2020-05-12 03:05:16 更新

概要

突然貞操概念が逆転している世界に飛ばされた提督。戸惑いながらも海を取り戻す為に戦い続ける。ちなみに、戦闘シーンはない。


前書き

貞操の概念、性欲の強さが男女逆転した世界。


プロローグ



運転手「あと10分ほどで鎮守府に着きます」


提督「結構遠いですね」


運転手「戦場になるかもしれない前線ですからね、市街地や交通機関から遠いのは仕方のないことです」


提督「前線か…」


運転手「しかし羨ましいですね、提督殿。前線とは言え、あれほどの美女や美少女に囲まれて過ごすことになるとは」


提督「ははは。確かに両手に花どころではないですね」


運転手「提督殿は男前ですし、艦娘からの人気も高いでしょう」


提督「いえいえ、そんな…」


運転手「お、見えましたよ」


提督「…ん?なんだアレは!?」


運転手「へ?」


ドカーン


水面に立つ黒い影から放たれた砲弾は俺が乗っていた車を見事に吹き飛ばした。そんな攻撃に人間が耐えられるわけもなく、痛みもないまま俺の意識は深い闇の底へと落ちていった。





艦娘たちとの出会い



提督(う…ここはどこだ?何か声が聞こえる)


運転手「…殿!提督殿!」


提督「う…」


運転手「起きましたか。鎮守府に到着しましたよ」


提督「…あれ?」


運転手「どうかしましたか?」


提督「砲撃で吹き飛ばされたはずじゃ…」


運転手「いくら鎮守府勤務が嫌だからってそんな物騒なこと言わないでくださいよ。夢でも見ていたんじゃありませんか?」


提督「…そ、そうかもしれません。送ってくれてありがとうございました」


運転手は俺の荷物をトランクから下ろすと、さっさと帰ってしまった。


提督「時間通りの到着。出迎えがあるはずだが」


キョロキョロと辺りを見回していると、1人の女の子がこちらに走ってきた。


五月雨「提督ー!お待ちしてましたー!」タッタッタッ


提督「出迎えの艦娘か?」


五月雨「はい!…わっ」ガクッ


提督「わ、危ない」ガシッ


俺は転びそうになった青い髪の美少女を受け止めた。


提督「大丈夫か?」


五月雨「ひゃあっ!?ご、ごめんなさいごめんなさい!わざとじゃないんです!通報しないでください!」


提督「通報?いやしないけど」


五月雨「ほ、本当ですか?」ウルウル


提督「と言うか、今の一連の出来事のどこに通報する所があるんだよ?」


五月雨「へ?だって私、提督に抱きついて…」


提督「そんなことより案内を頼むよ、五月雨。荷物も整理したいし」


五月雨「え?あ、はい。了解しました」ビシッ


五月雨「…って私の名前知ってるんですか?」


提督「資料を読んできたから一通りはな」


五月雨の案内で私室に荷物を投げ入れた後、施設のレクチャーを受けた。彼女は相当なドジっ子なようで、よく躓いたりして危なっかしかった。


五月雨「い、以上で主な施設の案内は終了です」カオマッカ


提督「顔が赤いぞ」


五月雨「躓く度に提督が嫌な顔せずに受け止めてくれたので…」


提督「当然のことをしただけだ」


五月雨「えへへ。それでは30分後に食堂で全艦娘にご挨拶してもらいます。その後にささやかながら歓迎会を予定してますので、楽しみにしていてください」


五月雨(なんて優しい男性なんだろう。ああ、顔熱いのが収まりません…!)


提督「わかった。時間まで執務室にいるから、何かあったら呼んでくれ」


五月雨「はい、それでは」ペコリ


五月雨はそう言って走っていった。転びそうでハラハラする。


提督「書類の整理でもやっておくか…」ガチャ


青葉「……」


提督「……」


青葉「……」アオザメ


提督「…何をやってるんだ?」


青葉「あーその…新しい司令官が男性だと聞いたもので、取材をと思いまして」


提督「盗聴機でか?」


青葉「すいませんでしたぁぁ!!」ドゲザ


提督「男の提督なんて別に珍しくないだろ。なんで盗聴なんかしようと」


青葉「珍しいですよ!男性が女だらけの鎮守府になんか就きたがらないのは前から変わらないでしょう!?」


提督「初耳だぞ…いや、運転手がいくら嫌でもなんとかかんとかって言ってたな。結局どっちなんだ?」ウーン


青葉「あ、あの…」


提督「まあいいか。青葉、仕掛けた物は全部撤去するように。話くらいいくらでもしてやるから」


青葉「へ?通報はしないんですか?青葉、結構なことをやらかしてると自覚してるんですけど」


提督「未遂だし気にしてないよ」


青葉「…やらかした青葉が言うのもあれですけど、司令官それダメですよ」


提督「何が?」


青葉「通報されないのはホッとしてますけど、青葉はなんらかの罰を受けるべきです」


提督「真面目だな。じゃあ目瞑れ」


青葉「え?はい」


俺の目の前で青葉は瞼を閉じて立っている。いい匂いの美少女が無防備に目を閉じて突っ立っているのだ。


提督(ヤバい、変な気起こしそう…)ゴクッ


青葉「あの、司令官。いつまでこうやって…痛っ!」ペシッ


提督「はいデコピン。これでいいだろ」


青葉「…優しすぎますよ」


提督「ははは」


青葉「…青葉はこれで失礼します。司令官、その…ごめんなさい」


青葉は机の下に潜り込んで盗聴機を外すとそそくさと執務室から出ていった。


提督「それにしても、男の提督が少ないってどういうことだ?少し調べてみよう」


俺は参考になりそうな資料をかき集めた。


提督「なになに。近年、艦娘による司令官へのセクシャルハラスメントや強◯未遂が増加している…ってなんじゃこりゃ」ペラッ


提督「女性しかいない閉鎖空間での生活が原因で変な気を起こしたか?」


コンコンコンとドアがノックされ、五月雨が入ってきた。


五月雨「失礼します。提督、準備が整いましたので、少し早いですが来ていただけますか?」


提督「わかった。今行こう」


俺は資料を片付け、五月雨と執務室を出た。


五月雨「みんな提督が男の人だと知って張り切って準備してましたよ」テクテク


提督「…そんなに男が珍しいのか?」テクテク


五月雨「はい。やっぱり男性は艦娘に囲まれて過ごすのは怖いみたいで、提督になってもすぐに異動したりしちゃうので」


提督「怖い?」


五月雨「提督は女の人しかいない場所でも平気なんですか?」


提督「気まずいとは思うけど怖いとは思わないなぁ」


五月雨「…も、もしかして提督って結構…」ボソッ


提督「結構、何?」


五月雨「い、いえ!何でもないです!あ、着きましたよ!」


提督「案内ありがとう」


扉を開けて食堂に入ると整列していた艦娘がざわめいた。好奇の視線の中、俺は仮設の壇上へと上がった。


長門「全艦敬礼!」ビシッ


艦娘たち「!」ビシッ


提督(統率が取れてるな。流石だ)ビシッ


提督「…全員直れ。俺が今日着任した提督だ。新人の少佐だから失敗もあると思うが、どうかよろしく頼む」


長門「こちらこそよろしくお願いするぞ、提督。少しでも長く貴方と共に戦いたいものだ」


提督「…そうだな。みんなが沈まなくてもいいように全力を尽くすよ」


長門「え?あ、ああ、そうだな」


提督「?」


五月雨「長門さんは提督がここに嫌気が差して異動しないかを心配してるんですよ」


長門「五月雨、それは言わなくても…」


長門(それじゃまるで私が提督のことを好きみたいじゃないか!私はそんな軟派ではない!)


提督「嫌気?俺はここ前線だろうと職務は全うする男だ」


長門「…ほう」


五月雨「やっぱり提督ってちょっとズレてますよね」


提督「どこがだよ」


五月雨「そんなことより、歓迎会を始めましょう!」


食卓に次々と料理が運ばれてくる。


提督「これは美味しそうだな。みんなが作ったのか?」


間宮「はい。艦娘みんなで分担して作りました」


鳳翔「お料理が苦手な子も提督の為にがんばったんですよ」


提督「そうか、ありがとう。恥ずかしながら、女の子に料理を振る舞ってもらうのは初めてだから本当に嬉しいよ」


大鯨「わ、私も男の人に自分の作った料理を食べてもらうのは初めてです」


提督「そうなのか。前任は男性じゃなかったのか?」


大鯨「鎮守府勤務をしたがる男の人なんかいませんよ」


鳳翔「艦艇の魂を具現化した存在と言っても、私たちは女ですから」


間宮「ライオンのいる檻に生肉を放り込むようなものです」


提督「…それは恋愛的な意味で?」


鳳翔「まあ…そうですね」


大鯨(あと性的な意味で、ですよね…)


提督「なんでみんな目を逸らすんだよ」


間宮「あはは…」


提督「艦娘はそんなに恋愛に積極的だったとは知らなかったな」


鳳翔「提督もやはりそういう女性は苦手でしょうか?」


提督「やはり?」


大鯨「がっつく女は嫌われるってよく言いますし」


鳳翔「落ち着いていて余裕のある大人な雰囲気が人気だとか」


提督「まるで男が女性を口説く時のテクニックみたいだな」


間宮「女を口説くような男の人なかなかいないでしょう?私は見たことありませんよ」


提督「え?」


間宮「え?」


提督「……」


間宮「……」


提督「…まあ、あれだ。執務に影響しない程度のアプローチなら俺は全然困らないし嫌でもないよ」


その直後、背後から肩に手をかけられた。


金剛「今の話、本当デスカー?」


提督「うお、びっくりした」


金剛「Oh sorry」


振り向くと満面の笑みを浮かべた金剛が立っていた。


金剛「こうやってtouchするのはsafeデス?」


霧島「お姉様、やり過ぎですよ。初対面の男性の肩に触れるなんて…」


榛名「解体処分になったらどうするんですか?」


榛名(榛名も触りたいですけど!)


提督「解体?これくらいでするわけないだろ」


金剛「じゃあhagなんかは…?」


榛名「なっ!?」


霧島「お姉様!いい加減に…」


提督(金剛は確か帰国子女だったな。ハグくらい普通なんだろう)


提督「別にそれくらいいいぞ」


艦娘「「!!!???」」


提督「…えっと、何かマズイこと言ったか?」


霧島「司令!ハ、ハレンチです!みんなが勘違いしたらどうするんですか!?」


提督(ハレンチ…?セクハラと言い間違えたのかな)


提督「すまん、悪気はなかったんだ」


五月雨「あ、提督。みんな提督と話したがってますので一緒に回りましょう」トコトコ


提督「おう、わかった。それじゃあみんなこれからよろしくな」スタスタ


俺はその場を離れ、五月雨に連れられて他の艦娘と顔合わせに行った。


金剛「…提督のあれ、naturalな発言なんデスカ?」


大鯨「何というか、無防備ですよね」


鳳翔「セクハラはないにしても、少し心配ですね」


霧島(司令は私が守らねば…!)


榛名「は、榛名も少し積極的に行けばチャンスが…?」


間宮「…気持ちはわかりますけど、お料理が冷めちゃうので皆さん食べてくださいよ。鳳翔さんと大鯨さんも手伝ってください」


金剛(間宮、1番目がマジだったヨ…)




衝撃の事実


提督「いやー歓迎会楽しかったな。みんな友好的で仲良くやっていけそうだ」


五月雨「……」ムスッ


提督「…五月雨、何怒ってるんだ?」


五月雨「怒ってません」プイッ


提督(怒ってるじゃん…)


五月雨「ただ、提督は些か女性に対して無防備過ぎかと思います。女はみんな狼なんですから気を付けてください」


提督「んなアホな」


五月雨「冗談じゃないです」


提督「無防備って言われても、何に気を付けろと?」


五月雨「まずボディタッチです。みんな勘違いしちゃいますよ。それに金剛さんへのハグオッケー発言」


提督「ハグくらいいいだろう。金剛もイギリスの習慣が抜けてないんだって」


五月雨「どさくさ紛れに、お、おしりとか触られても知りませんよ?」


提督「俺は尻を触られるくらい平気だぞ。男だし」


五月雨(やっぱり提督って結構女好きだったりするのかな…?)


五月雨「男性ならむしろ平気なはずないですよ!だから提督は無防備だって言ってるんです!」


提督「お、おう…」


五月雨「あと、いくら暑いからって上着は脱がないでください」


提督「仕方ないだろ。食事をしてると体温上がるんだから」


五月雨「それでも男性が簡単に肌を見せるべきじゃないです」


提督「普通逆だろ。露出を抑えるべきなのは女性の方だと思うが」


五月雨「…やっぱり提督ってズレてますよね。女の肌なんか誰も見たいとは思いませんよ」


提督「えぇ…」


提督(ここに来てから違和感はあったけど、やっぱりなんかおかしいぞ?)


