2019-01-21 19:28:41 更新

概要

提督と艦娘たちが鎮守府でなんやかやしてるだけのお話です

注意書き
誤字脱字があったらごめんなさい
基本艦娘たちの好感度は高めです
アニメとかなんかのネタとかパロディとか
二次創作にありがちな色々


前書き

67回目になりました
楽しんでいただければ幸いです お目汚しになったらごめんなさい
ネタかぶってたら目も当てられませんね

それでは本編を始めましょう


 ↑ 前 「提督とみつよ様」

 ↑ 後 「提督と姉妹」





提督と密室


XX鎮守府


ー休憩室ー


気が早いとは思っていた


そりゃ、クリスマスが悪いっては言わない

あたし だって楽しみだ。けれど、一ヶ月も前から準備を初めたりして

ちょっと浮かれ過ぎなんじゃないかしらって


天津風「ま、こんなものね…」


部屋の隅を片付け終えると、クリスマスツリーを置くくらいのスペースは出来ていた


いつき「この辺りで良いですか?」

天津風「ええ、お願いするわ」


そこへ、クリスマスツリーを抱えた いつき(提督)がやってくると

開けた場所に、ゆっくりとそれを降ろす


いつき「年末になると、どうしても忙しくなりますからね」

天津風「はぁ? なによ、いきなり…」


そんな事は分かってる

分かっていても ついた悪態は、その実、気を使われた事への くすぐったさからだった


いつき「いや、あんまり乗る気ではなさそうだったので」

天津風「それはそれっ。どうせ やるんだから、しっかりやらないとしょうがないでしょっ」


また出た悪態に、内心顔をしかめる

何もそんな言い方をする事はないって、自分でも分かってはいた


もっと、こう

他の娘たちみたいにと、想像してはみるけれど


島風「クリスマスまだーっ」


せっかちっ


時津風「あたしへのプレゼントはコレとかどうかなー?」


ずうずうしいたらっ


雪風「サンタさん、雪風の所にも来てくれるでしょうか…」


子供かってのっ


しかし、想像した案はどれもこれもが極端過ぎて参考にならなかった



いつき「そうですね。ゆっくりしていると、また島風に急かされそうですし」

天津風「早すぎるのよ、あの娘は。ハロウィン終わった その日からだったじゃない」

いつき「僕は元気で良いと思いますよ」

天津風「あなたが甘い顔するから」

いつき「あはは…。怒るって、どうも苦手で…」


いつき が笑っている

楽しそうに笑っている、困った様に笑っている、誤魔化す様に笑っている


どっち付かずなその笑顔


それが、なんか気に入らなかった


気を使われるのは嬉しい、自分を見ててくれるのは嬉しい


けど


顔色を伺うようなその笑顔


それだけは気に入らなかった


だってそれは…


天津風「あなたね…」


開きかけた口

また、小言を言いそうになっている自分に 嫌気が差し込むその前に

良くも悪くも、別のことが気に掛かる


天津風「ん…そういえば、飾りは?」


目の前には飾り気の無い ただの植木だけ

これをクリスマスツリーと言い張った日には、島風とか時津風(うるさいの)がもっとうるさくなりそうだった


いつき「ああ、今からとりに…」

天津風「良いっ、あたしが行くから」


立ち上がりかけた いつき を制して、割り込むように扉に向かう


いつき「ですが、結構量が…」

天津風「座ってなさいな、あなたは。それぐらい一人で出来るんだからっ」


問答無用とばかりに扉を閉める

その隙間に見た彼の顔は、また笑っていた



ー廊下ー


ごんっ


壁に頭をぶつけた

廊下の曲がり角を曲がらずに、そのまま真っ直ぐ、壁をおでこで受け止めた


たぶん、誰かに叱って欲しかったのかもしれない


天津風「もうっ…言い方っ…」


彼の笑顔が引っ掛かる


それはいい


自分のその感情が間違ってるとは思わない

思わないからって、彼に当たって良い分けはもっとない


不満があれば きっちり伝えるべきだし。そうでないなら、胸の奥に閉まっておくべきだ


天津風「…子供かってのよ…」


壁から返ってきた自責の言葉に苛まれる

いっそ、誰かに言われたかったが。こんな感情、誰に相談したものか…


少なくとも…


雲龍 「…たっち」

天津風「ひゃんっ!?」


雲龍(コイツ)だけはないと思った


天津風「な、なによっ、いきなり何するのっ!?」


雲龍さんのヒンヤリとした指先からお尻を庇いながら、たたらを踏んで振り返る


雲龍 「…桃があったから、つい…」

天津風「何がどうして桃に見えたのよっ」


いつき もそうだけど、コレもコレで何を考えているのか分からない

曖昧な いつき の笑顔もそうだけど、ふわふわとした彼女の笑顔はもっと捉え所がなかった


雲龍「…失礼。お尻、だったわね」


くすくす と笑っている雲龍さん


それに嫌な物を感じて先手を打つことにする


天津風「あなた…。お尻があったから触ったとか言ったら怒るから」

雲龍 「…天津風」

天津風「なに? やっぱり図星ってわけ?」


笑顔を畳む雲龍さん

次の言葉に身構える私


しかし、その表情は次第に憂いを帯びていき、嘆かわしいと彷徨い始めた


雲龍「女の娘が、あまり お尻お尻と 言うものではないわ」



ぷつっ…



音が聞こえた気がする

堪忍袋のその尾が切れた、そんな音


天津風「あなたが言い出したんでしょうがっ!!」


踏み込んだ

そのまま雲龍さんの服を引っ掴んで、ガタガタと揺さぶりを掛ける


雲龍 「そんな、人がせっかく”桃(お尻)”ってビブラートに包んだのに」

天津風「オブラートよっ、なにを震わせてるのよっ、鬱陶しいたらっ」

雲龍 「だからお尻をね…」

天津風「きゃっ!? 触わらないでって言ってんでしょっ」


震えが走るお尻から、慌てて雲龍さんの手を振り払うと、そのまま後ずさる


「天津風の怒りん坊…」


そんな一言と一緒に、今度は逆に踏み込まれた



背中には固い壁、顔の横には雲龍さんの手が置かれて

廊下の曲がり角に押し込められる形になる


天津風「怒らせてるのは あなたでしょうっ」

雲龍 「怒らせてるのは あなたでしょう?」

天津風「真似しないでってばっ」

雲龍 「真似はしてないわ」

天津風「だったらっ」

雲龍 「だからって」


いい加減付き合いきれないと、彼女の腕に掛けた手は…


「提督に当たることはないでしょう?」


そんな一言で萎んでいった


誰かに叱ってほしかった

望んでいた一言が降って湧き、身動きが取れなくなる


上から覗き込んでくる雲龍さんの瞳

雲のように、ゆらゆら と漂う金色の光が、心の奥まで流れ込んでくるようだった


天津風「だって…」


なにか言い訳をしようとして、けれど何も思い浮かばずに口を閉ざす


そんな私を見下ろしながら、雲龍さんが小さく笑っていた


雲龍 「分かるわ」

天津風「何がよ…」

雲龍 「彼、いつも頑張っているものね」

天津風「それは…」

雲龍 「本当は少しでも休んでて欲しかったんでしょう?」

天津風「…うん」


だんだんと、言い返す言葉も見つからなくなり、次第には頷いてしまっていた


そんな私を見下ろしながら、雲龍さんが小さく笑っている


小さく笑いながら


そっと、顔を寄せてきた


雲を掴むような彼女の髪が、頬をくすぐってくる そんな距離で


雲龍 「彼の事が好きなのね…」

天津風「…うん」


と、呟いた振りをして、雲龍さんの肩を押し返した


天津風「なんていうとでも思ったの?」

雲龍 「おかしいわね。マンガでは上手く言ってたのに」


冗談で言ってるはずなのに、冗談であって欲しいと思うのに

それが、本当に分からないと首を傾げているようで、少し怖くも思う


天津風「ベタっ。そんなんで引っ掛からないんだから」


そっぽを向いて、廊下の先へ

こんなんに時間を取られすぎた

あんまり もたもた していると、いつきが様子を見に来てしまう


それじゃ意味がない


どれだけ胡乱な言葉だったとしても


「本当は少しでも休んでて欲しかったんでしょう?」


この言葉だけは図星だった

あの時、本当に伝えたかったのは


「私がとってくるから、少し休んでて」


簡単なこと。有り触れた言葉

ただ、それだけを言いたかっただけなのに


天津風「後で謝らないと…」


上手く言えると良いんだけど


物置に向かう短い途中

そんな状況を何度も思い浮かべていた




廊下の壁に背中を預け、去りゆく彼女を見送る雲龍


一つ、分かった事がある


少なくとも天津風が、それを「ベタ」と言える程には理解があるという事

思い返せば、そんな光景は何処となく思いつくものだけど

そんな光景にたどり着く所までは読み進めていることになる


それと、分からない事が一つ


「そんなんで引っ掛からないんだから」


此処だ、これをどう受け取ったものか


そんな誘導尋問なんかに、引っ掛からないんだから?


