2015-04-14 17:08:00 更新

概要

提督と艦娘たちが鎮守府でなんやかやしてるだけのお話です

注意書き
誤字脱字があったらごめんなさい
基本艦娘たちの好感度は高めです
艦娘達は提督の見てるアニメやら何やらに影響されて妙な事をやりだすかもしれません
ちょっと戦闘シーン入ります
妖精さんたちが喋ったりします
予想以上に卯月無双になったかもしれません
SSにしては長いかもです、お忙しい方はご注意を


前書き

7回めになりました
楽しんでいただければ幸いです お目汚しになったらごめんなさい
ネタかぶってたら目も当てられませんね

設定とか少し

提督:土地神様、まあ色々できる。アドミラル提督

皐月:秘書艦:皐月・ザ・マイア

睦月:ハッピーニュー睦月

如月:如月スーパードライ

弥生:ヨーヨー弥生

卯月:ラビッツ卯月

文月:スマイル文月

長月:ロングナイト長月

菊月:マーガレット菊月

三日月:クレッセント三日月

望月:フルムーン望月

金剛:金剛・ザ・ダイヤモンド

球磨:マッスルクマー

多摩:キャットアイ多摩

木曾:木曾・ザ・キソー

北上:スーパー北上様

大井:エクセレント大井

夕張:夕張メロン

瑞鳳:エッグ・オン・瑞鳳

それではこの番組は

金剛「金剛・ザ・ダイヤモンド」
卯月「ラビッツ卯月ぴょん!」
菊月「マーガレット菊月だ」
北上「スーパー北上様だよーん」
睦月「ハッピーニュー睦月だしっ」
球磨「マッスルクマークマー」
6人で「6人そろって鎮守府第一艦隊!」(じゃじゃーん

皐月「…提督さ、あれが第1艦隊で良いの?」(呆れ
提督「面白いからいい」
文月「あははは、ちょっとカッコイイかも?」
長月「はぁ…」(←頭痛い
夕張「メロンってそのまんまじゃないの…」
大井「貴女なんてまだいいわよ、エクセレントって何の脈絡もないのよ、私」
木曾「だれだーこんな名前付けたやつ!」
多摩「…」(←こいつ
如月「あ、ちなみに私はビールとドイツ語の2をあわせてみたのよ?どうかしら」
弥生「私は…語感がいいから、だそうです」
三日月「三日月、みかづき?」
望月「私もそうなるなぁ」

