2016-03-12 23:50:01 更新

概要

かつて、華道・茶道・軍艦道と乙女のたしなみとして盛っていた時期があった。
しかし、時代は変わり軍艦道は衰退の一途をたどっていた。
それでも、戦艦道は根深い人気を誇り行う学校数は減っているものの全国大会が開かれていた。
戦艦道は、力強く礼儀正しく知的な女性を育成を目標として行うものだった。
(普段の生活の時は艦装はつけていない。艦装はあくまでも、戦艦道を行うための道具)


前書き

どう見ても、あれとあれを掛け合わせたパロです。
やってみたかった・・・。
こっちは更新遅めの予定。
まあ、楽しんでくださいな。
ストーリーの骨格はほぼ同じ。
オリルールや戦法は使いますが・・・。


[chapter1:軍艦道、始めます! ]


吹雪「ふぁぁぁ・・・。」


吹雪「あと2分・・・。」


ジリリリリ


吹雪「もうっ!うるさいなぁ・・・。」


吹雪は、目覚まし時計のボタンを押すと眠い目をこすりながら時間を見る。


吹雪「ええ?!寝坊した!!」


吹雪は、急いで着替え部屋を出た。

吹雪は、この春銚子に引っ越してきたばかりだった。

元は、長崎のほうにいたが今は一人でこの地に住んでいた。

既に銚子市立女学園に通って1か月になるが、いまだに友達はできていないことが吹雪にとって大きな問題だった。

それでも、吹雪にとって新しい土地で一人で生活するということがたまらなく新鮮なことだった。

前にいた学校は、規則と規範を重んじており個人の自由は限られていたものだった。

そして、特に吹雪を嬉しくさせれいることは銚子女学園には軍艦道がないということだ。

吹雪の楽しそうに登校する姿を町民は温かい目で見るのであった。




ーーーー


??「あのぉ・・・。」


吹雪「へ?私ですか・・・?」


??「ほら、いきなり声をかけたから驚いてるじゃないですか。」


??「いいのいいの。ね?一緒にご飯たべよう。」


吹雪「え・・・。」


??「そ、そんなに嫌だった・・??」


吹雪「ち、ちがうの!私・・・そのここにきて初めて一緒にご飯食べようって声かけられたから。」


??「そ、そっかー。よかった。ナンパ成功しちゃった。」


??「男の人でも成功するといいですね。」


??「それを言わないでよー!あ、私は睦月だよ。」


??「秋月です。よろしくお願いします。」


吹雪「ふ、吹雪でしゅ!あ・・・。」


睦月「あはは、可愛いね。吹雪ちゃん。」


吹雪「はう・・・。笑わないでください・・・。」


睦月「あ、ごめんね・・・。」


吹雪「べ、別に怒ったわけじゃいです!!」


秋月「もう、私たちは友達なのですから敬語は使わなくてもいいのですよ?」


吹雪「ふぇ?!あ・・・。じゃあ、秋月さんも・・・。」


秋月「私は、これが普通なので・・・。」


睦月「秋月ちゃんは、けっこう固いんだよー。それに、華道の家元のお嬢さんだし。ねえねえ、そんなことより選択授業決めた?」


吹雪「あ・・・私は・・・まだ・・・。」


秋月「私は、もちろん華道にしようかと。」


睦月「華道かー。難しそうだけどすごく、乙女って感じだよね!男子からモテモテになりそうだし!」


吹雪「この学校、女子しかいないけどね・・・。」


睦月「・・・。」


秋月(吹雪さんってもしかして天然でしょうか・・・?)