それとも


引っ掛かりそうになるくらいには、意識をしていたのか


雲龍「…ふふっ」


思わず笑みが溢れる

これなら予定通りに事が進みそうだと、内心ほくそ笑んでもいた


少なくとも、ラブコメに興味があって、彼の事を憎からず思っていると


条件としてはコレで十分


期待通りになることを期待して

ふわふわ と、足取りが軽くなることを自覚しながら、こっそりとその場を後にした



ー休憩室ー



閉ざされた扉を前に、困った顔をしている いつき

そのうちに答えは出たようで、天津風を追いかけるように扉に手をかけた


阿賀野「みぃ~っちゃった♪」


そんな彼の後ろからこっそりと、そんな彼の背中をゆっくりと…

しかし我慢は出来ずに、そのまま抱きついた


驚く いつき。慌ててバランスを取ろうとした体が揺らいでいる

それが可愛くって、そのまま体重を掛けていった


大きくなる傾斜。このまま行けばラッキースケベが期待できそうだ

べつにー、阿賀野はそれでも良いんだけどー、ていうかそのつもりだしー


しかし、なかなか期待通りには行かないのも世の常で


開いていく傾斜がピタリと止まると、次第に復元していった


阿賀野「さっすが男の子♪」


何のかんので逞しい

普段は頼りない感じなのに、ちゃんと支えてくれる所に胸がときめいた


いつき「居たんですか、阿賀野…」

阿賀野「あっ、ひっどーい。阿賀野は眼中にないっていうんだー」

いつき「いや、そうは言って…」


まあ、単純に見えていなかっただけなんでしょうけど

デカい植木を抱えて よっこらしょの後は、天津風と話していたし

奥に居た私に目が向かなかった事までは理解する


けど


「居たんですか」と、言われたら

少しくらい いじめたくなるのが姉という生き物だったりする


阿賀野「そんなに若い娘が良いっていうのっ」

いつき「阿賀野だって十分…」

阿賀野「そんなに若い娘の お尻が良いっていうのっ」

いつき「増やさないでください…」

阿賀野「じゃあ言ってっ」

いつき「何を…」

阿賀野「阿賀野の おっぱい のが好きって言って」

いつき「気は確かですか…」

阿賀野「正気じゃね、愛は語れないのよ…」

いつき「ダメみたいですね…」


私をぶら下げたまま、肩から力が抜けていく

諦めと一緒に、動揺が落ち着いていくのが肩越しからも見て取れた


阿賀野「そりゃあ、阿賀野はダメダメだけどさー」


そんなん言われなくても分かっている

分かっているから、こうして おんぶにだっこをされている


阿賀野「いつき だって、あんまり女の娘を困らせたらダメじゃない?」

いつき「確かに、これ以上阿賀野を甘やかしたら ダメだとは思いますが」

阿賀野「私の話じゃないよっ。阿賀野は良いんだよっ、むしろもっと甘やかしてっ☆ミ」

いつき「いえ、コレ以上は矢矧案件ですので…」

阿賀野「あー、それねー…」


矢矧のグーが飛んでくる、そうなる前に話を元に戻したほうが良さそうだった


阿賀野「まあ、私の話は置いといて。問題はあまつんだよ」

いつき「やっぱり、そこですか…」

阿賀野「おー? 知ってて話を逸したなー?」


お仕置きとばかりに いつきを抱きしめると、ムズがるように体を動かしている


可愛い…


気にしているのが良く分かる

阿賀野の、声が、髪が、肌が、程近くにあるのが照れくさくてしょうが無いのだろう


いつき「ぼ、僕が取りに行くとは言ったんですが…」


声が震えている


可愛い…


けど、あまり可愛いばかりも言ってられない

むしろ、可愛いから言う事は言っておかなきゃダメだと思う


阿賀野「昨日、寝たのは何時?」

いつき「…」

阿賀野「言えない時間?」


ほら見たことか

あんまり続くものだから、日付が変わる前には寝ろと約束させたのに

こっそりと、仕事(いけない)事をしているんだから、始末の悪い


阿賀野「それに、今日の総員起こしは いつきだったよね?」

いつき「…」

阿賀野「島風ちゃんが悔しがってたなー。負けたーってさ?」


さて、此処で問題です

遅寝早起き。その上、急ぐでもないクリスマスの準備まで手伝って


阿賀野「そりゃ「私が行くから、あなたは少し休んでて」って言われるよね?」

いつき「そんな事言ってましたっけ?」

阿賀野「そんな風に聞こえなかった?」

いつき「それは…そう、ですね」

阿賀野「よしよーし。物分りの良い子は好きだぞー」


邪魔な帽子を取り上げて、こっちゃがええのんかと頭を撫でくりまわす

しかし、それも慣れたもの。隙きを見て、阿賀野の腕の中から抜け出すと

「では…」と、前置きして部屋を出ようとしていた


阿賀野「ちょい、お待ち」


取り上げた帽子を頭に引っ掛けて、再び手元まで手繰り寄せる


阿賀野「お姉ちゃんの お話を聞いていた?」

いつき「はい。ですが、休めと言うなら天津風と一緒でも良いでしょう?」

阿賀野「・・・」


