2015-10-12 23:00:37 更新

概要

提督と艦娘たちが鎮守府でなんやかやしてるだけのお話です

注意書き
誤字脱字があったらごめんなさい
基本艦娘たちの好感度は高めです
アニメとかなんかのネタとかパロディとか
二次創作にありがちな色々
長い
EXパートは思いつき小ネタです


前書き

24回目になりました
楽しんでいただければ幸いです お目汚しになったらごめんなさい
ネタかぶってたら目も当てられませんね

それではこの番組は

睦月「お月見だよっ!」
文月「お団子作るよっ!」
卯月「ススキも取ってくるぴょんっ!」
菊月「酒も必要だなっ!」
長月「却下だ却下」
弥生「長月は頭が固い…おでこは広いのに」
皐月「気にしてるんだから、言わないであげなよ…」
如月「ほらー、三日月ちゃんもこっちおいでー」
三日月「私が主役なんて聞いてないぃ…」
望月「こないだ、覚悟しとけっていったじゃん…」

提督「という訳で、お月見回だよ」
金剛「お月見、月のラビットからお餅をいただく風習デスネっ」
瑞鳳「なんか、ハロウィンと被ってない?」
多摩「そもそも、月に兎なんているわけない…」
北上「しーっ、子供の夢を壊しちゃダメでしょっ」
大井「子供なの、あれが?」
球磨「大人になるまでは誰だって子供だクマ」
木曾「はっ、それならお前も子供じゃねーか」
「…」
「表出るクマー」「そんな気が短いから子供だってんだよっ」
大鳳「あらあら…今日も元気ね、それじゃ始めようかしら」

