2015-11-04 19:12:32 更新

概要

音ノ木学園と音ノ木学院。

2つの学校が繰り広げる死闘の記録である。


前書き

血濡れの天使。
彼女の存在は音ノ木を揺るがし2つに分断し、死闘を繰り広げ始めさせた。

音ノ木の覇権を握るのは、果たして・・・。

(キャラ崩壊・口調崩壊あり。)


3年前・・・


チンピラ「て、てめえ!何もんだ!」


??「なにもんだ、じゃないわよ。大した力もないくせに、よくもまあ、王様を気取れたものね。」


チンピラ「このやろぉぉ!」 チャキ


??「そうやって、すぐドスに頼る。弱いわね。」


チンピラ「てんめえ!」ダッ


??「馬鹿の一つ覚えね。」ドス


チンピラ「な、なに・・・・。」


チンピラ「こ、こんな野郎に・・・。」ドサ


??「・・・。」


3年前音ノ木は、再び2つに割れた。

血濡れの天使によって。




現在



音ノ木は、今や大きく2つの勢力に分断されていた。

音ノ木学園を拠点とする旧勢力、通称「生徒会」。

音ノ木学院を拠点とする新勢力、通称「代弁者」。


両校の創立日や、校訓こそ似ているが常にライバル校として争いた。

3年前。

通称「血濡れの天使」両校の平和的会談の場所を急襲したことがすべての始まりだった。

疑い、争い、破壊しつくす両校を止められる者は、いなかった。

今や、戦争までのカウントダウンは始まっていた。




学院 某所



モブ1「・・・です。今のところ我々のたまり場に生徒会からの攻撃はないようです。」


海未「そうですか。では、引き続き警戒を続けてください。」


モブ1「わかりました。失礼します。」


ガチャ


バタン


海未「このところ生徒会は、ずいぶん動きがないですね。」


ことり「この前、穂乃果ちゃんが随分派手に暴れたからね・・・。」


海未「ですね。私たちが悪しき伝統を断絶しなければなりませんからね。」


穂乃果「いやぁ、今日もパンがうまい!」


海未「穂乃果!ちゃんと、聞いていましたか?!」


穂乃果「え?!これからカチコミでしょ!楽しみだなー。」


ことり「穂乃果ちゃん・・・。」アハハ


海未「しっかりしてください!あなたは、代弁者のリーダーなのですから!」


穂乃果「うぅ・・・。ごめんね・・・?」


海未「ま、まあ今回だけですよ。」


ことり(海未ちゃんデレてるなぁ・・・。)


穂乃果「どちらにせよ、私たちは攻められるまで動けないんでしょ?つまんなーい。」


コンコン


凛「失礼するにゃー。」


海未「凛。おかえりなさい。どうでしたか?」


凛「そろそろ、向こうの副会長が動くと思うにゃ。」


ことり「東条 希・・・だっけ?」


凛「あと・・・。噂なんだけど、血濡れの天使が見つかったらしいにゃ!」


海未「本当ですか!?それで、今どこに?!」


凛「それが、向こうの会長の方が早く見つけたみたいでもう、コンタクトをとってるみたいにゃ!」


海未「出遅れましたか・・・。」


穂乃果「まあまあ、大丈夫だよ。」


穂乃果「私たちは、最強だもの。」す




学園 某所


コンコン


絵里「どうぞ。」


会員1「お連れしました。」


絵里「わかったわ。お通しして。」


血濡れの天使?「失礼するわ。」


絵里「これはこれは、来ていただきありがとうございます。どうぞおかけください。」


絵里「それで…血濡れの天使…」


血濡れの天使「ちょっと待って。私は、血濡れの天使の一番弟子なだけで本人じゃないわ。真姫ど呼んでくれてかまわないわ。」


絵里「では、私のことは絵里とよんでください。」


真姫「そうね…エリーでどうかしら?うん、これがいいわ。あ、あと敬語もなしでいいわよね?もちろん、エリーも。」


絵里「そう、ならそうさせてもらうわ。それで、あなたは、血濡れの天使の居場所を知っているのかしら?」


真姫「さあ?あの人は颯爽と現れて颯爽と消えていった。生きているのか死んでいるのかさえわからないわ。」


絵里「わからない…。」


パリーン


突如窓から覆面の3人が飛び込んでくる。


真姫「手荒い歓迎ね。」


覆面は同時に金属バットを真姫に振り下ろす。


真姫「そういうの好きよ?」


真姫は、跳躍すると1人かかとおとしを振り下ろす、勢いを緩めることなくもう1人に回し蹴りをすると、残りと対峙する。

覆面は再び金属バットを振り下ろす。



パシッ


真姫は、金属バットを片手で止めるとそのまま押し返しみぞおちに鉄拳をうちこむ。


絵里「さすがね。」パチパチ


真姫「…。」


絵里「ごめんさないね。少し…あなたの実力をね。」


真姫「そんなことだと思ったわ。これだから、生徒会は嫌われるのよ。」


絵里「ふふふ…知っているわ。けれど、それも代弁者を潰せば解決よ。」


絵里「変わることなく、私達生徒会は再び音ノ木の覇権を握るのよ。」


真姫「興味無いわ。」カミノケクルクル


真姫「けれど、私達西木野グループは傭兵部隊。」


真姫「私を始め皆もと血濡れの天使の部下よ?腕は信用して欲しいものね。」


絵里「あんなの見せつけられたんだもの。当たり前じゃない?」


真姫「そろそろ本題にはいましょう?いくら払うつもりなの?」


絵里「3ピロシキよ。」


真姫「…。」


真姫「ふふふ…あははは……!冗談きついわよ?3ピロシキ?貴方達はロシア部隊のつもり?」


絵里「…。」ジッ


真姫「…。フッ。なるほど、生徒会の裏にはどす黒い闇か。面白いわ。5ピロシキよ。」


絵里「最高額ギリギリの提示とは…なかなか政治手腕もあるのね。」


真姫「決まりね。日時はおって連絡してくれれば構わないわ。それじょ。」テクテク


真姫「最高の戦争をしましょう?」ニコッ


バタン。


絵里「…。」


ガチャ

絵里「どう思う?希。」


希「ウチが、いうのも変やけど中々高飛車やな。」


絵里「それでいいわ。問題は腕よ。」


希「それに関しては文句のつけようがないやん。」


絵里「そうね。仮にもロシア武闘を教えた会員をこうもあっさり倒すとわね…。」


花陽「あのぉ…。」


希「どうしたん?花陽ちゃん。」


花陽「西木野グループってもしかして…丘の上の病院の…?」


希「ピンポーン。あそこの1人娘やで。」


絵里「この世界に家柄なんて関係ないわ。必要なのは力。ふふふ。さて、代弁者に目に物をみせてやろうじゃない。」




食堂スマイル


真姫「あの絵里って言う人、なかなかのやり手ね…。」


真姫は、痛む右手に包帯を巻き始める。


西木野グループができて3年…。

初めての大きな戦争ね。


真姫「ふふふ…。いいわ、お互い潰しあいなさい。音ノ木の真の支配者はわたし達なのだから…。」


にこ「お待たせしましたー、とまと定食です。」


真姫「…!(にこちゃん!)」ルンルン


にこ「って、やっぱりあんたなのね?」


真姫「なによ?私は客よ?」


にこ「わかってるわよ。けど、あんた丘の上の病院の娘でしょ?」


にこ「そんなブルジョワな方がこんな安物のトマトの食べていいのか、とね。」


真姫「…。いろいろあるの。私にも。」


にこ「…。ま、深くは聞かないわ。いい?今日は閉店前に帰りなさいよ?」


にこ「一体何時間私の仕事が終わるまで待つつもりなのよ。」


真姫「べ、べつに私の勝手でしょ?」カミノケクルクル


にこ「はいはい、そうね。」


店長「にこちゃーん。これ、6番席に。」


にこ「はーい、今行きまーす。」


にこ「とにかく、風邪には気をつけなさいよ?」




代弁者 武器庫


凛「また、凛の勝ちにゃ!」


モブ「マジっすか…凛さん強すぎっす。」


凛「凛に運動神経でかてると思う方が間違いにゃ。」


タッタッタッ


モブ1「報告します!生徒会、奇襲です!」


凛「きたにゃきたにゃきたにや!いくにゃー!」


オ-!