これはダメね

阿賀野とは別の方向性でダメだ


一人で休むのは気が引ける


此処までは分かる


けど、此方が終われば彼方に行く


この子の場合は間違いなくそうするし

それが終わってやっと自分の事を片付けて、気づけば日を跨いでいたりもする

此処で天津風の所へ行ってしまえば、休ませたい天津風とまた揉めるんだろう


どうにも…


阿賀野「ダメでーすっ」

いつき「え、ちょっと…阿賀野…!?」


いつきを抱え上げてソファに飛び込むと

そのまま、抱きまくらの如くに、腕を回して、足を絡ませ


秘技、狸寝入りっ!


阿賀野「大丈夫だからっ、お姉ちゃん寝てるからっ、悪戯してくれていいからっ」

いつき「ハロウィンはもう過ぎましたよ…」

阿賀野「まだよっ! お姉ちゃんまだ悪戯されてないもんっ」

いつき「僕はさんっざんっされましたけど…」

阿賀野「一人だけ気持ちよくなろうってのっ」

いつき「言い方…。ていうか、寝てるんじゃなかったんですか…」

阿賀野「寝言よっ」

いつき「寝てから言ってください…」


呆れるような言葉とは裏腹に、端々から伝わる照れくささ

とんっと上がる鼓動に、何時もより少しだけ上がる熱と、もどかしそうな吐息


ふっふっふっ…


逃げられまいし、逃すまい

どう動いても お姉ちゃんの温もりを感じざるを得ないこの状況


「少年よ阿賀野を抱け…」


阿賀野「くかー…」

いつき「寝言…ですか、流石に…」


いつのまにか、分かりやすい寝息が聞こえていた



ー倉庫ー


薄暗い部屋の中

壁沿いのスイッチを入れると、調子の悪い蛍光灯が訝しがりながらも明かりを灯す


部屋に入れば舞う埃

倉庫と言えば聞こえは良いが、実際はただの物置の体だった


天津風「少しは整理なさいよ…」


誰に当てるでもない愚痴が溢れる

実際、整理する必要な無いようなものが転がり込んできてるんだ

要るか要らないで言えば要らないけれど、捨てる気は起きないような物


たとえばクリスマスツリーとか


そんな時節の小物が並ぶ中を進んでいくと、ぽっかりと積もった埃に穴が空いていた


天津風「ああ、此処ね」


植木鉢の様な丸い後

周りに目をやれば、綺羅びやかな飾りの押し込まれた箱が2・3置かれていた


箱を持ち上げると、一緒に付いてくる埃に顔をしかめながら扉に向かう


ちかちか と、急かしてくる蛍光灯に押されながら、おぼつかない態勢で扉に指をかけた


天津風「あれ?」


開かない

ドアノブは動くのに、それだけだった

押しても引いてもビクともしてくれない


箱を置いてもう一度、それでもやっぱりダメで

自分が閉じ込められたのだと理解するのに時間はかからなかった

さらに、間の悪いことがもう一つ


ぱちん…


小さな音と一緒に蛍光灯から灯りが落ちた


天津風「嘘でしょ…」


薄暗がり…いや、それ以上だった

灯りと言えば、扉の隙間から漏れてくる廊下の光だけ


たったそれだけ


入った時は廊下からの光がまだあったけど

今は壊れた扉がその邪魔をしていた


天津風「はぁ…」


諦めて扉の傍へ腰を下ろす

騒ぎ立てた所で余り人が来る場所でもないし

それでも、足音が聞こえたらって期待もあった


嘘ね…


自嘲気味に嘲笑う

暗いのが怖い。そんな可愛い事までは言わないけれど

それでも、心細いとは思ってしまう


真っ暗な部屋で一人きり…


そんな中、隙間から漏れる僅かな光は、それだけでも多少の気休めにはなっていた



誰か来るかな? 誰が来るだろう?


取り留めもない思考で時間を潰す。益体もないと分かってはいても

例えば? と、その先を考えていないと気が落ち着かなかった


そう、例えばだ…


いつき…とか?


天津風「ない、か…はぁ…」


期待はしても都合が良すぎる

あんな言い方をした後だ。怒ってはなくても、わざわざ様子を見に来るまでは思えなかった


天津風「私が取りに行くから、あなたは休んでて…」


一人だとこんなに簡単に言えるのに


だからって、あんな笑顔…

誤魔化すような、遠慮するみたいな…


もう、結構な間一緒にやって来てるのに

もう少し頼ってくれても良いんじゃないかって思うのは我がまま なのか…


天津風「だからって…」


何も言わずに、ムキになってる私はなんなのか

勝手に思ってるだけで、そんなの伝わるわけがないのに


天津風「子供かっての…」


戻ったら謝ろう…

とは思いつつも、なんて切り出せばいいのか


例えば? どうだろう?

誰かの真似をしてみたりして…


島風「提督っ、ごめんなさいっ」


早い…

その場で謝れるのは、あの娘の良い所よね


雪風「ごめんなさい…」


素直だ…

これ以上責めたら、此方が悪者みたいになりそうなくらい


時津風「ごめんねっ☆ミ」


反省しろ…

笑顔で押し切ろうだなんて、騙されないんだから…


じゃあ、私は?