瑞鳳「ず、瑞鳳…着任して、いいのかな?」

以上のメンバーでお送りします


↑前「提督と夕張」

↓後「提督と如月」



提督と瑞鳳


ー鎮守府近海ー海上ー


睦月「はーとの海域どれだけ巡っても~♪」(←歌ってる

文月「はいっはいっ♪」(←手拍子してる

如月「恋の弾丸あなたに届かない~♪」(←歌ってる

文月「さんしきだん♪さんしきだん♪」(←手拍子してる

睦・如「おねっがいた~すけて、らしんっばんの~妖精さーん♪」(←ハモってる


睦月と如月。二人が手をつないでくるくる回り出す


多摩「ふにゃぁ、平和にゃ…」(←あくびしてる


遠征任務の帰還途中。何度も通った道筋で鎮守府も目前、空は快晴、海も凪。実に良い航海日和

多少気が緩むのもやむなしと言った具合だった

さっさと返って昼寝でも、なんて多摩が考えていると さっきまで二人とはしゃいでいた文月がすすーっと寄ってくる


文月「たーまーちゃんっ♪」

多摩「にゃ?…タンバリンとマラカスどっちがいいにゃ」(しゃっかしゃっか


何処からとも無く楽器を取り出しカチャカチャ鳴らしてみせる


文月「それより~、偵察機かな。あっちに」

多摩「…にゃ」


文月が指差す先。こっちの進路との反対方向だった


多摩「なにか居たにゃ?」


喋りながらも偵察機を発艦させる


文月「いる、かも?」


いなければいいねぇ、なんて笑いつつも

何かいるって顔してるにゃ


しばらくして


水偵さん「あぁ、遠足は終わりかなぁ…多摩ちゃん多摩ちゃん、こちら水偵ちゃん…」

多摩「自分にちゃんとか付けてんじゃねーにゃ」

水偵さん「…じぶんとこのくちくかんみてからいえや」(ぼそり


口の悪い妖精にゃ、いったい誰に似たのやら。ま、とにもかく


多摩「ぐちってない報告するにゃ」

水偵さん「…まぁ、逃げることを薦めるね。私はそうする、いまやる、すぐやる」


さっさか通信をぶった切られた


多摩「やれやれにゃ」

文月「ダメだったみたいだねぇ」

多摩「睦月、如月。ちょっとこっち来るにゃ」


猫まねきをしつつ二人を呼び寄せる


睦月「どかしたの?」

多摩「燃料はまだ残ってるにゃ?」

如月「ええ、あと一往復位はギリギリいけそうだけれど」

多摩「じゃ、ちょっと遠回りして帰るにゃ」


空母ヲ級。水偵がよこした情報がこれ

まだ気づかれては居ないはず、足もこっちのが速いだろう

とはいえ万一このまま真っ直ぐ帰投してあれを鎮守府に連れ帰る結果になるのも面白い話ではなかった


睦月「ふぇぇ、睦月おなか空いたんだけどぉ」

多摩「道草でも食ってると良いにゃ。食べ放題にゃ」

睦月「いらないしー」


睦月の不満とお腹の音がぐぅーっと重なった


-工廠-


「…ん、ここは?」


海の底から浮かび上がるかのようにゆっくりと意識がはっきりしてくる

眩しい…久しぶりっていうのかなこういう感覚は。そんなはっきりと言えるほどのものではないけれど


夕張「ここは鎮守府。貴女は瑞鳳。私は夕張。他に説明は?」

瑞鳳「んー…いらないかも」


確かにそれ以上の説明は必要なかった。ザックリ過ぎではあったけど

艦娘になるってのはなんかそういう事らしい


瑞鳳「んー…そっかぁ。私の番かぁ」


ぐーっと伸びをして起き上がる


夕張「提督から伝言。「普通の女の子になりたいならどうぞ?」だ、そうよ?」

瑞鳳「えぇ、なにそれ?自分で呼びつけといて」

夕張「あははは…。えと、本気で言ってるわけじゃないからってフォローはしとくね」


苦笑しながらそんな事を言われても不安しかないのだけど


瑞鳳「んー、そうね。ここがブラック鎮守府だったらそうするけど?」


冗談めかしてそんな事を言ってみる


夕張「ないない」


それはそうだ。建造して即解体とかブラックな所がやるような事じゃないし


-母港-


睦月「つ、ついたぁ…」(ぐーぐー

文月「あはは、どきどきしたねぇ」(にこにこ

如月「はぁ、どうせドキドキするなら。司令官と…なんて」(きゃーきゃー

多摩「多摩はドキドキより、ゴロゴロしたいにゃぁ…」(にゃーにゃー


無事、なのは何よりだけれど…ヲ級が近海に湧いてるのが頂けないにゃ

こんなんじゃオチオチ遠征にも出られりゃしない


夕張「あ、みんなおかえりなさい」


瑞鳳に鎮守府を案内していると遠征組がご帰還していた


文月「ゆうばりぃ、ただいまぁ」(だきゅぅ

夕張「おかえりなさい」(なでなで

文月「そっちの娘は?」


ひとしきり夕張にじゃれついた後。隣にいた瑞鳳に顔を向ける


夕張「あぁ、この娘は…」

如月「夕張の隠し子ねっ」(きりっ


彼女はドヤ顔でそう言った


夕張「ふぁっ!?か、隠し子なわけ無いでしょう。だ、だいたい相手とかいるわけ」

多摩「そんなの提督に決まってるにゃ」


彼女は呆れ顔でそう言った


睦月「ふぉぉっ!?て、提督と夕張が、そんな関係だったなんて」

夕張「ちょちょちょいっ!?そんなもこんなもないって、普通です、ノーマルです、健全ですぅっ!」

瑞鳳「…(ぁぁ、そういう感じなんだ、ここ)」


斜め上の発言にわたわたとしている夕張をみてだいたい把握した

じゃあ、長いものには巻かれるべきだよね?