カチコミダ-!


ヒトリノコラズタオセ!


ダレモニガスナ!


セメテキタコトヲコウカイサセロ!


凛「敵の隊長わっと。」


凛「うわ!な、なんにゃ!この柔らかものは !」


希「おっと、凛ちゃんには無いものやしな。わからんよな?」


凛「凛の名前を知ってるってことは幹部クラス…。東条希か!」


希「なんや、ウチも有名人やな。」


凛「いっくにゃー」シュッ


希「遅い、遅いで?」パシ


凛「まだまだ!」


凛は壁を蹴り天井を蹴り地面を蹴り縦横無尽に部屋を移動する。

残像すら見える程だ。


希「これが有名な猫走りやな。」


凛「これでおわりにゃー!!!」


スッ!



凛「にゃ!感覚がない!」


希「残念やけど。」ササッ


希「まだまだ遅いやん?」ドスッ


希の拳が凛の腹にめり込む。


凛「…ごふっ!」パリ-ン


凛は胃の内容物を吐き出しながら窓から落ちていった。


希「2階やし、大した怪我にはならないやろ。」


会員「武器庫。制圧しました。」


希「ご苦労さま。さて、火を放っていいよ。」



学院 某所




タッタッタッ


モブ1「伝令!」


モブ1「武器庫が!生徒会に急襲されました!負傷者数不明!現在も出火しています!」


穂乃果「生徒会!」ギリッ


穂乃果「ことりちゃん!刀とって!」


ことり「うん!久しぶりに人斬り穂乃果ちゃん見れるんだね!」


穂乃果「いくぞ、野郎ども!」


海未「待ってください!おかしいと思いませんか?!」


穂乃果「なにがさ!」


海未「突然動き出すことがです!生徒会は本気で戦争を始めるつもりなのでしょうか?それなら、勝つための根拠があるはずです。」


ことり「でも、戦えばわかるんじゃないかな?」


海未「それに!凛が怪我したそうです!」


穂乃果「凛ちゃんが!様態は?!」


海未「幸いにも大事にはいたらなかっそうです。穂乃果。今は情報が必要です。」


穂乃果「情報…。」


海未「ことり、理事長に情報の開示を求めてください。」


ことり「わ、わかったよ。」チュン


海未「穂乃果は、雪穗にいつものを。」


穂乃果「えー…。」


海未「…。」ジッ


穂乃果「わかったよぉ。」


プルルル


雪穗『お姉ちゃん?どうしたの?』


穂乃果「あ、あのね…。調べて欲しいことが…。」


雪穗『…。』


雪穗『7ほむマンでいいよ。』


穂乃果「ええ?!そんなに?!」


雪穗『嫌ならいいんだよ?やらないから。』


穂乃果「わ、わかったよ。今海未ちゃんにかわるから。」


雪穗『(7ほむマン!)』


海未「雪穗ですか?海未です。」


雪穗『お久しぶりです。それで、私はなにをすれば?』


海未「今日の生徒会周辺の監視カメラを確認して欲しいんです。」


雪穗『…?誰か探しているんですか?』


海未「生徒会の幹部はわかりますよね?」


雪穗『い、いちおは…。』


海未「見たことのない顔で幹部待遇を受けている人を探して欲しいんです。」


雪穗『…。あんまり、お姉ちゃんを争いに巻き込まないでくださいね…。』


海未「…。善処します。」


雪穗『始めますね。』


雪穗『えーと、パスワード解除、日時を指定…ハッキング開始と。』


雪穗『つなげておいてください。思ったより早く終わりそうですから。』


海未「わかりました。」


雪穗『50…70…90…。え?』


海未「どうしました?」


雪穗『そ、そんな!どうして!』カチャカチャ


雪穗『う、嘘!早い!』カチャカチャ


雪穗『ま、負けない!』


海未「雪穗…?」


雪穗『だ、だめ!間に合わない!』カチャカチャ


雪穗『う、嘘…私のパソコンが…乗っ取られた…。』


雪穗『あ…り…さ…?誰よ…。』


雪穗『海未さん…すみません…多分生徒会からハッキングを受けて…調べられませんでした…。』


海未「大丈夫ですか?」


雪穗『多分…復旧には時間がかかりますが…。』


海未「わかりました。これで1つ確信したことがあります。協力ありがとうございました。」ピッ


海未「…。血濡れの天使ですか…。」



学園 PCルーム



亜里沙「んーー!あー!疲れたー。」


亜里沙「にしても。雪穗ねぇ。噂には聞いてたけどたいしたことないなぁ。」


亜里沙「さてさて、代弁者は何を考えてるのかなぁ?」


亜里沙「ふんふん。え…。なにこれ…。」


プルルル


亜里沙「は、はい。」


希『亜里沙ちゃんやな?』


亜里沙「あ、希さん!」


希『撃退できたみたいやん!ありがとうなぁ。』


亜里沙「いやいや、これもお姉ちゃんのためなら。」


希『ふふ。えりちは、姉思いの良い妹をもってるんやなぁ。』


希『いつもの口座にふりこんでおくでぇ。』


亜里沙「あ、ありがとうございます!」


希『これからも、たのむえでぇ。亜里沙ちゃん。』


亜里沙「はい!」


ピッ


亜里沙「…。代弁者…。なんでもお見通しなの…?」


亜里沙「あそこには…もっとすごい人がいる…。」



学園 某所


ピッ


絵里「希。亜里沙はどうだった?」


希「無事に成功や!」グッ


絵里「そう…。よかったわ。」ホッ


絵里「不気味ね…。未だに。なんの報復もないなんて…。」


希「せやなぁ。いつもの代弁者なら何かしらするはずなやけど。」


絵里「今回で凝りた…。なんてことは期待できないわねぇ。」


絵里「1番怖いのはわたし達以外を狙うことよ…。もし、亜里沙になにかあったら…。」


希「えりち…。」


絵里「まぁ、そういっても私が亜里沙を巻き込んだのだからしっかりしないといけないわね。」


絵里「西木野グループ…。やっぱりかなりのやり手だったわね。」


希「そうやねぇ。動きこそうちらの会員より雑やけど全体的に上やねぇ。」


絵里「早めに獲得しておいて正解だったわ。」


絵里「(吉と出るか凶と出るかはまた別の話だけどね。

)」


タッタッタッ


花陽「絵里ちゃん!」


絵里「どうしたの?花陽。」


花陽「代弁者から…通知が来て!三日後にそちらで平和的会談をしたいって!」


絵里「代弁者…。なかなかの切れ者がいるようね。」


希「報復を取らずにあえて、話し合う…平等な会話なようでウチらは襲撃の負い目を受けなくてはいけない……」


絵里「おもしろいじゃない。」


絵里「断る理由もないわ。快くお受けするわ。」





学園



海未「ここですね。」


ことり「そうだね。楽しみだな。」チュン


穂乃果「穂乃果も楽しみだよ!刀をいつ抜けるかな!」


海未「喧嘩をしに来たわけではないのですよ。あくまで平和的会談です。」


穂乃果「もー!わかってるよ。」


花陽「あの…。高坂さん達ですか?」


穂乃果「そうだけど?」ギロ


花陽「ひっ!あ、あの私生徒会書記の小泉花陽っていいます。絵里ちゃ…会長に案内を頼まれて。」


穂乃果「あ!そうなの?じゃ、よろしくね花陽ちゃん。」


花陽「こ、こちらです!」トテトテ


海未「あの上履き一年ですか。」ヒソヒソ


ことり「あの見た目だけど本当はものすごく強いのかもね。」ヒソヒソ


海未「油断なりません。いちお、外にモブ達を待機させていますが。」ヒソヒソ


ことり「ことり、いつでも動けるようにするね。」ヒソヒソ


海未「だめです。ことりたちは最終兵器。ここで晒すわけには。」ヒソヒソ


穂乃果「ねぇねぇ。花陽ちゃん。」


花陽「は、はい。なんですか?」


穂乃果「凛ちゃんに会いたいよね…?」ボソ


花陽「え?!ええ?!!」


穂乃果「しー!」


