2020-12-19 05:59:43 更新

概要

え ろ ほ ん が か き た か っ た


注意事項

二次創作にありがちな色々
二次創作の薄い本にありがちな様々
都合のいい道具と、唐突な ふたなり
Drはちまっこい 女の子
フェンはそんな事言わないって思うかどうか




「おやすみなさい、フェン。また明日なのだわ」

「はい、お休みなさいドクター。またあした…」


それを言ってからのドクターの眠りは早かった

寝付きが良いのは良いことだ。それでも、一つ不満があったとしたのなら

眠る前の僅かな時間。他愛の無いお喋りをして、だんだんと瞼が重くなっていく

いつしか会話もおざなりになり、間延びして

ぱたと、気づけば眠ってしまうような、そういう憧れも なくはない


すぅ…すぅ…


小さな寝息がこぼれている


あどけないドクターの寝顔

不安の色なんて何処にもなくて、日頃のお転婆もこの時ばかりは鳴りを潜めていた


「ふふっ…」


お転婆…なんて言ったらきっと怒るんでしょうね

「誰がお転婆よっ」って、口を尖らせる姿が容易に想像できてしまう


初めてあった頃はもう少し大人しかった気もするが

今となっては、その面影も随分と霞んでしまっていた




最初はそう、アーミヤさんが連れて来た小さな女の子でしかなかった


小柄なアーミヤさんの後ろ隠れていたのは、さらに小さな女の子

背くらべをすればドゥリンといい勝負な程というのは、ロドスの中ででも珍しい

順繰りに私達の顔を見上げるその姿も、何処かおぼつかず、ウルサスの難民の子供かとさえ思ったほどだった


どうしたものかと、みんなの視線がアーミヤさんに集まる中

その子に視線を合わせ、しゃがみこんだビーグルが優しく声を掛けていた


「お名前は? 私はビーグルって言うの」


その対応が間違っていたとは思わない

むしろ、自分には出来ないほど完璧で、それを自然にやってしまえるビーグルに感心さえしていた


「…」


しかし、返事がない…

どころか、さらにアーミヤさんの後ろに引っ込んでしまったのだから困ったものだ

とうのビーグルでさえ「あれれ?」と、困った顔を隠しきれてはいなかった


まあ、それも。ほとんどの記憶をなくしていると言われれば、分からなくもない反応かと思う

かわいそう…とまでは思っても、それ以上に何が出来るわけもない

事情を尋ねるためにも、その子から視線を外し、アーミヤさんに声をかけようとした時だった


「…しずく」


小さな声だったけれど、不思議と耳に残る声だった

それ一つが音色のように耳をくすぐってくる

ともすれば、気恥ずかしさも覚えるくらいに不思議な気分にさせられてしまいそうだった


「しずくちゃん? そうなんだ」


よろしくねと、ビーグルの手が伸びて、彼女を しずくを捕まえていた

また逃げられるか、最悪泣き出すんじゃないか。しかし、そんな心配は杞憂に終わる

あっさりとビーグルに捕まった しずくは、そのまま彼女に抱き寄せられて、ようやくとアーミヤさんの後ろから出てきていた


「ビーグル…お姉ちゃん?」

「あ、うん…そうだね。うん、ビーグルお姉ちゃんだよ」


その言葉にビーグルのお下げが跳ねたようにも見えた

優しかった笑顔は浮ついて、頼りなく緩んでいく


「ねぇ、フェン…どうしよう、この子可愛い…」


その時、初めてその子を真っ直ぐに見た気がした

儚い…と、言えばイメージは近いんだろうか

雲をつかむ様な感じはクルースにも近かったが、まるで真逆の雰囲気だ


拙く、覚束ない…


雲なんて形のあるようなものじゃなく、夜霧をなんとか形にしただけの不安定

さらりと髪が流れると、透き通った瞳が、いつのまにか私を見上げていた


「え、あ…ああ…私は、フェンです…」


何を戸惑ったのか、しどろもどろになってしまった自己紹介に、しばらくの間が開いた後


「そう…。それじゃあ、フェンお姉ちゃん…だね?」

「あ…」


ドキッとした。言ってしまえば照れくさい

お姉ちゃんって響きはかくも甘美で、無条件の信頼がくすぐったくもある


「ありがとう フェンお姉ちゃん」

「はい?」


その御礼の言葉に首を傾げてしまう

一体この子の何を助けた覚えがあったろうかと思い直していると


「だって私が、あなた達の言う所のドクターだもの」





「お姉ちゃん…とは、もう呼んでくれないんでしょうね」


寝顔を眺めながら、そんな事を呟いていた

懐かれたのは正直に嬉しかったが、増える笑顔に比例して、お姉ちゃんと甘えられる機会も減っていく

寂しいと思う反面、今になって「お姉ちゃん」と呼ばれても、何を企んでいるのかと疑わずにいられない


アーミヤさんに言わせれば、今のほうが正しくドクターだと言うのだから

自分たちはすっかりと騙されていたって事にはなるんだろう


「…かわいいなぁ」


ただ、その気持だけは、意外と変わらないものだった

たとえドクターがどれだけ 元気(やんちゃ)に、素直(ふてぶてしく)になったとしても、それが可愛いのには違いはない

あざといと、きっと誰かは言うのでしょう


それは正しい、正しいが間違っている


ドクターが欲しいのは、そのあざとさに付き合ってくれる程の愛情で

その わがままに付き合うのもまた甲斐性だ

甘えて、甘やかして、お互いに満足出来ているなら それでいいと


良いはずだったのに…


生まれてしまった一つの欲望は、日に日にと大きくなっていた


例えばそう、自分のわがままをドクターはどれだけ受け止めてくれるのだろうかと


これだけ可愛がって、甘やかして、それなら少しくらいは許されるんじゃないか

一方通行の愛情は辛い。たまには自分も可愛がって貰わないと息が詰まりそうだった


「しずく…寝てますか?」


止めておけばいいのに、それでも遠慮がちに指が伸びていく


柔らかい頬を突き、顔にかかった髪を流す

起きる気配はない。ただ、小さな胸が規則正しく動き、半端に開いた口から心地よさそうな吐息が漏れていた


止めておけばいいのに、それでも遠慮がちに指が伸びていく


開いた口に指を這わせ、唇の形をなぞる

触れただけで形を変える唇は、マシュマロを弄んだ様な感触だった


そんな想像をしたせいか、指先から甘い匂いが伝わってくるようで

食欲にもにた感情から唾液が溢れだすと、ごくり…たまらず喉が鳴っていた


止めておけばいいのに、それでも指は吸い込まれるように伸びていく


唇から指を滑らせ、その隙間へと潜らせた

濃くなる温もり、固い歯に爪がぶつかって、ごつごつした感触に拒まれる


もう少し奥に…


その欲望が叶った代わりに、鋭い痛みが指先を震わせていた


「ぃっ…」


思わず上げそうになった声を何とか飲み込んだ代わりに

逃げ遅れた指先は、しずくの歯ぎしりに挟まれる憂き目に合ってしまう


その痛みも一時で、次第に甘噛程度に落ち着いてはくるが、それでも痛いものは痛い


「ドクター…おきて、ます?」


もしかして起きてるんじゃないとかとの不安は恐る恐るの呼びかけに変わる

しかし しずくを振り向かせるには届かなかったようで、指に噛み付いたままこれと言って返事もなかった


ぺっ…


そのうちに不味かったのか、飽きたのか。吐き出された自分の指先はよだれで べとべとになっていた


「いつつ…。この噛み癖は…どうしたものでしょうね」


痛みを誤魔化すために手を振って、その拍子に跳ねた よだれ が頬に掛かる



本当に、ここで止めておけばよかったのに


自分で自分の指を舐めている事に気づいたのは、不器用に喉を鳴らしてからだった

味なんてするはずもないのに、手についたアイスを舐め取ったような感覚もある


悪いことをしている


そう自覚はしても、それを見咎める相手が居ないだけで、んなにもドキドキするのはどうしてなんだろう?