提督「それって世間一般でもそうなのか?」


五月雨「?当然じゃないですか?」


提督(つまりこのズレは鎮守府内だけじゃなく世の中もこんな感じなのか)


提督「五月雨、今日は疲れたから俺はもう休む」


五月雨「あ、ごめんなさい、長々と話し込んでしまって…」


提督「気にしなくていいよ。それじゃまた明日な」


五月雨「はい、失礼します」


五月雨は一礼した後、部屋を出ていった。


提督「少し調べてみるか…ネットを使えばこのズレの正体もわかるかもしれないし」


カタカタカタ


提督「なんだ…これは…?ちょっとズレているどころじゃない…!」


提督「俺の知ってる世界と全く違う。というより、男女の性の扱いが逆転してるのか」


今までの自分の行動を思い返してみた。


提督「ってことは、時間と場所を弁えるならいつでもハグオッケーとか言ったのはマズかったか。それに、みんなの前で薄着になったのも…これからは控えた方がいいな」


提督(俺から見れば、男だけの生活をしていた集団の前で女性が肌を晒しているわけだからな。刺激が強すぎる)


提督「ともあれ、明日から気を付けよう。問題は起こしたくないしな」


俺はそう決意し、眠りについたのだった。





運の値が高いとラッキースケベによく遭うらしい



提督「ふわぁ…結局あんまり寝られなかったな。ってもう朝食の時間ギリギリじゃねえか」バタバタ


ドアが3回ノックされる。誰かが呼びに来てくれたのだろう。


提督「どうぞー」


時雨「失礼するよ、提督。そろそろ朝ごは…わっ!」バッ


提督「ああ、すぐに食堂に…なんでそっち向いてるんだ?」


時雨「提督がそんな格好してるからだよ!着替え中なら言ってよ!」カオマッカ


提督「あ…それは悪かったな」


時雨(なんで提督は恥ずかしがらないの?もしかして、僕誘われてるのかな?)


提督「着替え完了っと。それじゃ行こうか」


時雨「て、提督は僕に裸見られて嫌じゃないの?」


提督「裸って言っても上半身だけだろ。まあちょっと軽率だったな、悪かった。時雨はそういうことにはまだ興味がないかと思ってたよ、ははは」ポンポン


時雨(あ、これ子供扱いされてるやつだ)ムッ


時雨「興味ないわけないのに」ボソッ


提督「ところで、なんで時雨が迎えに来てくれたんだ?」スタスタ


時雨「ああ、五月雨に頼まれたんだ。提督がこの時間に食堂に来ていなかったら呼んできてくれってね」スタスタ


提督「なるほど。ドジっ子だけどしっかり者なんだな」


時雨「はは、自慢の妹だよ」


食堂に着くと、そこではすでに艦娘たちが朝食を取っていた。


時雨「席、空いてないね」


提督「あそこに1人分だけ空いてるぞ」


時雨「提督が座りなよ。僕の分は多分白露たちが取っておいてくれてるだろうから」


提督「そうか、ありがとう」


俺は時雨と別れて、その空いた場所に座った。


雪風「しれぇ!おはようございます!」


天津風「おはよう」


時津風「しれーおはよー」


初風「おはよ」


提督「みんなおはよう。俺が座ると狭くなっちゃうけど我慢してくれ」


雪風「問題ありません。雪風たちは小柄なので」


提督「はは、ありがとう。それじゃいただきます」


俺は朝食を食べ始めた。席順は俺の隣に雪風。その隣に時津風。向かいに天津風と初風だ。


天津風「あ、時津風またニンジン残してる」


時津風「だって嫌いなんだもん」


天津風「いつもそう言って野菜ほとんど食べないじゃない」


初風「ちゃんと野菜も食べないと体調を崩すわよ」


時津風「えー…じゃあこれ天津風にあげるー」スッ


天津風「要らないわよ」ガシッ


時津風「むー」グググ


雪風「と、時津風、あんまり押さないでください!」


雪風(ただでさえ狭いのにしれぇとくっついちゃいます…くっつくの自体は嫌じゃないけど、それで嫌われるのは絶対に嫌です)


提督「時津風、好き嫌いはよくないぞ。少しでもいいからちゃんと食べような」


時津風「えー」グググ


時津風に押し込まれ、雪風の体は俺に密着した。


雪風(わああああ!?やってしまいました!)チラッ


提督「ほら、半分でいいから食べなさい。雪風もちゃんと食べてる…って顔赤くない?」


雪風(しれぇは気にしてないのかな…?し、しれぇの体、がっしりしてていい匂いで…)


提督「おーい雪風」トントン


雪風「へ?」


提督「どうした?具合でも悪いのか?」


雪風「な、なんでもありません!少し考え事をしてただけです!」


提督「そうか、ならいいんだ」


初風「……」ジー


天津風(正直羨ましいわ)


時津風「んー、やっぱり美味しくなーい」モグモグ






和気あいあいと朝食を終えた。


提督「えっと、食器は返却口にっと」キョロキョロ


五月雨「提督!朝食はお済みですか…って、わあっ!?」


提督「五月雨!?」


ガシャーン


五月雨は何もない所で躓き転ぶ。彼女が持っていたお盆の上にはドレッシングや醤油などの調味料が残った器があり、俺はそれを頭から被ることになった。


五月雨「ご、ごめんなさいいい!」


提督「…だ、大丈夫だ。でもとりあえずシャワー浴びてくるよ」ベチョ


五月雨「ここは私が片付けておきますので、提督は早くお風呂に!」アタフタ


提督「落ち着け。またやらかすぞ」


食器の後片付けを五月雨に任せ、俺は私室にシャワーを浴びに行った。


提督「そういえば、自分の部屋に風呂があるのって贅沢だよな。艦娘のみんなは共同浴場なのに」シャワアアア


提督「よし、これでいいだろ。さっぱりしたー」


俺は体を拭き、パンツのみの姿で脱衣場のドアを開けた。部屋の真ん中で誰かが立っていた。


瑞鶴「あ、提督さん、やっぱりここにい…た…」


提督「あ」


瑞鶴「っっっ!!!!???」バッ


瑞鶴は凄まじい勢いで背を向け、両手で自分の目を覆った。


瑞鶴「あ、ご、ごめ、その、えん、演習の、確認を、それで、執務室にいなくて、こっちかなって、それで、えと、それでね!」


瑞鶴(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!!わざとじゃなかったとは言え提督さんの裸見ちゃった!)


提督「落ち着け落ち着け。着替えるからそのままちょっと待ってて」ガサゴソ


提督(気を付けようって昨日思ってた所だろーがよ俺。なんで鍵かけ忘れてるかな)


瑞鶴(これ厳罰ものだよね…こんなことで解体なんて嫌だよ…)


提督「はい、もういいぞ」


瑞鶴「……」オドオド


提督「で、演習の確認だったな。今日は二航戦と五航戦を中心とした機動部隊同士の演習と、水雷戦隊同士の砲雷撃訓練だけだ…って聞いてる?」


瑞鶴「あ、ご、ごめん。聞いてなかった…」


提督「…瑞鶴、さっきのは不慮の事故。俺が鍵を閉め忘れて、君が勝手に部屋に入った。ちょっとお互いの意識が足らなかっただけだ。気にするな」


瑞鶴「し、処分は…」


提督「なし」


瑞鶴「え、いいの?私がいい思いしただけ…あ」


瑞鶴(私のバカ!用件済ませたんだからさっさと帰ればいいのに余計なセクハラ発言を…!)


提督「はは、いい思いって。普段頑張ってる瑞鶴へのご褒美とでも思えばいいんじゃないか?」


瑞鶴「…そ、そうする」


瑞鶴(何この人、優しすぎない?)


提督「さて、俺は執務室に行く。瑞鶴も演習の準備に行った方がいいぞ」


瑞鶴「はい、失礼します」ピュー


提督「…逃げるように出ていった」






提督「あっという間に昼だな」


コンコンコン


提督「どうぞ」


飛龍「飛龍です。演習の報告書を提出します」


提督「ご苦労様。艤装への補給が終わったら昼食を取って午後の訓練に備えてくれ」


飛龍「ねぇ提督、瑞鶴と何かあった?」


提督「…なんで?」


飛龍「演習中ずっと上の空だったし、この報告書も本当は瑞鶴が持ってくるはずだったのよ」


提督「俺と顔合わせたくないってことか」


飛龍「うん。だから何かあったのかなーって」


提督「そうだな…まあちょっとしたハプニングだ」


飛龍「へー、どんなハプニング?」


提督「秘密」


飛龍「えー、教えてよー」


提督「瑞鶴本人に聞いてくれ」


飛龍「そんなこと言わずにさ。ね、誰にも言わないから」


提督(なかなか諦めないな…)


提督「仕方ないな…シャワー浴びてラフな格好してたときに鉢合わせしたんだよ」


飛龍「あちゃー」


飛龍(提督のラフな格好…つまり薄着!瑞鶴羨ましいぞこのやろ)


提督「そろそろ昼食の時間だな。ついでに瑞鶴にフォロー入れにいくか」


飛龍「あ、じゃあ私も!」


提督「うん、一緒に行こうか」


食堂に向かおうとドアノブに手をかけたその時、ドアが勢いよく開いた。


巻雲「司令官様!いらっしゃいますか!?」


提督「わっ」


飛龍「きゃっ」


開いたドアに驚いた俺は、後ろにいた飛龍を巻き込んで転んでしまった。


巻雲「はわー!す、すいません!ごめんなさい!お怪我は…あ」


提督「……」


飛龍「……」カァァ


俺を支えようとした飛龍の両手は、見事に俺の胸に押し付けられていた。ついでに互いの足が互いの股の間に押し込まれるおまけつきである。


飛龍「やっ、あの…」パクパク


提督「すまん、すぐに退く」スッ


飛龍「お、おかまいなく…」


提督(混乱しとる)


巻雲「…あの、本当にごめんなさいです」


提督「次からはちゃんとノックしような」


巻雲「はい!」


飛龍「提督の体…ふへ」


提督「おい」






午後の執務を始めて数時間後。


提督(もう仕事がほとんど終わってしまった)


提督「しかし今日は暑いな。でも冷房点けるにはまだ早いし…ちゃんとシャツ着れば上着は脱いでいていいだろ」ゴソゴソ


コンコンコン


提督「あと10秒待って」ゴソゴソ


提督「はいオッケー。どうぞ」


榛名「失礼します」


提督「榛名か。どうした?」


榛名「提督は今お時間ありますか?私たち姉妹でお茶会を開くのでご招待したいのですが」


提督「そうだな。暇だったしお邪魔しようかな」


榛名「本当ですか?榛名は嬉しいです!」パァァ


机の上の書類を片付け、榛名の案内で彼女たちの部屋へ向かう。


榛名「今日は随分とラフな格好なのですね」チラッ


榛名(白シャツの袖口から見える二の腕が逞しくて素敵です…!)


提督「こう暑いとな…本当に春なのか疑わしいよ」


榛名「確かにそうですね。榛名たちも艤装がないと気温への耐性はヒトと変わらないので、今日は少し辛いです」


提督「…クーラーとかまだ点けてないよな?まだ春だぞ?」


榛名「……」


提督「……」


榛名「…ね、熱中症になるよりはマシだと思います」


提督「……」


榛名「……」


提督「…それもそうだな」


榛名(そういえば執務室は暑いままでしたね)ホッ


榛名「あ、榛名たちのお部屋はこの階段の先です」


提督「はいよ」


電「司令官さんに榛名さんなのです」


雷「こんにちは!」


提督「よう、雷に電。バケツなんか抱えてどうした?今日はオフじゃなかったか?」


電「はい。お休みなのでお部屋の掃除をしようとしてたのです」


雷「本当は午前中にするつもりだったんだけどね」


榛名「あはは、暁さんですね」


雷「そうなの。昼近くまで寝てるし、どこかに遊びに行っちゃうしで」


提督「ははは。まあせっかくのオフの日だし、ほどほどにな」


雷「わかったわ!」


電「了解なのです。それでは…あっ!」グラッ


榛名「!」


雷「危ない!」


提督「くっ!」バッ


バシャッ


階段を降りようとしていた電は、バケツで足元が見えにくかったのか階段を踏み外した。俺はなんとか彼女を受け止める。


提督「セ、セーフ…」ビショビショ


提督(ドジっ子恐るべし…)


榛名「提督、大丈夫ですか!?」


電「はわわ、ごめんなさい!」


雷「私たちは雑巾持ってくるわ。榛名さんは司令官をお風呂まで連れていってあげて」


榛名「わ、わかりました」


雷「電、行くわよ!」ピュー


電「は、はい!」ピュー


提督「走って転ぶなよー?」


榛名「それではお風呂にご案内…っ!?」バッ


提督「この格好じゃ茶会には出られないしな…ってどうした?顔なんか隠して」


榛名「提督、その…透けてます」チラッ


提督「あ、ホントだ」


榛名(それだけ!?)