花陽「は、はい。それは…その…会いたいです…。」


穂乃果「ふふふ。穂乃果ね。こう見えても友情とか信頼とか好きなんだ。」


穂乃果「もし、生徒会に嫌気…いや、凛ちゃんと一緒にいたくなったらここに連絡してね。」スッ


花陽「は、はあ…。あ、ここです。」


コンコン


絵里「どうぞ。」


ガチャ



穂乃果「お久しぶりです。会長。」ペコリ


絵里「久しぶりね。代表。」


絵里「どうぞ、おかけになって?」


穂乃果「では、お言葉に甘えて。」


スッ


絵里「…。」


穂乃果「…。」


海未「随分と派手に動いてくれましたね。」


希「ここは、賠償を話し合う場所やないんと思うんやけど?」


海未「ただの世間話ですよ。」


ことり「東条希さん。凛ちゃんがお世話になりました。」


希「世話なんて。少し世間の広さを教えてあげただけやん。」


ことり「それはそれは、良い勉強になったと思います。全治4日だそうです。まあ、凛ちゃんならすぐに良くなると思いますけど。凛ちゃんなら。」チュン


希「…。なにがいいたいのかな?」ニコッ


絵里「んっんん!」


絵里「希。あんまり喧嘩売らないで。ごめんなさいね。最近は血の気が荒くて。」


穂乃果「いやいや。海未ちゃん、ことりちゃん。だめだよ。」


絵里「それで…要件は?」


穂乃果「私達で手を組みましょう。」


絵里「手を組む…?」


穂乃果「ええ。また、一つになるのです。」


穂乃果「この争いも血塗れの天使の暴走によるもの。」


穂乃果「血塗れの天使が当時どちらの勢力についていたかなんてこの際なしにしましょう。大切なのは、これ以上争いの犠牲者を産まないことです…よね?」


絵里「確かに間違いではないわ。それなら、1つになった時どちらがチームを引っ張るのかしら?」


穂乃果「もちろん、生徒会に譲りますよ。」


絵里「…。おかしいわね。もしそれが本当ならあなた方は事実上負けを認めることになるのよ?」


穂乃果「理解してます。そのかわり、一代ごとにリーダーを変えましょう。生徒会、代弁者、生徒会…のように。」


希「なるほど…そういうことやんな…。」ボソッ


希「つまり、ウチらが、卒業した次の年。代弁者リーダーを出すんやろ?その時高坂さんあなたがなるんやろ?そこからは…。」


海未「穂乃果を侮辱することは許せません。」


穂乃果「まあまあ。いきなり信用しろっていうのが無理なんだよ。だから、これから何回も会を重ねて…信頼しあいましょう…?綾瀬会長。」


絵里「ふふ。長年の宿願がこんな形で叶うとわね。そうね、これからも…続けましょう?高坂代表。」


穂乃果「では、次の会談の日取りを決めましょう。そうですね…。」


ピピピ…


花陽「はい。花陽です。え?!え!!わかりました。」スタスタ


花陽「会長…。」ヒソヒソ


絵里「…!」


絵里「ごめんなさい。急用が入ってしまったの。追って連絡させてもらえないかしら?」


穂乃果「全然。大丈夫ですよ?ねぇ?」


海未「そうですね。」


ことり「ちゅん!」


穂乃果「それじゃ、このへんで。失礼します。」スタスタ


ガチャ


穂乃果「そうそう。亜里沙ちゃん。かわいいですね?」ニコッ


絵里「…!」ビク


バタン


ーーー


穂乃果「海未ちゃんー!疲れたよー!」


海未「お疲れ様です。穂乃果。」ヨシヨシ


穂乃果「海未ちゃんの台本。効果的だったね!」


海未「いえ…。そんな。そうですかね?」


ことり「海未ちゃんばっかりずるいー!」


穂乃果「ことりちゃんも考えてくれてたんだよね。ありがとうー!」


ことり「ふふ。うれしいよー!」


穂乃果「花陽ちゃん…。ねぇ。ふふふ。」


海未「なにかしたんですか?」


穂乃果「なにもしてないよー?」


海未「まったく、余計なことはしないでくださいとあれほど言ったではありませんか。」


ことり「まあまあ。海未ちゃん…。ね?」


穂乃果「大丈夫!計画の障害にはならないよ!」


海未「それならいいのですが…。」


ことり「モブちゃん達いないね。」


穂乃果「どこにいっちゃったんだろう。それに…随分くらい路地にはいっちゃったね。」


海未「ボーとしていたら道を間違えてしまったようです。」


ピー


よく響く笛の音がした。


音ともに赤いパーカーにうさぎの仮面をつけた集団が現れる。

人数は10人ほどだろうか。

穂乃果達を取り囲むようにすると同じ警棒を取り出してきた。


穂乃果「赤ジャージにうさぎの仮面。西木野グループかな?」


海未「よく見てください。あの腕章。あれは、生徒会です。」


ことり「血塗れの天使の噂は、西木野グループだったんだね。」


穂乃果「おもしろくなってきたなぁ。」ニヤ


海未「鞘から抜いてはいけませんよ?穂乃果。小鳥は、そこで見ていて構いません。」


海未「いい腕慣らしです。」


うさぎ仮面「我ら西木野グループ。貴様ら腐敗しきった代弁者を成敗しにきた。これは、神の、天使の鉄槌である!」


穂乃果「そういうのいいから始めようよ。」ハァハァ


ことり「穂乃果ちゃん。絵面的に問題あるよ…。」ハハハ


海未「いいではないですか。ことりは人斬り穂乃果を見たかったのでしょう?切らせませんが。」


ことり「それもそうだね。」


先に動いたのは西木野グループだった。1人が、警棒を振り上げ穂乃果に走り出す。


穂乃果「おっそいなぁ。」


それは、一瞬だった。

穂乃果がタイミングをみて一歩ふみだす。

2人が、交錯する。

グループ会員は突然ヨタヨタと歩くと腹から血を吹き出した。


穂乃果「あ、ごめんね。力加減が。」


穂乃果は、確かに鞘から刃を抜かなかった。

しかし、あまりの速さの一撃に皮膚が摩擦に耐えきれなくなり切れたのだった。


グループ2「な、なんだよ!あれ!」


グループ3「お、思い出した!鞘から抜かなくても圧倒的な切れ味を持つカミソリ穂乃果…人斬り穂乃果…。1年にして、決闘で代弁者代表を倒してこの権力を手中に収めた…実力者…。む、無理よ!わたし達には!」


グループ隊長「ひるまないで!連携攻撃をするのよ!」


海未「させるとお思いですか?」


海未は、突然弓を構えると射った。

矢は3つに別れると3人の腕に刺さった。


グループ「がぁぁぁ!!」


グループ3「同時に3本だと!ハッ!連激の園田…。

園田流継承者にして華麗な鎗捌きと弓を使い別ける…代弁者1の実力者…。」


海未「残念ですね。あなた達、誰に喧嘩うったのかわかっているのですよね?」ギロ


ことり「海未ちゃんもこわーい。」ニヤニヤ


グループ隊長「ひるむな!数はこちらが優っている!」


ピー


グループ4「さて。ショータイムだ。」


グループ5「ぶっ殺してやる。」


ゾロゾロ


グループ隊長「ふふふ。グループの中でも精鋭。血塗れの天使の元部下達だ!」


海未「合計16人ですか。」


グループ隊長「怖じけついたか!」


穂乃果「まだまだ足りないよね。海未ちゃん。」


海未「そうですね。私達を倒すなら一個師団は必要ですからね。」


グループ隊長「…!やれ!」


15人が一斉に飛び出す。

それぞれ手には特殊警棒を持っている。


シネヤ!


ツブシテヤル!


穂乃果「乱暴は嫌なんだけどなぁ。」


穂乃果は走り出すと刀を振りかぶった。


穂乃果「一撃で!」


穂乃果が、素早く横に刀をなぎ払う。

突撃してい3人は風圧に負けて倒れ込んだ。

残りは5人。以前突っ込んでくる。


オワリニシテヤル!


1人警棒を振り上げた。

そのスキに穂乃果は胴に一撃を決める。


ドウジニ!