もし今、誰かが部屋に入ってきたら

もし今、しずく が目を覚ましたら


濡れた私の指を見て何を思うんだろう?

呆けた私の顔を見て何を思うんだろう?


一段と胸の音が高くなる


鼓動に合わせて、甘い痺れが全身に広がっていくみたいだった


「しずく…起きないでくださいね…」


少しだけ…少しだけだと言い訳をして、自分の体に指を這わせていく

服の上から流れにそって、少しでも気持ちよくなる部分を慰めていった


息が荒くなっていく


少しだけの気持ちよさは物足りなくなっていき、指先は服の隙間を探し始めていた


「本当に…寝てますよね? 実は起きてたとか…本当に、ダメですから…」


服の中に忍ばせた指先で、遠慮がちにお腹を撫でる

なんでもない感触が、愛撫の一つに変わるだけで、もどかしさが膨れ上がっていた

柔らかいお腹の上を撫で回していると、小指の先が おへその中へと落ちていく

普段触らない場所は、いつもより敏感になっていて、押し付けた指先でひっかくだけで


びくっ…


体が撥ねるほどの快感に、慌てて口を塞ぐほどだった


びくっ…びくっ…びくっ…


指先で おへその中を何度も掻き回す

その度に体が震え上がり、身悶えするような気持ちよさに酔いしれていく


最後にそうしたのはいつだっただろう?


かぁっと、お腹が熱くなっていた

そこに何があるわけでもないのに、お腹の奥を震わせる刺激は 一人の夜を思い出させる

焦れ出した太ももが擦れ合う。我慢しているつもりでも、緩慢に送られる緩い刺激に自制心が削り取られていた


お腹の上に指先を沈め、出来た下着との隙間に滑らせる

溢れ始めた愛液に誘われて、その水気を確かめようとした時だった


「ん…」


嫌に大きく聞こえたのは衣擦れの音と、しずく の口から漏れた寝息

寝返り一つを横に打ち、私の方を向き直ると、また…小さな寝息を立て始める


「っ…!? ぁぁ…寝返り…ですか…」


慌てて取り直した意識が、下着の中から手を引き抜く


ここまでか…


流石にこれ以上は不味い気はしていた


万一にでも しずくが目を覚ましたら…


下着の中を弄っている自分の姿になんの言い訳も出来やしない


「すぅ…はぁ…」


気持ちを切り替えるために、わざとらしく深呼吸をして

落ち着きを見せたはずの感情は、お腹の奥に取りこぼした快感を見つめていた


指先が濡れている…


それは、舐め取った筈の よだれに上塗りされた自分の愛液


感じてしまっていた、興奮が収まらない


今すぐにでも部屋に駆け戻って自分を慰めたいが

今の時間では、クルースとビーグルにも遠慮をしないといけなくなる


もしバレでもしたら…


クルースなら笑ってくれるだろう

ビーグルなら苦笑いで見逃してくれるかも知れないが


ドクターは…しずくならどうするんだろう?


そんな、都合のいい自分の妄想の中で、 しずくは瞳を輝かせていた


まあ、フェンったら恥ずかしい子

知っているのよ? 分かっているんだから、子供扱いしないで欲しいのだわ

大丈夫、それくらいで嫌いになったりなんかしないわ


さあ、フェン…


何処を触って欲しいの? 私に見せてみて? お願いをしてみるといいのよ?


「ダメ…ドクター。私は…そういうのじゃ…」


ダメなのは自分の浅ましさの方だった

自分よりも一回りも小さい女の子に責め立てられている、その情けなさはかなりのもので

それでも、守るべきはずの 女の子に欲情してしまっているのだから、申し訳無さも立たない


指が胸に触れていた


愛液の欠片を乳首に塗り込んで、いっそ痛いと思うほどに自分の胸を弄り始める

きっと、力加減も分からないからと、乱暴に続く胸への愛撫

爪が引っかかったり、舌で舐められたり…その拍子に噛みつかれたりして


「ふわっ…ぁふっ…ふー…ふっ…ぁ」


体が震える


激しくなっていく妄想は、一つの加減を超えて軽い絶頂を迎え入れていた

漏れる声すら甘みを帯びて、快楽に流されることに抵抗が無くなってくる


「しずく? おきて…ませんよね?」


途切れ途切れに呼びかけても寝顔は変わらず

ほっと、安堵をこぼすと同時に、思い出した快楽の熱が体を焦がす


もういいの? 本当に?


膨らんでいく妄想の中、しずく が悪戯な笑顔を浮かべている


まさか自分から触って欲しいなんて言えるはずもなく

適当な言い訳をしながらも、悪戯な愛撫を受け入れていると


しずくの細い太ももが、足の間に入ってきていた


わざとらしく 押し付けられるその感触に

足を閉じるだけの弱々しい抵抗は、ほとんど受け入れているのと変わりはない


それらしい硬さは何もなく、ただ柔らかいだけの しずくの太もも

筋肉のついてしまった自分のものとは程遠く、その幼さに背徳感が高まっていく

口ではなんとでも、しかし体は正直に濡れ始めていた

下着から滲み出した愛液は、押し付けられている しずくの太ももに広がって


くちゅ…くちゅ…


いやらしい水音が耳に届き始めていた


ねぇ、フェン?


本当におっぱいだけでいいの? 他に触って欲しいところはない?

正直にいってみて? いっぱいいっぱいいってごらんなさい?


「っ…ぅぅぅん…あっ!? …やっ…だ…ゃあっ!?」


口を開いたら言ってしまいそうだった

泣いても、すがってでも、しずくにイかせて欲しくなりそうで

なんとか続けた我慢も、口の端から漏れる嬌声にこじ開けられそうになっていく


ねぇ、フェン?


私はそんなに下手っぴかしら?

