2016-02-28 02:06:43 更新

概要

お姉ちゃんの世界から光が失われた。


前書き

私は、お姉ちゃんを支えて生きていく。

私は、雪穂に支えられるしかない。

私達は、無力なのかもしれない。


その日、私は亜里沙と出かけていた。


プルルル


雪穂「あれ?○〇叔母さんだ。」


亜里沙「電話していいよ?」


雪穂「うん。」


ピッ


雪穂「もしもし?叔母さんお久しぶりです。」


叔母さん「雪穂ちゃん。落ち着いてきいて欲しいの。」


雪穂「え…?」


叔母さん「穂むらが、火事にあったみたいで、雪穂ちゃんのお父さんとお母さんと…穂乃果ちゃんが…。」


雪穂「嘘ですよね…?」


叔母さん「雪穂ちゃん?雪穂ちゃん!」


私は、走り出した。


ーー


医者「高坂 雪穂さんだね?」


雪穂「はい…。」


医者「担当の医者といいます。」


警察「警視庁1課の警察です。」


雪穂「はぁ…。」


雪穂「それで!お姉ちゃん達は?!」


医者「…。」


医者「雪穂さん…これからあなたに、辛い話をしなくてはいけません。」


雪穂「……。」


雪穂「お願いします。」


医者「まず、御両親なのですが重度の火傷と刺し傷からの多量出血ですでに…穂乃果さんは、二酸化炭素を多く吸われて意識が朦朧としている中助け出されてので、火傷などはありませんが、今は安静が必要です。」