「だから、その、悪かったってば…」


天津風「言い方…」


勝手に謝って誤魔化すとか…


ごんっ…


自責の念を込めて、後頭部を壁にぶつけていた



がちゃり…


不意に、扉が開いた


まさか、壁にぶつけた衝撃で…なんてあるわけもなく

たまたま そうだっただけで。けれど、何処かで期待していた声だった


いつき「あれ…天津風? 居ないん…ですか?」


真っ暗だった部屋に光が差し込む

扉一枚を隔てて、感じられる彼の気配


いつき「灯りは…」


閉まっていく扉が、彼との隔たりを無くしていき


天津風「バカっ、ドア閉めちゃっ!」

いつき「へ?」


ばたん…


再び、部屋の中から灯りが消えた


天津風「はぁ…」


ため息。漏らさざるを得ない

別に、いつき が悪いわけじゃないけど…

少しくらい、悪態を付いたって今は許される気がした


いつき「ごめんなさい…まさか、壊れてたなんて…」


また、彼が曖昧に笑っている


扉一枚の幅を隔てて向こう側。それが、今の私と彼との距離

少し手を伸ばせば届きそうなのに、真っ暗な先には何も見えなくて

僅かな灯りに照らされる横顔は、ぼんやりとして良くは分からない


天津風「良いわよ、もう…」


何が良いものか

それを良いと言うなら、もう少し言いようがあるだろうに

それに、そんな悪態よりも言わなきゃいけない事もあるのに


「さっきは、ごめんなさい」


そんな簡単な一言が、喉に詰まって言葉にならない


・・・


しばらく続く沈黙

冷めた空気と、底冷えする部屋の中

床に直接座っていたせいか、だんだんと肌寒さが体を這い上がってくる様だった


天津風「くしゅん…っ!」


肌寒さに耐えかねた体が、身動ぎした途端だった

慌てて口を抑えても、飛び出したものは引っ込んではくれなかった


恥ずかしい…


変な声が出ちゃった

こんな静かな部屋の中、聞こえてない訳がない

何か言われやしないかと、恐る恐る横目で いつきの様子を伺った


ふわり…


天津風「へ?」


ふと、肩に掛かる温もり

さっきまで、確かにあった体温が、それを通して伝わってくる


天津風「これ…」


僅かな灯りの中に、それを照らしてみると

白い制服。それは、いつも 彼が使っているものだった


いつき「僕ので悪いんですが…今はこれしか…」

天津風「別に、イヤって訳じゃ…」

いつき「良かった…」


笑ってる


天津風「でも、あなたが…風邪引くじゃない…」

いつき「風邪くらいで済むなら」


また、笑っている

私を気遣ってくれるのは嬉しいけれど

それで倒れられたり した日には、私はどんな顔をすれば良いのか


「こっち、来なさいよ…」


どんな顔をしたんだろう、私は…

何となくでも、頬が染まってるのが分かるだけに、今だけはこの暗がりが有り難い


少しの間の後、隣に いつき が腰を下ろす

手狭な上着を二人で羽織り、体を寄せ合うと、自分の体が思った以上に冷えていたことに気づく


確かに感じる温もり


お互いを行き交う温かさ


肌寒さから逃げるように、知らず知らずに、彼の方へ寄りかかっていく


それに気づいたのは、彼の吐息が頬を撫でた時

それに気づいたのは、彼の鼓動が耳をくすぐった時


盗み見る いつき の顔

そうだったら良いのになと、期待した横顔は、少しだけ私の心を軽くする


天津風「何、照れてるのよ…」

いつき「それは、だって…」

天津風「いつも、阿賀野さん達とベタベタしてるじゃない…私なんかで…」

いつき「天津風だって…僕は…その、魅力的、だと…」

天津風「ふーん…」


結構、嬉しかった

素直に言えばそうだけど、素直に言えずに鼻を鳴らす


・・・


静かになる部屋の中

気まずい、というよりは、気恥ずかしい

お互いの沈黙が、何処よりもくすぐったかった


天津風「何か、話しなさいよ…」


我慢出来なかったのは私のほうだった

とりあえずでも気を散らしたくて、当て所もないことを口にする


いつき「何かって…」


また、曖昧に笑っている


天津風「それ…」

いつき「?」

天津風「だから、あなた、なんでいつも笑って誤魔化そうとするの?」


意外と、自分が思ってるより素直に聞いていた

きっと気の迷い、触れ合ってる肌のせい、この変な状況がそうさせたんだろうけど

言ってしまった手前もあって、それでも良いかと、落ち着いている自分がいる


いつき「そう見えますか?」

天津風「そう見えるから…」

いつき「あはは…」

天津風「ほら、それよ」

いつき「ですね…」


そこで観念したように頷くいつき


いつき「癖、でしょうか」

天津風「癖?」

いつき「小さい時の話ですが…」


親の期待、周囲の期待というのは当然あって

でも、頑張ってみれば、周囲からはやっかまれたり、親にしてみれば当然で

でも、手を抜いてみれば、親には小言を言われ、周囲からは後ろ指を差されたりで


天津風「なによそれ、どうしろっていうの…」

いつき「あはは。そうですね、僕もそう思いました」


一番簡単なのは、みつよ様みたいに「黙りなさいっ」て、地力で口封じをするのが良いんですが

そこまでは振り切れなくて、無難に、角が立たないように

親の期待と周囲の目線の釣り合うバランスを保つようにしてたんです


いつき「ええ。それこそ、顔色を伺いながら、笑って誤魔化して…」


「かっこ悪いですね」と、苦笑しながら独白を締めくくる


天津風「それで? 私にまで遠慮するんだ…」


まるで、拗ねた子供みたいな言い方だった


天津風「あなたがっ、頑張ってるのは知ってるしっ、それでやっかんだりなんかしないしっ

    だから、その、もっと頼りなさいっていうか、信じて欲しいっていうか…」


口を開いたまでは良いが、何を言ったら良いのか分からなくなっていた

