提督「指輪戦争?」
完全にネタです。
Fateとのクロスオーバー。
艦娘は出るけど、本家のサーヴァントは出ません。あ、でも技とかはいろいろ参考にさせてもらってます。
もういろいろひどい笑
よければご覧下さい。
時雨「そうだよ、提督」
提督「……」
提督「いや、わけワカメなんだけど」
時雨「はぁ」
提督「いや、ため息つかれましても」
時雨「じゃあ…もう一度言うよ?」
提督「アッハイ」
時雨「僕が提督の前に顕現したのは…四ヶ月に一度行われる―――指輪を巡っての争いに参戦するためなんだ」
時雨「謂わば指輪戦争…最高の名誉なんだよ?それを手にするということは…」
時雨「その指輪さえ手に入れられれば…僕は手にすることが出来るんだ」
時雨「君の心を…」ボソッ
提督「…え、何を手に出来るって?」
時雨「提督ッ!」
提督「ファッ!?」
時雨「もちろん僕と共に戦ってくれるよね、提督?」
提督「いや、だから訳が分からな」
時雨「ていとく」
提督「ーッ!」
時雨「教えておいてあげるよ、僕のクラスはライダー。最高の機動力を以て君に指輪を」
提督「なんか勝手に語りだした…」
提督「てか時雨の回避力が高いのは知ってるけど…ライダーって?」
時雨「提督に勝利を―――指輪を―――栄光を―――!!!」
時雨「そして君の心は僕だけのもの」ボソッ
提督「…えぇ」
提督「なんか言ってる…しかも最後聞き取れなかったけど」
提督「ね、ねぇ時雨さん?もう一回説明を…」
その時だった。
提督と時雨の間に割り込むように…一つの黒い影が躍り出る。そしてその黒い影が人の形を成したと時雨が認識した時には既に…提督の姿はその場になかった。
時雨「……」
時雨「ふーん…」
時雨「やるじゃないか」
時雨「……」
時雨「僕から提督を奪うなんて…」
時雨「霊○消滅させてあげるよッ!!」
―――――――――
提督「……」
提督「………」
提督「う、うーん…」
提督「ここは…?」
「やっほー!提督ッ!」ダキッ
提督「うわぁ!」
提督はその背に重くのし掛かる何かに戸惑いながらも、なんとか状況を把握しようとする。
そして己の背に抱き付いている者をなんとか振り払い、後ろを振り向くとその者と対峙することになった。
提督「お…お前は!」
提督「川内じゃないか!!!」
川内「フフッ!」
提督「な、なんで…というかここは…」
提督は目を見張った。
彼はいつもとは明らかに違う異空間…見知らぬ場所に驚きを隠せない。そこには、ただどこまでも白い眺めが広がっているだけで何もない。
彼と川内―――そして黒いローブを着た者以外は何も…。
川内「てーとく!」
提督「は、はい!」
川内「時雨からなんか言われてたでしょ?」
提督「あ、ああ。なんか指輪がどうとか…」
川内「アハハ、やっぱりね!」
提督「そ、それはそうとここはどこなんだ?鎮守府は…?」
川内「…提督」
提督「お、おう」
川内「指輪戦争なんて信じる?」
提督「……」
提督「いや、指輪戦争とかどうとかの前にここは…」
川内「そーだよね…提督は指輪戦争とかどうでもいいもんね…」
提督「(話聞いてねぇ…)」
提督「と、とりあえず時雨も川内もおかしいぞ?そして早くこの得体の知れない場所から出してく…」
川内「提督、私はね…」
川内「勝ちたいんだ!この戦いに!」
提督「」
提督「……」
提督「あぁ…深海棲艦との戦争にだな。俺もそうさ、だから早く…」
川内「…そうじゃなくてさ」
川内「指輪戦争に―――」
川内「勝ちたいんだよね」
提督「えぇ…」
川内「一つ教えてあげるよ―――私はね、アサシンなの…。隠密行動、暗殺…そして夜戦」
