2019-06-13 01:30:23 更新

2017年10月29日(日) 12:00


凡矢理会館


草鹿 表(くさか ひょう)主催、ハロウィンパーティー会場


草鹿(くさか) 「えーー、本日のハロウィンパーティーの、第1イベントは、

昼食です。

ハロウィンにちなんだ料理をたくさん用意しておりますので、

ゆっくりと、頂き下さい。」


草鹿(くさか)はマイクを使って、

声を大きくして客に説明した。



パーティー客A 「わーー、美味そう。」


パーティー客B 「こっちにも、沢山あるよーー。」



ワイワイ ガヤガヤ………



千棘 「わーー、見てよ楽。

スッゴく美味しそう!」



草鹿(くさか)の説明通り、

パンプキンパイにチキン、ケーキに

カボチャジュースやクッキーに、

臓物スープなど、

ハロウィンにちなんだ料理が、

白い布を被せたテーブルの上に、

大量に並んでいた。



楽 「スゲーー、本格的だな。

あの草鹿って奴、まだ俺たちと同じ学生だろ?

よく、こんだけ用意できたな………。」


ヒョイッ


草鹿 「そりゃ、集ちゃんのお陰でもあるよ。」



楽が感心していると、草鹿が話し掛けて来た。



楽 「あっ、草鹿くん。」


草鹿 「表で良いよ♪

集ちゃんにもそう呼ばれてるし、友達はみんなそう呼ぶからね。」


楽 「そっか………

じゃあ、表。

このパーティー、やっぱり集の奴が色々絡んでんのか?」


表 「そーだよ!

集ちゃんが、この建物を貸してくれた他にも、

このハロウィン料理を作った、

料理のできる知り合いを紹介してくれたり、

お菓子やイベントの材料を調達してくれたから、

今年は、ここまで大きなパーティーに出来たんだよん♪」


楽 「やっぱり、あいつの交友関係や人脈は幅広いな………。」


楽 (冬吾の奴と、良い勝負だな………。)



表 「まあ、そんな訳だから。

集ちゃんもそんだけ協力してくれたから、

こういうイベントは、

皆んなで楽しまなけりゃ損でしょ?

一条君も、楽しんでいってよ♪」


楽 「おう。

誘ってくれて、ありがとな。」



そして………



ガッ ガッ


千棘 「楽ーー、このチキン、めっちゃ美味しいよーー!」


楽 「お前、もうチキンばかり3個目だぜ?

少しは野菜も食べたらどうだ?

パンプキンパイや、スイートポテトなんかも折角(せっかく)あるのに。」


千棘 「なっ!?

別にいーじゃない!

パーティーなんだから、自分の好きなもの食べれば!

あんた、私の保護者かなんか?」


楽 「いや。

彼氏として言ってんだよ。

彼氏なら、彼女の健康に気を使うのは当然だからな。」


千棘 「そ、そっか………。

ありがと………。」


楽 「そういやあ千棘、お前はハロウィンパーティーって、前にも行った事あんのか?」


千棘 「もちろんあるわよ!

アメリカでも、パパやママの付き添いで、

もっと大きなハロウィンパーティーに何度も出た事あるわよ!」


楽 「流石だな………。」



小咲 「モグモグ………

このパンプキンパイ、美味しー。

ねー、千棘ちゃん。

このパンプキンパイ食べてみない?」


千棘 「あっ、食べる食べるーー!」



タタッ



楽 (よかった、千棘がカボチャのパイに興味持ってくれた………。

グッジョブ、小野寺!)



その他にも………


万里花 ゴクゴク………


万里花 「ふーー、カボチャジュースですか………。

独特な味ですが、

まあ………悪くはありませんわね。」



万里花は、紅茶を飲む時のようなお上品なお嬢様作法で、カボチャジュースを飲んでいた。



るり 「はい。」


スッ


集 「おや?」



るりは、集にスイートポテトを差し出した。



るり 「………一緒に食べましょ。

私たち、一応恋人同士なんだから。

あなたとなら、一緒に食べるのも悪くないわ。」


集 「おやおや、嬉しいねー〜。

まさか、るりちゃんの方からそんな事を言ってくれるなんて。

でも俺は、るりちゃんみたいには大食らいは出来な………。」


るり イラッ


ガスッ


集 「ぐふっ!」



るりは、集をどついた。



鶫 モグモグ………


鶫 「うーむ、中々の味だな。

アメリカで、ボスやお嬢の付き添いで行ったパーティーで出て来た本格的な料理に比べれば、多少物足りないが………

まあ、年の近い友人とこうやってみんなで食べるのも悪くはないな。」


鶫 (………蒼也の奴も、来ればよかったな。)



タタッ


千棘 「楽ーー、小咲ちゃんと食べたいパンプキンパイも、美味しかったよーー。」



小咲とパンプキンパイを食べ終えた千棘は、

楽の所に戻って来ていた。


楽 「おう。

そりゃ良かったな。」


千棘 「………ねぇ楽、なんだかこういうの久々で良いよね。」


楽 「え?」


千棘 「だって、私たち、

高校の時はいつもこのメンバーで一緒に行動して遊んでたじゃない?

私が日本に戻って来てからは、

あんたと「ホンモノ」のデートばっかりして………

もちろん、それもスッゴく楽しかったけど、

やっぱり私、お友達とみんなでワイワイこうやって楽しむのも、大好きだな。」


ニコッ


楽 ドキッ



千棘の見せた満面の笑みに、楽はドキッとした。



楽 「ああ、そうだな………。」


楽 (そうだったな。

お前は俺と本当に付き合い出す前から、

友達と何かするだけで楽しくて仕方ないっていう奴だった。

俺1人だけが全てなんて、

そんな小さい女じゃねーよな、お前は。)


楽 (俺はお前の、そんな笑顔にも惹かれて癒されてばっかだったな………。)


第1巻 第245話 完


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