おもちゃばこ 24
注意事項
エロ本よ
この物語は18禁です
この物語はフィクションです
実在の氏名、団体、あとなんやかんやとは一切合切関係がありません
また、すべてのエロい人達の為に理想と現実の区別は付けてくださいね
まぁ、現実なんてしょーもないものだけど一応ね
ありがとう、ありがとう…
それは、感謝の言葉
ありがとう、ありがとう…
それは、感謝の言葉のはずなのに
誰もが一様に同じ顔を浮かべていた、同じ様に安堵の顔を浮かべていた
自分じゃなくてよかった、自分の家族じゃなくてよかった
友人で、恋人で、知り合いでもない、他の誰かで良かった
良かった、良かった…あぁ、本当に…良かった
ありがとうと目を伏せながらも、隠した口元は笑っている
ずっ…ずっ…
重苦しい音を引きずりながら、岩屋の戸が塞がれていく
たむろした男たちの力む声が岩屋に反響し、何か別の、獣の様にも聞こえてくる
ずっ…ずっ…
差し込む光は切れ切れに、薄暗い岩屋はただ暗いだけに近づいていく
逃げ出したい
当たり前のような衝動は、僅かばかりの決意を揺らすには十分で
恐怖に耐えかねたその瞬間に、岩屋の扉は閉ざされていた
ー
一日、二日、一刻、半刻…
暗いだけの洞窟でどれだけそうしていたんだろう
差し込まない陽の光に時間も分からず、冷え込んだ空気にじっとりと手足が痺れだす
いっそ、殺してくれれば良かったのに…
ああ、でも…生きてなきゃ生贄にはならないのか…
ざんねん…?
大人たちは名誉な事だと言っていたけれど…
こんな暗いだけ岩屋の中で、ゆっくりと死んでいくことの何が名誉なことなのか…
口減らしだと…分かってはいても、誰もそうとは言えず
神様に言い訳を求めて、責任を押し付ける
神様だって言うなら、私一人くらい助けてくれてもいいのに…
まぁ、無理か…
居ない誰かが皆の中で形を作り、曖昧な名前で呼ばれているだけ
そんなものに、どうして誰かが救えるもんか…
お腹…空いたな…
座っているのも疲れ果て、崩した体勢のまま地面に寝転がる
冷たい、固い、地面の感触
それを不愉快だとは思わない
本当に不愉快だったのは、泣きながら笑っていた大人たちの安堵の声
嘘つき…神様なんて居ないくせに…
はぁ…と、諦観と共に息を吐き出す
頬に掛った髪がくすぐったいとも思うけど、それもすぐにどうでも良くなった
お腹が空いた…
ぽっかりと、穴の空いたような空腹感が少しずつ大きくなっていく
だからってどうしようもなく、どうでもよくて、ただぼんやりと、この空腹感に絞め殺されるんだろうと思っていた
髪が揺れる…くすぐったい
けど…
視線を上げる
どこを見るでもないけれど、何が見えるわけでもないけれど
見つめた暗がりの向こうから、風が吹いてきていた
どうせ ただの隙間風
期待をするだけ無駄だと思い込もうとしながらも
もしかして…
拭えない期待に手を引かれ、手探りのままに岩屋の奥へと歩いていった
ー
岩屋はどこまでも続いていた
中に入ったときには、そこまでの広さはなかったはずなのに
登るでも、降るでもなく、凸凹だった道も平坦になり始め、歩いている感覚でさえ曖昧になっていく
霧…?
多分そう
真っ暗ばっかりだった視界に、久しぶりに見えたのは白い靄のような何か
吸い込んだ空気は湿っぽく、それが乾いていた喉には優しくも思えた
出口が近いのかも?
だとして、一体どこに出るのか?
あるいはもう、私は死んでしまっていて
魂とかそういったものが、この霧の中に溶けていくだけなのかもしれない
進む度に霧が濃くなっていく
眩しい…
ただ白いだけのはずなのに、視界を埋め付くす一面の霧に目を開けていられない
一息もすれば、濃い霧に体の中を埋め尽くされ、溺れそうになりながらも出口を求めて進んでいく
こつん…
つま先が固い何かに蹴躓き、強くなる浮遊感に自分の体を思い出した瞬間
私の体は地面に転がっていて…有り体に言えば、小石に躓いて転んでしまっていた
「いた…っ」
けど、当たり前のように地面が見えた
擦りむいた手のひらと痛む体
霧がかっていても、高い木々の上には太陽らしき光もある
振り返れば、見慣れない洞窟がぽっかりと口を開き
すくなくとも、私が知らない何処かには出られたみたいだった
それに気づくと同時に、ぼやけた太陽は遮られ、私は誰かに見下されていた
揺れる尻尾が目に入り、獣の気配に体が竦む
だけど…
顔を上げた先には、小さな子どもの足と、見慣れない白黒の衣服が揺れていた
尻尾と同じ、柔らかそうな栗色の長い髪
すらりと伸びた細い手足に、傷の一つもない綺麗な肌は、日向に転がる猫を思わせる
あどけない表情を不思議そうに傾けて、その女の子は転んだ私を見下ろしていた
きれいな瞳。川辺に転がる小石よりも丸っこく、その淡い碧色は見たこともない宝石みたい
ぱたり…
女の子の頭の上で揺れる耳
それを耳と言うには余りにも猫みたいで、最初に見つけた尻尾と合わせても
ただの女の子…と言うには難しい
「…」
見つめられていて、見つめ返していて、会話のない時間が流れていく
ただ…
時間が立つにつられて、落ち着いてもくると
転んだまんまの自分の姿が、あんまりにも情けなくって
見下ろしてくる瞳に、降り積もった恥ずかしさが私の顔を赤く染めていった
「あの…」
声を掛け、立ち上がろうとした瞬間
ぱたり…
女の子の耳が動き、すばしっこく向こうへと駆けていってしまう
「え…あ…」
取り残されてしまえば、完全に手持ち無沙汰で
ここが何処かも分からなければ、これからどうすればいいかなんてもっとわからない
あんな子が居るくらいだし、近くに集落でもありそうなものだけれど…
改めて見回した周囲は森でしかなく、獣道ですら定かじゃない
まして、霧がかった視界は昼間でも薄暗く
一歩…
木々の中に足を踏み入れようものなら、延々とこの森の中をさまようことにもなりそうだった
ためらって、立ち止まって、それでも他に寄る辺もなくて
森の中に消えていった女の子を追いかけようとした矢先
「あの…みけちゃん…どうかしたの?」
木々を掻き分ける音と、その奥から聞こえてくる人の声
がさっと、揺れた藪の中から顔を覗かせたのは、さっきの女の子で
その手に連れらていたのは、金色の髪をした女の人だった
「あ…」
出かけた言葉は形にならず、ただ吐き出したままに息が詰まったのは
その人が、あんまりにも綺麗だったから
まるで何処かのお姫様
それでさえ見覚えのない私には
風のうわさに聞く、化性の類の方が身近に思えるほどだった
ドキドキする…
見惚れてしまっていた
透き通るような蒼い瞳から目が離せなくなり
他のなにもを忘れて、ただただ見つめ返す
「…そう」
女の人が一つ呟くと、綺麗だった蒼い瞳が伏せられた
悲しそう?
少なくとも歓迎をされている風でもなく
もしかしてと、私は入っちゃいけない所に迷い込んだのかと、不安にもなってくる
「あの…ごめんなさい。わたし、気づいたら…ここに居て、すぐに出ていきますから…」
ようやく動くようになった口から出た言葉は、とりあえずの言い訳で
次に動き出した足に、逃げ出そうと回れ右をさせる
「待ってください」
呼び止められてしまった
見た目が綺麗なら、声まで綺麗になるものか
小鳥の囀りの様な声音に、思わず足が止まっていた
ー
設えられた畳間に、アンニュイとその女の姿はあった
いや、女と言うにはまだあどけなく、しかし少女と呼ぶには大分やさぐれてみえる
どっちにも見える、どうとでも取れる年の頃
しかし、どっちに転んでも その女の容姿は美しく、そこにあるだけで人を狂わせるような魔性であった
「怖い顔ね。また私がなにかしたと思ってるんでしょう?」
「いえ…」
射竦められていた
その女の、黒い髪を流した女の瞳を直視できず
少女はただ、うつむかせた顔を前髪で隠して蒼い瞳を伏せていた
「ふふっ…。それでなくとも、何かはすると思っているんでしょう?」
「…」
返事はない
子供っぽい笑顔を前にしても、返す言葉もなく少女は俯いている
反応が無いことに飽きたのか、無視をされていることに苛立ったのか
諦観に吐いた息をくゆらせると、おぼろげだった女の赤い瞳が少女の姿を捉えていた
「カヤ、私を見なさい」
「っ!?」
体を震わせ、弱々しく自分の体を抱く
それが少女の、カヤの見せた久しぶりの反応らしい反応だった
ぎこちなく開く蒼い瞳に、赤い視線が纏わりつく
言い繕った所で意味はなく、何をした所で遠回りなだけ
結局、ただの迷子でしか無いあの子が、この世界でどうなるかだなんて
カヤ自身が誰よりも知っていた
「そんなに私から遠ざけたかった? それとも…」
伸ばされた白い指がカヤの頬を撫でると、ゆっくり顔を上げさせる
探るような視線は責めるような色を帯び、息苦しさにカヤの呼吸が荒くなっていく
「いえ…。私はただ、二人にお使いを頼んだだけですよ。直に戻るでしょう」
息苦しさを飲み込んで、さも平然を装ったカヤは、冗談みたいな言葉を返す
「お使い?」
その答えが意外だったのか、あるいはあんまりにも愉快だったからか
きょとんと、女の瞳が丸くなるとそれっきり。くすっと、吹き出したかと思えば子供っぽく笑い出す
「あははははっ。いいわ、ええ、とっても。なら、お夕飯は期待していいのでしょうね?」
「はい。客人も居ますから…」
「それじゃあ、失礼のないようにしないとね」
急に優しくなる女の声「おいで…」と、軽く呼ばれただけなのに
カヤの体は、吸い込まれるように女の胸へと落ちていく
ー
言い訳としては上等か
その客人までも使いに出したというのには、いささか首を傾げなくもないが
カヤの立場では、精々この程度の抵抗が精一杯だったというのは理解できる
差し迫った不幸を、1分1秒でも長く遠ざけておきたいと
まるで私が諸悪の根源のような扱いだが、その認識自体もまた間違いでもない
「それで? 私に何もしないでと…助けて上げてと。何の役にも立たないお願いはしてくれないの?」
「私には…貴女に差し出せるものなど…」
「賢い子は好きだけれど…。物分りが良いのは詰まらないわね…」
抱き寄せたカヤの頭に手を置いて、金色の髪を梳いていく
からかうように、くすぐるように、時折触れる肩に首筋に、悪戯をしながら女はカヤの感触を楽しんだ
「私で…満足はして頂けませんか?」
「そうね…。きっと、優しくはしてあげられるわ」
その言葉にカヤの体から力が抜けていった
物分りの良いこと
たまに便利で、時に退屈で、それでも見せるささやかな抵抗が私を愉しませる
この娘を飼い始めてどれだけか、もう人間と言えるでもないのに
いつまでそれらしくしていられるのか、壊れる瞬間はどんな音を立てるのか
綺麗で可愛い私のお人形
ずっと手元に置いておきたくて、いっそ自分で壊してしまいたくもある
撫でる、撫でて、撫で続ける
繰り返すほどに熱を帯びる柔肌の感触が、私の指先を熱くする
細い首筋に爪を立て、綺麗な肌に赤い線を引いていく
血が滲むかどうか、薄っすらと腫れた肌
傷の一つもなかった肌に跡を付け、その傷跡をたどって唇を近づけた
「っ…」
痛みか、それ以外の感傷か
傷ついた肌に舌を這わせると、耐えかねたようにカヤが体を竦ませる
亀のように縮こまる首筋に無理やり吸い付いて、嫌がるカヤの反応をひたすらに愉しんだ
「はぁ…。ふふっ、嫌なら嫌と言ってくれてもいいのよ?」
「…」
返事はないが、かと言って視線を合わせるでもない
人形は人形らしくか。立場が分かっているようで何よりだけど
人は人形に成れはしないし、反応がない玩具というのもつまらない
自分で付けた傷跡を逆撫でしながら、指先をカヤの唇へと持っていく
薄い唇をそっと撫で、指先をその隙間へと潜らせた
「舐めて?」
端的なお願いに、一時の逡巡
拒むように閉じられていた固い歯が、ゆっくりと開かれていく
おずおずと、ためらいがちに伸ばされてきたカヤの舌先が、私の指先を舐め上げた
柔らかくて温かい、少しざらついていて濡れている
舌に包まれた指先の感触に、それなりの快感を覚えながらも、それだけ足りるものでもなかった
悪魔だろうと人間だろうと、一つ覚えればもっと欲しくなるのは道理だ
それはきっと、すまし顔をしている天使様たちだって同じことで
単純な指先だけの刺激ではどうにも物足りない
欲しいのは恥辱と快楽で、それに塗れたカヤの顔を想像するだけでも背筋が震えだす
人形を装っている この少女が、快楽に藻掻く姿は何度見ても飽きるものではなかった
今日はどうしてしまおうか?