榛名「と、とりあえず、榛名の服を上から着て下さい!」ヌギヌギ


提督「いやそうしたら榛名サラシだけになるだろ。ダメ。手で隠せばいいだけなんだから」


榛名「それでは逆にもっといやら…官能的です!そっちの方がダメです!」


提督「どこがだよ!?」


結局、榛名の後ろに隠れながら移動するということで妥協点が決まった。






榛名「中には誰もいないのを確認しました。ちゃんと暖まってくださいね。今日の気温が高くても風邪を引きますから」


提督「わかったよ。あ、鍵渡すから着替えのシャツを持ってきてくれるか?」


榛名「り、了解です」


榛名(男の人の部屋…!)タッタッタ


提督「さて、入るか」


提督(というか、なんで俺は大浴場で風呂に入ってるんだろうか。私室に風呂あるのに)


チャプ


提督「あ゛ー…でもやっぱデカい風呂は気持ちいいなぁ」


ゴーヤ「……」ブクブク


ゴーヤ(ヤバいでち。何がどのくらいヤバいかっていうと、爆雷マシマシの海防艦100人くらいに囲まれてるくらいヤバいでち)


提督「~♪」フンフン


ゴーヤ(潜水してたらまさか提督が入ってくるなんて…1人だからってはしゃぐんじゃなかったでち)


提督「俺の部屋の風呂ももう少し大きく…いやダメか」ウーン


ゴーヤ(しかし!提督はまだゴーヤに気付いていないでち…!このままやり過ごせば覗きの冤罪はかけられない…!)チラッ


ゴーヤ「ごふっ」


提督「おん?」


ゴーヤ(あ、危なかったでち…もうすぐで見つかるかと。それにしても提督、いい体してる。顔もいいのに体も完璧なんてズルいでち)カァァ


提督「…暖まったし、そろそろ上がるか。着替えももう来てるだろ」ザバッ


ガラガラ ピシャッ


ゴーヤ「……」プカァ


ゴーヤ「なんとか修羅場を潜り抜けたでち。これでゴーヤも歴戦の艦娘でち」カオマッカ


提督(ゴーヤ…可哀想だから気が付いてないフリをしておこう)フキフキ






提督が去った大浴場の脱衣場。そこにある艦娘が立ち竦んでいた。


初霜「どうしよう…」


初霜(訓練終わりにシャワーを浴びに来たら、男ものの下着が置いてあるなんて)


初霜「これ提督のよね?持っていった方がいいのかしら?」


初霜(でも問題が1つある。私がこれを持っている所を誰かに見られたら、あらぬ誤解をされる)


初霜「下着泥棒扱いは絶対に嫌。でもここにこれを放置しておくのも…」


初霜(というか、これがここにあるということは提督が大浴場を使ったということ!)


初霜「…お風呂に入ってから考えればいいかな」


しかし初霜が風呂から出た後には、もう既にパンツは何者かが持っていってしまっていた。


初霜「……」ガクッ


初春「何をしとるんじゃお主は」






午後の執務を終え、俺は夕食を取っていた。


提督「やっぱりここのご飯は美味しいなぁ」


瑞鳳「この卵焼きは私が作ったのよ?」フンス


提督「そうなのか?味も焼き加減も俺好みでよかったよ」


瑞鳳「そう?じゃあまた作ってあげるね」


提督「楽しみにしてるよ」


長門「提督、少しいいか」


提督「もちろんいいよ。食器を先に片付けてくる」スッ


長門「ならここで待っていよう」


食器の返却口に行こうとした俺を何かが引っ張る。


提督「ん?」


長門「提督、シャツが椅子のささくれに引っ掛かってしまっているぞ…っ」


長門(提督のシャツが捲れて腹筋が…!)


瑞鳳(て、提督のパンツちょっとだけ見えちゃった…!)カァァ


提督「…食器で両手塞がってるから、助けてほしいんだけど」


瑞鳳「あ、ごめん。すぐ取ってあげるね…はいオッケー」


提督「助かるよ、ありがとう。それじゃあ長門、ちょっと待ってて」


長門「あ、ああ」


俺はそう言ってその場を一旦離れた。


綾波(司令官の引き締まったお腹…素晴らしかった…!)


敷波「おーい、どしたの?」


綾波「な、なんでもないですよー」


占守「…クナ、今の見たっすか?」


国後「うん、まあ…」


占守「エロかったっしゅ」


国後「……」カァァ


対馬(司令は意外と清楚な下着をつけてるのね)


隼鷹「…ふふ、いいもん見れた」


飛鷹「何言ってるの?」


隼鷹「飛鷹は見逃したの?ツいてないなぁ」






提督「よし、これで今日の執務は終了だ」


五月雨「はい、お疲れ様でした。お茶入れますね」


提督「うん、気を付けてな」


五月雨「だ、大丈夫ですよ」


提督「ははは」


提督(さて、まだ慣れてないとは言え、無防備な所を見せすぎたな。俺が風紀を乱してどうする)


五月雨「提督、お茶どうぞ」スッ


提督「ありがとう」


五月雨(ドジしなくてよかったぁ…)


その時、執務室のドアがノックされた。


神風「司令官、失礼するわね」


提督「やあ神風、こんな時間にどうした?明日の遠征のことか」


神風「ええ、そうなの」


五月雨「ええっと…明日の遠征は神風さんが旗艦で春風さん、朝風さん、松風さんの艦隊ですね」


提督「何か問題が?」


神風「実はちょっと春風の体調がよくなくて…代わりに旗風を再編成してほしいの」


提督「それは構わない。春風は大丈夫なのか?」


神風「少し熱があるだけだから、明日1日休めばきっと大丈夫よ」


提督「少し心配だな…見舞いに行くよ」スッ


神風「司令官が私たちの部屋に?そ、そこまでしなくとも大丈夫よ」


神風(今部屋すごく散らかってる!司令官に見せるわけには…)


提督「いやいや、艦娘が熱を出すなんて心配だろ」


神風「いいから」ガシッ


提督「む」グググ


五月雨(なんか取っ組み合いに…)


神風「強情なんだから…!」グググ


提督「…甘い!」スッ


神風「きゃっ!」ガクッ


提督「ほい」バッ


神風「ちょっ…!」


神風(これ、お姫様だっこ!?)


五月雨(羨ましいです)


提督「このまま行こう」


五月雨「い、いってらっしゃい」


神風(司令官の腕って結構逞しいわね。というか、胸密着してる…って)


神風「下ろして!わかったから!」


提督「ははは、わかったよ」スッ


神風「…もう。ちょっと片付けるから部屋に着いてもちょっと待っててよ?」


提督「わかった」






提督「なんとか今日が終わった」


提督(ともあれ、早くこの世界の価値観になれないと大変だ)


提督「…明日からはもっとしっかりやろう」





提督はビッチ?



金剛「新しい提督が着任して数週間…私たちはある疑念を抱いてマス」


艦娘たち「…!」ゴクリ


金剛「みんなも知っての通り、提督は私たちのphysical contactに嫌な顔1つしないデス。それどころか露出度の高い格好も平気でシマス」


羽黒「さ、誘ってるとしか思えないようなボディタッチも多いです」


睦月「駆逐艦のほとんどは提督の抱っこを経験済みにゃしぃ」


ガヤガヤ


金剛「静かに!」バン


艦娘たち「……」シーン


金剛「そう、疑念というのはみんなも感じている通り、提督はplayboyではないかという事デス」


艦娘たち(はっきり言っちゃった…)


金剛「真偽はともかく、私はハッキリさせたいデス。誰か、協力してくれる人はいませんカ?」


金剛(ここはきっと青葉が…)


青葉「……」ソワソワ


金剛「…青葉?」


青葉「…えっと、青葉は今回は遠慮したいなーなんて。あはは…」


青葉(前科ありますからもうしばらく大人しくしておきたいんです…)


金剛「青葉が手を引くとなると戦力はあまり多くはないですね…」


スッ


金剛「…貴女たちが協力してくれる、ということデスカ。なんとかなりそうデスネ」ニヤリ


霧島「……」


霧島(お姉様が知りたがっている事、パンドラの箱では…?)






提督(みんなからの進言で秘書艦は日替わりにすることにした。コミュニケーションに偏りがなくなるし、悪くない策だったな)


提督「えっと、今日の秘書艦は…」


ドアがノックされる。


提督「どうぞ」


朝潮「失礼します、司令官。本日秘書艦の朝潮です」ビシッ


提督「ああ、今日はよろしく」


朝潮「はい!」


カリカリカリカリ


提督「……」ペラッ


提督(朝潮は真面目に黙って仕事をしてくれているな。無邪気な駆逐艦も賑やかで楽しいが、こういう子が秘書艦だと仕事が捗る)


朝潮「……」カリカリ


朝潮(…たまたま私が今日の秘書艦だったから先鋒に選ばれましたが、どう切り出したらいいのでしょう?)チラッ


提督「…ん?」チラッ


朝潮「っ!」フイッ


朝潮(い、意識すればするほど司令官の顔が見られません…!このままでは任務が果たせませんね。何か打開策は…)


朝潮「あ、この書類は…」


提督「お、どうした?」


朝潮「はい。この書類ですが、司令官のチェックのサインが必要なんです」


提督「おお、悪い。うっかりしてた。助かった、ありがとう」


朝潮「いえ、それが私の役目ですので」ビシッ


提督「…これでよしっと」カリカリ


朝潮「…司令官、ここでの生活は慣れましたか?」


提督「ん?まあな。毎日楽しいよ」


朝潮「艦娘に囲まれた生活でも、ですか?」


提督「特に気にならないな」


提督(だって、君たちチラチラ見てくるくらいしかしないからな。童貞かよ)


朝潮「せ、先日私の妹たちが抱っこをせがんでいましたが、嫌じゃありませんでしたか?」


提督「平気平気」


朝潮「特に荒潮がベタベタしていましたが」


提督「意外と甘えん坊みたいだな」


朝潮(や、やっぱり司令官はギラついた視線や執拗な接触に慣れておられる!じゃなきゃ私たちとの共同生活に耐えられるわけがない!)


提督(子供に触られてもねぇ…)


提督「あ、書類のチェックとサインはし終わってるから、処理頼むよ」ペラッ


朝潮「り、了解しました!」






提督「食堂に来たけど、流石に時間をズラすべきだったな」


朝潮「席、空いてませんね」キョロキョロ


朝潮(所々空いてはいますが、司令官と隣同士で座れる場所がありませんね)


荒潮「あら、朝潮ちゃんに司令官。お昼ごはん?」


提督「やあ荒潮」


朝潮「荒潮、貴女は昼食は終えたのですか?」


荒潮「ええ。午前はあんまり忙しくなかったから早めに昼食を頂いたわ。あ、もしかして、席探してる?」


朝潮「はい」


荒潮「それなら私たちが座ってた所が空いてるわ。そこに座ればいいんじゃない?」


提督「そうだな、そうしよう」


荒潮「ふふっ。朝潮ちゃん、がんばれ」ボソッ


朝潮「っ!」


提督「ん?」


朝潮「なんでもないですよ。早く食べて午後の執務も頑張りましょう」


提督「朝潮が有能であんまり仕事残ってないんだけどね」


朝潮「有能だなんて、そんな…」テレテレ


提督「…朝潮は可愛いなぁ」ナデナデ


朝潮「か、かわっ!?」カァァ


朝潮(これはもう実質愛の告白では…!?)


提督(娘を持つ父親ってこんな気持ちなんだろうなぁ)


朝潮「し、司令官、嫌ではないのですが、せっかくの間宮さんの料理です。早く食べましょう」


朝潮(焦ってはいけませんよ朝潮。たとえ司令官からの好感を得たとしても、ここでがっついてしませば全ては水の泡…!)


提督「そうだな、食べよう食べよう。いただきます」


朝潮(司令官は私を有能だと言ってくれた。このまま真面目に執務をこなせば、あのケッコンカッコカリも夢ではない)


朝潮「えへへへ」


提督「食べろよー?」






朝潮「……」


大潮「司令官といるとアゲアゲですね!」


朝潮「……」


満潮「わ、私は暇だったからみんなについてきただけで、別に…」


朝潮「……」


荒潮「もう少し成長した姿だったら、司令官をもっと楽しませてあげられたのにぃ」


朝潮「……」イラッ


提督「やっぱり人が多いと賑やかだな」


朝潮「賑やかすぎです!」バン


提督「まあまあ」


朝潮「でもこれじゃあ執務が…」


提督「あんまり忙しくないから大丈夫だ」


大潮「では遊びましょう!」グイグイ


朝潮「ああ、どこに連れていくんですか!?」


朝潮(これでは司令官のことが調べられない…いや、逆にチャンスかもしれません)


朝潮「仕方ないですね。私もついていきます」


満潮「で、どこに行くつもりなのよ」


大潮「特に決めていません」


荒潮「テキトーに歩きましょう?」


提督「のんびり散歩か。それもいいな」


荒潮「そういえば、今日は薄着じゃないのね。ちょっと残念だわ」


朝潮(完全にセクハラ発言。ですが、私の予測なら司令官は…)


提督「今日は比較的涼しいからな」


朝潮(やはりスルー)


満潮「司令官、今の荒潮の発言って普通にセクハラなんだけど平気なの?」


大潮「もし慣れてるんでしたら、それはそれで心配です」


提督「セクハラ?」


提督(確かに、俺が女性対して薄着じゃなくて残念とか言ったら完全にセクハラだもんな)


提督「まあ俺は全然平気だな。あ、でもたぶんこんなのは俺だけだから他の男にはやっちゃダメだからな」


4人「っ!?」ドキッ


朝潮(俺以外にはするなって…)


荒潮(なんて素敵な響きなのかしら)


大潮(何の気なしに言ってますね)


満潮(天然でこれって…)


提督「…どうした?なんかみんな固まってるが」


朝潮「なんでもありませんよ」






提督「よし、今日の執務はこれで終了。朝潮、ご苦労様」


朝潮「司令官もお疲れ様でした」ビシッ


朝潮(結局これといった収穫はなしでした。私がそういう話に慣れていないというのもありましたが、不甲斐ないですね)


提督「それじゃあとは自由時間だ。好きに過ごしてくれ」


朝潮(…まだ今日は終わっていません。最後に1つだけ訊いてみましょう)


朝潮「そういえば、今日は私の妹たちが迷惑をかけてすいませんでした」ペコ


提督「気にしなくていいよ」


朝潮「ありがとうございます。司令官は女性の扱いに慣れていらっしゃるようですが、女性経験は豊富だったりするんでしょうか?」


提督「け、経験?」


朝潮「す、すいません、変なこと聞いてしまって!」


朝潮(私はなんて質問を!)


