もしもレッド(♂)がレッド(♀)だったら
ポケットモンスターの主人公であるレッドに作者の願望と欲望をしこたまぶち込んだ作品。基本的にはカントー地方がメインですが他の地方のポケモンもちょくちょく登場します。
言葉数は少ないけどポケモンが大好きな少女、レッドちゃん(10才)のカントー地方冒険譚
ーレッドSIDEー
私の名前はレッド。
マサラタウンに住んでいる10歳の女の子。
でも私は、自分がそこまで女の子らしい性格をしているとは思っていない。
かわいいお洋服になんて全然興味ないし、おままごとなんて退屈で仕方がない。
そんなことをするくらいなら外で思い切り駆け回っている方が余程私らしい。
でもポケモンは好き。
いつも私の側にいてくれる大事なお友達だから好き。
バトルとかにもちょっとだけ興味がある……かも。
ママから「危ないことはしてはいけません」って言われているから実際にしてみたことはないけど。
そんな私に、オーキド博士という偉い博士がポケモンを一匹くれることになった。
なんでも、マサラタウンに住む子供は皆10歳を迎えた時に大人からポケモンを貰って、カント―中を旅するんだって。
そうして私も先月10歳の誕生日を迎えたので、この習わしに従って旅をすることになったというわけ。
マサラタウンの外には殆ど出たことがなかったから少しだけドキドキしているけど、それ以上のワクワクが今の私の心を満たしていた。
??「お?誰かと思ったらレッドじゃん」
そんな私の背中に声を掛けてくる一人の男の子。
なんだろうと思って振り返ってみると、そこには私もよく知る幼馴染の姿があった。
レッド「……グリーン」
グリーン「相変わらず無表情な奴だなぁ、お前は。服もそこらの男と全然変わらない感じだしよぉ」
そう爽やかに笑いながらポンポンと私の肩を叩いてくるこの男の子の名前はグリーン。
私の家の隣に住んでいる幼馴染の子で、さっき話したオーキド博士はこの子のおじいちゃんなのだ。
レッド「……別に。私にとってはこれが普通」
グリーン「そうは言うがよ、お前も女なんだから少しはそれらしくしたらどうなんだ?」
レッド「……興味ない。服は機能性が一番」
グリーン「ふーん、そうかい。まぁ、お前がいいって言うんならこれ以上は言わないけどさ」
レッド「……ん」
こんな感じで何かと私に絡んでくるグリーンだけど、こう見えて運動も勉強もできるすごい子なのだ。
おまけに顔までいいもんだから、スクールでは女の子にモテモテだった。
まぁ、かくいう私も何故か一部の女の子に人気があったわけなのだけど……あれは一体なんだったのだろうか。
グリーン「まぁ、それは兎も角だ。研究所の方に向かってるってことは、お前もじいちゃんからポケモンを貰いに行くところなんだろ?」
レッド「……グリーンも?」
グリーン「当ったり前だろ。ほら、もたもたしてる暇なんてねぇんだからさっさといくぞ」
そう言ってグイグイと私の手を引いていくグリーン。
こういうさり気ない男らしさが彼がのモテる秘訣だったりするのだろうか。
レッド(……よく分からないけど、たまにはこういうのもいいか)
そんなことを考えながら、私はグリーンと一緒にオーキド博士のいる研究所の方へと歩いていくのだった。
ーグリーンSIDEー
グリーン(特に反応なし、か。……ったく。本当に面白くねぇ奴だな、こいつは)
男に手を引かれているというのに少しも表情を変えないレッドを横目で見ながら、俺は小さくため息を吐く。
思えばこいつは昔から変な奴だった。
必要な時以外は全くと言っていいほど喋らねぇし、表情だって接着剤で固められてるのかってぐらいに変わりやしねぇ。
そんなだから周りの奴から『顔面はがねタイプ』なんて妙なあだ名を付けられることになるんだ。
まぁ、そんなあだ名も当の本人が全く意に反していないから全然意味ねぇんだけどな。
グリーン(少しはそれらしくすりゃあ、こいつも中々なもんだと思うんだが……)
そんなことを思いながら、俺は改めてレッドの容姿に目を向ける。
若干目つきは悪いが大きくて綺麗な目をしているし、顔の造りも整ってて、パッと見た感じだとかわいいと綺麗のあいなかの容姿だ。
目深に被った帽子の下の黒髪は女にしては少しだけ短めに揃えているが、それも今のレッドにはよく似合っているし、背も俺よりかは低いが出るところはちゃんと出てるし……。
グリーン(……あれ?こいつって中々どころか滅茶苦茶レベル高くね?)
そういやこの前、姉ちゃんが「あと数年もしたら、レッドちゃんは物凄い美人になるわよ~」なんて言ってたけど、あれって冗談じゃなかったんだな……。
……ん?つーことは、こいつも何時かはどっかの男と付き合って結婚したりすんのか?
ふとそんな考えが頭を過った俺は、少しだけその様子を思い浮かべてみることにした。
今よりも大人っぽくなったレッドが、俺の知らない誰かと手を組んで幸せにそうに歩いている……。
そんな光景が頭に浮かんだ瞬間
グリーン(何か……上手く言い表せないけど……滅茶苦茶嫌な気分になったな……)
俺は今まで感じたことが無いほど強烈な不快感に襲われた。
それが何故なのかは分からないが……
レッド「……グリーン」
グリーン「……っ!な、何だよ?」
レッド「……大丈夫?顔色、悪い」
グリーン「……別に、何でもねぇよ」
レッド「……そう?」
グリーン「おう」
今は、微妙に心配そうな様子でこちらを見つめてくるレッドの顔を、この俺『だけ』が見れるということで満足しておくことにしよう。
そんな誰に向けたものかも分からない優越感に浸りながら、俺はレッドと一緒にじいちゃんの待つ研究所へと向かったのだった。
ーレッドSIDEー
グリーン「うーっす。じいちゃん、来たぜー」
レッド「……失礼します」
勝手知ったるとばかりのやや乱暴な動作で研究所の扉を開けたグリーンに続いて建物の中に入った私は、その先に広がっていた思いもよらぬ光景に少しだけ眉を潜めてしまった。
幾重にも積み重なった研究資料と思われる書物の塔に、未開封のまま埃をかぶった段ボールの山、そして辺りに散らばった小難しい文字の書かれた書類の海……。
それを見た私はシンプルにこう思った。
レッド「……汚い」
グリーン「じいちゃんは片付けが苦手だからなぁ。それにしてもこれはひどいとは思うけど」
私の呟きにそう言葉を返しながら苦笑いを浮かべるグリーン。
彼は意外と綺麗好きな子だから、目の前の惨状に何か思うところがあるのかもしれない。
とはいっても、私もそこまで片付けが得意というわけではないので、そこまで偉そうなことは言えないんだけどね。
まぁ、流石にここまでひどくはない……と思いたいところではあるけれど。
???「おうおう。よく来たなレッドちゃん。それにグリーンよ」
そう思いながら辺りを見回していると、研究所の奥の部屋から白衣を着た白髪交じりの男性がこちらの方にやってくるのが見えた。
レッド「……こんにちは、オーキド博士」
グリーン「おいおい、じいちゃん。『それに』ってなんだよ『それに』って。俺はレッドのおまけじゃないんだぜ?」
オーキド「はっはっは!そう怒るなグリーンよ。これも一種のじいちゃんジョークという奴じゃ。のう、レッドちゃん?」
レッド「……博士のジョークはよく分からない」
グリーン「だとよ、じいちゃん」
オーキド「これは中々手厳しいのう……。じゃがまぁ、子供はこれくらいやんちゃなのが一番じゃな」
そう言うと博士は、何処となく隣のグリーンに似た顔に優しげな笑みを浮かべながら私達の頭を撫でてきた。
レッド「……ん」
私にはママしか親族がいないから、こうやって男の人の大きな手で頭を撫でられると少しだけ安心してしまう。
グリーン「……いつまでも子ども扱いするなっつーの」
それに対して、グリーンは恥ずかしいのかそっぽを向いてしまった。
それでも黙って撫でられているところを見る限り、少なくとも嫌というわけではないみたい。
素直じゃない子だね。
オーキド「まぁ色々と話したいことはあるが、今日はお前達に見せたいものがある。付いてきなさい」
そうしてひととおり私達の頭を撫でて満足したのか、博士は先ほど出てきた奥の部屋の方へと歩いて行った。
どうやらあそこに『見せたいもの』とやらがあるらしい。
グリーン「行くぞ、レッド」
レッド「……ん」
そう言ってまた手を引いてくれるグリーンに頷き返しながら、私達も博士の後に続いて部屋の中に入っていったのだった。
ーグリーンSIDEー
先ほどと同じようにレッドの手を引いて部屋の中に入る俺達。
するとそこには、にこやかな笑みを浮かべたじいちゃんと、大きな机の上に並べられた3つのモンスターボールの姿があった。
グリーン「なぁ、じいちゃん。これって……」
オーキド「うむ。ここにある3つのモンスターボールの中には、今日からお前達のパートナーにポケモン達が入っておる。3匹とも全く異なる個性を持っておるので、どの子を連れて行くのかよく考えて選びなさい」
真剣な表情で語るじいちゃんの言葉に頷きながら、俺は改めて目の前のモンスターボールに目を向ける。
グリーン(いよいよだ……。これでようやく俺にもポケモンが手に入るぜ……!)