川内「私の十八番なんだよ?」
提督「もう一人でやっててくれ」
提督は、川内の頭が夜更かしをしすぎたせいで遂にクルクルパーになったのだと考えると、彼女の横を通り抜け、この白一色の世界に出口はないかと探しだす。
すると彼の目の前にいた黒いローブが颯爽と彼の前に接近。そのまま身に纏ったローブを脱ぎ去るとその姿を彼に露にした。
そして―――
提督「明石じゃないか!!!」
明石「提督!どこへ行こうというんです?」
提督「な、なぁ明石!川内がおかしいんだ!しかもこの場所はなんなんだ!指輪戦争とか訳が分からな…」
明石「あぁ、この世界は私が造り出したんですよ?」
提督「」
提督「…は?」
明石「私のクラスはキャスターでしてね…この程度の異空間を造ることなど造作もないんですよ」
明石「まぁ、提督の為ならもっと凄いものもお見せ出来ますが…如何します?」
提督「」
提督「あ、俺、ちょっと仮眠とるね…」
川内「てーとく?」
明石「提督?」
提督はそのまま目を閉じた。
はっきり言って怖かったのだ。彼の目の前にいるのは、見た目こそ川内と明石なものの…その言動があまりにいつもの様子と乖離してしまっていた。そして彼の防衛反応は目を閉じることを彼に訴えかけたのだ。だがその視界はすぐに開かれることになる。
時雨「うおりあああぁぁぁぁぁ!!!」バーン
川内「!?」
明石「!?」
提督「」
時雨「探したよ…提督」
提督「ア、ドーモ」
川内「な、なぜここに!?」
明石「…どうやら私の異空間を破るほどの魔○を有しているようですね」
時雨「…ふぅ」
時雨「提督のこと、返してもらうね?」ニコッ
その後…彼は呆然と眺めることになった。
指輪戦争―――その緒戦を。
時雨「天の加護を受けし我が身に―――最大の威力で応えよッ!その咆哮で闇夜に光を照らせッ!」
時雨「宝○解放ッ!!!」
時雨「ガンキャ○ン・フルバスター!!!」
時雨の叫びと共に、その背に背負われていた砲門が眩い閃光を放つ。そして明らかに長くなったその砲門は、甲高い金属音を響かせながらゆっくりと稼働すると、彼女の肩越しに激しく火を噴いた。
大きな砲声が白い世界に轟く。
そして巨大な火球が川内たちを呑み込もうと迫る。
―――が。
川内「そっちが宝○出すんなら、こっちもそれ相応のことしていいってことだよね?」
明石「…フフッ、私達が手を組んでいるとも知らずに―――愚かなッ!!」
川内「闇夜を駆ける黒き幻影―――誰にも悟られることなく…その全てを暗夜に帰す」
川内「宝○解放―――タイム・オブ・ナイト」
川内の小さな呟きを合図に、どこからともなく黒い霧が現れる。そしてその霧は、白い空間を浸食するようにあっという間に広がると、突如として巨大な黒い津波のようになって時雨の放った火球に迫った。
明石「―――刮目しろッ!そしてその奇跡を目に焼き付けろッ!」
明石「無から万物を創造する…まさに神の成せる業―――その手は今、ここにッ!!!」
明石「宝○解放ッ!!!!」
明石「ウェルカム・マイファクトリー!!」
明石の声に呼応するように、彼女の手は一瞬光を明滅させると、まるで脈を打つようにドクンドクンと音を響かせた。そしてその手中に光輝く球体を収めると、一気にそれを時雨目掛けて放った。
一斉に解放された宝○―――その全てが激しくぶつかり合い…そして。
大きな音を轟かせながら、それらは互いを打ち消しあった。
時雨「…やるね!」
川内「…フフッ、そっちこそ!」
明石「これですよ!これ!!!これが指輪戦争なんですよぉ!」