残りの4人は穂乃果を取り囲むと警棒を振り上げた。


穂乃果「…。」ニヤ


穂乃果は、大きく飛んだ。

4人の警棒は標的を失うとお互いを殴り合う。

そのスキを、穂乃果は見逃すことがなかったそのまま空中でバク転すると逆さになり刀を振るう。

4人は額から血を流すと倒れ込んた。


穂乃果「手応えなかったなぁ。」


海未「終わりましたか。」


穂乃果「海未ちゃんも終わった?」チラ


穂乃果「み、みんな…首が曲がってない…?」


海未「ただの鞭打ちですよ。」


ことり「きゃー!」


穂乃果「ことりちゃん!」


海未「ことり!」


グループ隊長「動くな!」


グループ隊長「こいつがどうなってもいいのか!」


グループ隊長はことりのこめかみに拳銃を突きつけながら穂乃果達を睨んだ。


グループ隊長「部下たちの落とし前…つけてもらう!」


穂乃果「やめた方がいいと思うよ。」


グループ隊長「戯言を!」


海未「あなたの為をおもっていっているのです。」


グループ隊長「ふざけるな!!」


ことり「そうだよ?」


グループ隊長「…!」


ことり「死ぬよ?お前。」ゲスガオ


グループ隊長「…!ヒッ!」


ことり「私に銃を向けて…死ぬ覚悟はあるの…?」ニコ


ことりはゆっくり右手をあげた。


グループ隊長「動くなっていってんだろ!」


グループ隊長「死ねや!!」


ことりが右手を振り下ろす。


パァ-ン。


乾いた音がすると同時にグループ隊長の額に穴があいた。


グループ隊長「な、なにが…?」


グループ隊長は重力に従い倒れると動かくなった。


ことり「だから言ったのになぁ。」


ーーーー


グループ隊長『な、なにが…?』


ピ-ザザザ


真姫「ふふん。さすがね。」


真姫「今回のところは威力偵察よ。代弁者…次は必ず。」ギリ


真姫は、ゆうゆう歩くとバイクにまたがる。


ピリリリ


真姫「西木野よ。」


絵里『真姫!あなたね!何をしたかわかっているの!』


真姫「代弁者を潰そうとしたのよ?」


絵理『余計なことはしないで!』


真姫「おかしいわね?」ニヤリ


真姫「あなたが頼んだのしょ?代弁者を潰せと。違うのかしら?絵理会長?」


絵理『…!』


絵理『これで全て水の泡よ!』


真姫「知らないわ?私は政治には興味無いの。」


真姫「必要なのは力よ。」


真姫(そして私が必ず…!)


絵理『フッ…。そうね。わかったわ。あなたの言う通りよ。代弁者は潰すわ。』


真姫「話が通じて嬉しいわ?それじゃ、また連絡ちょうだいね。」ピッ



ーーー


絵理「…。」


絵理「このクソガキが!!」


絵理が携帯を壁に投げつける。

携帯は派手な音を立てて粉々になった。


花陽「ひっ!」


絵理「西木野真姫…。調子に乗ったわね。少し下手にでてやれば!」


希「しかたないやん。所詮、使い捨ての兵隊にかわりないやん?」


絵理「そうね…。さて…。代弁者…。どう動く。」


ピリリリ


花陽「は、はい。生徒会です。…。え?は、はい!今変わります!」


花陽「絵理ちゃん。代弁者、代表から。」


絵理「…。お電話変わりました。」


穂乃果『さっきぶりですね。会長。』


絵理「そうですね。」


穂乃果『随分と派手に人を使いますね。』


絵理「…。これは西木野グループの独断による行動…といえば納得してもらえるかしら?」


穂乃果『無理ですね。確かに腕章をしていましたし。写真もありますよ?』


絵理「…。何が目的かしら?無条件降服かしら?」


穂乃果『会長。』


穂乃果『私たちが求めているのは平和的解決です。戦争は最終手段ですよ。』


穂乃果『ですが、なんの落としまえもないとなるの代弁者の信用問題に関わるということはわかってもらえますよね?』


絵理「そうね。」


穂乃果『そこでです。2日後。西木野グループ、及び西木野真姫を学院におびきだしてください。』


穂乃果『そうですね。商店街の方に私達も人員を派遣します。商店街での対立に乗じて敵本部へ果敢にも攻め込んだエリート部隊は、最善を尽くすも全滅。』


絵理「私に、真姫をうれと?」


穂乃果『独断……なんですよね?ならば、西木野真姫に責任をとってもらうのは当然のことでは?』


絵理「…。」


絵理「わかったわ。」


ーーー


ピピピピ


花陽「こんな時間に…もう…。」


花陽「もしもし…。」


穂乃果『もっしもーし。』


花陽「穂乃果さん?!」


穂乃果『あ、もしかして寝てた?ごめんね。もう、夜中だもんね。』


花陽「あ、い、いえ。大丈夫です。」


穂乃果『前にさ…凛ちゃんに会いたい?ってきいたよね?』


花陽「お、おぼえてます。」


穂乃果『その夢…叶えてあげようか?』


ーーー

二日後


午後8時55分


真姫「まったく。絵里も大胆なんだから。いきなり学院に奇襲なんて。」


グループ隊長「これも、真姫さんの実力を認めている証ですよ。」


真姫「ま、このマッキーなら当然よね。」


グループ隊長「それにしても前回のことはお咎め無しですか。」


真姫「そうね。気になるところといえばそこね。まあ、いいわ。ここで名誉挽回よ。」


グループ「まもなく着きます。」


真姫「さて、ショータイムよ。」


ーーー

同時刻


花陽「はわわ…本当に商店街の方に配属されちゃったよ…。」


会員「書記…頼みますよ…。」


花陽「ま、まかせてよ!」ガクガク


会員2「はぁ…花陽さん…頭きれるけど…こういうのはな…」ボソ


会員「まあまあ、わたし達の任務はあくまでも陽動だしね。頃合を見て撤退するだけよ。」


会員2「それにしてもあの噂は本当なのかしら。」


会員「噂?」


会員2「夜に出る学院最強の部隊のはなしよ。」


会員3「あ、それ知ってます!たしか、フォーチュンバードでしたっけ?」


会員2「よく知ってるわね。」


会員3「むしろ、会員が知らない方がおかしいですよね」ケラケラ


会員「そ、そんなに馬鹿にしなくてもいいじゃない…!」


花陽「……」ジ-


花陽「フォーチュンバード…。」ボソ


ーーー


同時刻


モブ「凛さん!準備完了です!」


凛「わかったにゃ!」


ザ-


凛「海未さん。配置につきました。」


海未『わかりました。私達も配置につきました。凛。暴れてください。』


凛「まかっせてにゃーー!」


海未『え…?変わるのですか?え…、そ、そんな!…。わかりました。』


凛「…?」


穂乃果『やっほー!凛ちゃん!』


凛「穂乃果さん!精一杯がんばるにゃー」


穂乃果『うふふ。それは、期待できそうだね!そうそう。素敵な出会い…期待してるよ?』


凛「それって、どういう…。」


穂乃果『じゃあねー?ファイトだよ!』


ーーー


午後9時


凛「いっくにゃー!!!」



花陽「み、みなさん!がんばりましょう!」


モブ達と会員がお互いに走り出す。

既に、乱闘が始まっているところもあった。

不思議なことに今回は誰一人として致死性のある凶器をもってはいなかった。


ダイベンシャヲツブセ-!!


セイトカイヲケチラセ!!


ウオ-!


シネ-!


罵倒とともに拳が飛び交う。


花陽は少し離れたところで凛を探していた。


花陽「凛ちゃん…どこ…?!」


凛「よわいにゃ!よわいにゃ!」


花陽「凛ちゃん?!」ダッ


モブ「凛さん!後ろ!!」


凛「後ろからなんて!せこいにゃ!!」ブン


花陽「凛ちゃーーーーーん!」


凛「…!」ビクッ


花陽「ハァ…ハァ…。」タッ


凛「う、うそにゃ…。」


花陽「凛ちゃん…会いたかったよ…?」ジワ


凛「なんで…なんで…かよちんが生徒会に…。」


花陽「凛ちゃん…。帰ろう?」


ーーー


隊長「時間です。」


真姫「いくわよ、私のために死になさい。」


全員「はいっ!」


パリ-ン


隊長「突撃。」


ウオ-!


テキシュウーー!!


ニガスナ-!