そう考えるだけでも自分の顔にニヤニヤとした笑みが浮かんでしまう。
我ながら何とも気色の悪い顔だとは思うが、前々からずっと楽しみにしていたんだからこのくらいは許されるだろう……多分。
レッド「……」
隣を見ると、レッドの奴も心なしかそわそわしてるみたいだ。
堅物なこいつも今回ばかりは喜んでいるみたいだな。
オーキド「では、早速ポケモンを選んでもらおう……と言いたいところじゃが、折角だしここはレディファーストといこうかの。レッドちゃん、先にポケモンを選んでくれてよいぞ」
レッド「……私から?」
グリーン「えーっ?そりゃあないぜ、じいちゃん!」
オーキド「別に先に選んだからどうこうというわけでもないのだから問題なかろう。ほれ、遠慮せずに選びなさい、レッドちゃん」
レッド「……はい」
じいちゃんによる明らかなレッド贔屓に俺は抗議の声を上げたが、当の本人はそんなのどこ吹く風という様にまともに取り合ってくれなかった。
これじゃあ俺とレッド、どっちがこの人の孫なのか全然分からねぇよな。
グリーン(でもまぁ確かに、ボールの中にどんなポケモンが入っているのか分からないのなら、先に選ぼうが後に選ぼうがそんな変わりはないか。どうせレッドのことだから俺の好みは正反対のを選ぶだろうし)
そう考えて頭を切り替えた俺は、ゆっくりとボールの方に近づいていくレッドの背中を腕を組みながら見つめる。
レッド「……博士」
オーキド「うん?どうかしたかの?」
レッド「……この子達、ボールから出してもいい?」
オーキド「勿論いいとも。直接触れ合ってみて、一番気の合う子を選ぶといい」
じいちゃんの答えを聞いた後に右端のボールを手に取ったレッドは、そのまま真ん中のボタンを押して中に入っているポケモンをボールの外に出した。
??「カゲ―ッ!」
レッド「……トカゲさん?」
オーキド「ほのおタイプのポケモン、ヒトカゲじゃ。育て方を間違えると気難しい性格になってしまうが、進化すれば強力なパートナーなるぞ」
レッド「……この子の体、ポカポカしてる。温かい」
ヒトカゲ「カゲー♪」
隣で解説しているじいちゃんの言葉を聞いているのか定かではないが、レッドは嬉しそうにヒトカゲの体を抱きしめていた。
当のヒトカゲもまんざらでもない様子だ。
……ありゃ間違いなくオスだな。
レッド「……次の子は」
??「ダネッ!」
次にレッドが持ったボールの中から出てきたのは、先ほどのヒトカゲの赤い肌とは対照的に緑っぽい体をしたポケモンだった。
オーキド「くさタイプのフシギダネじゃ。好奇心旺盛な性格じゃから一緒に旅をするにはうってつけのポケモンかもしれんの」
レッド「……この子は不思議な感じ。でもいい匂いがする」
フシギダネ「ダネダ~ネ♪」
じいちゃんの説明をまたも聞き流しながら、レッドはフシギダネの顔や顎の辺りを軽く撫でまわしていた。
フシギダネも気持ちよさそうな顔をしているから、あいつの撫で方も特段下手というわけじゃないんだろう。
メス……かな?
レッド「……最後の子」
??「ゼニーッ!」
最後に残ったボールの中から出てきたのは、青い肌に大きな甲羅が特徴的なポケモンだった。
オーキド「この子はゼニガメ、水タイプのポケモンじゃ。攻撃力こそ控えめじゃが、固い防御力は非常に頼りになるぞ」
レッド「……ひんやりスベスベ。気持ちいい……」
ゼニガメ「ゼ、ゼニ……」
じいちゃんからの最後の説明もそこそこに、レッドはゼニガメの顔に軽く頬ずりをしていた。
されるがままのゼニガメは一見すると困惑しているようだが、微妙に嬉しそうな反応だ。
オスっぽいがメスだな、あれは。
オーキド「さて、これで3匹のポケモン達を見てもらったわけじゃが……連れて行きたいパートナーは決まったかの、レッドちゃん?」
レッド「……うん」
そうしてあるポケモンを胸元に抱きかかえたレッドは、改めてじいちゃんの方に向き直りなりながらこう言った。
レッド「……私は、この子にする」
ゼニガメ「ゼニ~♪」
オーキド「ふむふむ……レッドちゃんはゼニガメを選んだか。その子は特別優しい性格をしておるからの。今の君にはピッタリじゃな」
レッド「……女の子?」
オーキド「おお、よく分かったの。因みにヒトカゲはオスで、フシギダネはメスじゃ」
やっぱりそうだったか。
俺の見立てに間違いはなかったぜ。
レッド「……そう。じゃあ、今日からよろしく。ゼニガメ」
ゼニガメ「ゼニッ!」
そう言ってゼニガメの顔を見つめるレッドの顔には、無表情なあいつにしては珍しく、優しげな笑みが浮かんでいた。
グリーン「……なら、俺はこいつを選ぶぜ!」
その様子を後ろから見ていた俺は、旅のパートナーに敢えてほのおタイプのヒトカゲを選ぶことにした。
何となくレッドのゼニガメとは相性が悪そうだが、別に気にするほどのことでもないだろう。
それにほのおって何かかっこいいしな!
ヒトカゲ「カゲ……」
グリーン「あからさまにがっかりしたような顔をするんじゃねぇよ……」
そんな俺の気持ちも知らずに露骨な態度を取るヒトカゲを見下ろした俺は、こいつのニックネームは絶対に『ムッツリ』にしてやろうと心に誓うのだった。
ーレッドSIDEー
オーキド博士の研究所で、旅を共にするパートナーとなるポケモンをもらった私とグリーン。
好戦的な彼のことだから、このままポケモンバトルの申し込みでもされるのかなと思っていたんだけど、当のグリーンは特に何も言わずに研究所を出て行ってしまった。
珍しいこともあるものだ。
博士は「あの子にも色々あるのじゃろう」と言っていたけど、その色々ってなんなのだろうか。
まぁ別にいいんだけどね。
因みに、私とグリーンに選ばれなかったフシギダネはオーキド博士のポケモンになるそうだ。
1人ぼっちはきっと寂しいだろうから、今回の旅から帰ってきたらゼニガメと一緒に色んなことを話してやろう。
その時には……グリーンも一緒に連れて行ってあげようかな。
そんなことを考えながら私も家に戻り、時刻も夕方から夜に移り変わろうとしている頃……
??「どう、レッド?ママのご飯は美味しい?」
レッド「……うん。美味しいよ、ママ」
私は旅に出る前の準備を済ませて、ママと一緒に夕食を食べていた。
そこだけ見れば至って普通な我が家の日常風景なんだけど……
ママ「……でも、こうしてあなたとご飯を食べられるのも今日で最後なのね……」
今日のママのテンションは、私が今まで見たものの中でも断トツで最悪なようだった。
まぁ、研究所から帰ってきた際に旅に出ることを話した時も似たような感じだったけどさ。
一人娘ってことで心配なのは分かるんだけど、そろそろ本格的に子離れしてほしいものだよ。
レッド「……そんなに落ち込まないで。ちゃんと電話もメールもするから」
ママ「でも女の子の一人旅なんて!あなたに何かあったらと考えただけで、ママは……!」
レッド「……私をどうこうしようとするような物好きなんていないと思う」
ママ「あなたはもう少し危機感を持ちなさい。お願いだから」
危機感、ね。
でも、パッと見じゃ男の子と見分けがつかない私に興味を持つような人なんているのだろうか。
スクールだと、グリーン以外の男子は最近全然私に近づいてこなくなったけど……私って変な匂いでもしてるのかな。
レッド「……大丈夫。私にはゼニガメもいるし」
ゼニガメ「ゼニゼニッ!」
そう言って私の足元でポケモンフードを食べていたゼニガメの頭を撫でてやると、彼女は「任せてっ!」と言わんばかりの自信満々な表情を浮かべながら数度頷いてみせた。
何だかすごく頼りになるね。
どう頼りになるのかはまだ分からないけど。
ママ「確かにポケモンは一緒だけど、でも……」
レッド「……ママは私のことが信用できない?」
ママ「そんなこと……ただママはあなたのことが心配で……」
レッド「……大丈夫、私はママの子供だから。……だから、ママも私のことを信じて?」
ママ「……」
レッド「……ね?」
無言でママと見つめあうこと数秒。
私から目を離した後に一度だけ深いため息を吐いたママは、そのまま力なく微笑みながらこう言った。
ママ「本当……レッドは小さなころから頑固よね。一度決めたことはどんなことがあっても曲げなくって……」
レッド「……それが私、だから」
ママ「ええ、そうね。……それでこそ、私の自慢の娘よね」
すると、ママは目に涙を浮かべながら私の体を優しく抱きしめてきた。
そうして数回ほど私の髪を撫でた後、ママは嗚咽交じりの声でこう言ったんだ。
ママ「無茶や、危ないことだけは絶対にしないで。元気でね……」
レッド「……うん。ママも、元気で」
そう答えてママの背中に手をまわした私の目にも、ほんの少しだけ涙が浮かんでいたのだった。
ーグリーンSIDEー
じいちゃんの研究所でポケモンをもらった俺は、そのままレッドを置いて自分の家に帰った。
本当はあいつにポケモンバトルを申し込んでもよかったんだが、あんなに嬉しそうにゼニガメと触れ合っているレッドの顔を見たらそんな気もどこかに失せちまった。
ま、あいつにも俺以外の友達が出来て満足してるみたいだから別にいいんだけどな。
……それが人間じゃなくてポケモンだっていうのが悲しいというか、なんというかだが。
まぁ今はレッドのことはいいか。
それよりも……
グリーン「バッグの中には……着替え一式と野宿する時に必要なキャンプセット、それにもしもの時の非常食に、ポケモン用のフードとキズぐすり各種、っと……。こんなもんか?」
ヒトカゲ「カゲ?」
バッグの中身を声に出しながら確認する俺を見て、ヒトカゲの奴は不思議そうに首をかしげていた。
どうも俺が一体何をしてるのか全然分からんって顔をしてるな。
しゃあねぇ、ここは軽く説明しておいてやるか。
グリーン「ほら、俺とお前は明日からカントー中を旅にすることになるだろ?これはそのために必要な道具で、俺はそれの数が十分足りているのかの最終チェックをしているのさ。分かったか?」