雪穂「どうして…。どうしてですか!刺し傷って!私は!火事の話しか…。」


医者「…。」


警察「高坂さんのお宅に、強盗が入ったようでしで…。」


警察「おそらく、犯人と揉み合いになりそのさい…刺されたのかと…。犯人が放火したものとみて間違いないと思われます。」


雪穂「え…?強盗?それで!犯人は!」


雪穂「犯人は?!」


警察「…。未成年でして…。」


雪穂「そんな!そんな!こと!あっていいわけ…!」


警察「すみません。更生の余地のある未成年の情報を教えるわけには…。」


警察は悔しそうにいうと部屋を出ていった。


ーー


3日後


ガララ


雪穂「おねえちゃん?おはよ。」


穂乃果「…。」


雪穂「まったく。早く目を覚ましてよー?」


雪穂「一人じゃ…寂しいんだから…。」


雪穂「µ’sのみなさんも後で来てくれるって。お姉ちゃんは人気者だね…。」


雪穂「お姉ちゃん…。寂しいよ…。早く目を覚まして…。」


雪穂「お姉ちゃん…グス」














穂乃果「ゆ…き…ほ?」


雪穂「お姉ちゃん?!」


雪穂「目が覚めたんだね?!今!お医者さん呼んでくるから!待ってて!」


穂乃果「いやっ!!!」


穂乃果「ひとりにしないで。」


雪穂「ごめん…。そうだよね。後ででいいよね。」


穂乃果「ありがとう、雪穂。ところでさ、雪穂今何時?」


雪穂「今?まだ、午前9時だよ?」


穂乃果「そ、そっか…。」


雪穂「お姉ちゃん…?」


穂乃果「ねえ、雪穂。」



穂乃果「穂乃果さ、










暗闇しか見えないよ?」


ーー




医者「はっきり申しますと、心的ストレスが原因かと思われます。」


雪穂「心的ストレス…?」


医者「はい。脳にも眼球にも異常は見られませんでした。おそらく、穂乃果さんは御両親が、殺されているところを見ていた可能性があります。」


雪穂「…。」


医者「もう、やめて。見たくない。そんなことを考えるうちに脳が負担に耐えきれなくなり、このようなことが起きたと思われます。」


医者「心的ストレスによる、体の部位への異状は珍しいものではありません。」


医者「ただ…。そのストレスが大きければ大きいほど、体への影響も大きいと思われます。」


雪穂「…。治るんですか?」


医者「わかりません。本人の気の持ちよう、としか言えません。」


医者「穂乃果さんが、今回のことをしっかりと受け止め、心の整理がつけば治ると思います。」


雪穂「心の整理…。」


医者「…。雪穂さん。この病気は家族の支えが大切です。辛いと思いますが、支えてあげてください。」


雪穂「はい…。」


ーー


5日後


海未「雪穂。穂乃果の荷物はこのカバンに詰めればいいですか?」