もろもろのメンバーでお送りします


↑前「提督と9月」

↑後「提督と海外艦」



提督とお月見


ー執務室ー


いつもの日常

机に座って書類を片付けてる皐月

その周りを三日月が、資料運んだりとちょこちょこ動き回っている

そんなまじめに働く彼女たちを尻目に

ソファーの上。その肘掛けに顎を乗っけてダラダラしている望月

その反対側のソファーでは提督が寝っ転がっている

時折、三日月から手渡される書類をつまらなそうに目を通しては、面倒臭そうに判子を押すくらいはやってたりするけれど


そんな提督の視界の隅、ちょこちょこ動き回る三日月

寝っ転がってる提督。そんな姿勢だと、三日月のスカートがちょうど良い位置で揺れていた


提督「…」


なんかの拍子にその中が見えたりもしないかと若干期待してみるが

島風のそれや、一部の陽炎型の娘のようにはいかないようだ

あいつらのあれはスカートというより、上着の裾ってレベルな気もするけど

そんな訳で、自然現象が味方してくれないなら自分で捲ればいいじゃないと


提督「そいや…最近、三日月のスカート捲ってないわね…」

三日月「へ…」


歩き回っていた三日月の足が止まり、スカートを抑えて提督から一歩距離を取る


三日月「冗談…ですよね?」

提督「この顔が冗談を言っているように見えるのかい?」


ニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべて

三日月のスカート、その裾の辺りを凝視する提督


三日月「見えますっ!」


力強く言い切る。だから冗談にしてくださいと


皐月「はぁ…三日月。ちょっとこの書類出してきて?」

三日月「うんっ!」


皐月から出された助け舟に飛び乗ると、一目散に執務室から飛び出していった

三日月がかき回していった空気がそよぐ中

二つの視線が提督に向いている

一つは、まーたなにか始めるつもりなのかと

今後の展開に期待するような、好奇の目

そしてもう一つ


皐月「いきなり何言ってんのさ…」


ジト目で提督を見据える皐月

この馬鹿な提督の馬鹿な行動は今更ではあるが

いきなりスカート捲りたいとは何事かと


望月「ま、良いじゃんか。スカートの1枚や2枚くらい」

皐月「じゃー望月が捲くられてみるかい?」

提督「私はそれでも構わんが?」

望月「えー」


もぞもぞと備え付けの毛布の中に逃げ込む望月

肩までしっかりと毛布を被ると、防御態勢に移行した


皐月「これだよ」


やれやれと首を振ると、呆れるように一つ息を吐く

三日月が逃げ出して、望月が鉄壁をかける

となると、矛先は自然とボクの方に向くのかな…


金剛「HEY!ていっとっくー、How are you?」


皐月が小言でも言おうかと、口を開きかけたその時

勢い良く執務室の扉が開くと、金剛が飛び込んでくる


望月「あー、来ちゃったかぁ…」

皐月「タイミング良いんだか、悪いんだか…」

金剛「Why?なにかありましたカ?」


諦めるように苦笑いを浮かべる2人

そんな2人の様子に金剛が疑問符を浮かべている間に、提督が指を弾いた

パチンっと乾いた音が執務室に響く


金剛「っ~~!?」


旋風。室内なら起こりえないような風が吹く

ふわりと、布切れ一枚が本来の仕事を放棄して、風に乗せられ舞い上がる

それに気づいた金剛が慌てて両手で抑えこんだ


提督「ほぅ…」

皐月「ぅぁ…」

望月「へぇ…」


3つの声が小さく上がる

頬を染めた皐月が気まずそうに視線を逸らす中

提督と望月がニヤついていた


金剛「…み、みましたか?」


頬を染め、スカートの裾を握りしめる金剛

なにかから隠れるように小さく丸まった体、その肩が小刻みに震えている


提督「80点」

望月「85点」


それは採点だった

それもまだ、若干の物足りなさを感じるような微妙な点数


金剛「地味に低いっ!何がッ、何がまずかったのデスっ!」

提督「あざとい」

望月「それを履ける度胸には+5点だな」


それは赤かった、紅であって、薔薇色だった

多分にレースが織り込まれ、非常に綺羅びやかな印象を受ける

白い素肌に浮かび上がるような赤

目にする機会があるのなら、嫌でも視線が向いてしまうほどに目立つ色

確かに、視線を釘付けにするのなら良い手ではあるけれど

それ故の…


提督「あざとい」

金剛「2度も言わないでデっ!」

皐月「ま、まぁ…似合ってる、よ?」


頬を染めたままの皐月

派手な下着に負けていない金剛を羨ましくは思うけども

自分には似合わないなぁなんて諦めも半分

複雑な乙女心であった



ー三日月達のお部屋ー


翌日の朝

シャワーを浴びて、歯を磨いて、髪を乾かし、身だしなみを整えていく


三日月「はぁ…」


溢れる溜息

結局、昨日は執務室に戻るに戻れなかった


姿見に映る自分の姿

そこには、飾り気のない灰色の下着が重なっていた

良く言えばシンプル。だとしても、実用一辺倒といった趣が強いそれ


もう少し、女の子らしいものを着けても良いんじゃないのかと思うこともある

そういう時は何時だって、司令官にからかわれた後だったりするのだが


三日月「…はぁ」


再度の溜息

これじゃまるで私が気にしてるみたいじゃないかと

こんなものは人に見せるものじゃないのだから

履ければいいんだと、自分に言い聞かせる

でも、もし。もしも、また見られる様なことがあったのなら…

どうせ見られるのなら、少しでも可愛いと思われる方が…


三日月「てっ…何考えてるのよ、私は…」


ついにはその場で頭を抱えて蹲ってしまう

何時の間にか、見られること前提に考えてる自分が恥ずかしくて堪らなかった

そんな考えを振り払う様に、何度も何度も頭を振る

大きく息を吸って吸って、吐き出した


三日月「よしっ…大丈夫、今日も頑張れるっ」


自分の頬を、両手で軽く叩いて気持ちを入れ替える

ほっぺが赤いのは自分で叩いたからだと、無視を決め込んだ

ここまで騒げば同居人に見られる、なんて事も有るだろうけど

その同居人は今頃執務室のソファーの上だし、何も問題はない


制服に袖を通す

飾り気のない下着を隠すように、少女の体を包む黒い制服

スカーフを締め、お揃いの三日月型のアクセサリーを襟に留める

髪を整え直す頃には頬の赤みも取れていた



ー食堂ー


クロワッサンにコーンスープそれに簡単なサラダ

朝食としては朝食らしい内容のそれ


三日月「頂きます」


軽く手を合わせて食べ始める

すっかり秋めいてきた早朝の空気は少し肌寒く感じる程

そんな中、広い食堂で1人で食べるというのは少々寂しく感じる

とはいえ、皆起きる時間がてんでバラバラなのだ、こうもなる

どうせ、望月は執務室で転がってるだろうし

長月はそろそろ菊月を叩き起こし始めた頃だろうか

文月は早かったり遅かったりと、マイペースだし

いつも通りなら、そろそろ如月と睦月、あとは皐月が顔を出す頃か


三日月「ふぅ…」


一緒に用意してた紅茶に口を付ける

インスタントなんて言ったら金剛さんに小言を言われそうだけれど

朝から見様見真似で紅茶を入れるのは、正直面倒くさかった


ふと、窓の外に視線をやると、大鳳さんが外を走っていた

向こうも気づいたのか、軽く手を振ってくる


三日月「おはようございます」


と、小さく会釈して返す三日月

多分この鎮守府で一番大人な人だと思う

金剛さんも見た目だけならそうなのだけれど

あの人はなんというか、内面がうちの姉たちと対して変わらない気がする

そんなせいか、たまに大人をやっているのを見ると、格好良く見えたりもするのだけれど


睦月「あ、三日月ちゃん。おはようにゃしーっ!」


食堂の扉が開くと元気な声が響き渡る

その後に続いて如月も入ってきた


三日月「ふたりとも、おはよございます」

如月「はい、おはようございます」


流石に、金剛さんは「にゃー」とか「ぴょん」とかいわないか…

などと考えなおすと、金剛の年齢設定を若干上方修正する三日月だった


睦月「さぁっ、如月ちゃんっ、睦月のっ食事をっ用意するが良いぞっ!」

如月「はいはい。睦月ちゃんも手伝ってね」

睦月「はーい♪」


素直な娘だった

程なくして食事が並ぶ。三日月と同じような洋朝食だった

ちなみに、和食派は長月と菊月それに望月の3人、文月はパンとご飯が一緒にならんでたりするから除外するとしても

うちの睦月型はどちらかといえば洋食好きが多い


如月「それで、今日はどうしたの?」


食事を食べ始めた如月が、三日月に問いかける


三日月「へ、どうって?」


自分ではいつも通りにしてたつもりなのに「どうしたの?」なんて言われても「何が?」としか返しようがない


睦月「三日月ちゃん、なーんかそわそわしてるよ?」

如月「ほら、睦月ちゃんにだって分かるくらい、ね?」

睦月「ふっふっふっ、お姉ちゃんだからねっ!」

如月「そうね、頼もしいわ」


自慢気に無い胸を張る睦月の頭を優しく撫でる如月

ついでに跳ねていた髪の毛を元に戻してたりもする


三日月「そわそわなんて…」


そう言われても思い当たる節何てなかった


如月「んー…司令官のこと?」


口元に指先を当てて、有り得そうな可能性の一つを口にする如月


三日月「へっ!?司令官っ」


ビクッと肩を震わせると、慌てて三日月が周囲を見渡す

しかし見渡せど、広々とした食堂と姉2人の姿しか目につかない


