2019-11-20 21:41:47 更新


「──って、なに?」



にこ「お話の形式の事よ」


穂乃果「形式……?」


にこ「だから、それぞれで完結してるお話を纏めて、一つのお話にしたものの事をそう言うのよ」


穂乃果「ほーん……なるほどぉ」


にこ「……まぁいいわ。」


穂乃果「でもさ?コレってなんか紙芝居屋さんみたいだよね」


にこ「言い得て妙ね。確かに紙芝居屋さんみたいなものだと思うわ」


にこ「まぁ、この場合私たちの日常って言う原作があるワケだから、オリジナルでは無いけど」



穂乃果「?」


にこ「……なに?」


穂乃果「あっ。だと、にこちゃんが紙芝居屋さんで、穂乃果がお客さんだね!」


にこ「なに言ってるのよ」


穂乃果「へ?」


にこ「私らは紙芝居そのものよ」


穂乃果「???」


穂乃果「……あの、じゃあお客さんは?」


にこ「そのうち来るでしょ」



穂乃果「あ〜……来るかなぁ」


にこ「どうかしらね」


穂乃果「えっと、じゃあ紙芝居屋さんは?」


にこ「……」


穂乃果「?」


にこ「──さぁ、私らの準備は出来たわ」


穂乃果「?」


にこ「とっとと始めなさい」


穂乃果「……誰に言ってるの?」


にこ「だから、紙芝居屋さんよ」




【聞き間違い】



穂乃果「〜♪」ペラ


「──えぇ。そうですね」


海未「ふふ、本当ですか?それは大分匂いが強いのではないのですか?」TEL


穂乃果「……あっはっはっ!この巻おもしろーい!」ペラ


海未「なるほど、そうですねぇ……」



海未「それでは"仄かに香りますね"」


穂乃果「ん?」ピク



海未「ですが、それだとやはり──」


「はい」スッ



海未「……はい?」


穂乃果「誰なの?」


海未「…………何がですか?」


穂乃果「だから、電話の相手」


海未「……凛ですが、」


海未「──あ、違います。今は穂乃果と話していまして」


穂乃果「代わるよ、はい」


海未「……何故、アナタと代わらなければならないのですか」


穂乃果「え?だってさっき言ってたじゃん」



海未「意味がわかりません」シッシッ


穂乃果「!」


穂乃果「ひっどぉーい!シッシッて、穂乃果イヌじゃないんだよ!?」


海未「凛、すみませんでした。ちょっとイヌに邪魔されてしまいまして」<イヌイルノ-!?


穂乃果「!?」


海未「えぇ、大丈夫です。先ほど躾け終わりましたので」


穂乃果「海未ちゃん!」


海未「っ」


海未「……ちょっと、失礼しますね。」スッ



バンッ


穂乃果「!?」


海未「なんなんですか!?さっきからアナタはっ!!」


穂乃果「だからぁ!!穂乃果に代わるって言ってたじゃん!!」


海未「そんな事言ってません!!」


穂乃果「言ったよ!穂乃果に代わるって!」


海未「……分かりました。そんなに凛とお喋りしたいのであれば、どうぞ代わって頂いて結構です」


穂乃果「むかっ」



穂乃果「穂乃果が言ったんじゃありません!海未ちゃんが言ったんですぅ!」


海未「と、言う夢を見たのでしょう?正直に言いなさい」


穂乃果「〜ッッッ」


穂乃果「海未ちゃんのバーカ!」


海未「なぁ!?」


海未「バカは貴方ですっ!!さっきから幼稚園児みたいに訳のわからない事を延々と!」


穂乃果「穂乃果は幼稚園児じゃない!!」



海未「幼稚園児ですっ!!私がいつ!貴方と代わるだなんて言いましたか!?」


穂乃果「さっき言ってたじゃん!!それでは穂乃果に代わりますって!!」


海未「絶対に言ってません!!悪いのは耳ですか!?頭ですか!?それとも両方!?」


穂乃果「〜ッ!!!」


穂乃果「このぉおおおおッッッ!!!!」バッ


海未「上等ですっっっ!!!!!!」ザッ



「そーやっていっつも穂乃果のこと馬鹿にしてぇええええっ!!!」グイッ


「しょうがないでしょ!?ホントにお馬鹿なんですからぁ!!!」ガシッ


ドンガラガッシャン!!!