雪穂「あ!お願いします!」


ことり「穂乃果ちゃん。これ、退院祝いだよ?」マキマキ


穂乃果「うわぁ!マフラーだ!」


海未「ことり!それは、後で一緒に渡そうと行ったではありませんか!」


ことり「何の話かわからない」チュン


海未「ず、するいですよ!!私だって!」


雪穂「海未さん、もしかして嫉妬ですか?」


ことり「そっか。海未ちゃん。ごめんねー?」ニヤニヤ


海未「う!そ、そんなわけ!!」


穂乃果「もー!海未ちゃん怒らないでー!」


穂乃果「雪穂もことりちゃんも海未ちゃんもありがとー!」ニコ


海未「穂乃果…。」


ことり「穂乃果ちゃん…。」


ーー


雪穂「今日からここで、ふたり暮らしだね。」


カンカンカン


海未「本当に大丈夫ですか?2人暮らしなんて。」


雪穂「平気ですよ。保険金もたくさん入りましたし……。」


海未「…?」


雪穂「本当は不安です…。病院も近くて音の木も近いからってここを選びましたけど…、お姉ちゃんがこんな姿見せるの恥ずかしいっていうから…2人暮らしなだけで…。」


雪穂「私、1人で逃げ出さないで…支えてあげられるか不安です…。」


海未「大丈夫ですよ。」ダキ


雪穂「ふぇ?!」


海未「あなたなら、ちゃんと支えられますよ?それに、辛くなったら私をはじめ、µ’sを頼ってください。私達はいつまでも、貴方達の味方です。」


雪穂「海未さん…。」グス


穂乃果「雪穂ー?まだー?早く部屋はいりたいよー!」


雪穂「お姉ちゃん迎えに行かなきゃ。」ゴシゴシ


雪穂「もー、わかってるよ!荷物おもかったのー!さ、手を掴んで。」



ニギ


私はこの手を離してはいけない。


穂乃果「雪穂ー?どうしたのー?」


雪穂「なんでもないよ!」


穂乃果「ちょ!はやいよー!」


雪穂「えへへー!さ、ついたよ!」


穂乃果「えー?あけちゃうよー?」


穂乃果「それー!」


私達の未来の扉が開かれた。



パンパンパ-ンパン


µ’s「穂乃果(ちゃん)退院おめでとー!」


穂乃果「うわわ!穂乃果びっくりだよ!」


オコメノプレゼントデス


ラ-メンモアルニャー


ニコノシャシンヨ-?


ナンカサムイニャ-


ナンデスッテ?!


ウチハパワ-スト-ンヤ


オバサマカラオクラレテキタロシアノオマモリヨ


ワ、ワタシハ!コレヨ!



アレ-?マキチャンハズカシイノ?


ナ、ナニイッテルノヨ!


ワ-ワ-ギャ-ギャ-


穂乃果「みんな…。」


海未「さぁ、穂乃果?」


ことり「穂乃果ちゃん」


穂乃果「ス-!みんな!ただいま!」


µ’s「おかえりー!」


お姉ちゃん…良かったね。みんな、待っててくれたんだよ?


けど、お姉ちゃん。私の見間違いかな…?