秋月「睦月さんはどうするのですか?」


睦月「うーん・・・。みんなと一緒のやりたいしな・・・。吹雪ちゃん!私たちも華道やろうよ。」


吹雪「いいね!私、華道やろうかな!」


??「それはないわ。」


吹雪「え・・・?」


??「あなたは、軍艦道をやるのよ。」


吹雪「誰・・・?」


??「やっほー、吹雪ちゃんー。」


秋月「生徒会長ですよ。左が大井さん、右が木曾さん、真ん中が北上さんです。」


木曾「すまんな、少し強引で。」


吹雪「で、でも!この学校には軍艦道がないって!」


北上「それがねー、今年からやるんだよねー。だからー、ぜひ長門流継承者の吹雪ちゃんにはとってもらいたんだよね。」


吹雪「で、でも!」


大井「貴様がとらなくとも、私たちで操作するさ!」


睦月「そ、そんな横暴な!」


木曾「どうしても取ってもらわねば困るのだよ。」


秋月「でも・・・選ぶ権利はあるはずですよ。」


北上「そんな余裕、ないんだよねー。まあ、いちお言ったからねー。後はよろしくー。」


秋月「なんだったのでしょうか・・・。」


睦月「もう、強引すぎるよ!」


吹雪「・・・。」


睦月「吹雪ちゃん・・・?」


秋月「顔色が悪いですよ・・・?」


吹雪「うん・・・私、次の時間保健室に行くね・・・。」


睦月「大丈夫?!私も行くよ!」


秋月「わ、私も行きます!」


ーーー


吹雪「はうう・・・。」


睦月「吹雪ちゃん・・・。本当大丈夫?」


秋月「吹雪さん・・・。なにか過去にあったのですか?」


睦月「相談にのるよ!」


秋月「ええ。私たちは、もう友達なのですから。」


吹雪「睦月さん・・・秋月さん・・・。」


睦月「なになに?」


秋月「はい・・・。」


吹雪「私ね・・・軍艦道では、かなり有力な流派の継承者なの・・・。長門流っていうんだけど・・・。だけど・・・私・・・。」


睦月「吹雪ちゃん・・・。」


吹雪「私、逃げてきたの・・・!ここなら、軍艦道をやらなくて済むと思ったから・・・。もう・・・やりたくないの・・・。」


秋月「そうだったのですか。」


睦月「吹雪ちゃん!相談してくれてありがとう!」


吹雪「え・・・?」


秋月「もし、嫌でしたら私たちも一緒に断りにいきます。」


吹雪「・・・ありがとう。」


睦月「ええ?!な、泣かないでよ・・・。」


吹雪「ごめんね・・・。私・・・初めてこんな友達を持てたから・・・。前は・・・規律が厳しかったし・・・皆に疎まれてたから・・・。」


秋月「安心してください。私たちは、そんなことしませんから。」


吹雪「うん・・・!ありがとう。」


キーンコーンカーンコーン


秋月「授業終わってしまいましたね。」


吹雪「もう少しこうしていたかったな。」


睦月「あとは、ホームルームだけだし早く帰ろう。」


秋月「そうですね。」


プー


大井『全校生徒に通達する。直ちに体育館に集合するように。』


3人「・・・?」



ーーー


木曾「全員集まったみたいだな。」


北上「じゃ、始めよっかー。」


大井「それでは、これより選択科目についてのオリエンテーションを始める。」


大井の言葉とともにスクリーンに映像が映し出される。

軍艦道と言う言葉に、吹雪は思わず目を伏せた。


木曾『軍艦道。それは、華道・茶道に続く乙女のたしなみの一つである。知的で聡明、なおかつ力強い貴婦人を育成するための武芸だ。軍艦道は、全世界で親しまれており分厚い装甲のような強固な肉体と鋼の精神。砲塔からほとばしる熱い気持ちや適切な判断力を養うことが目的である。』