ことり「……」



ことり(なぁ〜んでことりの部屋でケンカするのかなぁ……)


<イヌマダイル-?



【若さゆえ】



「〜♪」ペラッ



にこ「……」


絵里「〜♪」


にこ「──あのさ、」


絵里「ん?なに?」


にこ「前から言いたかったんだけど」


絵里「?」


にこ「絵里ってさ……」



にこ「若々しさが無いわよね」


絵里「……」



絵里「ぇええっ!?」ガタッ


にこ「……」


絵里「あ、あなた……突然なんてこと言い出すのよ!?」


にこ「えーっと、その……ね?」


にこ「メガネして膝にブランケット掛けて、日向ぼっこしながら本読んでるアンタ見てたらさ?」


にこ「なんて言うか……若くないなぁって感じがしたのよ」


絵里「はぁあああ!!?」


にこ「こーゆー外人のお婆ちゃん、テレビで見たことあるなぁって」



絵里「っ」イラッ


絵里「……なら、私も言うけどさ?」


にこ「?」


絵里「にこも結構、人のこと言えないと思うわよ?」


にこ「はぁ!?なんでよっ!」


絵里「見た目は思いっきり十代だけど、髪下ろしてスーツ着たら……」


絵里「ね?」


にこ「……ね、ってなによ」


絵里「ほら、なんて言うか」



絵里「バツイチ子持ち、男うんざりのOLって感じ?」


にこ「……っ」イラッ


絵里「まぁ、正直希も似た様な雰囲気あるんだけどね」


にこ「……さっきの撤回するわ。」


絵里「?」


にこ「あんたはね、ババくさいのよ」


絵里「ば──ッ!」


絵里「ババくさいですってぇ!!?」ガタッ


にこ「えぇ。そうよ」



絵里「こんな若くてピチピチした私の何処がババくさいって言うのよ!?」


にこ「まず、その"ピチピチ"って表現に全く若さを感じないから」


絵里「〜ッッッ」ブチッ


にこ「さぁ、認めなさい。自分が若年寄りだってことを」


絵里「……あのね?」


にこ「なによ、お婆ちゃん」


絵里「私、この間聞いたのよ?」


にこ「は?」



絵里「アナタ……部室に自分しかいないと思って油断してたでしょ?」


にこ「な、なにが?」


絵里「実はあの時ね?隣の部屋に居たのよ、わたし」


にこ「一体なんの話し──ッ!?」


にこ「ぁあああっ!!?」


絵里「思い出してくれた?」


にこ「言うな!!だまれ!!全部忘れなさいっ!!!」


絵里「結構大っきかったわよ?」


絵里「にこのオ」にこ「きぇえええええええええぃっ!!!!!!」



にこ「ハァッ!ハァッ、ハァ……ッ」


絵里「どうしたの?そんなに慌てて」


にこ「……このバカ!ポンコツ!!」


絵里「っ」イラッ


絵里「……まだあるのよ?」


にこ「もぉーいいからぁあああ!!!!」


絵里「貴方が部室で一人、マンガを読んでた時の話なんだけど」


にこ「なんなの!?なんで続けるの!?若さと全然関係ないじゃないっ!!」



絵里「たまたま部室の外を歩いてた時にね?聞こえちゃったのよ」


絵里「窓が全開だったにも関わらず、貴方は大声で凄く素敵な感想を言ってくれたわ」