ヒトカゲ「?」
グリーン「ああ、うん……。まぁ、要はこいつらをバッグに詰めてるんだよ。それなら分かるだろ?」
ヒトカゲ「カゲ!」
そう言うと、ヒトカゲは漸く合点がいったように何度も頷いた。
随分と内容を端折った気もするが、この説明でも間違いではないから別に問題ないか。
グリーン「終了……っと。さて、それじゃあ明日は早めにマサラタウンから出るから、お前も早く寝ろよ?」
ヒトカゲ「カゲ?カゲカーゲ?」
グリーン「レッドのことか?あいつは……まぁ後から来るんじゃねぇの?知らねぇけどさ」
ヒトカゲ「カゲ……」
グリーン「お前、本当にレッドのことを気に入ってるんだな……。……やっぱりお前のニックネームはムッツリで決定だわ」
ヒトカゲ「カゲッ!?」
これじゃ、あいつと俺のどっちがこいつのトレーナーなのか分かったもんじゃねぇな。
そう思って苦笑を浮かべると、俺は目の前でガーンといった表現が似合う顔をしたヒトカゲの頭を軽く小突いてやるのだった。
ーレッドSIDEー
次の日のお昼前。
私はママに見送られながらマサラタウンを出発し、今はパートナーであるゼニガメと一緒にトキワの森へ向かっていた……一人で。
最初はグリーンと行けるところまで一緒に行こうかと思っていたんだけど、当の本人は早朝のうちにマサラタウンから出ていたんだって。
せめて声くらい掛けてくれればよかったのに……何とも薄情な幼馴染だよ、全く。
まぁ、その代わりにグリーンのお姉さんであるナナミさんから、これから旅するカント―地方のタウンマップを貰えたから許してあげるけどさ。
レッド(……でも、今度グリーンに会った時には絶対に文句の一つも言ってやろう)
そんな微妙にムカムカとした想いを抱えながらも、私は自慢の健脚を生かしてずんずんと前に進んでいるのだ。
勿論、無理だけはしないとママと約束していたから、森に向かうのは明日にして、今夜はトキワシティで宿を取るつもりだけどね。
そうして太陽が半分ほど西に傾きかけた頃に、私はトキワシティにたどり着くことが出来た。
やっぱりというか、マサラタウンよりも大分大きい街だね。
トレーナーなら誰でも利用できるポケモンセンターや色んな道具を購入できるフレンドリィショップもあるし……そこはちょっと羨ましいかも。
スクールもマサラにあるものより二回りは大きいみたいだね。
他にも見たことがない建物が多いけど……そこはいいか、別に興味もないし。
それでも宿を探すにはまだ早いかな。
最悪、ポケモンセンターの簡易ベッドを使わせてもらってもいいしね。
そうと決まれば……
レッド「……ちょっと辺りを見て回ろうか?」
ゼニガメ「ゼニゼニッ」
私の横をテコテコと歩くゼニガメにそう声を掛けると、彼女は嬉しそうに笑いながら頷いてくれた。
この子のことは極力外に出してあげることにしているので、今見たり聞いたりしていることの全部が新鮮な経験なんだろうな。
私もパートナーとして、この子が楽しんでくれるように頑張らないとね。
そんなことを思いながら、私はゼニガメと一緒にトキワシティの中を見て回ることにした。
その時には、何故かフレンドリィショップの店員さんからキズぐすりやらモンスターボールやらの道具を無料で貰ったり、ポケモン名人とかいうおじいさんからポケモンを捕まえるためのコツを教えて貰らったりした。
他にも黒い服に『R』のバッジを付けた少しだけ怖そうなおじさんや、変なマントを着た『通りすがりのドラゴン使い』を名乗る男の人、それ以外にも町中のいろんな人から声を掛けられたりもしたっけ。
それにしても今日は妙に男の人から声を掛けられることが多かったんだけど、どうしてなんだろう?
別に変な格好はしてないよね?
レッド「……あなたはどう思う?」
ゼニガメ「ゼニッ♪」
気になってゼニガメに尋ねてみたら、彼女は笑ってピースサインを見せてくれた。
多分大丈夫ってことなんだろうね、ならいいかな。
まぁ、そろそろ日も暮れ始めてきたことだし、今日はこのままこの街のポケモンセンターに泊めてもらうことにしよう。
宿の方は黒っぽい服を着た人がたくさんいて何か嫌だし。
レッド「……行こっか」
ゼニガメ「ゼニッ!」
そう言ってゼニガメを抱きかかえた私は、夕焼けの光を背にしながらポケモンセンターの方へ歩いていくのだった。
ー???SIDEー
久しぶりに戻ったトキワシティで面白い少女に出会った。
ゼニガメを連れた新米トレーナーで、名前はレッドというらしい。
背格好はそこら中にいる子供のそれと遜色ない程度のものだったが、何よりも私が注目したのは彼女の『目』だ。
一片の濁りもない澄み切った光を湛えながら、それでいて強靭な意志を宿す、力強いいい目だ。
……そして、私が何よりも嫌いな目だ。
軽く話をしてみると、レッドは今日から旅を始めたそうだ。
ポケモンも今連れているゼニガメのみで、バトルについては遠目から数度見たことがある程度だという。
今どきの子供にしては珍しいくらいの箱入りだが、それでも私は彼女の中にとてつもない才能を感じていた。
それと同時に、このままいけば彼女は間違いなく私にとっての大きな障害になるだろうということも。
だが未来とは常に流動して移り変わるもの。
つまり、彼女を『こちら側』に迎えることも十分に可能だということだ。
今のところは軽い接触に留めておくが、今後は部下も使って積極的にアプローチを掛けることにしよう。
それに抗う中で、あの美しい目の光を最後まで残せるかどうか……楽しみだ。
ー番外編 トキワシティの人から見たレッド①ー
ん、何だい?
ああ、さっきウチの店に来た帽子をかぶったお嬢ちゃんのことか。いや~何とも可愛いらしい子だったよな。
表情はちとばかし硬かったが、礼儀もちゃんとしてるし、喋りも丁寧だったな。
ありゃ将来、間違いなく美人になるな、絶対だ。
そんで、そんなあの子の気を引きたかったのか、ウチのバカ息子は店の商品のいくつかを金も貰わずにあの子に渡しちまったんだぜ?その時のあの子、明らかに困惑していたな。
すぐに返しますって言ってくれたんだけどよ、バカ息子のやったこととはいえ、こっちも渡しちまったものを素直に受け取るわけにはいかねぇからよ、それは迷惑料とおもって取っといてくれって言ったわけさ。
そしたら、あの子も少しだけ笑って受け取ってくれたよ。あの時の笑顔はまるで天使みたいに綺麗だったな。
ま、ことが終わった後には惚けたようにあの子の背中を見送るバカ息子に、俺様の自慢のメガトンパンチを食らわせてやったがね。
by フレンドリィショップ店長の談話
ーレッドSIDEー
トキワシティのポケモンセンターで一泊した次の日。
今日こそはトキワの森に挑戦するぞと意気込んだ私とゼニガメは、近くのカフェで朝食をとりながら道具の最終チェックを行っていた。
レッド「……モンスターボール、よし。キズぐすり、よし。むしよけスプレー……は森のポケモンがかわいそうだから、今日のところはパソコンに預けていくことにしようかな」
ゼニガメ「ゼニゼニ」
レッド「……あとはキャンプセット一式と食べ物が少しに……お化粧ポーチ?ママったら、いつの間にこんなものを……」
ゼニガメ「ゼニッ!ゼニゼ~ニ!」
レッド「……持っていた方がいいの?もしもの時に役に立つから?……私に使う場面なんかあるのかな……」
ゼニガメ「ゼニッ!」
レッド「……ん、分かった。あなたがそう言うなら一応持っておくね?」
ゼニガメ「ゼニ♪」
サンドイッチを片手にバッグの中身をゼニガメと一緒に話し合うのとはとても楽しい時間だった。
何故か女の子用品だけは絶対に持って行った方がいいと、しきりに私に薦めてきたのは気になるけどね。
別にお化粧やアクセサリーなんかには興味ないんだけどなぁ。
今着ている服だってママが作ってくれポケモンレンジャー(♀)風のものだしね。
ママは私にもっと女の子っぽい服を着せたかったみたいだけど……。
レッド「……ヒラヒラでフリフリな服って、着ていて何だか落ち着かないんだもん……」
ゼニガメ「ゼニ……」
レッド「……あなたも私にはそういう服が似合うと思う?」
ゼニガメ「ゼニ。ゼニゼーニ、ガメガー」
レッド「……そっか。でも、そういう服ってあんまり好きじゃないから、気が向いたら、ね」
ゼニガメ「ゼーニ♪」
『無理はしなくてもいいけど、たまにはそういう服を着ているところを見てみたい』か。
この子も女の子だから、おしゃれなんかにも興味があったりするのかな。
もしもそうなら……私も、ちょっとだけ頑張ってみようかな?
レッド「……さてと。それじゃ、そろそろトキワの森に行こうか。おいで、ゼニガメ」
ゼニガメ「ゼニッ!」
そんなことを思いながら席を立った私は、カフェの店長さんにお礼を言って店を出た後、そのまま真っ直ぐにトキワの森に向かった。
途中で、昨日会った『とおりすがりのドラゴン使い』の男の人に二言三言ほど声を掛けられたりしたけど、それ以外には特にこれといった出来事もなかったかな。
そうして森の入口に到着した私は、その場で軽く深呼吸をして気持ちを落ち着かせた後、こちらを見上げていたゼニガメに笑いかけながらこう言った。
レッド「……この森で、また新しいお友達に出会えたらいいな。ね、ゼニガメ?」
ゼニガメ「ゼニ~♪」
そう言ってお互いに笑いあった私とゼニガメは、そのままゆっくりと森の中へと続く道足を踏み入れたのだった。
ー???SIDEー
断言しよう。
俺はロリコンと呼ばれる異常性癖保持者ではない。
俺は至ってノーマルだ。
好きなポケモンのタイプを問われればそりゃあドラゴンであることは間違いないのだが、今はそんなことは関係ない上にどうでもいい。
とにかく、俺は別に自分よりも遥かに幼い女児に欲情したりはしないし、それに近い不埒な考えを抱いたことも一度たりとてない。
ただ俺は……
昨日出会った美しい少女に恋をしてしまっただけなのだから。
うん?さっきと言っていることが違うって?