提督(経験って、朝潮もそういうことに興味を持つ年頃か)


提督「…内緒かな」ニコッ


朝潮「っ!」


提督(本当は童貞とか言いたくないしな。嘘ついてもボロが出そうだし、ここは誤魔化しておこう)


朝潮(あの意味深な笑み!多いんですね!?隠したいくらい多いんですね!?)


朝潮「そ、そうでしたか!それでは失礼します!」ビシッ


朝潮はそう言うとそそくさと執務室から出ていってしまった。


朝潮(うわああああ!司令官が今まで沢山の女性と付き合ったことがあるなんて!覚悟はしてましたけどショックですううう!)ダダダ


金剛「…ん?あれは朝潮デスネ。あんなに急いでどうしたんデショウ?」


榛名「例の件で重要な情報を掴んだのでは?」


金剛「Oh、それなら早速話を聞くデース!」


榛名「朝潮さん!待ってください!…え、ちょ、待って…は、速い…」


金剛「Turbineでも載せてるんデスカ!?」






提督「なんか昨日の朝潮は変だったな」


鈴谷「提督、ちーっす」ガチャ


提督「ノックくらいしなさい」


鈴谷「あはは、ごめんごめん。本日秘書艦の鈴谷、只今執務室に到着致しましたってね」ビシッ


提督「よろしく、鈴谷」


鈴谷(朝潮ちゃんは提督の女性遍歴を調べてくれた。なら私は、お願いをしたときに提督がどこまで許してくれるかを調べるよ…!)


鈴谷「……」ジー


提督「…どうした?」


鈴谷「な、なんでもない!」


鈴谷(やっぱいきなりは無理!)カァァ


提督「お、おう。それじゃこの資源管理の書類をまとめてくれ」


鈴谷「う、うん、オッケー」


鈴谷(落ち着け、まずは提督との距離を縮めてから。よし、やるぞ!)


その後数十分、滞りなく執務は続けられた。


鈴谷「…飽きた」


提督「えー…」


鈴谷「提督も疲れたでしょ?ほら、肩揉んであげるよ」スッ


提督「おいおい」


鈴谷(提督ならこれくらいは拒まないはず…)ギュッ


提督「ん…はぁ…」


鈴谷「なんだぁ、提督も疲れてんじゃん。結構肩凝ってるよ」


提督「意外と疲れ溜まってるのかもな」


鈴谷「やっぱり休まなきゃダメだよ」


提督「そうだな…んっ」


鈴谷「…っ」


鈴谷(そんな色っぽい声出さないでぇ…!)ドキドキ


提督「…っ…おぉ…」


鈴谷「て、提督、声いやらしいよ」


提督「すまん、つい」


鈴谷(…提督のこんな声をもっと沢山聞いてる女がいるんだよね)ギュゥゥ


提督「鈴谷、痛い」






鈴谷「午前の執務おーわり!提督、お昼ごはん食べに行こ?」


提督「おう、行こう」


鈴谷(当初の作戦を決行するよ!)


鈴谷「お、今日のお昼はカレーがあるじゃーん」


提督「嬉しそうだな。カレー好きなのか?」


鈴谷「ま、まあね。間宮さんたちが作る料理は何でも美味しいもん」


間宮「ありがとうございます。カレーは甘口と辛口がありますけど、どちらになさいますか?」


提督「…甘口で頼む」


鈴谷「鈴谷は辛口で!」


間宮「はい、わかりました」


受け取り口にお盆に乗ったカレーが2人前置かれた。


鈴谷「提督、こっち空いてるよ。ほら、ここ座って」


提督「…隣同士でいいのか?」


鈴谷「私はそっちのが嬉しいな。提督は私の隣は嫌?」


鈴谷(嫌って言われたら多分泣く…)チラッ


提督「まさか。さあ、食べよう」


鈴谷「あ、うん」キュン


鈴谷(…え!?今くらいのでキュンってなった!?私ってこんなにチョロかったっけ…?)


提督「おお、このカレー美味しいな」モグモグ


鈴谷「…で、でしょー?私もカレーは特に好きなんだよ。んーおいしー!」モグモグ


提督「鈴谷は辛口を頼んだようだけど、辛いのが好きなのか?」


鈴谷「うん。提督は苦手?」


提督「あまり得意じゃないな」


鈴谷(チャンスが来た…!)


鈴谷「ちょっと辛くてもここのカレーはそこら辺のカレーとは旨味が違うよ。一口だけ食べてみて」スッ


鈴谷(さあ提督、間接キスはどう?)


提督「…あー、ん」パクッ


鈴谷(躊躇なし…!)


提督「…辛い」


鈴谷「あはは」


提督「俺は甘口がいい」


鈴谷「……ゴクリ」


鈴谷(て、提督が使ったスプーン…いいのかな!?)


提督「どうした鈴谷、食べないのか?」


鈴谷「た、食べるよ!あー、ん」パクッ


鈴谷(いつもの倍は美味しく感じるんですけど…!提督も気にしてないみたいだし、役得だね)






提督「鈴谷、今日の演習の予定は?」


鈴谷「今は機動部隊の演習で、その後に水雷戦隊の対潜演習だよ。夜戦演習の申請が来てるけど…」


提督「許可する。川内に編成案を提出するように連絡を」


鈴谷「了解」


提督「資源の収支計算はできているか?」


鈴谷「できてるよ。はい」バサッ


提督「ありがとう。俺は大本営への報告書を作るから、鈴谷は遠征艦隊からの報告書を纏めておいてくれ」


鈴谷「了解」


鈴谷(い、忙しい…これじゃ提督とのスキンシップができないよ…)ガックリ


提督「……」ジー


提督(鈴谷、疲れてるのかな?今日は何故か忙しいからな)


鈴谷の頑張りもあり、どうにか夕方までに仕事を片付けることができた。


鈴谷「あーもー疲れたあ!」


提督「お疲れ様」


鈴谷「提督ってば、いつもこんなに仕事してたの?」


提督「今日はたまたま仕事が多かっただけだ。いつもは今日ほど多くはないんだけど」


鈴谷「うえぇ」


提督「ははは。そうだ、頑張ってくれたご褒美をあげようか」


鈴谷「え?」ドキッ


鈴谷(ご褒美!?も、もしかして…)


提督「有名店のカステラがあるんだ。みんなには内緒で2人で食べよう」ゴソゴソ


提督(艦娘も甘いものが好きだろうから、喜んでくれるだろ)


鈴谷「あ、ご褒美ってそういう…」ガックリ


提督「…もしかして、鈴谷は甘いもの苦手だったか?」


鈴谷「いや、ご褒美っててっきりエッチなことしてもらえるのかと…」


提督「…はい?」


鈴谷「……」


提督「……」


鈴谷「…あれ?い、今の声に出てた?」


提督「ばっちりと」


鈴谷「あああああ!なし!なしなしなし!今のなしだから!聞かなかったことにして!!」


鈴谷(仕事多かったせいで、頭が疲れて思ったまま言っちゃったああ!ああ、嫌われた…絶対嫌われた…!)


提督「…鈴谷、ちょっとこっち来て」


鈴谷「う…はい」トボトボ


提督「はい」ギュッ


鈴谷「…へ?」


鈴谷(え?私今何されてる?ハグ?抱き締められてる。え、何で?ていうか、超いい匂いする。ヤバい。腕も胸板も筋肉付いてるけど柔らかくて気持ちいい。え?なんでギューされてんの?え?)カァァ


提督「…まあその、なんだ、これで許してくれ。流石にエッチなことはできないからな。さあ、カステラを食べよう」パッ


鈴谷「……」


提督「ここのカステラはかなり美味いって評判なんだぞ…って鈴谷?え、ちょ、気絶してる?嘘みたいにウブだな!?おーい!」






加賀「恋人は過去に何人もいた。誰彼構わず体を許すわけでない。それが提督だということですね」


金剛「Yes」


加賀「…疑問なのだけれど、それを知ってどうするの?」


金剛「What?」


加賀「私たちが狙うのはケッコンカッコカリであってただの同衾ではないでしょう?」


加賀(体だけの関係がいいというなら止めはしませんが)


金剛「…But、提督へのappealがしやすいことがわかったのは大きいデス。特にここにいる提督loveな艦娘にとってはgood newsネ」


由良「つまり、多少強引でもセクハラで通報されるリスクは低いということですね」


金剛「That's right!さあ、みんなでケッコンカッコカリを目指しまショウ!」


艦娘「「おー!」」


霧島「……」


霧島(パンドラの箱の希望を無事に見つけられた、というところでしょうか。司令、これから大変そうですね…)





ケッコンカッコカリとは



提督「十分な練度の艦娘と結ばれる契約で、さらなる強化が可能になる装備か…」


大淀「火力などは頭打ちですが、回避力や命中精度などの向上が期待されます」


提督「…で、このネーミングは?」


大淀「よ、妖精さんたちが指輪型に作ったものですから、大本営の担当者が悪ノリしたのかと…」


提督「なるほどね」


大淀「…提督は誰かとケッコンカッコカリをするつもりがおありですか?」


提督「戦力強化できるならするべきだろう」


大淀(あ、そういう感じですか…)


大淀「ケッコンカッコカリは戦力強化だけではないですよ。仮とは言え結婚なんですから相手はちゃんと選んでください」


提督「わかったよ。でもそれだと指輪を受け取らない艦娘もいるんじゃないか?」


大淀「この鎮守府にはいませんよ」


提督「え、でも…」


大淀「100%全員が快諾します。断言します」キリッ


提督「お、おう。ってことは大淀もか?」


大淀「あっ…あの、えっと、その…」モジモジ


提督(かわいい)


提督「でもまあ、今すぐに決めなくてもいいんじゃないか?俺は着任してまだ日が浅いし」


大淀「それはそうですが…」


大淀(提督は私たち全員との距離が近いから、本命は誰なのかやきもきするんですよ!)