にこ「か、感想……っ?」


絵里「きっと、恋愛マンガでも読んでたんでしょうねぇ。凄く可愛らしかったわよ?」


にこ「〜ッッッ」ドキドキッ


絵里「外にまで聞こえる声で、貴方はこう叫んでいたわ」




『にこもこんなチューしてみたぁーーいっっっっ!!!!!!』


絵里『!?』ビクッ




絵里「──って、」


にこ「」


スッ


にこ「……」スッスッ


絵里「スマホなんて出して何してるの?」


にこ「……」スッスッ


絵里「ん?」


にこ「……いまから、μ'sのみんなにLINE送るのよ」スッスッ



絵里「なんで?」


にこ「みんなに知ってほしいから」


にこ「こないだアンタがやらかした、トンデモ話しをね」


絵里「え、私なにかしたっけ……?」


にこ「忘れちゃったの?ついこないだの事じゃない」


絵里「???」


にこ「ほらぁ、アンタ自販機のお釣り出てくるとこで拾ったじゃないのよ」



絵里「自販機……」


にこ「"コ"で始まって"ム"で終わる」


絵里「……」


にこ「あの時、頼んでもいないのにワザワザ開けて見せに来てくれたじゃないの」


にこ「あの時のアンタ、ほーんと可愛らしかったわよぉ?」ニヤニヤ




絵里『ねぇねぇにこ、そこの自販機で変なグミ拾っちゃったわ』


にこ『!?』



にこ「って言ってさ?」


絵里「……」


絵里「ッッッッッ!!!!!!!!」


にこ「ちゃんと文章に残しておくわね」


絵里「ぜっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっったいに!!ダメッ!!!!」


にこ「もう打ち終わったにこ♪」


絵里「ダメダメダメッ!!ほんとダメだからぁ!!!」



にこ「あ〜送信ボタンに指がぁ〜」


絵里「ほんとにダメェ!!お願いだから黙っててよ〜っ!」


にこ「難しい注文だわ〜」


絵里「だって……っ///あんな道具だったなんて知らなかったんだもんっ!!」


にこ「あの時のアンタの台詞、そのまま録音しとけば良かったわ〜♪」


にこ「なんてったって、アレを本気でお菓子か何かだと思ってるんだもの。ねぇ?」


絵里「っ///」



絵里『最近のグミって、こんな風に個別包装されてるのね〜』


にこ『ちょ、ちょっと絵里……っ』


絵里『この、真ん中の膜みたいなのは一体なんなのかしら?』


にこ『あの……』


絵里『うわ、なんだかこれ……』



絵里『ヌルヌルするわ!』


にこ『///』



にこ「かなり危ない発言よね〜」


絵里「もうやめてぇ!!///」


にこ「んじゃ認める?」


絵里「なにをよぉ!」


にこ「あんたがババくさいってこと」


絵里「イヤッ!!」


絵里「それに!にこが擦れたOLみたいって言うのはホントの事だもん!」


にこ「まだゆーわけ!?」


<ババクサイノハホントノコトデショ!?


<ワタシノホウガタンジョウビアトダモン!!




希「……」


希(……録音完了〜♪)




