこ「う、うっさいわね…」
にこ「あんた達と…ハァ…一緒にすんじゃ…ゲホッ…ないわよ…っ」
穂乃果「もう少し脂肪付ければ絶対ビルドアップ出来るのになぁ」
ことり「筋肉を愛する事によって筋肉からも愛されるんだよ?」
海未「園田海未。脂質は善き筋肉へです」
にこ「…ハァ」
ちょっと体重が私の半分くらいしか無いけど、頼れるお姉さんって感じです
ガチャ
「Какой цвет ваш прикладом?」
(お疲れ様)
穂乃果「お疲れー!」
凛「お疲れにゃ!」
「Стань моей женщиной」
(みんな、今日も頑張りましょう)
この人は三年のセルゲイさん
なんとロシア人のクォーターさんと言う凄い人なんです。
ガチャ
希「お疲れや〜ん」
セルゲイ「О, я хочу пойти」
(あ、希)
この二人は生徒会の会長さんと副会長さんでもあります。
二人が揃うと本当に頼もしいです
希「おー、せるっち先に来てたん?」
セルゲイ「тюрьма Я больше не хочу домой」
(あはは、そうみたい)
この間、生徒会で作ってると言う凄く凝った広報誌を貰っちゃいました。
流石の出来栄えです
希「あれぇ?せるっち髪切った〜?」
セルゲイ「Лизать задницу?」
(あ、分かった?」
希「うん、だって後ろが少し刈り上かってるんだもんw」
セルゲイ「беременность Вы делаете?」
(男はやっぱり刈り上げだよね〜w)
ちょっと載ってる写真とプロフィールがセルゲイさんと違うけど、でも凄い人なんです
穂乃果「よし!これで全員揃ったね!」
ことり「それじゃあ着替えて屋上行こ?」
海未「園田海未。昼の珍獣サーカス団です」
真姫「ほら、にこちゃん立って」
にこ「に、にこぉ…」
セルゲイ「молоко ягодицы бедра」
(今日は晴れて良かったね)
希「そうやんねぇ」
凛「凛は走りたくてウズウズしてるよ!」
小さく情けなかったあの私は、
運命に惹かれる様にこの場所へ来ました。
そして、大切な人達と出逢えたんです
穂乃果「それじゃあ始めるよ!」
穂乃果「筋肉部ーっ!」
穂乃果「ファイ!オーッ!!」
『オーッ!!!』
ちょっとやりたかった事と違うけど、大事の前の小事です。気にしません
凛「あ、そうだ!」
凛「かよちん、話しがあるんだよね?」
なんという事でしょう
お話に夢中ですっかり忘れていました。
穂乃果「え?なになに?」
これは、私達のこれからを左右するとても大事なお知らせなんです。
穂乃果「なにこれ?」ピラッ
穂乃果「年に一度の…アイドル達の祭典…」
「ラブライブっっっ!!?!!!?」ドッッッ
にこ「うっ…!」ドテッ
バッシャァアアンンンンッッッ!!!!!