指先に薄い快感が纏わりつくのを感じながら、ぼんやりとでも頭を巡らせる
カヤの表情は変わらず人形のまま。綺麗でも、綺麗なだけの澄まし顔
これで終わる訳がないと知っていながら、私が口にする以上の事をするでもない
強情? 意固地か?
素直に体を開いて、無茶苦茶に犯されてくれればすぐにでも済むのに
決してそんな素振りを見せず、カヤの纏ったメイド服は変わらず彼女の肌を隠し続けている
押し倒してしまいたいと思わないでもない
頑なに、肌を隠し続ける服を強引に剥ぎ取って、捲くり上げて
痛みと恐怖と快楽とで歪む表情と、流れた涙はきっと極上の味がしたものだろう
あるいは、迷い込んできた あの少女にそれをするのも良い
泣いて叫んで、反応がなくなるまでの僅かな時間にしろ
その時のカヤの苦悶の表情もまた、おやつにするには上等なはずだ
「ああ、でも残念…約束なのよねぇ…」
カヤで満足したのなら、せめて優しくはしてあげると…
反故にするのはかんたんだが、「約束は守る」と私への最低限の信頼がなくなるのも避けたい
お気に入りのペットのお願い
精々がその程度だが、未だ飽きて捨てる気もないのだから、守られるべき約束でもあった
「ねぇ、カヤ? それで私を満足させるつもりなの?」
指先を舐めさせながら、そっとカヤの顔に手を伸ばす
口元に指を当て、溢れた唾液を掬い取ると、これ見よがしに頬に塗りたくる
そう、約束は約束
あくまでも私が満足したならばだ
やけっぱちに体を捧げられても壊す以外にしようもない
それが手慰みになったとしても、私は満足出来ないし、それではカヤの望みもかなわない
「…」
あくまでも無言のまま、口の中へと指先を招き入れる
舐めているだけだった舌の感触が、指全体へと広がっていく
単なる児戯が明確な愛撫へと切り替わり、漏れた吐息の隙間から艶めかしい水音が聞こえてくる
「ふふっ、良いわ。まるで おちんちんを咥えこんでいるみたいじゃない?
さぁ、続けて? いつもやっているように、してみせて?」
薄っすらと、羞恥の色が混ざる頬
想像してしまったのか、見立てた指先が丁寧な愛撫にさらされる
関節を辿るように舐め上げられ、爪の隙間に舌先が入り込んでくる
更に奥へと吸い込むように、吸い出すように吸い付かれ
指を汚した唾液が、一気に吸い上げられると、ゴクリと音を鳴らしていた
「いい子、いい子…」
きっとからかっているようにしか聞こえていないだろう
それでも、カヤの愛撫を褒め続け、ひたすらに頭を撫でていくうちに
その体から、だんだんと強張りが抜けていく
教本通りの愛撫に熱がこもり
段々と雑になりながらも情熱的に、お互いの性癖が重なっていく
「ぁっ…」
カヤの口から指を引き抜くと、せつなそうに細い声が漏れた
塗れた唾液が 指先に集まっていくのもそのままに、カヤの前にぶら下げて見せる
「…」
泳ぐ視線、羞恥に染まる頬
指先に集まる唾液が雫を作り、それが滴り落ちていく
ぴちゃ…
そんな音が聞こえたかどうか
ためらいがちに伸びたカヤの舌先に、溢れた唾液が吸い込まれていった
「はぁ…」
あるいは、カヤの美貌に魅了されていたのは私の方だったかもしれない
ここまでされて、何もしないでいられるほど私も我慢強くはないし
未だに彼女を手放せず、なんのかんのと願いを聞いているのもそのせいなんだろう
「もう…良いのですか?」
口元を汚していた唾液の名残を拭いながら、カヤが居住まいを正している
それが確認ですら無いのは、カヤも私も分かっていた
確認でないなら何なのか?
あるいは、誘うようにも聞こえる言葉は
カヤの内に膨れ上がった欲望が言わせたものか、私への挑発だったのか
「生意気な子…」
押し倒した畳の上に、金色の髪が広がっている
見上げてくる澄まし顔は相変わらずでも、その頬は僅かに染まっていた
男性の体が好ましいとは思わない
いや、完成された体がある種の獅子や龍の様な頼もしさを覚えこそすれ
それは鎧や、武器に対する信頼であり、そこにあるものは力強さに対する魅力だろう
決して自分がそうなりたいとは思わないが、それでも便利だとは思う部分はある
下腹部の違和感を膨らませて、それらしい形を作り上げていく
すでに手慣れた動作ではあるが、無いものを無理やり象るのは多少なりとも面倒ではあった
肉棒、おちんちん、ペニスなどなど…
言い方はごまんとあれど、女を犯すという形においてこれ以上に適当なものもない
タコの足、イカの腕、植物の蔓、スライムの体、よくわからない便利な触手に、器械のシリンダー
代替手段もそれこそ星の数ほどあれど、所詮は代替手段でしかなく、背徳感を加味された分だけ純粋な快楽は減っていく
まあ、そういうのは往々にして、便利な薬がついて回ったりするものだが
「はい、できた…」
自分の下腹部に手を伸ばして、その形を確かめる
触れた感触、波打つ振動、どれもこれも本物と大差なく
いや、本物以上にそれらしく、偽物だからこそ 出来る女を犯すためだけの形
無駄に大きく? 無駄に固く?
