2019-07-20 19:55:45 更新

概要

二話目です。拙い文ですが、楽しんでいただければ幸いです!


前書き

ニ話目です。前書きに書くことがない‥(笑)
少し今回はシリアス?要素があります。
キャラ崩壊注意
誤字脱字等があるかもしれません。
それでも良い方はどうぞご覧ください!



キャラ紹介
・翔鶴
戦闘ではすごく頼りになる空母の一人。普段は真面目で気配りができる性格だが、提督の目の前では超がつくほどの変態になる‥‥。
妹の瑞鶴からは提督に何かしないかすごく警戒されている。


・瑞鶴
翔鶴と同じで頼りになる空母の一人。明るい性格で親しみやすい。翔鶴が提督に変なことをしないか毎日警戒している。提督のことは大好きで、たまに我を忘れて提督に擦り寄る時も‥‥。






______________________________________




「えっと‥‥どう?落ち着いた?」



「は、はい‥‥。すいません。」



先ほどの言葉を聞き、まだ頭が少し混乱している。司令官が男だという事実を聞いていまだに驚きを隠せない。見た目、口調、仕草も完全に女性なのに‥‥‥。



「あはは‥‥やっぱり信じられないよね。まあ、でも私のことは男としてみてほしいな。」



「わ、わかりました。」


少し困惑しながらも返事を返す。


「それじゃあ後はーー」


バン!



「提督〜!演習結果持ってきましたよ!」



突然ドアが開き、誰かが入ってきた。



「し、翔鶴‥‥。入るときにはノックしてからって言ってるでしょ‥‥。」



「そんなもの私と提督の前ではいりませんよ!そして‥‥隣にいるのは今日から着任すると言っていた吹雪さんですか?」



「は、はい!私が今日から着任する吹雪です!よろしくお願いします!」



「そう、私は翔鶴よ。宜しくね。」ニコッ


綺麗な笑顔が目に入り優しそうな人だなと思った。入ってくるときに演習結果を持ってきたと言っていたから、演習終わりなのだろう。


「さてと、演習結果だっけ?」



「はい!もちろん勝ちましたよ!」



「そうなのね。頑張ってくれたようでありがとね。」



「では、そのご褒美として‥‥。」ダキッ


なにを考えたか、いきなり翔鶴さんが司令官に抱きついたのだ。翔鶴さんの息は荒々しく、司令官の服の匂いを嗅ぐようにさらに強く抱きつく。


「うえっ!?」


その光景を見た私は驚いて声を出してしまった。


「ちょ、ちょっと!吹雪さんもいるんだよ!?」


その行動に目を見開く。とても真面目そうな人だと思っていたが、まさかこんな事を大胆にするなんて‥‥。


「いいじゃないですか〜私頑張ったんですよ〜。」


そう言いながら翔鶴さんの手が司令官の背筋をなぞるように触れた。


「あひゃ!?ちょ、ちょっと!」


突然触られたせいか、素っ頓狂な声が聞こえた。


「提督は敏感ですね〜ふふ‥‥。」


「や、やめて‥‥お願いだから‥‥。」


翔鶴さんは不敵な笑みを浮かべ、さらに次の行動に移そうとした。



バン!


「翔鶴ねぇ‥‥‥。」ゴゴゴ


しかし、執務室の扉が勢いよく開けられ、中に入ってきたのは翔鶴さんと同じような服装を着た人がすごい形相で翔鶴さんをにらんでいた。



「ず、瑞鶴!?あの‥これは‥‥。」


「問答無用!」


ゴスッ!