瑞鳳「…こほん」


わざとらしく咳払いをして一歩前にでる


夕張「瑞鳳?」

瑞鳳「ママをイジメないでっ!」


彼女は真面目な顔でそう言った


夕張「ず、瑞鳳まで…」(orz

瑞鳳「え、ちがうの?」(にっこり


夕張ががっくりとしていた


如月「この娘、出来るわね」

文月「楽しくなりそうだね、また」

多摩「そろそろツッコミ要員が欲しかったのににゃぁ」

睦月「て、提督と、夕張が…あわわわわ」


なんかもうグダグダだった


皐月「あ、夕張さんみっけ」


なんてしていたらひょっこりと皐月が顔を出した


夕張「さ~つ~き~、みんながいじめるよぉ」(およよよよ

皐月「なにやってるのさ…」


駆逐艦に縋る軽巡の図が完成した


-鎮守府-廊下-


瑞鳳「なんか、楽しい娘たちだね」

多摩「ま、基本マイペースなのばっかりにゃ」


夕張が皐月に呼ばれたので案内は多摩に引き継がれていた


瑞鳳「自分も含めて?」(微笑み

多摩「にゃ」(こくり

瑞鳳「そっか、楽しくやってるんだ」

多摩「瑞鳳も気楽にするといいにゃ…ここじゃ昼寝してても誰も怒らにゃいし」

瑞鳳「いや、そこはちゃんとしようよ」


それから少し歩いて何となく思った感想


瑞鳳「ここって、学校?」

多摩「にゃ。元廃校を改修したらしいにゃ」


外観もそうだし、中に入ってみれば長い廊下に綺麗に区画された部屋が並んでいた

歩きながら中を覗いてみても、薄暗くホコリ被ってるようで殆ど使われてる感じもしないけれど

後ろに小さく纏められた机と椅子それに教壇と黒板が往年の姿を偲ばせる


多摩「さて、ついたにゃ」

瑞鳳「ここは?」


-大浴場兼入渠ドッグ-


多摩「ここが風呂場とあっちが入渠施設にゃ」(ガラリと扉をあけつつ

瑞鳳「へぇ、もしかして結構広い?」

多摩「ま、泳げるくらいには広いにゃ」


辺りをきょろきょろ見ていた瑞鳳

脱衣所だけでも風呂場のなかがそれなりにの広さはありそうだと予想できそうだった

そして視線が一つの所で止まる


-高速修復剤・ご自由にお取り下さい-


瑞鳳「ふーん…ね、ねぇこれは良いの?」

多摩「にゃ、書いてるとおりにゃ」

瑞鳳「けっこう雑?」

多摩「単にだだ余ってるだけにゃ」

瑞鳳「それなりに貴重品だったようなきがするんだけど…」


貴重品といえど余ってしまえばどうという事はないらしい


木曾「ん?多摩か、それと新入りか?」


二人が奥に進んでいくと木曾さんがいた

牛乳を飲んでいた、裸でタオルを肩に引っ掛けて実に男前である


多摩「…人前にゃ少しは隠す努力して欲しいにゃ」

木曾「いいだろう。そんな減るもんじゃないし」

多摩「そんなだから女子力低いって言われるにゃ」

木曾「いや、言ってるのお前らだけだろって」

瑞鳳「…♪」(にやり


減るものじゃない、か。瑞鳳考えちゃいました


瑞鳳「あ、提督。お疲れ様です」

木曾「っ!?」


提督の一言に反応して慌ててタオルで体を隠す木曾


多摩「…(瑞鳳、意外といい度胸してるにゃ)」

瑞鳳「ふふふふ、冗談でーす♪」

木曾「く、くそ…」

多摩「減らないんじゃなかったのかにゃぁ」

木曾「わーったよ、もう。俺の負けだって」


頭を掻きつつ着替え始める木曾さんでした


-食堂-


多摩「ここが食堂にゃ」

瑞鳳「ここも結構広いけど…ここ、そんなに艦娘いるの?」

多摩「にゃ。片隅だけでも足りるくらいしか居ないにゃ」

瑞鳳「それに食堂って言う割には…誰もいない、ね」

多摩「にゃ。食堂というなの食材保管場所だからにゃ。金曜のカレーの日とかお祭り事があれば皆で集まるくらいにゃ

   それと、基本的にここにある食材は勝手に使ってくれて構わないにゃ」


ただっぴろい食事スペースの奥、これまた無駄に広い調理場に足を進めていく


瑞鳳「…なんか、肉ばっかり何だけど」


冷蔵庫、冷凍庫、どれを開けても取り敢えず肉が目についた


多摩「肉食が多いからにゃ。仕方ないにゃ」

瑞鳳「自分も含めて?」(微笑み

多摩「にゃ」(こくり


提督「きーたーかーみーさーまー。御飯作ってー」


なんて、提督の声が扉の向こうから聞こえて来る

時刻はいい感じにお昼時だった


北上「えー、たまには自分で作りなよー」

大井「そうよ。子供じゃないんだし、自分でやりなさいな」

提督「大井よ、どうせ食べるなら美味いほうが良いだろう?」

大井「当たり前じゃない。北上さんのお料理は最高よ」

提督「うむ。2人分も3人分も作る手間は変わらないだろう?」

北上「じゃーさ。提督が3人分作るってのはどうよ?」


いい事を思いついたとばかりに、北上様が矛先をこっちに向ける、とはいえ


提督「大井、私の手料理食べたい?」

大井「いやよ。それなら私が作るわ」


即答されたが、予想どおり。ちらりと北上様に視線を送ればばっちりと目が合った


北上・提督「どーぞどーぞ」

大井「うっ…あなた達ね」


タイミングは完璧であった


瑞鳳「ふふふ」

多摩「何やってるにゃ」

北上「およ、多摩ちゃん来てたんだ。そっちの娘は?」


奥の方から微笑んでる瑞鳳と呆れ気味な多摩が顔を出す


瑞鳳「はい、軽空母の瑞鳳です。よろしくお願いします」

北上「ああ、そいや着任するって言ってたね。私が雷巡のすーぱー北上様だよーん」(ばばーん


由緒正しき雷巡のポーズを取って名乗る北上様


瑞鳳「す、すーぱー…」

大井「北上さん、それ気に入ってるの?」

北上「ふふ、結構ね。そしてこっちが相方のエクセレント大井だよ」

瑞鳳「え、えくせれんとって、ふふふふ…」


瑞鳳が口を抑えながら肩を震わせる


大井「ちょ、ちょっと変な名前付けないでって、ほら、笑われてるじゃない」

提督「そして私がアドミラル提督だ」

北上・瑞鳳「ぷふぅっ…ごめ、ちょっと…たんま」


二人してしゃがみこんだ。北上様はとにもかく…こっちもか


瑞鳳「あ、あどみらるって…ふふふ」

北上「ていとくていとくって、かぶってんじゃん、くくく」

瑞鳳「うえからよんでも…」

北上「したからよんでも…」

北上・瑞鳳「ていとくって。あはははは」


大井「ちょっと。どうするのよ、これ…」

多摩「ほっとくにゃ、付き合いきれんにゃ」

提督「ま、仲良さそうで何よりだ」


さすがに大井さんも呆れ気味だった


瑞鳳「はぁはぁ、え、えーっと。そういえばご飯の話、してたよね?」


肩で息をしながらも二人がなんとか復帰する


北上「はは、はぁ…。うん、まぁ給食のおばちゃんとか居ないからねぇ、ここ」

瑞鳳「じゃあさ。私、玉子焼きとか得意なんだけど。たべりゅ?」


さっきの笑いが尾を引いていたのか絶妙なタイミングで噛んだ


瑞鳳「…(あ、どしよ、噛んじゃった)」


沈黙が訪れる

その時間が伸びるのと比例して瑞鳳の顔が見る見る赤くなり挙動不審なまでに視線を彷徨わせる


大井「…(噛んだわ)」

多摩「…(噛んだにゃ)」

北上「…(あざとい感じできたねぇ)」

提督「…(かわいいが、賛否両論だろうな)」


その沈黙に終わりを告げるよう、すっと提督の手が上に上がり、そして


提督「たべりゅー」

瑞鳳「やーめーてー」

北上「ぷふぅっ…」


瑞鳳は再沸騰して今一度 床にしゃがみ込む。北上様は顔を伏せて笑いをこらえてるご様子


多摩「はぁ…飯はまだにゃ」

大井「もう、私が作ってくるわ…」

多摩「手伝うにゃ」


そして、諦めた大井と多摩は食事を作りに行った。そんなお昼時だった


ー別の日ー鎮守府近海ー


卯月「さあ、瑞鳳。どっからでもかかってくるぴょんっ!」


シャキーンっと主砲を2つ両手に構えガン=カタ?のような感じでポーズをとっていた


瑞鳳「ほ、ほんとにいいの?」


矢を番えながらも構えられずにいた

現在演習中。瑞鳳VS卯月…勝利条件は卯月に一発入れてみろ

なんて言われたけど、相手は駆逐艦。秋月型ならとにもかく睦月型では なおさら気が引ける


卯月「ははーん。さては、うーちゃんに恐れをなしたぴょんww?