如月「ふふ…みたいね?」

三日月「あ、いや…ちがくて…これは、その…」


慌てて両手を振って、言い訳しようとするも

羞恥に染まった顔では説得力の欠片なんてなく

結局、今朝のもやもやした気持ちを白状させられてしまった


如月「なるほどねぇ…」


しみじみと頷く如月

なんというか、気になる人の視線一つで右往左往している三日月が、可愛くてしょうがなかった


睦月「ふふっ、司令官殿も子供よなっ。そんなにパンツが見たいなら、睦月のを見せてあげるしっ」


そしてあわよくば褒めてもらおうと、なかなかに前のめりな長姉である


三日月「えっ!?それは、流石に…」

如月「止めなさいな、はしたない」

睦月「にゃししししし」


馬鹿な発言をする馬鹿な姉を小突く如月


如月「それに。そういうのは、するものじゃなくてさせるものよ?」


相手をそういう気にさせるのがレディであるとは、如月の言

こっちも大概だった


三日月「それもおかしいからっ」

如月「ふふっ、冗談よ冗談」


本気とも冗談とも付かない微笑みを浮かべる如月だった


如月「それで?今はどんな下着を?」

三日月「えっと…それは…」


言い淀む

姉妹とはいえ、はいてる下着の話をするのは若干の抵抗があった

とはいえ、白状してしまった以上は仕方ない


三日月「あの、配給の…灰色の、やつ」

如月「ああ、あれね…」

睦月「睦月は好きなんだけどなぁ、あれ」

如月「そうね、肌触りだけなら良いからね…けど、あれじゃあ」


そう、確かに肌触りだけなら良い、最高である

飾りっ気がないとはいえ、決して仕立ての悪いものではない

如月だって、寝間着になら使っても良いと思う程

北上様いわく、洗うのも楽だしね、という意見も追加され

総じて、お洒落の観点を無視すれば、良い下着という評価だった


如月「もう少し、おしゃれしても良いんじゃない?」

三日月「でも、そんな、見せるものじゃないし?」

如月「でも、見られるかもしれないでしょう?」

三日月「それは…」


そうだ、司令官が「スカート捲りたい」とか言ってきたのだ

たしかにあの場でなら冗談だったかもしれないけど…

前に一度やられた手前、どうしても警戒心が先にたつ


如月「他に下着はないのかしら?」

三日月「黒いの、が…一つ…」

睦月「黒かっ!?やるではないか妹よっ!」


妹の意外と大胆な色のチョイスに、大きく食いつくお姉ちゃん


三日月「ち、違うからっ、あれは望月が無理やり…」

如月「あの子だって、三日月にお洒落して欲しいって思ってるんじゃないの?」

三日月「それは…面白半分だとおもう」


いつもからかわれてる自分がそう言っていた


如月「にしたって、わざわざ下着を持ってくるのだもの。残りの半分くらいは、ね?」

三日月「それは…かもしれないけど」


流石にそこまでは否定する気も起きなかったが

とはいえ、あんな派手な下着をもう一度履くほどの勇気は出ない


如月「ふふ。と・り・あ・え・ず、食事が終わったら私達の部屋に行きましょうか」

三日月「え、でも仕事が…」

如月「少しくらい平気よ、急ぐものもないのでしょう?」

三日月「それは、うん…」


それにまだ日が昇って久しい

この鎮守府が完全稼働するには、すこしばかりの余裕はある


睦月「じゃー決まりだしっ!三日月がいつ捲くられても良いようにっ!」

三日月「まってっ!捲くられたいわけじゃないからっ!」

睦月「そうなの?」

三日月「そうなのっ!」

如月「ふふ」


そんな姉妹のやりとりを、微笑ましく見ている如月だった


ー廊下ー


如月達の部屋で、着替えを済ませた後

「それじゃ、がんばってね♪」なんて背中を押されてしまった

何を頑張れば良いのだろうか…

見られても良いようにってだけの話じゃなかったのかと


三日月「…なんか、ん…」


いつもと違う下着の感触に落ち着かなさを覚える

だからといって、こんな廊下の真ん中で下着を直す訳にもいかず、とりあえずは我慢の子

物が悪いという訳ではない、ただ単に自分が気にしすぎているだけなのだろうけど


最初に真っ赤な下着を勧められた時はどうなるかと思ったけれど

それを全力で嫌がった結果、薄いピンク色の下着に落ち着いた

やや控えめに施された装飾は、綺麗さや豪華さよりも可愛らしさを演出している


そんな下着を付けるだけでも大冒険だというのに

そう、違和感の大本。胸のあたりを包まれる感触

下の方と合わせるように、薄いピンクのブラジャーが、三日月の小さい胸を優しく包み込んでいた

いつもはぴっちりとしたスポーツブラなせいか、細い肩紐やら何やらがいつもと違う場所を刺激していた

そんな、ブラジャーを付けるほど大きくもないのに…如月くらいあればまだ違うのだろうけど


制服はいつも通りだって言うのに

下着が変わるだけで、こうも落ち着かない

いつも歩いている廊下が、別の道に見えるほどに


誰もいない廊下、今にも司令官がひょっこり顔をだして、スカート捲られるんじゃないかと思うと気が気でない

こんな気合入れた下着をつけて、余計からかわれないだろうか、それとも可愛いと言ってもらえるのだろうか

そんな思考がグルグルと頭の中を周り続ける


グルグルに回る頭のままで、軽く周囲を見回しても提督の姿は見つからず

こんなヤキモキするくらいなら、いっそ目に入る所にでも居てくれればいいのに

いらない時はその辺に居るくせに、いざ探してみるとまるで見つからない

物欲センサーとか言うものなのだろうか、あるいは分かってて逃げているのか

あの人の事なら、後者もありえそうなのが嫌になる


足早に執務室に向かう三日月

あそこにいないなら本当に探しようがないのだから

また色々とからかわれるかもしれないけれど、それでも…




足早に去っていく三日月の背中

時折、誰かを探すようにキョロキョロと頭と視線を動かしている

はっきり言って、挙動不審にも程がある、知らない娘なら不審者だといって捕まえていただろう


北上「へい、大井っち。あれはなんだい?」

大井「何って…私より、貴女の方が詳しんじゃないの?」


そんな三日月の背中を見送る、大井と北上、それともう一人


望月「くくくく、いやなんというか、ねぇ?」


薄笑いを浮かべて、訳知り顔で北上達をみる望月


北上「そうもったいぶらずにさぁ、北上様に話してごらんよ?」


望月の表情に、なにか面白そうな自体を察知したのか

北上様が望月に擦り寄っていく


望月「まあ、あれよ?かんかんこれこれってさ…」


提督にスカート捲らるんじゃないかって、気が気じゃない三日月は

提督を探して挙動不審になってるって話

その後、如月達の部屋で着替えまでして来たって話とか


北上「ふあははははははっ、なにさ、それ…くくくくく」

大井「ちょっと、北上さん…笑いすぎ…ふふっ」


お腹を抱え込み、その場に蹲る北上様

そんな北上様を、窘めようとするものの、大井の表情にも笑みが溢れていた


北上「だ、だってさ、大井っち…可愛すぎるでしょよぉ…おふふふふふ、やだ、頭なでてあげたい」

大井「知らない顔して上げるのも、優しさよ…ええ」


そうだ、そんな話をされたら誰だってこう思うだろう

ほんとは期待してるんじゃないのかって

勿論、当人は否定するだろうが


大井「で、貴女は?面白いから付け回してるってわけ?」

望月「ま、それもあるけどさぁ。三日月がテンパって変な事しないように、ね?一応さ?」


やれやれと肩を竦めてみせる望月

確かに見ている分には楽しいが、泣かせたい訳じゃない

今の三日月には、自分で墓穴を掘ってその中で自爆しそうな危うさがあった


大井「そう。あの人の何処が良いのか、とまでは言わないけれど…難儀な相手よね、ほんと」

望月「だねぇ」


そっと瞳を伏せる大井さん

この先の三日月の苦労を考えたら、少しくらいは祈っても良いだろう


北上「でさ、その難儀な相手は今何処よ?」

望月「さあ?少なくても、執務室には居ないよ?どうせそのへんで高みの見物でもしてるんだろうけど」


もしかしたら、この会話ですら聞いてるんじゃないのかと思う


大井「ちっ、あのロリコンが。やっぱりあの時、魚雷でもブチ込むべきだったかしら…」


舌打ちする大井に何か黒いものが揺らめき出した



ー食堂・調理場ー


お昼時も過ぎ、すっかり落ち着いたその場所から、何やら楽しそうな歌声が聞こえてくる


文月「まぜる~♪」

大鳳「まぜる~♪」


文月の歌声に合わせて、後に続く大鳳

キッチンスペースに2人の輪唱が広がっていく


文月「こねる~♪

大鳳「こねる~♪」


二人の前のコンロには大きなお鍋

並々と注がれたお湯が、泡を立て、湯気を上げて茹だっている

そんな鍋の中を、白いピンポン球くらいの大きさの球体がゆらゆらと揺れていた


文月「ゆでる~♪」

大鳳「ゆでる~♪」


「ふたりどぅびどぅばっ♪」


一通り歌い終わると、火を止めて、ざるの上にお湯をこぼすと白い球体がゴロッと転がった

そのざるを冷水の中に放り込み、球体を良く良く冷やして

取り出し、少し風に当てて乾かすと


「できたー♪」


二人の声が重なる

お月見のお供、月見団子の完成だった


大鳳「みたらし団子にでもする?」

文月「んー、あんこ と きなこも良いよねぇ」


定番とはいえ、いや、定番だからこそどちらも捨てがたい


大鳳「それじゃあ」

文月「そうだね」


