女「お話がしたいです!」 part3
某日某所
男「結構混んでたなあ、集合時間に遅れるって連絡しなきゃ。
ごめん、病院混んでて集合時間に遅れそう、と。」
今日は女さんと会う日だ。診察が終わってこれから集合場所へ向かうところだ。
しかし、意外にも今日は混んでいて時間がかかってしまった。
女『病院お疲れさま。全然大丈夫だよ、ゆっくり来てください。』
男「できた子だなあ、じゃあ向かいますか。」
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男「よし、着いたぞ。連絡して、と。
どこにいるんだろう?」
男「あ、着信だ。」
男「もしもし?」
女『あ、男さん!着いた?』
男「うん、ごめんね遅れちゃって。××のあたりにいるんだけど、どの辺にいる?」
女『私も××のあたりにいるんだけど・・・、あ!!いた!!』
男「え?」
女「うふふwはじめましてw」
男「あ!えっと、はじめましてw」
女「なんで目合わせてくれないの?w」
男「いや、やっぱ緊張しちゃって・・・w」
女「かわいいwじゃあどこか座れる場所行こ!」
男「そうだね、そうしようか!」
とてもかわいらしい、小さな女性だった。
笑顔が素敵でこちらまでその笑顔に包み込まれるようだった。
ーーー道中ーーー
女「ねえねえ、私の好きな食べ物とか覚えてる?」
男「え~~~~っと・・・、う~~~~ん・・・。」
女「ちょっとwあんなに言ったのに忘れちゃったの?w」
男「ごめんごめん、覚えるの苦手で・・・w」
女「まったく!ミスドのドーナツとロイヤルミルクティーだよ!ちゃんと覚えてね!」
男「はいはいw」
女「じゃあ誕生日は?」
男「3月21日だよね」
女「うそ!?正解!」
男「なんで驚くんだよw」
女「いやてっきり忘れてるものかと・・・。」
男「失礼な!w」
この普通なやりとりでも幸せだった。ものすごく幸せだった。
なにより、彼女の顔を見ながら話ができることが嬉しかった。
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男「すっかり暗くなっちゃったね。飯食うか。」
女「うん、何にしよう?」
男「そうだなあ、居酒屋行く?お酒自分で作るぐらいだから好きなんでしょ?」
女「お~w」
男「なんだよw」
女「覚えてるな~、と。」
男「口が減らんなw近いところ行こう。」
女「は~い!」
店員「いらっしゃいませ~」
男「2人でお願いします。」
男「空いててよかったね。」
女「うん。さ、飲も!」
男「じゃあかんぱ~い!」
女「かんぱ~い!」
男「今日ってどうするの?宿とか。」
女「あ~、一応ネカフェとか探そうかなって思ってる。」
男「そっか・・・。行く宛ないならカラオケオールしない?」
女「あ、いいね!そうしようかな?
それと、男くんって呼んでいい?」
男「え?あ、いや全然いいよ!
じゃあ俺は・・・、なんて呼べばいいかなw」
女「じゃあ、ちゃん呼びでいいよw
さん呼びはなんだかよそよそしいからw」
男「分かったw」
それからは通話で聞かなかった話だったり、
配信での話をしたり、とにかく話をたくさんした。
彼女は彼氏を作らないと通話で聞いていた。理由を聞いても教えてくれない。
それ以上は追及しなかった。誰しも隠したいことの1つや2つはあるのだから。
店員「ありがとうございました~!」
男「ぼちぼち飲んだね!」
女「そうだね、おいしかった!」
男「じゃあカラオケ行こうか。」
女「うん!」
店員「いらっしゃいませ~」
男「2人の、えーっと、フリーでお願いします。」
男「カラオケ久しぶりだなー」
女「いっぱい歌おうね~」
さすがに密室男女2人で緊張しないわけがない。
ましてや、初対面なのに、いや変な考えはやめよう。
でも・・・。
女「どうしたの?」
男「女ちゃん・・・。」
女「男くん、ダメ。前にも言ったでしょ?
それ以上の関係になったら私たちは会えなくなるの。」
男「ごめん・・・、そうだったね。」
俺はそれでも彼女の温もりが欲しかった。
無言で抱きついた。
男「しばらく、このままでいたい。」
女「うん・・・。」
そして、いつの間にか俺は眠っていた。
病院へ行くのは朝早かったため、その疲れが出てしまったのだろう。
彼女には申し訳ないことをした。
男「ん・・・。」
女「あ、起きた?wおはよう。」
男「あ、女ちゃん・・・。ごめん・・・。」
女「朝早かったんでしょ?謝ることないよ。
もう少しゆっくりしてからカラオケ出ようか。」
男「そっか、もうそんな時間か。分かった。」
俺が謝ったのは寝たこともそうだが、それだけじゃなかった。
しかし、彼女は「寝たことに関して」への返答だった。
彼女のやさしさが改めて分かった。
ーーーバス停ーーー
男「今日はありがとう。すごく楽しかったよ!」
女「こちらこそ!会えてよかった!」
男「じゃあ、また遊ぼうね、女ちゃん。ありがとう。バイバイ。」
女「あ・・・。」
寂しそうな顔しないでよ、俺も寂しくなるじゃないか。
でも、また会える。時間さえあれば会えることが分かったから俺は安心した。
とても楽しく、幸せなひと時だった。
男「やっと家着いた~!楽しかったな~。
そうだ、女ちゃんに連絡入れておくか。」
男「あ、返事返ってきた。」
女『長旅おつかれさま!私ももう少しで家に着きます。
最後、なんで抱きしめてくれなかったの!寂しかったのに!
次会うときは抱きしめてね!」
男「・・・。」
尊いとはまさにこのことなのだな、と。
part4につづく。
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