そんな必要はない、犯す対象に合わせて形を調節して
犯されていると自覚させるだけの苦痛と、それを上回るだけの快楽を与える ただ便利な姿形であればいい
「カヤ…」
悪戯に名前を呼ぶと視線が逸らされる
何でもない事と、表情を固くしながらも
訪れる快感を予感したものか、頬の赤みは増していく
貞淑に伸びるスカートに手をかける
黒く重苦しい布地を捲り、現れた白い足は宝石のように輝いて見えた
ゆっくり、少しずつ…
カヤの羞恥を煽るように、その足を撫でながらスカートをずらしていく
程なくして見えてきた白いショーツに、煽られた興奮が肉棒を弾ませた
「あの…下着は…」
抵抗とも言えない懇願
犯されること自体は諦めていても、後の手間を嫌ったものか
せめて、脱がして欲しいと訴えてくる
「良いけど。じゃあ、自分で脱いで見せて?」
「…」
返事はない
答える代わりに、カヤは自分のスカートに手を忍ばせると、白い布地に指をかける
捲られたスカート、美しいまでの少女の足
膝を曲げ、自分から腰を持ち上げて、女を隠していたショーツが脱がされていく
何でもないと、さっさと脱いでしまえば楽なものを
押し殺した羞恥心に邪魔をされ、もたつきながら自分の下着を脱いでいく少女の姿は一層と興奮を煽ってくる
ああ…
今すぐ、今にも…手を出してしまいたい
膝に掛ったショーツもそのままに、上から無理やり圧しかかるようにして
自分のショーツに拘束されて、不自由な姿勢で藻掻く姿を
溢れた愛液が自然と少女の下腹部を汚していく様を
苦痛と快楽に顔を歪めながら、耐えきれずに果ててしまう
声を上げ、涙を流し、膣に子宮に広がる熱に幸せを感じ、降り掛かった精液に歓喜を覚える
「楓様?」
「ああ…。ええ、良いわ…それじゃあ…」
良い加減な妄想の途中。名前を呼ばれる頃には、カヤが脱ぎ終わったショーツを脇に寄せていた
つまらない妄想なんかしているくらいなら、さっさと手を出せばよかったと
そんな後悔もそこそこに、カヤの体に覆いかぶさっていく
人形の様な美しさとは言うけれど
目の前の少女を見下ろしていると、より陳腐に天使のようだとか
いわんや、魔性の様だと貶めたくなるというのが本音だった
少女の中に見える女の魅力
金色の髪、蒼い瞳、穢れを知らない美しい肢体
何より、何度抱いても変わらない処女性が、私を飽きさせることは無かった
一回は一回とでも言うように
カヤの割れ目を貫くたびに、失ってしまった貞操に蒼い瞳に涙が浮かぶ
悔しい、恥ずかしい、それが何より気持ちがいいと
高ぶっていく自分の体が許せずに、歯噛みする表情を見下ろしているだけで、得難い興奮を覚える
肉棒がカヤの割れ目を開いていく感触
固く、押し返してくる柔肉の中を、それでも無理矢理に押し込んで
カヤの心と身体を削るように肉棒を揺り動かしていく
溢れた先走りと、滲み始めた愛液で、段々と滑らかになっていく肉棒の動き
決して受け入れているという訳ではないのに、意思に反して慣れてしまった少女の体は、耐えるよりも楽な道にそれていく
「…っ…ぁ…」
少女の細い喉が鳴り、苦痛とも快楽ともつかない声音が漏れる
両の拳を握りしめ、早く終わるのを待ち望んで両目を閉じる
涙が溢れないように強く、声を上げないように固く
些細な抵抗でしかない
すでに犯された割れ目からは快感が生まれ始め
膣を、子宮を、お腹を太ももを…下腹部を中心に、受け入れ始めた体は快楽に震え始めている
突き上げてくる衝動に必死に堪えながらも
反り返る細い喉の奥から、矯正にも似た響きが溢れて聞こえていた
力の抜けた両足、快楽に負けた少女の体
握られた両手に指を絡ませ、必死に掴み止めていた何かを開かせると、嫌がるように身を捩る
「カヤ…私を見なさい」
「…っ」
泣き出す前の子供の様に首を振る
今にも溢れ出しそうな何かに耐えながら
掴まれた手を振りほどこうと、押さえつけられた体を逃がそうとする姿がいじらしい
何も、何もはしない
ただその健気な姿に煽られた興奮が、もう少しだけ肉棒を固くした程度で
その分だけ窮屈になった膣の中を、変わらない感覚で犯し続ける
「分かるでしょう? カヤの割れ目の中に私の肉棒が入ってる、犯されているのが
頑張って嫌がっていても、体は気持ちよくなっていて…」
無防備に開かれている太ももに手を添える
慈しむように指を這わせながら、指先に触れた愛液を広げていく
濡れた肌が呼び水になり、溢れた愛液がそれを辿って、カヤの綺麗な肌を汚していった
「ねぇ? 気持ちいい?」
涙ながらに首を振る
否定したい気持ちと、それに付いてこない体が、ちぐはぐになってカヤの心を追い詰めていく
「ねぇ? 気持ちがいいでしょう?」
変わらない問いかけを続けながらも、肉棒を動かし続ける
少しずつ、カヤに気取られないようにして
もう何度も抱いた体だ。何処が彼女の性感帯なのかは手に取るように分かっている
ただ動かしているだけでも、そこを刺激することはできていたが
段々と重ねた意地悪は、快楽から遠ざかるように動きを変えていく
「ぁっ…ぁぁ…」
近づく快感に、重ねていた手が握られる
遠のく快感に、切なそうな声が上がる
焦れた体が悶始めて、肉棒を追いかけるように腰が浮き始める
分かっていても止められない体の疼き
悪戯にカヤの頬を撫でると、その刺激さえも厭うように顔を逸らされる
「んっ…はぁ…ぅっ…っ…」
やがて、すすり泣きのような声が上がり始めていた
閉じられた瞼の端からは 耐えかねた涙が溢れ始め、今にも泣き出しそうに見えた
まるで私が虐めているみたい
いや、実際そうでしかないのだが
無理矢理にならまだ、乱暴にされたならまだ、カヤの方も言い訳が立っただろう
耐えられる程度の性感を、それでも燻ぶられ続けて、堪らず体のほうが音を上げる
そんな自分の弱さに心が悲鳴を上げて、今にも折れそうになっていた
何度も、何度も、抱いてきた
最初の頃はいつ壊れるのかと、一日中続けていた覚えもある
それでも変わらない
ただの人の身であった頃から、とてもそう呼べなくなった今に至っても
自分が女の身であると知りながら、わかりやすい快感に逃げない人の心持ちは、一体何を支えにしているものなのか
「早々に、飽きると思っていたのだけど…」
わざとらしく肉棒を大きく動かして、カヤの性感帯を突き上げた
上がる小さな悲鳴は、唐突に訪れた快感に濡れていて、その心にヒビを入れ始める
震える少女の体、上がっていく小さな吐息
そのどれもが快楽に塗れていて、耐えていた時の面影が薄れていく
もはや勝手に浮き上がる腰のを止められず、絡めていた手に縋ってでも快楽に耐えようする
絶頂の予感がカヤの体を押し上げて、それを押し込めた分だけ次の快感が強くなる
自分で自分を虐めているようなその動きは自慰行為にも等しくて
被虐的な官能に、より高い快感を得ているようでもあった
「そろそろイキたい?」
もちろん答えはNOだった
息を荒げながらも首を振り、次の快感に声を漏らすカヤ
根比べ、という点では私の負けになるんだろう
私の方は射精したくてたまらないし
ぐちゅぐちゅと、制御を忘れた肉棒が自分勝手に動き始めていた
「そうよね。カヤは中だしされながらイクのが好きだもの」
「…ちがっ…ああっ…」
悔し紛れの言葉責めに、久しぶりに言葉らしい言葉が返ってきたが、それさえも次の快楽で散っていく
これも調教の結果と言えなくもない
毎晩毎晩、カヤの絶頂に合わせて射精を繰り返していたら、受け止める側が堪らなくなっただけの事
我慢するのは大変だったが、今では射精の瞬間を意識させるだけで
少女の体は、彼女の意思とは無関係に絶頂の予感に震えだすようになっていた
肉棒が無軌道に動き出す
カヤの中を削るように動いていたそれが、より深く抉るようにと押し込まれていき
その先端が子宮の入り口を押し上げると、暴力的な快楽が体を染め上げ、カヤの心を壊していく
「まだ我慢したい? もっと気持ち良いのが良いの?」
返る言葉はなく、ただ必死に首を振り続けるカヤ
して欲しいのか、止めて欲しいのか、それさえも釈然とせず、涙と嗚咽はあふれる快楽に染まっていった
「ああっ!?」
何度目かの突き上げに、ついにカヤの口から嬌声が上がる
一度口を割らせれば後は簡単だった
同じ所を何度も突き上げて、より強く彼女の心に快楽を自覚させていく
ちぐはぐだった心と身体が、快感の鎖に繋がれ、無理矢理にでも縛られるとすぐにでも絶頂に達してしまった
「あっあっ…んっぅ、あぁぁぁっ!?」
カヤの嬌声を聞きながら、肉棒を深くまで押し込むと同時に射精をする
どくどくと、生々しい快感が肉棒が全身に広がり、白く弾けるような快楽が頭の奥まで染めていく
肉棒が震え、精液が膣を満たす
精液の熱と押し寄せる多幸感
一度我慢を忘れた体に広がっていく快感は、カヤの心を折るには十二分に過ぎていた
「ほら、気持ちよかったでしょう? 精液いっぱい中に出されて、幸せだったでしょう?」
情けない声を漏らし続けるカヤの頭をそっと撫でる
優しく、優しく、何度も、何度でも…
そうやって、彼女の体に甘い快感を刻みつけていく
頬に手を添えて、濡れた瞳を覗き込みながら顔を近づけていく
唇を重ね、軽い口づけを交わすと、押し込んだままの肉棒を引き上げる
「ああっ…」
絶頂の直後、敏感になった体に重なる肉棒の刺激
膣を擦られる快感と、軽くなったお腹の奥に感じる切なさに甘い声が上がっていた
羞恥に染まる顔が逸らされる
それは単に、生理的な反応だったのかもしれない
絶頂の後、無防備になった心には、あまりにも甘美な刺激で、たまたま口から出てしまっただけの
現にカヤの体に力はなく、絶頂の後の割れ目からは行為の後で白く濁っている
「もっと出して欲しいのかしら?」
カヤの下腹部に手を置いて、快楽を煽るように撫で回す
広がる精液の熱を、絶頂の快感を思い出させるように、柔らかいお腹の上から膣に、子宮に、刺激を加えていく
「ん、はっ…。もう、十分…ですから…」
それは、カヤが必死にかき集めた心を崩していくような感覚だった
途切れ途切れの言葉を無視しながら、カヤの割れ目に指を伸ばす
そのまま、潜り込ませた指先を動かすと、散々と吐き出した精液が掻き出されてくる
「やめ…て…もう、いいでしょう…」
泣きそうな声
いや、もう泣いていた
汚される自分の体、快楽に焦がれる女の体、何よりも流されてしまった自分の心
何を言っても取り返しがつかず。また、疼き始めている体が堪らない
「どうして? まだ一回出しただけじゃない? いつも見たい声を上げて泣いて見せて?」
「ちがう…あれは…あんなのは…」
「いっそ魅了して欲しかった? 魔術で性感を炙られて、薬で狂わせて欲しかった?」
「…」
けど、それはダメだ
そんなことはしてあげない
「その快楽は貴女のものよ、カヤ。どうしようもなくね、犯されながら感じちゃってるのが貴女なの」
「っ…」
つぅっと、カヤの瞳から ガラス玉のような涙が溢れる
泣き崩れるカヤの体を押し倒し、そのまま2回3回と射精を繰り返す
快感が少女の体を犯し尽くし、絶頂のたびに彼女の心は砕けていった
ー
街だ
見たことはないけどそう言えるのは、自分が暮らしていた村よりも建物が立派だったから
当たり前の様に2階があって、その先がある建物も珍しくない
真っ直ぐに伸びた道、両脇には民家やお店が並び、足を外せば田畑に転がるような獣道は何処にも見当たりはしなかった
「うわぁ…」
思わず声が出てしまう
全く知らない所に来たとは思っていたけど、本当に知らない世界に迷い込んだみたいだった
「さや…」
「え、あ…ごめん、みけちゃん。お使いだったよね…」
あまりの町並みに見とれていると、傍らに居た女の子に袖を引かれてしまった
柔らかそうな栗色の髪と、黒い頭巾のついた白黒の服を着た女の子で
ここに迷い込んで、私が初めて出会った女の子でもあった
人間…ではないんだとは思う
頭の上には猫みたいな耳がひょっこりと生えていたし、腰の辺りからは髪と同じ色をした尻尾が伸びている
飾りだと思っていたそれは、時折思い出したように揺れてもいたし
化け猫?
私の知ってる言葉では、そういうのが精一杯
みけって名前を聞いてしまえば、どうにも三毛猫のみたいに見えてしょうがなくなっていた
みけちゃんの、その碧い瞳が無感情な感じに私を見つめてくる
何を考えているんだろう?