提督「」
提督「あ、あのー」
「「???」」
提督「まず川内だけど…」
川内「わ、私?」
提督「もう夜戦に出してあげないから」
川内「」
提督「それと明石」
明石「は、はい!」
提督「今後、工厰の責任者を夕張に任せることにしたから」
明石「」
提督「時雨」
時雨「な、なにかな…」
提督「特にない」
時雨「」
提督の発言をきっかけに白い空間がゆっくりと薄くなり消えていく。そしてその場には口をあんぐりと開けたサーヴァ○トもとい艦娘たち。
提督は彼女らを尻目にその場を足早に去った。
―――――――――
提督「やっと執務室に帰ってこれた」
提督「もう金輪際、あの三人には関わらないようにしよう…」
コンコン
提督「あ」
提督「入って、どうぞ」
「失礼致します」
提督「お、赤城か。どうした?」
赤城「提督…」
提督「ん?」
赤城「指輪戦争というものをご存知で…」
提督「」
提督「うわああああああ!!!」
赤城「ひゃあ」ビクッ
提督「な、なんで赤城がそんなことを…」
赤城「な、なんでと申されましても…」
赤城「私も…この誇り高き一航戦赤城も―――指輪戦争に身を投じる者なのですから」エッヘン
提督「」
提督「あの、ちょっと具合が…」
動揺する提督。
なんとか仮病を使ってその場からの撤退を試みるが、そんな彼の早く逃げたい気持ちとは裏腹に執務室の扉が乱暴に開かれた。
「ぽ~~~~~~いッ!!!!」ダキッ
提督「グハァッ!」
赤城「提督!?」
夕立「提督さ~~ん!あーそーぼー!」
提督「ゆ、夕立ィ…」
提督は夕立の胸に泣きついた。
彼はようやく艦娘らしい艦娘に会えたことが嬉しかったのだ。そしてとても安心したのだ。
提督「夕立、今はお前だけが頼りだぁ」
夕立「て、提督さん!?」
夕立「うーん、提督さんがなにやら困っているっぽい?」
夕立「せっかく指輪戦争を一緒に戦って欲しかったぽいのに…」
赤城「―――!」
提督「」
提督「お、お前もかぁ!!!」
夕立「?」
提督「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ」
赤城「提督!」
提督「あ、赤城?」
不意に掴まれた肩。
そして振り返るとそこには、笑みを浮かべる赤城の姿。
提督は悟った。
赤城「提督は、この赤城が…アーチャーであるこの私がお守り致しましょう!そして共に勝ち取るのです!指輪を!!!」
夕立「むぅ~~!勝手なこと言わないで欲しいっぽい!夕立さんが提督さんと指輪を手に入れるっぽい!!!」
赤城「……」
赤城「…はぁ」
夕立「……何がおかしいっぽい?」
夕立は見逃さなかった。
彼女の発言を聞いた赤城がため息をついた次の瞬間―――肩を揺らし、侮蔑するような笑みを浮かべたことを。
そして赤城はそのまま高らかに笑いだす。
赤城「アーッハッハッハッハ!!!!!」
赤城「調子にのらないで下さいよ…」
赤城「雑種がぁ!!!」
夕立「―――!」
提督「」
赤城「もう憐れでなりませんよ…夕立さん。貴方はこれから私に深淵へと葬られるのですからねぇ!」
赤城「アーッハッハッハッハ!!!!!」
夕立「な、何を言ってるっぽい?」
赤城「…言わずもがな、ですよ?貴方は敗北するんです―――この一航戦赤城と対峙したことが既に貴方の命運が尽きたことを示しているんです。そして悲しいものですね…貴方はその髪の毛一本でさえ―――残すこともかなわない」
赤城「あたかもその存在が最初から無かったかのように―――」
赤城「消えるんですよ、貴方は」
夕立「御託はそこまでにするっぽい!」