2人で視線を交わして頷きあうと声揃えて答え合わせ


「せーのっ、全部っ」


大鳳「そうしましょうか」

文月「うんっ」


微笑む大鳳に、笑顔で返す文月だった


欲張り装甲空母の月見団子・駆逐艦も添えて

そんな仰々しいものでもないけれど、これだけあれば不満は出るまい

球磨さんには別枠でミートボールでも作っておけばいいだろうし

その流れなら、ついでに夕飯はハンバーグでも良いか

なんて、大鳳が今後の予定を考えていると


文月「ねぇ、大鳳さん?」

大鳳「なぁに?」


ふいに、文月に呼ばれて顔を向ける


文月「今日の三日月、どうみえた?」

大鳳「三日月?そうね…」


今日あったのは、今朝食堂に居た時くらいだけど…

普通といえば普通だったし…強いていうならば


大鳳「そわそわしてたわね。なにか、プレゼントでも待ってるような、そんな感じかしら?」

文月「そっかぁ…プレゼントといえばそうなのかなぁ…」

大鳳「なにかあったの?」

文月「んとねぇー」


かんかんこれこれと

恋する三日月は切なくて司令官ことを想うと(以下略


大鳳「そう…捲るのかしら?」

文月「しないと思うよー。前にそれで一回泣かせてるからぁ」


喋りながらも文月が、出来上がったお団子をきなこ砂糖の上で転がしだす


大鳳「それじゃあ、どうして…」

文月「泣いた後の三日月が小動物みたいで可愛かったから、かな?」


理由はないが、もう一度見たくなったんじゃないかなって


昔のことを思い出す

司令官にスカートを捲られてからしばらく

やたらと周囲の事を気にしまくって、挙動不審になってた三日月の事を

あれはあれで見てて面白かったから良いんだけど、当人は気が気じゃなかったんだろうなぁ


大鳳「そう…それじゃあ。お団子もう少し作りましょうか」

文月「ん?一杯あるよ?」


お盆の上には、きな粉にあん子、みたらしとが積み上がってはいた


大鳳「多分提督、テンション上がってるだろうから…いっぱい食べさせて、寝かしつけようかなって」

文月「あはははは。それも良いかもー」


「まぜる~♪こねる~♪ゆでる~♪ふたりどぅびどぅば♪」


そうして再び聞こえてくる輪唱

用意されているのは大量のお団子

そのイメージは、妖怪に酒を盛って、寝かしつけた所を…なんて戦法と大差がないものだった


ー屋上ー


提督「にひひひひひ…」


屋上、と言うよりは屋根の上

見渡せるのは一面の海、その反対側には山々の稜線が広がっている

日当たり、見晴らし、ともに良好なれど

ただ傾斜のある屋根の上でしかないので、寛ぐには少々不便だろうか


そんな屋根の上を提督が寝っ転がっている

斜面になっているとはいえ、そんな急なものでもないし

横になっている限りはそのデメリットも帳消しだった

何処を見ているのか、提督の視線は遠くに固定されて

時折、面白いものでも見つけたように薄ら笑いを浮かべている

傍目からは大層変な人に映るだろう


多摩「提督、あんまり変な声笑わないでほしいにゃ…正直気持ち悪い」


提督の反対側の斜面、屋根の向こう側から多摩の声がする

今は丁度日向になっているその場所は、時折涼しい風が吹き、昼寝をするには最高の環境になっていた


提督「いや、済まない。ただな、好きな娘が私の事を探して回ってるっていうのが、気分よくてな…」

多摩「趣味の悪い…分かってるなら、会いに行ってやればいい」

提督「今はダメだな、テンション上がりすぎて手を出してしまいそうだ」

多摩「今更…駆逐艦の一人や二人に手を出した所で、誰も文句いわないにゃ」

提督「…それで泣かせたことあるからねぇ。同じ手は打てないでしょ?」


ふぅっと、浮かれた空気を吐き出すように、提督が一つ息を吐く

とはいえ、頭を冷やすにはもうしばらく掛かりそうではあるが


多摩「好きな娘からかって成就する初恋話なんて聞いたことないけどにゃぁ~」


秋の涼風に頬を撫でられた多摩が、気持ちよさそうに欠伸をこぼす


提督「こういうやり方しか知らないのさ」

多摩「お子ちゃまね」

提督「なはははは、全くもって度し難いよなぁ」


だってしょうがない、可愛くてしょうが無いのだ、楽しくてしょうが無いのだ

それを子供というなら、子供でもいいし

趣味が悪いと言われるならそれもいいだろう



ー鎮守府郊外・川辺ー


静かな川の流れと共に、時折冷たい秋の風が山から降りてくる

もともと緑色だった川辺の一角は、現在小麦色にそまり、ふさふさとした穂をたれていた

ススキ野原、というほど広大でもないけれど

秋の風物詩として目を楽しませるぐらいには立派に育っていた


夕張「それじゃ、適当に取って帰りましょうか」


「おーっ」っと、小さい手を上げる弥生と卯月

本日は十五夜、天気予報も晴れの模様

それなら、ススキでも飾ろうかと相成った

木曾さん曰く「ススキなら川の所にいくらでも生えてるだろ」

ということで、収穫祭である


卯月「でもこれ、全部刈り取るぴょん?」

弥生「流石にそんなには…いらないかも?」

夕張「そうね、綺麗なのを少し持っていけばいいんじゃない?」


そういって、すすきの前で腰をかがめる夕張さん


卯月「…」


卯月の視線の先には、風に揺れる夕張のスカート

木枯らしが本気を出せば見えそうではあるけれど…

卯月の体が揺れている、何かに引っ張られるようにぐらぐらと


弥生「…卯月、ダメだからね?」


そっと弥生が卯月の服の裾を掴む

理由なんてない、ただの姉妹の勘である。何かやらかしそうな気がするっていう


卯月「何のことぴょん?」

弥生「分かんない、けど、何かしそうな顔してた…」

卯月「そんな事ないぴょん、うーちゃんは今日も良い子ぴょん、ちょっと手伝ってくるぴょん」


棒読みだった。抑揚のない声のまま捲し立てるようにそう言うと

とっとことっとこ、夕張に近づいていった


弥生「あ…」


掴んでいた弥生の手が離れる

河原の砂利道を音も立てずに器用に歩いて行く卯月

止めたほうが良いのかとも思う、それと同じくらいに別に良いかな、なんて思いもある

天使と悪魔、天秤は傾かないまま、卯月が夕張の後ろにたった


卯月「ぴょんっ!」

夕張「ひゃぁぁっ!?」


捲くられた。木枯らしの悪戯なんかじゃなく人為的に

卯月の手に捲し立てられ、逆上る夕張のスカート

その中身はオレンジ色であった


卯月「やよい~やよい~、メロン色だぴょんっ♪」

弥生「うん、そうだね。あと、前見たほうがいいよ?」


そりゃ、卯月の背中を見ていたのだ、そんなことされればハッキリと見える

緑色を基調とした服の下にオレンジ色の下着が映える

似合ってはいる。けれど、卯月のメロン色なんて表現も手伝って、段々と夕張さんがメロンに見えてきていた


巻き込まれない様に一歩下がる弥生

その視線の先では夕張さんが、怖い顔して笑っていた


夕張「うーづーきーっ!」

卯月「ぷっぷっくぷー♪夕張も収穫するんだぴょんっ!」


逃げ出す卯月を追いかける夕張

「誰がメロンだこらーっ!」

「そこに気づくとはやはりっ自覚がっ」

「やっかましいわっ、お前も収穫してやろうかーっ」

「やられるもんならやってみるぴょーんっ」


弥生「ふふっ、卯月、楽しそう…」


天秤が悪魔の側へ傾く弥生だった

そうして、一通りその場を走り回っていた二人だったが

その差がだんだんと縮まり、そうして…


卯月「いたいぴょんっ、やめるぴょんっ!」

夕張「大人しくなさい、このバカ兎」


夕張に捕まった卯月が担ぎあげられ、無防備になったお尻を太鼓の様に叩かれていた

叩かれる度に卯月が手足をバタつかせるが、しっかりと掴まれた体はビクともしなかった


弥生「お疲れ様、夕張さん」

夕張「あなたも、見てたなら止めなさいよ…」

弥生「うん、次はそうするね」

夕張「…はぁ、ほんとにね」


そうする、なんて笑顔で返されはしたものの

その笑顔がいまいち信用出来ない夕張さんだった


夕張「…」


ふと、夕張が横に目をやると卯月のスカートが風に揺れている

これはチャンスである、ここでやらなきゃ女が廃る


夕張「♪」

卯月「ひゃっ!?」


ひらりと捲られる卯月のスカート


夕張「あら、卯月ってば随分と可愛らしい物履いてるのね」


それはピンクの縞パンだった


弥生「うん、そうなの。可愛いでしょ?」

夕張「弥生の趣味?」

弥生「んっ♪」


頷いてサムズアップでの返答

どうしてそうも自慢気なのか、いや自分が選んだ下着が褒められるのは、そりゃ嬉しいかもしれないけれど


卯月「やめるぴょんっ、このセクハラメロンっ!さっさと元に戻すぴょんっ!」

夕張「せ、せくはら…めろん」

弥生「…ふふっ」


初めて聞いた言葉だし、初めて言われた言葉でもある

鎮守府は星の数ほどあれど、セクハラメロンなんて言われた夕張型はどれほどいるのだろうか

そんな突拍子もないあだ名に、弥生も顔そむけて笑いを殺していた


夕張「良いわ、なら貴女はこのまま鎮守府に連れて帰る…皆にパンツ見せびらかすと良いわ」

卯月「いーやーっ、うーちゃんお嫁に行けなくなるぴょんっ!」

夕張「うっさい。だいたい、アンタみたいな じゃじゃ兎誰がもらうかっての」


そうして連行される卯月

鎮守府に付く頃にはすっかり大人しくなり

素直に「ごめんなさい」呟いていた

とはいえ、明日になれば忘れてるんだろうというのは共通認識だった



ー食堂ー


夜の食堂は早朝とは違った静けさに包まれていた