提督「素直に練度上限突破装置とでも名付けておけばこんなに悩むこともなかったのに」


大淀「いいじゃないですか、夢があって」


提督「夢?」


大淀「私たち艦娘は軍人であると同時に兵器ですからね。カッコカリでも結婚というものを味わえるなんて素敵だと思いますよ」


提督「…そうか」


提督(艦娘は厳密には兵器だ。好いた相手がいても結婚はできないってことか。感情を持って人に近付いた故の苦しみだな)


大淀(一般の男性となんかほとんど会えませんし、知り合えたとしても怖がられるのが落ちですからね…)


提督「まあ、その、前向きに検討しておくよ」


大淀「はい!お願いします!」


提督「今日1番のいい声だな」





ケッコンカッコカリについて面談してみる



提督「大淀は全員オッケーだと言っていたが、やはり自分で確かめないわけにはいかない。というわけで、ケッコンカッコカリについて面談することにした」


五月雨「何を聞くんですか?」


提督「本当に指輪が欲しいのかどうかとか」


五月雨「え?わざわざですか」


五月雨(私も大淀さんと同じ意見なんですけど…)


提督「分かりやすい態度の艦娘はいいんだが、そっけないやつもいるだろう?強くなるためとは言え、ケッコンという言葉が付いている以上、無理矢理指輪をつけさせるわけにもいかないしな」


五月雨「…そこまで考えてくれてるなんて。ありがとうございます」


五月雨(それでも100%大丈夫だと思うなぁ。というか、ケッコンカッコカリすることは決まってるんですね)ドキドキ






提督「まずは戦艦からだな」


コンコンコン


提督「来たか。どうぞ」


山城「失礼します」ガチャ


提督(山城とはあまり交流が少ないし、俺が話しかけてもムスッとしていることが多いからな)


山城「私、呼び出されるようなことしてないと思うんですけど」ムスッ


提督「まあまあ、そんな顔するな。ちょっとした調査も兼ねた面談だ」


山城「出撃のない時間は姉様と過ごそうと思ってたのに…」


提督「それは悪いことをしたな。扶桑も呼んで一緒に話をしようか?」


山城「…別に2人きりが嫌だとは言ってませんよ」


提督「そう?じゃあ早速本題なんだが、山城はケッコンカッコカリについてはもう知ってるよな?」


山城「っ…!は、はい」


提督「もし俺が申し込んだら、山城は受け入れてくれるか?今すぐというわけではないが」


山城「そ、そうですね…」


山城(こ、これがプロポーズカッコカリというものかしら?)ドキドキ


山城「提督がどうしてもというのであればやぶさかではないといいますか…その…」モジモジ


提督「そうか。それはよかった」


山城「…あの、提督」


提督「ん?」


山城「その…私とケッコンカッコカリをするということは、私は提督に好いてもらっているということでしょうか?」カァァ


提督「はは、それはもちろんだ。それに戦力強化もできるしな」


山城「…もしかして、戦力強化のためにケッコンカッコカリを?」


提督「そうだけど?」


山城「は?」


提督「えっ」


山城「……」


提督「……」


山城「何でもありません。話が終わったようなら姉様のところに行きたいんですけど」ムスッ


提督「あ、ああ。時間を取らせてすまなかったな」


提督(なんで急に不機嫌になってるんだ…)


山城「それでは失礼します」スッ


ガチャ バタン


山城「……」


時雨「あれ?山城、執務室の前で何してるんだい?」


山城「時雨…」ズーン


時雨「ど、どうしたの?」


山城「またやってしまったわ…うふふ…嫌われてないだけマシだけど、いつまで嫌われずに済むかしらね…」ドヨーン


時雨「は、話聞くから間宮さんのところにでも行こうか」






提督「さて、次の艦娘はもうすぐ来る頃だな」


コンコンコン


提督「どうぞ」


加賀「失礼します」ガチャ


提督「待ってたよ」


提督(加賀はクールで感情が見えにくい。俺を嫌ってるかわかりにくいんだよな)


加賀「今日は何の用かしら?」


提督「ああ、ちょっと確認したいことがあってな」


加賀「?」


提督「知ってると思うけど、ケッコンカッコカリというものがある。それを受け入れる気はあるか?」


加賀「…それは提督が私とケッコンカッコカリをしたいと言うこと?」


提督「そういうことになるな」


加賀「まあ戦力強化に有効だから、私としては拒否する理由は全くないわね」


提督「本当か?」


加賀「はい」


提督「よかった」ホッ


加賀「…もしかして、提督は私がケッコンカッコカリを拒否すると思っていたの?」


提督「…少しだけ」


加賀「私が提督を嫌っていると?」


提督「加賀とは会話があまりないから嫌われていない自信がなかったんだよ」


加賀「そう…」


加賀(確かに提督とはあまり会話をしていなかったわ)


提督「何はともあれ、嫌われていないことがわかって安心した」


加賀「…誤解されないように、今度からは私も積極的に交流するわ」


提督「無理することはない。でも、そうしてくれると俺は嬉しいよ」ニコ


加賀「え、ええ」ドキッ


加賀(提督は本当に魔性というか何というか…経験豊富な男性はみんなこうなのかしら?)


提督(ちょっと笑っちゃったけどキモくなかったかな俺)






提督「さて、次は…」


コンコンコン


龍田「失礼します」ガチャ


提督「いらっしゃい」


龍田「あら、秘書艦さんはいないのかしら?」


提督「村雨や夕立たちと倉庫の整理をしてもらってるよ」


龍田「ということは、提督と私で2人きりですねぇ」ズイッ


提督「そ、そうだな」


提督(近い。あ、いい匂いが…ってダメだダメだ)


龍田「それで、2人きりじゃないとできない話って何かしら?」


提督「実はケッコンカッコカリについて聞こうと思ってな」


龍田「あら、そうだったのねぇ」


提督「恥ずかしながら、龍田に好かれている自信がなくてな。ケッコンなんて名前の付いてるこれを受け入れてくれるかが…」


龍田「そういうことだったのね、ふふふ…」


提督「ど、どうした?」


龍田「そんな魅力的な提案、拒否するなんてあり得ないでしょう?今だって提督の2人でいてドキドキしてるんだから」


提督「そうだったのか。そうは見えなかったな」


龍田「そういうところを見ると男の人って引いちゃうでしょう?だから普段は隠してるの」


提督「そういうものなのか」


提督(なんか、龍田の雰囲気が怪しくなってきたんだが)


龍田「…ところで、この話をするってことは、提督は私とケッコンカッコカリをするつもりってことよね?」


提督「ああ、うん、まあ」


龍田「つまり提督は私を好いてくれているということでいいわよね?」ズイッ


提督「お、おい」


龍田「ふふふ、女性と2人きりになってこんな話。誘ってるとしか思えませんねぇ」ズイズイッ


提督「なんか怖いんだけど」


龍田「魔性ですねぇ。いけない子ですねぇ。うふふふふ」ガシッ


提督「あ、ちょ、だ、誰かぁぁ!」






提督「たまたま天龍が近くを通りかかってくれたおかげで、なんとか俺の貞操は守られた。とりあえず龍田は天龍に説教してもらうとして、最後の艦娘を呼ぼう」


コンコンコン


提督「どうぞ」


満潮「来たわよ、司令官」ガチャ


提督「突然呼び出して悪かったな。まあ座れ」


提督(満潮はあまり好意的な態度じゃないからな…曙くらいわかりやすいなら助かったんだが)


満潮「さっき天龍さんに引きずられてる龍田がいたけど何か関係あるの?」


提督「…少し」


満潮「ふーん」


提督「実はケッコンカッコカリのことについて確認したいことがあるんだ」


満潮「…!」


提督「満潮は…」


満潮「待って」


提督「?」


満潮「私から言わせてくれる?」


提督「うん?いいぞ」


満潮「…私ね、最初は司令官のこと邪険にしてた。男の人って優しい女が好きでしょ?私みたいなひねくれた女なんて見向きもされないんだって思ったらなんだか惨めに思えて」


提督「…満潮が誰よりも仲間思いの優しい子だってことはすぐにわかったよ」


満潮「う、うん。でも私の偏見は間違ってて、司令官は私みたいな性格の艦娘にも優しくしてくれたわ。それで私は司令官のことす…き、嫌いじゃなくなったの」


提督「はは、ありがとう」


満潮「…だから司令官、私にケッコンカッコカリの指輪をください」カァァ


提督「…もちろんだとも」


満潮「…ありがとう」


提督「それじゃあまずは練度をあげないとな」


満潮「そうね。話は終わったみたいだし、部屋に戻るわ」ソワソワ


満潮(とりあえず早く頭を冷ませたい…)


提督「ああ、わかった。時間を取らせて悪かったな」


満潮「…話聞いてくれてありがとう、司令官」






提督「という感じだった」


五月雨「…まあそうなりますよね」


提督「大淀の予想通りだったな」


五月雨「というか、大丈夫なんですか?全員とケッコンして体持ちます?」


五月雨(よ、夜のこととか心配です。女所帯で抑圧されたみんなの欲が爆発しないといいんですけど…)


提督「なんとかなるだろ」


五月雨「そ、そうですか…」


五月雨(処女が何人束になっても問題ないということですか!流石提督…)


提督(戦力強化できたらむしろ今より楽になるだろうしな)





セクハラ艦娘を逆セクハラでこらしめる話



五月雨「最近提督にアプローチする艦娘が目に見えて増えてきましたね」


提督「先日の面談のせいで俺がケッコンカッコカリに乗り気だと知れ渡ったみたいだな」


五月雨「由々しき事態ですよ、これは」


提督「気にしなくてもよくないか?」


五月雨「ダメですよ!度が過ぎて完全にセクハラをしている艦娘も出てきています!早く対処しないと提督の身も危なくなるんです!」


提督「は、はい…」


五月雨(初期艦として、提督の貞操は私が守ります…!)フンス


提督(いつになく張り切ってるな)


提督「具体的に何をすればいいんだ?」


五月雨「…えーっと…」


提督「思い付いてないみたいだな」


五月雨「ご、ごめんなさい」シュン


提督「…しょうがない、それなりに対処してみるよ」






提督「まずは…お、いいタイミング」


鈴谷「あ、提督じゃん。ちーっす」


熊野「ごきげんよう、提督」


提督(熊野は淑女らしく振る舞っているが、鈴谷は最近言葉でのセクハラが多いんだよな)


鈴谷「提督、今日も格好いいね」


提督「お、おう。ありがとう」


鈴谷「それにまた上の方のボタン開けちゃって。誘ってるの?」ニヤニヤ


熊野「鈴谷、はしたないですわよ」


鈴谷「提督、暇してるならさ、今から鈴谷とイイコトしない?」


熊野「ち、ちょっと…!」


提督(まーたこういうこと言う。経験ないこと知ってるんだからなこっちは)


鈴谷「いっぱい気持ちよくしてあげるから。どう?ねえ提督?」


熊野「鈴谷、いい加減にしなさいな」


鈴谷「提督はこれくらい平気だよ。それに、ちゃんと熊野にもいい思いさせてあげるから」ニヤニヤ


熊野「なっ…!?う、うう…」カァァ


提督(調子に乗ってるな。よし…)


提督「…へえ。で、具体的にどんなことをしてくれるんだ?」


鈴谷「…へ?」


提督「イイコトしてくれるんだろ?」


鈴谷「え、えっと…ほら、手でとか?」チラッ


熊野「こっちを見ないでください」


提督「それじゃ例えば…」


鈴谷「ひゃっ」


鈴谷(顔近っ!あと耳に提督の息が…)


提督「…………みたいなことをしてくれるのか?」ボソボソ


鈴谷「~~~~~~~っ!?」カァァ


提督「ほら、どうなんだ?」


鈴谷「う…」


提督「う?」


鈴谷「うわあああん!」ダッ


熊野「あ、ちょっ、鈴谷、どこに行くんですの!?」


鈴谷「提督のハレンチ!そんなすごいことできるわけないでしょー!わああああん!」ダダダダ


熊野「…行っちゃいましたわ」


提督「うむ、そうだな。これに懲りてセクハラ発言も減るといいんだがな」


熊野「それが目的でしたのね」


提督「巻き込んで悪かったな」


熊野「気にしてませんわ。ところで、さっきは鈴谷に何と言ったんですの?」


提督「え、聞く?」


熊野「気になるので」


提督「えー…じゃあ耳貸して」


ゴニョゴニョ


提督「と、こんな感じのことを…」


熊野「……」


提督「熊野?え、頭から湯気出てるんだけど!?どっかで見たぞこれ!熊野しっかりしろ!おーい!」






提督「さて、次はボディタッチのやたら多いあの艦娘だな」


金剛「Hey 提督!バーニングゥ…ラーヴ!」ガバッ


提督(これまたいいタイミング)ヒョイ


金剛「Oh shit!避けられたデース」


比叡「金剛お姉様、びっくりするから急に走らないでくださいよ」


榛名「提督の身のこなし…素晴らしいですね!」


霧島「ごきげんよう、司令」


提督「おう。さて金剛、確かに俺はハグくらいならいいとは言ったが、時間と場所を弁えるべきだと思わないか?」


金剛「弁えてマスヨ?」


提督「どこがだよ。俺は執務中でここは施設内の廊下だろ」


金剛「じゃあいつどこでならいいんデスカ?」


提督「少なくともここではダメだ。周りの目もあるしな」


提督(風紀的に)


金剛(つ、つまり2人きりの時にってことデスカ…!)


霧島「金剛お姉様、司令から注意を受けるのは何度目ですか?」


金剛「むー」


比叡「いい加減にしないと憲兵案件ですよ」


榛名「そうです。お姉様ばかりズルいです」


比叡「榛名!?」


金剛「But!提督とのphysical contactがないと私色々爆発しちゃうヨ!陸奥になるヨ!」


提督「堂々とセクハラ発言をするんじゃない。まったく…」


霧島「あと爆発することを陸奥さんになるって言うのやめてください」


提督「仕方ない…」ズイッ


金剛「っ!?」ビクッ


金剛(て、提督の顔がnearに…!)