言い方を探して、言葉を見失って、何を伝えたくて、何を秘めていたいのか


いつき「天津風、落ち着いて…」

天津風「落ち着いてるもんっ! だからさっきから言ってるじゃないっ!」


息を吸い込んだまま、ぐちゃぐちゃになる頭の中

深呼吸なんて意味はなく。吐き出す頃には、手当たり次第に言葉を繋げて、その意味まで考えてられなかった


天津風「好きな人に遠慮なんかされたくないって言ってるのっ!!」


・・・


言ってしまった、やってしまった

嘘偽りはないけれど、それは遠慮がなさすぎた



ー管理室ー


雲龍 「そして犯人は…」

阿賀野「我々だっ!」


ぱちんっ


景気よく手を合わせる二人


部屋の中には、複数のモニターと計器や操作盤の類が並んでいた


雲龍 「ええ、天津風を焚きつけるのは大変だったわ…」

阿賀野「うん、いつき を捕まえて時間稼ぎをするのは大変だったわねっ」

雲龍 「でもおかげで…」


天津風を暗い部屋の中に取り残す事に成功した


暗いのなんて平気よ


そう誰もは言うでしょう、天津風だってそう言うはず

確かに暗い森の中、知らない夜道でも無い限り、そうそう怖いと思いはしないけど


でも


それは日常の中の話


意に返さず開かない扉

いつ、誰が通りかかるかもわからずに、出られる目処も立ちはしない


それは、非日常と呼ばれるもの


知らない分からない、そんな暗闇の中に取り残されて

少しの不安も感じない娘はそんなにはいないもの


そんな時、助けてくれた誰かが

そんな中、来てくれた誰かが


並んでいるモニターの一つ

暗がりで良くは見えないが、どうやら倉庫の様だった


閉じ込められた天津風

そこへやって来た いつき


二人の距離は近づいて、今や肩を寄せ合って一つの上着に収まっている


「好きな人に遠慮なんかされたくないって言ってるのっ!!」


そうして、いつきの 独白の後に、天津風の告白


阿賀野「きゃーっ♪ 言っちゃったー、あまつんってば結構…おほぅほぅほぅっ」

雲龍 「なんて、ロマンティック…」


それを しめしめ と眺めている二人

黄色い歓声を上げ、得体の知れない声を上げる阿賀野を横に


くるり…


座っていた椅子を回して、雲龍が振り返った


雲龍「そうは思わない? 天城?」

天城「思いませんよ、姉様…」


モニターの逆光を受け、さぞ偉そうにふんぞり返っている雲龍

そんな姉の姿を、呆れと共に、ただただ嘆息するばかりの天城


天城「一体何がしたいんですか、あなたは…」

雲龍「何も? 私はただただ眺めていたいだけよ?」


回転を続ける椅子の上、不敵に笑う雲龍

一周回って、正面に向き直ると天城が問うた


天城「何を?」

雲龍「人の恋路よ?」

天城「蹴りますよ?」


着物の裾を捲り、足を出す準備を整える天城


阿賀野「まあ、落ち着きなさいな天城ちゃん」


もう一周と回った雲龍の椅子を止め、二人の間に立つ阿賀野


阿賀野「あの二人がギクシャクする前に収まって良かったじゃない?」

天城 「それは…分かりますが…」

矢矧 「だからって、覗いて良い理由にはならないでしょう?」

阿賀野「おっと、出たわねマイシスター」


グローブの裾を引き、天城の前に出る矢矧

眼光鋭く、モニターと、その前に陣取る二人を見比べている


矢矧 「一つだけ、弁解の機会を上げるわ…」

阿賀野「ふふんっ、弁解なんて不要よ矢矧ちゃんっ」

矢矧 「あ、そっ」


伸びる拳


過たずに阿賀野を貫くであろう拳を、すんでの所で阿賀野が受け止める

阿賀野とてバカではない、そう何度も何度も殴られていれば、コレくらいは出来るというものだ


阿賀野「せっかちね、矢矧ちゃん…」

矢矧 「…」

阿賀野「確かに、弁解は無いけれど」


一つだけ


阿賀野「私、阿賀野型一番艦が 男にしてやろうってっきゃん!!」


途端に崩れ落ちた阿賀野

最後まで矢矧の拳を握りながら倒れると、その場で足を抑えて転げ回る


阿賀野「すねっ、すねはやめてよっ!」

矢矧 「やかましい。何を言ってるのよ あなたは」

阿賀野「良いじゃないっ、お姉ちゃんだってドキドキしたいんだよっ」

矢矧 「年甲斐のない…」

阿賀野「人を年増みたいに言うなっ、むっつり矢矧っ! やーいやーいっ優等生っ! お前のねーちゃんびーじーんっ!」

矢矧 「もう黙って…」


眉間を抑える矢矧


罵倒か? 罵倒なの? これは?


年増どころか、一周回って小学生にも見えてくる姉の精神性

というか、最後の一節でさらっと自画自賛してるんじゃないわ



「こらーっ! ツリーだけ用意して飾りが無いのは無いんじゃなーい?」


そんな、矢矧の頭を上げさせたのは、モニターから聞こえてくる声




開け放たれた倉庫の扉。飛び込んできたのは時津風


同時に


「うわっ!?」「きゃっ!?」


聞こえてきたのは小さな悲鳴


丁度、扉を背にしていた いつきが、その扉に押し出される形で、扉の影に入っていた


「ん? あまつんいるの?」


聞こえてきた変な声に、耳をそばだてた時津風が、ゆっくりと扉の裏を覗き込む


「あー…そーゆー…」


お察し


ゆっくりと、頭を下げる時津風


「ちょっ、待ちなさいっ時津風っ」

「ち、違いますからっ」

「良いんだよ、時津風さんはなーんも見てないっ!」

「どっちでも良いからっ、扉はっ」


ばたんっ


再び、暗くなる部屋の中


「時津風ちゃん、どうかしましたか?」

「んーん。扉が開かなくなっててさー」

「そうですか、じゃあ妖精さん達にお願いして」

「いやー…ゆっくりで良いんじゃないかなー…」

「そうなんですか? でも、島風ちゃんが…」

「…じゃあ、もう皆で買いに行こっかー」

「…それもいいですねっ」


だんだんと遠くなっていく二人の会話




ごくり…


粘液質な空気が管理室を満たしていた


判定は? 

どっちだ?


