狐と蔑まれた少女[chapter: 戦ですかそうですか ]
ポケットモンスターの二次創作です。
スローペースですが気が向いた時に覗いて頂けるとありがたいです。
初めてここで書くので何かやり忘れがあったら報告下さい追加します。
基本的にはこの物語は時間軸は未来ですが本編は回想の形で送っている少女の時がメインとなります。
まあ内容は現在に至るまでの経緯を語るものです。
第一話は長年戦争が続いていたが疲弊し一端平和になるも。
資源が枯渇しはじめた現代でまた新たに戦争が勃発。
その戦線での話です。
かつて・・・戦があった。
幾億もの血を流し、あまねく世界・・・そして人々が今を必死に生きようとしていた時代。
第1次北欧魔物大戦。ユーラシア大陸の北半分の人口が3割にまで減少した人類最悪の所業。
アルトカイザーライヒと西の隣国各国の連合国。
そしてそれらの国々の領土を合わせても尚届かぬほどの広大な領土を所有する東の極寒大国。
互いに争う理由は忘れ去られる程に・・・戦いは長く続いた。
携帯獣・・・のちにポケモンと呼ばれる、兵器の代わりとして使役されていた生き物達。
それを使って2つの勢力が争った、終戦したのはそれから120年後のことである。
互いにあまりにもの損害と生態系へダメージを与え過ぎた結果。戦争という環境は生まれて進化もしていないポケモンと。
恋すらしていない10代前半の子供しか生き残っていない見るに堪えないモノだった。
それも今や伝説の・・・おとぎ話の世界と何ら変わらなくなった、遥か未来の世界である現在。
【アイングラード防衛線】
塹壕の中に東の国の赤の防寒着を着た将校が三人。
蝋燭の灯りで照らされた満足な広さもないこの部屋で防衛の指揮を執る者たち。
たまに蝋燭の火が揺れ、不気味に動く影。
そこに風が通り抜けるほどの隙間・・・ダクトがあることが分かる。
「さて、現在この防衛線で耐えて3週間。大きな動きもなく足止めに成功している。
地雷代わりのまきびしと岩タイプの堅牢な壁。そして空からの絶え間なく与え続ける攻撃によって
今まで耐えている。これは他の防衛線が抜かれることなく、ただ前のみ守ることに専念しているから維持できる
補給物資の運搬経路あってのこと。それ即ち・・ここを抜けられればこの場所を起点に他の防衛線の背後に回られ。
一気に防衛線は崩れる恐れのある事だ。努々気を緩めることなく防衛に徹することが我々の任務だ。」
これは東の防衛対策として、国境から内陸側300km地点に防衛線を敷き。
守りに徹し、互いの保有物資の我慢比べを強いる大国だからこそ出来る戦術。
だが守りに徹し、相手が疲労し気力を無くした後に一気に攻めるその戦術を前に、
疲弊している状態で行うにはあまりにも長引き過ぎていた。
一点突破すら躊躇わせる、この戦線の状況を攻略出来ていなかった。
「だが相手もそろそろ穴を見つける頃だろう。流石に地中を掘られると厄介だぞ。」
もう1人の将校はなんの対策も練れていない地中からの攻撃を恐れていた。
「仮に、お前が逆の立場だとして、来るか?地中から。」
口を紡ぐ将校・・・答えは『しない』だった。確かに打撃は与えれるだろう。
だが目の見えない状況の地中から攻めるにもどこへ出る?食糧庫か?それとも遥か後ろか?
それは不可能だ。まず塹壕だらけで外から見てもどこが何か分からないのに貴重な兵力を割くなど出来ない。
そして遥か後ろを行くにしても、時間がかかりその間に探知され、
軍勢が穴を通っている隙に地震でトンネルを埋められれば壊滅の恐れがある。
そんな賭けを行うなぞ出来るはずもなし。
「安心しろ。地中からなぞそんな状況になることはない。」
【アルトカイザーライヒ前線司令部】
通信施設の大型テントの中、将校1人と部下20数名の通信資格の持つ者が慌ただしく怒号を響かせる。
「まだ落とせんのか!もう3週間たったのだぞ!塹壕を掘り進めろ!
いざとなったら穴を掘って敵中央に進軍する!ダグトリオ部隊の編制を急がせろ!」
「指令!敵の情報がないままでは!」
「その情報を掴むために!おまえたちは無線の傍受に専念しておるのだろ!こんな、こんな辺境の土地に飛ばされ、
結果を出さねば我が血族に烙印を押される!クズの!役立たずの烙印を!」
イラつく指令と冷静であろうとする現場。現場は身内とも戦う最中、敵の通信の雑音すらまるで鳴らないゴーストを聴こうとしている。
そして鉱山という対象に対し、打開策という適切な道具を選択出来ずガムシャラに兵という名の素手で血だらけにしながら掘り進むことしか出来ない。
ホコリが充満したトンネルで、火打石がころがった道をピッケルで打ち付けるような
・・・そんな危うさを持っていた。
「ふっあああああ~・・・・う~ん。」
奥のソファで横になり、帽子を顔に被せて寝ていた女性が起きた。
服装は白いブカブカのズボンと軍服の上着を身に着け。
赤いコートに袖を通し。
狐のような三白眼が特徴的な目をしていた。
名はフクス=シュッツェと言う。
「なんだ、まだ居たのか女狐。」
その言葉を聞いたフクスは困った顔で両手をジェスチャーで上げて『やれやれ』と意思を表示し。
「ツレませんなあ『現』前線司令。いまだに突破の目途が立たず、それどころか閣下殿から預かった兵力20%の損失。
私は今帰れば土産話の1つとして上げなければならない話題選びに困っており。
武勲の1つ上がるまで帰れないこの身になって頂きたい。」
「ふん!貴様なぞ帰ってもだれも気にも止めんわ!帰れ!」
被った帽子の鍔を摘まんで視界を遮るように下げ、
『ああ、こいつに任せてたらいつか全滅するな。これはここの部下もかわいそうだ同情するよ』
と内心思うがこいつも貴族。どうとも思わないがそれを言って変に睨まれでもしたら色々面倒だ。
ここは『借し』を1つ作って差し上げるか。
「そう仰らないで下さい。あたしめが起きたのには理由がございます。」
「ほおう?して?どうすると言うのだ?」
【アイングラード防衛線】
「さて、そろそろ食事にしようか。今日はこのくらいで十分であろう・・・。」
3人の将校は会議を終え、指を鳴らして食事の指示を出すと部屋の前で待機していた兵が伝令として走って行く。
足音が段々遠くなっていき地図等を片づけていたその時に蝋燭は揺れ、次第に揺れ幅が大きくなると根本から蝋燭は落ち、
次は地震が起きた。
「う・・おおお!なんだ!」
バアアン!