夕立はそう叫ぶと俊敏な動きで、一気に赤城に肉薄した。そしてその体を捉えた―――そう、夕立が思った時。
赤城「弱者が…!」
赤城「私に触れようと思ったこと―――その浅はかさをあの世で呪うがいいわッ!!!」
赤城はその手に携えていた弓で軽く夕立を翻弄すると、彼女から距離を取る。
そして―――
赤城「不快ッ!不快ですよ!その雑草のような生き方―――まさに雑種ッ!!!」
赤城「慢心せずして何が一航戦かあッ!」
赤城「開きなさい―――ボーキサイトを格納せし食料庫ッ!」
彼女の高らかな笑い声と共に、その場には幾つもの閃光が走る。形を成さない光は…まるで並列するように宙を漂っている。
それを見て夕立は怯えているのだろうか…その身を震わしていた。
―――いや、違う。
彼女はその緋色の瞳を爛々と輝かせ、そして吠え立てた。その身が震えていたのは恐怖からではない、武者震いと言わんばかりに…。
夕立「うおおおおォォォォォォォッ!!!」
夕立「夕立さんはバーサーカーっぽい!」
夕立「だから本気を出したら止められなくなっちゃうっぽいッ!」
夕立「でも―――」
夕立「解放させてもらうっぽい!」
夕立「ソロモンの悪夢、見せてあげるッ!」
夕立「…とその前に」
夕立「我を失う前に提督さんに伝えさせて欲しいっぽい」
提督「(せっかく空気になってたのに…)」
夕立「…赤城さんは強いけど―――別に倒してしまっても構わないっぽい?」
提督「アッハイ」
夕立「それを聞いて安心したっぽいよぉ」
夕立「―――穿てッ!!引き裂けッ!!!喰らい尽くせッ!!!!」
夕立「本○解放ッ!!!」
夕立「巨狼―――フェンリルッ!!!」
夕立の咆哮。
そして彼女の体には大きな変化が見られた。
深紅の瞳は赤い閃光を放ち、その手は巨大な獣のような爪を生やしていた。
そして目にも止まらぬ速さて赤城に詰め寄る夕立―――まるで電撃が走ったかのように…赤い光の残像が宙に残っていたことは、その素早さを示していた。
その黒い爪は今にも赤城の喉を引き裂こうと言わんばかりの距離に迫る。
赤城「私に食料庫を開かせたのは、素直に素晴らしいと認めましょう」
赤城「ですが―――」
赤城「私の宝○の破壊力、そして展開力を前に儚く散れッ!」
赤城「乾いた大地に降り注げッ!!恵みをもたらす光の雨よッ!!!」
赤城「宝○解放ッ!!!!」
赤城「開けッ!ゲート・オブ・ボーキッ!」
―――執務室が光に包み込まれる。
そして後に提督は言ったそうな。
提督「赤城には、しばらくご飯のお預けを言い渡してやったよ…そしたら顔を真っ青にして凄い勢いで土下座してましたよ」
提督「夕立には、もう遊んであげないって伝えたら、寝っ転がって腹を見せてたな…あれが忠義の印らしいけど…とりあえず適当にそこら辺にあった布を被せといた」
提督「それで今は、半壊した鎮守府の復興作業にあたってる」
提督「あ、なんか木曾が勢いよく執務室の扉を開けてなんか叫ぼうとしてたけど、指輪戦争は終わったよって大声で言ったら、顔を赤くして恥ずかしそうに帰って行ったな…」
提督「そういえば、指輪って一体なんだったんだろう」
提督「ま、もうどうでもいいか」
終わり
木曾「…いつの間にか指輪戦争終わってた」
木曾「せめて宝○解放くらいしたかったなぁ」
木曾「え、俺の宝○解放見たい!?」ピョン
木曾「よ、よーし」
木曾「見せてやるよ!」
木曾「俺の本気ってやつを!」
木曾「俺はセイ…」
終わり
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