不思議そうといえば不思議そうな顔でいて、事務的といえば事務的だった
あの場で別れたカヤさんに、私の面倒を見るようにと言い含められていて
だから私を気にかけているみたいであり、急に立ち止まった私が気になるだけと思えばそうも見える
「えっと、お店って何処にあるの?」
私は知らないし、知ってる訳もないし…
みけちゃんが知ってるんだろうと思っていたけど、この子を見ているとそれも怪しく思えてきた
「…」
やっぱり、返事はない
喋れない…訳ではないはずだけど、少なくとも私の名前を呼んではくれたし
もう一度だけ聞いてみたくて、でもその可愛い声は聞こえてこないまま
2度3度、瞬きをする間 じっと私の顔を見つめてくる
「えっと…」
「…」
やっぱり無言
戸惑うままに躊躇っていると、不意に顔をそむけた みけちゃんが向こうの方へと歩いていってしまった
「え…? みけちゃん? どこにいくの…?」
情緒の読めない彼女の行動に、置いてけぼりのまんまの私が、その背中を見送っていると
少し行った先で、はたりと動きを止める。そうして、思い出したように振り返ると、また、碧い瞳に見つめられていた
「…」
あ、戻ってきた…
かと思えばおもむろに、私の手を捕まえてきて
柔らかい、子供の、女の子の手、指先の感触に、妹が出来たみたいだとか
少しだけ、憧れていた感傷に浸っている暇もなく
ぐいと…
意外と強い力に引きずられ、転けそうになった体は、やっぱりそのまま地面へと吸い込まれてしまった
「…」
「も、もう…急に引っ張らないでよ」
文句を言う私に、みけちゃんはやっぱり何も答えてはくれず
ただただ、ころんだ私の顔をじぃっと、無感情に見下ろすばっかりで
それが少し恥ずかしい
自分とそうも違わない背格好の女の子に
転んだ姿をまじまじと見下されるというのは、どうにも歯がゆかった
「さや…」
名前を呼ばれた
その声に少しドキッとしてしまった
さっきまでの恥ずかしさとは違う胸の高鳴りに 私が戸惑っていると
みけちゃんの手が伸びてきて、私の目の前でぴたりと止まっていた
ー
「なんだいお前さん、人間の娘がなんだってこんな所に…。またあの女の戯れかね、まったく…困った好きものだよ」
人じゃない…それはそう
それを言ってしまえば、みけちゃんだってそうなんだって思うし
この店に入るまでの間に見かけた人たちだって、どこかしらおとぎ話にでも出てきそうな風体でもあった
だけど…
それを遠巻きに眺めるのと、実際に目の前にするのでは心持ちも変わってくる
手がある、足がある、タコみたいな頭だって事を除けば痩せた老人の様にもみえた
だけど…
その しわがれた声に肌を撫でられると、泡立つような寒気に襲われた
目の前に居るはずなのに何処かから聞こえる声。落ち窪んだ眼窩は本当に私を見ているのかすら疑わしい
この人が何かをした訳じゃない、私が何かをされた訳じゃない
ただ目の前で見下されて、ただそれだけで
「ひっ…」
上がりそうになった声を飲み込むだけで精一杯だった
いや、本当は怖くって、悲鳴さえも上げられなかっただけかもしれないけれど
「ふんっ。まぁ、泣き出さなかっただけで良しとするかね。これ、みけ…店のものを勝手に食べようとするんじゃないよ
やめないかこら。娘っ子、カヤはどうしたって言うんだい。託児所じゃないんだよ、ココは」
見たことのない果物に、みけちゃんが手を伸ばす
遠慮とかそういうのもなしに、ただそこにあったからとか、お腹が空いたからって言うような
あんまりにも自然な仕草に、私も止めるのを忘れてしまっていた
「わわっ!? だめだよ みけちゃんっ、お店のもの勝手に食べたらっ!?」
「…」
慌てて手を引くと、相変わらず無感情な表情が返ってくる
一応、動きは止めたものの、自分の重さに負けたのか、こくりと傾いた顔は
不思議と「なんで?」と問いかけられているようにも見えた
「だって…それお店の。ああっ、ごめんなさい、お爺さん、これカヤさんからのお手紙で…」
「ああ、はいはい…。まぁ、用意はしてくるけどね…」
タコの表情なんてのは分からないけれど
向けられていたその視線は、みけちゃんが捕まえていた果物に向けらていて
「あの…私が捕まえていますんで…」
「出来るもんかね…。まあ、いいよ、食べた分はお代を頂くだけさね」
お爺さんの疑念はもっともだった
実のところ、捕まえているつもりなだけ
私が捕まえているから、とりあえず みけちゃんは動かないでいてくれてるだけで
単に、カヤさんに言い含められた言葉を守ってるだけなのは、動かそうにも動かない細腕からも伝わってくる
「…」
「え、くれるの?」
私と果物と、視線を彷徨わせていた みけちゃんの手が、おもむろに私に向けられていた
私が怒ってる風にも見えたのかな?
それとも、独り占めする気はないっていう意味なのか
その気遣いの意味を分からないなりに考えて、それでもやっぱり
「だから、お店のだって…それ…勝手に食べたら」
「…」
あ、不満そうだ。なんか、今のは分かる気がする
何も言わないし、相変わらず無感情なままだったけど
逸らされた視線、角度を変えた頭、長めに吐かれた吐息…
細かい仕草の端々が、喜んでる人のそれではないことだけは確かだった
良かった…
何も考えてないようにも見えたけど、みけちゃんだってちゃんと考えてるんだって
始めた抱いた この感情が、親心だと理解するその前に
しゃくり…
耳に届いたその音が、私の心を冷やしてしまった
「あ…」
むしゃむしゃ
「みけ…ちゃん…」
ごっくん…
止める暇もなかった
喜怒哀楽が多少分かるようになった所で、相変わらずの無感情は
私に何の予感も抱かせずに、気づいた時には果物に歯が立っていた
ー
しゃくり…
りんご? 似ているようで何か違う、不思議な感じのする味だった
お店から出た後、みけちゃんと二人来た道を戻っていた
お使いの中に、この果物まで含まれていたのか、食べ物らしい物が詰まった袋を手渡された後
私に一つ、タコの頭をしたお爺さんは、赤い果物を手渡してくれた
そもそも、あの人は本当にお爺さんなのか…
気が抜けたのか、単に慣れたのか、間の抜けた事を考えていると
みけちゃんの視線が、私の手元…赤い果実に注がれていることに気づく
「…食べたいの?」
「…」
ううん、と小さく首を振られる
意外と我慢は出来るのだと、そんな事が少しおかしく思う
じゃあ、はんぶんこ…みかんだったらそれも出来たんだけど、相手はりんごに属する果物で
私なんかの握力じゃ、せいぜい爪を立てて削るのが精一杯、とても半分に割れるようなものじゃない
「みけちゃん。あーん…?」
「…?」
通じるかな? 不安に思いながらも食べかけの果物を、みけちゃんの口元に持っていく
私を見て、果物を見て、首を傾げて瞬きを一つ
しゃくり…
小さな口が開き、小気味のいい音が聞こえてくる
美味しそう、嬉しそう、満足そう
変わらない表情はそのままでも、節々に見える仕草はなんとなくでも喜んでいるみたいで
つられてしまったのか、思わず口元が緩み、私も嬉しくなてしまっていた
ふと、目の前に影が落ちた
誰かのつま先が目に入り「ごめんなさい」と道を塞いでしまった事に謝りながらも、みけちゃんの手を引いて脇に寄る
けれど…
人影は動かない。どころか、私達の方へと更に距離を詰めてきた
一人、二人、三人
一歩、二歩、三歩
追い詰められて、追い込まれて、細い道の奥へ、何処の塀が行き止まり
「あの…なにか…?」
勇気を出して…いや、怖いのを我慢してでも、みけちゃんを庇うように前に立つ
それを醜悪…といって良いものかどうか
人の形はしていても、人ではないのは明確な人たちが歩いているような街だ
あのお店のお爺さんだって、不気味さで言えば いま目の前に居る人達より数段上だろう
ただ、なんて言えば良いのか
自分に向けられている感情は、あの日私を岩屋に閉じ込めた大人たちにも似ていて
分かりやすい表情の後ろでは、一体何を考えているのか分かったものじゃない
「ぐへへ、お嬢ちゃんたち、迷子か? 家まで送ってやろう」
裂けた口、垂れた耳、潰れた鼻が、でかい顔に乗っている
それが形を歪めて笑みを浮かべているのだから、その気味の悪さは嫌でも体を引きつらせる
「いえ、大丈夫です…もう帰りますから、どいてもらえますか?」
無理矢理にでも通り抜けようと、大人たちの間に体を滑り込ませるが
「きゃっ!?」
肩を捕まれ、軽く押されただけのはずなのに
大人と子供、それ以上の、人と化け物との力の差
その抗えない力は、私を簡単に地面へ転がしていた
「帰さない。お前らはもう、オレたちのものだ、壊れて、捨てるまでな」
裂けた口が大きく開き、荒くなった鼻息がよだれと一緒にこぼれ落ちる
がさごそと、大げさに布ずれの音が響きくと、男たちが競い合うように張り詰めた一物を取り出していた
「ひっ…!?」
怖い
逃げるなんて考えるのも忘れるほど、体が固くなって、固まって
せめて殺されないようにと、痛い思いをしないようにと、抵抗する気力もなくなっていく
びくびくと…うごめく一物達が、悪臭とともに近づいてくる
これから、あんなものに体を汚される
恥ずかしいとか、悔しいとか、そんな些細な感情は死の恐怖に包まれていた
しゃくり…もぐもぐ…ごっくん…
場違いな音だ
果物を齧る音、咀嚼して、小さな喉に落ちる音
「さや…」
「え?」
手渡されたのは果実の残り、私の食べかけの食べかけ
硬い芯の所まで、丁寧にかじり取られていて、私でも食べやすいような部分だけが残っていた
「ありが…とう…じゃなくて…みけちゃん?」
呼び止めようとして、それでどうにかなる分けでもないけれど
ただ、伸ばしかけた手はすり抜けて、みけちゃんの栗色の尻尾を撫でるだけだった
「なんだ? お嬢ちゃんから相手してくれるのかい? ヘヘッ、オレの入るかなぁ…」
丸太の様に太い手が伸びていく
片手の一つで、みけちゃんの首を締めてしまいそうな程に大きな手は、そのまま何かを掴むこともなく
ばんっ!