提督「もしそういう関係になったら触らせてやるから、俺好みのおしとやかな振る舞いをしてくれ」ツン


金剛「~~~~~~っ!」ゾクゾクッ


提督(…俺にはお腹を突っつく程度のボディタッチが限界だな)


金剛(そ、そういう関係!つまりケッコンカッコマジ!やっぱり2人きりならOKということデスネ!しかもstomachを突っつかれマシタ!こ、こんな魔性…ハ、ハマっちゃいマス…!)プシュゥゥ


提督「それじゃあ俺は執務に戻るから。4人とも演習の準備しておくんだぞ」スタスタ


霧島「し、司令…な、なんてハレンチな…!」


榛名「金剛お姉様、羨ましいです…!」


比叡「ひ、ひえぇ…お姉様、大丈夫ですか?」


金剛「…比叡、榛名、霧島。大事なお願いがありマス」


比叡「な、なんでしょうか?」ゴクリ


金剛「演習までの3時間…いえ2時間でいいデス。部屋で1人にして欲しいデス」モジモジ


比叡「あっ…」


榛名「あっ…」


霧島「あっ…」






提督「さて、最後はあいつらだな。俺の裸を偶然見たことに味をしめたのか、ノックせずに入ってくることが増えたんだよな。特に風呂に入る時間帯」


五月雨「…ホントに行くんですか?」


提督「まだ迷ってるのか」


五月雨「だって、お風呂に直接突撃なんて…」


提督「同じ目に遭えば少しは懲りるだろう」


提督(下心がないとは言わんが)


五月雨(大丈夫かな…)


五月雨「着きましたよ。それじゃあ私は外で待ってるので何かあったら呼んでください」


提督「ああ」


提督(よし、突入だ)


提督「邪魔するぞー」ガラガラガラ


瑞鶴「ぎゃっ!」


時雨「わっ!」


提督「いいリアクションだな」


瑞鶴「て、提督さん、ここ艦娘用の大浴場だよ!?何考えてるの!?」


提督(この世界でもそれなりに恥じらいはあるんだな)


時雨「な、何か僕たちに用かい?」アセアセ


提督「いや、いつも風呂のタイミングを狙って俺の私室に突撃してくる艦娘に仕返しのイタズラをしようかなと」


瑞鶴・時雨(バ、バレてる…!)


白露「……」


翔鶴「……」


提督「あ、君たちはただの巻き添えだ。すまんな」


翔鶴「えー…」


白露「なにそれ!?」


時雨「て、提督、目的を達成したなら、そろそろ出ていってくれないかな?」


瑞鶴「そうだよ、提督さん」


提督「俺の風呂や部屋を覗きに来ないと約束するなら」


瑞鶴「するから!」


提督「本当に?」


時雨「本当だよ!」


提督「そこの2人も?」


白露「私たちは覗いたことないんだけど!?」


翔鶴「今までもないですし、これからもないですよ」


提督「…そこにいる潜水艦もか?」


ゴーヤ「…バレてたでちか」


瑞鶴「いたんだ…気付かなかった…」


白露「私たちが来る前からいたよ」


提督「で、ゴーヤも約束するか?」


ゴーヤ「……」コクッ


提督「…よし、今日の所はこれで許してやろう」


瑞鶴「じゃあ早く出ていってくれる?」


提督「はいはい。じゃあな」


提督(みんな湯船に入ってたからなんとか平静を保てたな…)


ガラガラ バタン


瑞鶴「…まったく、提督さんは変にアクティブなんだから」


翔鶴「それより瑞鶴、部屋に戻ったら話があるからね」


瑞鶴「うへぇ」


白露「時雨もだよ」ジトー


時雨「う…」


白露「時雨にだけそんなラッキーイベントなんてズルい!次覗きに行くときは私も連れてって貰うからね!」


時雨「あ、話ってそっちなんだ。というか、もうしないよ。たった今注意されたんだから」


瑞鶴「もしかして翔鶴姉もそういう…」


翔鶴「違うわ。しっかりお説教よ」


瑞鶴「…はい」


ゴーヤ「やれやれ、でち」


ゴーヤ(提督、裸の女5人を前にして普段通りのままだったでちね。流石経験豊富なだけあるでち)






あれから、あからさまなセクハラをしてくる艦娘は少なくなった。しかし…


提督「あ、鈴谷…」


鈴谷「あ…」カァァ


提督「ちょうどよかった。午後の演習のことなんだが…」


鈴谷「く、熊野に聞いて!」スタコラ


提督「お、おい!…なんなんだ」チラッ


金剛「っ!な、何か用デスカ?」カァァ


提督「……」チラッ


時雨「……」メソラシ


瑞鶴「……」メソラシ


提督「…はぁ」


提督(気まずい感じになってる…やりすぎたか)


この状況は数週間続いた。





他鎮守府と演習です!



女提督「あー緊張する…」


女提督鎮守府の吹雪(以下女吹雪)「初めての合同演習ですからね、仕方ないですよ」


女叢雲「まったく、だらしないわね」


女提督「…そういう叢雲ちゃんもすごくソワソワしてるように見えるけど?」


女叢雲「な、なんで私が…!」


女提督(頭の艤装がピョコピョコ動いてるの気付いてないんだろうなぁ)


女吹雪「まあ仕方ないですよ。叢雲ちゃんは男性の司令官に会うのは初めてなんですから」


女叢雲「吹雪だって初めてでしょ!」


女吹雪「私は大本営に居たときに会ったことがあるんですよ」フフン


女叢雲「チラッと見ただけじゃない」


女提督「まあまあ、目的地にも見えてきたし、喧嘩はその辺でやめなよ」






提督「初めまして」


女提督「初めまして。この度は合同演習を受けてくださりありがとうございます」


提督「いえいえ、こちらこそ」


女提督「まだできたての弱小鎮守府が、そちらのような大きな鎮守府と演習できるとは思ってもみなかったですよ」


提督「はは、大きいと言っても私自身は前任から引き継いだ新人ですから」


女吹雪「司令官、普通に男の人と喋ってる…」


女叢雲「…ちょっと見直したわ」


女提督(久しぶりの男!しかも結構いい男だし、これを機に仲良くなりたい…!)


コンコンコン


五月雨「失礼します」ガチャ


提督「どうした?」


五月雨「演習相手の残りの艦娘の皆さんが到着しました。神通さん、陽炎さん、不知火さん、黒潮さんです」


女提督「海路でこっちに向かっていた私の艦娘ですね」


提督「五月雨、食堂に案内してくれ。我々も食堂に行きましょう」


女提督「はい」


五月雨「了解しました」ビシッ


テクテク


女叢雲「…ねぇ」コソコソ


女提督「なに?」コソコソ


女叢雲「なんでそんなに普通に喋れるの?」コソコソ


女吹雪「私緊張して一言も喋れませんでした」コソコソ


女提督「ああ、そのことね。学校では普通に男子がいたし、会話くらいなら普通にできるよ」コソコソ


女吹雪「…今初めて艦娘に生まれて後悔しました」コソコソ


女提督「もっと他に後悔するタイミングあったでしょうに。大破したときとか」コソコソ


提督(賑やかな人たちだなぁ…)






提督「では、演習に出る艦娘を発表する。旗艦那珂、随伴艦に朝潮、大潮、満潮、荒潮、霞。編成からわかるように、水雷戦隊同士の演習だ」


朝潮「了解しました!この朝潮、精一杯戦って参ります!」ビシッ


那珂「朝潮ちゃん、気合い入りすぎだよ。ほら肩の力抜いて、スマイルスマイル」ニコッ


満潮「でも、正直こっちとあっちじゃ練度の差がありすぎて演習にならないんじゃない?」


霞「もちろんちゃんと考えて編成したのよね?」


提督「いや全然」


霞「はぁ!?」


提督「今回の演習の目的は向こうの艦娘に経験を積ませることと俺のコネ作りだ」


大潮「じゃあ作戦は…」


提督「ない。こちらは深海棲艦の精鋭水雷戦隊という設定だ。各自の判断で攻撃して構わない」


大潮「どーん!と撃っていいんですね」


提督「そういうことだ」


満潮「…呆れた」


荒潮「あらあら」


霞「モチベーション下がるわね」


朝潮「ダメですよ。しっかり集中して演習をこなしましょう」


那珂「向こうの子たちにも失礼だしね。どんな仕事でも全力で取り組むのがアイドルの鉄則だよ!」


霞「アイドルじゃないんだけど!」


提督「まあ霞たちの言うとおりだ。そこで、少しでも集中できるようにMVPには特典を用意することにした」


満潮「へぇ、何かしらね」


大潮「アゲアゲなものがいいですね!」


提督「実はまだ決めてないんだ。何か案はあるか?」


朝潮「案ですか…うーん」


荒潮「それじゃあ、司令官のキスが欲しいわぁ」


提督「えっ」


那珂「あ、荒潮ちゃん、いくらなんでもそれは…」


朝潮「司令官に失礼ですよ!」


提督(どうしようか。俺にはハードルが高すぎる…いや、俺は艦娘の入浴中に突撃した男だ。キスくらい…)ウーン


提督「それでやる気を出してくれるなら検討しよう」


荒潮「あらあら、冗談半分だったのに」


満潮「そ、そんなので私たちがやる気を出すと思ってるの?」ソワソワ


霞「う、自惚れるのも大概にしなさいよ」ソワソワ


大潮(あの満潮と霞がすごく落ち着きがなくなってる…人のこと言えないけど)ソワソワ


提督「じゃあ満潮と霞には別のご褒美を考えておこう。間宮さんのアイスなんてどうだ?」


満潮・霞「別に嫌とは言ってないわよ!」


提督「お、おう…」


那珂「あ、そろそろ時間だね」


朝潮「出撃の準備をしましょう」


提督「よし、それじゃあ全員開始位置に向かってくれ」


那珂「了解」






女提督「……」


提督「……」


女提督(き、きまずい…)


女提督「…そちらの艦娘はいい動きをしますね。よく訓練されているのがわかります」


提督「ありがとうございます」


女提督「いったいどんな指導を?」


提督「俺は何も。彼女たち自身が努力した結果ですよ。まあ、私にいい所を見せたかったというのもあるそうですがね、ははは」


女提督(女に囲まれて生活してた所にこんないい男が着任すれば、そりゃみんな張り切るよ!)


女提督「なるほど。今回の演習でも張り切っているのは貴方が見ているからですかね?」


提督「…そうかもしれません」


提督(キスで釣ってるとは言えんよな)


女提督「貴方はその、か、格好いいから、艦娘たちが張り切るのもわかる気がします」


提督「いえいえそんな…」


女提督「ご謙遜を…あ、そろそろ演習も終わりそうですね」


提督「それでは出迎えに行きましょうか」


女提督「ええ」


女提督(ふふふ…これでグッと距離が縮まったわね)


提督(あんまり喋れなかったな)






女神通「すいません提督、負けてしまいました」


女陽炎「こっちは全員大破。向こうは那珂さんと朝潮が大破で大潮が中破だったわ」


女吹雪「完敗ですね。悔しいです」


女提督「そうね。課題が多く残る演習だったと思う」


女神通「帰ったら早速訓練ですね」


女陽炎「うへー」


女黒潮「これからしんどくなりそうやな…」


女提督「あはは、ほどほどにね」


女不知火「ところで、司令官は演習の間、あちらの司令官と何を話していたのですか?」


女叢雲「そういえば、出迎えしてくれた時に一緒にいたわね」


女提督「んー…色々だよ」ニヤニヤ


女陽炎「司令官、ニヤニヤして気持ち悪い」


女神通「不知火さんがそのようなことを気にするなんて珍しいですね」


女黒潮「確かに。向こうの司令官のこと、気に入ったん?」


女不知火「ち、違います。ただ、不知火でもそういうことには興味があるので」


女吹雪「へぇ…」ニヤニヤ


女叢雲「以外ね」ニヤニヤ


女不知火「なんですか、その目は。不知火に落ち度でも?」


女吹雪・叢雲「ないない」


女神通「…あら?こちらに向かってきているのは向こうの提督では?」


女提督「ホントだ。も、もしかして食事のお誘いとか…」


女叢雲「もしそうだったら私たちもついていくから」


女提督「えぇ…」


提督「演習お疲れさまでした」タッタッタ


女提督「はい、お疲れさまでした。どうかされましたか?」


提督「いえ、反省会をしている雰囲気でしたのでお声がけを。今夜ご一緒にどうですか?」


女提督「こ、今夜ですか!?」


女提督(ホントにお誘い来ちゃった!)