睦月「かっこいい・・・。」


吹雪「ええ・・・。」


秋月「素敵です・・・。」


吹雪「・・・。」


木曾『いまこそ、競技人口は減ってしまったものの乙女のたしなみとしてこれほど素晴らしいものはない。さあ、軍艦道をは君を待っている。』


木曾の言葉が終わると同時に、砲撃音が体育館内に響いた。


睦月「軍艦道をやれば・・・男子からモテモテに・・・。」


北上「はいはーい。てなわけで、今年から軍艦道を復活させまーす。しかも、特典付きでーす!」


全員「特典・・・?」


全員「なんだろう・・。」


全員「生徒会長のことだからさつま揚げとか?」


全員「気になるー。」


大井「軍艦道受講者には、通常の授業の3倍の単位。食堂無料券を100枚。遅刻200回分取り消し。が与えられる。いいか、よく考えろよ?以上、解散。」


睦月「私・・・軍艦道やろうかな!」


吹雪「ええ?!」


睦月「だってだって、かっこいいじゃんー!それに、男子にモテるんでしょっ?!」


吹雪「アハハ・・・。」


睦月「吹雪ちゃんも一緒にやろうよ!」


吹雪「わ、私は・・・。」


秋月「吹雪さんを困らせてはいけませんよ。」


睦月「むー。」


秋月「けれど・・・かっこいいですね。私、実は以前から華道よりアクティブな事に興味があったんです。」


吹雪「そ、そんな・・・。」


秋月「ですから、一緒にやりましょうよ!」


吹雪「う、うーん・・・。」


睦月「吹雪ちゃん!」


秋月「吹雪さん。」


吹雪「明日まで・・・考えさせてね・・・。」


ーーー


翌日


睦月「そっかー。」


吹雪「ごめん・・・。私・・・やっぱりどうしてもできないの!この学校に来たのだって・・・軍艦道がないからだし・・・。もう、あんな思いしたくないの・・・!」


秋月「仕方ありませんよ。それは、吹雪さんが決めることですから。」


吹雪「え・・・。ちょ・・・何してるの?」


秋月「私たちが軍艦道をとっていたら吹雪さんも嫌なことを思いだすかもしれませんし。」


吹雪「い、いいんだよ?2人は、軍艦道でも。」


睦月「いいんだよ。私たちは、吹雪ちゃんと同じことしたいのー。」


秋月「ええ。それに、私たちは友達じゃないですか。」


吹雪「友達・・・。」


睦月「ね?一緒に華道やろう!」


秋月「私も、できうる限りの協力はしますよ。」


吹雪「ありがとう・・・。」


北上「うーん、それじゃ困るんだよねー。」


睦月「生徒会長?!いつの間に・・・。」


北上「へへーん。でさー、どうして華道を選択してるのかな・・・。」


吹雪「それは・・・。」


大井「この学校は終わりだ・・・。」


木曾「貴様ら・・・どうして・・・!」


睦月「そんな、学校が終わりなんて!」


秋月「そうです、それに選択科目を選ぶ権利は私たちにあります!」


北上「いいのかなー?うちらがその気になればこの学校にいられなくなっちゃうよ?」


秋月「おどしなんて・・・!」


睦月「生徒会がやることですか!」


吹雪(みんな、私のために・・・。)


木曾「おとなしく、従えばいいものの。」


秋月「それは、横暴だと前も言いました!」


大井「余計なことを考えなくていい。」


睦月「とにかく、吹雪ちゃんは軍艦道をやりません!」


吹雪(私が・・・友達を困らせてる・・・。)


秋月「生徒会長!私たちは断固拒否します。」


大井「北上様にその口のきき方は何事だ!」


吹雪(私が・・・乗り越えれば・・・。)


睦月「吹雪ちゃんの自由を奪わないで!」


木曾「我が校の存続の問題なのだ。」


吹雪(私はっ!)