何を言う、どこも矛盾などしていないじゃないか。
確かに俺はロリコンではないと言ったし、女児に対して邪な想いを抱いたりはしてないとも言った。
だが、誰も『恋はしていない』とは言っていないだろう?
つまりはそういうことだ。
ああ、今思い出しても胸の奥が熱くなってくるような気分だ。
あの少女のサラリとした黒髪と大きくて美しい漆黒の瞳、そして今後の成長に大きな期待を感じさせるしなやかな肢体……。
そして!何より素晴らしいのは!!
あのミステリアスな雰囲気を醸しながらも根底にある優しさを感じさせる魅惑のウィスパーボイスっ!!!
あの声で俺の、俺だけの名前を呼んでほしい!あわよくば『お兄ちゃん』とか『お兄さま』付けで呼んでくれれば尚良しっ!!
というか俺の彼女兼妹として一生俺の側にいて欲しいーっ!!!
……すまない、流石に取り乱してしまった。
だが、これで俺の彼女に対する想いの深さは分かってもらえたと思う。
次に彼女に会えるのが何時になるのかは分からないが、再会の時はそう遠くないはずだ。
何故なら……
俺と彼女は同じ『ポケモントレーナー』なのだからな。
……あ。
そう言えば話すのに夢中で、肝心の彼女の名前を聞くのを忘れてたな……。
ー番外編 トキワシティの人から見たレッド②ー
いらっしゃいませ。只今お席にご案内を……おや、お客様ではございませんでしたか。
ふむ、先ほどまでテラスにおられたお客様のお話を聞きたいと?
勿論構いませんとも。ですが、まずはコーヒーでもいかがですか?
今日の豆は遠くシンオウから運ばれたものでしてね……っと、話が脱線してしまいましたね。
まぁ、一言で言うと不思議な子でしたよ。お店に入って来られた時などは赤いキャップを目深に被っておられましたからね。
注文したもの?確かサンドイッチと当店自慢のブレンドコーヒーでしたよ。
そのコーヒーに使っているのは、先ほど申したシンオウ産の豆とイッシュ地方で独自の製法で熟成された豆のオリジナルブレンドでございまして……おっと、またまた話が逸れましたな。
兎に角、そういった注文をされておりましたよ。見た感じまだまだお若いのに砂糖やミルクも付けずにね。
あの若さでブラックの味が分かるとは……私としても嬉しい限りです。
流石に食べ物が来た時には帽子を取っておりましたが……驚きましたよ。まさか女の子だったとは。それもとびきり美しい容姿をもった、ね。
おかげで私や他のお客様にとっても目の保養になりましたよ。想像してみてください……朝焼けの光の中で湯気立つコーヒーを片手に微笑む美少女の姿を……。
叶うことならばあの時の様子を写真に収めておきたかったほどですよ。まぁ、流石に失礼に当たるので実行に移したりはしませんがね。
その後はもう一杯コーヒーを注文された後にお店を出て、そのままトキワの森に向かわれましたよ。その際に「サンドイッチとコーヒー、ご馳走様でした」と言ってくれまして……。
いや〜……嬉しかったですね〜……。
ん?他には何かなかったのかですって?そういえば……
あのお客様は、お連れのゼニガメと『明らか』に会話をしておられましたね……。
ーレッドSIDEー
トキワの森。
むしやひこうタイプといった、たくさんのポケモンたちが住む自然豊かな場所。
そこに生えている太くそして逞しく育った木々は、その大きく広げた枝葉で空から降り注ぐ太陽の光の悉くを遮り、森の中を薄暗い迷路のような景観にしてしまっている。
でも、そんな場所にもちゃんと人間はいる。
それは私のような駆け出しのポケモントレーナーだったり……
レッド「……ゼニガメ、『たいあたり』」
ゼニガメ「ゼニーッ!」
ビードル「ビ……ビ〜……」
むしとりしょうねんA(以下、A)「ビ、ビードルーッ!?くそぉ、覚えてろよ!うわーんっ!!」
今しがたビードルを抱えて逃げ出したむしとりしょうねんだったりね。
B「Aがやられたようだな……」
C「フフフ……奴はむしとりしょうねん四天王の中でも最弱……」
D「新人トレーナー如きにやられるとは、四天王の面汚しよ……」
E「だが一先ずは奴を討ち取ることで、Aへのせめてもの手向けとしようぞ……」
そう思っていたら、森の奥からさっきの子と同じような格好をしたのがたくさん出てきた。
しかも全員が全員で変なことばかり言っているし。
……ちょっと話を聞いてみようかな。
レッド「……あの」
B・C・D・E「何かな?」
レッド「……あなた達はさっきの子と合わせて四天王なんだよね?」
B・C・D・E「それが何か?」
レッド「……何で四天王なのに5人いるの?」
B・C・D・E「……」
レッド「……」
B・C・D・E「おい、バトルしろよ」
あ、露骨に話を変えてきたね。
少しだけ顔も赤いし……意外と恥ずかしかったのかな?
レッド「……ゼニガメはまだ大丈夫?」
ゼニガメ「ゼニゼーニ!」
そう尋ねると、ゼニガメは「まだまだいけるよ!」という風に笑って頷いてくれた。
さっき初バトルを済ませたばかりなのに、体力的にはまだまだ余裕って感じだね。
本当に頼もしい限りだよ。
レッド「……そう。じゃ、一緒に頑張ろうね」
ゼニガメ「ゼニッ!」
B・C・D・E「むしとりしょうねん四天王の力、今度こそ思い知らせてくれるっ!!」
その設定、まだ続けるんだ……まぁ別にいいけど。
〜数分後……〜
B「ぐぅっ……」
C「やられたか………」
D「だが安心するのはまだ早いぞ……」
E「例えここで我々を倒しても、必ずや第二、第三の四天王が貴様の行く手を阻むであろう……」
レッド「……まだいるんだ、四天王」
B・C・D・E「……では、さらばだっ!!」
そう言ってむしとりしょうねん達……もとい四天王の皆さんは、私の呟きに答えることなく、トキワの森の出口に向かって一目散に走り去ってしまった。
何とも鮮やかな引き際だね。
もしかして、最初の子と一緒にどこかで練習してたりするのかな?
レッド「……行っちゃったね」
ゼニガメ「ゼニ……」
レッド「……初めてのバトルは楽しかった?」
ゼニガメ「ゼニゼニ♪」
レッド「……そっか。なら、次もまた勝てるように頑張ろうね?」
ゼニガメ「ゼニッ!」
さっきの四天王の下り云々については置いておくとしても、初めてのポケモンバトルを経験したゼニガメの機嫌は上々のようだった。
連続で対戦したこともあって多少は疲れているみたいだけど、それでもキズぐすりを使うほどってわけじゃないみたい。
やっぱりポケモンってすごいね。
ゼニガメ「ゼニ?ゼニガー?」
レッド「……私は楽しかったかって?」
ゼニガメ「ゼニゼニ」
レッド「……うん。楽しかったよ」
ゼニガメ「ゼニッ」
レッド「……そうだね。これで私達、同じだね?」
ゼニガメ「ゼニ♪」
私とゼニガメが同じ気持ちだと知ると、目の前のこの子は本当に嬉しそうに笑ってくれた。
確かにさっきのポケモンバトルが楽しかったのは事実だ。
でもそれだけじゃなくて、何だか心の奥底から沸き起こるような感情を覚えたのもまた事実。
きっとこれが『喜び』という感情なのだろう。
それも、戦いという非日常の極みの一端に触れたことに関する『喜び』だ。
初めて知る自分自身の隠れた一面に少しだけ戸惑ってしまうけれど、今はそれ以上に気分がいい。
もっとバトルがしたい。
あの血が沸騰し、肌がピリピリと痺れるようなる感覚をもっともっと味わいたい。
そんな強い思いが私の頭の中を駆け巡る。
でも、とりあえず今は……
レッド「……森の中を探検してみようかな。行こ、ゼニガメ」
ゼニガメ「ゼニゼーニ♪」
最初の目的であるトキワの森攻略をメインに動いていこう。
バトルはそのついででいいかな。
後はゼニガメ以外の子もお友達に出来ればいいけど……まぁそこは今後の出会いに期待だね。
そうして今一度深く帽子を被りなおした私は、まだまだ元気いっぱいのゼニガメを連れて、トキワの森の更に奥へと足を進めるのだった。
ーレッドSIDEー
トキワの森で出会ったむしとりしょうねん四天王(構成人数5名)を退けた私とゼニガメは、更に鬱蒼とした雰囲気を醸し出す森の奥へと足を進めていた。
その際にはキャタピーやビードル、それにその進化形であるトランセルやコクーンを見かけたけど、私は特に何ともなかったかな。
まぁ、スクールに通っていた他の女の子たちは軒並みむしポケモンが苦手だったみたいだけどね。
でも、何もあんなにキャーとかイヤーなんて叫び声を出さなきゃならないほど怖い見た目じゃないのになぁ。
現にポケモンフードをあげれば嬉しそうにこちらに近寄ってきてくれる上にすぐに懐いてくれるから、個人的にはすごく可愛いと思うんだけど。
ゼニガメとも仲良く遊んでくれているから猶更ね。
ただまぁ、この子達はあくまで野生のポケモンだから、人間が無責任に餌付けするのはあんまり良くないことなんだろうけどね。
出来れば何匹かはゲットしたいけど……流石にボールが足りないや、ごめんね。
そんなことを思いながらひとしきり野生のむしポケモンとの交流を楽しんだ私達は、名残惜しそうにこちらを見つめるキャタピー達の視線を背中に受けつつ、その場を後にすることにした。
そうして森の中を探索すること暫く……
レッド「……何だろう、この子?」
ゼニガメ「ゼニー?」
???「ケム?」
私とゼニガメは、未知のポケモンとの遭遇を果たした。
……と言うと大げさすぎるかもしれないけれど、実際にそんな言葉が口をついて出てきてしまうほどに私達は驚いていたのだ。
何せ私の目の前にいるのは、事前に情報収集していたトキワの森に生息するどのポケモンとも全く異なる姿をしていたのだから。
緑がメインの森の中ではひどく目立つ赤い体色に、これまた目立つトゲトゲちくちくの体。
見た目だけなら先ほど出会ったキャタピーやビードルといったむしポケモンのそれに近いのだけど、どうにも何かが違うような気もする。
キャタピーやビードルの突然変異?
