2018-02-05 06:52:59 更新

概要

真少年とセイラザードです


ゴシックは魔法乙女31



第76話 ゴシック零



セイレニウム地方~


真少年が未だ5乙女と契約を結んでおらず、単なる真少年だった時のお話



突如、現れ侵攻する魔物群に世界は混乱し、組織的な反撃も出来ず、ただ、ただ、蹂躙を尽くされる



人々は逃げ場もなく、魔物の牙、爪、魔弾に数を減らされ続けていく



単に魔物が少ない地域に向かって右往左往する、死ぬ時期を遅らせるだけと分かっていても


そんな中に真少年も混じっていた




真少年「・・・しまった」




真少年「しまった、しまった」


真少年「・・・魔物の襲来から逃れて来たは良いけれど・・・」


真少年「動き難し、助かり難し」


真少年「・・・」


真少年「・・・僕のお腹から、尖った鉄の杭が飛び出てる」


真少年「さっきの爆発に飛ばされた時に刺さった・・・のかな?」


真少年「・・・今は痛くない、熱さも感じない」


真少年「多分、背中から突き刺さったのが、腹に突き抜けて来たんだろう」


真少年「・・・うーん、両足はピクリとも動かせない」


真少年「呼吸は、・・・出来ている、特に苦しくもない」


真少年「どれくらい持つのかは検討もつかないなぁ」


真少年「さて、考えよう、助かるのか、死ぬのか」


真少年「・・・うーん、先ずもって自力で助かるのは、無理、だな」


真少年「・・・港町のセイレニウムが燃えて黒煙が上がっている」


真少年「・・・まぁ、助けも無理っぽいよな、みんな魔物にやられてたし・・・」


真少年「空には、魔法乙女?少女?とかいう人達が飛び回ってるけど、次々、撃墜されてるっぽいし・・・」


真少年「最後が町外れの路地裏とは、ありきたりなのかな」


真少年「・・・」


真少年「こんなに落ち着いている自分に、僕自身が驚き」


真少年「諦め・・・?いや、違うな」


真少年「こんな現状を受け入れている?・・・いや、予感?確信?」




セイラザード「・・・そこな小僧」




真少年「・・・これか」


セイラザード「おい、そこの小僧、助かりたいか」


真少年「・・・いえ、結構です」


セイラザード「・・・はにゃ?」


真少年「結構です、僕に構わず、早く逃げて下さい」


セイラザード「・・・」


真少年「声を掛けてくれてありがとうございました、ではでは」


セイラザード「・・・」


真少年「・・・」


セイラザード「・・・」


真少年「・・・実は、僕には魔法を増幅させる能力がありまして」


セイザラード「・・・」


真少年「狂った母親の悪事に使われそうになるほどでして」


セイラザード「あー、えっとね」


真少年「そんなこんなで、結構ひどい目に合いましてね、もう、僕の能力を使われるのは、まっぴらごめんです」


セイラザード「・・・いや、死ぬよ?」


真少年「僕は僕の物で、血の一滴でも誰かの物になるなんて、誰かと共有するなんて、ゾッとしないですよ」


セイラザード「いやいやいや、死んだら終わりだよ」


真少年「ええ、終わりをのんびりと待っているところです」


セイラザード「でも、あんた、魔物から逃げて、ここまで来たんでしょ」


真少年「はい、でも、ここまでの様です、・・・あぁ、何もかもが懐かしい・・・」


セイラザード「待て待て、小僧、ちょっと待て、諦めないで、あなたの夢を諦めないで」


真少年「そう言われましても」


セイラザード「だから、私が助けてあげるって言ってんだよ?」


真少年「その代わり、手駒になれ?」


セイラザード「・・・おっぱいとかもタッチングできるかもよ?」


真少年「魅力的な提案ではありますが、女あてがわれて喜ぶのも、どうでしょう」


セイラザード「・・・」


真少年「では」


セイラザード「こほん、まぁ、ぶっちゃけた話、あたし、セレニウムの守り神、セイラザードなんだよ、びっくり?びっくりんぐ?あー、傷付いてるみたいだから畏まらなくて良いよ」