何かが弾けるような音がした
風船が割れた様なそんな音はすぐにも遠のいて、ぐしゃりと…通りの向こうで潰れて見えた
「へ?」
私も、私じゃなくても、その光景に目を丸くしていた
パラパラと降ってきたのは血の雨で
そんな中一人、平然としている みけちゃんの手は真っ赤に染まっている
「おいっ、見たことあるぞコイツ。あの女といつも一緒にいる…っ」
化け物を殴った弾みだったのか、みけちゃんの被っていた頭巾が頭から外れていた
そうして、顕になった猫の耳と、あどけない女の子の表情をみた化け物たちが急に血相を変えだしていた
「ふざけんなっ!? それじゃあオレたちは、あの女の持ちモンにっ!?」
その言葉の先はなかった
悲鳴さえも潰されて、近くの壁に広がっている
「ちがっ、ちがうんだっ、オレたち、しらなくて、間違って…」
大の男が尻もちをついて、子供見たいな みけちゃんを見上げて泣きわめいている
その姿はあんまりにも情けなくって、そんなみけちゃんが少しだけ怖くなって
止めることも忘れて、私はそんな光景を見つめ続けていた
「カヤが良いって…だから…」
「だからっ、だから何だって…っ」
男の悲鳴はすぐにも聞こえなくなった
残ったのは死体と血の海と、それでも無感情なみけちゃんだけ
真っ赤になった手を見つめ、短い舌がちろっと伸びる
舐め取った赤い血をしばらく反芻した後
「ぺっ…!」
よっぽど、よほど気に召さなかったんだろう
果実を食べていたときとは真逆の反応で、みけちゃんは 口に含んでいた血を吐き出していた
ー
「いろいろ…驚かせてしまいましたね」
「いえ、そんな…」
申し訳無さそうにする カヤさんに、私は曖昧に首を振って答えていた
遠慮というか、強がりと言うかは微妙な所
けど…あの後、血まみれになった みけちゃんの手を取るのは、いささかの勇気がいったのは確かだった
みけちゃんに手を引かれるままつれてこられたのは、大きなお屋敷だった
私が暮らしていた村の村長さんの家よりも立派なお屋敷
出迎えてくれた カヤさんが、血まみれになった私達を見るや
何かを察して、何もは言わずに、広いお風呂場へと案内してくれた
湯船に体を沈めるなんて初めてだった
似たようなことは近くの川で遊ぶ時と、ちょっとの贅沢で沸かしたお湯で体を拭った時くらい
気持ちがいい
怖い思いもしたけれど、温かいお湯に体を沈めていると、それさえも夢心地に溶けていく
「もう…みけ、動かないで」
「…ん」
向こうの方で、血まみれになった みけちゃんが、カヤさんに体を洗われていた
私と居るよりは幾分か饒舌みたいで、喉を鳴らす程度でもカヤさんの声に言葉を返していた
綺麗だなって…
そんな二人のやり取りに、私は目を奪われていた
みけちゃんだってそうだし、カヤさんなんてもっとそう
二人とも、綺麗で、可愛くって、同じ女の子として見られたら、私なんか酷く恥ずかしく思えてしまう
「どうかしましたか?」
「あ、いえ…その…」
私の視線に気づいた カヤさんと視線が重なった
慌てて逸した視線の先はやっぱり綺麗な体で、見下ろした自分の体に目も当てられなくなる
「カヤさん…綺麗だなって…」
「…ふふっ。ありがとう…」
笑った、笑ってくれた…なんだけど
何処かぎこちない、自嘲を含んだような笑顔の理由が分からない
やっぱり美人だから言われ慣れているのかな?
想像出来るのはその範囲で、美人の苦労なんてのは 私には無縁のものでしか無かった
「みけちゃんって…お風呂嫌いなのかなって思ってました」
「そうですね。私もそんなふうに思った時期もありましたが…」
広い湯船に体を伸ばしたみけちゃんは、とっても気持ちよさそうで
猫は水をいやがるっていう勝手な想像は、湯気と一緒に消えてしまっていた
私と、カヤさんと、みけちゃん…
女の子三人で、それでも余る広い湯船に、しばらくゆっくりとした空気が流れていた
「あの、カヤさん…なんで私に良くしてくれるんですか?」
やっぱり、そこは気になる
見ず知らずの私に、いくらお金持ちだからって、ココまでする理由も分からない
この後、何かを要求されても私には返すアテもないというのに
「私には…これくらいしか出来ませんから…ごめんなさい」
「え? なんで…謝って…」
それが申し訳なくって、頭を上げるようにと、私のほうが懇願してしまうくらいだった
「この後、あなたには私の主に会ってもらいます…」
「あ…はい」
目を伏せたカヤさんに、私はただ頷いていた
少なくても、楽しいことは待っていない。それは、カヤさんの様子から見て取れる
「今から逃がすことも出来ますが?」
その温かい提案に私は首を振っていた
「それだと、カヤさんが困るんですよね…多分」
「まあ…少しだけです」
その諦めたような笑顔に、ますます気持ちは固くなる
「私…人柱ですから。どうせ、逃げるところもないし…帰る所なんてもっとないんですよ」
多分私は笑っていた、笑えていると良いんだけど
それでも、カヤさんみたいに自嘲気味になってしまうのは仕方がない
「みーけちゃん」
「…」
耳が跳ね、声に反応した無感情が私を見つめ返す
笑えばもっと可愛いのにって思いながらも、だんだんとそんな無表情に愛着を覚えてきていた
ー
だめだ…顔を上げられない
お風呂に入って、食事をして、上等の着物に整えてもらった後、通された奥の畳間にその人はいた
「さ、さや…と申します…」
カヤさんに習って部屋に入り、脇目もふらずに頭を下げる
礼儀とか何かに倣う、それ以上に
その場に居るだけでも自分が削られていくような不快感に、ただただ平伏させられていた
「ふふっ…賢い子ね。そういうのも嫌いじゃないわ」
ぞくりと、背中が震えた
その声音に感じたのは、単純な恐怖よりも、身に余る歓喜
遅れてきた恐怖が伝えてくるのは、目の前の存在よりも、見に覚えのない興奮に酔う自分自身
「楓様…」
静かに、けれど確かに咎めるようなカヤさんの声
だからって、こんな存在が人の言うことなんて聞いたものかと不安に思っていると
「はいはい。分かっているわ「せめて優しく」でしょう?」
「…」
うなずく、くらいはしたんだろうか?
カヤさんが無言のままで居ると、ふとした境にまとわり付いていた違和感が大人しくなっていた
「さやって言ったわね。私は楓、霧里 楓よ。どうぞ楓お姉ちゃんと呼んでくださいな?」
「えっと…楓、様…? この度は、数々のご配慮を…」
「ああ、待って、つまらない奏上は止めてちょうだい。礼を尽くすというのなら、せめて顔を見せてからにして」
「はい…。では、失礼をして…」
目の前にいたのは黒髪の麗人だった
墨を掛け流したような艶のある黒髪
着崩された赤い着物から伸びる手足はしなやかで、覗く肌は白磁のように美しかった
見惚れるほどに、その赤い瞳と視線が絡み合う、息を呑んで吸い込むのも忘れそう
だめだ…
頭の隅で声がする
最初に部屋に入った時と同じ声が私を引き止めている
見ちゃいけない、見ていられない、なのに目が離せない
カヤさんは綺麗だった、みけちゃんだって可愛いと思う
けど、それは、私が想像できる範囲の、有り得る範囲の容姿でしか無い
目の前のそれは…なんだ…
私の想像の外から、美しいって印象を強引に叩きつけてきたような
美しいって印象が、ただ形になっているだけのような
本当にそこに居るの?
本当は、私の想像の中にしかいないくせに、どうしてかそこにあるのが気持ち悪い
見ちゃいけない、声も聞いたらだめ、そもそも関わったらいけない類の…
「化け物って?」
「ひっ…」
心まで読まれてる? 違う、もっと怖いのは、私の中に入ってきてるようなその声
心を読まれるくらいなら何てことはなくて、心の奥まで染まりそうなその声がもっと悍ましい
「はぁ…睨まないでよ、カヤ。私に息を止めろというの?」
それの意識がカヤさんに向いた途端、ほんの少しだけ息が軽くなった
またカヤさんに助けられてる。けど、これ以上の迷惑もかけたくないが、私に出来ることなんて縮こまる以外に何があるって
「あぁ、止めれば良いのか…。堅苦しいったら無いけれど…」
ふと、気配が揺らぐ
というよりは、姿が形になったような。いないはずの誰かが、ようやく地に足をつけたような安心感が広がっていく
「ほら、さやちゃん。深呼吸、深呼吸、少しは私を受け入れてくれないと、いつまでも苦しいままよ?」
ほら、吸って、吐いて…
繰り返し、あやされる様に言葉をかけられ、言われるままに呼吸を落ち着けていく
少しは私を受けれて…その言葉通りに、私の中に彼女が入り込んでくる
少しでも、欠片でも、楓様の存在が身にしみてきて漸くと、ここにいることに耐えられるようになってきた
「素直ね。そうやって、大人たちに捨てられたの?」
「そう、ですね…。人柱だって…結局神様なんていなかったけど」
くすくすと、私の言葉に楓様の笑い声が返ってくる
それは、神様を貶めるようでもあり、大人たちの勘違いをあざ笑うみたいでもあった
「なんなら、私がお願いを聞いてあげましょうか?」
ただの戯れ、からかわれてるのは理解できるけれど
その上で、一つだけでもワガママを聞いてもらえるのなら、恐れながらに願いを口にする
「つまらないことを言う…。まあいいわ…」
微笑んだ楓様は「おいで」と、優しく私を手招いた
ー
ぽん、ぽん…
そのきれいな指が膝をたたき、私はそこへおさまっていた
初めての居心地に、落ち着かなくもあったけど
抱き寄せられ、頭を撫でられている内に、甘えたがっている自分に気づき、恥ずかしさが増していく
「あの…楓様?」
いつまでこうしているんだろう?