それは初めてだもの、それほど上手ではないのかも知れないけれど…言ってくれないと分からないのだわ


泣きそうな声で言われる、寂しそうな顔で見つめられる


なんで しずくにそんな顔をさせているのかが分からない、ただ自分が恥ずかしいだけなのに

言ってしまえばいいんだ「気持ちいいです」って「もっと触って欲しい」って「あそこもいじって欲しい」って

そうすれば、私も、しずくも、みんな気持ちよくなれるのに


ためらいが崩れていく


「いいえ…とっても気持ちがいいんです。だから、もっと…」


しずくの顔が華やいだ

安心したのと同時に、押し付けられているだけだった太ももが動き始める


「あっ!? だめ、です…しずく、それつよい…からぁっ」


一度声を上げたのが止めみたいだった


鈍いだけだった割れ目の刺激が急に鮮明になり、欲しくなった快感が勝手に腰を動かしていく

押し付けられる太ももに、広がった割れ目の中からクリトリスが顔をだす

愛液に包まれたクリトリスが、濡れた下着と擦れ合い

ささやかな水音は べとべとに広がって、下着との境をなくしていった


「くぅぁっ、まって、くださっ…ああっ、だめっ…みないでぇっ」


慌てて口元を押さえると、手を広げて顔を隠す

声を聞かれるのが恥ずかしい、どんな顔してるのか分からない自分が怖い


ねぇ、フェン?


ダメよ、ダメなんだから…

もっと声を聞かせて、可愛いお顔を見せてちょうだい?

気持ちがいいならそう言って? イキたくなったらちゃんとお願いをするのよ?


隠したはずの顔が しずくの手で暴かれていく

両手を捕まえられて、ベッドに押し付けられると、もうなんの抵抗もできなくなっていた


ちゅっ…


唇を塞がれる


興奮しきった体に、その口づけは息苦しく

空気を求めて首を振り、荒くなった鼻息が自分の興奮を自覚させていた


「しずくっ…いまはっ、はぁっ、っ、キスはっ…だめって…」


ちゅっ…ちゅっ…ちゅっ…


逃げては追いかけられて、何度も唇を塞がれる

息苦しくて、呆けてくる頭に、割れ目からの快楽だけがはっきりと映り込み、ふやけた意識を溶かしていく


わからない、なにもわからなくなってくる


苦しいのか気持ちいいのかも…

キスをされる度に身構えて、割れ目への刺激に身悶える

ただ…ただただ、しずくに愛されて、鼓動を感じて、膨らんだ快楽に包まれていたい


ねぇ、フェン?


それが最後の問いかけで、その問いに私が弱々しく頷いていて…





「うわぁ…」


その声には少しの後悔と、未知の快感の名残があった

薄明かりの中、広げた指先は糸を引き、それが粒になると


ぽとり…


真っ白いシーツの上に、粘ついた染みを広げていく


「すぅ…すぅ…」


隣では、変わらずに寝息を立てている しずくの姿

その愛らしさに思わず手が伸びて、慌てて愛液のついた指先を引っ込めた


ぱたっ…


力を抜いた体がベッドに沈み込む

吐き出した吐息の熱っぽさは急に冷え込んで、快楽の残り火を吹き消していくみたいだった


「あ…シャワー浴びないと…」


それは、しずくの部屋のものを借りるとしても、そこに行くまでが遠かった

まして、今から身なりを整えて部屋に戻るなんてのは、とても億劫で仕方がない


そっか…どうせなら、シャワー室ですればよかったかな?