銘々が銘々を視線で急かしていた


雲龍「暗視モード…ON」


暗かったカメラに光が戻る


阿賀野「よっしっ!」

矢矧 「未遂でしょう…この角度じゃ…」

天城 「ああ、いけません、いけません…」


悲喜交交


両手を上げる姉を咎めつつも、視線の先が泳ぐ妹二人


雲龍「やっぱり、男の子はこれぐらいじゃないとね…」

天城「お願いだからもう黙って…」



ーおしまいー




所変わって


〇〇鎮守府…



ー工廠ー



かんっかんっと響く鉄の音

聞き慣れた音が耳朶を打つ


夕張「…ん」


ふと、手を止めて体を伸ばす


深呼吸と


吸い込んだ空気に交じる湿っぽさ、肺を満たしていく水臭さ

雨降りと雨上がりが 同時にやって来た様な面倒くささを感じながら 息を吐き出した


提督「ねぇ、ゆうばりん…」


それは案の定

さっきまでなかった気配、降って湧いた提督の声

肩越しに手が伸びてくると、そのまま抱きつかれた


夕張「なぁに?」


すっかり懐かれてしまっているし、私もすっかり慣れてしまっている

肩に掛かる重みに、心地よさを感じながら、抱きつかれるままに体を預ける


提督「私、アレやってみたい」

夕張「アレって?」


先を促すように「アレ」と繰り返した


流石にアレでは分からない


季節柄、クリスマス的なオモチャを欲しがる頃だろうかと思うけど

その日の気分で動いてる様な人の思考を先回りするくらいなら、大人しく問いただした方が早いと思う


提督「ほらほら、倉庫とかでー、二人っきりで閉じ込められるやつ?」

夕張「ラブコメか…」

提督「それが良いんだよ」


なんの脈絡もない提案だった

まあ、10歩譲ってそれは良いと流しても

どうして、私に提案するのかという疑問が残る


夕張「金剛さんに言ってくれば? 喜んでやると思うわよ?」

提督「想像がつきすぎるからダメ」

夕張「まぁ…ねぇ…」


確かに、金剛さんなら喜んでやるだろう

もうココぞとばかりに「二人っきりですねっ!」とか「きゃーきゃー」言い出すに決まってる


提督だって それがダメって言いたいんじゃない


それがダメではないが、やりたいのはそう言うんじゃないってのは分からなくもなかった


夕張「それで私なの?」

提督「そうそう」


楽しそうに頷いている提督


その距離感


近くもなく、遠くもなく

手を伸ばせば握りあえるのに、近づかなければ触れられない


夕張「じゃあ、執務室の扉に細工でもしとく?」

提督「夕張さんはやってくれない?」

夕張「やってもいいけど…」


口元に指を当てて考える


そんな状況、特にイヤでもないし、そもそも今だって二人っきり

今から扉が開かなくなったくらいで、なにか変わるわけでもなし


強いて問題を上げるなら、それが成立しないことかもしれない


夕張「仮によ? いま扉も窓も何故か開かなくなりましたって、なったらどう?」


肩越しに、提督の顔色を伺うが

大して動揺するでもなく、悩む素振りもそこそこに


提督「え? 私は出られるよ?」


ほら…


これだ…


前提として状況が成り立たない

物理的に閉じ込めたって、煙に巻かれて終わるんだからやってられない


夕張「はい、おしまいっ」

提督「あ、まってっ、今のなしっ、巻き戻してっ」

夕張「巻き戻してもねぇ…」


密室が成立しない相手と、密室でラブコメなんて出来るわけが


夕張「はい、じゃあ…また、何故か閉じ込められました」


また、肩越しに視線をやって提督の顔を覗き込む


夕張「提督はどうするの?」

提督「夕張さんと温め合う?」


途端に、ぎゅっと抱きしめられた


夕張「暑苦しいなぁ…」

提督「冬のせいにして温め合う」

夕張「人のせいにすんなし」

提督「一緒に愛をどーこーいう?」

夕張「そんなんどうだって良いから助けなさいな」

提督「助けたら付き合ってくれる?」

夕張「もう付き合ってるじゃない?」

提督「それもそうか…」

夕張「それだってそうよ…」


結局、何をどうこう言うまでもなかった


自分で思っているよりも、強く手を握っていたし


きっと


提督が思っているよりも、近くに私はいる


「それじゃあさ…」


悪巧み


そんな風が見てとれる顔をする提督


「なぁに?」


仕方がないからそれに付き合う私


まぁ、怒られる時はきっと一緒なんだろう



ーおしまいー



後書き

夕張「さて、悪戯の前にコメント返しかしら?」
提督「ではさっそく」



・大淀さん

夕張「大本営組の数少ない常識人」
提督「常識人?」
夕張「バインダーの角を落とせるだけマシな方でしょ?」
提督「大和みた後だとだいぶまともよな」

・アーケード

提督「解決方法は一つだな。資金をためて札束で殴ればいい」
夕張「それが出来れば誰も苦労しないって」

・秋津洲

提督「どんまい」
夕張「どんまい」

・みつよ様

提督「あれを天真爛漫というか」
夕張「傍若無人というかで」
提督「評価は分かれそうな気はする」
夕張「提督は好きそうよね」
提督「夕張さんのがすきー」
夕張「そりゃ、どうも」

・前回の解説

まず最初に、解りづらくなってしまい申し訳ありませんでした
表現・演出の稚拙さは元より、フレーバーテキストみたいなものと、手抜きが過ぎました

みつよ様達がなんのかんのやってた件について

みつよ「雑魚を一々相手するのも面倒ね…」
大和 「本当に。一緒くたになってくれれば纏めて薙ぎ払えますのに」
みつよ「それよっ」

それで、わざと敵を一方向に追い立てたら泊地でも作ってくれるんじゃないか
泊地が出来たら周りの雑魚を集めてくれるんじゃないか
周りの雑魚が集まったら手っ取り早く薙ぎ払えるんじゃないか
案外と上手く言ったわね

みつよ様的には、限りある艦娘達を右に左に広げるくらいなら
姫でも鬼でも一気に叩いた方が楽だと思ったわけですね
実際、大和さんにはその辺の姫とか鬼じゃなんとも思わないし
同じ主砲一発で、駆逐級つぶしてもしょうが無いでしょって発想です

秋刀魚周りの雑談は、雑談です

リアルに深海棲艦みたいなのが出たとして
今みたいに気軽に漁に出れなくなれば
値段は上がるし、今みたいに漁獲資源云々の問題も解決するんじゃないかと

ただ、まぁ

そうなると、漁獲資源が回復したのは深海棲艦のお陰だー
て、いう輩はでてきそうよねって、実際出てるんですけどね、平和だこと
そんな感じの会話を迂遠にして話してました

提督まわりの件は

みつよ「ちょっと大きめの作戦やるから陽動よろしく」
提督 「やだ」

あの時点で提督の目の届く範囲には影響は出ていませんでした
ただ、泊地が出来て規模広がってるなーって気づいてはいました

提督 「目障りだな…」
みつよ「だったら潰してくれても良かったのに」
提督 「やだよ、面倒くさい」
みつよ「でもそろそろ此方にくるわよ?」
提督 「…」
みつよ「一緒にやった方が楽でしょう?」
提督 「…」

みつよ様は提督を抱き込むために、わざとそっち側に泊地を作らせてたし
なんとなくそんな気がしたので提督としても、素直に「うん」とか言いたくないお年頃でした

それでご褒美どうこう言われたら、冗談の一つも言いたくなって
ひっちゃかめっちゃかになるのを承知で

提督「だったら、みつよ様と一緒にお風呂にはいりたいなー」

途端に、大和がぷっつんして、金剛もプッツンして

みつよ様としては、たまには練度の確認もしておこうと遊び心が働いていたし
提督も、ただ計られるくらいなら、金剛さんに一発殴り飛ばして欲しかったとは思ってたので

喧嘩をするなら海(おもて)でやれって流れになりました

龍鳳さんは冗談だと分かってはいても、思うところはあったので
提督がコーヒー苦手なのを知っててコーヒーを出したし
ここで、引くのも何か癪なので、提督も意地はってコーヒー飲んでました

水無月は巻き込まれただけ
きっと秋津洲とは気が合うと思う

金剛と大和の勝敗は、多分ドロー
HPを数字にするなら金剛のほうが余裕はなかっただろうけど

ただ、それ以上続けていたら大鳳(怖いお姉さん)が
喧嘩両成敗を始めそうだったので、みつよ様が止めたフシもあります

そこで、みつよ様が提督を釣るのに使った撒き餌(一緒にお風呂に入れる券)を
ちゃっかりと、大鳳さんが回収してしまいました

金剛が貰いに来た時には「もう大鳳にあげたわっ」となった訳です

皐月が持ってた分は、提督を逃さないようにって手を回して分の駄賃

とはいえ、数日前には、やることやってた後だったので
「金剛さんが使いなよ」と差し出したは良いが
すでにイチャついた後だと気づいた金剛さんが
「皐月のえっち」見たいな事を言い出して、口喧嘩を始めてしまいました