負けるのが怖いぴょんww?ごwめwんwなwさいww卯月様とか言えば許してやらなくもないぴょんwww」


喋りながらも言葉のはしから嘲笑がこぼれていた


瑞鳳「…(イラッ)怪我しても知らないからっ!」


番えた矢が引き絞られる。一呼吸の間を置いて放たれた矢は空中で複数の爆撃機へと変じて卯月に向かっていく


卯月「うさぎのみーみはなーがいぴょーん♪おそらのおとをーきくためぴょーん♪」


さながら童謡の様な一定のリズムをもって卯月の口ずさむ意味のない歌

歌いながら卯月が瞳を閉じ主砲が頭上青天真上に向けられる。れっつラストシューティング


卯月「…主砲向けるぴょん、引き金を引くぴょん、当たるぴょん」(かちゃり


引き金が引き絞られる。ちょうど艦載機が爆弾を投下を開始していた

その一つに放たれた砲弾が命中し貫通し爆撃機ごと貫いた後 爆発が起こる

爆風と爆炎、そして破片が飛び散りピタゴラスイッチの如く周囲の爆撃機や爆弾を飲み込んでいく

かろうじて海面に辿り着いた爆弾も卯月の周りに落ちるのみで綺麗な噴水を作り上げていた

そして、その噴水の中心で卯月が恭しく一礼をする


瑞鳳「うっそ…」

卯月「これが睦月型の力ぴょん。さあ、うーちゃんに当てたければその十倍は持ってくるぴょん!」


呆然としている瑞鳳に主砲をくいくいっと動かしかかって来いのサインをだす


瑞鳳「ふ、ふーん…全機爆装…」


瑞鳳のイライラが矢に伝わりジリジリと引き絞られていく


瑞鳳「ぶっとべぇぇっ!」


一矢、二矢とありったけの爆撃機が射出され次々卯月に向かっていく


妖精さん「フォックスリーダーより各機へウサギ狩りである、全力で事に当たれ全力でだ」

妖精さん「やふーる!逃げるウサギは全部つぶせ」

妖精さん「ごめんなさいするうさぎは よくくんれんされたうさぎです?」

妖精さん「轟沈したウサギだけが良いウサギだぁ」

妖精さん「こんなのウサギ狩りじゃないわ、ただの山狩りよ…」


卯月「ぴょーん…さすがにこれは…」


反転して全力で加速した


卯月「瑞鳳!大人げないぴょん!」

瑞鳳「うっさい!あんたは可愛げがないのよっ!」


ー母港ー


弥生「…」


弥生が膝を抱えて海の方を見ていた


望月「あれ、弥生じゃん。どうしたのさ、こんな所で?」

弥生「ん…あれ」


弥生が指差す先。ちょうど卯月が艦載機たちに追い回されている所だった


望月「…なにやってんのさ、あれ」

弥生「演習、だって」

望月「にしては随分と過激だぁねぇ」


ちょこんと望月が弥生の隣に腰を下ろす


弥生「ん、ちょっと心配、かも…」


不安を誤魔化すためか、弥生が膝を強めに抱え直す


望月「へーきだろう。演習だってんだし」

弥生「でも、球磨さん、とか」

望月「あれを基準にしちゃいけない」


ふるふると望月が首を横にふる


弥生「ん、それは、そうかも」

望月「はぁ…弥生も好きだよなぁ卯月の事」

弥生「そう、かな?」

望月「そうだろ」


そんな心配してずっとみってるんだ。これが好きじゃなかったら怖いって


弥生「そう、かも…」


弥生が微笑む。恋する乙女のようにも見えなくも無かった


弥生「でも、好きって言ったら。望月もだよね?」

望月「私?そりゃ、姉妹なんだし あんなんでもさ、きらいってことは…」

弥生「司令官のこと」

望月「な、い、け…(へ?司令官?なんでここで?いやまて私が好きとかそんなん別に)」


ふいっと望月の顔がそらされる


望月「普通でしょよ。そりゃ、嫌いじゃないけども」

弥生「うん。望月ってさ、照れるといつもそっぽ向くよね?」

望月「ぅっ…」


現在進行形でそっぽ向いてんだから反論もへったくれもなかった


弥生「かわいい」


くすりと弥生が微笑んだ


望月「…(ああ、こいつは私をからかってんだな、ふーん)」


ていっと突っつきやすそうに服の間から覗いている脇腹を指で突っつく


弥生「きゃっ、ちょっと、望月?」

望月「くすぐりはな、もっちーも得意なんだよ」(にやにや


続け様に両手をのばして弥生をくすぐりにかかる


弥生「や、ちょっと、くすぐったいから…んんぅっ」

望月「妹をからかう悪い姉ちゃんこうしてやる」

弥生「も、もぅ、ごめんってば…」

望月「ふーんだ」


ひとしきり くすぐった後 弥生を開放する


弥生「もう…ん」


ちょこんっと弥生の頭が望月の肩に乗っかる


望月「なにさ?」

弥生「いいでしょ?」

望月「まぁ、いいけどねぇ」


それから演習が終わるまで二人で卯月達を眺めていた


ー同刻ー執務室ー


三日月「あれ、止めなくても良いんでしょうか」


書類を抱えたまま三日月が窓から海を眺める

窓から見える演習の光景はどんどん過激になっていくばかりで


提督「弥生が見てるし、ヤバけりゃ止めるだろ」

皐月「そうそう、あんぐらいじゃれてるだけだって」


