2018-03-07 22:16:51 更新

希「…」


凛「…」


海未「…っ」



海未「ど、どうでしょう?」


海未「真姫に渡す前に是非貴方たちにと思ったのですが…」


希「…」


海未「い…一応メロディも出来ています」


希「恋して殿方って…」


凛「園田さんさ〜」



凛「これじゃあさ〜わてら歌われへんのですわ〜」


海未「な、何故ですか!?」


希「なんて言うか…ね?」


凛「時代錯誤も甚だしいんですわ〜」


凛「ハッキリ言うと古臭いんですわ〜」


海未「ふ…古臭い…っ」プルプル


希「ま、まぁウチら華の女子高生やしね?もうちょっとふわっとした感じでも…」


海未「しかし希!」


海未「これは男性を美の虜にする為の魅惑的かつ華やかな表現が…」


凛「つーかこれ」



凛「昭和の香りしかしな」海未「星空」ザッ



凛「これで行こう」


希「…」



………………

………



真姫「はぁ…」


真姫「今日は練習もないし、さっさと帰りましょう」


真姫「それにしてもあの三人…」


真姫「凛は何時ものことだとして、希と海未はなにをソワソワしていたのかしら?」


真姫「なんか…嫌な予感がするわね」



「あな〜た〜ゆ〜さぶり〜♪」



真姫「ん?」




「む〜す〜ばれ〜た〜いの〜♪」




真姫「え……なに…?」





海未「もう、離さないっ」ギュッ


真姫「!?」ビクッ



『ハイ!!』



希『むっかっしっの!』シャンシャカ♪


凛『むっかっしっの!』シャンシャカ♪


海未『ものがたりっ!』シャンシャンシャン♪



真姫「あ、アンタら…っ!?」



希「どうも」


凛「みんなのラスボス」


海未「Lily Whiteです」


真姫「…なんの用?」


海未「私達を宮殿まで連れて行って下さい」


真姫「……は?」


海未「連れてって欲しいんです」


希「同伴出勤ってやつやね」


凛「逃げ出したりしな〜いで♪」


真姫「…意味がわからないわ、遊びたいのなら他を当たって」


真姫「それに、私今日そんな気分じゃ…」


海未「さぁさぁ行きましょう」ポン


真姫「え?え?」


希「わったっしの願いは!」グイッ


真姫「はぁ!?」


凛「とーまらないわ!」グイッ


真姫「ちょ、ちょっと!」


海未「渦潮より激しく!!」グイグイッ


真姫「揺すんないでっ!!」



………



真姫「……」テクテク



海未「…」トボトボ


凛「…」トボトボ


希「…」トボトボ



真姫「〜っ」



真姫「何処までついてくる気なの!?」



海未「え?」


希「それはまぁ…」


凛「宮殿まで?」


真姫「何処よそれ!?」


真姫「てゆーか!私の家着いちゃうじゃないの!!」


真姫「おまけに、ここまでずぅーっと喋らなかったクセに何よいまさらっ!」


海未「宮殿コースは私語厳禁ですので」


真姫「なんなの!?一体何がしたいの!?」


希「あな〜た〜ゆ〜さ〜ぶり〜た〜いの〜♪」


真姫「だから意味がっ」凛「きてぇ♪」



真姫「っ」ブチッ



真姫「こうしてやるんだからぁ!!」


ガボッ


凛「!」


真姫「あっはっはっは!!いい気味よ!」


段ボール「…」


真姫「段ボールなんか被っちゃって!まるで捨て猫スタイルだわ!」


段ボール「……うぅ…」


真姫「え」


段ボール「うわあぁぁ…」


真姫「あ、あの…」オロオロ


希「段ちゃん…」スッ


段ボール「う…うにゃぁ…」


海未「段、どうか泣かないで下さい」


海未「だってほら……」




海未「宮殿は目の前ですよ?」


真姫「は?」



『ハイ!』



希『にっしっきっの!』シャカシャカ♪


海未『やっしっきっは!』シャカシャカ♪


段ボール『この辺りっ!』シャンシャンシャン♪



真姫「!?」


希「伝説の〜♪」


海未「ごぉ〜て〜い〜♪」


段ボール「わぉ!」


真姫「ッッッ」


真姫「とっとと帰りなさいよっ!!」


希「あ〜帰らない〜♪」


段ボール「さだめなのよ〜♪」


真姫「…ふんっ!!」


ガチャ


バタンッ!