真少年「魔物にボコボコにされて、僕を取り込んで起死回生したいと」


セイラザード「ギャフン!!」


真少年「初めて聞いたなー、神様のギャフン」


セイラザード「・・・誤魔化しても仕方ないようだから、正直、その通りと認めよう、認めましょう」


真少年「うん」


セイラザード「ね、小僧は助かる、あたしはパワーアップで魔物を蹴散らす」


真少年「・・・そう上手くいきますか?」


セイラザード「いくいく、いっちゃう、いっちゃうー、あなたもハッピー、私もハッピー、ダブルハッピーで、うれぴーだよ」ダブルピース


真少年「・・・なんだろう、この人、嫌いじゃない」


セイラザード「ね、だから、あたしの力使うよ?」


真少年「いや、だから結構ですって」


セイラザード「えー、なんでー、死にたいの?」


真少年「僕自身が誰かの物になるのは嫌なんですよ」


セイラザード「だーかーらー、こーのーまーまーだと、死んじゃうよ」


真少年「あなたも消滅しますよね」


セイラザード「うぐぅ」


真少年「どうも、僕を助けてくれる話になってますが、要は、あなたも、このままじゃジリ貧なんでしょ」


セイラザード「・・・まーねー」


真少年「じゃあ、僕に助けを求めるべきでは?」


セイラザード「いやいやいや、確かにあたしも死んじゃうけど、あんたもヤバイよ、ほら血がコポコポ出てんじゃん」


真少年「もう、お互い諦めましょうよ」


セイラザード「えー、助かる道があるじゃん」


真少年「・・・その道が気にくわないって話ですよ」


セイラザード「やだー、この小僧やだー、すぐに助けてくださいって言うと思ってたー」


真少年「すみません、小僧なりに譲れないところでして」


セイラザード「・・・贄の娘、めっっっちゃくちゃ可愛いよ」


真少年「贄の娘?」


セイラザード「そうそう、あたしの仮の姿として生きる娘だからさー、花よ蝶よとして育てられた、純真無垢な娘」


真少年「ほう」


セイラザード「あたしがその娘の中に一部を宿して、小僧がその娘と契約、もう、やりたい放題、スーパー魔法乙女人」


真少年「うーん、セイラザード様と直接、契約する訳ではないのですね・・・」


セイラザード「まーね、贄の娘、なかなかナイスバディ、御子息も御満悦、夜のラブマックス」


真少年「・・・この人ゲスだ」


セイラザード「えー」


真少年「うーん、まぁ、贄の娘と契約すると言うのは理解しました」


セイラザード「うんうん」


真少年「うーん、どうだろー」


セイラザード「大丈夫、大丈夫」


真少年「・・・2つお願いがあります、それさえクリアしてもらえれば、協力もやぶさかではありません」


セイラザード「オッケー、オッケー、お姉さんが何でも聞いてあげる」


真少年「1つ目、僕と贄の娘の契約に、セイラザード様は干渉しない、つまり、契約に関しては、僕とあなたは無関係」


セイラザード「・・・」


真少年「贄の娘にあなたの一部が入るようですが、別人扱いとします」


セイラザード「あたしはあたしだ!」


真少年「いや、そんな、どこぞの主人公みたいなことを言われても」


セイラザード「格好良かった?」


真少年「どうでしょう」


セイラザード「いーよ、いーよ、どうせ贄の娘に入った人格は、あたしとは別物だし」


真少年「では、1つ目は合意ということで、2つ目」


セイラザード「カモーン」


真少年「贄の娘は、花よ蝶よと育てられた娘ではなく・・・」


セイラザード「うん?」


真少年「あの娘が良いです」ユビサシ


セイラザード「はにゃ?」


真少年「あの娘」ユビサシ


セイラザード「ほにゃ?」


真少年「・・・」ユビサシ


セイラザード「・・・」



死体「」



真少年「あの娘」


セイラザード「えーと」


真少年「はい」


セイラザード「そういった趣味の方?」


真少年「違います」


セイザラード「え?え?あの、溺れ死んじゃった後、高波に打ち上げられたであろう、あれ?」


真少年「はい」


セイラザード「え?え?え?結構、グチャグチャだよ?膨らみかけてるよ?虫とか湧いてるよ?」


真少年「はい」


セイラザード「結構痛んでるよ?手足とか揃ってないよ?頭とか半分くらい無いよ?」


真少年「結構、海の中で漂っていたんでしょうか・・・」


セイラザード「え?知り合いの方?」


真少年「いえ、全然」


セイラザード「・・・」


真少年「・・・」


セイラザード「いやいやいやいや、ないないないない!」


真少年「・・・」


セイラザード「だいたい、もう魂もなくなってるよ、たぶん」


真少年「ですかね」


セイラザード「えー?!やだやだやだ、贄の娘にしようよ!」