ことり「あらぁ…」
海未「園田海未。凡そ170dBです」
昨日、業者さんが張り替えたばかりの窓ガラス計四枚が全て吹き飛びました
真姫「なんなの?そのラブライブって」
穂乃果「アイドル達の闘いだよ!」
穂乃果「肉と肉とのせめぎ合いだよっ!」
ことり「血湧き肉踊るねぇ♪」
海未「園田海未。地上最強への道です」
凛「アイドルってなにするの?」
穂乃果「闘うんだよ!」
セルゲイ「рот Пожалуйста, сделайте это.」
(待ってくれ、争いは得意じゃない)
穂乃果「何言ってるのさ!」
穂乃果「生きる事は闘う事なんだよ!」
希「でもな〜、うちこんなんやしぃ」ポヨン
穂乃果「大丈夫だよ!」
穂乃果「廃校の危機もこの筋肉で捩じ伏せる事が出来たんだもん!」
穂乃果「きっと優勝できるよっ!」
にこ「うぅ…」ヨロッ
ことり「よし、じゃあまずは練習しよっか」
真姫「本当にそんなんで大丈夫なわけ?」
凛「真姫ちゃん自身ないにゃ〜?」
真姫「そ、そんな訳ないでしょ!」
真姫「ただ余りにも短絡的だったから少し気になっただけよ!」
海未「園田海未。思考を上回る感性です」
穂乃果「喋っててもしょうがないよ!」
穂乃果「とにかく屋上へ行こう!」
『おーっ!!』
こんなみんなが、私は大好きです。
穂乃果「じゃあ先ずは準備体操だよっ!!」
穂乃果「いつものポーズから〜っ」
穂乃果「…スゥ」
「ハアッッッ!!!!!」バオッ
にこ「うぅ…っ!」ドテッ
穂乃果「…あ」
ことり「ほ、穂乃果ちゃん!気を付けないとっ」
真姫「にこちゃん!」
希「にこっち!大丈夫なん!?」
にこ「だ、大丈夫よ…」
にこ「でも…せめてアンタの1/3でもあれば」
希「ウチだって分けてあげたいんよ…」
セルゲイ「Свинина и фасоль」
(二人とも、大丈夫なの?)
穂乃果「…」
穂乃果「にこちゃん!」
にこ「な、なによ…」
穂乃果「そんなんじゃアイドルの覇道は歩めないよっ!!」
にこ「っ!」
穂乃果「にこちゃんのアイドルへの気持ちってそんな物だったの!?」
穂乃果ちゃんのアイドルに対する熱い気持ち
花陽も負けてられません
ことり「あ、謝らないと…っ」
バッ
ことり「え?」
海未「園田海未。精神は肉体の枷です」
ことり「海未ちゃんまで…」
にこ「〜っ」
にこ「や、やってやるわよっ!」
ことり「!」
にこ「私がこんな事で諦める訳ないでしょうがっ!!」
そうです
諦めない気持ちこそ、何よりも大切なんです
にこ「てゆーか!」
にこ「元々そっちがやりたかったのよっ!」
穂乃果「うん、流石にこちゃん!」
ことり「…そうだね」
ことり「筋肉を信じれば、それだけ筋肉も答えてくれるもんね」
海未「園田海未。敬虔なる肉奴隷です」
真姫「でも、あまり無理はしちゃ駄目よ?」
にこ「…」
真姫「な、なによ?」
にこ「…ありがとう」ニコッ
真姫「っ//」
にこ「真姫ちゃんのそう言うところも大好きにこっ!」
真姫「ッッッ///」カチッ
ボフンッ!
コヨーテ「…」
にこ「あらら」
この人達となら、本当に高みを目指せるんじゃないかって
そう思えて仕方ない私がいます
穂乃果「次は筋肉との対話トレーニングだからね!」
ことり「何処をどうして欲しいのかちゃんと話し合わないと駄目だよ?」
にこ「正直、このトレーニングだけは未だに理解出来ないわ」
希「そう?ウチは結構楽しいよ?」
にこ「…アンタと筋肉との間には分厚い壁があるけどね」
希「あっ!言ったな〜!」
希「必殺ワシワシマーックス!」ガシッ
ゴキッ
にこ「ギャオオオオオオオンッッ!!!」
希「あらぁ」
コヨーテ「アオーンッ!」
凛「半腱様筋くん〜、どう言う風に鍛えられたい〜?」スリスリ
にこ「」
希「…あれ?」
希「そう言えば、穂乃果ちゃん達は?」
セルゲイ「Хороший аромат」
(あっちにいるよ?)