恥ずかしさに耐えかね、誤魔化すように問を投げては見たものの
楓様は綺麗な笑顔をしたまんま、私のことを撫で続けるだけ
恐る恐るか
まさか、自分から離れるわけにもいかず
緊張し続けるのにも疲れた私の体からは、段々と力が抜けていき
気づいた時にはもう、楓様の肩に自分の頭を預けてしまっていた
「怖かったでしょう? 苦しかったでしょう?」
楓様の声が聞こえてくる
優しく、慰められているのは分かっても、その言葉は形にならず私の中に溶けていく
耳から、触れ合った肌から、楓様が染み込んでくるようで
恥ずかしいような、くすぐったいような、こそばゆい胸の高鳴りに身を任せる
「でも…。ごめんなさい、私はあなたを助けないわ」
「うん…」
なんで? とも思わない
むしろ、ここまでしてくれた事が不思議だったし、そう言われた方がいっそ清々しい
「縋らないものね? もう少し泣いて見せてもいいのよ?」
「うん…。でも、それだと、カヤさんが困ってしまうから…。楓様はそう望まれますか?」
「いいえ。それこそ カヤが困ってしまうわ」
「ふふっ…。じゃあ、私…良い子にしてます…どうぞ、楓様のご随意に…さやを好きになさって…」
目を閉じて、私はそのまま体から力を抜いた
自分を支えていた恥ずかしさすら手放して、身も心も楓様に明け渡す
きっと私は殺される
優しく優しく、この化け物にとり殺される
自暴自棄といえばそう
どうせと、帰る場所も行く場所も無いのだから
また何処か、誰もいない場所で、一人っきり、空腹と疲れで倒れる苦しみを考えれば
せめて、助けてくれたカヤさんの為にでもと、この化け物に優しく殺されたい
「キス、口づけ、接吻…知っている言葉は?」
「え…んぅ…」
知っている言葉の意味に目を丸くして、戸惑いが抜けないままの私の口が塞がれる
初めての感触は、柔らかくって、熱くって、胸が痛いほどに高鳴るくせに、体からは力が抜けていく
「ぁっ…」
唇が離れ、僅かに声が漏れた
高鳴る鼓動に呼吸が追いつかず、空気を求めて逃がそうとした頭を捕まえられる
触れ合った唇からは不思議と甘い痺れが広がりだし、息苦しさと混ざり合うと頭を白く濁らせた
苦しい…けど、もう少しでも感じていたい
甘酸っぱいようでいて、苦くもある不思議な感覚
艶めかしい唇の触れ合いは熱を増し、じわじわと唾液が溢れてくるのを感じていた
くちゅ…
自分の中から聞こえる水音、粘ついていてそれが少し いやらしくって
口の中にまで伸びてきた楓様の舌が、私の唾液を啜っていく
口内を舐め回し、作法も分からないままの私の舌とも絡ませて
「んっ…ゃっ…ぁっ…んぅ…」
身を任せるまま、されるがまま
楓様の良いように口の中を犯される
なにかの拍子で漏れ出た自分の声が気恥ずかしくって、自分の声が聞こえるたびに顔が熱くなっていく
息苦しいのに気持ちがいい
他人に身を任せている感覚が心地良い
唾液を吸われる度に、体からは力が抜けていって
ふっと、意識が遠のくような感覚はその先の快感を期待させていた
「さや…口を開けて?」
「へ…? ぁ、はい…」
ぼぅっとしたままの私に聞こえた楓様の声
続けられていた口づけに、だらしなく開いた口を更に大きく開いて見せる
楓様の舌が伸びてくる
その先には、唾液が一つ雫を作り
ちょん…
それが途切れると、私の舌の上に落ちてきていた
どうしよう? どうしたら良いんだろう?
口を開いたままに、楓様を見つめていると「飲んで?」と、浮かんだ笑顔に促される
「ぇ、ぁ…ん…っ」
口を閉じ、ごくりと胸が高鳴った
誰かの何かを受け入れる
私の中で、楓様の感覚が広がっていく
唾液一つ分、ほんの些細な感触のはずなのに
喉に落ちたそれが、自分の中に染み込んでいくのが嫌というほど分かってしまう
「どうだった?」
「どうって…」
からかうような問いかけに、何もは言えなかった
気持ちよかったと言うのも、もっと欲しいとねだるのも
それはなにか、イケナイことのような気がして、自分の欲望から目をそらしてしまう
「本当に初めてなのね。私は、てっきり…」
「そう、なる前で良かったです…。綺麗なままで楓様に召し上がっていただけるのなら…」
言葉の意味は朧気だったけど
汚される前で良かったとは、素直にそう思えた
「貴女は十分綺麗よ、さや…。そしてとっても…んっ」
「ぁん…」
言葉尻をそのまま伝えるように、もう一度唇を奪われる
慣れた感触は、すぐにも私の頭を呆けさせ
気づくと、楓様の手が 私の胸元に添えられていた
唇を塞がれ、何も言えないままの私
着物の合わせ目から入ってくる楓様の手
そのまま、女を象り始めたばかりの胸に指が触れると、ひやりとした感覚が体を震わせる
指先が、1つ、2つ、3つ…
小さな胸が包み込まれて、優しく撫でられ、ゆっくりと揉まれていった
最初は冷えていた楓様の指も、私の熱が移ったのか段々と熱っぽく
口づけの感触と、胸の刺激に挟まれて、私の喉は小さな声が抑えきれなくなってくる
「我慢しないで? もっと声を出してもいいのよ?」
「はぁ…我慢なんて…んっ」
開放された口から大きく息を吐きながらも、もどかしいような胸の刺激に身じろぎを繰り返す
言われるまま大きく喉を鳴らせば、確かに楽になれる気はするのに
その1線を前にして、心の何処かが足踏みをしてしまっていた
「恥ずかしい? それとも、なんか怖い?」
「わかりません…でも、はぁ…いけないことをしているみたいなのに、私、変なの…」
「ふふっ。変でいいのよ、何処もおかしくはないのだから」
変でいい、おかしくはない
断片的に聞こえてくる楓様の声に心持ちが軽くなる
軽くなった胸がさらに大きく高鳴なると、ますます変な感じが強くなっていく
「んっ…んぅ…んく…」
また、唇を塞がれる
頭を撫でられ、その手で顎を捕まえられて
強引に上を向かされると、楓様の唾液がどろどろと流れ込んでいた
ためらうように一つ、諦めて二つと…
喉を鳴らす度に、楓様が私の中に広がっていくと
もどかしいばっかりだった胸の感触が、確かな言葉へと変わっていった
「ぁぁ…はぁぁ…あっ…これ、私…気持ちいい…の?」
気持ちいい
そう、思わず自分で口にして、もどかしさの正体に納得する
快感だとか、快楽だとか、言葉だけでは知っていた感覚を胸の内に宿すと
それが抗いがたいほどの欲望だと自覚させられていた
「楓様…わたし…」
「なぁに?」
優しい微笑みが返ってくる
けれど、その笑顔を前にして私は二の句が告げないでいた
気持ちいいから、もっと触れて欲しいと思う
それがはしたないと思えばこそ、恥ずかしさに変わって私の口を塞いでいた
「ん…ぁ…」
優しく、ゆっくりと、胸を愛撫されている
それだけでも十分に気持ちは良いけれど、何かが喉につっかえたようにもどかしさばかりが膨れていく
あるいはもっと激しく、もっと強く
胸が潰れてしまうくらいに乱暴にされたなら
私は一体どうなってしまうんだろうって。ちらついた期待と、あり得ない恥ずかしさに身動きが出来なかった
「はぁ…楓、さま…あっ…」
不思議と溢れてきた涙に、楓様の笑顔が滲んでいく
そうして泣いて見せれば、楓様の方から求めてはくれないだろうかと
そんな甘い期待は、叶えられることもなく、僅かな快感は私の中でくすぶり続けていた
「私は別に、このままでも良いのよ、さや? ずっと、このまま…あなたの涙が枯れ果てるのをみていても…」
その言葉は、真綿で首を締められるのを想像させた
苦しい…息が詰まるでもなく、ただただ息苦しいのが延々と続いていく
いっそ、いっそのことと…そう願うのは遅いか早いかの違いでしなく
ただの羞恥心が、その息苦しさに耐えられるほどに、私の心は強くはなかった
「もっと…しては、頂けませんか? 胸が苦しくて…気持ち良いのが、足り、なくて…」
「ふふっ。おっぱいだけで我慢が出来なくなっているの? はしたないと思わない?」
「それはっ…あっ…だけど…もうっ…どうしたら…」
「どうもしなくていいわ。泣かないでいいのよ、私がからかいすぎたのだから」
「泣いてなんか…あっ…ゃぁ…」
子供みたいに首を揺すると、私の目元に唇が置かれる
伸びてきた舌に涙の跡を舐め取られ、泣いていた自分が急に恥ずかしくもなってきた
ずっと、頭を撫でてくれていた楓様の手が、私の体を滑っていく
着物の合わせ目を開きながら、ゆっくりと落ちていき
お腹の上をくすぐられた私は、驚きとくすぐったさに身悶えてしまう
揺らした体に感じる違和感
太ももを濡らす、ぬるりとした感触と、ぽっと灯りが灯ったような熱がお腹の奥に浮かんでいた
それと同時に、今まで感じていた快感よりも、強い期待が私の胸を高鳴らせ
「あっ…」
自分で思っていた以上に、大きな声が口の端から漏れてしまう
「ここ、分かるでしょう? あなたの女の子の部分…」
楓様の手が、閉じられた太ももを割り開き、濡れた割れ目が指先で撫でられた
「ぁっ…ぁぁぁ…」
その時、溢れ出した快感に恍惚としたものを感じた体が震えてしまう
もうそれだけで、胸からの刺激なんかどうでもいいほどの期待が私の内に膨れ上がっていた
「もっとして欲しい? 割れ目を、貴女の女の子を弄られて、幸せを感じたいでしょう?」
「それは…。あぁっ、はい…わたし、さやは…もっと…楓様…お願い…」
楓様に縋り付いていた
皺になるとか、そんなことも気にかける余裕もなく
その豪奢な着物を、爪が立つほどに捕まえて、私は彼女の慈悲に縋ってしまう
「そのお願いは、あの子にするといいわ…」
「へ?」
楓様の視線を追いかけると、そこには いつもの無感情を浮かべた みけちゃんが立っていた
「みけ、いらっしゃい」
「みけちゃんっ、だめっ」
思わず叫んだ声は楓様とぶつかって
ちぐはぐな言葉に困ってしまったのか、その場で立ち尽くした みけちゃんの頭が傾いていた
「ダメってことは無いでしょう?」
「やっ、楓様…やめて、みけちゃんが…みて…」
微笑みながらも楓様の手は、私の着物を捲くり上げて
快感の涙で濡れていた私の割れ目が、はっきりと みけちゃんの視線に晒されてしまった
「…」