そうすればこんな手間もかからずに済んだような気がする

じゃなくても、トイレにこもれば…なんて、それは空しすぎるかなぁ…


だめだ、まぶたが重い…


もう明日でいいか、しずくより早く起きて、シャワーを借りよう、ああ、そうだ、それがいい

どうせ、いつものねぼすけさんだ。私より早いなんてことはないだろうし…


「ああ…かわいいなぁ…すきだなぁ…しずく…しずくぅ…おやすみ、なさい…」


それを口にしたかどうか

間延びした思考はそのままぷっつんと途切れて、しずくの顔を見つめたままいつしか眠りに落ちていた






「ん…んんぅ…。あ、あれ…フェン? 泊まっていたのね…」


翌朝、朝食の準備が終わる頃になって、ようやくとドクターが目を覚ましていた


「おはようございます、しずく。もう、朝食の準備できちゃいましたよ? 早く顔を洗ってきてください」


しかし、そのまま「はぁい…」と、眠そうな声は聞こえずに

気になって、キッチンから顔を覗かせてみれば、不思議そうな顔をした しずくが、私を見つめていた


「どうかしましたか?」

「いいえ、なんでも無いわ。なんでも無いのだけれど、急に名前で呼ぶのだもの、少し照れてしまうわね」


ぽっと、両の頬に手をおいたしずく が、わざとらしく顔を赤くしていた

しかし、今の自分には、その仕草を可愛らしいと言ってる余裕はない


「あっ」と、出かかった声を飲み込んで、次の言葉を弾き出す


態度の変化を悟られるわけにはいかないし、そこからなにかの拍子にバレないとも限らない

昨夜、一人で耽っていただけならまだしも、しずく をネタにしていたなんてのは間違っても知られたくはなかった


「ああ、そうですね。夢のせい、でしょうか? ドクターと最初に会った日のことを思い出してしまって」

「最初の日?」

「ええ、しずくがまだ可愛らしかった日のことです」


どうだったかしら? と、首をかしげる しずくに冗談めかしてみせると


「まあ、失礼しちゃうのだわ。私は今でも可愛いのよ? それともなぁに…」


フェンお姉ちゃん…


悪戯に、そう呼ぶ声が耳から離れなくなりそうだった


「そんな呼び方をして。今日は何を企んでいるんですか?」

「何も? そう大したことじゃないわ。ただ、朝食にヨーグルトは出るのでしょう? ってだけ」

「もちろん。朝食くらい好きなのを食べさせて下さいと、アンセルにも言われていますし」

「流石ね、フェンお姉ちゃん。では、少し待っていて、顔を洗ってくるのよ」

「はい、いってらっしゃい…」


そのまま、軽い足取りで洗面所に入っていった しずくを見送って、その扉がしまった途端


「はぁぁぁぁぁ…っ」


大きく、大きなため息を吐かざるを得なかった


バレてないバレてないバレてないバレてないバレてない…


内心で大きくガッツポーズを作るのも束の間

未だ 彼女の温もりが残るシーツを刈り取って廊下に出ると、一足とびに近くのリネン室に駆け込んだ

丸めたシーツを回収袋の奥に埋め直し、真っ新なシーツを引ったくって部屋に戻る


「ごろごろごろごろごろ…」


洗面室の向こうで うがいの音が聞こえてくる…あと数十秒も無いだろう

ぺっと…聞こえてくる前に、布団を直し、シーツを広げ、崩れた枕を積み上げる

カーテンを開き、窓を開け、息を切らすまもなくテーブルに二人分の朝食を据え付けた

それと同時に、しゃっきりと目を覚ました しずくが顔を出し、何も気づかないままに席につく


「ドクター、サラダもちゃんと食べてください。あと、パンにジャムを塗りすぎです」

「なによ、好きに食べてもいいのでしょう?」

「そうですが。それだけで言い訳がないでしょう? またアンセルに注射増やされますよ?」

「…分かったわよ。食べればいいのでしょう?ふんっだ…」


文句はいいつも、フォークは止まらないようで何よりだ

りんごの入ったポテトサラダやらコーンスープとか

甘いものばかりの料理は、なかなかに苦労させられる。だが、その分だけ食いつきが良いのも確かで


また、グムに追加のレシピを貰わないと…


彼女の苦労に手を合わせ、自分の料理に舌鼓を打ちながらも

ちまちまと料理を食べる しずくをぼんやりと眺める朝だった





医務室から出てきた ドクターが、フェンの膝の上へどかっと座り込む

遠慮も何もあったものじゃないが、注射の直後なのも手伝って いささか機嫌を損ねているようだった


「フェンの嘘つき…。またアンセルくんに注射されたじゃないの…」

「それはいつものやつでしょう? 無くなるなんて言ってませんよ?」

「そんなの言葉の綾だわ。詭弁ってやつなのよ」


優良誤認か、その向きがまったくなかったとは言わないけれど

むしろそういう言葉遊びは、しずくがよくやっていることだと…


まあ、言う必要もないことか


言った所で しずくの機嫌が直るわけでもないし、どうやってなだめるかのほうが大切だ


「意外と、アンセルも下手っぴなんでしょうかね?」


気をそらせばいいだろうか?

不満の一つも吐き出させれば、そのうち落ち着くんじゃないかと思っただけに

それが意外と失敗だったのは、ちょっと驚いた


「違うわ。アンセルくんは上手くやっているのよ…悪く言わないであげてちょうだい」

「おや…」


存外と、彼も隅に置けないものだ

立場上、しずく には敬遠されているものとばかり思っていたのに

自分の文句は棚に上げて、このタイミングで庇ってくるとは思わなかった


しかし、そうなってくると一つ疑問が浮かんでくる


「なら、もう少しアンセルの言うことを聞いてあげては?」

「嫌よ」


きっぱりだった

すぱっと、首を横に振り明確に審議拒否の態度をとっている


「あんなに痛いことをするのだもの。少しくらい困らせないと割に合わないのだわ」


彼も大変だ

困った患者の相手も医者の務めなのかもしれないけれど


「でも、あまり困らせてアンセルに嫌われても悲しいでしょう?」

「それは…」


その想像は流石に堪えたようだった

珍しく口ごもると、バツが悪そうに足を揺らし始める


「…ごめんなさい?」

「私に言われても? そういうのは本人に言って上げてください」

「怒ってないかしら?」

「平気でしょう? 彼が優しいのは知っているはずです。それでも怖いなら一緒に行きましょうか?」

「怖くなんて無いわ。それぐらい一人で出来るんだから」


ふっと膝の上が軽くなり、しずくが医務室に向かって駆けていく

あったはずの温もりが急になくなり、代わりに居座った寂しさを追い払うのに苦労をさせられた


たぶん嫉妬なんだろう


ああ、やきもちと言い換えればまだ可愛らしいが


そこに恋愛感情を持ち込むと、途端に自分の不利を自覚する

アンセルも男の子で、それは しずくの一番近くにいる男性でもあった

甘えん坊が、何かの拍子で恋心に変わってしまいやしないかと気が気でない


いっそ、そうなってしまう前に…


お腹の奥底で、仄暗い欲望が燻り始めていた





最近、フェンとよく一緒にいる気がする


部屋まで送ってもらって、眠くなるまでお喋りをして、目が覚めてもそこにいた


「?」


一度は首を傾げてみたものの、コレと言って困る事態も思いつかず

むしろ、寝起きで誰かが隣りにいてくれるのは、ちょっとばっかり安心する


「お休みなさい、フェン」

「はい、お休みなさいドクター」


今日もそう言って、ゆっくりと瞼を閉じた私の頭をフェンが撫でてくれている


温かくて、くすぐったくて

それが心地よくなってくる頃には、いつしか眠りについていた



それから、どれだけ経ったんだろう?


揺れるベッドに起こされて、浅くなった眠りに聞こえてきたのは物音だった


また…フェンが泊まっていったのだろうか?


ぼんやりとした頭に浮かぶ纏まりのない考えは、眠いに流されて納得へとたどり着く

眠る前の頭を撫でられていた心地よさを思い返し、すぐにも深くなっていく眠りに意識を手放そうとした時だった


「しずく…」


名前を呼ばれた


普段は余り呼ばれない自分の名前だけに、思わず耳が傾いてしまう

荒い息遣い、苦しそうな吐息、途切れ途切れに上がる泣き声の中に、私の名前が混ざっていた


そうこうしているうちに目が冴えていく


薄明かりの中、揺れるベッドの上に浮かぶフェンの姿

乱れた着衣の中に忍ばされた手が、弄るように体中を這い回っていた


どこか痒いのかしら?


そうすっとぼけられたのなら、どれだけ楽だった事だろう

「どうかしたの?」とか、分からない振りをして声を掛けるのもはばかられる

かといって、鉱石病が進行したのかと、心配して飛び起きれるほどの役者でもなく


せめて…せめての情けと…


寝返りをうった振りをして、フェンに背中を向けようとした時だ


口元に感じた違和感…


なんか、いつもより噛み合わせが良い

気づいた柔らかさに、歯をこすり合わせて見ると


「ぃっ…」


フェンの声が震えていた

同時に、舌先や唇からの感触、恐る恐るに確保した視界から、それがフェンの指先だと理解させられる


「ダメ…ですっ。しずく、そんな風に噛んじゃ…ぅぁっ…!?」


しかも悦んでらっしゃる


それはそうだ、自分を慰めるにしたって、大切な片腕を私に差し出してるんだもの…目的なんて明らかだった


してる事自体は良い、性癖にだってとやかくは言わないけども

おかずにされているのが自分の影で、なおかつ寝てるすきに指を咥えさせらている事態に頭が追いついていかない

これが平時なら、サービス精神(いたずら心)も生まれようものが、流石に異常事態に過ぎていた


とりあえず寝た振りだ


寝ている振りをしてやり過ごそう、これが最近の毎晩ならそのうち終わるだろうと決め込んだ


荒い吐息に感じ入り、乱れていく衣擦れの音に、粘ついた水音が絡みつく

濡れた声を上げながら、合間に何度も何度も「しずく…」と、名前を呼ばれてるうちに気が気でなくなってくる


想像するなってのが無理な話

しかし、まるで想像できやしない


いつも甘えさせてくれる お姉ちゃんが、私の名前で酔いしれているなんて

どんな顔をしているんだろう? いま何処を触っているのだろう? また噛み付いたら声を上げるんだろうか?


咥えていたフェンの指が震え上がる


驚いた拍子に力が入ると、薄く開けていた口が閉じてしまっていた


また、フェンが声を上げている


高まりきった快感は、軽く噛み付いたくらいじゃ痛みにすらならなくなっているみたいだった


「は、はぃ…気持ちいい、気持ちいいですから…もう、意地悪をしないで…イかせて…しずく…」


そんな切なそうな声で、この子は何を言っているのだろう

想像の中の私は、一体フェンに何をやっているのか

そんなに意地悪なの? 普段の私はそう見えるの? それとも単にフェンがアレなだけ?