穂乃果「…」
海未「…」
ことり「…ふふ。始まったね」
今、この二人がやってる特訓はどうやら、
二人だけの特別なメニューらしいんです。
海未「……」
海未「…穂乃果」
穂乃果「…」
海未「貴方、本気で言ってるのですか?」
穂乃果「…そうだよ」
穂乃果「私、やめます」
海未「…」
穂乃果「筋肉愛好家…やめます」
海未「っ!」ヒュンッ
バチンッ
穂乃果「っ」
海未「……」
海未「…最低です」
穂乃果「…」
海未「貴方は最低ですっ!!」
ことり「いいよ!二人ともっ!」
いつ見ても、凄く緊迫感があります
見てるこっちがドキドキしちゃうくらいです
ことり「感じるよ…感情のボルテージが最高潮まで高まってるのを」
海未「…」
穂乃果「…」
穂乃果「…くっ!」
ことり「そこだ!行けっ!!」
海未「園田海未。精神の限界です」
ことり「あぁああもうっ!!!」
ことり「あと一息だったのにぃ!!」
穂乃果「やっぱりこの壁は高いねぇ!」
海未「園田海未。対話力に不安有りです」
ちょっとこの特訓に意味を見出せないのですが、三人ともとても真剣です。
穂乃果「よしっ!」
穂乃果「次はランニングだよ!」
ことり「それぞれのコースを書いたよぉ」
ことり「凛ちゃん読んでくれる?」ピラッ
凛「はいはーい」ペラッ
凛「…えーっと」
凛「凛と穂乃果ちゃん、ことりちゃん」
凛「そして海未ちゃんは、学校から吉祥寺駅までの往復にゃ」
穂乃果「はいよ!」
ことり「はーい♪」
海未「園田海未。走力は韋駄天の如くです」
凛「真姫ちゃんとかよちん、そしてセルゲイは校舎の周りを三周」
セルゲイ「Ходьба собаки」
(真姫、頑張りましょう!)
コヨーテ「アォーン!」
凛「最後に、希ちゃんとにこちゃんはここから下まで三往復」
希「にこっち、起きぃ!」ユサユサ
にこ「…ぅあ?」
正直、走るのは苦手な私ですが
みんなの為にも頑張ってみせます。
凛「以上だにゃ。質問ある?」
バッ
凛「はい海未ちゃん」
海未「園田海未。希望は山頂アタックです」
穂乃果「ダメだよ!」
穂乃果「それ言って一週間も帰って来なかったじゃん!」
ことり「海未ちゃん。責めるばかりが筋肉愛じゃないよ?」
凛「そうにゃ、少し落ち着くにゃ」
海未「園田海未。冷静と情熱の間です」
穂乃果「それじゃみんな!行こう!」
バァンッ!!!
「はぁ…はぁ…っ」チラッ
穂乃果「…へ?」
凛「お?」
コヨーテ「ワン!ワン!」
「……っ」チラッ
セルゲイ「?」
…タタタタッ
ドガッ!
セルゲイ「ублюдку!」ズザッ
(うっ!)
「Я нашел его.!!!!」ガシャ
(見つけたわ!!)
にこ「ちょっ!」
穂乃果「何してんの!?」
セルゲイ「…ッ」
(…っ)
「Поднимите руку!!」ガチャ
(手を挙げなさい!!)
セルゲイ「!?」
(!?)
凛「じ、銃持ってるにゃ…っ!」
突如現れた金髪の女性に、セルゲイさんが銃を突き付けられてしまいました
どうやら、金髪の人はセルゲイさんに凄く怒ってるみたいです
「незаконнорожденный! Вы меня обманули!?」グイッ
(よくも私を騙したわね!?)
セルゲイ「хорошо…」
(ここまでか…)
ことり「ど、どう言う事なの!?」
コヨーテ「ウゥゥゥッ!!」
希「…ねぇねぇ」クイッ
海未「園田海未。肥満は甘やかし体型です」
希「あの銃って本物かな?」
海未「園田海未。露国はドラグノフです」
にこ「ま、待ちなさい!」
「Ха!?」
(はぁ!?)