「やぁ…みけちゃん…みないで…」
無感情はそのままに、みけちゃんの視線は私の割れ目を見つめていた
自分と同じか、年下くらいの女の子に、自分の女性を見られている
しかもそれが、快感を感じて濡れそぼっているとなれば、その恥ずかしさに顔から火が出そうだった
たたっと、軽い足音がした
動き出した みけちゃんが私の所までやってくると、おもむろに顔を割れ目に近づけて
ちろ…
小さな舌が、私の割れ目を舐めあげていた
「んっ…ぁっ…ぁぁぁ…」
違う
舐められているのに気づいたのはもっと後で
最初はその刺激に、次はその快楽に、体を震わせて、身を捩って
恥ずかしさよりも、大きくなってくる快感にどうしようもなくなっていた
逃げるように楓様に抱きつくと、浮き上がったお尻が みけちゃんに捕まえられる
そのまま、小さな手には似合わない力で固定されると
ちろちろと…
くちゅくちゅと…
私の割れ目から、淫らな音が重ねて聞こえ始め
小さな舌の刺激に、快感を強くした私はあられもない声が止められなくなっていた
「どう? 同じ女の子に犯される感想は?」
「どうって、なんでこんな事…ああっ…」
「なんでって。あの子食いしん坊でね、私が上げてもいいけど、いちいち疲れるのよ…だから」
その声音は、飼っている犬や猫に、餌を上げるような感覚にも似ていた
そして、その餌に選ばれたのは私なんだろうと、分かっていながらも
そのくせ、怖いだとか、恐怖は一向に湧いてこず
むしろ、じわじわと割れ目から広がり続ける快感の期待だけが私の体を浮かれさせていた
「みけ…。みけったら、顔を上げなさい」
「…」
2度3度…楓様に名前呼ばれて、みけちゃんがようやく顔を上げていた
遠ざかった快感に名残惜しさも感じながら、僅かな暇に気持ちを落ち着けようと、私は慌てて息を吸い込んでいた
「随分と気に入ったみたいね。それじゃあ、存分にいただきなさいな」
「…んっ」
邪魔になったのか、黒い頭巾のついた服を脱ぎ捨てると
綺麗な肌の上に、柔らかい栗色の髪が流れ、猫の耳と尻尾が顔をだす
その容姿に見惚れていると、強烈な違和感が目に飛び込んできた
本来なら男の子についているはずのおちんちんが
みけちゃんの割れ目の間から、大きさを増して跳ね上がっていた
「え、あれ…みけちゃん、男の子、だったの?」
驚きに目を開く
確かに、一緒にお風呂に入った時には何も無かったはずなのに
「アレば便利でしょう? 今からアレに犯されるのよ さやは…」
それとも…
言葉を区切り、楓様が悪戯に笑う
「貴女が みけを犯してみたい? 私は良いわよ。みけだって、お腹が膨れれば構わないのだから」
「わたしが…そんな事…」
一瞬膨らんでしまった妄想に慌てて首を振る
それでも、今からアレに貫かれるんだと思うと、視線は嫌でも 固くなったおちんちんに吸い込まれていき
捕まえられたお尻が 抱き寄せられた途端に、肩を竦ませてしまう
「大丈夫よ。痛いことなんて何にも無いから、存分に気持ちよくなってくれていいわ」
おちんちんの先端が私の割れ目に押し付けられる
少しの抵抗を皮切りにして、ぬるりと…。初めての感触が私のお腹の奥に広がっていくのを感じていた
「あっ、あぁぁぁ…はぁはぁはぁ…」
息苦しさと圧迫感
突き上げるような刺激に声が漏れ、逃した空気を求め、慌てて息を吸い込み直す
痛みはない
どころか、そのひりついた感触さえも気持ちよく感じていた
しっかりと、奥まで入り込んだ おちんちんが引き抜かれ
その膨らんだ部分が、割れ目の中を引っ掻いていく感触に、どうしようも無いくらいの快感が膨れ上がる
引き抜かれ、空っぽになった割れ目の中に、再びおちんちんが入ってくる
一度開かれた割れ目の中は、簡単に みけちゃんの おちんちんを受け入れて
薄れた圧迫感の代わりに、より大きな快楽に私は息を吐きだしていた
くちゅり…くちゅり…
繰り返される行為に、快感ばっかりが強くなっていく
おちんちんを挿れられて気持ちよくって、引き抜かれるのが寂しくって
奥まで満たされるのがたまらなくって、お腹の裏側を引っかかれるのが切なかった
初めてのはずなのに、私の体は最初から知っていたみたいに喜んでしまっていた
鼓動は勝手に早くなり、吐き出す息は熱くなる
あまりの気持ちよさに背中が震えて、快感を求めた体は、おちんちん動きに合わせだす
どれも私の知らないことのはずなのに、そのどれもが私の快感を押し上げていく
期待が膨らんでいく、もう少し先に行けば自分が壊れてしまう予感もあるのに
「はぁ…さや…さや…んっ、はぁはぁっ…」
その声は、幼子が母親を呼んでいるみたいだった
無感情ばっかりだった表情は色を帯び、興奮した吐息が私に降りかかる
何度も、何度も…
私のお尻を捕まえた みけちゃんが、そのおちんちんで私の中を犯していく
彼女の与えてくれる快楽に酔いしれて、求められていることに幸せすら感じてくる
「あっ…ふあぁ…。みけちゃん、わたし…ああっ、きもちいい、これ、もっともっとして良いからっ」
どきんっと…
痛いくらいに鼓動が跳ね上がった
同時に駆け上がった快感が背筋を震わせて、お腹の奥に渦巻いていた熱が一段と熱さを増していく
「ふふっ…可愛いいの。そろそろイキそうなのね」
「い、いくって…なに?」
「とっても気持ちよくなれることよ。ほら、分かるでしょう? みけのおちんちんも さっきより大きくなって」
「んはぁ…あっ、ぁぁぁぁ…」
言われて意識をしてしまう
割れ目を犯している みけちゃんのおちんちんを
だんだんと早くなっていく腰の動きが、さらに私の中を激しく犯していた
膨れ上がっていく快感、大きくなっていく期待と予感
はやく、はやく、はやく…
気づけば自分でも急かすように腰を動かして、みけちゃんのおちんちんを求めていた
「んはっ…!? ぁっ…ゃぁぁぁっ…っ」
小さな悲鳴が みけちゃんの口から漏れると同時に
どくんっと、大きな熱がお腹の中に広がっていった
乱暴に腰を抱き寄せられ、そのまま 一杯のおちんちんに奥まで突き上げられる
その刺激に、駆け抜けた快感が、私の中の何かを蹴っ飛ばしてしまっていた
「ふわぁぁぁぁっ、あぁっ、あっぁつ…!?」
だめ、だめ、だめ…
どうしたって声が止められない
気持ちいいのが口から溢れ出し、何もかも押し流されていく
どくどくと、精液を吐き出し続けるおちんちんが愛おしくてたまらない
きゅっと、割れ目の中が締まり、おちんちんが与えてくれる快感の全部を飲み込もうとする
「あ…はぁ…はぁ…」
いつ終わったんだろう
快感に頭が真っ白になっていて
気づけば、私は泣きながら楓様にしがみついていた
そんな私を怒るでも、笑うでもなく、楓様はゆっくりと私の頭を撫で続けている
緩慢に振り返ると、ぽすんと腰が抜けたように みけちゃんが座っていた
中途半端に固さをのこした おちんちんの先からは、残った精液が垂れだしていて
それがまた…どうしようもなく、私の目を引いてしまう
「さあ、せっかく気持ちよくしてもらったんだから。ちゃんと綺麗にしてあげないと」
「綺麗にって…」
何も言わず、微笑んだ楓様は口元に指を当てていた
尻もちをついたような格好の みけちゃんに顔を近づけていく
息を吸えば立ち込めるほどの精液の匂いに、妙な興奮を感じながらも、私はおちんちんに手を伸ばした
固くて、柔らかくて、少し熱い
触るとびくんっと震え上がり、みけちゃんの小さな口から可愛らしい声が上がる
「気持ち、いいの?」
「…」
返事はない
けれど、熱っぽい視線からは続きを促されているような気がして
私はそのまま、伸ばした舌でおちんちんの先端を舐めあげた
「…っ」
舐めると同時に、みけちゃんの体が震え
勢い余って、おちんちんの先端が私の口の中に入り込んでくる
驚いたのはそのままにして
歯が当たらないようにともう少しだけ口を開き、なるべく奥まで おちんちんを飲み込んだ
甘いような苦いような…少しだけ、汗の混じったような変な味
だとしても、それがみけちゃんの精液だって思うとなんでもなかったし
頭の上で荒くなっていく吐息を聞いているだけで、もっとしてあげたいとも思ってしまう
楓様の真似をして、舌を使って おちんちんを絡めていく
自分が舌を絡め取られたときはどうだったかと、必死に思い出しながら
みけちゃんが気持ちよくなれるように、おちんちんを根本から先端まで刺激する
「はぁ…はぁ…さやぁ…んっ」
切なそうな みけちゃんの声に、私もだんだんと熱が入ってきていた
綺麗にする…はずだったのに、いつしか気持ちよくしてあげたいと、射精をして欲しいと おちんちんを咥え込む
びくびくと震えだす おちんちん
びくんっと、先端からは精液とは違う味の液体が流れ出してくる
それを舐め取りながら、舌先でおちんちんの先端を舐め続けていると
ふいに、みけちゃんに頭を掴まれ、喉の奥にまで おちんちんの先端が入り込んできそうになる
「んっ!?」
同時に口いっぱいに広がる精液の味
勢い余って喉奥にまで流れ込み、粘ついた精液に咳き込んでしまう
どくんっ…どくんっ…
おちんちんが震える度に精液が吐き出され、口の中が一杯にされていく
喉奥が精液で詰まりそうになり、逃げようとしても みけちゃんに頭を掴まれて動かせない
苦しさに涙が溢れてきて、咳き込んだ勢いに跳ねた精液が鼻の頭をつんとさせる
「けほっ…けほっ…」
ようやく、なんとか開放された私は、精液と一緒に息を吐き出していた
べちゃっと、畳の上に吐き出される精液
それでも口の中に残ったはそれは、どろりと喉奥へと流れていく
…ごくん
ためらいながらもそれを飲み込むと、妙な興奮に体を包み込まれていた
「さやぁ…」
「え?」
気づけば、畳の上に押し倒されていた
そのまま何度もされるがまま、おでこに、頬に、唇に、啄むような口づけを繰り返されていると
その一つが、胸元へと落ちてくる
「あっ…」
体が震える
楓様に触れられていた時よりも強い快感だった
快感を覚え、初めての絶頂を迎えて
精液をも飲み込んでしまった私の体は、狂ったような興奮に囚われてしまっていた
拙いでも、感度は際限なく上がり続け