それとも全くの新種の子なのかな?
いや、もしかしたら別の地方から来た子なのかもしれない。
取りあえず、まずはお話をしてみないとね。
レッド「……あなたのお名前は何ていうの?」
???「ケムッ!」
レッド「……そう、『ケムッソ』ってお名前なんだね。この森に住んでるの?」
ケムッソ「ケム。ケムケムケ~」
レッド「……ふむふむ。生まれはカント―ではないけれど、今はこの森の中で生活しているんだ。どうやってここまで来たの?」
ケムッソ「ケ~ム、ケムケム……ケムッ!」
レッド「……なるほど、卵の時にパパとママに連れられてきたってことね」
ケムッソ「ケムケム」
そうして暫くの間、私とゼニガメはこのケムッソという子と話をしてみたんだけど、この子の口(?)から語られる冒険譚はとても面白いものだった。
卵から孵った時には既にパパやママの姿はなく、たった1人でこの見知らぬ森に取り残されてしまったこと。
何とか住む場所を見つけたと思ったらそこにはもう先客のポケモンがいて、その後は血で血を洗う大戦争(キャタピーとの体当たり合戦)に発展したこと。
その戦いに勝利した後も、何かとこちらに張り合ってくるキャタピーの相手に苦労したり、ポッポやオニスズメといったひこうポケモンの縄張り争いに巻き込まれそうになったり、はたまたカントーにはいない珍しいポケモンだということで、頻繁にむしとりしょうねん達から追いかけ回されたり……。
レッド「……苦労してるんだね」
ゼニガメ「ゼニガー……」
ケムッソ「ケム……」
そんなこの子の苦労話を聞いて、私とゼニガメは無意識に慰めの言葉を口にしていた。
この広いトキワの森の中で両親や友達もいないままひとりぼっちで過ごすこと。
それはきっと……いや、絶対に心細いことであったに違いない。
今だってケムッソはしょんぼりとした様子を見せているし……何とか私でこの子の力になってあげられることはないかな?
そう思って隣のゼニガメにチラリと目を向けると、彼女もまた私と同じ考えであるかのように一つ頷いてくれた。
なら……
レッド「……ねぇ、ケムッソ?」
ケムッソ「ケム?」
レッド「……あなたさえよければ、私達と一緒に旅をしない?」
ケムッソ「……!」
レッド「……さっきの話を聞いて、私はあなたの力になりたいと思ったの。それに、私はあなたのことを気に入ってしまったしね」
ゼニガメ「ゼニ。ゼニガーメ!」
レッド「……ゼニガメもそうだって」
ケムッソ「……」
レッド「……どうかな?」
そう言って私がケムッソの前に空のモンスターボールを差し出すと、彼女(さっき女の子だって教えてくれた)は少しだけ考え込むように俯いた後、私に向かってゆっくりと頷いてくれた。
そうしてそのままボールのボタンに頭のトゲをコツンと当てると、ケムッソはそのまま嬉しそうに笑ってボールの中に入ったのだった。
ゼニガメ「ゼニゼニ〜♪」
レッド「……うん、そうだね。えっとこういう時は……ケムッソ、ゲットだよ。……こんな感じでいいのかな?」
ゼニガメ「ゼニ!」
レッド「……ふふっ、ありがとう。それじゃ、出ておいで、ケムッソ」
『これでレッドに新しいお友達が増えたね!』と言って嬉しそうに笑うゼニガメの頭を軽く撫でてあげながら、私は先ほどボールに入れたばかりのケムッソを外に出してあげた。
ケムッソ「ケム!」
レッド「……うん。こちらこそよろしくね、ケムッソ」
ケムッソ「ケム〜♪」
レッド「……それじゃあ、あなたにはわたしの肩に乗って貰って、と……。うん、いい感じだね」
ケムッソ「ケム!ケムケム〜!」
レッド「……道案内をしてくれるの?ひこうポケモンの縄張りに入ると危ないから?」
ケムッソ「ケム!」
レッド「……そう。じゃあ、お願いしてもいいかな?」
ケムッソ「ケム♪」
レッド「……ありがとうね。じゃあ行こうか、ゼニガメ、ケムッソ」
ゼニガメ・ケムッソ「ゼニッ!・ケムッ!」
こうしてトキワの森で出会ったケムッソを新しいお友達に出来た私達は、彼女の案内の下、迷路のように入り組んだトキワの森の踏破に向けた歩き出したのだった。
ーレッドSIDEー
トキワの森でケムッソという新しいお友達が出来た私とゼニガメは、彼女の道案内のおかげでこの迷路のような森の中を、特に苦労することもせずに次々と踏破していった。
途中でオレンやモモン、ヒメリなんかのポケモンが大好きな木の実のなる樹が群生している場所を教えてもらったり、下手に踏み入ると危ないひこうポケモンの縄張りや気性の荒いスピアーの巣を迂回する道も教えてもらえたりもしたよ。
流石は長い間この森でサバイバル生活を送ってきたポケモンだ、すごく頼りになるね。
時々バトルをさせてみても苦手なはずのひこうポケモンも倒してしまったし……これは将来有望な子なのかもしれないね。
そう思って感謝の気持ちを込めながらケムッソの頭を撫でてあげると、彼女もそれに応えるように優しい頬ずりで返しくれた。
うん、やっぱり可愛いな。
あ、でも、ゼニガメだって可愛いよ?
だからそんなに寂しそうな顔をしないで、ね?
そうしてちょっとだけ拗ねてしまったゼニガメの機嫌を直しながら着々と森の中を進んでいると……
レッド「……明るい」
ゼニガメ「ゼニ〜」
私達は突然、お昼に差し掛かる頃の太陽の光が降り注ぐ広場のような場所に辿り着いたのだった。
レッド「……ここだけ木が円形に生えているから、こんなに太陽の光が入って明るいんだね。ケムッソはここのこと知ってた?」
ケムッソ「ケムッ!」
レッド「……何回か来たことがある?そっか……いい場所だね?」
ケムッソ「ケムケム」
ゼニガメ「ゼニ〜……」
レッド「……うん、そうだね。どうせだからここでお昼ご飯にしようか」
ゼニガメ・ケムッソ「ゼニ〜♪・ケム〜♪」
『やった〜♪ご飯ご飯〜♪』と言って嬉しそうに万歳のポーズを取るゼニガメとケムッソ。
こういうポケモンの可愛い仕草を見ると、本当に癒されるよね。
レッド「……さてと、それじゃあ準備しなくちゃ。ゼニガメ、このお鍋に水を出してくれる?」
ゼニガメ「ゼニゼニ」
ケムッソ「ケム〜?」
レッド「……あなたもお手伝いしてくれるの?」
ケムッソ「ケムケム」
レッド「……じゃあ、少しだけ火を使うから地面に落ちた小枝を拾ってきてくれる?そんなにたくさんは要らないから」
ケムッソ「ケムッ!」
レッド「……あんまり遠くには行かないようにね」
ケムッソ「ケム〜」
『分かった〜』と言って辺りをよじよじと歩き回るケムッソは、あっという間に火を付けるのに必要な枯れ木や落ち葉を拾い集めてきてくれた。
その時の『どうどう?すごいでしょう?』と言わんばかりに胸(というかお腹?)を張るケムッソの姿は、何だか背伸びをする小さな子供みたいですごく可愛かったよ。
ゼニガメ「ゼニッ!ゼニゼーニ!」
レッド「……うん?どうしたのゼニガメ?」
ゼニガメ「ゼニガー!」
レッド「……わぁ、木の実がこんなに……わざわざ取ってきてくれたの?」
ゼニガメ「ゼニ」
レッド「……そっか、ありがとうね」
ゼニガメ「ゼニ♪」
ケムッソ「ケム……」
レッド「……勿論、あなたにも感謝しているよ?ありがとうね、ケムッソ」
ケムッソ「ケム♪」
気持ちよさそうに眼を細めながら、頭を撫でる私の手を受け入れてくれるゼニガメとケムッソ。
こんな風に私のことを信頼してくれる姿を見ると、ますますこの子たちのことが愛おしく思えてくるね。
レッド「……それじゃ、どんどん進めていこうか」
ゼニガメ・ケムッソ「ゼニ!・ケム!」
こうしてお手伝いを買って出てくれたゼニガメとケムッソの協力のおかげで、私は十数分程度の時間でママ直伝のグレンシチュー(お肉はなくて、野菜と人間でも食べられる木の実がメインのシチュー)を作ることが出来た。
日頃からママと一緒にお料理をしていたので、結構上手に出来たんじゃないかと思う。
見た目もいい感じだしね。
後はお鍋のこれを紙のお皿によそって……
レッド「……出来た」
完成、かな?