にこ「あんた誰なのよ!?」
「Когда этот парень приходит домой…ッ」
(コイツは私が里帰りした時に…っ)
にこ「日本語で喋りなさいっ!!」
にこ「ここ日本よ!?」
なんだか大変な事になって来ました
これから一体どうなるのでしょう…
ことり「ねぇねぇ穂乃果ちゃん」
穂乃果「なに?」
ことり「あの人の外腹斜筋…盛ってない?」
穂乃果「…やっぱり?」
海未「園田海未。注目は脊柱起立筋です」
「んんっ!」
にこ「…」
「…私は絢瀬絵里。この学院の生徒よ」
絵里「そして生徒会長でもあるわ」
凛「え!?」
希「生徒会長はせるっちじゃ…」
絵里「コイツは私が里帰りした時に、空港で旅券とパスポートを奪った犯罪者よっ!!」
希「!?」
絵里「おまけに私のフリして学校にまで通っていただなんて…っ!!」ガチャ
セルゲイ「っ!」
希「あ、あんまり乱暴は…」
絵里「うるさい!」
絵里「コイツは只の犯罪者なのよ!?」
絵里「罵倒こそすれども、庇う道理なんか微塵たりとも無いわよっ!!」
ガチャ
絵里「ロシア共和国の名において、アンタをシベリア凍土へ強制輸送してやるわっ!!」
絵里「この世の終わりまで氷の中で懺悔してなさい!!」
セルゲイ「О, я хочу пойти」
(……)
どうやら彼は悪いことをした様です
なら、その罪は償わないといけません
でなければ、私の正義に悖ります。
…でも
…ババババババババッ!!!
にこ「うぶぶぶ…っっ!!!」ヒュン
ッズザザアアァァァ………。
穂乃果「にこちゃん!?」
希「は、発泡スチロールみたいに飛んでってもうた…」
凛「ヘリコプターにゃ!」
海未「園田海未。露国はカサートカです」
絵里「…来たわね」
ゾロゾロ…ッ
「ура!!Эличка!!」
(万歳!!絵里ちゃん!!)
絵里「Этот незаконнорожденный пожалуйста」
(このクソ野郎を頼むわ)
「понимание!!!」
(了解!!)
セルゲイ「Я не хочу.!Вернитесь домой Утешите моего сына!」
(楽しい学生生活だったよ…)
大切な仲間のために
私は…
私は…っ!!
「ちょっと待った!」
絵里「…なに?」
凛「こんな一方的なお別れなんて許さないにゃ!」
絵里「…」
凛「それに…っ」
凛「かよちんがまだ喋ってないにゃーっ!」
絵里「かよ…ちん?」
花陽「…」
…絢瀬絵里さん
絵里「なにかしら?」
花陽「…」
セルゲイさんは、私達の大切な仲間なんです
絵里「…」
花陽「…」
これまでの彼が、何処で何をして来たのかは知る由もありません
でも
絵里「…なんなの」
花陽「……」
それでも、今の彼が私達は好きだから
だからやっぱり…
絵里「〜っ!」
行かせません!