負けたけど

それを外で聞いていた大鳳さんと提督は
「金剛さんが拗ねる前にフォローしてきてね」と
お風呂上がりの提督に、金剛さんともう一回行ってこい暗に小突いていました

最後

作戦は概ね大成功
周りの雑魚も十把一絡げに潰せてラッキーに思っていたら
思った以上に戦果を得られなかった他の提督達に小言を言われて
大淀さんとしては、そんな事より、小手調べに大和をフルパワーで使った事の方が問題だと
バインダーの角を落とされていました

以上が、私の頭の中でした
これでもきっと粗だらけかとは思いますが
また、次回への反省とさせて頂きたく、今回はご容赦をお願いします



ここまでご覧いただきありがとうございました
また、いつも コメント・オススメ・評価・応援も合わせ、重ねてお礼申し上げます

早いもので、今年ももう少し。皆様も、良いお年をお過ごしください


ー以下プロフィール(長いー


提督
練度:神頼み 主兵装:刀 物理無効・神出鬼没
「触らぬ神に祟りなしって、言うだろう?」
長髪の黒髪、何時も気だるげな表情をしてる癖に、人をからかうときだけはすっごい楽しそう
一応、白い制服を着けてはいるが、上から羽織っている浴衣が全てを台無しにしている、不良軍人
そもそも、軍人どころか人ですら無い、元土地神様
覚えている人もいなくなり、ようやく開放されたと思えば、深海棲艦が湧いてきて…
3食昼寝付きの謳い文句も手伝って、提督業を始めだした
性格は、ほとんど子供。自分でやらないでいい事はまずやらない、明日できることはやらないで良い事
悪戯好きで、スカートめくりが好きなお年ごろ
また、結構な怖がりで、軽度は人見知りから始まり、敵は全て殲滅する主義

三日月と一緒にお風呂に入れる券;残り…

皐月ー愛称:さつきちゃん・さっちゃん・さっきー
練度:棲姫級 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★MAX
「え、司令官かい?そりゃ…好き、だよ?なんてな、えへへへ♪」
初期艦で秘書艦の提督LOVE勢。提督とは一番付き合いの長い娘
その戦闘力は、睦月型どころか一般的な駆逐艦の枠から外れている程…改2になってもっと強くなったよ
「ボクが一番司令官の事を分かってるんだから」とは思いつつも
まだまだ照れが抜けないせいか、ラブコメ時には割とヘタレである

睦月ー愛称:むつきちゃん・むっつー・むっつん
練度:褒めてっ 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★MAX
「提督っ、褒めてっ!」
わかりやすい提督LIKE勢、「ほめて、ほめて~」と、纏わりつく姿は子犬のそれである
たとえその結果、髪の毛をくしゃくしゃにされようとも、撫でて貰えるのならそれもよしっ
好感度は突っ切っているが、ラブコメをするにはまだ早いご様子

如月ー愛称:きさらぎちゃん・きさら
練度:おませさん 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★MAX
「司令官?ふふ…好きよ?」
提督LOVE勢。良い所も悪い所もあるけれど
むしろ、悪い所の方が目立つけど、それでも あなたが大好きです
だから、何度でも言いたいし、何度でも言われたいの、ね?司令官?

弥生ー愛称:やよいちゃん・やよやよ・やーよ
練度:無表情 主兵装:3式爆雷 好感度:★9
「司令官?好きだよ、普通に」
普通の提督LOVE勢。変わらない表情をそのままに平気で悪戯をしてくる娘
表情が変わらないならと、大袈裟なリアクションも いつもの澄まし顔で本気に取ってもらえない
結局は卯月の姉、卯月絡みで何かあったら半分くらいは弥生のせいと思っていい

卯月ー愛称:うーちゃん・バカうさぎ、うーちゃんねーさん
練度:ぴょんぴょん 主兵装:超10cm高角砲★MAX 好感度:★7
「司令官?そんなの大好きに決まってるぴょんっ」
ぴょんぴょんする提督LIKE勢。毎日ぴょんぴょんと、あちこちで悪戯しては怒られる毎日
主な対象は瑞鳳、「だって、からかうとおもしろいだもん」なんのかんので構ってくれる瑞鳳が好き
口が滑る水無月と違って、一言多いタイプそれもわかった上、いらん事をよく言う2人である

水無月ー愛称:みぃ・みーな
練度:うん、わかるよ 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★8
「司令官、呼んだかい?」
よく笑う提督LOVE勢。艦娘として姉として妹として仲間として
頼って欲しいと自己アピールは欠かさない。欠かさないけど裏目にでる
胸を張った途端の平謝りが板についてきた
一言多い卯月と違って、よく口が滑るタイプ、いらん事を良く言う2人である
自分が結構ツンデレ気味のやきもち焼きだと気づいたこの頃、降って湧いた恋愛感情と格闘中

文月ー愛称:ふみ、ふーみん、文月さん
練度:ほんわか 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★9
「しれいかん?えへへー…なーいしょっ♪」
ふんわりとした提督LOVE勢。ちゃっかりと美味しい所はいただくタイプ
ラブコメをする姉妹たちの背中を押したり、喧嘩の仲裁に入ったり
緩衝材みたいに立ち回りつつ、実際はプロレスのロープみたいに跳ね飛ばしてくる
二人っきりになるとそこはしっかりと、ラブコメだってやってみせる
本人曰く「大福餅」白くて甘くて…その先は内緒

長月ー愛称:なつき、なっつん、なっつ
練度:頼りになる 主兵装:5連装酸素魚雷 好感度:★8
「司令官…いや、まあ…いいだろ別にっ」
おでこの広い提督LOVE勢。司令官に ちゅーしてこの方
自分の感情を見ない振りも出来なくなり、最近は割りと素直に好意を見せてくれたりもする
自分の感情に振り回されるくらいにはラブコメ初心者。あと、シスコン(菊月)

菊月ー愛称:菊→菊ちゃん→お菊さん→きっくー→くっきー
練度:威張れるものじゃない 主兵装:12・7cm連装砲B型改2★MAX 好感度:★8
「ながなが?ながなが ながなが」
箱入り提督LIKE勢。おもに長月に過保護にされてるせいでラブコメ関連はさっぱり
しかし、偶に見せる仕草はヘタなラブコメより攻撃力は高い。やっぱり如月の妹である
大艦巨砲主義者、主兵装は夕張に駄々を捏ねて作らせた。それとシスコン(長月)
最近、司令官との共通言語が出来た。合言葉は「ながなが」