【超くちゲンカ】



「それでさぁ?私、店員に言ったのよ」



にこ「こんな裏地じゃ"乳首"擦り切れちゃうじゃないのよ!ってさ」


絵里「そんなにゴワゴワしてたの?」


にこ「ゴワゴワって言うか、チクチクって言うか……」


凛「あ〜、でも何となく分かるにゃ〜」


ことり「凝ったデザインだと、偶に肌触りそっちのけな物もあったりするからねぇ」


にこ「そうそう。」



にこ「とにかく、裏地に乳首が当たっt」


バンッ


にこ「!?」


絵里「ひっ!」


「にこっ!!」


にこ「な、なによ!?」


「貴方は……っ」


にこ「は?」


海未「貴方は大きい声でなんて事を言ってるんですか!!」



にこ「はぁ!?」


絵里「〜ッッッ」バックン バックン


海未「そそ、そんな……ち……」


海未「ち、ち…っ…だなんて……っ!」


にこ「???」


海未「恥を知りなさいっ!!」


にこ「意味わかんないわよっ!!」


海未「だからぁ!!そのっ、ちっ……ち、」



にこ「なに!?はっきり言いなさいっ!!」


海未「ち、クビ……のことですっ!!!」


にこ「乳首くらい何だってゆーのよ!」


海未「!?」


にこ「あんたが過剰に反応してるだけでしょーが!!」


海未「女子らしくもう少し恥じらいを持ちなさいと言っているのです!!」



絵里「し、心臓が……っ、心臓がぁ……」ヨロ…


凛「ほらほら、叩いて叩いて」トントン


穂乃果「あーあ、また始まったー」


ことり「あ、あはは……」



にこ「乳首くらい恥でもなんでもないわよっ!!あんたもこの手の話題に少しくらい耐性持ったらどーなのよ!?」


海未「羞恥心を無くす様な真似をするくらいなら耐性など要りません!!」


にこ「こんなもん世の一般レベルの会話でしょーが!」


にこ「大体!あんな単語にも過剰反応してたらアンタ、この先どーやって生きて行くつもりなのよ!?」


海未「世の中がどうこうでは無く!女子本来の理想像を少しは追ってみたらどうなのかと言っているのですっ!!」


にこ「あんたは昭和時代の人間なのっ!?よくもそんな古臭い考え方が出来たもんだわ!もう少し今の時代に馴染みなさいよね!!」



海未「だ、誰が古臭いんですか!!」


にこ「アンタがよっ!!」


海未「そもそも!慎みと恥じらいを持つのに昭和も何も関係ありません!!貴方こそもう少し女性らしい生き方を学びなさいっ!!」


にこ「女性らしいでしょーが!!ファッションにコスメに大忙しなのよっ!!コレに女性らしさがないってゆーの!?」


海未「佇まいや立ち居振る舞いが成っていないと言うのです!外側だけ着飾った所でそれはただの紛い物でしかないんですっ!!」


海未「ゴミ袋をリボンで結んだって、所詮それはただのゴミ袋でしょう!?」


にこ「アンタ、私のことゴミ袋って言いたいわけ!?」



海未「物の例えですっ!!」


にこ「例えにしたってあり得ないでしょ!?アンタ馬鹿なんじゃないの!?」


海未「ば、バカ!?貴方に馬鹿なんて言われたくありませんっ!!」


にこ「てゆーか!見た目がモッサリしてるアンタに外見がどーのこーの言われたくないのよっ!!」


海未「モッサリ!?あなた今モッサリと言いましたかっ!?」


にこ「モッサリ以外のなんなのよ!!」


海未「モッサリって言わないで下さい!!」



凛「……すっごいにゃ」


絵里「……ね。」


希「わぁ〜」


穂乃果「──にこちゃんがμ'sに入ってから、ずっと思ってたんだけどさ」


希「うん?」


穂乃果「海未ちゃんと対等に言い合い出来るのって、にこちゃんくらいなんだよねぇ」


希「あ〜、確かに」


穂乃果「まず、穂乃果はあんなにスラスラ言葉出て来ないし」


凛「わかるわかる。正直、今も何言ってるかよく分かんないもん」



ことり「私はなんか気圧されちゃって……」


花陽「私も、あんなにハキハキ喋るのはちょっと……」


絵里「なんでか知らないけど、あの二人相手だといっつも根負けしちゃうのよね」


希「ウチは負けそうになったらワシワシしちゃうからな〜」


凛「希ちゃんは負けなくてもワシワシするにゃー!」


希「あら、そうやったっけ?」


\アッハハハ!/


海未「チンチクリンっ!!」


にこ「モッサリ女っ!!」



───




ポロロ~♪



「……」



ポロロロ~♬


ジャ-ンッ!