段ボール「…」


希「…」


海未「…」



希「…テンポが悪かったのかな?」


段ボール「てゆーか」


段ボール「やっぱり歌詞が」海未「星空」ザッ


段ボール「テンポだよテンポ!」


希「…」



………



真姫「なんなのよあの3人は!?」


真姫「訳わかんない事ベラベラ歌った挙句、人んちの前で豪邸豪邸って…っ」


真姫「どこも似た様なもんでしょ!」


真姫「まったく…」



ピンポーン



真姫「…?」



「あら、いらっしゃい」


「真姫のお友達?」



海未「はい」


希「私たち3人」


段ボール「心の友です」


真姫ママ「貴方…どうして段ボールを…?」


段ボール「捨て猫スタイルです」


ダッダッダッダッ!


真姫「あんたらぁああ!!!」


真姫ママ「あら?」


海未「おや、真姫ではありませんか」


希「そんなに慌ててどうしたん?」


段ボール「ジェラシーの色かしら?」


真姫「ッッッ」


バコンッ!!


段ボール「うにゃ!?」


真姫ママ「!?」


真姫「ハァッハァッ…っ」


真姫「入ってくんじゃないわよ!!」


真姫「この三馬鹿トリオ!!」


真姫ママ「ど、どーして叩くの!?」


真姫「段ボールは叩く物なのっ!!」



「待って下さい!!」



真姫「!?」


海未「…」


真姫「な、なによ…」


海未「救急車です」


真姫「はぁ!?」


真姫「段ボールヘコませただけで救急車呼ぶワケ!?バカなの!?」


海未「よーく耳を澄ませて下さい」


真姫「なにが!?」


海未「ほら」


真姫「…っ」


真姫「……あ」


真姫「救急車の音だ…」


海未「段々と音が低くなって行っているでしょう?」


真姫「…うん」


海未「…」



海未「ドップラー効果です」


真姫「…」




真姫「 だ か ら な に!?」




真姫ママ「物知りね〜」


海未「煮詰まって来ましたね」


真姫「帰って!!」


真姫ママ「ふふ♪」


段ボール「ごめんね?真姫ちゃん」


希「ウチらただ真姫ちゃんと遊びたかっただけなんよ」


真姫「…っ」


海未「最近の真姫は、練習後にすぐ帰ってしまっていたので少し寂しかったんです」


真姫「そ、それならそうと…」


段ボール「恥ずかしかったんだも〜ん!」


希「分かるやろ?」


真姫「〜っっ」


真姫「す、好きにすれば?//」


希「わ〜い♪」


段ボール「お邪魔しまーす!」


海未「お邪魔します」


真姫ママ「はいどうぞ〜♪」


真姫「ふん!」



『ハイッ!』



希『にっしっきっの!』シャカシャカ


段ボール『やっしっきっに!』シャカシャカ


海未『おじゃまんぼ!』シャンシャンシャン



真姫「それ止めなさいよっ!!」


真姫ママ「うふふ♪」


真姫ママ「貴方たち、お名前はなんて言うのかしら?」


海未「はい、東條希と申します」


真姫「!?」


希「星空凛です」


真姫「ちょっ」


段ボール「昭和のアイドル、園田ポエミと申しま」海未「星空」ザッ


段ボール「園田海未です」


真姫「嘘ついてんじゃないわよ!!」


真姫ママ「ホントに面白い子達ねぇ♪」


段ボール「はい、私たち四人で芸人目指してるんですよ」


真姫ママ「本当に?」


真姫「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ!」


希「真姫ちゃんはこう言うツッコミ担当なんです」


真姫ママ「あらまぁ…真姫ちゃんがお笑い芸人だなんて…パパ許してくれるかしら?」


真姫「許すワケないでしょ!?」


真姫ママ「でも、お笑い芸人だなんて将来が心配だわ…」


海未「大丈夫です」


海未「今から約三年間、美少女過ぎる芸人として一世を風靡したあと、常滑市で美少女過ぎる陶芸家として数年を過ごし…」


海未「最後は美少女過ぎた四人組として青森県に骨を埋める予定です」


海未「これが私の完璧な人生設計です」


真姫ママ「しっかりしてるわねぇ」


真姫「ママーッ!!?」


真姫「てゆーか!一々この三馬鹿の言うこと間に受けないでよっ!!」


海未「真姫」


真姫「なに!?」


海未「笑点の時間なので帰ります」


真姫「はぁ!?」


段ボール「笑点ってw」海未「星空」ザッ


段ボール「大喜利の時間にゃ!」


希「…」


真姫「結局あんた達なにしに来たのよ!?」


段ボール「いやぁ、真姫ちゃんちでジェンガやろうかなって思ってさ?」


真姫「そんなの自分の家でやりなさいよ!」


希「一人ジェンガほど悲しい物はないで?」


海未「ところで真姫」


真姫「なんなの!?」




海未「あの曲どうでした?」


真姫「かえれっ!!!」




おわり


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