真姫「ふふ。慌てなさい。全員潰すわ。」


真姫は逃げ遅れた2人の背中を掴むと強引に倒した。

1人の脇腹を蹴るともう人をメリケンサックをつけた拳で殴り始める。


真姫「アハ…アハハ!」ドスドス


モブ「や…やめ…。」


真姫「アハ!」ドス


隊長「一階制圧しました。」


真姫「私達も行くわよ。」ジャリ


真姫「まったく、歯ごたえがないわね。」


隊長「まったくです。これでは、一方的な殺戮ですね。」


真姫「まあ、それでもかまわないわ。」


真姫「中央階段…ここからいくわよ。」


隊長「おい、先にいけ。」


グループ「わかりました。」


真姫「さて、このままいただくわよ。」


コツコツコツ


コツコツコツ


プシュン


グループ「ぐわっ!」


グループ2「な…!」


隊長「どうした!」


グループ3「わかりません!とつぜ…ぐは…。」


隊長「おい!どうした!」


グループ4「隊長!!」


ゾロゾロ


チャキ


隊長「特殊部隊…。」


真姫「これは…フォーチュンバード?!」


??「撃ち方はじめ!」


ドドドド


ウワ-!


ヤメテ!!


イテェヨオ!


隊長「改造エアガンです!!」


真姫「な!フォーチュンバード…!」ギリ


真姫「私がいく!」ダッ


真姫「全員死になさい!」


??「それはあなたよ?」ドス


真姫「ぐはっ!」


??「堕ちなさい?」ヒュン


強烈な回し下痢が真姫の腹にきまる。

おもわず嘔吐してしまった。


真姫「小鳥の仮面……。あなたがリーダー…?」


小鳥仮面「そうだチュン。」


真姫「ふざけないで!噂だけの部隊が!」スクッ


小鳥仮面「もう、あなた以外は戦えないのに…。いい?今逃げるなら何もしないわ。さあ、仲間をつれていけばいいチュン。」


真姫「私達は!最強なのよ!」ダッ


真姫「はぁぁぁぁ!」


真姫は、助走をつけ思い切り拳を叩きつけた。しかし、無常にもそれは空を叩きつけたことにほかならなかった。


小鳥仮面「いい拳だチュン。」


小鳥仮面は、真姫の後ろに回ると背中をつかみ床に叩きつけた。


小鳥仮面「だけど、動作が大きすぎるチュン。」


小鳥仮面は真姫の腹を蹴飛ばすと胸ぐらを掴み中へ浮かびあがらすと再び回し蹴りをする。

真姫は踊り場へ叩きつけられた。


小鳥仮面「警告はしたチュン。」


小鳥仮面が右手をあげる。


小鳥仮面「手加減はなしだチュン。」


小鳥仮面が右手をさげる。


真姫は、目をつぶった。


真姫「私は…!こんなところで…。」

数百発にもおよぶBB弾が真姫を襲いはじめた。


ーーー


2年前


チンピラ「ほら、いいだろ?一緒に遊ぼうぜ?」


花陽「そ、その…。」


チンピラ2「少しだけだから、さ?」


花陽「や、やめてください!」ドン


チンピラ2「うわ、いってぇぇぇぇ!!骨折れたわ。」



花陽「わ、わたし!そんなに強く押してなんか…。」


チンピラ「あぁ?俺らが嘘つてるってか?どうなんだよ?!」


花陽「わ、私は…。」


タッタッタッタッ


凛「かよちんを!いじめるなー!!!!」


チンピラ「そげぶ!」ドサ


チンピラ2「こいつ!とびげりだと?なめたまねしやがって!お前ら!」


チンピラ達「うっす。」


チンピラ2「こいつらに世間おしえてやれ。」


花陽「り、凛ちゃん…。」


凛「かよちんは…凛が守るにゃ!」ギリ


チンピラ「そんなに震えて!なにができんだよ!」


凛「ま、まもるにゃ!!」


??「よくいったわね! !」


チンピラ「…!」


チンピラ2「お前は!」


??「女の子をいじめるとは、あんた達男の風上にもおけないね。」


チンピラ「るっせ!」


??「はぁ…。穂乃果出番だよ。」


穂乃果「待ってたよ!!」


チンピラ達「ヒトリキホノカ……チヌレノテンシ」


チンピラ「お、おまえら!逃げんなよ!」


??「まだやるの?あんた達。」


チンピラ「くそ!おぼえていやがれ!」タッ


チンピラ2「お、おい!」タッ



凛・花陽「(゚д゚)」


??「あんた達も。逃げなさいよ。」


凛「…。」ボソ


??「なに?」


凛「凛は!強くなって…かよちんを守らなきゃいけない!」


??「……なら、強くなりなさい。そして、知りなさい。本当の強さを。」


穂乃果「私とくる?」


凛「凛は……はい。いきます!」



ーーー


現在



凛「無理だよ…かよちん。」


花陽「凛ちゃん…。」


凛「凛は!凛は!恩人でもある穂乃果さんを…うらぎれないよ…。」


花陽「…。」ザッ


凛「こ、こないで!」


花陽「……」ザッザッ


凛「凛は、もうよごれてるにゃ!強くならなきゃいけないにゃ!」


花陽「…。」ザッザッザッ


凛「凛は!もう、前とはちがうにゃ!!」


花陽「凛ちゃん…。」ギュ


凛「…!かよちん…?」


花陽「なにもいわないで…。ごめんね。凛ちゃん…。」



花陽「かえろ…?」



商店街の戦いは現場指揮官である星空凛と小泉花陽の突然の消失により幕を閉じた。


ーーー


真姫「まだ…まだよ…私は…。」


真姫は満身創痍だった。

体中に痣、切り傷、打撲痕があった。


真姫「私は…夢を…あの人の…夢を…」バタ


ーーー


絵里「…。」


会員幹部「よって、今回の闘争で負傷者0。ですが、西木野真姫と連絡途絶。小泉書記とも取れません。一部では、代弁者の星空凛といるところを見かけたという者もいますが…。」