絵里「なにか喋りなさいよっ!!」
希「落ち着くんや」
絵里「はぁ!?」
希「今、あの二人が通訳してくれるから」
絵里「なにを言って…」チラッ
穂乃果「…」
ことり「…」
絵里「…彼女らは何故座禅を組んでるの?」
希「集中してるんよ」
海未「園田海未。魂の声を聞けです」
花陽「……………」
絵里「…」
絵里「何も喋ってないじゃないのよ!」
海未「園田海未。親愛なる語り部です」
絵里「だから何を言ってるの!?」
海未「園田海未。54000Hzの高周波です」
希「今までもちゃんと喋ってたんやで?」
絵里「う、嘘でしょ…?」
穂乃果「…」
ことり「…」
絵里「…貴方たち」
絵里「あの子はなんて?」
穂乃果「…っ」
ことり「…っっ!」
絵里「ねぇったら!」
穂乃果「ぶはぁっ!!」
ことり「ほぇ〜っ」
絵里「っ!」
穂乃果「駄目だね!今日は高過ぎるよ!」
ことり「単語しか聞き取れなかったぁ」
絵里「えぇ!?」
絵里「じゃ、じゃあ誰が通訳するのよ!?」
コヨーテ「…」
ミヨヨ〜ン
真姫「……」
真姫「…私が通訳するわ」
絵里「!?」
絵里「あ、あなた誰よ!?」
真姫「真姫ちゃんよ」
真姫「彼女の尊さMAXの気持ち…」
真姫「貴方に教えてあげるわ」
絵里「…」
絵里「うぇ…っひっぐ!…」
絵里「ご、ごめんなしゃい〜っ」
絵里「貴方が…そんな事考えてたなんて…わたしぃ…知らなくてぇ…っ」
絵里「もう彼のこと…グスッ追い掛け回さないからぁ…」
「хорошо!!」
(…いや)
絵里「…」
穂乃果「セルゲイ?」
セルゲイ「Не будьте глупыми!?」
(もう、十分だ)
希「せるっち…」
凛「な、何が十分なの!?」
絵里「…は?」
セルゲイ「Помогите мне!!!」
(花陽、そしてみんな)
海未「園田海未。今生の別れです」
ことり「やだ…やだよぉ…」
絵里「死にたくないとか言ってるけど…」
セルゲイ「Я не хочу умирать!!!!」
(今まで、ありがとう)
穂乃果「セルゲイ…っ」グスッ
絵里「べ…別にもう連れてく気は…」
ポンッ
絵里「え?」
花陽「……」
絵里さん
どうか…彼を連れてってあげて下さい
絵里「…?」
真姫「彼を連れてけってさ」
絵里「…」
絵里「……ソウデスカ…」
ガチャ
セルゲイ「Я не хочу.!Я не хочу.!!!」
(…達者でな)
絵里「…」
穂乃果「さようなら…っ」
ことり「元気でね!」
海未「園田海未。真相は闇の中です」
ゾロゾロ…バタンッ!
ババババババババババババ…………。
絵里「……」
絵里(…通訳すればよかったかな)
こうして、今日の部活は終了しました
にこ「…うぅ」
にこ「……あれ?みんなは?」
後で絵里先輩から聞いた話によると
彼はどうやら、ロシアで有名な犯罪グループのリーダーだったそうです
今思えば、どうして男の人が女子校にいたのか分からないけど
それでも私達は、彼と共に過ごした様々な思いでを胸に
これからも前に進んでいきます
____
__
理事長「ハーックショイッ!!」
あれから一ヶ月
セルゲイさんの代わりに絵里先輩が生徒会長の座に就きました
今では事あるごとに私達の部へ顔を出してくれるので嬉しいです
ガチャ
絵里「お疲れー!」バッ
にこ「また来たの!?」
希「やぁ、えりち」
凛「ぽんこつ生徒会長にゃ!」
絵里「ねぇねぇ!なにしてるの!?」ヒョコ
リョコウバト「…」
絵里「ねぇねぇ!」
海未「…」
絵里「楽しそうね!」
絵里「なんなら私も一緒にやってあげても」
海未「うるせえよ」
絵里「!?」
希「今、話しかけん方がいいよ?」
希「二人に置いてかれて機嫌悪いからさ」
絵里「うぅ…っ」
海未「園田海未。珍獣サーカスに一人です」
ちょっとしつこいのが玉に瑕ですが、愉快な生徒会長さんです
凛「そーいや穂乃果ちゃんたちは?」
希「あ〜、布教活動に行ったよ」
ことり「ねぇ…どうしよう穂乃果ちゃん」
穂乃果「え?」
ことり「あの人の筋肉…寂しがってるよ」
穂乃果「…本当だ」
ことり「助けなくちゃ!」
穂乃果「憂う筋肉此処に有り。だね!」
今でも時々思うのですが
もし、この部に入らなかったら…
私は今ごろ何をしていたんでしょう
ことり「貴方の泣いている筋肉の為に!」
穂乃果「私達は全力でやり遂げるよ!」
今日も私達は、色んな思いを胸に
それぞれの道を歩んでいます
おわり
このSSへのコメント