窓枠に体を預けている提督と机の上でカリカリと書き物をしている皐月


三日月「皐月ってさ、だんだん司令官に似てきてない?」

皐月「…ふぁっ!?いや、そんなことないでしょ」


パキッと力を入れすぎたのか鉛筆が折れる


提督「ま、私色に染め上げましたからな」

皐月「いちいち変な言い方すんなっ!」


折れた鉛筆が提督に投げつけられるもサクッと避けられてしまう


三日月「ふふ、皐月可愛い」

皐月「もぅ、からかわないでよさぁ」


ふいっと皐月がそっぽを向く


提督「…姉妹だねぇ」


下の望月達を見ながら何となくそう思った


ー同刻ー鎮守府近海ー


相変わらず爆撃機に追い回されるも至近弾のみで器用に避け続けていた


卯月「そんなだから甲板胸のままなんだぴょん!」

瑞鳳「あんただって、大して変わんないでしょっ!」

卯月「幼女と比べて何がw楽しいwぴょんw?虚しいだけぴょんww!」

瑞鳳「うっさい、ロリBBA!!」

卯月「はっ、それ金剛のまえで同じ事言えるぴょん!」

瑞鳳「あんたを沈めたからそうさせてもらうっ!」


争いは同レベルの者同士でしか怒らないって格言もありまして…


ー夜ー執務室ー


途中で寝てしまった皐月を膝枕しながらぼけーっとしていると

唐突に扉が開かれた


三日月「司令官!」

提督「しー」


なにやら慌てた様子の三日月が飛び込んでくるも

指先を口元にあて、次いで眠ってる皐月を指さす


三日月「あ、ごめんなさい」

望月「じゃねーよ。ちょっと近海でヲ級とかヌ級とかうろついてんだけどさぁ…」

提督「あぁ、それか…どっか行ってくれると良かったんだけどなぁ」

三日月「知ってたんですか?」

提督「こないだ多摩達がなぁ…」

望月「それでここ最近遠征出るなとか言ってたのかよ」

提督「まぁねぇ…」


寝てる皐月の頭をさらりと撫でる


望月「夜の内に片付けてこようか?北上達連れてきゃ余裕でしょ?」

提督「頼もしい限りだな…でも、そうね今回は別の手で行きましょう」


だからもう休んでいいよ?

なんて口にした途端に望月が反対側のソファーにダイブし、備え付けの毛布にくるまった


望月「じゃー寝るよー」

三日月「ちょ、望月。部屋で寝なさいって」

望月「zzzzz」


聞く耳はないらしい


三日月「もぅ…」

提督「みつきも寝てく?ほら、反対側のひざ開いてるよ?」


ぽんぽんっと膝を叩いてみる


三日月「し、しつれいしますっ」


くるりと背を向けていってしまった


望月「はぁ、素直じゃないねぇ」(にやにや

提督「ほんとになぁ」(にまにま


髪の間から覗いた耳がまっかに染まっていた


ー翌日ー鎮守府近海ー


旗艦:金剛・卯月・長月・菊月・夕張・瑞鳳

以上の編成で海上を進んでいく

金剛、瑞鳳から索敵機を発艦させ、長月と菊月が両翼に広がり電探で敵を探していた


卯月「こーんごー。敵はまだ見つからないぴょーん?うーちゃん暇だぴょーん」

金剛「デースねぇ。これではtea timeも出来ないネー」


卯月が金剛の首に手を回しおんぶされるような感じで曳航?されていた


瑞鳳「ねぇ、夕張。あの二人って出撃中でもこんな感じなの?」

夕張「んーまあ、ね?やっぱり不安?」

瑞鳳「…正直言えば」

夕張「大丈夫だって。練度だけなら私達より全然上だし…悔しいけど」

瑞鳳「むむむぅ…(それはまぁ、あの日は結局直撃させられなかったし)」


確かにそう。演習の時に嫌ってほど思い知らされてはいる


金剛「夕張、瑞鳳」


金剛に呼ばれて二人がそちらに目を向けてみれば


金・卯「鎮守府で生まれた防空戦艦の~金月デース(ぴょん)」

夕・瑞「…」


おぶさっていた卯月が肩車されていた…


瑞鳳「ほんとに、大丈夫なの?」

夕張「た、たぶん」


ドヤ顔でアピールまでされた


卯月「対空ならまかせろー」

金剛「ばりばりネー」

夕張「やめてっ」

金剛「HAHAHA.夕張はノリがイイですネー」

瑞鳳「あははは…」(←苦笑


不安しかない


菊月「長月…」(←通信中

長月「なんだ、見つかったのか?」

菊月「重雷装戦艦とかどうだろうか?」

長月「…仕事をしろ」(←不安そう

菊月「むぅ…」(←不満そう


どこもかしこもマイペースだった


瑞鳳「んっ、あのーそろそろ本気出してもらえると」


どうやら瑞鳳の索敵機に反応が合ったご様子


彩雲さん「すべて振り切るぜー」


母艦さえも振り切って帰投したはずの彩雲が飛び去っていった


金剛「おぅ、なかなかFUNNYな索敵機デース」

水観さん「こ、こうちゃを…(がっくり」


遅れて金剛の水観さんがふらふらと戻ってくる


金剛「OK,これが終わったらTeaTimeネ」

瑞鳳「もどれぇぇぇっ!」


戦闘前にどっと疲れた瑞鳳さんだった     

      金


   菊 夕瑞 卯

 