鈍い音が鳴り、その場に翔鶴さんは倒れ込んでしまった。


「はあ‥‥瑞鶴、ありがとう。助かったよ。」


「気にしないで大丈夫だよ。悪いのはこのバカ姉だから。」


「あれ?貴女は、たしか‥‥吹雪さん?」



こちらに視線を向けてきた。



「は、はい!今日から着任する吹雪です!よろしくお願いします!」


「うん、私は瑞鶴だよ。よろしくね!」


私は瑞鶴さんと握手をし、瑞鶴さんの明るい笑顔が目に入った。



「あ、そう言えばちょうどいいし、瑞鶴に鎮守府内の案内を頼んでもいいかな?」



「うん、良いよ!案内しながらお喋りしたいし!」



「そう、なら任せるね。それじゃあ吹雪さんは瑞鶴と一緒に鎮守府を見てもらってね。後、案内が終わったら歓迎会があるから食堂に瑞鶴と一緒に来てもらっていいかな?」



「はい!了解しました!」


歓迎会という言葉を聞き、胸が踊った。

私のために歓迎会を開いてもらえるなんて思わなかった。それゆえか、すごく楽しみに思う。



「それじゃあ行こっか。ついてきてね〜。」


「わかりました。」



バタン






瑞鶴と吹雪が部屋から出て行き、この部屋には倒れている翔鶴と私だけだ。

とりあえず翔鶴はソファに移動させた。


「さて、吹雪さんのために歓迎会の料理とか私も手伝おうかな。」



それに、吹雪さんはすごく緊張していた様子だった。

提督として、みんなの不安は無くしておきたいですし。後で話しかけてみようと思います。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「よし、じゃあこんなもんかな。何か質問とかある?」


今は鎮守府内の案内が終わり、瑞鶴さんから質問がないか聞かれているところだ。



「え〜と、1つ質問が‥‥ここの司令官のことで‥‥。」


1つ私には大きな疑問があった。

そう、一番疑問なのは司令官についてだ。


「あー、提督のことがどうしたの?」



「本当に司令官さんって男の人なんですか?」


これが一番気になる。司令官自身は男だと言っていたが、正直まだ疑いがある。本当にあの綺麗な容姿で口調、仕草も女性なのに男の人なのだろうか。



「うん。それは本当だよ。戸籍はちゃんと男だし、本部の方からも男だと確認されているからね。」



「は、はあ。では、何故女性のように髪などを伸ばしていたり、口調が女の人なのでしょうか‥‥。」



「それは提督のお母さんがそういうように育てたからって私は提督に聞いたけど、詳しいところは私もわからないや。」



「そうなんですか‥‥。」


「まあ、そんなに気になるなら提督自身に聞いてみれば?」



「はい。そうしますね。」



しかし、瑞鶴さんは知らないというのに気にならないのだろうか。



「あ、それとね。まだ緊張してるからだと思うけど、敬語じゃなくてもいいからね。気軽に話しかけてくれてもいいよ!」



「はい!ありがとうございます!」


これを聞くと瑞鶴さんの優しさがすごくわかる。優しい先輩がいて嬉しいな。



「それじゃあ私は一旦部屋に戻るけど、どうする?」



「あ、じゃあ私はもう一度司令官に会ってきます。」



「うん、わかった。それじゃあまたね!」



「はい!ありがとうございました!」


瑞鶴さんが手を振り見えなくなったところで私は執務室に向かった。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ん〜料理したいと思ったけど、全然まだ執務あるんだよね‥‥。はあ、大変だなぁ。」


