下から上に
2年生になった3人。μ'sで無くなっても3人は一緒にいます。まきりんぱな編に向けた真姫ちゃん視点のほのぼの話です。
何にも変わったことないと思っていた高校生活。
今までと同じく、将来のために勉強するしかないと思ってた。
私はそれでも良かった。
最初は本当にそうなるって思ってたから。
だけどそんな私を、
あの先輩たちは変えてくれた。
同級生たちが変えてくれた。
私が素直になれた場所。
大切な場所。
声に出しては絶対言えない。
だって恥ずかしいから。
高校生活も2年目に入って、廃校を待逃れたとはいえ、私たちのクラスは1クラスしかない。
だから学年が上がっても教室にいる生徒は全員同じ。
良いことなのか悪いことなのか分からないわ。
ただ、あの2人と一緒にいられるのは嬉しいのかもしれない。
凛「まーーきちゃーーん」
真姫「なによ、凛」
凛「なんでもないよ?」
真姫「はぁ?だったら何で呼んだのよ」
凛「呼びたかったからに決まってるじゃん!」
真姫「凛、あなたねぇ・・・」
花陽「ま、真姫ちゃん。凛ちゃんも悪気があったわけじゃないから・・ね」
真姫「まぁ別にいいけど」
高校で知り合った2人。
アイドル好きで引っ込み思案な花陽。
運動神経抜群で行動派な凛。
2人は幼馴染みで、その関係に私が入ることなんて本当ならあり得ないことだった。
それでも
音楽室で出会ったあの人。
あの人のおかげで2人と友達になれた。
私の歌を上手いと言ってくれた。アイドルの大変さを教えてくれた。
なによりも真っすぐに進むことを教えてくれた。
1つ年上の先輩。
そしてその先輩の親友が2人。
見ていて羨ましい関係だった。
そんな関係にどこかで憧れていた。
私はずっと前から、そんな存在をさがしていたのかもしれない。
真姫「凛、花陽、帰りましょう」
放課後の練習が無くなったけど、2人とはよく一緒に帰るようになった。
凛「ただ帰るのはつまんないから、今日は真姫ちゃんの家に行きたいなぁ」
真姫「何を急に言い出すのよ。今日はダメよ」
凛「ええーー、真姫ちゃん家大きくて、美味しいお菓子がたくさんあるから大好きなのにーーー」
真姫「お菓子が食べたいだけじゃないの・・・花陽あなたからも言ってあげて」
凛「そんなことないもんねー。かよちんだって昨日久しぶりに行ってみたいって言ってたし。ねぇーかよちん」
花陽「り、凛ちゃん!?」
真姫「そうなの?花陽」
花陽「ううう、行きたいのは嘘じゃないけど、真姫ちゃんがダメっていうなら・・・」
真姫「花陽、行きたいの?行きたくないの?どっち!」
花陽「ええ!?なんで2択しかないないのぉ」
凛「かよちん、行きたいって言えば行けるんだよ。ほら、かよちーん」
真姫「ちょっと、花陽の答えをせかさないで凛」
凛「真姫ちゃんだってせかしてるくせにーー」
真姫「わ、私はどっちなのか聞いてるだけで・・・」
花陽「2人とも喧嘩はだめだよぉ~」
真姫「ああーー!もう!!だったらもう来なさいよ。そのほうが早いわ」
凛「真姫ちゃんいいのかにゃ?」
花陽「ふふふ、凛ちゃん、にゃって出てるよ」
凛「あ・・・」
真姫「そんなのどうでもいいから!で?来るの!?」
凛・花陽「行く!!!」
私にとっては、2人とはまだ1年くらいの関係で、
あの人たちみたいにはまだまだなれる様子はない。
時に厳しく、時に喧嘩して、時に支えあって、
最後には一緒に笑っていられる。
そんな関係になれたら、
その頃には私ももう少し素直になっているかしら。
凛「真姫ちゃん、そうと決まれば早くいくにゃーー」
花陽「ちょっと凛ちゃん、腕引っ張らないでーー・・・」
走り出す2人。
その2人の背中を押したのは私だけ。
これは私の自慢。
ううん、違うかも。
背中を押したい、押してあげたいと思える気持ちに、
2人がしてくれたのかもね。
さて、家ではどんな2人を見せてくれるのかしら。
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