「……」ガタッ




真姫「……今日は歌練のハズなんだけど」




【コブシを効かせて】




〜音楽室〜



真姫「……」



絵里「ぁ、〜♪」



真姫「……」



絵里「ぁ、ーっ!っ!」



真姫「……」



絵里「ぁ、ーーーーっ!!」




絵里「──あ、」


真姫「待って」


絵里「え?」


真姫「……アナタ、もしかしてワザとやってるの?」


絵里「なんの話?どこかおかしかった?」


真姫「えぇ。盛大におかしかったわ」


絵里「変ね……音程も外した覚えは無いし、リズムも崩れてなかったと思うけど」


真姫「そうね、そこは問題無かったわ」



絵里「でしょ?きっと真姫の勘違いよ」


真姫「……そう。」


真姫「言われなきゃ分からない事って、結構あるものよね」


絵里「どーゆーこと?」


真姫「絵里、アナタなんで──」


真姫「歌い出しに"あ"って入れるのよ」


絵里「?」


真姫「不思議そうな顔するんじゃ無いわよ!入ってるのっ!"あ"って!!」


絵里「……大丈夫?真姫」



真姫「どーして!アナタに!心配されないといけないのよ!!」


絵里「だって、本当に何を言ってるのか分からないんだもの」


真姫「〜っ」


真姫「……いいわ、これを聴きなさい」pi!



『ぁだって〜かの〜せ〜感じたんだ〜♪』


『ぁそ〜だ〜すす〜め〜♪』


『ぁこ〜かいしたくない、め〜のまえに〜♪』


『あっぼくらの〜みちがある〜♪』


ジャジャーン!



pi!


真姫「……分かったかしら?」


絵里「私、上手ね」


真姫「シャラップ!!!」


真姫「貴方やっぱりポンコツよ!!」


絵里「!?」


絵里「ちょっと真姫!それ禁句よっ!!」


真姫「ポンコツだからポンコツって言ってるのよっ!!悪い!?」


絵里「どこがポンコツだってゆーの!?」



絵里「容姿端麗!頭脳明晰!文武両道!!」


絵里「この私の!一体何処らへんがポンコツだってゆーの!?」


真姫「自分で言うわけ!?自信過剰も良いとこだわ!信じられないポンコツねっ!!」


絵里「事実なんだから別に良いでしょ!」


真姫「最近のアンタはっ!!」


絵里「!」


真姫「行動も!言動も!全てがポンコツ!」


真姫「ポンコツパレードよ!!」



絵里「きいぃぃぃっっ!!その響きムカつくのよぉ!!」


真姫「じゃあ今すぐ"あ"って言うの直しなさい!!」


絵里「だからぁ!別に変じゃなかったでしょ!?」


真姫「演歌みたいに聴こえるからなんかダッサいのよっ!!」


絵里「〜っ」


絵里「……」


真姫「……なによ。」



絵里「……」


絵里「あのさ」


真姫「なに」


絵里「その演歌って、どーゆー曲なの?」


真姫「……」


スッスッ


真姫「はい」


絵里「?」



【you○ube】


ぁっなぁみのぉ〜たぁにまにぃい


いのちのぉおはなぁああぁっがぁあぁぁ


ふうたつぅうなぁるぁあんでぇ


ぁっさいぃいいていぃぃるぅぅうう



真姫「これが演歌よ」


絵里「……」


真姫「流石にここまでとは言わないけど」


真姫「アイドルソングでコブシ効かせて唸る様に歌うって、スカートを膝下10センチ位まで下げる様なものよ?」


絵里「……」


真姫「ダサいでしょ?」


海未「それが普通なんです」


真姫「フレッシュさのカケラ……も……?」


真姫(……いま、なにか)



絵里「……」


真姫「ま、まぁ。今すぐ直すのは難しいかも知れないけれど」


真姫「私も協力するから、徐々にでも──」


絵里「ハラショー」


真姫「え?」


絵里「ハラショーよ、真姫」


真姫「は?」



絵里「この曲、とってもハラショーだわ!」


絵里「こんな情熱的な曲、初めて聴いた!」


真姫「……」


絵里「クラシックとも違う、ドラマチックでサスペンスな展開がとても胸に来るわ!」


真姫「……そう。」


絵里「演歌……演歌ね、分かったわ!」


真姫「?」



……タッタッタッタッ


「──ひぇ〜、遅くなっちゃった!」


穂乃果「今日も歌練って言ってたけど、もうみんな来てるのかなぁ?」


<真姫っ!!