      長

こんな感じに金剛を先頭に輪形陣を組んで戦闘を開始する

対して敵はヲ級:軽空母・重巡・軽巡・駆逐x2と言った具合だった


瑞鳳「さあ、やるわよ!攻撃隊発艦」


瑞鳳から艦載機が発艦していく


金剛「んむぅ…Air superiority(制空権)をGetして欲しいのデスが」


瑞鳳から発艦したの艦攻と艦爆がメインものだった


長月「金剛、良いのか?」(←通信中

金剛「問題Nothing。提督のorderもあるデース」

長月「好きにさせろとは言うがな…」

金剛「いざともなれば、私と卯月でどうにかするネ…それより長月は追撃の事を考えるね」

長月「了解した…」


上空ではお互いの艦載機が入り乱れる

制空権を取られてはいないもののあまり良いといえるような状態でもなかった

何機も敵艦載機が戦闘機の穴を抜けて飛来する


金剛「むむぅ、やっぱり少し重いネ」


ギリギリと軋みを上げて46cm砲の三式弾が空中に網を張っていく


卯月「うーてぇいうーてぇい」


卯月が網をも抜けてきた艦載機を的確に落としてはいくが如何せん数多い


菊月「あまり、対空戦闘は…得意じゃないんだがな」

夕張「あたってぇぇ!」(←25mm三連装機銃x4

長月「夕張。弾幕うすいぞ」

夕張「わかってるけど」


そのうち爆撃機の1機が急降下してきた。多少の被弾もものともせずに真っ直ぐに

それはもう急降下といより突撃、ひいては特攻もしくは墜落であった


長月「嫌な落ち方をするっ!瑞鳳よけろ!」


長月の主砲がその艦載機を撃破するも直前に投下された爆弾が瑞鳳の飛行甲板めがけて直撃した


瑞鳳「やら…れた…ぁ、飛行甲板が」


なんとか中破程度では済んだものの飛行甲板がやられた以上無力化されたようなものだった

対してこちらの艦載機は重巡:小破・駆逐:大破には追い込んだものの黙らせて置きたかった空母勢は健在と

航空戦は難航のまま両陣が接近していく


金剛「夕張。瑞鳳の様子はどうデース?」(←通信中

夕張「無事よ。この程度じゃまだまだ平気」

瑞鳳「あはは、確かに平気だけどさ…夕張って結構図太い?」

夕張「まあね。一度女神様に微笑まれればこのくらい、ね?」


苦笑する瑞鳳に安心させるように笑顔で返す


金剛「OK。夕張、瑞鳳の護衛に入るデース」(←通信中

夕張「うん。でも、空は良いの?」

金剛「all or nothing.任せるネ」


きっぱりと断言する言葉に不安の色が溶けていく


夕張「うん、わかった。瑞鳳は任せて絶対護るから」

金剛「さて、卯月」

卯月「出番ぴょん?」

金剛「exactly♪」

卯月「ふっふっふ。ついこの時が来たぴょん」


卯月が首からぶら下げていた指輪を左手の薬指にはめる

そして金剛の左手が空に向かって掲げられる、その指にある指輪が陽の光を弾きキラリと輝いた


金・卯「エンゲージ!(ぴょん!」


二人の指輪が淡く輝きだし、桜色の光の粒子が溢れて広がった


ー同刻ー執務室ー


チリチリと肉を焦がすような空気が部屋に充満していた

テーブルを挟んで二人、提督と球磨が向かい合い座っている


球磨「どうして球磨を出撃させなかったクマ?」


じとりと粘着くような雰囲気


提督「軽空母オンリーなら兎も角、大型艦もいるしねぇ」

球磨「夜戦で片付ければ良かったクマ」

提督「分かってはいるさ、しかし折角の空母だ試してみて損はないだろう」

球磨「試す?あの練度の低いままで何をクマ?」

提督「過保護だねぇ、くまちゃん」

球磨「轟沈させるより余程良いクマ。実戦でわざわざ勝ち目を薄くする必要なんて無いクマ」

提督「金剛も一緒っだったろう?そんなに不満か?」

球磨「金剛一人でどうにかなるものでも…」

提督「卯月に長月、菊月はちと不安はあるがな」


球磨の言葉を遮り提督が言葉を続けた

と、その時。提督の指にはめられていた指輪が輝き出す


提督「ん、勝ったな」

球磨「それクマ。そんなんに頼ってたらいつか足元すくわれるクマ」

提督「何を?私ら提督が望んだ力で、君ら艦娘が求めた力だろう?」

球磨「わざわざ命掛けるような戦いでもなかったクマ」

提督「なぁ、球磨。切り札ってのは」


一瞬の間


提督「使える内に使うもんだ」

球磨「最後の最後までとっとくものクマ」


見事なまでの見解の相違だった


提・球「…」

皐月「ねぇ、二人ともさ」


沈黙を破るように皐月が割って入る


皐月「ここで焼き肉すんのやめてくんない?」


焼けた肉の匂いが部屋中に充満していた


球磨「あ、焼けたクマ」


球磨が提督のお皿に肉を移す


提督「皐月は食べないの?」

皐月「うっ…た、食べるけど」(ぐー


皐月のお腹の音がなる


球磨「なんのかんの言いつつ体は正直クマ」(にやにや

提督「さぁ、一緒に肉欲を満たしましょうね?」(にまにま

皐月「あーもー、いちいち変な言い方すんなぁー」


ー同刻ー鎮守府近海ー


卯月「金剛!」

金剛「OK.Burningら~ぶ♪」


先ほどまで強引に動いていた感のある46cm砲が別物のようにキリキリと回り始める

まばらだった砲火が整然と並び弾けていく…場合によっては花火の様でもあった


卯月「さあ、お前らの艦載機を数えるぴょん!」


縦横無尽に海上を駆けまわり、誘導弾とでも言いたくなるほどの正確さでもって

砲火から逃れた敵艦載機を卯月の主砲が海上に叩き落としていく


卯月「これじゃ七面鳥のがまだマシぴょん。さあ、フィナーレぴょん♪」


卯月が30連装噴進砲を展開する。そしてその場でくるくる回りだすのと同時に噴進砲が火を噴く

三式弾が打ち上げ花火ならこちらはロケット花火と言った具合だった

その一つ一つが卯月の回転に合わせて全周囲にバラ撒かれる。そして…ピタリと回転をやめる