絵里「その部分は公表しなくていいわ。」


会員幹部「し、しかし!」


絵里「しなくていいと言っているの。わかった?」


会員幹部「ぎょ、御意…。」


絵里「下がっていいわよ。」



バタン


希「わかってるんやろ?手遅れやって。」


絵里「わかってるわよ。」



絵里「高坂穂乃果!!」ドン


机の上のカップが落ちると派手に割れた。



絵里「私達は、貴重な戦力を失い、裏切り者のレッテルをはられ、しかも!花陽をうしなった!」


希「えりち…。」


絵里「もう、生徒会に残された道は少ない。」


希「あ、あかん!それこそ思うつぼや!」


絵里「いいのよ!あいつらの手の平で踊ってやるわ!最後に勝つのは私なのだから!」


希「…。」


絵里「希。」


希「なんや、えりち。」


絵里「逃げていいのよ。あなたには…あなたには…生きてて欲しいの…。」ギュ


希「えりち…。」


希は絵里の頭をなでると強く抱きしめた。


絵里「チカ…?」


希「ウチは最後までえりちといたい、それだけやんよ?」


絵里「希…。」


希「必ず勝つで…えりち。」


絵里「ええ…。」



ーーー


タッタッタッタッ


バタン


海未「穂乃果!」


穂乃果「あ!海未ちゃんおはよー!」


海未「おはようではありません!どういうことですか!指揮官であった凛がにげるなど!!」


穂乃果「どうもこうもないよ?穂乃果は友情のお手伝いをしたの。」


海未「お手伝い…こんな一大事に!ことりも!何言って…ください…。」


ことり「…?」ニコ


海未「しっていたですか…。グルだったのですね…。」


穂乃果「だって、海未ちゃん絶対反対したでしょ。」


ことり「ごめんね。海未ちゃん…。」


海未「貴方達は!わかっていません!大幅な戦力、士気の低下、生徒会は死に物狂いで反抗してきます!これがいかに危険なことか!」ドン


海未が乱暴に一枚の紙を机の上においた。

穂乃果は手に取り見るとわずかに笑みをこぼした。


海未「ここまで予想通り、とでもいいたい顔ですね。」



穂乃果「海未ちゃん…。これは、戦争なんだよ。音ノ木の覇権をかけた。」


パシン


海未「最低です!あなたは!」



穂乃果「…。」



海未「ことり!あなたも入れ知恵をしたのですよね!」キッ


ことり「さあ?どうかな?(まるでふられたような顔して…海未ちゃんかわいいー)」ニコリ


海未「兎も角!私は!これ以上の戦闘は無意味と考えます!」


穂乃果「好きにしていいよ。もともと、海未ちゃんを無理矢理こっちの世界に引き入れたのは穂乃果だもん。好きにしていいよ。」


海未「…!少し一人にさせてください!」スタスタスタ


ことり「…。穂乃果ちゃん?」


穂乃果「わかってるよ、ことりちゃん。海未ちゃんには…汚れないで欲しいから…。」


ーーー


にこ「あー!いい朝ね!店長!看板だしてきます。」


店長「よろしくね。」


ガチャ


にこ「…!あんた!いつものトマト!」


真姫「真姫よ…。」ボロ


にこ「この傷!一体どうしたのよ!いいから、中入りなさい!」


真姫「う…。」


ガチャ


店長「あら?お得意さんじゃない。」


にこ「店長!少しふたりきりにしてもらえませんか?」


店長「わかったわ。救急セットは戸棚の上よ。」




にこ「これでよし、と。」


真姫「にこ…ちゃん…。」


にこ「一体何があったのよ?えーと、真姫ちゃん?」


真姫「私は…。私は…ある人の夢を叶えたかった…。腐りきったものをなくし本当の意味で1つになる…。」


にこ「…。」


真姫「だけど…あの人は遠かった…。真の1つになることは変えることじゃない、変わらない世界を保つこと…。私は…あの人の言葉を…。」


真姫「自分の力に過信して…巻き込んで…全てなくした…。私が目指したのは…こんな世界じゃない…。私が…」


にこ「もういいわ。少し寝なさい?」ナデナデ


真姫「もう…誰も…。」ス-ス-


にこ「…。ごめんね。真姫ちゃん。」スクッ


店長「行くのね。」


にこ「ごめん。ママ。私は私の責任をとりにいかなきゃ。逃げるのはお終い。」


店長(ママ)「ふふ。さすが私の娘ね。早く着替えなさい?」


にこ「うん!」


扉を開けた少女の表情は険しい顔をしながらも前を見据えていた。

背中に書いてある「血濡れの天使」の文字がよくにあっていた。



ーーー


ザワザワ


絵里「…。」


希「会長から話があるんや。みんな、しっかり聞いてな?」


絵里「…。」


絵里「知ってのとおり。私達生徒会は今絶体絶命だわ。私達は起死回生を狙って大反抗作戦を実施することを決めたわ。」



エエ…?!


ソンナニヤバイノカ…?


希「みんな、しっかり会長の…えりちの話を聴いて欲しいんや!」


シ-ン…


絵里「この作戦は命を落とすものがいてもおかしくない。わたし達は死ぬ気で戦わなくてはならない。昔から受け継がれていた伝統を…音ノ木を守るために…。けれど、それは目に見えて実感できるものではない。得たとして誰が得をするわけでもない。もし…もし…」










絵里「生徒会をやめたいものがいたら私は止めないわ。それは、貴方達が決めていいわ。卑怯なことでもな、むしろやめた方が正しい選択だと思ってるわ。」


シーン…










会員「会長!なにいってるんですか!わたし達は一蓮托生です!一緒に戦いましょう!」


会員2「そうですよ!代弁者なんて私達がねじふせましょう!」


ソウダソウダ


ヤルゾ!


会長!


絵里「…。みんな。」


希「今度はえりちが答える番よ?」


絵里「…!ええ!」


絵里「みんな!」




絵里「必ず勝つわ!必ずよ!」


オ-!


ーーー


穂乃果「みんな、集まってくれてありがとう!」


穂乃果「知っている人も多いと思うけど、今日生徒会から正式なはたし状がおくられてきたの。」


ことり「拝啓 我々生徒会はこの長く不毛な戦いに終止符をうつべく来る8月8日。全面戦争を仕掛けることを決定しました。音の木坂を中心に我々は代弁者に攻撃をしかけます。伝統を重んじる我々はこのはたし状を送った時より一切の代弁者との連絡を断ちます。我々に勝利を。」



ナ、ナンダ!


コレガハタジョウ!


ワタシタチガマケルワケナイジャナイ!


ワ-ワ-!


穂乃果「さあ!みんな!今こそ生徒会を倒そう!そして!新しい時代を私達が築きあげよう!!」


オ---!!


穂乃果「代弁者に!栄光を!!」



ーーー




〜♪(スカイプの呼び出し音)