寝ている振りは存外と大変だった


規則正しく寝息を立てながら、歯を立てないようにするだけで一苦労

半開きを続ける顎は疲れるし、耐えかねた違和感に舌先がフェンの指を舐めたがる


そんな私の挙動不審も、ひたすらにフェンの快感を高めているだけだった


いやいっそ、さり気なく手伝って上げれば早く終わるんじゃないかとも考えたが

なにかの拍子でバレてしまっては合わせる顔もなく

開かない拉致に歯噛みしては、意図せずフェンの快感を高めてしまう


そのうちに、増えてきた唾液が口の中に溜まっていく


まさか、喉を鳴らすわけにもいかず、放っておくほどに口の端に近づいてきていた


つぅ…


口の端から漏れたよだれが頬を伝う

気持ち悪いと、生理的な感情もあったが

フェンの指を咥えながら、よだれを溢す自分の姿がどうにも扇情的に思えてくる


フェンの声から余裕が消える


ベッドの揺れも激しくなって、忍ばせていた行為は いつしか見境をなくしていく

私の口の中で、またフェンの指が震え上がる

勢いで噛みつこうとした口を抑えている間に、舌の上にまで滑り込んできたのには驚いた


喉の手前、舌の根元、奥にまで入ってくるフェンの指


行き場をなくした私の舌は、どうしようもなく彼女の指を舐め回し、その唾液で汚していった



びくっと、大きな揺れが襲ってくる


それは、私が咥えているフェンの指であり、私が眠っているベッドが揺れでもあった


「はぁぁ…はぁ…はぁ…」


呆けたフェンの吐息が繰り返されている

上がっていた嬌声は鳴りを潜めて、今は陶酔の余韻に呆けているようだった


くちゅり…


私の口からフェンの指が抜けていく

纏わりついた私の唾液が掻き出されると、溢れた拍子に枕元を汚していった



やっと終わった


その安堵は安心を取り戻し、ようやく眠れると体の力を抜いた時


「しずく…起きてますよね?」


体が跳ね上がりそうだった


起きてません、寝てます、フェンも寝てちょうだい、だからもう休ませてと

必死に続けた寝た振りは、一体何処まで通用していたのか


「…気のせい?」


多分、首でも傾げているんだろう

それくらいの間の後、不意に私の頬を突っついてきた


右に、左に、撫でてて、触って、押し込んで…唇をなぞられる


そのまま、つーっと線を引き、首筋の流れを確かめられると、指先がパジャマの襟に引っかかっていた


ごくり…


息を呑んだのはどっちだったんだろう?


「良いんですか? 起きてるならそう言ってください…そうじゃないと私は…」


1つ…


2つ…


3つ…


パジャマ代わりのワンピース。そのボタンが上から一つずつ外されていく


開けた胸元に入り込んだ夜の空気

冷えた空気に肌をくすぐられ、たちそうになる鳥肌は諦めてでも、変に体が揺れないようにするのに必死だった


そこで、起きればよかったのに


多分、最初に寝たふりを選択してしまったせいで、引っ込みがつかなくなっていた

それに、起きたら起きたでヤケになったフェンに求められないとも限らない

なにせオカズは私だったのだ。それがアンセルくんだったり、他の子だったりなら開き直りもしようものの

我が身可愛さの前には、穏便にならずにいられない


ふぅっ…


息を吹きかけられた

生温かいフェンの吐息が、パジャマの内側まで入り込んできて思わず声が漏れそうになる

その悪戯が最終警告だったようで、それでも起きない私にフェンの理性が振り切れていた


肌着くらい着けてればよかった…


ボタンが外され、緩くなったパジャマが脱がされていく

肩からずれ落ち、胸の膨らみを越えると、胸元を大きく開かれる


見られている…


それだけなら何でもなかったのに

お着替えの時も、お風呂だって、そんなの何時でも何処でも見られていたし

それをどうとは思っていなかった


なのに、こんな状況で、自分を求められる形で見られるのは不思議と恥ずかしかった

品定めをされている。がっかりさせたらどうしようって、場違いな不安ももちろんあるけど

そんな不安なんかより、我慢の効かなくなったフェンに何をされるのかが分からなくて


ううん…


分かっているから余計に身動きがとれなくなっていた


冗談であって欲しい、悪戯の範囲でやり過ごしたい

そんな一心で身を固め、胸を触る感触にも無反応を続けてしまう


最初は点で、フェンの指先は私の胸のあちこちに触れていく


その仕草は、壊れやしないかと確かめているみたいに弱々しい

それでも段々と強くなってくる力は、私の胸の中に指先を沈み込ませていた


恥ずかしくないかと言われれば恥ずかしい


同じ様な背格好なドゥリンとの差を思えば、なんか納得行かない部分もあるが

けれど、愛らしさを求めるならこれでもいいし、それを恥ずかしがって見せるのも可愛らしさに拍車は掛けられた


あざといと、自覚はあっても無反応ではいられない程度


まして、こんな風に確かめられる機会なんて想定しているはずもなく

沈み込んだ指先が、すぐに押し返される感触がちょっと物悲しい


問題だったのは、そんなんでもフェンが興奮している事だった


落ち着いていた筈の呼吸が乱れ始めている

私みたいな女の子の、しかも寝込みを襲って、その無抵抗が罪悪感に彩りを与えているみたいだった

ちょんっと、触れていた筈の指先は線をひきはじめ、そのうちに広げた手で撫で始める


くすぐったいのを我慢するのは大変だった


でもそれ以上に、胸の奥が もやもやしてくるのが気にかかる

それが快楽なんだろうと、朧気な知識はあったけれど

実感を伴わない知識はそれだけで、快感を抑える方法なんて思いつきもしなかった


胸を撫でられ、揉まれ続けている


広がったフェンの手に私の胸が包まれる

形を、感触を確かめるように指が動き、なすがままに形を変えていく


なにもない、なんでも無い、知らないふりをしてやり過ごそうとしても

胸の中のもやもやはどんどん膨らんでいって、私の我慢を押しやっていった


なにかの拍子で背筋が震える


それに気づいたフェンが吐息を溢すと、その指先は固くなり始めていた小さな乳首をくすぐり出していた


「っ…っ…っ…!?」


息が漏れそうになる、声を出さないようにするだけでやっとだった

なんども震え上がる体は言うことを効かなくなり、だんだんと抵抗する気力が削がれていく


そのまま乳首を弾かれる


痺れるような快感に襲われて、一段と膨らんだ胸のもやもやに、詰まりそうな息苦しさを感じ始めていた


吐き出してしまいたい…


声を上げて、逃げるように体を動かせたらどんなに楽になるんだろう

僅かな油断は身じろぎに変わりに、ベッドに背中をこすりつけてしまっていた


高まった快感は気づけば全身に広がっている


まだ強くはないが、もう無視もできない

こすりつけた背中がシーツに撫でられると、ぞわり…背中をくすぐられたような変な感覚に襲われた

くすぐったい…けど、大きくなり始めた快感は、それをも巻き込んで気持ちよさに変えてしまう


例えば、頭を撫でられた時のような

例えば、優しく背中を抱かれた時のような


そう考えると、いつものスキンシップでさえ途端に危うく思えてきた


胸を撫でられながら、いたずらに乳首を弄られる

その度に、綯い交ぜになった快感が弾けて、頭の中を白く濁らせていく


こんなの、ずっと続けられたら壊れてしまいそう…


一度イってしまえば楽になれるんだろうか?