机のあったその位置の下から土砂が湧き出し。その場にいた将校は全員壁に吹き飛び椅子が舞い上がる。
パシ!カッ!ギシッ!
土砂の中から手が出て舞い上がった椅子1つを掴み、土砂の中から現れた女性が地面に椅子を置き座り込む。
「グーテンターク。ひょっとしてランチの時間だったかな?
いやーオジャマしました。あ、コーヒーあります?」
「き!貴様は『狐の女将』!なぜここが!?位置すら分からないはずだ!」
「へえ・・・そっちじゃそう言うんだ。」
現れたのはドリュウズとフクスであった。
その質問にチッチッチとウインクして歯を見せながら答え出す。
「簡単な推理だよワトソン達。確かに完璧だよ無線を使わず施設をバラバラに配置。
重要施設・・急所を隠すまさに鉄壁いや『正体不明の化け物』だ。どこが頭か探すのに苦労したよ。」
「偶然で当てたのか!そんなバカなことがあるか!」
「いえいえ。あたしこれでも運がなくてねえ。ジャパニーズおみくじで吉とついた紙を当てたことがないのよ。
いやねえ?中々通信しないもんだから一応空からずううっと見て貰ったんだけど大層な食事を運んでたからね?
伝令探すよりもピンと来たもんだからそれにウチのバカが気づくかなーって『2週間と5日』待ってたの。」
「「「・・・あ。」」」
「あっはっは!いやーネタ晴らしした時の顔すっごく間抜けでさあ!写真あるけど見る?!
もーこれ傑作でさああ!じゃあ・・・」
モンスターボールを取り出し・中からラプラスを呼び出し
「じゃあね♪波乗りよろしく!」
【アルトカイザーライヒ前線司令部】
敵側の陣営が水浸しになり。投降してきた兵や負傷兵の後処理を行っていた。
フクスは土砂まみれになっていたのでシャワーを浴びてパンツとカッターシャツ姿になっていた。
「いやーありがとうございます将校様♪よ、将軍の中の将軍♪」
「五月蠅い、あとその恰好なんとかせぬか。」
「いやーん将校様のえっt「服を着んか馬鹿者おおお!」
ゲンコツを食らい涙目になるフクス。
「ひーん・・・将校様のいけずー。」
「これで帰れるであろう。さっさと行け。」
「はいはーい♪じゃあ・・・
次閣下の期待に背くことしやがったらその首千切って爆薬詰めて敵陣地に投げるから、
そのつもりでいろよ。」
一気にドスのきいた声を耳元で囁き。将校は見てはいないが相手は尋常じゃない目付きで見ているのが
寒気として感じれていた。
コッコッコッコ・・・。
「・・・はあっ・・!」
「指令、あの娘はいったい。」
「平民出の・・他所の国から逃げて来た・・・気にくわない閣下の客人だああ!」
フクスの歩いている所にまで椅子と思わしきものが跳ねる音が聞こえて来た。
「あーあ。怒ってやんの。いつ気付くかなあ・・あたしがただ見に来ただけじゃないって・・・
もう見限られてるってのにさ・・・帰ったら『みんなの閣下』に戻らないとな・・・」
これは、フクス=シュッツェが今に至るまでの1つの歴史・・物語である。
基本的にはフクス本人はコメディチックですが。
真剣な現場と明らかに空気が違うので狂人にしか見えません。
それは後を考える人間と失うものがない人間の違いでしょうか。今後を期待頂きましょう
どうも!こちらでは、初めましてですね。 柔時雨です。
作品、読ませていただきました。おぉう……フクスさん、中々良い立場……役職(?)に居られるようで。
どういう過程を経て今のその地位に就いたのか、やらかしたラプラスはどのように仲間にしたのか
今後の投稿を、楽しみにさせていただきますね。
ありがとうございます!ミヤビです!
ウチのフクス頑張って役職さんになりましたよ!
ちょくちょく書こうとは思いますが、
思いのほか長くなりそうなので話数跨ぐ可能性あり!早めにあげようとは思います!
はじめまして、のわっちです。
ポケモンssを投稿されたと聞いて飛んできました。
私クチートが大好きなので、活躍がみれるのは嬉しいですね。
勿論、ゾロアークも好きです!
これからも頑張ってください!
のわっちさんあざます!
まさかの宣伝頂いているのを聞いてくれてるとはΣ(๑╹ω╹๑ )感謝!
クチートは完全趣味でゾロアークはお狐様ということで入れて見たという!
当初カクレオンを採用する所をゾロアークがその席を勝ち取りました( ・∇・)
応援ありがとうございます!