本当は歓迎会用の料理を作りに行きたかったけど、机に積み上がった資料の整理をしないといけないことに気づき、料理はお預けとなった。


「ん‥‥髪長くなってきたかな。ちょっと邪魔になってきたかも‥‥。」


髪が長いせいか、執務をしてると少しうっとおしくなる。長髪を止めればいいだろうと思うけど、昔の癖で長髪じゃないとなぜかスッキリしない。



コンコン



と、考えていると扉をノックする音が聞こえた。


「入って良いよ。」


「失礼します。」


そう言い、入って来たのは吹雪だった。



「どうしたの吹雪さん?何か困った事でもあった?」


私がそう問いかけると吹雪は真面目な顔になり、私はそれを察し、私も気を少し引き締めた。



「その、司令官って何故そのように女性のようなのでしょうか‥‥。」


何を聞かれのかと思っていたがその事だったのか。


「ああ、私の事ね。あれ?瑞鶴には聞かなかったの?」


「いえ、瑞鶴さんにも聞いたんですが、提督のお母さんがそういう風に育てたとしか分からなくて。」


そう言えば瑞鶴には詳しく話した記憶がなかった。まあ、なぜこのような姿なのかは大方あたりだが。正直私のあのことを話す気にはならなかった‥‥。

それゆえ、詳しくは話さなかった。


「まあ、瑞鶴が言っていたことで大方当たってるよ。私の母は可愛いものが大好きでね。小さい頃から髪を伸ばしたり、口調とかも女の子のように話すように言われてたからね。」


「そうだったんですね‥‥。司令官は嫌じゃなかったんですか?」


「うん。特に嫌ではなかったよ。お母さんの笑顔が見れるし、全然苦じゃなかったし。」


「そうなんですね。ところで、司令官のお母さんってどんな人なんですか?」


「私のお母さんは何というか‥ちょっと変なところもあるけど、優しい人だよ。」


司令官は少し考える様子を見せてそう答えた。


「私のことを毎日気にかけてくれて、泣いている時はそっと頭を撫でてくれたよ。まあ、私が女性みたいなのはお母さんが可愛いものが大好きでね。そのこともあってこんな風になったんだけど‥‥。」



「なるほど‥‥。お父さんはどうだったんですか?」



「あー‥‥お父さんはね私が物心つく前に亡くなってしまったんだ。」



司令官は悲しい表情を浮かべた。私は軽々しく聞いてしまったことに罪悪感が募った。


「す、すいません。軽々しく聞いてしまって‥‥。」


すぐに司令官の方に向き、謝罪をする。



「ううん、大丈夫だよ。でもお母さんはお父さんのことを『とっても優しい人だった』って言ってたよ。」


「ふふ、司令官のご両親はどちらも優しい人なんですね。」



「うん。でも、お父さんと会えたとしても‥‥‥‥」ボソッ



「司令官?何か言いましたか?」



「いや、なにも言ってないよ。あ、そろそろ歓迎会の時間だし行こっか!」



「わ、私のために歓迎会なんていいんですか?