三日月ー愛称:みつき・みっきー
練度:負けず嫌い 主兵装:12・7cm連装砲(後期型 好感度:★9
「し、しれいかん…そ、その…好きですっ!」
おませな提督LOVE勢。どこで仕入れたのか変な知識は一杯持ってる
そして、変な妄想も結構してる。すぐ赤くなる、可愛い、むっつり
提督と望月に、からかわれ続けたせいで、たくましくなってきたここ最近
ラブコメモードは基本に忠実

望月ー愛称:もっちー、もっち
練度:適当 主兵装:12・7cm連装砲(後期型  好感度:★MAX
「司令官?あー、好きだよ、好き好き」
適当な提督LOVE勢。とか言いつつ、好感度は振り切ってる
だいたい司令官と一緒に居られれば満足だし、司令官になんかあれば不言実行したりもする
ラブコメには耐性があるが、やるとなれば結構大胆

球磨ー愛称:ヒグマ・球磨ちゃん
練度:強靭・無敵・最強 主兵装:46cm…20.3cm(3号 好感度:★MAX
「提督?愚問だクマ」
突き抜けてる提督LOVE勢。気分は子グマの後ろに控えている母グマ
鎮守府と提督になんか有ろうものなら、のっそりと顔を出してくる、こわい
積極的にラブコメをすることもないが、昔は提督と唇を奪い合った事もある
大艦巨砲主義者。最近、私製46cm単装砲の命中率があがった、やったクマ

多摩ー愛称:たまちゃん・たまにゃん
練度:丸くなる 主兵装:15・2cm連装砲 好感度:★6
「提督?別にどーとも思わないにゃ?」
気分は同居ネコ。とか言いつつ、なんのかんの助けてくれる、要は気分次第
絡まれれば相手もするし、面倒くさそうにもするし、要は気分次第
特に嫌ってるわけでもないし、いっしょに昼寝もしたりする、要は気分次第
ラブコメ?何メルヘンなこと言ってるにゃ

北上ー愛称:北上様・北上さん
練度:Fat付き 主兵装:Fat付き酸素魚雷 好感度:★9
「提督?愛してるよん、なんちって」
奥手な提督LOVE勢。気分は幼なじみだろうか
このままゆるゆると、こんな関係が続くならそれで良いかなって思ってる
初キッスはチョコの味がした

大井ー愛称:大井さん・大井っち
練度:北上さん 主兵装:北上…53cm艦首(酸素)魚雷 好感度:★8
「提督?愛してますよ?」
分かりにくい提督LOVE勢。そうは思っていても口にはしない、絶対調子に乗るから
足と両手が埋まったなら、胸…艦首に付ければいいじゃない、おっぱいミサイルとか言わない

木曾ー愛称:きっそー、木曾さん
練度:悪くない 主兵装:甲標的 好感度:★7
「提督?まあ、アリなんじゃないか?」
カッコイイ提督LOVE勢。提督に赤くさせられたり、提督を赤くしたりと、まっとうなラブコメ組
そういうのも悪くはないが、本人はまだまだ強くなりたい模様
インファイター思考だけど、甲標的を使わせたほうが強いジレンマ

金剛ー愛称:こう・こうちゃん・こんご
練度:Burning Love 主兵装:Burning…46cm3連装砲 好感度:★MAX
「提督…Burning Loveです♪」
分かりやすい提督LOVE勢。提督の為ならたとえ火の中水の中
何時からだったのか、出会った時からか
ならそれはきっと運命で、この結果も必然だったのだろう
けれど、鎮守府ではオチ担当、艦隊の面白お姉さん、取り戻せ、お姉さん枠

見た目の割に子供っぽい

瑞鳳ー愛称:ずいほー・づほ姉ちゃん
練度:卵焼き 主兵装:99艦爆(江草 好感度:★6
「だれがお姉ちゃんよっ」
気分は数ヶ月早生まれな幼なじみ。ラブコメルートもあった気がしたけど、何処行ったかな
卯月にからかわれて追っかけまわすのが日課。弥生に唆されてモヤモヤするのも日常
だからって、別に卯月を嫌ってるわけでもなく実際はその逆である

夕張ー愛称:ゆうばりん
練度:メロン 主兵装:軽巡に扱えるものなら何でも 好感度:★6
「ゆうばりんって…気に入ったのそれ?」
気分は一個上のお姉さん。卯月や菊月の駄々に付き合ったり
球磨や提督の無茶振りで、アレな兵装を作ったりと、信頼と安心の夕張さんである
特に決まった装備は無く、戦況次第でなんでも持ち出すびっくり箱、安心と実績の夕張さんである

大鳳ー愛称:大鳳さん
練度:いい風 主兵装:流星改 好感度:★9
「提督、愛してるわ」
素直な提督LOVE勢。金剛見たいにテンションを上げるでもなく、息を吐くように好意を伝えてくる方
ラブコメに悪戯にと我慢強い方だが、許容量を超えると…
その落ち着いた物腰からは、艦隊の保護者っぽくなっているが、内心は見た目通り歳相応だったりもする

見た目以上に大人気ない

U-511ー愛称:ゆー、ゆーちゃん
練度:ですって 主兵装:WG42 好感度:★8
「Admiral…提督さん、次は何をすれば良い?」
好きとか甘いは良く分からないけれど、Admiralの お手伝いが出来ればいいなって思います
素直、とても素直、素直すぎてすぐ手が出るくらい素直
鎮守府の番犬・猟犬・あるいは狼も通り越して、やっぱり番犬の位置に落ち着いている
如月に貰った三日月型の髪飾りは宝物

ポーラ-愛称:ポーラさん
練度:赤ワイン 主兵装:白ワイン 好感度:★7
「提督さん?面白い人ですよねー」
ゆーの舎弟。あんまりな言い方をすれば、そういう立場
酒は飲んでも飲まれるな。口も態度も緩くなるが、意外と理性は残ってる


このSSへの評価

1件評価されています


SS好きの名無しさんから
2018-12-19 11:12:52

このSSへの応援

1件応援されています


SS好きの名無しさんから
2018-12-19 11:12:53

このSSへのコメント

2件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2018-12-04 20:31:59 ID: S:pG7fRr

お疲れ様です
今回も面白かったです


1話から読み返していてきずいたのですが前後のURL違うssに飛ぶことが何話かありました新規読者が戸惑う可能性が……

2: SS好きの名無しさん 2018-12-17 17:49:00 ID: S:i3wkdB

こんにちはーアーケード提督でっす!
今回のssはいつき提督のところのお話でしたね!
素直になれない天津風の葛藤と、それを何とかしようと(?)している雲龍&阿賀野。……いや、これただ面白がってるだけだな……。
阿賀野ちゃんがフリーダムすぎる……そんなところが好きですが。妹たちは大変ですね(笑)

夕張さんと密室……ゴクリ
私としてはやはり嫁の皐月と閉じ込められたい(キリッ)

今回のssも大変面白かったです!
次回も楽しみに待ってます!



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