提督「もしかして、今日中にお帰りになる予定でしたか?」


女提督「い、いえそんな!是非お願いします!」ズイッ


提督「は、はい。それでは夜の8時頃に迎えを寄越しますので、それまでに補給と夕食をどうぞ。それでは」


女提督「ありがとうございます!」






女提督「……」


女神通「あの、提督?」


女陽炎「大丈夫?」


女提督「…大丈夫、うん。親睦会かと思ったら普通に演習の反省会だったとか、全然気にしてないから」


女陽炎「…気にしてるのね」


女提督「だってあの言い方はそういうのだと思うでしょ!」


女叢雲「はいはい」


女提督「…あ、忘れ物した」


女吹雪「さっきの部屋ですか?」


女提督「うん。眼鏡を置きっぱなしにしちゃった」


女叢雲「もう、何してるのよ」


女黒潮「誰かついてってあげたら?ウチは疲れたから嫌やけど」


女叢雲「私もパス」


女吹雪「早くお風呂入って寝たいです」


女提督「あんたたちねぇ…」


女不知火「では不知火が同行しましょう」


女提督「ありがとね。それじゃ行こう」


テクテク


女提督「この部屋だったよね?」


女不知火「はい」


女提督「さっさと回収してお風呂に行きましょう」


女不知火「そうですね…ん?中から声がします」


女提督「向こうの提督さんかな。ちょっと覗いてみようか」


女不知火「司令、悪趣味ですよ」


女提督「まあまあ」


ガチャ


提督「確かに検討するとは言ったが…」


霞「何よ、私相手じゃ嫌ってこと?」


提督「そういうわけではないが、霞はいいのか?」


霞「い、いいのよ。今は誰も見てないし…」


女提督「…なんか怪しい雰囲気だね」コソコソ


女不知火「そうですね」コソコソ


霞「まさか今さら嘘だったって言うわけ?」


提督「いや…」


霞「じゃあ早くキスしてよ」カァァ


女提督「!?」


女不知火「っ!!?」


提督「…わかった。ただし、口はなしだぞ」


霞「う、うん…」


提督「ほら、目瞑って」


霞「……」ギュ


提督「……」チュ


女提督(うわぁ、ホントにチューしてるよ。ほっぺただけど。なんかショックだなぁ)


女不知火「……」


女提督「…不知火?」


女不知火「ふ、不潔です!」ガタッ


女提督「あ、ちょ」


提督「ん?」


霞「へ?」


女不知火「あ、貴方たちは何をやっているのですか!?」カァァ


女提督「不知火、ちょっと落ち着いて」アセアセ


提督「どうしてここに?」


女提督「ちょっと忘れ物を…」


女不知火「そんなことはどうでもいいでしょう!それより先程の行為はどういうことですか!?」


霞「え、えっと…」


女不知火「不知火には霞が少佐(提督)にキスを強要したように見えましたが!?」


霞「そ、それは…」


霞(違うって言い切れない…)


提督「待ってくれ。俺はキスの強要なんてされてない」


女提督(普段は俺って言うんだ…ってそうじゃない。不知火を落ち着かせないと)


女提督「不知火、一旦落ち着きなさい」ガシッ


女不知火「…そ、そうですね。失礼しました」


女提督「…さて、私も詳しく聞きたいですね。場合によっては通報案件ですし」


提督「どこから説明したものか…」


霞「…演習で活躍したらご褒美っていう約束をしてたのよ」


提督「で、それが何故かキスということになっただけなんです」


女不知火「そのご褒美とやらの提案は艦娘と少佐のどちらが?」


提督「俺だ」


女不知火「キスも貴方が提案を?」


霞「それは…」


提督「それも俺だ」


霞(え?司令官、何を)


提督(荒潮の提案だって知られたらまたややこしいことになるからな)


女不知火「だ、男性の貴方からですか…」


女提督(…私も頼んだらキスくらいしてくれるんじゃないかなこれ)


提督「別に悪いことではないはずだ」


女提督「確かに」


女不知火「司令官!?」


女提督「不知火、これ以上私たちから言うことはないでしょ。納得できないかもしれないけど」


提督「理解してくれて助かります」


女不知火「…わかりました」


女提督「よし。それじゃあ私たちは休ませてもらいますね。ああ、それと…」


提督「なんでしょう?」


女提督「あまり言うのもアレですけど、気軽にキスをしていると軽い男に見られてしまいます。気を付けた方がいいですよ」


提督「…ご忠告ありがとうございます。ですがご心配なく。誰にでもするわけではないですので」


霞「えっ」ドキッ


女提督「そうですか。それでは失礼します」


ガチャ バタン


女不知火「…あの、司令官」


女提督「不知火、気持ちはわかる」


女不知火「え?」


女提督「羨ましい…私もあの人の艦娘になりたかった…」


女不知火「…何を言ってるんですか」


女提督「それにしても、あんなに取り乱した不知火を見られるなんてね」


女不知火「からかわないでください」


一方…


霞「司令官、ごめんなさい」


提督「何が?」


霞「私がキスしてくれなんて言うから…」


提督「艦娘を守るのが俺の仕事だからな」


霞「でもそのせいで司令官が女好きみたいに言われたわ。私、司令官に変なレッテルを…」


提督「気にするなって。それに俺は鎮守府の全員とケッコンカッコカリをしようとしてる男だぞ。女好きもあながち間違いじゃないよ」


霞「…もう、それ自分で言う?」クスッ


提督「ははは」






朝潮「さて、呼び出された理由はわかりますね?」


霞「…さっぱりよ」


荒潮「あら、わかってるくせに」


大潮「ズバリ、司令官からのご褒美の件です!」


霞「…やっぱりそれなのね」


満潮「わかってたんじゃない」


朝潮「さあ、どうだったのか話してもらいますよ」


霞「どうだったって言われても、その時色々あってあんまり覚えてないわ」


霞(ホントはばっちり覚えてるけど)


朝潮「…その顔、嘘をついてますね」


霞「な、なんでよ?」


荒潮「あんまりお姉ちゃんたちを舐めない方がいいわよ?」


霞「うっ…」


大潮「まあ独り占めしたい気持ちはわかりますけどね」


満潮「キスなんて霞にしかしてないだろうし…多分、おそらく、きっと」


霞「私だけって言い切れないのね」


大潮「あの司令官ですし」


朝潮「あの司令官ですからね」


満潮「で、結局どうだったのよ?」


霞「…こ、ここにして貰ったわ」ツン


大潮「ほっぺたですか」


霞「流石に口にはしなかったわ」


朝潮「か、感触は?」ドキドキ


霞「感触は、柔らかくも硬くもなくて、ちょっと乾いてて、あ、暖かかったわ」カァァ


荒潮「…羨ましい」ボソッ


満潮「つ、次こそは私が…!」


大潮「でも、あんまり広まってライバルが増えるのは嫌ですね」


霞「じゃあ私たちが演習するときにだけまた司令官に頼めばいいんじゃない?朝雲、山雲、霰、あと峰雲も入れて」


那珂「あれ?朝潮ちゃんたち、何話してるの?」


朝潮「あ、那珂さん。今この前のご褒美の感想を霞から聞き出していたところなんです」


那珂「ああ、アレね。で、どうだったの?」


霞「…よ、よかったわ」カァァ


那珂「霞ちゃんすごく嬉しそうだね!那珂ちゃんはアイドルだし、スキャンダルはNGだからなー」


朝潮「あ、那珂さん。実は司令官のご褒美を私たち朝潮型で独占しようという話もしてたんです」


大潮「なので、他の子にはこの事を言わないでほしいです!」


那珂「えっ…えーっと…」


満潮「…まさか」


那珂「もう川内ちゃんと神通ちゃんに話しちゃった」テヘペロ


朝潮型「「えー!?」」


この日から、演習の度に色んな艦娘からご褒美を要求されるようになったのであった。





艦娘とデート



提督「…早く着きすぎたか」


ここは鎮守府から1番近い街の駅前。俺は待ち合わせをしていた。


提督(霞にキスしたことが広まって、演習の度にご褒美要求をされるとは思わなかった…)


提督「さて、どうやって時間を潰そうかな」


由良「その必要はないですよ」スッ


提督「なんだ、由良ももう着いてたのか」


由良「はい。ちょっと早めに来ちゃいました」


由良(実は1時間前から待ってたって提督さんが知ったら引かれちゃうよね)


提督(相当前から待ってたのか?悪いことしたな)←外出記録把握済み


提督「で、今日はどこに行くんだ?」


由良「はい、あっちにある映画館に行きましょう」


提督「映画か。あんまり映画には詳しくないけど、俺でよかったのか?」


由良「て、提督さんと来たかったんです」カァァ


提督「そうか、よかった。じゃあ行こう」


由良「はい!」


テクテク


由良「……」


提督「……」


由良(…か、会話がない)


由良「き、今日はとてもいい天気ですね」


提督「そうだな。ちょっと暑いくらいだ。もう少し薄着にしてくればよかった」パタパタ


由良「う、薄着…そ、それ以上は私が持たないかもです」カァァ


提督「そうか?そろそろ耐性が付くと思ったんだが」


由良(だって、提督はもうすでにポロシャツのボタン2つも外してるから。鎖骨まで見えちゃってるから)


提督「由良がそう言うなら薄着は少し控えるか。誰かさんたちみたいに頭から湯気出して気を失われると困るし」


由良「あ、うぅ…」


由良(それはそれでちょっと残念…)シュン


提督「…お、なんか残念そうな顔だな?」ニヤニヤ


由良「っ!?してませんよ!」アセアセ


提督「冗談だ。ははは」


由良「…提督さん、ホントに小悪魔系です。もうっ」ボソッ


提督(かわいい)






提督「いやー、面白かったな。やっぱりスパイアクションものの洋画は迫力があって最高だ」


由良「そ、そうですね」


由良(な、なんであんなにエッチなシーンがいっぱいあったの!?前作ではなかったのに!)


提督「ヒロインとあの男スパイの関係はどうなるんだろうな?次回作も楽しみだし、前作も見たくなってきたな」


由良「前作はアクション一辺倒って感じで、結構グロテスクな描写もあるんで気を付けてくださいね、ね?」


提督「わかった。ありがとう」


由良「さあ提督さん、お昼ごはん食べて鎮守府に帰りましょう」


提督「そうだな、午後の執務もあるしな。どこに行こうか?」


由良「ふふ、この由良に任せて下さい。ばっちりリサーチ済みです」フンス


提督「それは楽しみだ」


由良「オシャレなカフェなんです。きっと提督さんも喜んでくれるはずですよ」


由良(雑誌のオススメでネットでの評価も良かったところだし間違いない…!)


テクテク


由良「えっと、確かこの辺りのはずなんですけど…」キョロキョロ


提督「もしかしてあの店か?」


由良「あ、はい。あのお店ですね…って、あれ?」


提督「なんか閉まってるっぽいぞ。入り口に貼り紙がしてある」


貼り紙『諸事情により、まことに勝手ながら本日はお休みとさせて頂きます。申し訳ありません』


由良「ええ!?」ガーン


提督「今日はやってないのか。残念だったな」


由良「はい…」


由良(ど、どうしよう…代わりになるいい感じのお店なんて探してないからわかんないよ…)ジワッ


提督「由良」


由良「は、はい…」


提督「道中に定食屋があったからそこで昼食にしよう。流石にここほどオシャレとは言えないだろうけど、見た感じなかなかよかったぞ」


由良「え?あ、はい」キョトン


提督「…由良、計画通りにいかなくてもそんなにしょげることないぞ。俺は由良とのデート、すごく楽しい」


由良「デ、デート!?」


提督「なんだ、違ったのか?俺はてっきりデートだと」


由良「違いません!」


提督「それはよかった」


由良(提督さんもちゃんとデートだって思ってくれてたんだ…なんだか嬉しいな)


由良「提督さん、今日はありがとう。上手くいかなかったこともあったけど、私も楽しかったです」


提督「それを聞いて安心した。デートはお互いが楽しめるものじゃないとな」


由良「は、はい!絶対またデートに来ましょうね、ね!」


提督「おう」






数日後、俺はまた街で待ち合わせをしていた。


提督「由良のこともあるし、早めに来てみた。はずなんだけどな…」


羽黒「あの、ごめんなさい」


提督「いや、謝らなくていい。待たせて悪かったな」


羽黒「い、いえ」


提督「今日は買い物に行くんだったな。何を買うんだ?」


羽黒「今日は夏物の服と水着を買おうかと」


提督「…俺は流行のファッションにはすこぶる疎いんだが」


羽黒「そうなんですか?でも、今日の格好すごく素敵です」


提督「そうか?ありがとう」


提督(鎮守府勤務になる前にちゃんとした私服買っておいてよかった)


羽黒「司令官さんも、み、水着とか買いますか?せっかくですし」


提督「そうだな、水着持ってないし、見てみようかな」


羽黒「なら、早速行きましょうか。一四○○までには鎮守府に戻らないといけませんし」


提督「だな」


俺たちは楽しくおしゃべりをしながらデパートへ向かった。


羽黒「司令官さんはどんな水着がいいですか?」


提督「海で遊ぶならサーフパンツだけど、トレーニングにも使うなら競泳タイプだな。どうしようか」


羽黒「なるほど」


羽黒(司令官さんは服とか水着の趣味はすごく清楚なんですよね、普段の言動とは違って)


提督「羽黒も自分の水着選ぶんだろ?あんまり悩んでも仕方ないし時間もかかるからテキトーに…」


羽黒「それなら、お互いの水着を選ぶというのはどうでしょうか?」


提督「…この俺のファッションセンスをわかって言ってるのか?」


羽黒「司令官さんが選んでくれた水着なら、私はどんなものでも着ますよ」


提督(それ、余計にハードル上がるって…)


提督「…仕方ないな。でも、あまりにも趣味じゃないものだったらちゃんと言うんだぞ。俺もその時はちゃんと言うから」


羽黒「は、はい!」






提督「いやーどうにか昼ごはんの前に買い物を済ませられたな」


羽黒「……」


提督「まさか羽黒があんな水着を持ってくるとは思わなかったけど」


羽黒「わ、忘れてください…!」カァァ


提督「意外とムッツリだったりするのか?」


羽黒「はぅ…」カオマッカ


提督(からかいがいのある子だなぁ)


羽黒「そ、それよりもお昼御飯を食べましょう」


提督「そうだな」


ギャル1「ねえねえおにーさん」ニヤニヤ


提督「ん?」


ギャル2「ちょっと私たちと遊ばない?」ニヤニヤ


提督(…うわぁ)


提督「…連れがいるのが見えないんですか?」


羽黒「そ、そうですよ」


ギャル1「そんな処女臭いのと遊ぶより、ウチらと遊んだ方が絶対楽しいって」


ギャル2「そうそう。ウチら結構慣れてるからおにーさんのこと楽しませてあげられるよ」


提督(引く気ないなこいつら。どうしたものか)ウーン


羽黒「だ、誰が処女ですか…!?バカにしないでください!」


提督「え、違うの?」


羽黒「えっ」


提督「……」ジー


羽黒「……」


提督「経験あるの?」


羽黒「…ないです」カァァ


提督「よかった。安心した」


ギャル2「…あのさ、無視しないでくれる?」


ギャル1「ほら、行こうよおにーさん」グイッ


提督「ちょ…」


羽黒「やめてください…!」ガシッ


ギャル1「あ?放せよ」


羽黒「貴女がその手を放すなら私も放しますよ」キッ


ギャル1「っ…!」


ギャル1(こいつ意外と力強い…)


ギャル2「お前調子乗ってんじゃねーぞ!」ギロッ


羽黒「騒ぐと貴女たちの為になりませんよ。周りの人がどんな目で貴女たちを見てるか気付いてますか?」


ギャル2「ぐ…」


ナニ?ケンカ? ヤーネ ケイビインマダ?