「絶対お祝いしなくちゃダメだよ!新しい仲間が増えるんだから!ほら行こう!」


「は、はい!」



司令官に手をひかれて、歓迎会へと向かうのであった。









〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「それじゃあ、吹雪さんの着任をお祝いして〜‥‥」



「乾杯!」



『カンパーイ!』





ガヤガヤ



「吹雪ちゃんが来てくれて嬉しいっぽい!」



「ほらほら、いっぱい食べてねー!」



「今日はめいいっぱい楽しむよ〜!」





歓迎会のスタートが切られ、私を取り囲むように他の艦娘の方々が来て、すごく声をかけられています‥‥。

目の前には数々の美味しそうな料理が並べられていて、他の方々はお酒やら、料理を美味しそうに食べています。



「ほら!吹雪ちゃんもいっぱい食べるにゃしい!」



「う、うん。食べる、食べる。」



皿たくさんに料理が盛られ、食べきれるか不安になって来ました‥‥。









〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



皆が歓迎会を楽しんでいる中、私は鎮守府の外の岸に腰を下ろして夜風を浴びていた。


「ここにいたのね、提督。」



そう声をかけて来たのは一航戦の加賀さんだ。

彼女はここの鎮守府の空母の中で一番最初に着任した人だ。性格はとても優しくて、真面目な人です。たまに変なことをして来ますが‥‥。



「うん、ちょっと夜風に当たりに来たんだ。加賀さんは吹雪さんとはどう?仲良くなれそう?」



「ええ、とても真面目な子ですし、大丈夫です。」


加賀さんは優しく微笑み、私の隣に座って来た。



「吹雪さんを見て、私も着任したての頃を思い出しました。」



「ああ、加賀さんが着任して来た時は無表情であまり感情を出さなかったよね。」



「でも、提督が男だと聞いた時は驚きましたよ。」



「あはは、吹雪も私が男だって言ったら驚いていたよ。」



まあ、正直慣れた。初めて会う人には必ず女性だと思われる。


「提督は可愛いですもの。」



「か、可愛いって‥‥。」


いきなり可愛いと言われると正直照れる。



「あら、赤くなっちゃって。本当に可愛いわね。」



「も、もう加賀さん!やめてってば!」


多分今の私の顔は耳まで真っ赤になっていることだろう。



「ふふ、ごめんなさい。でも提督が可愛いのは本当ですよ。」



「あ、あぅ‥‥‥。」


可愛いと何度も言われ、もう私の心はブレイク寸前だ。



「あら、提督と加賀さんじゃないですか、何してるんですか?」



そう後ろから声をかけて来たのは赤城さんだ。彼女も加賀さんと同じ一航戦で、加賀さんが着任した次に来た人だ。真面目な性格ですごく頼りになる人だ。ただ、すごくいじってくる‥‥。





「ちょうど提督で遊んでいました。」



「遊んでたの!?」



「ふふ、私も混ぜてもらいましょうかね。」


加賀さんの言葉にツッコミを入れて、赤城さんも私の隣に座った。すると、なぜか手を握られた。



「ちょ、ちょっと、赤城さん!?」



「どうしたんですか?提督?」



赤城さんは悪戯っ子のように微笑み、私の反応を楽しんでいるようだった。



「それなら、私も繋ぎましょうか。」ギュ


何故か加賀さんも私の手を握って来た。



「か、加賀さんまで‥‥‥。」



「いいじゃないですか。手が冷えてしまいますし、これなら暖かいでしょう?」



それはそうだが、二人とも繋ぎ方がいわゆる『恋人つなぎ』のようにしている。

そんなことも気にせず二人はさらに握る力を強める。

正直私は恥ずかしさで死にそうです‥‥。



「提督は秘密とかありますか?」



急に赤城さんが言葉を発する。



「秘密?別に‥‥無いけど。」


ないと言えば嘘になる。咄嗟に聞かれたので少し言葉が詰まってしまった。



「あるのは分かりますよ。付き合いは長いですし。」



加賀さんにはバレているようだ。赤城さんも知っているような顔をしている。



「う、秘密なんて‥‥‥。」


私の秘密は過去の事についてだ。会いたくない理由は思い出してしまうのが怖いから‥‥。しかし、加賀さんと赤城さんは真剣な顔で私を見つめている。

私が言い淀んでいると‥‥加賀さんが言葉を発した。



「‥‥わかりました。無理に詮索はしません。でも、どんな秘密があっても私達は提督を避けたりはしません。」



「私もです。だからと言って強制するつもりはありませんが、私たちを信じてください。」



加賀さんと赤城さんの言葉が私の心に響いた。思わず涙が出そうになるが、必死に堪える。



「ごめんね、いつか‥‥必ず伝えるから‥‥。」



そう言葉を発し、加賀さんと赤城さんは優しく微笑む。



『はい。待っています。』




二人の優しい声が伝わって来た。それなのに私は秘密を話すことができない自分が情けなく思う。

だが、二人の言葉が私を安心させてくれる。




(いつか彼女達を心から信頼できて、秘密を話すことができる日が来たらな‥‥‥。)



そう私は心で呟くのだったーーー。





後書き

今回はここで終了です。いかがでしたでしょうか。
更新頻度が遅くて申し訳ありません。体調を崩したり、用事が多数あったりと執筆する時間がなくて‥‥‥。
次回からはなるべく早く更新できるように頑張ります。(笑)



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