けれど、そんな感覚が訪れる気配はなく、フェンに胸を弄ばれたまま、大きくなっていく快感に窒息しそうになっていた






寝ているのか、それが振りなのか

もう正直どうでも良くなっていた


ただ、自分の手元には、柔らかく形を変える しずくの胸と、息を荒げ戸惑いに揺れる寝顔がある

それで、十分、それだけで、満足…とは行かない

抑えの聞かない好奇心は、自分の欲望を焚きつけるのに躊躇はなかった


「寝ていても感じるって本当なんですね…。まあ、ただの我慢かも知れませんが…」


わざと聞こえるように声をかけて愛撫を続ける

胸を弄っていた手を止めて、パジャマの上から体を撫でながら、指先を太ももへと伸ばしていく

普段、触れられることのない太ももを、その内側をなでる感触は しずくの体を驚かせるには十分だった


反射的にか、意識的にか…


擦り合っていた太ももの内側に指を潜り込ませた

柔らかい肌の上、少し汗ばんだその感触に吸い付かれながらも、指先を滑らせる

やがて、スカートを捲りあげ、指先が可愛らしい下着に触れると


ぎゅっ…


指先を挟んでいた太ももの抵抗が強くなっていた

その最後の抵抗、ささやかな抵抗に嗜虐心が抑えられない

もっと触りたい、もっと感じている所が見たい、自分の手で しずくをぐしゃぐしゃにしてみたい


鼓動が逸ると、指先が暴れだしそうになる


今すぐにでも下着を剥ぎ取って、しずくの 大事なところを触りたい


段々と…イライラとしてきた


自分はこんなに我慢をしているのに、未だに寝息を立てている しずくが許せない

こんなにされて、まだ寝ているなんて信じられないし

これで寝た振りだった日には、自分に襲われても構わないと言ってるようなものじゃないか



自分の服を脱ぐ間ももどかしかった

興奮が緊張に変わり、普段のなんでもない動作でさえ覚束ない

増えた手間を取り返すように衣服を投げ捨てると、転がっていた小物入れに手を伸ばす


ディルドーと言えばまだ一般的か


しかし、初めて手にした時の感触はナマコにも近かった

でろでろしていて柔らかい。そんな張り型を自分の割れ目に咥えさせて少しすると


どくん…


自分の鼓動に合わせて、ソレも脈動を始める


どくん…どくん…


頼りなかったソレは、血が巡ったように熱を持ち始め

完全に勃起が終わる頃には、男性の肉棒と大差のないものへと変貌していた


「それじゃあ、しずく…さきに謝っておきますね…」


「さて…」と、わざとらしく一息入れて、未だに寝たふりを続ける 彼女の下着に手をかけた

破れるんじゃないかと思うほど乱暴に引っ張り上げ、すぐにも邪魔な布切れを足首から引き抜いていく


そんなに急ぐならズラせばいいじゃないかとも思ったが

どうしてもと、滾った欲望は、しずくの割れ目を目に焼き付けたくてしょうがなくなっていた


「ちょっ!? フェンっ、あなたいい加減にっ、一体何処までするつもりなのよっ!?」

「ああ、やっぱり起きてたんですね?」

「当たり前でしょっ、あんなにされて…眠れるわけなんかないじゃない」


乱暴に脱がされた下着に、空気が変わったことを察したのか、しずくが 慌てて飛び起きてくる

しかし、その頃には脱がせた下着はベッドの下に広がっていて、既に自分の準備も完了と今更でしょうがない


「…だったら、そうする前に起きてくれればよかったのに」

「それはだって…。フェンにも、そういう時くらいあるでしょうって…だいだい、どんな顔して起きればよかったのよ」

「ああ、それはそうかも知れませんね…」


確かに起きるには気まずい状況だったのは認めるが、今更そんな事を言われても止める気はなかった

喋りながらも しずくに にじり寄り、逃げようとする彼女の上から覆いかぶさる


小さいなぁ…


あんまりにも、その体は小さかった

自分が押し倒しただけで、すっぽりと収まってしまう程

このまま乱暴をしたら、壊れてしまうんじゃないか


でも…


壊れるくらい乱暴したいという欲望もまた、自分の中に渦巻いている


「ね、ねぇ…フェン…もういいでしょう?」


弱々しい しずくの声は、最初の会った時を思い出させる

まだ自分たちの顔色を伺って、猫をかぶっていた時の様

幼い仕草に、庇護欲がくすぐられるが、すぐにもそれは独占欲に塗り替えられる

このまま自分のものにしてしまいたい…私だけの しずく…その響きはたまらなく官能的だった


「ねぇ、しずく…。こうしているのがアンセルなら良かったですか?」

「へ? なんでここでアンセルくんが出てくるのよ…」


本当に分からないと困惑する しずく

それならそれでいいし、それで安心してしまっている自分もいる

それでも、いつしかそれを分かる日が来る前に


「いいえ。それじゃあ私が先に貰ってしまいますね…」


いつかそうなったとしても、それならまだ許せる気がしていた



縮こまる しずくの足を開いて、強引に体を割り込ませる

自分の割れ目からは既に固くなった肉棒が癒着していて、本物のソレとそう大差なく見えた


「え、フェン…あなた、それ…」


そこでやっと気づいたんだろう、しずく視線が自分の股間にそびえる肉棒に注がれていた


「ああ、コレですか? 作り物ですから安心してください」

「余計に怖いわよっ!? な、なんかビクビクしてるじゃないの…」

「大丈夫です。メイヤーのお墨付きですから、初めてでも安心だと」

「あの子なんてもの作って…」

「もう良いですか? 面倒なので入れちゃいますね?」


「まっ…」その声を最後まで聞く気はなかった

肉棒の先端を しずくの割れ目にあてがい、そのまま体重を掛けて押し込んだ


別に痛みはなかったし、最初から気持ちよくなれるはずだよと

メイヤーの触れ込みを確かめる前に、肉棒から伝わる快感に腰を抜かしそうになる


狭いしきつい


力を抜いたら押し出されてしまいそうだったが、もっと奥に入れたいと、逆にそれが性感を煽ってくる