……うん、いい匂い。
これなら味にも期待できそうだね。
レッド「……それじゃ、早速食べるとしようか」
ゼニガメ「ゼニ〜♪」
ケムッソ「ケム〜♪」
???「ブイ〜♪」
私がそう言って皆に声をかけると、ゼニガメとケムッソは嬉しそうに返事をしてくれた。
……それと、いつの間にか私達の側にいた初めて見る子も。
ゼニガメ・ケムッソ「ゼニッ!?・ケムッ!?」
あ、2人とも今気付いたんだ。
まぁ、それは私もだけど。
それにしても……
???「ブイ?」
この子、本当に誰なんだろう……?
ーレッドSIDEー
あ、ありのまま、今起こったことを話すよ……。
私はゼニガメやケムッソと一緒に、おかわりの分も含めた3人分のグレンシチューを作り終えたんだけど、その後に後ろを振り返ると、そこには見たこともないポケモンがシチューの配膳を待っていたんだ。
な、なにを言っているのか分からないと思うけど、私も全く意味が分からなかったし、ゼニガメ達もすごく驚いているみたいだった……。
この子は一体誰なんだろうという疑問と、見た目がモフモフでかわいいなという感想で頭が一杯だったよ……。
さいみんじゅつだとかメロメロだとか、そんな些細な技の効果なんかじゃあ断じてない……。
もっとかわいらしいモフモフの片鱗を味わったよ……。
レッド「……という感じで振り返ってみたけど、どうだった?」
ゼニガメ「ゼニ~」
ケムッソ「ケム!」
???「ブイブイ♪」
一度言葉を切った後に私がそう尋ねると、ゼニガメとケムッソ、それに初めて見るモフモフちゃんの3人は意外と好意的に受け取ってくれていた。
特にモフモフちゃんは、『ポルポル状態ktkr!』と言いながら大はしゃぎしていたよ。
グリーンから教えてもらった時には変な言い回しだなーって思っていたけど、こんなに喜んでもらえるのなら覚えていてよかったかな。
さてと……じゃあ、後はこの子のことをどうするかだね。
さっきお友達になったケムッソもだけど、多分この子も本来はトキワの森にはいない筈の子だよね?
ピンと立った大きめの耳に、茶色と白のモフモフとした毛皮がすごく気持ちよそう。
それに、くりくりとした大きくて綺麗な目もすごく可愛らしいなぁ。
そういったところも含めて、この子とは色々とお話ししてみたいけど……。
レッド「……でもまぁ」
???「ブイ?」
レッド「……今は取りあえず、先にご飯にしようか。皆もそれでいいよね?」
ゼニガメ・ケムッソ・???「ゼニ~♪・ケム~♪・ブイ~♪」
気にはなるけど、今はいいかな?
私もだけど皆お腹を空かせているみたいだし。
レッド「……はい、これはゼニガメの分ね」
ゼニガメ「ゼニ♪」
レッド「……こっちはケムッソの分」
ケムッソ「ケム♪」
レッド「……そして、こっちはあなたの分ね」
???「ブーイ?」
レッド「……食べていいのかって?勿論、いいよ。大目に作ってたから心配しないで?」
???「ブイ♪」
レッド「……ふふっ、くすぐったいよ」
シチューの入ったお皿をモフモフちゃんの目の前に置くと、モフモフちゃんは嬉しそうな表情で私にじゃれ付いて来てくれた。
うん、やっぱりすごくモフモフ……いや、モッフモッフだねこの子の毛皮は。
温かくて柔らかくて……何だか癖になりそうな肌触りだなぁ……。
レッド「……ありがとう。また後で触らせてね?」
???「ブイ!」
ひとしきりモフモフちゃんを撫でて満足した私は、そのまま私達を待ってくれていたゼニガメ達に目配せをした後、皆で手(この時、ケムッソだけはお皿の前でお辞儀をしていた。かわいい)を合わせながらこう言った。
レッド「……いただきます」
ゼニガメ・ケムッソ・???「ゼニ―♪・ケムー♪・ブイ―♪」
そうして思い思いに食事を始める私達。
私とゼニガメはスプーンを使ってシチューを食べ、ケムッソとモフモフちゃんは上品にお皿から直接シチューを食べていた。
モフモフちゃんはその犬っぽい見た目に反して猫舌だったようで、最初の一口で感じた思わぬ熱さに驚いた後は、恐る恐るといった様子で少しずつシチュー食べていたよ。
そんなモフモフちゃんとは対照的に、ゼニガメとケムッソの二人は特段熱いものが苦手というわけでもないようで、しっかりと咀嚼しながらにシチューを食べてくれていた。
こんな感じでゼニガメ達はそれぞれ違う反応を見せてくれたのだけど、それでも3人は決まって嬉しそうに笑いながらシチューを食べてくれていたよ。
これには私も一安心だね。
ただまぁ、改善の余地はまだまだあるようなので、この旅の中で料理の腕前も少しずつ上げていかなくっちゃ。
そういえば、私より先にトキワの森を訪れた筈のグリーンは今頃どこにいるのだろう。
確かこの森を抜けた先にはポケモンジムのあるニビシティがあったと思うから、そこに挑戦していたりするのかな。
いや、せっかちな彼のことだから、もしかしたら私の考えている以上の場所にいるのかもしれない。
そうだとしたら何だかちょっとだけ寂しい気もするけれど……
レッド(……グリーンとは、また近いうちにどこかで会えればいいな)
そんなことを思いつつ、私とゼニガメ達は楽しくお話をしながら食事を続けたのだった。
ーグリーンSIDEー
レッドより一足先にマサラタウンから出発した俺は、今は相棒であるヒトカゲのムッツリとともにニビシティにあるポケモンジムに挑戦していた。
最初の挑戦はレベル不足とポケモンの相性差から手痛い敗北を喫してしまったが、それもトキワの森での修行のおかげで何とか2回目に突破することが出来た。
その際には、上半身裸の男のジムリーダーからストーンバッジと『がんせきふうじ』といういわタイプの技マシンをもらえたぜ。
苦労はしたが、それでもこうして身に見える形で実力を認められるのは嬉しいもんだな。
特に有り難かったのは、この『がんせきふうじ』の入った技マシンだ。
最近捕まえたもう一匹の相棒と一緒にムッツリのレベルもかなり上がったとはいえ、それでも火力が不足気味だったのが目下の悩みの種だったからな。
そんな時にもらったこの技マシンはまさに救世主だったわけだ。
試しにムッツリに覚えさせてから野生のポケモンとバトルをさせてみたら、何ともあっさり倒すことが出来たからな。
さらに、この技には相手の素早さを下げる効果まであるらしい。
本当にいいものをもらえたもんだぜ。
しかも何度使っても無くならないっていうんだから猶更な。
さてと、ジム戦も終えた今となってはこの街に留まり続ける理由もない。
次はオツキミ山を越えてハナダシティのジムに挑むとするか。
その途中でまた新しいポケモンを捕まえてもいいな。
よし、そうと決まれば善は急げだ。
グリーン「行くぞ、ムッツリ。それにハトキチもな」
ヒトカゲ「カゲ〜!」
ムックル「ムク〜!」
うんうん、元気があっていい返事だ。
……でも、なんでこいつらは俺のつけたニックネームで呼ぶたびに複雑そうな顔をするんだろうな?
こいつららしい、中々いい名前だと思うんだがなぁ……。
ヒトカゲ・ムックル「カゲッ!ムクゥ!」
グリーン「あだだっ!?ちょっ、なんで俺に攻撃してくるんだよ!?」
なんだ!?これが噂に聞く反抗期ってやつか!?
そんなことを思いながら、俺は右手をムッツリの爪で、頭をハトキチの嘴で攻撃された状態のまま、オツキミヤマに続く長い一本道は歩いて行くのだった。
ーレッドSIDEー
皆で楽しく食事を終え、ゼニガメと協力しながら火の後始末をしていると、ふと私はあのモフモフちゃんがこの広場からいなくなっていることに気付いた。
どうやら私達が目を離している隙に何処かに行ってしまったらしい。
暫く辺りを探してみても見つからなかったから、多分もうこの森の中にはいないんだと思う。
あのモフモフちゃんとはもっと色々なお話をしてみたいと思っていたので、突然いなくなってしまったことには少し残念に思ってしまったけれど、それでもあのモフモフちゃんも私達のことを気に入ってくれていたようで、あの子が座っていたところにオボンのみが3つほど置いてあった。
きっとあの子なりのお礼の気持ちだったんだろう。
それを拾って大事にバッグの中へと入れた私は、思わぬ贈り物に対する有り難い気持ちと、何とも言えない一種の寂しさを同時に感じながら、少しずつ日が傾きつつある広場を後にしたのだった。
〜数十分後……〜
段々と暗くなりつつある森の中を、私とゼニガメはケムッソの案内に従いながら急ぎ足で歩いていた。
その途中で運悪く出会ってしまった不機嫌な様子のスピアーや、何故かまた私達を待ち構えていたむしとりしょうねん四天王(構成人数6名……何でまた増えてるんだろう?)とバトルや対戦を行った結果……
レッド「……おめでとう。ケムッソはカラサリスに進化した、よ」
ゼニガメ「ゼニ〜♪」
カラサリス「……♪」
ケムッソがカラサリスに進化しました(名前はカラサリスから教えてもらった)。
ゼニガメの方は……多分もう少しかな?