お姉ちゃん、あんまり笑えてないね…。


【 いちお本編はここまでです。ここから先は鬱展開注意です。ここから先は5年後設定です。】



高坂 穂乃果


穂乃果「雪穂ー!お茶ー!」


雪穂「モー、自分で入れられるでしょ?」


穂乃果「こたつから出れなーい。」


雪穂「もう!」


雪穂「はい、どうぞ!わざと熱々にしたから火傷しないようにね!」


穂乃果「ブフッ…。もっと早く言ってよ!」


雪穂「しらなーい。じゃ、お姉ちゃん私いくからね?しっかり戸締りしてねー?」


穂乃果「はーい。」



バタン




…。


穂乃果「静かなだな。」


私の目が見えなくなってから5年。

何回もカウンセリングもセラピーも受けたけど、私はズッと心の瞳を閉ざしたままだ。


雪穂は大学に進んでいた。

お金はあっても、私だって雪穂を支えたい。

だから、早く見えるように…!


焦りが私を余計にダメにする。


穂乃果「そろそろ準備しなきゃ。」


あの日、海未ちゃんとことりちゃんからもらったマフラーを巻く。


私の目が見えなくなってからµ’sはすぐに解散したらしい。


後ろめたい。


私は知らず知らずのうちにみんなを避けていた。


ガチャン


穂乃果「鍵もかけたし。さぁ!お仕事だー!」


トントントン


杖をつく。


健常者の時には気づかなかったことにまで気づくようになる。

この瞬間、私はほかの人から奇異の目で見られ孤独にされている感覚に襲われる。


私は今、点字を作る仕事をしていた。


一日中静かな部屋で過ごすのは耐えられなかった。


点字を必死に覚えた。


アイドルじゃなくても、私と同じような人を一人でも笑顔にしたい、と思いを込めて。


穂乃果「キャッ!」


通行人「ちゃんと前向いてあるけ! バカ野郎!」


穂乃果「ハハハ…。」


前向いて歩きたくても何にも見えないんだよ…。


グッと涙をこらえる。


??「大丈夫ですか?」


聞き覚えのある声。


私には天国からの声にも地獄からの声にも聞こえた。


背筋をこわばらせる。


知らないふりをしよう。


穂乃果「え、ええ。大丈夫です。」


??「そうですか。よかった。あ、杖はここですよ。」


ジー



見えなくてもわかる。

見つめられている感覚。


??「あれ?穂乃果じゃない?」


穂乃果「ひ、ひさしぶり真姫ちゃん。」


ーー


ウェイター「お待たせしました、紅茶とオレンジジュースです。」


真姫「はい、ここにおいておくからね?」


真姫ちゃんが私の手を取ってグラスの位置を教えてくれる。


名前を呼ばれる度に、触れられる度にこわばり申し訳ない気持になる。


真姫「それで…。」


真姫「どうして今まで連絡くれなかったの?」


穂乃果「…。」


真姫「ここであったが千年目。ちゃんと言うまで返さないわよ?」


穂乃果「ま、真姫大学は?」


真姫「1日くらい休んでも大丈夫だわ。」


穂乃果「わ、わたし仕事あるし…。」


真姫「仕事を何も西木野病院で点字作ってるんでしょ?大丈夫よ。私がちゃんと説明するわ。」


穂乃果「…。」


真姫「おかしいとおもったのよね。親の病院で働いてるのにまるで避けるかのように一回も会えないし。」


穂乃果「…。」


真姫「穂乃果。私達のこと、嫌いになったの?」


真姫「知ってるのよ?誰とも連絡とってないじゃない。」


真姫「何かあったの…?」


真姫「穂乃…」


穂乃果「真姫ちゃんには、わからないよ!」


静まり返る店内。


ハッとわれに帰る。


穂乃果「ご、ごめん。真姫ちゃん。」


真姫「い、いや。その…私も強引すぎたわ。」カミノケクルクル


穂乃果「…。」


真姫「…。」


穂乃果「嫌いになったわけじゃないよ。」


真姫「うん…。」


穂乃果「ただ、私が抜けてからµ’sがすぐ解散したって話を聞いて…。怖くなったの。私のせいで皆のつながりをといたんじゃないかって…。」


真姫「穂乃果…。」


穂乃果「本当は…みんなに会いたいよ…。けど、怖くて…。」ポロポロ


真姫「そ、そんな心配しないでいいのよ。誰も穂乃果のこと恨んでないわ。本当よ?」


真姫ちゃんに涙を吹かれた。


私、赤ちゃんみたいだな…。


真姫「も、もう、な、泣きやんでよ…。」オロオロ


穂乃果「…ふふ。」


真姫「…?」


穂乃果「真姫ちゃん今困った顔してるのかなー?可愛いなぁ。」


真姫「な、なにいってるのよ?」


穂乃果「えへへ。」


穂乃果「ねぇ、真姫ちゃん。みんな今どうしてるの



真姫「絵里は、日本語の良さを教えるためとかいって、ロシアに留学してるわ。希は、H大学。にこちゃんは、劇団で働いてるわ。海未、家を継いだらしいわ。ことりは、服飾の勉強のためヨーロッパに留学。私は、T大の医学部。花陽と凛はA大よ。」