熱いくらいに温かくて、肉棒に抱きついてくる柔肉の感触に たまらず腰を引くと、そのまま達してしまいそうだった


「あ、入って…私の中…フェンのおちんちん…はいっちゃ…って…」


そんな、しずくの声にようやくと顔を上げられた

驚いて呆然としてはいるものの、たしかに痛がっている様子はないし

幼い割れ目は、肉棒の形に広がりきってはいたが、まだ動かすくらいの余裕はありそうだった


「どうですか? 痛くはないですか?」

「へ? …痛くは、ええ…痛くはないけれど…」


状況が分かっているのかいないのか

相変わらず呆然としたままの しずくは、間の抜けた声で私の質問にこたえていた


「じゃあ、動かしますね」


私としてはそれが最終確認で、少しでも痛がってくれればまだ優しくする余地はあったかも知れない


ぐっと、肉棒を奥に押し込んだ


ずるっと、舐めるような快感が肉棒から伝わり、背筋が震えだす

肉棒の先端が膣の奥を突き上げると、ざらりとした感触に包まれた

そのまま舌で舐め取られる様な刺激に吸い付かれ、思わず顔をしかめた途端


どくっ…


肉棒が大きく震えた


弾けるような快感が全身を突き抜けて、訳も分からなくなっている間に

肉棒が割れ目からすり抜ける。更に大きく脈動して、真新しい快感が根本から先端に走り抜けると


どくん…どくん…どくん…


飛び出した白濁の液体が、しずくの体に降りかかっていた

白い肌にへばりつき、その幼い体を容赦なく汚していく


「うそ…これ…」


流石に何かは分かるんだろう

ぼうっとした様子のまま、しずくは 自分の肌に掛かった白濁液を指で掬い上げていた


「はぁ…はぁ…すごい、ものですね…」


擬似的とは言え、射精の衝撃は息を取り戻すのにも苦労させられる


「でも…これで終わりなのでしょう? いい加減に満足したかしら?」


ひとまずの着地点が見えたお陰か、しずくの声にも余裕が戻ってきたようではあったが


「そんなわけないじゃないですか」

「え?」


ここで終われるわけがなかった

こんな気持ちの良いこと。しずくの中に吐き出さずに終わるなんて生殺しにも等しい

幸いにも射精を終えたばかりの肉棒は、すぐにも固さを取り戻し始め、私の興奮に合わせて脈動を始めていた


2回目は、割とすんなりと入ったように思う


驚いたしずくを置き去りにして、再びあてがった肉棒を割れ目の中へと押し込んでいく


「あ、さっきより濡れているんじゃありませんか? 精液みて興奮しちゃいました?」

「そんなわけ…っ。フェンが散々体いじるからぁ…ただの生理現象なのよ…」


生理現象なんて、難しい言葉を使う余裕が出てきたようで何よりだ

実際のところ その通りだったのかも知れないが、だからと言って愛液が訳もなく増えるはずもない

結果的に、しずくの割れ目を犯す肉棒に合わせて、くちゅくちゅと卑猥な水音がついて回るのも必然というやつだ


「ふぁっ…やっ…だめ…フェン…?」


しずくの声に甘い色が混ざりだす

これも生理現象なのかと問いかければ、余程に恥ずかしかったのか口を結んで首を振りはじめる


「困りましたね…答えてくれないと分かりませんが…」


これはただの意地悪だ

膣の中で感じる肉棒の快感だけでも十分に満足していたが

もっと しずくの声が聞きたいと、おもむろに伸びた指先は、その唇に触れていた


「いつっ…!」


そう来るだろうとは思っていた。分かってはいたが実際噛みつかれると


かなり痛い 


相変わらずの噛み癖は、私の指を吸い込んで固い歯の間で押しつぶしてくる

睡眠中の甘噛とは違って、割と本気で噛みつかれていたが、固く閉ざされていた口を開くことには成功した


「ふふっ…」


思わず、自分の口から笑いが溢れる

その先にある しずくの嬌声を期待して、さっと引いた肉棒を一気に奥まで突き上げた


「ひぅっ…!? や、なに、急に…ふぇんっふぇんっ、だめだって…ああっ!?」


突然の事に しずくが目を白黒させている

その間にも膣の中を犯し続けると、私の名前を呼びながら確かな嬌声を重ねていく


これは…かなり来るものがある…


強すぎる快感に震えながら、怖いのか気持ちいいのか、気持ちいいのが怖いのか

私の動きに合わせて しずく が声を上げて鳴いている

ダメだって、イヤだって、首を振りながら、それでも懇願する相手は私だけで

何度も何度も、縋るように名前を呼ばれていた


やばい…


組み敷いた女の子に、大好きな しずくに此処まで求められては堪らない

興奮で乾いた喉に、飲み込んだ生唾が引っかかる

ドキドキと、唸りを上げる鼓動に合わせて、肉棒が射精の準備を始めていた


「フェン、ほんとに…だめっ、へんなのきちゃっ…ふわぁぁっ」

「ああ、イきそうなんですね」

「いくって…しらないわよっ、そんなの…ねぇ、ふぇんったらぁ」


体は小さいのに、しっかりと快感を感じて、しかも絶頂の予感まで漂わせている


なんだかんだ言っても体は正直か…


流石に古臭いかと自嘲はしても、肉棒の動きは段々と自分の制御を外れていた


「気持ちいいですか、しずく?」

「気持ちよくなんか、こんなのっ、あぅっ、やっ、変になるだけで…っ」


途切れ途切れの哀願に、意味のない問いかけを重ねる


「でも、しずくにも気持ちよくなってくれないと私も引っ込みが付きませんし…」

「え…っ。でも、だって、気持ちよくなんて…そんなの…ふわっ」

「言ってくれないなら、体に聞いてみましょうか?」


しずくが口ごもっている間にも、更に体を密着させると

肉棒の先端が 膣の奥に沈み込み、強すぎる快感に射精を我慢するだけで拷問にも等しい焦れったさを感じる


「あっ! あっ、ああぅぅ。やめ、ほんとに、だめっ…ふぇんっ、わたし…き、もち…んはぁ、はぁ、良いから…ね、ね?」


今の快感で、また絶頂が近づいたんだろう

もう、ほとんどなりふり構わない感じで、気持ちがいいと口に出し始めていた


一度認めてしまったからだろうか?