吹雪「あの・・・!私・・・軍艦道やります!」


秋月「いいのですか?」


睦月「吹雪ちゃん・・・。」


吹雪「うん・・・。みんなごめんね。それにかばってくれてありがとう。だけど、皆も軍艦道やりたいだろうし・・・私は皆がこんな風に私のために必死になってくれたことがすごく嬉しいんだ。大丈夫、私頑張れるよ。」


秋月「・・・わかりました。」


睦月「吹雪ちゃんがいいならいいけどさ・・・。」


北上「おっけー、じゃあ明日からよろしくねー。」



ーーー


翌日


睦月「結構集まったね。」


あきつ丸「・・・。」


秋月「そうですね。」


龍驤「わくわくするで!!」


筑摩「いよいよですね。」


利根「早くやりたいのじゃ!」


大井「よし、集まったな。それじゃ、始めるぞ。」


木曾「いくぞ!」


木曾が仰々しく扉を開く。

埃のにおいがあたりに漂い始めた。

中の作業台におかれているのは、古く錆びきっている艦装だけだった。


利根「おいおい・・・イメージと違うのじゃ・・・。」


あきつ丸「・・・!」


吹雪「これは・・・四連装魚雷に・・・14cm単装砲・・・少し錆びているけど・・・砲塔のつまりもないし・・・エンジン部分に問題もない・・。」


秋月「わびさびがあっていいじゃないですか。」


睦月「これじゃ、ただの鉄さびだよー!」


吹雪「これなら・・・いける!」


全員「おお。」


こうして、銚子女学園の軍艦道は始まったのであった・・・。

これは、彼女たちがこんなに立ち向かいながらも成長しあう物語である。



[chapter2: 艦装、つけます! ]


大井「よし、それではこれから艦装の捜索を始める。」


利根「なんじゃと!」


大井「なんだ、文句があるのか?」


木曾「残念ながら、今我々が持っている艦装の数は3しかない。」


北上「それに、全員分の艦装見つけなきゃ話にならないしさー。そこはわかってほしいなー。」


利根「むう・・・。」


筑摩「姉さん、ここは仕方ないですよ。」


龍驤「全員あるんかいな・・・。」


木曾「安心しろ。幸いにも我が校は昔、軍艦道がかなり盛んにおこなわれていた。必ずどこかにあるはずだ・・・たぶん。」


龍驤「今、たぶんて言ってたで・・・。」


あきつ丸「艦装・・・。」


大井「それでは、これより捜索開始!」


全員「はーい・・・。」


睦月「もう!話が違うよ!軍艦道をやればモテモテになれるんでしょ!なのに鉄臭いし・・・。」


秋月「そういうものなのですよ。」


睦月「でもー!」


北上「まあ、頑張って探してねー。明日にはかっこいい教官も来るしー。」


睦月「かっこいい教官・・・?さあ、早く行こう!見つけられちゃうよ。」


大井(さすがです、北上様)


木曾(単純すぎるだろ)


ーーー


正午過ぎ


大井「よし、全員艦装を見つけてきたな。」


龍驤「なんやこのしょっぼい装備は・・・。」


利根「私は見つけられませんでした・・・。」


吹雪「私は・・・駆逐艦かな・・・?」


睦月「睦月も同じやつかな?」


秋月「私もでしょうか?」


北上「いいねー。」


木曾「さすがに全員分はすぐに見つからないか。」


大井「よし、ではこれより艦装がある者は整備を始めろ。いいか、明日には教官が来るぞ。間に合わせなさいよ。」


吹雪「私たちは、あそこでやろうか。」


秋月「そうですね。」


睦月「行こう行こう!」


あきつ丸「あのぉ・・・。」


吹雪「私ですか・・・?」


あきつ丸「はいっ!もしかして、長門流の吹雪殿ではありませぬか?」


吹雪「・・・そうです。」


秋月(本当に有名な流派なのですね)


睦月(吹雪ちゃん、モテてるかな・・・)


あきつ丸「あの!よかったら自分とお友達になってくれないでしょうか。」


吹雪「え・・・?」


あきつ丸「自分は、あきつ丸という者であります!実は、吹雪殿のファンでして・・・。」


吹雪「そんな・・・私なんて・・・。」


あきつ丸「いえ!あの時の判断!自分は、素晴らしいと思います!」


吹雪「そんな・・・。」


秋月「いいではありませんか。秋月です。よろしくお願いします。」


睦月「睦月だよー!」


あきつ丸「あきつ丸です!不束者ですか、よろしくお願いいたします!」


吹雪「アハハ・・・。あきつ丸さんって固いんだね。」


あきつ丸「自分は、昔陸上部に入っていたので!」


睦月(それ、固い理由の説明になってるのかな・・・)