穂乃果「そっか。みんな、新しい道を歩いてるんだね。」


穂乃果「みんな、夢を叶えたのかな。」


真姫「…。」


真姫「ねえ、穂乃果。もしよ。もし、また見えるよくになったらあなたは、最初に何を見たいの?」


穂乃果「…。」


穂乃果「そりゃもちろん、µ’sの皆だし雪穂だよ!」


ーー


穂乃果「ただいまー。」


暗澹とした気持ちで家につく。


返事がない。


雪穂は、まだ帰っていないようだ。



真姫『ねえ穂乃果。もしよ。もし、また見えるようになったら最初に何を見たいの?』


真姫ちゃんの言葉が反芻される。


感覚でいつものソファまで行くと。


マフラーを取る。


ごめんね。真姫ちゃん、私は嘘をついたの。


マフラーを机におくと、カバンの中から携帯などを出した。


私は忘れない。あの日強盗に入ってきた人の顔を。おかしいよ。お父さんとお母さんを殺したのに。未成年だから、守られるなんて。


穂乃果「私の目が見えるようになったらまず復讐するよ。だから、いつもカバンに包丁いれてるんだから。」


カバンの底でキラリと殺意がひかった。


高坂 穂乃果

〜秘められた殺意 end 〜


高坂 雪穂


教授「じゃ、今日はこれでおしまい。お疲れ様。」


ワイワイガヤガヤ


友「ゆーきほ!今日こそ合コン行こ!」


雪穂「え?!私?」


友「もちろん!いっつも誘っても来ないしさぁ。」


雪穂「えぇ…。私はいいよ…。」


友「もう…付き合い悪いなぁ。あー!もしかして、彼氏いるとか?!」


雪穂「い、いるわけないじゃん!」


友「えー!じゃー、なんでよー!」


雪穂「…ねえ…ちゃん…」ボソ


友「ん?」


雪穂「お姉ちゃんの面倒見なきゃだから…。」


友「あぁ…。そっか。わかったよ。じゃ、また今度。」


雪穂「あ、うん。バイバイ」フリフリ


雪穂「…。」


テクテク


雪穂「…。」


雪穂「お姉ちゃん…。」


街中に響くクリスマスソングが私を何故か惨めにした。

あたりにいるのは、友達と楽しそうに話す同年代、恋人といる同年代。


雪穂「いいなぁ…。」


??「あれ?雪穂?!やっほー!」


雪穂「…?」


雪穂「…!!」


雪穂「亜里沙!久しぶり!」


亜里沙「よかった!覚えててくれて!」


雪穂「当たり前じゃん!忘れるわけないよ!」


久しぶりに笑える気がする。


亜里沙「本当!こんなところで会うなんてハラショーだよ!」


亜里沙「そこで、お茶してこうよ!」


雪穂「…。」



たまには、いいよね。お姉ちゃん



雪穂「いいよ。いこ?」


ーー


亜里沙「でも、本当久しぶりだね!」


雪穂「うん。」


亜里沙「雪穂は、今大学生?」


雪穂「うん。B大学で福祉関係勉強してるんだ。」


亜里沙「へぇ。福祉か!」


雪穂「亜里沙は?」


亜里沙「私ー?私はなぁーあんまり頭良くないからさぁ。この前もさ、彼氏と別れちゃってさ…。」ペラペラ


あぁ…亜里沙にも彼氏いたんだ。


友達も恋愛も…どうして私は満足にできないんだろう…。


これもなにもかも…


雪穂「お姉ちゃんの…。」


亜里沙「雪穂?どうしたの?」


雪穂「ええ?!あ、あぁ、亜里沙のお姉ちゃんはどうしたの?」


亜里沙「あー。今はロシアに留学中だよ。」


雪穂「へぇ。留学かー…。」


亜里沙「それよりもさ!」ペラペラ


ーー


亜里沙元気だったなぁ。


友達に彼氏か…。


雪穂「もしお姉ちゃんの目が見えてたら…。」


雪穂「…ハッ!だめだ!私は支えるって決めたんだから!」


カンカンカン


雪穂「あれ?電気ついてない。お姉ちゃん帰ってないのかな?」


ガチャ


雪穂「ただいまー。お姉ちゃんー?」


穂乃果「…。」


雪穂「うわ!そこにいたんだ!」


雪穂「電気くらいつけなよー?」


穂乃果「雪穂。私さ、今日真姫ちゃんとあったんだ。」


雪穂「そ、そうなんだ。良かったね。」


穂乃果「…。」


雪穂「お姉ちゃん…?」


穂乃果「私、ずっと皆に嫌われてるんだと思ってた。けど、そんなの私の思い違いだったんだって。」