朝の澄んだ空気は鳴りを潜め、水を含んだ様なしっとりとした空気が漂っている

纏わり付くような静寂の中に聞こえるのは、鳥の歌声ではなく虫達の合唱

窓から差し込む月明かりがその場にいる者達を浮かび上がらせ

そよぐ夜風が、窓際に飾ってあったススキの穂を優しく撫でる


「かんぱーい♪」


少女たちの声が薄暗い食堂に響く

机の上には「瑞鳳」とラベルの貼ってある一升瓶。それと、山盛りになった肉団子とお団子各種

手にはグラスが握られ、中には並々とお酒が入っていた

差し込む月の灯りが、グラスに注がれた酒に映り込み、まるで月が手元に降りてきたようにも見える


球磨「くはぁぁ、美味いクマー」


酒を一気に煽る球磨

中に映り込む月を丸呑みしそうな勢いだった


菊月「球磨…私もそっちが良い」

長月「駄目だ」

菊月「むぅ…」


羨ましそうに酒をせがむ菊月を、一言で切って捨てる長月だった

二人共、同じようにグラスを持ってはいるが、中身はオレンジ色の液体だった


木曾「少しぐらい良いじゃねぇか」


手にしたグラスを揺らす木曾

酒の中に浮かぶ氷が、グラスと触れ合い涼し気な音を立てる

球磨が一気に飲み干したのとは対照的に、ちまちまと口に運んでいる様はどこか上品に見えた


確かに、艦娘に未成年なんて概念はないし

見た目があからさまにお子様で合っても法律的にとやかく言われることもないのだが

これが陽炎型くらいの容姿になればまだ違ったのかもしれない

如何せん睦月型である。おまけに菊月だ、人の世の一般常識がその行為を押し留める


瑞鳳「だいたい、こないだお酒飲んで潰れたのだれよ?」


一升瓶から自分のグラスに酒を注ぐ瑞鳳

見た目の問題を問うならば、彼女の容姿でも大概ではあるのだが

ゴンっと、注ぎ終わった一升瓶が机に置かれて音を立てる

その一連の動作はすっかり飲み慣れたもののそれだった


球磨「さんざん騒ぎまくった挙句、ぶっ倒れたりもしてたクマ」

菊月「うぐっ…」


反論を探すが言葉が出ない

そんな事は知らんと言ってやりたいが

実際の所、記憶からすっぽり抜け落ちた部分があるので何も言えない現実があった


木曾「はははははっ。酔って潰れるのも酒の肴になるだろうよ」

長月「…」


大口を開けて笑う木曾を長月が睨みつけるが

気づいていないのか、気にしてないのか、まるで意に返さず

ゆっくりと酒を嗜むのみ


瑞鳳「木曾さん…貴女、もう酔ってるの?」


ゆっくりと酒を飲む木曾を瑞鳳が呆れ顔で視線を送る


木曾「ん?そうだな…こうして美人と酒を飲んでるんだ、酔わないと失礼だろ?」


瑞鳳の視線を受け止めると、優しい微笑みを返す木曾

可愛らしい感じに寄ってる姉たちと違い、中性的な木曾の顔立ち

普段は眼帯やら、軍刀やら、外套やらと、艦娘の中でもちょっと浮いた格好ではあるのだが

ことこの状況。満月の夜、月明かりの下では、その浮いた格好も一つの絵に見えてくる

そして、いつもは騒いでる側の娘が見せる落ち着いた表情と、月明かりに照らされる横顔

それらが普段とのギャップも相まって、木曾の魅力を一層際立たたせていた


瑞鳳「ど、どうしてこっち見て言うのよっ」


そんな木曾の微笑みを受けて、反射的に顔を背ける瑞鳳


木曾「そんなの、お前に言ってるからだよ?」

瑞鳳「ぅぁっ…」


ついには言葉をなくす

顔に血が集まってくるのが嫌でもわかる

いや、卯月にからかわれてる時にだって顔に血が集まるし、なんて言い訳もしては見るが

それとは別のものだって自分が一番理解していた


そう、単純に、照れてるのだ私は…

女の子に、同じ艦娘に、木曾さんに綺麗だと言われて、気恥ずかしさで心が一杯になっていた


瑞鳳「どうせ、からかってるんでしょ…はいはい、ごちそうさまでした」


顔を背けたままになんとか言葉を紡ぐ

からかわれるだけなら慣れている、おもに卯月のせいで

それと一緒だ、適当に流せばいい、相手が違うってだけで動揺する必要もない

浮ついた心はお酒で流し込んでしまえばいい


木曾「冗談に聞こえたか?」


木曾が机の上にグラスを置く

空になったグラスに残された氷がカラリと音を立てた

そして。そっと、木曾の手が隣に座る瑞鳳へと伸びる


瑞鳳「え、ちょっとっ!?」


瑞鳳の頬にひんやりとした感覚が伝わる

グラスで冷やされた木曾の手が瑞鳳の頬に触れると、強引にこちらを向かせる


瑞鳳「…」

木曾「…」


触れ合う頬と手、肌と肌

最初は ひんやりとしていた感覚も、お互いの体温で次第に暖かくなっていく

その変化が余計に相手の温もりを伝えてくる

交わる視線は一瞬で、すぐに瑞鳳が視線を逸らす


瑞鳳「き、きそさん…ほんとに、酔ってるんじゃ…」

木曾「ああ、お前の魅力にな」

瑞鳳「ぅぅぅぅ…」


限界だった

何とか我慢していたものが、その一言で枷が外れ

頬が顔が体中が一気に赤くなる


木曾「そう照れるなよ…ほんとに、可愛いやつだな…」


木曾の手が優しく瑞鳳の頬を撫でる

その手には、先程までの冷たさはなくなり、ただひたすらにお互いの温もりが混ぜ合わされる

ふいに、木曾の顔が瑞鳳の側へと傾く

体が揺れただけかと思えばそうではない

明確に、その顔が、瞳が、唇が、吸い寄せられるようにゆっくりと近づいていく


瑞鳳「え、まってまってっ、まずいって、皆見てるからっ!」

木曾「見て無ければいいのかい?」

瑞鳳「いいわけっ…ひゃわっ!?」


木曾を引き剥がそうと押し付けられる瑞鳳の腕を掴み上げると

空いてる手が、瑞鳳の背中へと回り強引に抱き寄せた


顔が近い、というかこの状況が分からない、どうしてこうなった

今夜は十五夜でお月見で月見酒で木曾さんに美人っていわれてちょっと嬉しかったりもしたけれど

現実逃避でもする様に必死で頭を回す、その間にも木曾の顔が近づいてくる


瑞鳳「ん…」


見つめているのも見つめらるのも耐え切れなくなって、瑞鳳の瞳が落ちる


木曾「好きだぜ、素直な奴は…」


瑞鳳に合わせて木曾も目を閉じた


瑞鳳「バカ…」


好きなんて言われて跳ねる心臓が自分のものでないように感じる

そう、これはきっとお酒のせい、朝になったら忘れてる夢の様なもの

最後に浮かんだ言い訳はきっとこれ

そうやって諦めてしまうと、強張っていた体から一気に力が抜けた




長月「おい…あれ、どうするんだ?お前の妹だろう」


ラブコメを通り越してR指定が付きそうな現実が目の前にあった


球磨「酔って潰れるのも酒の肴、だったか?」


山積みにされていた肉団子を口に運びながら、そんな現実をTVでも見るように眺めている球磨


菊月「長月…何も見えないが、どうしたんだ?」


長月のすぐ隣には菊月。一つの椅子に二人で座ってるような引っ付き様だった

その菊月の両目を長月の手が覆い隠し、目の前の現実をシャットアウトしていた


長月「なんでもない、これでも食べてろ」


団子を一つ摘み上げると、菊月の口に押し込んだ


菊月「むぐ…むぅ、むぐむぐ…うん、美味いな」

長月「そうか、よかったな。まだ食べるか?」

菊月「ああ、頂こう」


とりあえず、菊月の口を食べ物で塞ぐことに成功した長月だった


球磨「ああ、酒が美味いクマぁ」


楽しそうな笑みを浮かべて月を見上げる球磨

酔いが冷めたら身悶える二人の姿。そんな光景に思いを馳せていた



~???~


ぼんやりとしている、頭に靄がかかったような、目が覚める前の様なそんな感覚

そんな頭の中に浮かぶ光景、それが夢なんだと気づくのにそう時間はかからなかった

そう、それはいつか見た日の出来事だった


初めて三日月が司令官にスカートを捲られたあの日

その場にへたり込んだ三日月が、顔を赤くして目尻に涙を溜めている姿は今でも覚えている

狼狽えている司令官も見てて面白くは合ったけれど

それ以上に「なに泣かせてんだよ、バーカっ」なんて、一発殴りたくもなっていた

そう、三日月が「ちょっと、ビックリしただけですから…大丈夫、です」なんて

司令官を庇うような事を言わなければ、多分殴ってたろうなとは


それからだったか、三日月が何かを探すように周囲に気にしだしたのは

どこかで見覚えがあると思えば、昼間の三日月のそれと同じだなと、正確にはこっちが先なのだけれど

最初はスカート捲られた後だし、多少は警戒もするかと思っていたけれど

時折、呆けている三日月の視線の先にはだいたい司令官の姿が映るようになっていた


あんまりにも気になったもんだから「なに?惚れたの?」

その時は冗談のつもりだったけれど、そんな事を聞いた見たのだった

「…え?」なんて、あの時の きょとんとしている三日月の顔は後にも先にもあれっきりだろう

というか、あの時、なにか変なスイッチを押したのか、引き金を引いたのか、地雷を踏んだんだろうな、あたしは

次に三日月の口から出てきたのは「そんなわけ無いでしょっ!」なんて、全力否定だったけれど

上ずった声と赤い顔でそんな事言われても、誰も信じやしないってものだ


見てないと、何するかわからないし、何されるかわからないし、だったら目のつく所に居てくれたほうが…

そんな言い訳を聞かされはしたものの

それでずっと見てる内に、見てないと落ち着かなくなってるんじゃ世話がない

恋わずらいにしては、あまりにもあんまりな理由もあったものだと、我が姉ながら世話が焼けると思ったもんだ


それだったら、もう少し近くにいたら?と、いっそ皐月と秘書艦変わってもらうとか?