気持ちいいと悶えながら、嫌がる素振りもなくなってきて

そのうちに壊れたオルゴールのように、甘い声が続いていく


「そんなに気持ちいいなら、最後までしてあげますね」

「さ、さいごって…ふぇん?」

「イくのって、もっと気持ちがいいですから」

「ちがっ、あなたが止めてくれるからって…わたっ、あっ、ほんとうに…もうっ」


甘い声が割れていく、つまりだした嬌声は今にも絶頂に変わってしまいそうだった


「止めますか? 今止めて、本当に我慢できますか?」

「しらないっ、わかんないわよっ、だって、フェン…んあぁ…意地悪ばっかり…で、ふわぁぁっ!?」

「ああ、それはすいません。しずくが可愛いからつい…」


確かに意地悪だった

何も言わずに、絶頂まで手を引いてあげれば、お互い素直に気持ちよかっただろうに


「じゃあ、イくときは言ってくださいね?」

「へ? ふぇん…わたし…」


答えは聞かなかった

ただ、戸惑う しずくの頭を撫でて、そのまま肉棒の動きに意識を向ける


とは言ってもほとんど無意識だ


なにせ、膣の中で動かしているだけで腰を抜かしそうなのだから

一度腰を引いて、突き上げるだけでもそうとう気疲れをする

まして、こみ上げる射精感は膨らむ一方で、しずくが絶頂に達する前に自分が先に参ってしまいそうだ


流石に、それは情けない…


ぐっと下腹部に力を込めて、吐き出しそうになる射精感に堪え続ける


「あ、これっ…ふぇん、わたし…いく…の? いっちゃ…あああっ!?」


しずくが泣きながら、私の体をぎゅっと捕まえてくる

途端に、小さな体が震えだすと、そのまま感極まったように大きな声を上げていた


「く…ぅっ…」


耐えきれなくなったのはこっちも同じで、絶頂に達し、震えだした柔肉に肉棒に締め上げられていた

逆なでするような刺激を繰り返し、その動きに奥へ奥へと誘い込まれる


もう遠慮もない


しずくにも絶頂を感じさせられたのだし、後は好きに自分の欲望を吐き出すだけ

そのまま望み通りに肉棒を一番奥へと打ち付ける

襲ってくる射精感を飲み込み、膣の動きに逆らって肉棒を引き抜くと、一際大きな声で しずくが鳴いていた


それはそう…


馴れない絶頂の余韻が続く中、敏感になった膣内を滅茶苦茶にされてはどれほどだろうか

絶頂が続く中、膣の中を滅茶苦茶にされて、訳も分からず鳴いている

自分でも酷いことをしているとは思っても、そんな強制的な官能が快感を増して止まなかった


しずくの腰を抱え込む


浮き上がった小さな体を抱き寄せて、奥の奥まで入り込むように肉棒を突っ込んだ


どくんっ…


大きく波打つ肉棒


抑えていた下腹部から力を抜き、更にもっとと、強く肉棒を押し付けると


「うわっ、くぅぅぅぅぅっ!?」


情けないと思うくらいに声が出ていた


ぶるっと背中が震え、お腹の奥から堪りかねた快感が精液に変わっていく

肉棒を走り抜け、その先端から膣の中へと飛び出して、しずくの中を白い快楽に染め上げる


「あ、あー…や、あぁぁぁぁ…ふぇん、ふぇん…」


射精の刺激に、しずくの体が揺れている

定まらない声を上げながら、ただただ、見失わないようにと

私を掴む手の力だけを頼りにしているみたいだった





翌朝…


「フェンのバカっ、へんたい、すけべっ、こっちよらないでよっ、また犯されたら堪んないんだからっ」


その罵倒はごもっともで

一度頭が冷えてしまうと、平謝り以外の何も出来やしなかった


「いや、でも…ドクターだって、気持ちいいって…」

「言ってないっ! 言わされたのっ!」

「同じ様なものじゃ…」

「同じなもんか!? せめてもっと優しくしは出来なかったのっ」

「そう思ったんですけど。ついっていうか…ドクターがあんまり可愛かったので…」

「せっかちっ! 直しなさいっていつも言ってるのに…すっごく、すっごく怖かったんだからぁぁ…」


そこが限界だったようで、ついには泣き出してしまっていた

居たたまれない…というか自業自得なだけに、掛ける言葉も見当たらず

罪悪感に俯いた視線には、幸か不幸か…ドクターの太ももが目に入っていた


つぅ…


足の隙間から、その太ももを伝って垂れてくる白濁の残り

火に油と思いつつも、流石にそのままという訳にもいかず、恐る恐ると声を掛ける


「あの…ドクター…」

「なによぅ…」


弱々しい受け答え、罪悪感に首を閉められながら、しかし喉を振り絞って先を続けた


「も、漏れてます…」

「…なに?」


やがて、私の視線に気づいたんだろう

すっと、泣き顔が自分の下腹部を覗き込み、太ももを汚す精液に目がいったようだった


「ばかっ!」


途端に投げつけられた枕は、甘んじて受け入れた



私に枕と罵倒を残し、シャワー室に駆け込む しずく

これで少しは落ち着いてくれたら良いのだが、それは流石に都合の良い展開かもしれない


「でも…」


しかし、人は都合のいい言葉を受け取るものだ

「せめてもっと優しく出来なかったの」

そんな しずくの言葉は、優しくする分には良いのだろうかという疑問を浮かばせる


ごくり…


高鳴った心臓を抑えるために、生唾を飲み込んだ

目に焼き付いてしまっている

しずくの足に纏わりついていた精液。たとえそれが偽物でも、自分が吐き出した事には違いなく

否応なく、昨晩の快感が蘇ってしまう


勃起しそう…


いや、ソレは既に外れて、取り上げられてもいたのだが、私の心の中では間違いなくそうなっていた


ベッドに視線が吸い込まれる


乱れたシーツの上、所々に染み付く名残り

それは、とても魅惑的で…しずくがシャワーの浴びる少しならと、言い訳をするには十分すぎる


「はぁぁ…」


すぅっと彼女の匂いを吸い込んで、思いっきりに吐き出した

それだけで胸が高鳴り、頭の中は昨夜の続きで染りだす


うかつにも、しずくがシャワーを上がったことにも気づかずに


「さいってい…あれだけしておいて、まだ足りないなんて…」


ドン引きされた


その後、当然のことながら滅茶苦茶怒られた



ーおしまいー



おまけの没シーン供養



Crs「アーミヤさん、あの子可愛いねぇ?」

Amy「あぁ、クルースさん…。あはは…まあ、いつもこうだと良いんですけど…」

Crs「ああー…やっぱり、そういう感じなんだぁ」

Amy「あ、別にいつも可愛くないって言ってるんじゃ…」

Crs「わかるわかる。ちょっと緊張してるんだよねぇ」

Amy「それですっ。多分そういう事でお願いします」

Crs「しょうがないなぁ」




Myr「あ、ドクターいたいた」

Dr「出たわねメイヤー。あなたのせいなんだから、私のフェンに変なの渡さないでくれないかしら」

Myr「あれれ? 気持ちよくなれなかった?」

Dr「言えるわけ無いでしょうっ、そんなことっ。 なんなのっ、ハレンチなのメイヤーはっ!」

Myr「よしよし、痛くはなかったわけだ」

Dr「うぐ…な、何が目的よ。私の口から何を言わせたいっての」

Myr「え? ただのフィードバックだよ? 次はもっと具合の良いのつくるから、期待しててねっ」

Dr「するかっ! また襲われたら敵わないんだからっ」




後書き

最後までご覧いただきありがとうございました

次の



Dr 「分からないことがあるのよ、フェン」
Fen「なんでしょう、しずく?」
Dr 「結局、あなたはSなの? Mなの?」
Fen「いやだなぁ、しずく。人を変態みたいに言わないでくださいよ」
Dr 「…変態が何を言っているのよ」
Fen「真顔で言わないでください…ちょっとドキドキします…」
Dr 「・・・・・」


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