真少年「・・・やだなー、一人だけ安全な所で守られてる娘と契約とか・・・」


セイラザード「いやいや、そこは仕様だからさー」


真少年「そんなのだったら、見ず知らずの、魔物に殺られた、無念の中、死んでも死にきれない、悔しかった娘と契約した方がいいなー」


セイラザード「えー」


真少年「・・・僕からの提案は以上です、2つの提案を受けていただければ、あとは、そちらの思うままに・・・」


セイラザード「いや、そもそも死体に私の力を宿すのが無理な話でさ」


真少年「・・・」


セイラザード「もう、勝手に治すよ?贄の娘と契約してもらうからね」


真少年「・・・」


セイラザード「出来ないと思ってる?少年の承諾がなくても、そんなの、どうとでもなるんだからね」


真少年「・・・」


セイラザード「もう、勝手にさせてもらうからね」


真少年「・・・」


セイラザード「・・・」


真少年「・・・」


セイラザード「・・・」


真少年「・・・」


セイラザード「・・・どぼじでぇ」


真少年「・・・」


セイラザード「どぼじでぇ、ぞんな、いじわるずるのよー、びえーっ!びえーんっ!」


真少年「・・・」


セイラザード「ひっく、ひっく、ぐすっ」


真少年「・・・」


セイラザード「・・・もう、どうなっても知らないからね、死体に力を分けた事なんかないんだからねっ!」


真少年「・・・よろしく、お願いします」


セイラザード「あたし、知らないからねっ!」


真少年「はい」


セイラザード「・・・えーと、じゃあ、いくよ」


真少年「・・・」


死体「」


セイラザード「・・・んっ!!」



死体「」



セイラザード「んんーっ!!」



死体「」



セイラザード「ふぐぬぬぬぬっっ!!」



死体「」



セイラザード「んぐがあっ!」



死体「」



セイラザード「ふぐぬがあっ!ぐがぎごっ!!」



死体「」



セイラザード「ぜはっぜはっぜはっぜはっ、はーっ」


真少年「・・・返事がない、ただの屍のようだ」


セイラザード「だから言ったじゃん!!無理だって!!えーっ!どうすんのよっ!」


真少年「ん?」


セイラザード「必要以上に、私の力を死体に分けちゃったじゃんか!!半分以上持ってかれてるよ!」


真少年「あらま」


セイラザード「うわー、力の回収に時間がかかるっ!町が滅びる!」


真少年「・・・だそうですよ、そこの方」


死体「・・・ですか」


セイラザード「!!!」


真少年「動けます?」


死体「・・・まだ、体が、ぐずぐずの所が・・・いえ、回復していますので・・・」


真少年「それは良かった、・・・ではセイザラード様、僕の回復もお願いします、実はもう、下半身の感覚がなくて、寒くなってるんです」


セイラザード「」


真少年「セイラザード様?」


セイラザード「だ、だっ!騙したなっっ!!」


真少年「いえ?」


死体「騙してませんが?」


セイラザード「あんたら、知り合いっ?!」


真少年「いえ?」


死体「初対面ですが?」


セイラザード「説明を求めますっ!セイラザードは、明確な説明を求めます!」


真少年「説明って・・・」


死体「ねぇ」


セイラザード「・・・私の力を奪うのが目的だったのね!」


真少年「いえ、さっきセイラザード様が、この人に力を分け与え始めてからすぐに・・・」


死体「意識が戻りました、いえ、元の意識とは違いますので、意識が誕生した、と言った方がよろしいでしょうか・・・」


真少年「そしたら、この人、チラリと僕の方を見ましたので・・・」


死体「話がまとまった次第でして・・・」


セイラザード「どゆこと?!」


真少年「えーっと」





【回想】


真少年と死体のアイコンタクト


死体【・・・これは一体・・・】


真少年【なんか、あなた、死んだけど、生き返れるようにしてる】


死体【まぁ、それはどうも】


真少年【神様が力を分けてるみたい】


死体【はぁ、では・・・】


真少年&死体【貰えるだけ貰いましょうWWWWWW 】


【回想 了】





セイラザード「なんでっ?!この状況でっ!出会ったばかりでっ!悪巧みできてんだーっ!!!」


真少年「相性かなー?」


死体「ぽっ」テレテレ


セイラザード「なんなのよ、これ・・・」


真少年「では、僕の回復を」


セイラザード「・・・」


死体「・・・」


真少年「・・・」


死体「あの・・・私、セイラザードの力と一緒に、知識や記憶も分け与えられてますので、私が回復をしましょうか?もう、私の回復修復は終わりましたので・・・」タチアガリー