??「みなさん、こんばんは。」


??「ふふ。そろそろかかってくるとおもったよ。」


??「こんばんはです。」


??「いいんですか?みなさん普段通り話していただいてかまいませんよ?」


??「ふふ…。それは、無理かな?ま、いいでしょ?」


??「私も…このほうがいいです。」


??「そうですか。」


??「ついに、明日だね。」


??「そうですね。」


??「…。本当にこれでいいんですよね?」


??「…。」


??「私達は!あの人をしんじて…!」


??「それ以上はいけません!」


??「…!」ビク


??「私達はあの人を信じるってずっと前から決めてたでしょ?」


??「もう、誰にも止めることはできません。わたし達は…おきてしまうことを少しでもいい方向に向かわせることしかできないのです。」


??「…。」


??「…そうだね。」


??「精一杯やりましょう。そして、一つに…。」



ーーー


8月8日 午前10時 音ノ木商店街


あたりに人の姿はなかった。

もともと錆びれていた商店街はどの店にもシャッターが下ろされ出歩くものもいなかった。

この町の住人は知っていたのだ。今日何がおこるかを。

他人からみれば些細な出来事でしかないかもしれない。

しかし、学院と学園の抗争、統合、そして分裂。

この町の住人は必ずといっていいほど過去がそこにあり、喜び悲しみ怒りがあった。

そして、この日を待っていた。

真のこの町の統合者を決める日を。

一陣の風が商店街内をかける。

西部劇さながらだ。

開戦時間はすぎていた。

既に開戦の火蓋は静かにおろされていたのだ。


北 学院サイド


穂乃果「…。」


ことり「動き出さないね。」


穂乃果「…。」


海未「私は…。この…」


穂乃果「海未ちゃん。ムリしないでいいよ。賛成できないのなら今からでも帰っていいよ。」


海未「残念ながら。」


海未「私は自分の弟子たちをおいていくほど愚かではありません。」


ことり「海未ちゃん…。」


海未「いつから変わってしまったのでしょうか。私達はたしかに3年前。1つになっていた…。それなのに…。」


穂乃果「やめて!私達は、絵里ちゃんも、希ちゃんも!仲間だった!だけど!だけど…あの人は…それを滅茶苦茶にした…。」


穂乃果「あの日なんの目的をもって襲ってきたのかはわからない…。それでも…あのひ…私はたしかに見たの…。」


ことり「…。」


穂乃果「あの仮面…あの出で立ち…。まさに…あの人だった…。信じてたのに!」


海未「穂乃果…。あの人の真意をしらなければ私達はしょせん賊軍です。」


穂乃果「かまわないよ!勝てば官軍。私達は勝って…新しい秩序を作るの。」


ことり「そうだよ。そして、そこの王には穂乃果ちゃんがなるんだから。」


海未「ことり…。」


モブ「報告!!!生徒会進撃を始めました!!数200!」


海未「…!どこにそれほどの勢力を!」


穂乃果「かまわないよ!守備隊準備して!敵を殲滅せよ!」


ことり「私達は学院の方に行くね。」チュン


穂乃果「よろしく、ことりちゃん。」


海未「…。」ジー


ことり「どうしたの?海未ちゃん。」


海未「いえ、何もありません。」


ことり「そう。」


ことり「最高の宴になりそうだね…。」ボソ


ーーー

南 学園サイド


絵里「ついにこの日がきたのね。」


希「そうやね。でもウチ達はかつしかないねん。絶対勝つで。」


絵里「当たり前よ。」


会員「まもなく10時になります。どうしますか。」


絵里「・・・・。行くわよ。」


会員「・・・。わかりました。」


会員「走れえええええ。」


ツブセーーーー


生徒会の会員たちは一斉に走り出すと商店街の各場所を占拠していく。

一歩出遅れた代弁者たちはわずかながら苦戦を強いられてた。



モブ「報告!第一部隊奇襲により敗走!東部はとられました!!」


モブ2「報告!第三部隊交戦中!生徒会の勢い衰えません!」


穂乃果「どうしてうまくいかないの!」ドン


穂乃果は近くのゴミ箱を蹴りあげる。

誰も止めようとはしなかった。穂乃果が思い通りに行かないとき声をかけようものなら殺されるかもしれないことを知っているのだ。


海未「…。」ジ-


穂乃果「なに海未ちゃん!上手くいかない穂乃果見て楽しい?!」


海未「穂乃果…。」


穂乃果「そうだよね!もともと反対だったもんね!そうやって!」


海未「穂乃果!私は私の意志で代弁者に入ったのですよ!」


穂乃果「…!」


海未「私が出ます。東部は私が取り返します。」


穂乃果「ちょ!海未ちゃん!」


海未は歩き出した。

その背中をモブたちもみている。

慌てたように数人の弟子たちが走ってきた。


海未「穂乃果…。あなたが大将なのですから…どっしりとしていてください。」


穂乃果「海未ちゃん…。」


ーーー


海未「みなさん、このようなことに付き合わせて姉妹…申し訳ありません。」


弟子「師匠。命令を。我々は師匠の弟子であり下僕です。」


海未「…!」


海未「わかりました。全員。いきます!」


弓道着を来た集団が矢を引き絞り放ち始める。

突然空から降ってくるように襲ってくる矢に対応できず何人もの会員たちが矢に射抜かれ倒れていく。

今回の戦いは真剣そのものだった。

銃、爆薬、刃物…なんでもありの戦いだ。

もちろん死傷者もでる。

しかし、誰もそれを公表使用とするものも咎めるものもいない。警察ですらだ。

それが音ノ木で育ったものたち、育ち物たちの暗黙のルールだった。

ついにその戦いに決着がつこうとしている今。

音ノ木市民の関心は、興奮はMAXに達していた。

また1人、また1人と倒れていく。

この戦線には銃器を扱うものはいないようだった。


弟子「な、なんだこいつ!」


弟子2「まるで!すべての動きを読んでいるかのような!」


弟子3「3倍の速度だ!」


??「まだまだ遅いやん。」


突然3人の弟子の首筋から血が吹き出す。

その中を悠々と歩いてくる姿があった。

学園の制服は血で染まっていた。

腕には「副会長」と書いてある腕章がある。


海未「来ましたか…!東条 希!」


希「そやで。ここで決着つけようか。どちらがより優秀な参謀かを!」


海未「のぞむところです!」


海未が弓を構える。

希は左右にステップするように移動してくる。


海未「その程度では、かわせませんよ!!」


海未が矢をはなつ。

それは、5本にわかれると希を襲った。


希「くっ!さすがやな!」


希は致命傷となる4本をかわすと残りの1本を叩きおった。


海未「それに反応するだけ化け物じみてますね!!」


希「それは、褒め言葉やね!」


希は再度走り出すと懐から投げナイフをだす。

両手合わせて8本を取り出すとスローイングの要領でなげる。

海未は走ってかわすと弓を構えた。


希「遅いで!」


海未の目の前には既に希の姿があった。

希は勢い良くナイフを振り切る。

海未は、弓でうけとる。鋭い切れ味のナイフの前に弓は折れるほかなかった。

海未は、すぐに反転するとはしりだした。

そこに希のナイフが容赦なく飛んでくる。

まるで、どの位置に海未が走ることがわかっているかのように…未来が見えるかのように。


希「追い詰めたで!その先は行き止まり!おわりや!」


海未「そうはいきません!」


海未は、前転してナイフを交わすと階段裏に隠してあった槍を手にとった。

思い切り前に突き出す。


希「うそやん!」


槍先は希の左手の二の腕をかすめた。

浅い攻撃だが確実に、初めて当てた攻撃だった。


希「この未来は見ることできなかったな。」


ーーー


会員「副会長達が園田海未と交戦状態にはいりました!」


絵里「そう…。ありがとう。」


会計「会長!!」


絵里「そんなに走ってきて、どうしたの?」


会計「ふ、2つ報告が!我々のシステムにハッキングが!!」


絵里「同時攻撃!!すぐに、亜里沙を!」


会員「はい!」ダッ


会計「もう1つは!人斬り…ぐは!」


会計は最後の言葉を言い切る前に倒れた。

背中はパックリと割れ血が吹き出ている。

辺りが騒がしくなり怒号と悲鳴が沸き立ち始めた。


穂乃果「みつけた!!」


絵里「くっ!」


穂乃果の振るった日本刀をナイフで受け止めると絵里後ろにステップをした。

穂乃果は追撃することなく刀を振り血を払った。


絵里「高坂穂乃果!!」


穂乃果「綾瀬絵里!殺す!」


絵里「させない!」


絵里は腰のホルスターからトカレフを引き抜いた。

穂乃果の目が見開かれる。

絵里はトカレフ撃ちながら空いている手で手榴弾のピンを引き抜くと投げつけた。

穂乃果はとっさに側転をしてかわす。

トカレフの弾が、足に一発当たっていた。

それでも、まったく痛がる素振りを見せなかった。


穂乃果「まさか、銃器を使ってくるなんて…流石に予想できなかったよ。」


絵里「もう…もうこんな戦いたくさんよ!私達…一度は1つになれたのよ!穂乃果!」


穂乃果「…!」ビクッ


絵里「また…仲良くなれるはずよ…仲良くなりたいの!μ'sを!復活させたいとは思わないの?!」


穂乃果「…クッ!絵里ちゃんが壊したんじゃないの?!あの日あそこ襲わせて!おかしいよ!私達のリーダーがいきなり襲ってくるなんて…裏切り者が…裏切り者がいたんだ!絵里ちゃんでしょ!」


絵里「私じゃないわ!それに、あの時の…リーダーは血濡れの天使は…なにか違った。感じなかったの?」


穂乃果「うるさいうるさいうるさい!あのせいで!あのせいで!雪穂は、もう歩けないんだよ!」


絵里「…!生きてたのね?!」


穂乃果「そうだよ…だけどねもう歩けないんだよ?まだまだ楽しいことたくさんあったはずなのに…許さない!血濡れの天使を!裏切り者を!伝統を!私が全部変える!」


絵里「そんなの間違っている!変えることじゃない!変わらないものを大切にしてより良くする、忘れたの?!」


穂乃果「そんなもの綺麗事だ!!」


穂乃果の人達が絵里の左手を切り裂いた。

絵里は右手にトカレフを持ち帰ると引き金を引きしぼる。

銃弾は穂乃果の左腕をかすめる。

2人はそれぞれ後ろに退く。


絵里「穂乃果!これ以上は無駄よ!」


絵里は切られた左手をかばいながら叫ぶ。

血が静かに滴り落ちていた。


穂乃果「ふふ…、ふふふ!!あはは!!何を言ってるの?ここも間もなく私達代弁者が落とすわ!そうすればあなたを守るものは何もない!終わりよ!綾瀬絵里!」


絵里「…くっ!このわからずや!!」


突然2人の真ん中あたりから土煙が上がる、、

何かが上から落ちてきたようだ。

土煙の中人影がゆっくりと立ち上がる。

特徴的なツインテール。

白い学ランの背中には「血濡れの天使」と書いてある。さらには、うさぎの仮面をつけている。


穂乃果「そ、そんな!」


絵里「う、うそ…!」


血濡れの天使(以降天使)「…。」


穂乃果「お、おまえが…おまえが!」


穂乃果は、震える手で刀を握ると斬りかかった。


絵里「だめ!」


絵理の忠告は虚しく響き渡ると穂乃果が中を舞った。

天使は目にも止まらぬ早さで穂乃果を蹴りあげたのだった。


穂乃果「カハッ…!」


絵里「穂乃果?!」


穂乃果「くるなっ!」


天使「ふふ…。まったく、貴方達前の方が強かったんじゃない?」


穂乃果「黙れ!お前が元凶なんだ!」


天使「…?一体なんの話よ。」


絵里「死になさい!」


絵里は天使が穂乃果との会話に夢中になっているスキをつき一気に近づいた。


天使「…!」


絵里が銃弾を放つ。

確実に当たる弾道の…はずだった。

天使は絶妙なタイミングで銃弾をつまんだのだ!