敵艦載機が空中で爆発四散する…爆風に煽られ髪と服がはためく中

卯月がスカートの端を両手で摘み小さく礼をした


制空権確保


驚愕、であろうか。優勢であった制空権を対空砲火のみで押し返される理不尽をたとえるなら

ヲ級の目が驚きで開いたようにも見える


金剛「Hey、卯月。これでfinish?」

卯月「なわけないぴょん!」


金剛の横に並んだ卯月の、そして金剛の主砲がヲ級に向く


金・卯「ばーにんぐ、ら~ぶ♪(ぴょん♪」


二人の主砲が一斉に火を吹く

その状況で、何かを諦めたのだろうかヲ級の目がゆっくりと閉ざされる

そしてその額に卯月の主砲が命中し、仰け反ったヲ級の体を金剛の主砲が消し飛ばした


夕張「ほーんと、こんなの見せられるとねぇ」

瑞鳳「すごい、ね」


指輪の力もあったであろうが、それでも…


長月「菊月。行くぞ」

菊月「ああ、わかっている」

長月「夕張はそのまま瑞鳳を護ってろ。もう平気だとは思うが気を抜くな」


夕張の側を通り菊月と合流した長月達が金剛の前に出る


金剛「へーい、長月」

長月「全部落とせだろう?」

金剛「VeryGood♪」

菊月「任せておけ」


艦載機をすべて叩き落とされ、旗艦を潰されれば誰だって逃げ出したくもなる

深海棲艦も例にもれずに反転をはじめる

背中を見せた重巡に菊月がすれ違いざまに主砲を撃ちこむ

至近距離でなおかつ無駄に改良された12・7cm砲★x10を受け、手負いの重巡の体が傾ぐ

そこに長月が発射した魚雷が直撃し重巡が海に沈む


長月「悪いな…」


届くはずもない言葉を残し長月が沈みゆく重巡の横を駆け抜ける


長月「酸素魚雷の力、思い知れ!」


5連装酸素魚雷x2 10射線のそれが同時に射出される


菊月「運が悪かったな…次だ」


菊月の主砲が大破していた駆逐艦に撃ち抜き轟沈させる

そのまま逃げ去ろうとする駆逐艦に一撃…小破・二撃…中破…そして速力が落ちた所に至近距離まで近づき


菊月「悪いが、ここが貴様らの墓場だな!」


菊月の主砲にぶっ飛ばされた駆逐艦が横転しそのまま海の藻屑になっていく

そんな中残っていた軽巡の主砲が菊月に向けられる


菊月「…相手が違うぞ」(←シャフ度


首だけを軽巡に向けそう言った矢先に

軽巡の足元から爆発が起こりそのまま沈んでいく


長月「…おまえは、なんでわざわざ突っ込んでいくんだ」

菊月「ふっ…なに、この菊月、この程度では沈まぬよ」(きらりんっ


勝手に戦意高揚状態になっていた


長月「…はぁ」(←頭痛い

菊月「どうした長月?まだ軽空母が残っているぞ」

長月「わかっている。片付けるぞ…はぁ」


2度のため息のあと二人の主砲、そして魚雷が残った軽空母に向き


長月「久々に本気になったよ…」

菊月「…眠れ」

金剛「Congratulations♪ we are winner」


最後の軽空母が海に消えていった

それと同時に 桜色の光の粒子がヒラリと一枚海面に落ち海に溶けていく


卯月「ま、これが睦月型のほんとの力ぴょん♪」(どやぁ

菊月「こんなこと、威張れることではないがな」(どやぁ


バカ二人が無い胸を張って威張っていた


夕張「な、なんかムカつくけど…」

瑞鳳「あはは、言い返せないよねぇ…」

金剛「non.non 二人共ナイスGutsデース」


ぎゅむぅっと金剛が二人を抱きしめる


瑞鳳「こ、これはこれで何かムカつく…」

夕張「あ、あははは。言い返せないけどねぇ」


抱きしめられた二人の体に金剛の胸がぎゅぅぎゅぅ押し付けられていた

胸囲の格差社会であった


ー夕方ー母港ー桟橋ー


瑞鳳「…はぁ、やっちゃったなぁ」


夕暮れ時、水平線に夕日が沈む中、瑞鳳がぼーっと海を眺めていた


今思えば、大人しく制空権確保しておけば皆もう少し楽に戦えたのだろうか、なんて


瑞鳳「今更だよねぇ…」


次は、なんて言っても戦いに次の機会なんて…今回は皆無事だったから良かったものの


提督「これまさしく黄昏てるってやつかな?」

瑞鳳「きゃっ…」

提督「そんな驚くなよ、傷つくわ」


何時の間にやら提督が瑞鳳の後ろに立っていた


瑞鳳「い、いつの間に」

提督「そりゃ、瑞鳳が提督大好き❤っていった辺りから?」

瑞鳳「い、いってないしそんなこと…」

提督「いってもいいのよ?」

瑞鳳「…ていうか、黄昏れてるの分かってるなら一人にしてくれません?」


ふむ、冗談を返す気力もないか


提督「ま、別にいいけどさ。要件済ませたらな…」


すっと近づき格納庫(矢筒?)に手を伸ばす


瑞鳳「んっ、提督?格納庫まさぐるの止めてくれない?んっ。っていうか、邪魔っ!」

提督「おっとと」


ほんといたくご機嫌斜めのようで

割とおもいっきり引き剥がされてしまった


提督「はいはい。それじゃ提督はドロンしますよー」


これ以上怒らせる前に退散退散


瑞鳳「もう…。ん、ていうか格納庫に変なの入れないでって…」


瑞鳳が格納庫から引き抜いたそれは新型の艦載機セット

流星改 12型甲 烈風 そして指輪が引っかかっていた


瑞鳳「ちょっと、提督これ…」


戸惑いがちにな声にとりあえず振り向く


提督「プレゼントフォーユー」

瑞鳳「私に指輪なんて、早いって…」


顔を伏せたままでそのまま黙りこんでしまう


提督「花束なら良かった?」

瑞鳳「そうじゃなくて…だって」


もじもじとしたままイマイチ返答に容量を得ない


提督「使う使わないは好きにしろ。いらんっていうなら海にポイっでもいいぞ」

瑞鳳「しないっ、しないからそんな事っ!で、でもさ…」


またもじもじし始める、らちが明かんな


瑞鳳「…(ど、どうしよ、指輪だよ、これ、なに?プロポーズなの?