穂乃果「けど、私この5年間を埋め合わせる自信ないよ。」


雪穂「お姉ちゃん…。」


穂乃果「私、もう皆に会えないよ。ううん。会いたくない。もう、誰にも会いたくない。こんな私見られたくないよ!努力して努力して!なにしても!なんにもかわらない!」


ピキ


穂乃果「なんでよ!なんで私なの!こんな体にはなりたくなかった!」


ピキ


穂乃果「もう、疲れたよ…。なんで、私なの?なにもかも、もう元には戻らないよ!」


パリ-ン


穂乃果「こんなことなら、いっそ死に…。」


雪穂「ふざけないでよ!!」


パチン


私は、お姉ちゃんの世界から光が失われてから初めて暴力をふった。


雪穂「恩を売るわけでもない!ただ!家族として!お姉ちゃんの目がまだ見えればいいと思って!そのために!頑張ってきた!」


雪穂「恋愛も遊びも何もかも捨てて!お姉ちゃんの支えになりたいって思ってきた!」


雪穂「それなのに!どうしてよ!どうして、そんなことが言えるの!」


雪穂「そんなこというなら!私の5年間はなんだったの!無意味なの!」


穂乃果「雪穂…。」


雪穂「どうしてよ!どうして!お姉ちゃんが諦めるの!」ポロポロ


穂乃果「ごめん…。」


雪穂「…!もういいよ!お姉ちゃんなんか!知らない!」 ダッ


穂乃果「ま、まって!お願い!私を一人にしないで!」


バタン


私は、お姉ちゃんを無視して走り出した。


園田 海未


ーー


数時間前・・・


海未母「海未さん。お電話です。」


海未「私にですか…?」


海未「お電話かわりました。海未です。」


真姫『相変わらずね。海未。』


海未「真姫じゃないですか!お久しぶりです。元気にしていましたか?」


真姫『まあ、忙しいけどね。』


海未「ふふふ…忙しいと思えるのは、充実しているからですよ。」


海未「今日はなにかあったのですか?」


真姫『あ…あぁ…。』


真姫『実はね、穂乃果にあったの。』


海未「本当ですか?!場所は?!」


真姫『○○駅前通りよ。』


海未「わかりました!すぐにむかいます!」


真姫『何言ってるのよ。何時間も前の話よ。』


海未「…!そうですか…。ほかのメンバーには話したのですか?」


真姫『まだ話してないわ。』


真姫『それでね…私聞いてみたの。どうしてµ’sと連絡を取らないのかって。』


海未「穂乃果は何と言っていましたか?」


真姫『私のせいでµ’sが解散したから恨まれてるだろうって…。』


海未「やはり…。」


真姫『馬鹿よね。µ’sを作ったのは穂乃果。恨むわけ無いじゃない。』


海未「やはり、私があの時解散の話をしていなければ…。」


真姫『そんな、過去の話しても仕方ないわ。それに、穂乃果がいないでµ’sを続けてたら私達が罪悪感抱くだけよ。』


真姫『あの時、誰も嫌な顔せず反対しなかった。みんなわかってるのよ、9人いなきゃなだめだって。』


海未「しかし、結果的に穂乃果を追い詰めることに…。」


真姫『結果は結果よ。仮定の段階じゃ検討もつかなくて当然よ。』


海未「…。」


真姫『ねぇ、海未。穂乃果の家いってみてくれない?』


海未「え…?」


真姫『辛いこと頼んでるし、私が逃げているだけかもしれない。けど、µ’sの中でも幼なじみは特別だと思うし…ことりは、海外だし…。海未しかいないと思ったの……』


海未「…。」


真姫『本当は…私がちゃんと話せていれば良かったのだけど…けど…。』


海未「真姫。後のことは私にまかせてください。」


海未「大丈夫です。きっと、また9人で笑えます。」



ーーー


海未「…。とはいったもののなんと声をかければいいのでしょうか。」


海未「もうすぐそこは穂乃果の家だというの情けないですね。」


今までも何度ここまできてかえったのだろう。


私はいつからこんなに臆病になってしまったのでしょうか。


タッタッタッタッ


海未「おや?」


海未「雪穗!」


雪穗「…?!」


雪穗「海未さん…?」


ーー


海未「どうぞ雪穗。」


雪穗「ありがとうございます。」


海未「…。」