天使「…。話を聞きなさいよ。」


絵里&穂乃果「…。」


天使「いい、あの時の天使は私じゃないわ。」


絵里「…!」


穂乃果「なら、ならだれよ!」


天使「それは…。」


ーーーー


真姫「はぁはぁ…。でてきなさいよ!」


アハハ…


ヒトリデキタヨ…


バカナヤツ…


??「よくきたね…。」


真姫「おまえが!おまえが元凶か!













南 ことり!」




ことり「やだなぁ…この仮面つけてるときはことり仮面だよ…?」


真姫「黙れ!」チャキ


真姫はことりに銃をむける。ことりは冷めた目でそれをみているだけだ。


ことり「ふふふ…誰に聞いたのかな?」


真姫「天使よ!本物の血濡れの天使!あなたは…あやたは!」


ことり「そう…彼女はとうに死んでしまったと思っていたよ。ふふふ…平和なんて生ぬるいわ。」


ことり「この街は争いと共に生きるべきだわ。それを、ひとつにまとめる?そんなこと許されないわ。」


ことり「簡単だったよ?天使の変装をして暴れ回って、天使の仕業だと流す…誰もことりを疑わなかったよ?」チュン


真姫「黙れ!」


真姫引き金に力を込める。


真姫「あなたは!この街を争わせただけでなく、彼女の…血濡れの天使のすべての奪いさったのよ!」



パン…


乾いた銃声がする。

しかし、ことりは姿勢を低くしてかわすと加速しながら真姫に近づくとみぞおちに拳を打ち込む。

真姫は血を吐くと吹っ飛ばされた。


ことり「そんな、ボロボロな体で、何が出来ると思うの?」


真姫「ああああ!!」


ことりは真姫の指を踏みつけると一気に折った。

悲痛な叫びが学院に響き渡った。


ことり「次はどんな悲鳴をきかせてくれるのかな?たのしみだなー!」


気がつくとゾロゾロと完全武装のフォーチュンバード部隊がとりかこんでいた。


真姫「あなたは…間違っている!」


??「そこまでよ。」


声がする。

真姫が声がする方向を振り向くとそこには対立していたはずの生徒会会長の絵里と代弁者代表の穂乃果をひきつれた天使がたっていた。


真姫「天使・・・・。」


穂乃果「ことりちゃん・・・・。」


絵里「南ことり・・・。」


ことり「ふふ・・・、あは、あはははははは!」


ことりは笑い出すと真姫の頭を踏みつける。

真姫が苦しそうにうめく。


天使「あなたは、どんなに私のまねをしても所詮は偽物に変わりはないのよ。」


天使はつけている仮面をとると床に投げ捨てた。


真姫「にこちゃん・・・?」


にこ「もう、仮面なんていらないわ。南ことり、あなたはここで懺悔するのよ。」


ことり「懺悔?面白いこというね。私は、だれよりも強い。誰も私を屈服させられない!」


ことり「本当はね、穂乃果ちゃん。全部穂乃果ちゃんのためにやったんだよ。」


ことりが怪しげな笑みを浮かべながら穂乃果のもとへと歩み寄る。


ことり「私だけを見て・・・・私だけを・・・。だから代弁者の代表も穂乃果ちゃんが取れるように配慮した・・・。それなのに、穂乃果ちゃんはズッと血濡れの天使のことばっかり。」


ことりが穂乃果の頬に手を触れながら最後の一言を口にしようとする。

誰もがその狂気に驚き恐怖し動くことができなかった。


ことり「私は穂乃果ちゃんのことを愛し・・・・。」


穂乃果「やめて!}


穂乃果が刀をぬいた。

ことりが驚いた顔をしながら後ろへ飛び移る。


穂乃果「私の知っている、穂乃果が好きなことりちゃんはあなたじゃない!あなたは誰!」


ことり「穂乃果ちゃん・・・・。」


ことり「ふふ・・・・。そうか・・・・これは幻か・・・・穂乃果ちゃんがこんな場所にいるはずがない、穂乃果ちゃんがそんなこと言うはずがない・・・お前こそ誰だ!幻が!!!今、消してやる!」


ことりは大きく飛ぶと蹴りの姿勢で飛んでくる。

にこは両手で蹴りを抑えた。


にこ「私に任せて!周りをどうにかしなさい!」


絵里「わ、わかったわ!」


絵里と穂乃果はフォーチュン部隊を見まわした。

全員が真剣を手に取り待ち構えていた。


絵里「いくわよ。穂乃果。」


穂乃果「死なないでね。絵里ちゃん。」


ことり「ふふ・・・。あはは!天使もたいしたことないね!」


にこ「余計なお世話よ!」


ことりのラッシュを受け止めながらにこは答える。


ことり「ふふ。そんな悠長にいつまでいられるのかな?」


ことりは突然懐からUZIを取りだすと撃ちだした。

かわしきれない弾丸がにこに叩き込まれる。


にこ「くっ・・・。」


にこは意を決して突撃を試みる。

しかし、ことりはUZIを投げ捨てるとにこのタックルを受け止め背負い投げをした。

にこが壁際まで吹き飛ばされる。


にこ「痛いじゃないの・・・。」


ことり「ふふ・・・。おもしろかったよ?だけど、これでおしまーい!さようなら!」


ことりが懐から銃を・・・取りだすことが出来なかった。


にこ「ふふ・・・。探し物はこれかしら?」


にこが拳銃を構えながらいう。


ことり「私の!!私の銃!!返してよ!!」


にこ「終わりよ!偽物!」


ことり「いや・・・いやあああああ!」


パン


銃声が響き渡る。


ことり「いたいいいいいい!」


ことりは撃たれた肩を抑えながら一歩、また一歩とにこに近づいてくる。


パン、パン


銃声が続けて響き渡る。

血まみれになりながらもことりは歩みを止めることはなかった。


ことり「すべては・・・穂乃果ちゃんのためにいいいいいいい!」


にこ「あっちの世界で仲良くやりなさい!」


にこは弾切れとなった銃を投げてるとナイフを投げる。

ナイフはことりの胸に深々と刺さった。

ことりは自らナイフを引き抜くとそのまま崩れ落ちた。

最悪の元凶のあっけない幕切れだった。


にこ「・・・。おわったのね・・・。」


ーーーーー


海未「はあ・・・はあ・・・。」


希「ふう・・・・ふう・・・。」


海未「なかなかやりますね。」


希「あんたこそ、なかなかやるやん・・?」


海未「ふふ・・・。昨日は天使についていこうと方あった仲だったのですがね・・・。」


希「やぱっり、どこかであなたと決着をつけたい衝動を抑えきれなかったんやな。」


海未「園田 海未です。」


希「東条 希やで。」


海未「そうですか。希!」


希「海未ちゃん!」


海未&希「いざ!尋常に!」


海未と希は走りだした。

2つの刃が混じり終えたときすでに決着はついていた。


~エピローグ~


5年後


穂乃果「あ、絵里ちゃん。」


絵里「早かったにね。穂乃果。」


穂乃果「・・・・。」


絵里「・・・。」


穂乃果「あの・・・その・・・。」


絵里「謝るのはなしよ。もう済んだ話じゃない。それに、あのバカげた伝統も消えた。やっぱり、学生が平和ボケしているくらいがちょうどいいのよ。」


穂乃果「・・・。そうだね。」


凛「おまたせにゃー!」


花陽「お待たせしちゃってごめんなさい。」


穂乃果「大丈夫だよ。」


にこ「お待ちどうさま!にことくせいオムライスよ!ケチャップがハート型なのがポイントよ!」


凛「なんだか、さむいにゃー!」


にこ「なんですと!!」


ハハハ・・・。


みんなの笑顔を店の外で見ていた残りの一人はそっと扉を閉めた。


海未「いきますよ。」


希「せやな。わるいけど、おしてくれへんか?」


海未「よろこんで。」


希「ほら、ことりちゃんも。」


ことり「う、海未ちゃん・・・私の車いすも押してくれる・・?」


海未「もちろんですよ。」


夕日に輝く街・・・。そこでは数多の命が生まれ死んでいった。

今日の音ノ木には静かな夜が訪れようとしていた。


~Fin~




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38: SS好きの名無しさん 2016-12-23 01:00:13 ID: PQzaKJV8


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