なんては言ってみたものの、「それは、皐月に悪いじゃない…」とか言われるし

言いたいことは分かる、司令官といる時の皐月は楽しそうだしってのは見てれば分かるが…

それはそれ、これはこれ、じゃないかとも思う

結局、自分の感情がなんなのかよく分かってないんだろうなってのが結論

確かに、これが恋わずらいなのか、ほんとに警戒してるだけなのか、まだグレーな部分もあるだろうけど

今の三日月の様子じゃ、はっきりする頃には深海棲艦との戦いが終わってそうな気がしてくる


仕方がない、なんてものは今思えば言い訳だったのかもしれない

それから、執務室に入り浸っては司令官と一緒に暇を弄び、皐月をからかう毎日

だって、そうしていれば三日月が あたしを探していやでもこっちにくるから

強引に司令官に近づけてしまえ、なんていうのが当初の作戦だった

まぁ、三日月も気づいてたんだろう。たまに小突かれもしたが、それ以上に何も言ってこなかった


意外とそうやって、司令官と遊んでいるのが楽しかったんだ、本当に

子供かこいつはって思うことは何度もあったけれど

深海棲艦の事になるとたまに怖い顔もしていたけれど

気づけば、三日月の為なんて言い訳はなくなっていて、自分の為になっていた

少しは悪い気もしたけれど、幸いジュウコンカッコカリも平然とする類だったのでその辺は助かった


二人で指輪をもらった時、スカート捲られた時とは別の意味で涙を溜めていた三日月

そんな三日月をからかうことで、なんとか平静を装えたのには少しばっかり感謝していた

あんなタイミングで顔を赤くしていたら、ぜったい司令官にからかわれていた筈だから


そうやって今に至る、か…

時折、深海棲艦の攻撃は煩わしいけれど、それでも割りと平々凡々でゆったりとした日々

けど、あたし達は艦娘だし、今は戦争中だ…どうしたって、そういうこともあるかもしれない

それでも、できれば、もう少しだけ、司令官の艦娘として一緒に入られる夢の様な現実が続けばいいなって



ー執務室ー


そんな思い出が過ぎ去った後、すっかり目が覚めていた

目を開ければきっと、いつもの執務室の天井が映るだろう


望月「ん?」


ただ、いつもと違っていたのは頭の裏に感じる感覚

ソファーでも、枕でもない感触と暖かさ

それに、直ぐ近くに誰かの息遣いが聞こえる


望月「…んんぅ」


ふいに頭を撫でられる

優しく髪を梳かれて、頬をなでられる度に、こそばゆさに身じろぎをしてしまう

人が寝てる間に好き勝手しよって、文句の一つでも言ってやろうかと目を開ければ


望月「…なーに、やってんのさ、司令官?」

提督「おはよ、夜だけど」


目の前には司令官の顔、きっと頭の裏には太ももでもあるんだろうって、そんな体勢だった

寝るときは1人だったのに、いつまにこんな体勢になってたのやら


望月「変なことしてないよなぁ…」


疑念の目を司令官に向ける

体に異常は感じないけど、今のところだ

髪がボサボサになってたり、顔に落書きされたりぐらいはやりかねん

…スカートは…大丈夫そうだった


三日月「してないわよ?見てたから…」


ソファーの上。その縁に腰をかけていた三日月が、肩越しに望月を見やる

穏やかに微笑むその横顔が、満月の灯りに照らされて幻想的な空気を纏っていた

そんな姉の姿を素直に綺麗だと思ったのは姉妹の色眼鏡だろうか…


望月「…三日月は、なにやってたのさ…」


一瞬、「綺麗だな」何て事を口走りそうになる

そんな自分の感情を隠すように、布団をかぶり直す望月

もぞもぞと体勢を直しながら、さり気なく司令官の方へ身を寄せた


三日月「うん、月が綺麗だなって…ね?」


そういって、再び外へと、浮かぶ月に顔を向ける三日月


望月「そう、ね…」


言われて思い出す。今日は十五夜だったかと

確かに、暗闇に浮かぶ満月は素直に綺麗だとも思うけど

「お前のほうが綺麗だよ」って言ったら三日月はどういう顔をするだろうか

やっぱり、いつもみたいに慌てて否定するのだろうか…


しばし逡巡する望月

言うか言うまいか、そんな天秤が傾き口を開かせるその合間に


提督「私、死んでもいいわ…」


開きかけた望月が口を閉ざすには十分な言葉が聞こえてくる

ああ、そういえば、そんなベタな回答もあったな、と


三日月「もう、司令官ったら、死んでもいいなんて縁起でもないこと…」


二人の期待に反して、意外と普通の回答だった


望月「ん?」

提督「ん?」

三日月「ん?」


3人の頭に浮かぶ疑問符

一方は狙いが外れたことに、一方は予想外の展開に、そして最後にそんな二人の反応に


三日月「なにか、変な事言いました?」

望月「いや、変じゃない…」


けど、知らないのは意外だなってだけ


提督「ま、そんな事もあるか…」


素直に、お前のほうが綺麗だよって言っとけば良かったかな、と少々後悔をする提督

かと言って、今更言い直すのも、説明するのも、間が抜けすぎているのでどうにもならない


三日月「ん?………あっ」


腑に落ちない二人の反応に首をかしげる三日月

そしてやや長い間の後、その原因に気づいた三日月がはっと顔を上げた、そして赤くなるのも同時だった


三日月「ち、違いますからっ、そういうんじゃなくてっ、ただほんとに月が綺麗だからってっ、ねっ!」


ニヤニヤと、二人の顔が喜色に歪む

これだった、この反応を待ってたし、この反応が見たかった


提督「…三日月、そんな力いっぱい、I love youって言われたら、さすがの提督も照れるよ…」

三日月「言ってませんっ!」


わざとらしく、両手で顔を覆って恥ずかしさを演出する提督

そんな提督に向かって、力いっぱい否定するけど耳には届いてないようだった


望月「じゃあ、嫌いなのかって話になるよ?」


それはいつものやり取りで、実家のような安心感を得られるはずだったのだが


三日月「好きだけどっ!」

望月「ぉぅ…」

三日月「って…ああっ!?ちが、今のは違くてっ」


口を滑らせたってのは多分この事

いつもならここで口ごもって、まるくなる三日月を可愛がってお終いだったはずなのに

力一杯好意を口にする三日月に、若干気圧される望月だった


提督「…」

三日月「し、しれいかん…どうして黙ってるんですか?いつもみたいになにか言って…言って…下さい」


三日月の語気が段々と弱くなっていく

ことここまできたら、いつも見たいに思いっきり からかってもらえた方が気が楽なのに

とうの司令官は気恥ずかしそうにしたまま、何も言ってはくれなかった


三日月「ぅぅぅぅ…」


ほんとうに、いつもいらない時は構ってくるのに、必要なときに限ってこの人は…

そんな反応されたら困るじゃない、今までそんな反応した事なかったじゃない…


提督「三日月…」

三日月「は、はいっ!」


名前を呼ばれて、勢い良く顔を上げる三日月

どことなく、その表情は期待に満ちていた


提督が三日月に手招きをする

怪訝に思いはするものの、素直に手招かれる三日月

もう、なんだってよかった

この空気を変えてくれるなら、多少のことなら受け入れる覚悟がある

スカートの一枚や二枚捲られても戦えそうだ…せっかく、下着もアレなのだし…


望月「…」


いや、その反応はおかしいだろ、なんで嬉しそうなんだよ…なんて思いはするものの

お口にチャックをしたまま、動向を見守る望月


ちゅっ…


三日月「ふえっ…えぇぇぇぇっ!?」


小さな水音、そこから一呼吸の間があいて、三日月が声を上げる

弾けるように提督から離れる三日月

感触の残香を確かめるように頬を抑えながら、目をくるくる回していた


提督「ふふっ、月が綺麗だねぇ…」

望月「だーねー」


しみじみと、二人で満月を眺める

無論言葉の裏にはI love youの意味が篭っていた


三日月「あわ…え、あ、その…望月っ!」

望月「えっ、ちょっいっ!?」


望月の被っていた布団を引っぺがすと強引に中に潜り込む

そして、そのまま望月に抱きつくようにして、丸まってしまった