<なに、


穂乃果「──お?真姫ちゃんと絵里ちゃんの声がする。もしかして、まだ二人しか居ないのかな?」


穂乃果「よし、穂乃果も入r──」



<時代は演歌よっ!!


穂乃果「!?」



絵里「だから、次の新曲は是非ともこの演歌の要素を取り入れま──」「却下よ」


絵里「ど、どーして!?」


真姫「嫌だから」


絵里「私は好きなの!」


真姫「残念ね、μ'sの作曲家は私よ」


真姫「その私がダメと言ったら、例え廃校になろうともダメなの」


真姫「お分かりかしら?」



絵里「ケチ!ドケチのマッキー!」


真姫「ケチで結構よ、このポンコツ」


絵里「いいもん!じゃあ誰かとユニット組むから!」


真姫(なぜ?)


絵里「そして私が曲作る!!」


真姫「はぁ……。」


真姫「アンタが誰とユニット組もうが、拳効かせてダッサい曲歌おうが勝手だけど──」


真姫「μ'sの活動を最優先にしなさいよ?」



絵里「分かってるわよ!」


真姫「はいはい」


絵里「そうと決まれば、早速誘わなくちゃ」


真姫「……ちなみに、誰を誘うのよ?」


絵里「そんなの決まってるわ!」


真姫「?」


<穂乃果よっ!


<意味わかんない



穂乃果「……」



穂乃果「……誰か助けて。」




【重さの違い】



ガチャ


海未「お疲れ様です」



凛「お疲れさま」


穂乃果「……」


海未「おや、お二人だけですか?」


凛「多分、そろそろ来るよ」


海未「そうですか」


海未「──よいしょっと、」ドサッ


穂乃果「……」


海未「穂乃果?どうかしたのですか?」



穂乃果「……はぁ、」


海未「おやまぁ、貴方がため息とは珍しいですね」


穂乃果「……」テクテクッ


ストッ


穂乃果「……はあぁぁぁ、」


海未「ちょ、なんでワザワザ隣に……」


凛「どうかしたの?」


穂乃果「……」


穂乃果「昨日ね?」



凛「え?」


穂乃果「お昼にカップ焼きそば食べようと思ったの」


海未「はぁ、」


凛「……」


穂乃果「そのカップ焼きそばがね……なんかね……」


海未「……」


凛「……」


穂乃果「流しにね……ズゾォってね……。はあぁぁぁ……」



海未「……」ペラッ


凛「……」スッスッ


穂乃果「……聞いてる?」


海未「はい」ペラッ


凛「うんうん、聞いてる聞いてるー」スッスッ


穂乃果「……」


穂乃果「それでね?」


穂乃果「昨日のお昼にね、カップ焼きそばを食べようとしたんだよ。穂乃果は」


穂乃果「でね、アッツアツのお湯と穂乃果の愛情を並々と注いで、3分間待ったの」



海未「……」ペラッ


穂乃果「でも、結局その愛情は偽物だったから、流しに捨てに行ったの」


穂乃果「穂乃果、大人の女だからね」


凛「……」スッスッ


穂乃果「それに、所詮3分程度じゃ愛も何も実らなかったんだよ」


穂乃果「だから、3分間の中で冷え切ったお湯と思い出をさ、排水口へ流したんだ……そしたら……っ」


ダンッ


穂乃果「穂乃果の……っ、大事な愛の結晶だった麺と……っ!」



穂乃果「ついでにラブライブ出場の夢も!排水口の彼方に消えて行ったんだよっ!!」


海未「……」ペラッ


穂乃果「穂乃果はもう厳重に!それはもう厳重に注意してたんだよ!?」


凛「……」<タベナイデクダサ-イ!