あきつ丸「あの・・・!吹雪殿!」


吹雪「はい・・・?」


あきつ丸「厚手がましいですが、吹雪殿に助けられた選手はきっと吹雪殿に感謝していますよ!」


吹雪「・・・うん。そうだといいな・・・。」


大井「こら、そこ早く整備をしなさい。」


睦月「もう、生徒会ってば横暴なんだから!」


秋月「まあまあ、今に始まったことではありませんし。」


吹雪「それにしても・・・よくこんなに艦装があったよ。」


秋月「そうなのですか?私にはどれも同じようにしか見えないのですが・・・。」


吹雪「生徒会のは、軽巡艦装。私たちは、駆逐艦装。あきつ丸さんは、揚陸艦艦装。あそこにいる、利根さんは重巡艦装。筑摩さんのは・・・たぶん駆逐艦装かな。龍驤さんのは、珍しい軽空母艦装だね。」


睦月「さすがに詳しいね!」


吹雪「えへへ・・・これくらいしかないからさ。」


あきつ丸「それにしても・・・こう言っては何ですが火力に欠けますね。」


吹雪「そうだね・・・。せめて、あと重巡艦装が1つあれば・・・。理想は、戦艦艦装だけど・・・。」


秋月「おいおい見つかるといいのですが・・・。」


あきつ丸「資料によると、昔は戦艦艦装で力押しするスタイルだったみたいであります。」


睦月「なんか物騒だね。」


吹雪「とにかく、今は整備しようか。」


3人「はーい。」


ーーー


夕刻


大井「よし、全員今日はご苦労だった。」


北上「お疲れー。」


大井「あとは、ボート部が引き継いでくれるそうだ。全員、明日のためにしっかり休養はとっておきなさい。」


木曾「無理は禁物だぞ。」


全員「はーい。」


北上「じゃ、解散ねー。」


吹雪「ふう・・・何とか終わった。」


睦月「早くシャワー浴びたーい。」


あきつ丸「早く、つけたいですね。」


吹雪「う、うん・・・。」


あきつ丸「ん・・・?」


吹雪「ううん、なんでもないの。」


睦月「あー、早く丘にあはりたーい。」


秋月「そうですね・・・。今では、私たちのように移動する学校は普通ですからね。」


睦月「学園艦でしょー。もう、次は何時帰れるのー。」


秋月「たしか、週末には港につくはずでは。」


睦月「本当?!いやあ、困っちゃうな。私、港にそれぞれ彼氏いつからさー。」


秋月「それは、行きつけのカレー屋さんですよね?」


睦月「むう・・・!」


吹雪「アハハ・・・。」


あきつ丸「あの!」


睦月「ん?」


あきつ丸「よかったら、寄り道していただけないでしょうか・・・だめでありますか?」


ーーー


秋月「軍艦倶楽部・・・?」


睦月「こんなお店あるんだ。」


秋月「すごいですね。」


睦月「でも、軍艦ってみんな同じに見える。」


あきつ丸「ち、ちがうであります!全然違います!どの子もみんな個性というか、特徴がありますし装着者によって全然変わるのであります!」


秋月「華道と同じなんですね。」


睦月「うんうん、女の子だってそれぞれの良さがあるしね。目指せ、モテ道!」


吹雪「話がかみ合ってるような、ないような・・・。」


秋月「アクティブで楽しそうですよね。」


睦月「でも、顔はケガしたくないなー。」


あきつ丸「大丈夫でありますよ。艦装をつけると足の動力部と砲塔以外は特殊な電磁波でバリアーを作るので、人体に直接ダメージはないのであります。」


秋月「そうなんですか。それは、安心ですね。」


睦月「うんうん、ケガをしたまま男子の呼び出しになんか応じられないもんね!」


あきつ丸「ハハハ・・・。」


ニュース『次のニュースです。昨年軍艦道高校女子全国大会で準優勝をした長崎女学園の隊長、那智さんが強化選手に選ばれました。それでは、さっそくインタビューをしてみましょう。現場の那珂さーん?』


