第1巻 第40話 サイセイ
カシャンッ
楽の星匣 「剣の札(ツルギノフダ)」
楽 「おりゃーー!」
ザンッ
ニョキニョキニョキ
楽が剣の札で切ったツタは、みるみる再生してしまった
楽 「くそっ、星札でもダメなのかよ?」
鶫 「完全な再生能力を持つ様だな………」
小野寺 「あうう……まさかここにも出るなんて………」
集 「ちょっ!?これは一体どうなってんの?」
宮本 「あの緑に光った蔓は何かしらね。
敵対組織の生物兵器とか?」
千棘 「えっ!?るりちゃんと舞子君もアレが見えるの?」
集 「え?どーいう事?確かにこの家の人もさっき、「星獣が見えない若い衆は下がれ」とか言ってたけど………」
鶫 「!……………」
鶫 (そうか、だから宮本様と舞子集はあんなに落ち着いて………まさかあの2人までもが………)
楽 「おいつぐみ!そっち行ったぞ!」
つぐみ 「む!?」
ツタがつぐみの方に襲い掛かってきた
ドンッ ブチッ
メキメキメキ
鶫が撃ったツタはやはり見る見る再生した
鶫 「くっ、これでは奴を倒す以前に星神以外が危険過ぎる………」
カシャンッ
鶫の星匣 「盾の札(タテノフダ)」
ズッ ズッ ズーン
会場内に三体の狼を模したバリケードが生えた
鶫 「皆さんは私の盾の札の後ろに隠れて下さい!植物型星獣は意思がないから、盾に弾かれたらそれ以上は攻撃しない筈です!」
一同 「わ…分かった!」
鶫 「しかし、この蔓の数は確かに厄介だな。よし、ここは………」
カシャンッ
鶫の星匣 「終の札(ツイノフダ)」
鶫が終の札を星匣に入れると、鶫の全身に黄色い銃やバズーカや弾丸が無数に装備された。
メガオン 「木星属性か、こりゃ厄介だな。誠士朗、ツタをフッとせばいいんだな?」
最後にメガオン自身が巨大な銃になり、
鶫の胸に取り付いた
カシャンッ
メガオン 「発射!」
ドン ドン ドン ドン ドン ドガァァンッ
……………………………………
ニョキニョキニョキ
鶫が終の札で吹き飛ばした筈のツタは全て、どんどん再生して来た
鶫 「くっ、ここまで全体を焼いてもまだ再生できるのか?」
楽 「こんな奴、一体どうすれば?」
蒼也 「仕方ない」
カシャンッ
蒼也の星匣 「幻の札(マボロシノフダ)」
サァーーー
パーティー会場内は紫の霧におおわれた
蒼也 「これで時間稼ぎを……」
ドシュッ
蒼也 「ぐわっ!?」
鶫 「蒼也!」
蒼也 「な……何で?」
鶫 「奴は意思を持たない植物型星獣だ!無闇にツタを振り回すだけだが、逆に言えば視力も無いから霧などあっても無くても同じなんだ!」
蒼也 「くそっ、仕方ない………解!」
スーー
霧は晴れて行った
蒼也 「どうすんだ誠士朗?俺の属性ともお前の属性とも相性が悪すぎる上に、俺は今土星バイソンに受けた肩の傷のせいでククリ刀や弓の札(ユミノフダ)がマトモに使えないぞ?」
鶫 「これは本当にマズイな………」
楽 「どうすれば………」
クロード 「…………………」
小野寺 「どうしよう……一条君たち負けちゃうよ。」
橘 「これは本気でマズイですね。
私のレムは攻撃には向かない能力ですし。」
千棘 「……………………………」
千棘 (このままじゃあ、楽と鶫と蒼也君が負けちゃうし、ウチのアジトだって滅茶苦茶になっちゃう………でも、ママから貰ったアレを私が使えばもしかしたら………)
千棘 (でも………アレを使っちゃたたら私ももう後戻りは………私はファッションデザイナーの道に進むって決めたのに………)
楽 「ぐあっ!」
千棘 「あっ!楽!?」
楽 「いてて………」
千棘 (…………………………)
千棘 (違うわよ!楽は私を見たこともない世界に私と2人なら行けそうだから小咲ちゃんより私を選んでくれた!
なのに、楽がこんな時に私が守られてばっかでどうするの?)
ダッ
小野寺 「あっ、千棘ちゃん!?」
千棘は鶫が貼ったバリケードの後ろを出て楽たち3人の元に向かった
第40話 完
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