雪穗「…。」


雪穗「何も言わないんですね。」


海未「はい。」


雪穗「聞こえてましたよね…。あんなに怒鳴ってたら。」


海未「…。」


海未「何があったのですか?」


雪穗「お姉ちゃんが…死にたいって…。」


私は、一通り雪穗の話を聞くと抱きしめました。


私が勇気をだして手を差し伸べなかったから、いつでも助けるといったのになにもしなかったから…。

これは私の責任でもあるのですね。


海未「雪穗は…その、穂乃果になにを怒っているのですか?」


雪穗「わかりません。」


海未「難しいことをきいてすみません。」


雪穗「そ、そういうことじゃないんですよ。ただ…あの日私だけがあそこにいなくて私だけが無傷で…。もし、私もあそこにいたらどうだったのかなってたまに思うんです。」


雪穗「お姉ちゃんと一緒に震えてたかもしれない…だけど、1人でいないだけ…もしかしてよかったのかもしれない…。」


【突然ですがここからバッドエンドとハッピーエンドの分岐点です。ハッピーエンドから書きます】


雪穗「私だけが生き残って…私だけが無傷で…私だけが…」


海未「雪穗!」


雪穗「…!」ビクッ


海未「そんなに、自分を責めないでください…。」


海未「あの日あなたはいなかったかもしれない…だけど!だからこそ、今あなたは穂乃果の看病ができているのです…。」


海未「それに…あなたがこんなにボロボロになるまで…何もしてあげられなかった私の責任もあります… 。」


海未「雪穗…。あの日いなかったことは悪いことではありません。あなたは、よくやっていますよ雪穗。」ナデナデ


雪穗「海未さん…。」


ーーー


この扉の前に立つのも、もう何回目でしょうか…。


今日の私はもう逃げません。


ガチャ


穂乃果「雪穗?!帰ってきてくれたの?!」


海未「…。」スタスタ


穂乃果「その…ごめんね…私、雪穗のこと何にも考えないで…。」


海未「…。」ピタ


穂乃果「わ、私ね!本当に感謝してるんだよ…。」


穂乃果「雪穗…?」


海未「 その気持ちを、素直に雪穗に伝えられないのですか?」


穂乃果「海未ちゃん?!」


海未「お久しぶりで。穂乃果。」


穂乃果「う、うん…。」


海未「真姫から穂乃果のことを聞きました。穂乃果少し太りました?」


穂乃果「ま、まあね。運動とかできないし。」


海未「穂乃果。申し訳ありません。」


穂乃果「え?!なんで?!」


海未「私は、今まで貴方達に何もしてあげられませんでした。」


穂乃果「それは!穂乃果が!みんなを避けてたから…。」


海未「それでも、声をかけ続けられなかったわたし達µ’sの責任でもあります。」


海未「私達は9人でµ’sです。」


海未「どんなことがあろうとも、私達はお互いに支え合うことができているはずでした…。」


海未「穂乃果。私達は、あなたを恨んでなどいません。」


穂乃果「海未ちゃん…。」


穂乃果「辛かったよ…。みんなのこと無視するの…みんなに恨まれてるって思うの…辛かったよ…。」


海未「もう、大丈夫ですよ。穂乃果。私達は、雪穗ももちろん、あなたの味方ですから…。」


ーー


ガチャ


穂乃果「雪穗…?」


雪穗「うん…。」


穂乃果「…。」


雪穗「遅くなっちゃったね。今、夜ご飯作るからね!待っててね!」


穂乃果「雪穗。」


雪穗「どしたの?」


穂乃果「ごめんね。私…あんなこと言って…。」


雪穗「ううん。私も、ごめんなさい。言い過ぎたよ。」

穂乃果「雪穗…いいんだよ?もっと、自由に生きて。私を施設にいれても大丈夫だよ?」


雪穗「もう、いいの。お姉ちゃん。私はね、苦になんか思ってないよ?そりゃ、あんなこと言っちゃったけど私はお姉ちゃんと一緒にいたい。」


穂乃果「雪穗…。」


雪穗「ダメ…かな?」


穂乃果「グス…ダメなわけ無いじゃん!へへー!これからもよろしく頼みますぞー!雪穗隊長!」


雪穗「もー、すぐ調子に乗る。」


そっかわたし達これでいいんだ。


何にもできないし、力もない。無力な二人だけど


だけど、支えあえるんだ!