那珂『はいはーい!みんなのアイドル那珂ちゃんだよー!今日は、那智選手にお話を伺いたいと思いまーす!よろしくお願いしまーす!』


那智『お願いします。』


那珂『軍艦道を勝利の秘訣ってないんですかー!』


那智『諦めないこと、そしてどんな状況でも逃げないことです。』


吹雪「あ・・・。」


秋月「うーん・・・。」


睦月「そうだ!これから、吹雪ちゃんの部屋に遊びに行ってもいい?」


吹雪「え・・・?」


秋月「私もお邪魔したいです。」


吹雪「いいの・・・?」


秋月「もちろんですね、ねえ?」


睦月「うんうん!」


あきつ丸「あのぉ・・・。」


秋月「あきつ丸さんも、ご一緒にどうですか?」


あきつ丸「ありがとうございます!」


ーーー


3人「お邪魔しまーす!」


吹雪「ごめんね、散らかってて。」


秋月「そんなことはありませんよ。」


睦月「すごくきれいに片付いてるよ!」


吹雪「そ、そうかな・・・。」


睦月「きにしすぎだって。さあ、夕飯作ろうか!」


あきつ丸「ご飯なら任せてほしいのであります!」


吹雪「す、すごい・・・。」


睦月「いつも持ってるの?」


あきつ丸「もちろんであります!飯盒セットだけでなくいつでも野営できるよう一通りはもっていますよ!」


睦月「へ、へえ・・・。」


秋月「あの・・・私はなにをすれば・・・?」


睦月「うーん・・・じゃがいも切ってくれる?」


秋月「じゃがいもですか・・・?」


睦月「そうだよ!」


吹雪「あの・・・。」


睦月「吹雪ちゃんは、そうだな・・・。」


吹雪「おわっ!」


あきつ丸「大丈夫でありますか?」


吹雪「えへへ・・・。転んだら本棚の中身崩しちゃったよ。」


睦月「本の整理してていいよ・・・。」


秋月「いたっ!」


あきつ丸「どうしたでありますか?!」


秋月「すみません・・・。じゃがいもの皮むき初めてやる物で・・・指を切ってしまいました・・・。」


吹雪「大丈夫?!今、ばんそうこうあげるね!あれ・・・ここにしまったはずなんだけどな・・・どこだっけ・・・。」


睦月「・・・みんな、想像以上に使えないな。」



数分後・・・



睦月「できたよー!」


秋月「おいしそうです。」


吹雪「すごい!!」


睦月「やっぱ、男をおとすなら肉じゃがだよねー!」


あきつ丸「殿方は、みな肉じゃががすきなのでありますか?」


睦月「い、いいの!だって雑誌に書いてあったもん!」


吹雪「アハハ・・・。」


秋月「せっかくなので、冷めないうちにいただきましょう。」


全員「いただきまーす!」


吹雪「うーん!!この肉じゃがおいしい!!」


秋月「ご飯も、お米が立っていておいしいです。」


睦月「よかったー!いっぱい食べてね!」


あきつ丸「お代わりの分もおつくりするでありますよ!」



ーーー


翌日



大井「全員来たわね。」


睦月「かっこいい教官まだかな!」


北上「もうすぐ来ると思うよー。」


北上の言葉と共に巨大な空砲が鳴り響いた。

海のほうに目をやると誰かが高速で近づいていた。


利根「か、かっこいいのじゃ・・・。」


彼女は、緊急停止のために船にぶつかるとそのまま飛び上がり港へと降り立った。


北上「り、理事長の車が・・・。」


??「ふう・・・。待たせたな。教官の那智だ。よろしく頼むぞ。」


大井「よろしくお願いします。」


睦月「お、女の人じゃん・・・。」


北上「あれ、いつ男の人って言ったっけ?」


秋月「生徒会長・・・なかなかの、策士です。」


睦月「だまされたー!!」


那智「よし、全員整列!」


全員「はいっ!」


那智「うむ、よく鍛えられているな。」


利根(なんじゃあの人・・・怖そうなのじゃ。)


筑摩(シー。聞こえたらどうするのですかっ!)


那智「あれ・・・長門流の吹雪さんじゃないですか。」


睦月「本当、大人気だね。」


あきつ丸「当り前なのです。長門流は、現在の軍艦道の主力一派でありますから。」


吹雪「はい・・・。」


那智「ふむ・・・期待させてもらおう。では、これより訓練を始める。そうはいっても、走り込み等をやるわけではない。私は、まどろっこしいことが嫌いだからな。やることは、単純明快。これより4小隊に別れ模擬戦を行う。」


木曾「ほう・・・。」


那智「もちろん、艦装にはみんな慣れていないと思う。だから、これは自分にあった艦装を見つけるための訓練でもある。肩をはらずに気楽にやってほしい。」


吹雪「小隊となると、3人~5人に別れなきゃね。」


那智「では、これより小隊をくじ引きで決めたいと思う。全員、朝礼台の前に来てくれ。」



ーーーー


チームAスタート地点



吹雪「それでは、秋月さん・睦月さんよろしくお願いします。」


秋月「この3人になれるなんて付いていますね。」


睦月「本当だよー!みんな、キャラ濃いからさ・・・ほかの人と一緒だったらついていけなかったよー。」


吹雪(睦月さんも濃いけと思うんだけど・・・)