本人もそろそろすごいことが起こりそうな気がするって言ってるし。
レッド「……それにしても、ケムッソは進化したら蛹になるんだね。コロコロしてて可愛い……」
カラサリス「……?」
レッド「……ああ、うん。確かにこの状態だと前みたいに私の肩に乗るのは無理かも……」
カラサリス「……」
レッド「……大丈夫、ボールの中に入れたりはしないよ」
カラサリス「……?」
レッド「……そうだね。……じゃあ、今度からは私のバッグの中に入る?背中の方じゃなくて、このショルダーバッグの方に。それなら顔を出しながらあちこちを見たり出来ると思うけど……どうかな?」
カラサリス「……!」
レッド「……分かった。じゃあ早速この中に入って貰って……うん、ピッタリだね。狭かったり苦しかったりしない?」
カラサリス「……♪」
レッド「……気に入ったって?ふふっ、それはよかったよ」
ゼニガメ「ゼニ〜!ゼ〜ニ〜!」
レッド「……あなたもバッグの中に入りたいの?」
ゼニガメ「ゼニゼニ」
レッド「……ごめん、流石にあなたは入りそうにないよ」
ゼニガメ「!!」
レッド「……あ、違うよ?別にあなたが重いからとか、体が大きいからって理由じゃなくて、単純にバッグの容量がそろそろ一杯ってだけだから……」
ゼニガメ「……ゼニ?」
レッド「……本当だよ?だからそんなに泣かないで……ね?」
こうして進化したばかりのカラサリスが私のショルダーバッグに収まることになったり、ゼニガメが私の背負うバッグの中に入れなかったことに対してショック受けていたりと、嬉しいことやハプニングが同時に起こったりしたけれど、兎も角私達はそのまま森の中を進んだ。
そして……
レッド「……出口だ」
カラサリス「……♪」
ゼニガメ「ゼニゼニ〜♪」
私達は遂にトキワの森の外に続く出口の前に辿り着いた。
その代わり、周りは真っ暗だったけどね。
レッド「……日もすっかり暮れちゃったね」
ゼニガメ「ゼニ〜……」
カラサリス「……」
レッド「……このまま次の街に行っても泊めてもらえるかどうか分からないし……今日はここで野宿にしようか。ゼニガメ、テントを張るから手伝ってくれる?」
ゼニガメ「ゼニッ!」
カラサリス「……!」
レッド「……?あなたも何か手伝いたいの?え?糸は吐けるからそれでテントを補強できる?」
カラサリス「……!」
レッド「……うん、じゃあよろしくね?」
カラサリス「……♪」
こうして私達は満点の星空が広がる森の中でテントを張り、簡単な夕食を済ませた後、そのままゆっくりと休みを取ることにしたのだった。
???「……ブイブ〜イ♪」
何時ぞやの時のように、いつの間にか私達のテントの中に入っていたポケモンの存在に気づくことなく……。
ーレッドSIDEー
トキワの森の出口近くでテントを張った私とゼニガメ達は、まだ太陽が昇り始めて間もない早朝に目を覚ました。
辺りには真っ白な霧が立ち込めていて若干肌寒くはあったけれど、逆にその澄み切った綺麗な空気が寝起きでぼーっとしていた私の頭をすっきりと覚醒させてくれたようだった。
確かこういうのをマイナスイオンっていうんだったかな?
少し前まではこの名前に関係する色々なものを頻繁に見たり聞いたりした気がするけど……あれって本当に効果があるのかな?
まぁ少なくとも今はすごく気分がいいからマイナスイオンそのものには効果があるんだろうね。
どういったものなのかはまるで分からないけど。
そんな割とどうでもいいことを考えながらテントの片づけをしていると、私は先ほどまで自分が寝ていた場所にオボンの実が1つだけ置いてあったことに気付いた。
もしかしてモフモフちゃんが来ていたのかな?
淡い期待を持って私はテントの周囲を見回してみたけれど、既にあの子の姿はどこにもないようだった。
またあのモフモフに触らせてもらいたかったのに……残念。
でも二度あることは三度あるって言うらしいし、旅を続けていればまたあの子にも会えるよね?
それで今度会えたらちゃんとあの子のお名前を聞いて、そうして色々な話をしてみよう。
だから今は……
レッド「……お世話になりました」
ゼニガメ「ゼニゼ~ニ」
カラサリス「……」
昨日の一晩お世話になったトキワの森に、そして今までカラサリスを見守ってくれていたこの優しい森にお礼を言うことにしよう。
そうして一度深々と頭を下げた私達は、段々と眩しくなってきた太陽の光に目を細めながらゆっくりと出口の方に歩いて行ったのだった。
???「ブイ~♪」
~数十分後……~
トキワの森の出口からまっすぐに続いている道をゼニガメ達とおしゃべりしながら歩いていると、私達はいつの間にか新しい街の入口に到着していたことに気付いた。
特に意識しながら歩いていたわけじゃなかったけれど、思いのほか早く着くことが出来たみたいだね。
それでこの街の名前は……
レッド「……『山とロマンの街、ニビシティ』か。………ロマン?」
ゼニガメ「ゼニ?」
カラサリス「……?」
普段見慣れない文字が書かれた掲示板を見て、私達は揃って首を傾げてしまった。
確かにこの街から少し行ったところにはオツキミヤマという大きな山があるけど、それとロマンがどう関係しているんだろう?
登山やキャンプ?それともここでしか見つけられないような何かがあるのかな?
ロマン……ロマン……。
うーん、いくら考えても分からない……まぁそこまで重要な意味があるわけではないと思うけど、やっぱりちょっとだけ気になるよね。
そんな妙にモヤモヤとした気分になりながら掲示板の文字を見つめていると……
???「何かお困りごとかな、お嬢さん!」
私は背後から何とも元気のいい声が聞こえてきたことに気付いた。
何だろうと思いながらその声のする方を振り返ってみると、そこにはがっしりとした体格のおじさんが立っていた。
レッド「……こんにちは、おじさん」
ゼニガメ「ゼニ~」
カラサリス「……」
???「はい、こんにちは!それにゼニガメと……蛹ちゃん?もこんにちわだ!」
それを見た私とゼニガメ、それにカラサリスの3人でおじさんに挨拶をすると、彼は人の良さそうな笑みを浮かべながら挨拶を返してくれた。
しかも私だけじゃなくてゼニガメ達にもちゃんと、だ。
いい人……なのかな?
???「ところで、さっきから熱心に掲示板を眺めていたようだけど、どうかしたのかな?」
レッド「……ここに書いてあるロマンが、一体何のことを指しているのか分からなくて……」
???「ほうほう!ということは、お嬢ちゃん達はニビシティに来るのは今回が初めてってことかな?」
レッド「……はい」
???「そうかそうか!ならばここは、この私『案内おじさん』にお任せいただくとしようか!」
レッド「……『案内おじさん』?」
ゼニガメ・カラサリス「?」
案内おじさん(以下おじさん)「そのとおり!私はこのニビシティのいいところを観光客のお客さんやお嬢ちゃんみたいな若いトレーナーの人達にたくさん知ってもらいたくてね!ボランティアでこの街の自慢を色々と紹介しているのさ!」
レッド「……そうなんだ」
おじさん「そうなんだよ!というわけで、だ!どうだろうお嬢ちゃん、君さえよければ私がこの街のロマンについて色々と紹介させてもらいたいんだが?」
ニコニコと上機嫌に笑いながら私に向かってそう提案してくれる案内おじさん。
どうしようかなと思ってゼニガメとカラサリスの方に目を向けると、2人は「レッドに任せるよ」といった様子で頷いてくれた。
信頼してくれているみたいで嬉しいな。
レッド「……じゃあ、その……よろしくお願いします」
おじさん「うむ、任された!それじゃあまず、お嬢ちゃんが気になっているこの街のロマンについて説明しようか!ニビシティが誇るロマンの正体、それは……」
おじさん「『ポケモンの化石』だよ!」
ーレッドSIDEー
レッド「……『ポケモンの化石』?」
おじさん「そうとも!もしかして化石の話を聞くのも初めてなのかい?」
レッド「……テレビでなら少しだけ見たことはあります。でもそれ以上は……」
おじさん「なるほどね。……よし分かった!なら最初は君達にポケモンの化石のことについて知ってもらうことにしようかな1!あそこに大きな建物があるのが見えるかな?」
そう言われて私達がおじさんの指さす先に目を向けると、そこには何とも厳かな雰囲気を醸し出している大きな建物の姿があった。
さっきから白衣姿の人達が出入りしているから、研究所かそれに近い施設なのかな。
それで名前は……
レッド「……『ニビかがくはくぶつかん』」
おじさん「お!あの小さな文字まで見えるなんて、お嬢ちゃんは目がいいんだな!いやはや何とも羨ましい限りだよ!私なんかは最近めっきりと視力が落ちてしまってね~」
レッド「……メガネはかけないんですか?」
おじさん「普段ならそうなんだけどね、今日はたまたま家に忘れてきてしまったのさ。家のニドリーノと来たら、何故か私のメガネがお気に入りみたいでね。ついつい貸してしまってそのままってことが多いのさ!いや~参ったねぇ~」
はっはっはっと大きく口を開けて豪快な笑い声をあげるおじさん。
その時の彼の様子からは、多少の失敗は気にしないという本人の大らかで明るい性格が見て取れるようだった。
私じゃとても真似できないからちょっとだけ羨ましいな。
……でも。
レッド(……もしも私がこの人みたいに明るい性格だったら、もう少し他の子達とも仲良くなれたのかな?)