真少年「それは、駄目」


セイラザード「?!」


死体「はい」


真少年「それは僕とセイラザード様の契約、魔法乙女との契約とは別の話、セイラザード様が僕の命を助けて、その責を負うべき」


セイラザード「ん?」


真少年「僕は、セイラザード様に命を助けられて、セイラザード様の直属直下の配下になる」


死体「以後、あなたの名声悪声は全てセイラザードの責と・・・」


真少年「そう、だから僕の命はセイラザード様が直々に助けるべき」


セイラザード「くっ!」


死体「なるほど・・・『蒼き閃光の水雷』の力を分けられた私でも手出しできない訳ですね・・・」


真少年「蒼き・・・何?」


死体「セイラザードが一人でニヤニヤしながら考えていた、かっこいい、自分の二つ名です」


セイラザード「ぬああっ!?嘘よっ!うそうそっ!」


真少年「ほう」


死体「ちなみに決め台詞は、『ちょっとだけ本気』で・・・」


セイラザード「よしっ、小僧を直そう!責を負う!・・・ちょいちょい、はいっ!治した!元通り!良かったね!」


真少年「おお!あっさり!」タチアガリー


死体「良かったです」


セイラザード「何か、この娘、記憶や知識が混合しているようね、多分、他の神様の話じゃないかなー、イストバーンとかさ、あまり、昔の話はしない方がいいんじゃないかなー、それによって傷つく人がいるかもしれないしさ、色々な絡みとかもあるしさ」