秋月「あきつ丸さんは、大丈夫でしょうか?」


睦月「あきつ丸ちゃんなら、今頃意気投合して楽しんでるんじゃない。」


吹雪「もう、それはあきつ丸さんを軽く見すぎだよー。」


睦月「だよねー。」


あきつ丸『見つけたであります!』


睦月「きゃあああ!」


吹雪「いきなり、機銃を撃ってくるなんて・・・!あきつ丸さんと一緒のチームなのは・・・利根さんと筑摩さん?!」


利根『さあ、やるのじゃあ!』


筑摩『ちょっと・・・この艦装小さいよ・・・。』


吹雪「全員、まずは退避します!ここじゃ、連発が聞くあきつ丸さんたちが有利です!」


睦月「逃げるってどこにー!」


吹雪「あの、三日月形の島にいきます。あそこなら、海底洞窟もありそうです!」


秋月「さすが吹雪さん。なにか根拠があるのですね?」


吹雪「勘です。」


睦月「それで大丈夫なのー?!」


龍驤『簡単には逃がさないで!』


睦月「前からも来るよー!」


吹雪「大丈夫、落ち着いてかわしてください!」


龍驤『な!全部外したやと・・・。もうこの艦装、砲が弱すぎや!』


秋月「このまま逃げ続けるしかないのでしょうか?」


吹雪「どうしよう・・・。」


睦月「なんか、たくさん追いかけてくるよ!」


吹雪「このままじゃ・・・え?!」


秋月「まあ。」


吹雪「どうして・・・・え?ここに人がいるの?」


??「うるさいクマー。」


睦月「球磨?!」


球磨「もう、本当にうるさいクマー!って・・・睦月だクマ。」


睦月「どうしたの?授業は。」


球磨「さぼったクマ。」


睦月「もう、出席足りてないんでしょ?それで大丈夫なの?」


球磨「なんとかなる・・・はずだクマ。」


秋月「睦月さん、お知り合いですか?」


睦月「幼馴染の球磨だよ。」


球磨「よろしくだクマ。」


吹雪「その艦装・・・どこで手に入れたんですか?」


球磨「落ちてクマ。」


利根『くらええええ!』


睦月「きゃあ!」


吹雪「とにかく、付いてきてください!安全な場所へ行って、反撃します。」


龍驤『このまま、あの鍾乳洞においこむで!』


利根『もちろんじゃ!』


筑摩『当たってください!』


秋月「きゃあ!!」


睦月「秋月ちゃん!」


球磨「失神してるクマ。」


吹雪「どうしよう・・・鍾乳洞まで来れたのはいいけど・・・このままじゃ反撃もできない。」


球磨「弾は、あるクマ?」


吹雪「え・・・?あ、はい。」


球磨「貸して。」


吹雪「はい・・・。」


球磨「こうして・・・魚雷発射クマ。」


龍驤『な、なんじゃ!右足に何か当たったぞ!舵がとれんぞ!』


睦月「球磨って、軍艦道経験者だっけ?」


球磨「初めてだクマ。」


吹雪「す、すごいです。」


睦月「また来るよ!」


吹雪「全員、姿勢を低くして狙ってください!」


睦月「わ、わかった!」