そんなありもしないことを考えながら少しだけ気分を落ち込ませていると……
ゼニガメ「ゼニ~」
カラサリス「……」
いつの間にか私の両脇に近づいていたゼニガメとカラサリスの2人が、優しい笑みを浮かべながら私の服の裾を軽く引っ張ってくれていた。
この時の2人の目は「大丈夫。私達は今のままのレッドが大好きだよ」と言ってくれているようで……。
それを見た私は思わず涙ぐみそうになってしまったよ。
もう何度目になるかも分からないけど、この子達が居てくれて本当に良かったとも思えたしね。
だから私も、そんな2人お礼の気持ちを込めながら、この子達の頭を優しく撫でてあげたんだ。
後でおやつもちゃんとあげなくっちゃ、なんてことも考えながらね。
おじさん「さてと……それじゃあここで話すばかりなのもなんだし、よければ私がこのままかがくはくぶつかんの中を案内しようじゃないか。あそこの館長とは旧知の中でね、あいつからも色々と面白い話が聞けると思うよ!それに、はくぶつかんの隣にはグレンタウンの研究所と連携して化石ポケモンの復元を研究している施設もあるんだ!よければそこも見れるように言ってあげよう!さぁさぁ時間は待ってくれないぞ!じゃ、レッツゴー、だ!」
私がゼニガメやカラサリスと心の交流していると、おじさんはすごく明るい表情でそんな言葉を次々と口にしながら、そのまま意気揚々といった様子でとはくぶつかんへと歩いて行ってしまった。
その後ろ姿を、私達はポカンとした表情で見つめることしかできなかったよ。
ゼニガメ「ゼ~ニ~……」
カラサリス「……」
レッド「……確かに、結構グイグイ来る人だね。でも悪い人じゃないと思うよ?」
ゼニガメ「ゼニ?」
カラサリス「……?」
レッド「……何でわかるのかって?だってあの人……」
おじさん「お~い、お嬢ちゃん達!早くおいで~!」
レッド「……今行きます。行こうか、2人共」
ゼニガメ「ゼニ~!」
カラサリス「……!」
レッド(だってあのおじさんの少しだけ強引なところ、いつも私を引っ張ってくれるグリーンにそっくりだからね。……まぁ、彼はあそこまで豪快に笑ったりはしないと思うけど)
そんなことを思いながらおじさんの後を追いかける私の顔には、知らず知らずの内に小さな笑みが浮かんでいたのだった。
ー番外編 ニビシティの人から見たレッド①ー
え?何々どうかしたの?ああ、あのおじさんのこと?
あの人っていつもあーなのよ。私がニビシティの素晴らしさを皆に伝えるんだーって張り切っててね。
別にそれ自体には問題ないし、この街の住民としても有り難い限りなんだけどさ……まぁその、あの人ってちょっと暑苦しいのよね。
いや、いい人ではあるのよ?でもかなりグイグイ来るタイプの人だから、観光客や旅のトレーナーさん達からはちょっとだけ敬遠されててね。
本人は全然気にしていないって言っているんだけど、やっぱり結構堪えてるみたいで……。
だから私、そんなあの人と仲良く話していたあの帽子の女の子のこと、素直にすごいと思ってるわよ?
普通、あの位の年の子って大人の男の人に対しての免疫があんまりないじゃない?
それなのに、あのおじさんみたいなグイグイ人にも気後れせずに話せるのは本当にすごいと思うのよ。
まぁ、お喋りなおじさんと寡黙なあの子とでバランス的には丁度いいのかもしれないけどね。
それにしてもあの子の連れているポケモン……多分虫ポケモンだと思うけどかなり珍しい姿をしていたわよね。
昨日ウチに来たツンツン髪の男の子の肩に留まっていた鳥ポケモンもここら辺じゃ見かけない子だったみたいだし……。
私も久しぶりにトキワの森に行ってみようかしら?
by ニビシティ・ポケモンセンターのジョーイさんの談話
ーレッドSIDEー
館長「これがこうらポケモン、カブトの化石じゃ。かつてはその強固な甲羅で身を守りながら太古の海の底で生活をしていたと考えられている」
レッド「……硬い甲羅。何だかゼニガメと少し似ている、かも?」
ゼニガメ「ゼニ!ゼニゼーニ!」
レッド「……『私はあんな変な格好じゃないよ!』って?……うん、そうだね。貴方はとっても可愛いよ」
ゼニガメ「ゼニっ」
カラサリス「……」
レッド「……勿論、貴方もね?」
カラサリス「……♪」
レッド「……ふふっ」
館長「うむうむ、仲良きことは美しきかな、じゃな。それでは、次の化石の解説に移ろうかの?」
レッド「……はい、よろしくお願いします」
ゼニガメ・カラサリス「ゼニ〜♪・……♪」
ニビシティの入り口で出会ったおじさんに連れられて、ワクワクした様子のゼニガメとカラサリスの二人と一緒にかがく博物館を訪れた私は、そこでおじさんから紹介して貰ったここの館長さんに、館内で展示されているたくさんのポケモンの化石達についての色んなことを教えて貰っていた。
最初はどんなに難しい言葉が出てくるんだろうと少しだけ緊張してしまっていたけれど、そんな私の心配とは裏腹に館長さんのお話はすごく分かりやすくて、いつの間にか私とゼニガメ達はこの人の語る化石の話にすっかり夢中になってしまっていたよ。
やっぱり知らないことを知れるのはすごく嬉しいよね。
この時にはさっきのカブト以外にも進化系であるカブトプスや、うずまきポケモンのオムナイト、オムスターなんていうポケモンについても知ることが出来た。
中でも特に私が興味を持ったのは……
レッド「……この子、すごくカッコいい、ね」
ゼニガメ「ゼニ〜……」
カラサリス「……」
灰色の体に大きな翼を持った恐竜のようなポケモンについてだった。
レッド「……大きなお口。牙も大きいし、もしかして食いしん坊さんだったりするのかな?」
館長「ほう、レッドくんはこの『プテラ』に興味津々かな?」
レッド「……プテラ?」
館長「うむ。このプテラは先ほど解説したカブト達とは違い、主に空を生息域にしていたポケモンでな。岩のように硬い体と、その重さを感じさせない機敏な動きで、自由自在に大空を飛び回っていた考えられているすごいポケモンなのじゃよ」
こちらの疑問に対して詳しい答えを返してくれる館長さんの言葉に耳を傾けながら、私は改めて目の前のプテラの目付きに模型に目を向けた。
鋭い目付きに大きな爪、そしてそれ以上に目を引く体以上に巨大な一対の翼。
一見すればとても怖い見た目のポケモンではあるのだけれど、何故だか私は、このプテラというポケモンのことをちっとも怖いとは思っていなかった。
それどころか、この子の目つきの悪さには恐怖どころか奇妙な親近感すらも覚えていたのだ。
レッド(まぁ私の場合は、よくグリーンから『お前の目つきはにらみつける以上の効果がありそうだよな』なんて揶揄われていたから、なんていうすごくどうでもいい理由があったからなんだけどね。……貴方もそうなのかな?何時か貴方とお話出来たらいいなぁ)
そんなことを思いながら、私が物言わぬ模型プテラの大きな姿を眺めていると……
おじさん「やぁやぁ、お嬢ちゃん達!博物館巡りは楽しんでくれているかね?」
???「親父……幾ら今は見学者がいないからって、館内ではもう少し静かにしてくれよ……」
そこへ私達を案内してくれた浮かべたおじさんと一緒に、そんな彼によく似た若い男の人がやって来たのだった。
……この人、誰だろう?
レッドちゃんかわいい。
なにこれ尊い…
Zigoroさん
レッドちゃんとグリーンくんの絡みは尊い……
ヒトカゲの密かなアダ名「ムッツリ」にリアルに笑った(笑)
ムフロンさん
ヒトカゲも男の子だからね、仕方ないね♂
どうも!のわっちさんの作品、読ませていただきました!
カントー地方かぁ……ストライク欲しさに、サファリゾーンに籠りっきりになったのはいい思い出……
500円が何回吹き飛んだことか……
レッド、可愛い!こう、淡々と物申すキャラは好きですねぇ。ゼニガメも……うん。尊い……
グリーンのヒトカゲのNNが表記された瞬間、パソコンの画面の前で、声出して笑ってしまいましたwww
何て的確なNNなんだ!
続きの更新、楽しみに待機させていただきますね。
柔時雨さん
どうもどうも、のわっちです。
私の作品も見ていただいたとのコメント、ありがとうございます。
初代のサファリは時間制限(歩数制限?)が厳しくてね……金の入れ歯を探すのにどれだけ苦労したことか
レッドちゃんは可愛い、これ心理。ゼニガメもまた同様、常識ですね?
ムッツr……ヒトカゲの活躍はもう少ししたら書いていきたいですね〜。
ではでは、また次回お会いしましょう。
ケムッソも可愛いっすねぇ!
でもやっぱり思うんです
レッドちゃん可愛い
じつはポケモンでもレッドパ使ってるくらいにはレッドが好きです
Zigoroさん
ケムッソは可愛いですよね!あの赤いトゲトゲな感じが特に……
進化系はカラサリスでもマユルドでも丸くて可愛いし、アゲハントもドクケイルもどっちも可愛いし……うむ、いい……
レッドちゃんが可愛く表現できていれば嬉しいですね〜
レッドパは……フシギバナ、リザードン、カメックス、カビゴン、ピカチュウ、エーフィでしたっけね
強い(確信)
エーフィじゃなくてラプラスでも間違ってなかったりしますw
ブイで思いつくのが2匹しかいないっすねw
Zigoroさん
ラプラス、そういえばレッドの手持ちにいましたね!
サイコキネシスも冷凍ビームもハイドロポンプも覚えるし、確かに汎用性は高い子ですね、うん。
ブイで思いつくポケモン……一体何ーブイなんだ……?
ども!更新された分を読ませていただきました。
ほう……このタイミングでこのブイが……レッドちゃんも中々、運が良いですね。
そんで、グリーンの手持ちにも進展が!
ムックルかぁ……あの子もちんまくて可愛いですね。そしてNNのセンス……
マメパト 『 ………… 』
マメパトが 何か言いたげに こちらを 見ている ▼
柔時雨さん
例のモフモフちゃんですが、実はすぐにレッドちゃんのお友達になるわけではないのです。
暫くはお助けキャラというか仲間フラグがたった有力モブみたいな扱いになるかと思います。
グリーンくんも他地方の子をゲットしました。
NNセンスは相変わらずですがね……何でハトキチなんだ……まぁハトだけど……
次回も可能な限り早めに投稿させていただきますね。
また、オススメもしてくださり本当にありがとうございました。
顔面はがねタイプ、は草
ひなさん
実は表情こおりタイプとか表情筋いわタイプみたいな派生もありました
でも語感的には顔面はがねタイプが一番ですかね、うん