望月「…どうすんだよ、これ?」


布団の下、お腹の辺りから少女一人分くらいの膨らみを見せる望月の体


提督「あはははははは。良いじゃないか、たまには甘えさせてやれって」


誰に憚るでもなく、爆笑している提督


望月「ったく、チキンレースかよって…」


言ってしまえば悪癖だった

この提督、自分が照れるとそれ以上に相手を照れさせて平静を装うとするんだからが性質の悪い

けど、司令官がここまでしたってことは…割りと、ときめいてた訳か…


望月「なぁ、司令官?」

提督「ん?」


司令官の方へと手を伸ばし、その首に手を回す

下の方で三日月を引きずってるが、このさい無視だ


望月「あたし、死んでも良いんだぜ?」


望月の目が閉じて、提督の方へと顔を寄せる


提督「…ぅっ」


ちゅっ…

小さな水音が聞こえる、風の音にさらわれて行きそうな程小さな音

そんな一瞬の触れ合い、お互いの感触も掴み損ねるような短い間

それでも、彼女にとっては一年分くらいの勇気は使ったのかもしれない

きっと、この空気に当てられただけ

これは夢の続きで、朝になれば忘れてしまうから、もう少しだけ良い夢を…

そんな言い訳をしてまで踏み込んだ一歩だった


望月「にひひひひ。ちょっとはときめいたかい?」


ドキドキと喧しい心臓を、からかう様な微笑みで蓋をする


提督「…さっさとねろっ、ばかっ」


つっけんどんと、ぶっきら棒にそういって、顔を背ける提督

仄暗い部屋の中でも、司令官の顔が赤くなってるのがよく分かる


予想通りである、これはチキンレース

より相手を照れさせた方の勝ちっていう

ま、三日月の後ってのが若干ずるい気もするけれど…たまには良いだろう


望月「あいあい、おやすみ司令官」


布団をかぶり直す望月

お腹周りの三日月はテコでも動きそうもないので、今日はこのまま寝ることになりそうだった



ーおしまいー



米田舞子の今日の一膳:2食目


どうも、2度めましての方もいるかしら?米田 舞子です

本編の鎮守府とは別の所になりますので、ご注意くださいな


てか、あんな本編の後でやりづらいのよっ

ちった~考えなさいよっあのばかっ、ご飯が甘いのよっ



ー食堂ー


「ごっはん~♪ごっはん~♪」


席につきスプーンを握りしめ、その柄を机で打ち鳴らしながら

今か今かと、楽しそうに待ってる娘が二人

1人は、秋月型の一番艦・秋月さん

スプーンの音に合わせて、ポニーテールが一緒にゆらゆら揺れている

そしてもう一人はここの提督、米田舞子、鎮守府のエンゲル係数の半分はコイツのせい

歩く生活習慣病患者、食べることは生きることと見つけたり、などと、とかく食べてないと落ち着かない人

などと食べるために生きてる人である、ちなみに体型は普通

食べても太らないを地でいく人、そのせいかたまに妬まれもするが




そんな二人が、首を長くして待ってる食堂のその裏

キッチンスペース

漂うカレーの匂いと一緒に用意されたのは白いご飯

後は盛り付ければ終わりという段階なのだが


榛名「比叡姉様…磯風、榛名が来るまでお待ち下さいと、あれほど…」


鍋の前には二人の艦娘

金剛型2番艦・比叡、そして、陽炎型12番艦・磯風

そして、二人の前にはがっくりと肩を落としている、金剛型3番艦・榛名さん


比叡「いやー司令が、お腹すいたって聞かなくてさぁー」


たはははーっと笑顔見せる比叡とは対照的に榛名の表情は暗かった

確かにカレーだ、別にスパイスから混ぜ込んでる訳じゃない

市販のルーを使えば子供が作ったって酷いことにはなりはしない…筈なんだけど


磯風「そう心配するな、この間は隠し味が隠れてないって言われたからなっ、そうなんども同じ間違いは繰り返さんよ」

榛名「そう、だと良いのですが」


自信満々の磯風とは違い、榛名の表情は暗いまま

恐る恐る鍋の中を見る…色は普通、食材も変なものは見受けられないが…

だが、前回だってそうだった…隠し味が隠れてないって点を除けば普通に見えたのだ


比叡「大丈夫だってっ、比叡にまっかせてぇ、ねっ!」

榛名「は、はい…そう、ですね」


ドーンと胸を張った比叡が榛名の肩に手をおいた

姉のこういう明るい所は、好きですし、榛名も見習うべきなのでしょうが…

その自信の出所を問いたいです、問いただしたいです…

とはいえだ、あまり疑って掛かるのも悪いだろうと、とりあえずは


榛名「二人とも、味見は…されたのでしょうか?」


その上で美味しいと言っているのなら、平気ではあるのだろうと思ったのだが


比叡「あ」

磯風「あ」

榛名「ぁぁ…」


忘れてたと言わんばかりに、声を漏らす二人に、榛名が息を吐いた

ダメだこれは…榛名の直感そう告げていた


照月「榛名さーんっ!早くご飯をーっ!」


食堂の方から声が響く。その声は、秋月型の2番艦・照月の物だった

何やら切羽詰まった声音、そして段々と食堂のほうが騒がしくなってくるのが聞こえてくる


照月「提督がーっ!スプーンかじり始めてますぅっ!」


ストレスで自分の毛をむしり始める小動物の様な光景が容易に目に浮かんだ

味見をして、味を整え直している時間もなさそうだ

提督がまたジャンクフードに走る前にご飯を持って行かないと…


「あーっ!提督っ!長10cm砲ちゃん、齧らないでぇぇ! 10cm砲ちゃんも怒っちゃダメぇぇ!」

バタバタと慌ただしくなる食堂


榛名「ぁぁ…もぅ…」


肩を落としたまま、天井に顔を向ける榛名

任務から戻ってみれば、出発する前よりも問題が山積されている

だいじょうぶ、榛名はまだ大丈夫…なんて、自分に言い聞かせていた




「いっただきま~す♪」


完成度が不明とはいえ、食事が提供されると殺伐としていた食堂が一気に静かになる

聞こえてくるのは、美味しそうにカレーを書き込む音


秋月「司令っ、温かいご飯ですぅ、美味しいですねぇ」

舞子「むしゃむしゃむしゃむしゃむしゃ…」


温かいご飯が食べられることに、感謝感激雨霰の秋月と一心不乱に食べ続ける提督


「はぁ…」


しらず、そろって息を吐く榛名と照月

とりあえず、ご飯さえ与えておけばしばらくは大人しくなるだろうと、胸をなで下ろす


照月「ごめんね、長10cm砲ちゃん…提督も、悪気はない、…のかなぁ」


いまだに不機嫌な10cm砲ちゃんを宥める照月


榛名「無いとは思います。ただ、お腹が満たされていないと、不安で仕方ないだけで…」


基本的にはいい人なのだ。これさえ無ければって前提が付くけれど

とはいえ、欠点のない人なんていませんから

自分たちの事をちゃんと見てくれる人。それだけでも、ありがたい話だと


照月「でも、ほんとに美味しそうに食べてますね、あの二人…」

榛名「はい。ですが…」


前回も変わった味がしますねって言うだけで、結局は食べてた二人だし…


舞子「比叡っ、おかわりっ、あるんでしょっ!」

比叡「はいっ、気合っ、入れてっ、作りましたからっ!」


皿が空になるとすかさず、別の皿が差し出される

わんこそば…と言うにはあまりにも皿が大きいけれど、そんな感じだった


秋月「ふふ、司令は今日も元気ですね」


綺麗に一皿平らげると、口を拭いてご馳走様をする秋月

舞子さんと違って、割りと少食な方だった…舞子さんが食べ過ぎなだけでもあるけど


舞子「当然よ、秋月。人は食べることで幸せになるのだから、ふふふふ…むしゃむしゃむしゃ」


喋りながらも手は止まらず、直ぐに空っぽになるカレー皿


磯風「ふふっ、どうだ二人とも?今回はうまくいったようだぞ?」


自信満々に胸をはる磯風

確かに人が食べれるものではあるようだけれど


比叡「さーさー、榛名も照月も座って座ってー」


カレーを皿によそって、机に並べていく比叡


榛名「分かりました、それでは榛名も頂きます」

照月「はーい」


そうまでされては、食べずに文句を言うのも失礼だろうと

大人しく席へつく二人…そして、いただきます


榛名「これは…」

照月「なんという…」


カレーをスプーンで掬って一口