球磨「了解だクマー。」


利根『さあ、行くのじゃ!』


筑摩「『あ、待ってください!』


あきつ丸『砲撃開始であります!』


吹雪「撃てっ!」


吹雪の掛け声とともに全員が、主砲を発射する。

それぞれが見事に命中させることが出来ると、利根・筑摩・あきつ丸の艦装から白旗が上がる。


睦月「や、やった!当たったよ!」


球磨「これくらい説明書を読めばできるクマ。」


吹雪「お二人ともすごいです。初めてなのに当てるなんて難しいんですよ?」


秋月「ん・・・?」


睦月「あ、秋月ちゃん!」


吹雪「よかった・・・目が覚めて。」


秋月「どうなったんですか?」


球磨「まだまだ行くクマよ!」


吹雪「えーと、球磨さんが頑張ってくれていてほとんど倒したよ。あとは、生徒会チームだけだね。」


秋月「そうですか・・・。」


北上『あれれ、みんなやられちゃってるよー?』


木曾『さすがは、長門流というところか。』


大井『何してんのよ!北上さん、見ていてください!私が、今から倒します!』


球磨「1人突っ込んでくるクマ。」


吹雪「では、狙ってください。」


球磨「わかったクマ。」


大井『ぎゃあああああ!』


秋月「命中したようですね。」


大井の艦装から白旗が上がっていた。

北上と木曾が呆然と立ち尽くしている。

そうして、初めての模擬戦はAチームの勝利に終わった。






後書き

軍艦道ルール

大きくflag戦と殲滅戦の二つがある。
flag戦では、旗持ちと言われている艦娘を戦闘不能にすることで勝利する。
殲滅戦では、相手を全員戦闘不能とすることが条件である。
戦艦道を行う際は、艦装と呼ばれる特殊な装備を身に着け行う。
クラスは、大きく戦艦・空母・軽空母・重巡・軽巡・駆逐とあり選手それぞれの体格や性格のあった艦装をつけることで、最大限の力を発揮することが出来る。
試合は、通常12人vs12人で行われる。
試合時間は、それぞれ決まっているが基本は無制限である。
また、海上だけが戦闘地域でなく孤島などに時間制限(連続して60分)まで上陸することが出来る。
(艦これとは、違う艦装をつけることもあります。)


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1: 万屋頼 2016-01-17 16:43:30 ID: nnShU0zW

 面白いです!艦これキャラとガルパンキャラがいい感じに混ざっていてちょっとびっくり!この流れでいくと金剛はあの人かな・・・・?

2: SS好きの名無しさん 2016-06-27 08:07:45 ID: yAYWMrFO

ガルパンと艦これ好きの私には たまらないssです! これからもご自分のペースで頑張ってください^ ^


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