死体「そうですか?・・・では、セイラザードがバストアップ効果があると信じ、日々、夜な夜な・・・」


セイラザード「あなたの名前は何てーのかなっ!」


死体「私ですか?」


セイラザード「うんうん、教えて教えて」


死体「・・・確か、カトリーヌ=エル=フォン=レベルシックス=アイシス=碧玉・・・です」


セイラザード「!!(私が考えた、人間に化けた時のかっこいい名前・・・)」


真少年「無駄に長い・・・」


セイラザード「まっ、まぁ、なかなかな名前ね!」


真少年「・・・あれ?人間の時の記憶は無いんだよね?」


カトリーヌ=エル=フォン=レベルシックス=アイシス=碧玉「はい、これは・・・」


セイラザード「あら、名前が長過ぎて、エスエスの記載が大変になってるわ、少し、略しましょう」


真少年「まぁ確かに」


セイラザード「そーね、単にカトリーヌでいいんじゃないかしら」


カトリーヌ=エル=フォン=レベルシックス=アイシス=碧玉「あなたが決めてください・・・」


真少年「僕?じゃあ、カトレアで」


カトレア「はい」


セイラザード「・・・」


真少年「良かった?カトレアさん」


カトレア「何も問題ありません、以後は単にカトレア、若しくはお姉ちゃんとお呼び下さい」


真少年「じゃあ、カトレアで」


カトレア「姉さん、姉ちゃん、姉貴、カト姉、カトレア姉、どれが良いでしょうか」ハァハァ


真少年「何故、姉設定にこだわる・・・」


カトレア「恐らくはセイラザードが、オネショタ系のうっすい本を大量に・・・」


セイラザード「さぁ、小僧、いやさ、真少年」


真少年「いやさ?」


セイラザード「よいやっさ!真少年、カトレアと魔法乙女の契約を結ぶが良い」


真少年「と言われても、そんなことやったことないので、どうすれば良いのか・・・」


セイラザード「なる?なる!位でいいんじゃない?」


真少年「適当ですね・・・」


セイラザード「まあ、形式よりも、実際の意思の確認、やり取りじゃない?」


カトレア「どうぞ、マスター」


真少年「・・・もう、マスター呼ばわりされてる・・・」


セイラザード「うむっ!セレニウムが守り神セイラザード、しかと二人の契約の義、見届けた!」


真少年「・・・まあ、いいですけど」


カトレア「マスター、以後、よろしくお願いいたします」


真少年「え、あ、うん、よろしく、死にかけでもギャグ一発かませるくらいの気持ちでいこう」


カトレア「はい、マスター」


セイラザード「ちょっと・・・」


真少年「はい?」


セイラザード「あのさ、カトレアが小僧のことをマスターって言い出してからさー」


真少年「はい」


セイラザード「カトレアの魔力が上がり始めて、今は底が見えなくなってんだけど・・・」


真少年「まぁ、セイラザード様の力を半分以上貰って、それを増幅してますから・・・」


セイラザード「うーん、それで説明できるかー?多分、空間くらい捩り取るよ・・・」


真少年「え、マジ?!」


カトレア「・・・おそらくですが」


セイラザード「うん」


カトレア「先程も話しましたが、私はセイラザードから力を分けられて、すぐ意識を誕生させ、知識や記憶もいただきました」


真少年「だったね」


カトレア「マスターとアイコンタクトして、知らない振りをして、セイラザードの力を貰っている途中ですが・・・」


セイラザード「・・・くそ」


真少年「まあまあ」


カトレア「意識を広げてみると、無数の魔法乙女、市民、動物、植物、星、の無念の魂の存在を知りました」


真少年「星まで・・・」


カトレア「それで、セイラザードの力も、脂っこい中華料理を食べ続ける様に、少し飽きがきましたので、他の魂も併せていただきました」


セイラザード「こいつ、今、人から騙し取った力のことを、脂っこい中華料理っつったよねっ!」


真少年「いいじゃないですか、脂っこい中華料理、僕は大好きですよ」


セイラザード「え?あぁ、まぁ、うん」チョロイン


カトレア「ごちそう様でした、という訳です、マスター」


真少年「・・・今、現在、取り込めるだけの力、全てを取り込んだってことか」


セイラザード「そりゃ、魔力は、跳ね上がるよなー」


カトレア「・・・」


真少年「・・・カトレア、今も?」


セイラザード「!?」


カトレア「・・・はい、マスター、今も様々な魂を取り込んでいます」


真少年「うーん、戦乱が続けば続くだけ、増大する力か」


セイラザード「・・・余裕で世界を滅ぼせんじゃない?」


カトレア「まぁ、頑張れば?」


真少年「でも、カトレアも無事では済まないでしょ」


カトレア「はい、限度を超えると、恐らくは私と取り込んだ力で対消滅するかと・・・」


セイラザード「絶対無敵のチートではないわけね、ほぼ無敵だけど・・・」


真少年「その辺は、今後、確かめながら、限界を探ろう」


カトレア「はい、マスター」


セイラザード「ふんじゃあ、まぁ、色々問題はあるけど、とりあえず、やっちゃってくれる?」


真少年「ん?」


カトレア「え?」


セイラザード「いやいや、とりあえずセレニウムを救ってもらえる?」


真少年「?」


カトレア「?」


セイラザード「おいっ!」


真少年「いや、でも、セレニウムは、まだ壊滅してませんよ」


カトレア「はい、未だ余力があります」


真少年「こんな時に助けたところで・・・」


カトレア「後々の主導権を握りにくいかと・・・」


真少年「もう少し、やられてから、残存勢力を出し尽くしてから」


カトレア「既存の王政よりも、マスターに頼らざるを得ない状況下になってから」


真少年&カトレア「出撃した方が良いよね」


セイラザード「・・・いいから、とっとと、魔物を倒してこいっ!」


真少年&カトレア「えー」


セイラザード「主の命令!勅命!はよ行け!」


真少年「はーい」


カトレア「・・・ちっ」


セイラザード「おい、今、こいつ、舌打ちしたよな」


真少年「まぁまぁ、セイラザード様、お互い半身みたいなものですから、穏便に穏便に」


真少年「カトレアもセイラザード様は僕のパトロンみたいなもんなんだから、ね」


セイラザード「・・・」


カトレア「・・・」


真少年「よし、カトレア、初陣だよ、行こうか」


カトレア「はい、マスター」


セイラザード「あまり、力に振り回されないようにね」


真少年「了解」


カトレア「・・・ちっ」


セイラザード「今、こいつ、舌打ちしたよね、私に舌打ちしたよね」


真少年「まぁまぁ、行くよ、カトレア」


カトレア「はい、マスター」









後書き

このあとセレニウムは二人に制定されました


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