きっと二人共抱いた感想は同じであろう、いやこの二人じゃなくてもそう思うはず


榛名「あ、あじが…」

照月「うすい、ですね…」


肉と野菜の水煮、カレー風味…そういう表現が多分に適切だろう


磯風「司令の体調のこともあるからな、味は薄目に作ってみたぞ」

榛名「そう、ですか…ちなみに、どうやって作ったのでしょう?」


その心遣いは褒める所なのだろうけど…限度はあるじゃないかなって


比叡「いやーそれがさー、ルゥを半分にして見たら、なんかバシャバシャでさー」

磯風「水溶き片栗粉だったか、あれを入れれば固まるらしいと聞いたのでな」

照月「あー」

榛名「あー」


それで納得する、薄い割にはとろみがついてるこのカレーの状況に


比叡「やっぱり、マズかった?」


またやってしまったかと、苦笑いを浮かべる比叡


榛名「はい…今度は薄すぎますし、それにカレーは片栗粉でとろみを付けるものでは…」


前回と比べて、変な調味料を突っ込まなかったのは評価するべきだけれども

今後のためにはしっかりと言っておかなくてはならない


照月「普通に作りましょう、ね?…ここまで出来ればすぐなんだから…」


それは、懇願であり嘆願であった

なまじギリギリ食べられるものが出てくるのが、性質が悪い

まったく無理なら食べずに済むのに…捨てる訳にもいかずとりあえずは口に運ぶ照月だった


磯風「そうか、済まない。次は気をつけよう…」

比叡「やっぱり、調味料を半分にすれば言ってものでもなかったかぁ」

榛名「はい、今度は榛名もご一緒しますから…」


せめてもの救いは、この二人が素直なことくらいか


照月「次はきっと大丈夫…きっと、大丈夫、かなぁ…」

榛名「そう願いましょう…」


気苦労が絶えない二人だった



ーEX:米田舞子の今日の一膳:2食目・おしまいー


後書き

はい、というわけで最後まで読んでくれた方。本当にありがとうございました
貴重な時間が少しでも楽しい物になっていれば幸いです

それではこの番組は

木曾「…」(←酒の勢いでやらかした後の人の顔
瑞鳳「…」(←酒の勢いでやらかした後の人の顔

菊月「長月、あの二人はどうしたんだ?」(←好奇の目
長月「…きいてやるな、せめてもの情けだ」(←遠い目
球磨「ま、姉ちゃんから言うことは何もね~クマ」(←生暖かい目
多摩「艦娘同士のやること、別に珍しくもないニャ」(←猫目狐目
大井「乳繰り合うなら他所でやりなさいよ…」(←白い目
北上「あはははははは、やだもぅ、二人とも面白すぎるって…なははははは」(←お腹抱えて笑ってる

金剛「大鳳…こっちの下着なんて、どうでしょう…」(←黒くて装飾過多気味な奴
大鳳「金剛さん、気持ちは分かるけど、提督の趣味は多分、こっちよ…」(←白くてシンプルな奴

三日月「…」(←布団に蹲ってる
望月「いい加減出てきなよ…」
皐月「…司令官、三日月に何したのさ…」
如月「もう、司令官ったらぁ…手が早いんだから」
睦月「ふふふ、提督っ、どうだったっ三日月のパンツはっ!」
提督「捲ってねーよ、卯月じゃあるまいしっ」
卯月「うーちゃんと一緒にしないで欲しいぴょんっ」
夕張「やかましい、前科者」

弥生「お月見の感想は誰もなし…うん、そうなるよね。それじゃ、また…」

もろもろのメンバーでお送りしました


ー以下蛇足に付きー


♪教えて皐月ちゃんのコーナー♪

提督「はい、という訳で、望月、三日月回でした」
皐月「…なんか、パンツが多かった気がするんだけど…」
提督「気のせいじゃない?」
皐月「気のせいじゃない」
提督「いやだって、いつだったか。三日月のスカート捲ったことあるって言ってたし、回収しとこうと思って」
皐月「それにしたって、なんで卯月までやってるのさ…」
提督「そこにスカートがあるから?」
皐月「しらないよ、そんな事」

皐月「だいたい、24回目ってアニメじゃ2クール終わる頃じゃん…そんな節目にパンツばっかりって…」
提督「…つまり皐月もスカートめくって欲しかったと?」
皐月「言ってないでしょっ、バカじゃないのっ!」
提督「まあ、別にメインストーリーがあるわけじゃないし、都合よく睦月型の順番全部回ったのは良かった気もするけど」
皐月「よくここまで続いたもんだよねぇ、司令官飽きっぽいのに…」
提督「そうねぇ…」
皐月「ほんとに…」

♪皐月ちゃんラジオ♪ 

皐月「さて、しみじみともしてられないね。今回も、お手紙きてるよ」
提督「いつもありがとうございます」
皐月「それじゃ、まとめるね」

・やっぱり姉妹なんですね
・指輪の効力について

皐月「今日はこんな感じだね、それじゃ上からいくよー」

・やっぱり姉妹なんですね

皐月「そうだね、隠せてると思ってたの長月だけだったりするね」
提督「なんで、黙ってたのさ?普通にフォローしたげればよかったのに」
皐月「コメントでも貰ったけど。知らないふりをするのも優しさだよ
   長月も隠したがってたし。艦娘になると戸惑うことも多いしね」
提督「皐月は最初から普通に見えたけどな」
皐月「誰かさんのせいで、戸惑ってる暇なんて無かったからね」
提督「私じゃないよね?」
皐月「いやいや…」

・指輪の効力について

提督「指輪の効力かぁ…実際どんなもんよ?」
菊月「かっこ良くなれるぞっ!桜色の光がばーってなるからなっ」(ひょっこり
長月「済まない、邪魔をした…」(ずるずるずる
菊月「むぅ…」(ずるずるずる

皐月「あははは…そうだね、練度でって言われれば、持ってるだけでも+1くらいは上がるよ
    発動させると更に+10~50まで、その辺りは提督との絆次第ってイメージで」
提督「つまり皐月は+50余裕ですっと」
皐月「…さあ、どうかな?」
提督「てれちゃってー」(←にんまり
皐月「うっさいよ」(←顔赤い

提督「演出的な話をするなら、身体能力とか視覚とか聴覚なんて感覚器官の向上
    もしかしたら、ニュータイプ的なピキーンとか、八門遁甲とか第7感とかも開いてるかもしれないけれど
    これは、ネタの領域だから気分次第だな
    あと、艤装の火力は直接は上がらないけど、クリティカル率の上昇だとか、カットイン率の上昇とかで
    間接的に上がるかなって感じ。昼間なのに駆逐艦が魚雷カットイン撃ってくるような恐ろしさ」



皐月「はい、それじゃ今回はここまでだよ。司令官、ご挨拶」
提督「最後までお付き合い頂きありがとうございました
   また、オススメ・コメント・応援・評価・お気に入り・して下さった方々、いつも励みになっております
   重ねて御礼申し上げます。よろしければ、また次回もお会い致しましょう」(最敬礼
皐月「だんだんと肌寒くなってきたけど、みんな風邪とか引かないようにね」
提督「よろしければ、また一緒に遊びましょ。それでは、また」
皐月「またねー」


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2015-10-01 13:47:01

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1: SS好きの名無しさん 2015-09-22 22:08:02 ID: JEiozfGd

もっちー可愛い……皐月の次にね

2: フラン 2015-09-22 22:53:14 ID: u8hCdhT4

大鳳と文月のお料理シーン幸腹グ〇フィティみたいに踊ってるの想像してめっちゃ萌えました!w

三日月ちゃんには悪いけど望月が最後めっちゃ可愛いかったです!もっちーみたいなダラダラしてるけど実は頭の中では色々考えてそれを周りに悟らせない子大好きです!
そういえば指輪使うと提督に負担がかかるって話ありませんでしたっけ?それはどれくらいなのか気になります!
毎度長文失礼します。続き楽しみにしています!

3: SS好きの名無しさん 2015-09-23 21:57:54 ID: KkOzavIQ

睦月型大好き勢にとってはたまらんですな

これからも頑張ってください!


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