あ、でも卯月も持ってたしって、あ、え、なにロリコン、ちがちがくて)」(←めっちゃ動揺してる

提督「はぁ、まいいや…じゃな」(手ヒラヒラ


なんて瑞鳳の心境なんて構いなしにくるりと背を向ける提督


瑞鳳「提督っ!」

提督「な、なによ?」

瑞鳳「…(わ、どしよ。大声でちゃった)」(←わたわた


予想外の大声に驚きながら後ろを振り向く

振り向いてみれば呼び止めた本人も驚いてるもんだから締まりゃしない


提督「…(こいつ、余裕なくなると面白いな。わりと弄る側に回るほうかと思ってたけど)」

瑞鳳「あ、あの私っ!」


後々どうやって からかおうかと提督が考えていると

意を決した様に瑞鳳が口を開いた


瑞鳳「がんばりゅからっ!……ぁぅ」


噛んだ。そしてみるみる瑞鳳の顔が赤くなっていく


提督「…(だいなしやん)」

瑞鳳「が、がんばる…から?」(Take2


言い直しては見るが、とても失態を隠しきれるようなものでもなかった


提督「ま、期待して「りゅ」」


わざと「りゅ」だけ声のトーンを上げて行ってみた


瑞鳳「…」(←無言で指輪装備

提督「…(さ、逃げるか)」


くるりと背を向ける頃には提督側の指輪が輝いていた


瑞鳳「全機爆装…」(ギリギリギリ

提督「…」(←脱兎

瑞鳳「にげるなぁっ!まてー!」


逃げる提督の後を爆音が追いかけていった


後書き

はい、というわけで最後まで読んでくれた方本当にありがとうございました
貴重な時間が少しでも楽しい物になっていれば幸いです
ふと気付けば、卯月の出番が結構多いと思う今日このごろ…特に今回は酷かったかもしれないね
少し気をつけましょう

それではこの番組は

皐月「ねぇ、夕張さん?桟橋に修復剤って効くかな?」
夕張「んー…建造剤とか合わせたらどうだろうか?」
球磨「ほら、二人共そこに直るクマ」
提督「…」(正座
瑞鳳「…」(正座
木曾「いちゃつくのは勝手だが、施設ぶっ壊してんじゃねーぞ」
提・瑞「だって提督(瑞鳳)が」
多摩「しゃー」(威圧
提・瑞「うぐっ」
北上「でもさ、これ直すより造り直したほうがはやいんじゃ」
大井「いっそ撤去でいいんじゃない?」

菊月「金剛金剛、今度は重雷装戦艦でいこう」(きらきらきら
金剛「おぅ、Goodideaデース」
長月「やめてくれ、頼むから」
卯月「やよやよー今戻ったぴょーん、うーちゃんいなくて寂しかったぴょん?」(すりすり
弥生「別に、そんなこと、ないし」(←嬉しそう

如月「今度の遠征は何を歌いましょうか?」
睦月「はいはーい。今度は○色とかいいと思うし」
文月「あの歌カッコイイよねぇ」

望月「司令官に膝枕してもらえばよかったのにぃ」(にやにや
三日月「そ、そんなの…できるわけ、さ、皐月も寝てるのに…」(もじもじ

以上のメンバーでお送りしました
次は…未定、何もなければひな祭り



教えて皐月ちゃんのコーナー

皐月「さ、今回はどうする?」
提督「解体?」
皐月「あんまり触れたくない内容だね」
提督「デリケートな部分ですしな」
皐月「まぁ、僕らサーヴァントやら付喪神っぽい存在を人間に転生させて上げるよってシステムだね」
提督「手伝ってくれたご褒美かね?」
皐月「どうだろうね。艦娘の時の記憶ほとんど消えちゃうみたいだし」
提督「それでも、生まれ変わって提督と添い遂げるロマンスとか流行りそうね」
皐月「ん、まぁ…そんなお伽話もなくもないけどさ、ボクらの間では」
提督「乙女だねぇ」
皐月「いいじゃんか、別に…ボクだってその司令官の事…」
提督「人になるより、そのままの方がずっといられるぶん私は嬉しいけどね」
皐月「あ…うん、そう、だね?」(←顔赤い
提督「なんて言ったら皐月がときめくかと思ったんだけど」
皐月「うん、台無し」
提督「あはははは…はぁ」(←顔赤い

皐月「ん?…ああ、そうだ 今回もお手紙きてるよ」
提督「内容は?」
皐月「瑞鳳キタコレ?」
提督「あなたの瑞鳳のイメージが崩れないことを祈ります」
皐月「…ほんとにね、ぶっ飛んではないと思うけど」
皐月「それじゃ、よかったらまた見てねー」


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2015-03-01 21:18:43

山椒さんから
2015-02-25 04:04:11

SS好きの名無しさんから
2015-02-23 17:16:28

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2015-02-23 17:16:31

このSSへのコメント

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1: SS好きの名無しさん 2015-02-23 17:17:49 ID: fd4JXVqC

更新待ってました!毎回とても面白いです!次回も期待してます
瑞鳳可愛い( *´艸`)

2: 山椒 2015-02-25 04:07:44 ID: JPtjo78j

うーちゃんかっけえ
育てなな...

りゅ

何か凄く文章力上がってらっしゃると思うんですけど(名推理)

次回期待です

3: 楽園の素敵な巫女 2015-03-01 21:20:55 ID: mYvd6I7T

毎度毎度おもしろいですね。次回も楽しみにしてます。

…卯月、貴様は私の嫁に対する件について話がある。工廠裏に来い。


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