穂乃果「ねえ、雪穗。」


雪穗「なに?お姉ちゃん。」


穂乃果「なんかねー?前より、明るくなった気がするんだー!」


雪穗「そっか。私も、なんだか明るくなった気がするよ !」


~happy end 光が見えてきた~




【バッドエンドを書きます。分岐点まで戻ってからお楽しみください。】


雪穗「私が行けないんです!私があの日いれば !」


海未「や、やめて…」


私は絞り出すように声に出しました。


雪穗「私が!」ガタ


海未「ヒィッ!」


雪穗「海未さん…ありがとうございます。おかげでスッキリしました。」


海未「え、ええ。」


雪穗「もう、私帰らなきゃ。さようなら。」


海未「雪穗…!」


私は止めることができませんでした。


あんなに冷たい笑みを浮かべている雪穗を見るのは初めてでした。


私は、こんなところでまた震えて…。


私が悲劇を知るまでそう長くはかかりませんでした。


ーー


ガチャ


雪穗「ただいま…。」


穂乃果「…。」


雪穗「電気もつけないで。どうしたの?」パチッ


雪穗「…!!お姉ちゃん?!」


穂乃果「あ、雪穗おかえり。」


雪穗「なにしてるの?!」


穂乃果「あ、これ?私ね考えたの。雪穗を苦しめてるのはこの見えない目のせいだって。」


穂乃果「だから…









無理やりこじ開けようとしたけど難しいね…。」


雪穗「だからって!包丁を目に刺すなんて…どうかしてるよ…?」


穂乃果「なにいってるの?穂乃果は









とっくに壊れてるよ。」


穂乃果「毎日復讐して復讐して復讐して復讐して復讐して復讐して!復讐のことばかり考えて!だけど!この目のせいでできなくて!」


穂乃果「私はね、雪穗。もし見えるようになったらお父さんとお母さんを殺した犯人の苦しんた顔が見たいの!一番最初に!」



雪穗「お姉ちゃん…。」スタスタ


穂乃果「雪穗も、手伝ってくれるよね?」


雪穗「…。」ビタ


雪穗「ごめんねお姉ちゃん。見えるかもしれないって期待と希望が苦しめてたんだね。」


穂乃果「え?」


雪穗「もう…グス…いいよね?私楽になりたいよ…。けど、お姉ちゃんも楽にしたい…。」


雪穗「だから!私を許して!」




グサッ



穂乃果「ゆぅぅぅきぃぃぃほぉぉぉ!!」


雪穗「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」グサグサグサ



穂乃果「ゆ…き…ほ…。」カヒュ


雪穗「ハァハァ…。」


雪穗「…。」


雪穗「私も…疲れちゃったよ…。」


グサ



~bad end 誰がために刺すのか~


【bad end2(happy endの雪穗が帰ってきた場合)】


そう、私を支えてくれる人はたくさんいる。


支える私を支えてくれる人。


頼りたくても、頼れなかった…状況が…プライドが許してくれなかった。


けど、そんな私とも今日でさようなら。


ガチャ


雪穗「ただいま。」


穂乃果「…。」


雪穗「もう、電気くらいつけなよ?」


穂乃果「海未ちゃんが来たの。」


雪穗「え?そうなの?よかったね。」


穂乃果「うん…。」


穂乃果「けど、無理だよ。」


雪穗「え…?」


穂乃果「もう一度信じようと頼ろうと思ったの!だけど!もう!5年だよ!」


雪穗「お、落ち着いてよ。」


穂乃果「ねぇ!どうすればいい!どうすればいい!どうすればいい!どうすればいい!どうすればいい!どうすればいい!どうすればいい!」


雪穗「や、やめて…。」


穂乃果「どうすればいい!ハァハア…。怖い…目が見えなくなって…怖い…このまま穂乃果は、暗闇に閉じ込められるんだよ…?」


穂乃果「この孤独理解できるの?」


雪穗「で、できないよ…。」


穂乃果「ほらね?穂乃果に一番近い人でさえわからないんだよ?」


穂乃果「どうして、皆が頼れるの?」


雪穗「で、でもみんな頼ってもいいって!」


穂乃果「嘘!嘘!もう、信じない!信じれない!」


穂乃果「ねぇ、













雪穗のことも信じれないや。」



雪穗「…っ!」ダッ


穂乃果「まって!ごめんね!うそ!行かないで!」


雪穗「無理だよ!もう!」



海未さんにつなげてもらったものが壊れていく気がした。


私ももう、お姉ちゃんを信じられないよ…。



~bad end 逃げゆくもの~



後書き

更新遅くなってごめんなさい。


どっちもendを、書くつもりなかったんだけどなぁ(笑)


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1: SS好きの名無しさん 2015-02-23 21:31:25 ID: Ao1q_oiZ

穂乃果ちゃんの両親が特別出演のドラマ(映画)だと思えば泣かない!
続きまってます!

2: いまてる 2015-03-01 18:39:48 ID: bchNkv2r

ハッピーエンドですよね?

3: xxxv 2015-03-04 20:22:54 ID: s5ROfNCL

ハッピーエンドルートもなかなかに重いですね…。

バッドエンドはなおさらだと思いますが、期待しています。

-: - 2015-06-14 18:58:23 ID: -

このコメントは削除されました

5: SS好きの名無しさん 2016-10-06 13:52:18 ID: nbPJv7FK

面白い内容でした。
次回が読みたいです。


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