みけちゃんに触れられているだけで、気持ちよさが溢れてくる
悪戯をするように唇で啄まれ、転々した快感を線を繋いでいくと
その先は、いつの間にか固くなった乳首の先端へと流れていた
ちゅっと…
みけちゃんの唇が私の乳首を挟み込んでいた
「ふあぁっ…」
思わず声が上がり、体が震えてしまう
快感の粒が乳首で弾け、そのまま全身の感度を上げていく
ぱたりとみけちゃんの耳が跳ねる
胸元から顔を上げると、また無感情な表情が私を見下ろしていた
「…」
「みけ…ちゃん?」
嫌な予感…じゃない
多分これはきっと、僅かな期待
もっと乳首を弄って欲しいと思ってしまった私の願望でしか無かった
再び乳首に口づけをしたみけちゃんに、私はもっと大きな声を上げさせられてしまっていた
ちろっと、伸びた短い舌が、ざらりとした感触と共に乳首の先端を舐めあげてくる
啄まれ、引っ張られ、ざらざらと乳首の先端を撫でられて
湧き上がった快感の粒が、何度も何度も乳首の上で弾けては全身に快楽を流し込む
白黒と、頭の中が明滅するような感覚
快感が背筋を震わせて、割れ目からはどろりとした 女の子の興奮が流れ出てくる
ぽっとお腹の奥でくすぶっていた快感が大きくなり、気づけば視線は みけちゃんのおちんちんに吸い込まれていた
アレが欲しい、またおちんちんを挿れて欲しい
そう願いながらも 乳首の快感に身を焦がしていく
もどかしさに足をこすり合わせ、そんな僅かな快感も乳首からの刺激にどんどんと感度を上げていった
「あっあっぁぁぁっ!? また、わたし…いく? の? また変なのっ…みけ、ちゃんっ、あっあっ!?」
イキそう
また、気持ちいいので一杯になれる
そんな予感が私の期待を膨らませて、しかし、その瞬間はふっと遠のいていった
「みけ、いつまで遊んでいるの?」
「…」
「あ…そんな、かえでさま…」
朦朧とした意識のまま、取り上げられてしまった快楽を求めて彼女を見上げてしまう
「そんな悲しそうな顔をしないものよ。どうせならアレでイキたいでしょう?」
「あぁ…」
その視線の先には、固さを取り戻した みけちゃんのおちんちんがあった
再び、楓様の膝の上に抱えられた私は、足を開かされ無防備に体を晒していた
「みけちゃん…お願い」
「…」
もう、恥ずかしいのも何もなくなっていた
絶頂の間際に取り上げられた快楽を返して欲しくて、自分から体を開いていく
四つん這いのまま近づいてきた みけちゃんが私の足の間に収まると、小さな手が腰を捕まえてきた
抵抗も何も無かった
すんなりと、精液とでどろどろなっていた私の割れ目の中は、みけちゃんのおちんちんを飲み込んでいて
その先端が、私の奥を突き上げると同時に、大きく震えた私の体は声を上げて鳴いていた
「ふふふっ。そんなに待ちかねていたの? いれられただけでイッちゃって」
「あっ…あぁ…。かえで…様…みないで、ください、わたし…」
「いやよ。だって、そんなに可愛らしいのだもの」
「あっ」
また、唇を奪われた
楓様の舌が口内を舐め回して、触れ合い、撫でられた所がじんわりと熱を帯びてくる
その間にも、私の割れ目は みけちゃんに犯されていた
イッたばかりの体が落ち着くのもそこそこにして、固くなったおちんちんが 何度も私の中を突き上げてくる
たまらない快感に声をあげようにも唇は塞がれていて
それどころか、どろどろと流し込まれた唾液を飲むこむのがやっとだった
「んちゅっ…まっ、みけちゃっ…あっ…かえで、さっんんぅ…」
途切れ途切れの合間に「まって」と言おうにも、すぐにも口を塞がれて何も言えなくなる
私の中が気持ちいいのか、みけちゃんのおちんちんはどんどんと固さを増していき
また、私に射精の瞬間を予感させていた
ぐちゅぐちゅと…
口からも、割れ目からも、卑猥な水音が聞こえてくる
どうしよもない鼻息が頭の中に響き渡り、残った精液の匂いが胸いっぱいに広がっていた
気持ちいい…
割れ目も、お口も…犯されているのが気持ちいい
朦朧とする意識の中で、唯一自分をつなぎとめているのは快楽だけだった
そこに助けを求めると、快感がさらに勢いをまして
「さやっ…んぁっ!?」
みけちゃんの短い悲鳴と、力強い おちんちんの刺激
同時に広がった、精液の熱に浮かされると、私もまた絶頂に押し上げられる
「んんんぅぅぅぅ…ぅやっ…あっ、んんんぅぅぅ!?」
唇を塞がられたまま、上げた声は楓様の中に吸い込まれ、溢れた唾液と涙が私の頬を流れていった
「はっ…はぁはぁ…っ」
絶頂も収まり、ようやくと唇を開放された私は慌てて息を吸い込んで
次の刺激にまた、快楽の声を上げさせられてしまっていた
「ひゃっ!? 楓様…そこは、いま…っ」
「好きなんでしょう乳首? みけに舐められて、随分と気持ちよさそうだったけど?」
「ちがっ…そんなっ…」
説得力のない言葉が後ろめたい
楓様の指先に 両の乳首を挟まれた私は、すぐにも快楽を取り戻してまた熱を上げていた
こんなの、こんなことって…
最初の絶頂よりも強い快楽
しかもそれがずっと続いてるようでいて、また快感の度合いを増していく
次の絶頂は今より強く、そしてまた…終わらない快楽の予感に初めて怖いと思いながらも
「んあっ!? みけ、ちゃんっ…いまは、だめぇぇ…っ」
射精したばかりのみけちゃんの おちんちんに また割れ目の中を突き上げられていた
乳首をいじられながら、割れ目を犯される
固くなっていた乳首を潰される度に軽い絶頂を覚え
おちんちんに掻き回された割れ目が、落ち着くことも許さない
「さや…さや…っ」
「んあ…みけ、ちゃん…」
「さや…さや…」
「かえで…さま…」
二人に求められて、愛されて、気持ちよくって、幸せで
このまま死んでもいいと、ああ…こんな風にころされるんだったら…そんな風にさえ思ってしまう
「気持ちよさそうね、さや。もっと乱暴にしてあげましょうか?」
「ちが、だめ…わたし…でも、あっ、気持ちよくって…みけちゃんっ、もっと…ああっ!?」
「…んっ」
高まる快感の渦にわけも分からず声を上げ
優しくしてほしいはずなのに、より強い刺激に体は喜んでしまっている
そうして流された先に待っているのは、狂ったような快感で
我慢するのが馬鹿らしくなった私は、声を上げて、腰を振って、体をそらして、全身で快楽を受け止めて
「さや…口を開けて」
「あ、あぁぁ…」
唇を塞がれる、唾液がまた喉奥に流し込まれる
「さやっ…さやっ…」
激しくなっていく おちんちんの動きに、また射精の予感が高まっていく
ごくんっ…
唾液の塊が喉奥を通り過ぎる
自分の中を満たしていく楓様の感覚が心地よく恍惚と、無防備になった私の体をみけちゃんに突き上げられた
「んんっ!?」
「あっ!? あっあぁ、みけちゃんっ、ふぁぁぁぁぁっ!?」
絶頂と快感
多幸感が私の中を埋め尽くし、お腹の中に広がる精液の熱に酔いしれる
どくん…どくん…
射精を続けながらも、おちんちんはさらに動きを激しくして
最後に一つ
乱暴なくらいに腰を打ち付けられると、今まで一番の快楽が私の心を壊していった
ー
「ん…あれ…」
気がつくと、布団の上に寝かされていた
頭がぼぅっとする、体がだるい
何か、自分の中から大切なものが抜け落ちたような気はしていても
みけちゃんに、楓様に求められて、与えられた快感は、今でもヒリヒリするほど鮮明に私の中に焼き付いていた
「…さや?」
「あ、みけちゃん? ごめんね、起こしちゃった?」
ぼやけた視界の外で小さく動く影
一緒に眠っていたんだろう。隣で丸くなっていた みけちゃんが、布団の中から顔を覗かせていた
「…」
相変わらずの無感情な顔。名前は呼ばれても返事はなく
喋れないわけでもないはずなのに、私の気を引く事以外はしないまま、視線だけはじっと見つめてくる
「ごめんね…今日はちょっと疲れちゃったから…また、あした…起きたら一緒に…ね?」
言いながらも瞼ばっかりが重くなる
なんとか伸ばした手で、みけちゃんの柔らかい髪を撫でるのも辛かった
「…」
眠りたくないな…
今寝ちゃったらもう目が覚めないような気がして、それが少しだけ怖かった
それでも やってくる まどろみは、情事の快感にも似ていて、引きずり込まれる感覚にある種の心地よさも感じてしまう
「おやすみ…みけちゃん…」
それっきり
みけちゃんを撫でていた手からも力が抜けて
重くなった瞼を支えきれずに瞳が落ちる
「…さや」
私を呼ぶ声が聞こえても
それ以上何もしてあげられず、その声でさえも霞んで聞こえていた
眠りに落ちる最後の間際
優しい唇の感触が頬に触れ、濡れた舌先に手を引かれるようにして
私は…
ー
崩れた岩屋を前にして、瞳を伏せたカヤが ただ立ち尽くしていた
「一週間?」
「一月です…」
「だったかしら? まあ、思ったよりは持ったわね」
まるで悪びれない楓の言葉が気に障ったのか、カヤの表情が目に見えて曇っていく
「不満? コレを壊して欲しいと願ったのは 彼女でしょう?」
「それは…」
結果として、そこで澱んでいた何かが、さやの住んでいた村を滅ぼしたとしても
カヤの口から何かを言えるでもなく
「まあ、自分達で作った祟り神に滅ぼされるなら 本望でしょう?」
自業自得か…たとえそうだとしても
そう言って笑う、彼女に頷けるものでもなかった
「助けて…とは、言わないものね…意外と…」
「そう、ですね…」
生贄にされたことへの諦観、私への恩返し
理由が重なったとしても、最後まで さやはその言葉を口にはしなかった
ただ…
もし、一言でもそんな事を口にしていたのなら、この人はきっと…
「まあ、それはそれで飽きてたか…。もったいなかったわね、みけも気に入っていたみたいだったのに」
途切れた興味を、戯れに繋いだ感想はその程度だった
ーおしまいー
たまには愛のある えっちでもしようかと思ったけど、上手くはいかないものね
ていうか、愛情だけで興奮できるほど、もう素直でもいられない気がするわ
さて、今日はここまで
いっぱい楽しめたかしら? 少しでも気が晴れたのなら何よりね
それじゃあ、また、次の夜にでも…
このSSへのコメント