羽黒「…放してください」


ギャル1「チッ!やってらんねー!」バッ


ギャル2「マジ最悪」


スタスタ


提督「…なんとか穏便に済ませられたな。ありがとう羽黒」


羽黒「こ、怖かったですぅ…」ヘナヘナ


提督「ははは、かっこよかったぞ」ポンポン


羽黒「かっこいいだなんて、そんな…」カァァ


羽黒(でも、司令官さんを守れてよかった)ホッ






提督「……」


大淀「…私たちの言いたいこと、わかりますか?」


五月雨「……」ジトー


提督「はい…」


大淀「別に遊びに行くなとは言いません」


五月雨「それに、提督が私たちを大事にしてくれてるのも知っています」


大淀「ですが、そのせいで執務が滞ってるんです」


提督「で、でも昼過ぎには帰ってきて…」


五月雨「午前中にも執務はあります」


大淀「書類の中には提督のチェックとサインが必要なものも多くあるんです」


五月雨「あまり留守にするのも困るんです」


大淀・五月雨「わかってますか?」プンスカ


提督「はい、ご迷惑おかけして申し訳ありません」


しばらくの間、演習のご褒美にデートを要求することは自粛されたのであった。






任務のついでに海水浴をする話



提督「えー、今回集まってもらったのは他でもない。我が鎮守府に重要な任務が課された」


長門「全艦娘を召集するほどの任務か」


加賀「必ず完遂しなければいけませんね」


由良「それで、どういう任務なんですか?」


提督「五月雨、任務内容の説明を」


五月雨「はい。明後日から3日間、○○市で各国の大臣が集まって深海棲艦対策の会議が開かれます。○○市は海に面している街ですので、その海上警備を私たちが担当することになりました」


長門「随分と急な話だな」


提督「本当は他の鎮守府が担当するはずだったんだが、西部海域に姫級の陸上型深海棲艦が出現したせいで俺たちが代役を務めることになったんだ」


長門「なるほど」


提督「ちなみに、この任務が無事終われば俺は3日間休暇を貰える」


五月雨「海水浴するんですよね。せっかくの休暇なのに休まずに遊びに行くなんて」ジトー


提督「まあまあ、いいじゃないか」


艦娘「「っ!」」


艦娘(提督の水着姿…!)


飛龍「それで、その任務には誰を編成するの?まさか所属艦全員なんてことないでしょ?」


五月雨「はい。艦娘12人による2部隊で任務を行います。深海棲艦の襲撃もあり得るので、ある程度練度の高い艦娘を選びます」


榛名「ということは、提督と一緒に海で遊べるのはその12人だけということに…!」


五月雨「えっと、そうなりますね」


ザワザワ


提督「はいはい静かに。12人は各艦種からバランスよく選抜する。恨みっこなしだぞ」


五月雨「それでは選抜メンバーの発表をします」






提督「…すごいよ、君たち」


五月雨「海上警備任務、無事完遂ですね」フンス


夕立「頑張ったっぽい!」


提督「簡単に言ってるけど、戦艦棲姫とか空母棲姫まで出てきたのに無傷で完勝ってすごいことだからな」


榛名「これがお姉様の言うバーニングラブというものなんですね…!」


比叡「なるほど…!」


加賀「…それは少し違うのでは?」


五十鈴(提督の水着を見たいが為に頑張るのは愛なのかしらね)


提督「さて、俺は明日から3日間の休暇だが、みんなはどうする?」


五月雨「今回の任務に編成された私たちもお休みを頂きました!」


由良「私たちも休暇を貰ってもいいんですか?」


提督「もちろん。鎮守府に戻っても出撃はできないよう大淀に頼んであるからな」


夕立「やったー!これで提督さんと海水浴できるっぽい!」


赤城「そういうことでしたら、折角ですし私もしっかりと休ませてもらいます」


龍驤「いや、ちゃっかり水着持ってきとるやろ赤城」


赤城「それは言わないで下さい…」


加賀「貴女も水着を持ってきているでしょう」


龍驤「一応やけどね」


提督「へえ。みんなはどんな水着を持ってきたんだ?」


古鷹「私は普通の水着ですよ」


村雨「村雨のちょっといい水着、見せてあげるね」


青葉「明日はシャッターチャンスが多くなりそうですね」


提督「青葉、程々にしとけよ?」


青葉「わ、わかってますって」


五月雨「それでは、明日はみなさん海で遊ぶということで!」






夕立「由良発見!水かけ攻撃っぽい!」バシャァ


由良「きゃっ!もう、お返しよ!」バシャァ


村雨「わっ!こっちにも水かかってるって!このー!」バシャァ


夕立「ぽいー!」バシャバシャ



比叡「いい天気になってよかったですね、榛名」


榛名「はい。金剛お姉様と霧島も一緒ならよかったんですけど」


比叡「そうですね。また機会があれば4人で来ましょう」


榛名「はい」


榛名(何気に比叡お姉様と2人というのは久しぶりですね)



加賀「赤城さん、頼まれた飲み物を買ってきました」


赤城「ありがとうございます。こっちも買いました。加賀さんは塩焼きそばでいいんですよね」


加賀「はい。ありがとうございます」


赤城「こういうところの食べ物ってすごく美味しそうに見えてしまいますね、ふふっ」



古鷹「わ、青葉の水着すごく可愛いね」


青葉「本当ですか?いやーネットで買っておいてよかったです」


古鷹「あとで写真撮ってあげるね」


青葉「あ、青葉の写真はいいんですよぉ!」



提督「……」


提督(ここが桃源郷か)


五月雨「提督、どうしましたか?」


五十鈴「みんなの水着姿に見とれてたのかしら?」クスクス


提督「う…」


五十鈴「あら、図星だった?」


五月雨「そうなんですか!?」


五月雨(やっぱり提督もそういうことに興味津々なんですね!)ドキドキ


龍驤「みんなはしゃいどるなぁ」


提督「龍驤は水着にならないのか?」


龍驤「ウチの体格やと何着ても子供にしか見えんからあんまり乗り気せーへん」


五十鈴「あれ?でも持って来てるって言ってなかった?」


龍驤「うん、まあ…」


五月雨(このままだと龍驤さんだけ楽しめずに終わってしまうのでは…!?よし…)


五月雨「私、龍驤さんの水着見たいです。提督も龍驤さんの水着見たいですよね?」


提督「ん?おう、そうだな」


龍驤「え、でも…」


提督「せっかく水着持ってきたなら着て遊ばなきゃもったいないと思うぞ」


龍驤「キミがそう言うなら…変でも笑わんといてよ?」


提督「そんなことするわけないだろ」


龍驤「そっか、ははは。じゃあ行ってくるわ」スタスタ


五十鈴「ふふ、優しいのね」


五月雨「えへへ」


赤城「あら?龍驤さんはどこに?」


提督「ああ、水着に着替えに行ったよ」


赤城「そうなんですか」


加賀「龍驤さんも食べ歩きに誘おうかと思ったのですが」


五十鈴「海水浴って食べ歩きするような場所だっけ?」


提督「海で食べるのが美味いんだよ」


赤城「流石提督、わかっていらっしゃいますね。お1つどうぞ」スッ


提督「お、たこ焼きか。貰おう」パクッ


五月雨(間接キスです…!)


加賀(こうも容易く…流石は赤城さん)


五十鈴(…別に羨ましくないわ)


提督「龍驤が戻ってきたら俺も何か買って食べようか」


加賀「お供しますよ、提督」


五十鈴「私は由良の所にでも行ってこようかしらね」


五月雨「私も姉さんたちの所に行ってきます」


提督「おう、わかった」


加賀「提督は何か食べたい物はありますか?」


赤城「私のオススメは焼きそばですね」


提督「じゃあまずそれを食べに行こうかな」


テクテク


店員「いらっしゃい」


提督「焼きそば3人分ください」


店員「はいよー」


ジュワアアア


提督「いい匂いだな」


赤城「ええ、本当に」


龍驤「なんや、みんなここにいたんか」


提督「お、龍驤か。おかえりー」クルッ


赤城「あら…」


加賀「ほう…」


提督「ふむ…」


龍驤「な、何か言ってや…」


提督「なかなか可愛いじゃないか、龍驤」


赤城「黒を基調にしたワンピース型の水着ですね」


加賀「スレンダーな分、可愛らしさが際立っています」


龍驤「そう、かな?へへへ」


提督「ああ、似合ってるぞ」


龍驤「そんなに褒められると照れるやん。よっしゃ、その焼きそばはウチが奢ったろ」


加賀「やりました」


赤城「上々ね」


龍驤(司令官に可愛いって言ってもらった…海、楽しくなりそうやわ)


店員「はい、焼きそばお待たせしました!」


提督「ありがとう。あれ?焼きそばは3つしか頼んでないけど」


店員「フッ…可愛いお嬢ちゃんの分はおまけだよ」グッ


龍驤「……」ピクッ


提督「あっ」


赤城「あっ」


加賀「あっ」


龍驤「…誰がお嬢ちゃんやねん!ウチはもう大人や!4人分キッチリ払うからいくらか言うてみい!」プンスカ


店員「ひえー!」


提督「龍驤落ち着け!純度100%の褒め言葉だから!」






提督「さて、他の子たちは何をしてるのかね」


パシャ


提督「ん?」


青葉「司令官の写真、頂きました!」


古鷹「もう、青葉ったら。すいません、提督。勝手に写真を撮ったりして」


提督「それは構わないよ」


青葉「ほら、言ったじゃないですか古鷹。司令官は怒らないって」


提督「悪用しないことが大前提だけどな」


青葉「そこは弁えてますのでご心配なく!」


古鷹「私がちゃんと青葉を見張るので大丈夫です」


提督「それなら安心だな」


提督(鎮守府に帰ったらすぐに出回るんだろうけど)


榛名「青葉さん、その写真譲ってくれませんか?」


青葉「わっ」


提督「神出鬼没」


比叡「驚かせてすいません」


青葉「どうしたんですか、榛名さん。写真は司令官の許可があれば現像して渡しますよ」


提督「一応理由を聞いておこうかな」


榛名「はい、実は…」



霧島『…最近、金剛お姉様の様子が変です』


比叡『ですね』


榛名『例のお腹ツンツン事件からですね』


比叡『司令を見かければ隠れ…』


霧島『食事の時間も意図的にズラし…』


榛名『提督と顔を合わせれば、普段の冷静さは見る影もありません』


霧島『いつも押せ押せだった分、司令からの反撃にはめっぽう弱かったようですね』


比叡『何か手を打たないとお姉様の為にも艦隊の為にもなりません』


霧島『ふむ…では、こういうのはどうでしょうか?』



提督「…なるほど。まずは俺の写真で慣れさせようってことか」


榛名「はい」


古鷹「そんなことになっていたんですか…」


青葉「どうしますか、司令官?」


提督「まあ、いいんじゃないかな。俺が原因みたいだし、以前の元気な金剛の方が落ち着くし」


比叡「ありがとうございます」


榛名「提督は本当にお優しいのですね」


提督「そうか?」


榛名「はい」ニコッ


青葉「ちなみに、どんな写真をご所望ですかね?」


比叡「そうですね…榛名は何かありますか?」


榛名「火力の高い水着姿の写真がいいと思います!!!」フンス


提督「……」


比叡「……」


青葉「……」


古鷹「……」


榛名「…あ」


青葉「…えっと、金剛さんのリハビリ(?)のために写真が欲しいんですよね?」


榛名「も、もちろんです!」


提督(榛名ってこの世界ではムッツリさんだったのか…なんだか面白いな)