穂乃果「捨てる前に湯切りの反対側をテープで止めてさ!?後はもうあらん限りの指ぢからで押さえてたんだから!!」


穂乃果「ホントにホントにホントにホントにホンッットに信じらんない!!」


海未「……」ペラッ


穂乃果「湯切りのトコだよっ!?あり得ないでしょ!?」



穂乃果「最後に要らない思い出と一緒にピッピッてしたんだよ!するでしょ!?そしたら……っっ」


凛「……」<カバンチャンデ!


穂乃果「なんか……ビッて音がして、中身がズゾォって……」


海未「……」ペラッ


穂乃果「穂乃果さ、待ってたんだよ?あの麺の帰りを……ソースとからしマヨネーズと一緒に……」


穂乃果「ほ、ほんと……信じらんないよぉ……っ」グスッ


海未「それはそれは」ペラッ


凛「そうだねー」ミンミ~


穂乃果「……」



ガチャ


絵里「お疲れさま」


凛「あ、お疲れ〜」


海未「絵里、お疲れ様です」


絵里「えぇ。お疲r──」


「ぅ絵里ちゃーんっ!!」ガバッ


絵里「わっ!?」


穂乃果「にひひぃ〜んっ!」グリグリッ


絵里「ど、どうしたの?穂乃果」


穂乃果「……あ、あのねぇ」グスッ



穂乃果「海未ちゃんと凛ちゃんがね?穂乃果の事いじめるのぉ」


海未「はぁ!?」ガタッ


凛「ちょっと!?」ガガッ


絵里「……二人とも、」


凛「違うからっ!!」


海未「穂乃果っ!!貴方は何を言ってるのですか!?」


穂乃果「だって、事実じゃん」



凛「あー分かった!凛たちが聞いてなかったから、きっとその腹いせだよ!」


穂乃果「ほらぁ!やっぱり聞いてなかったんじゃん!」


海未「そんな事はどうでもいいです!私たちは虐めてなどいません!」


凛「そうだよ!撤回するにゃ!」


穂乃果「撤回なんてしませーん!だって二人とも穂乃果の話ぜんぜん聞いてくれなかったじゃん!!」


凛「だからぁ!湯切りしてたら中身ごと流しに捨てちゃったんでしょ!?ただのマヌケじゃん!!」



穂乃果「ああーっ!!穂乃果のことマヌケって言ったぁーーーっ!!!言っちゃいけないのにぃーーっ!!」


海未「マヌケ以外のなんだと言うのですか!

どうせ加減もせずに振ったのでしょう!?」


絵里「ちょ、ちょっと……三人とも、」


ガチャンッ


凛「!」


穂乃果「!?」


海未「あっ」



花陽「……」



絵里「あ、あら花陽。お疲れ様」


花陽「……」


スタッスタッスタッ


ドスッ


花陽「…………はあぁぁぁ……」


絵里「……」


凛「か、かよちん?」


花陽「はあ〜ぁ……はあぁぁぁ……」



海未「め、珍しく機嫌が悪いようですが……」


花陽「……」


穂乃果「は、花陽ちゃん?もしかして何かあったの……?」


花陽「……」




花陽「……おにぎり落っことしたんです。」




【ライブ前】



「はふぅ……」



ことり「や、やっぱり緊張するねぇ。」


穂乃果「そぉ?穂乃果、なんだか張り切って来ちゃったよ!」


真姫「練習では完璧なんだから、後は落ち着くだけよ。大丈夫」


にこ「それより、コールどうしようかしら。やっぱりあの新技で……」


ことり「あ、あはは」


希「まぁ、ここまで来たら後は楽しむだけやん?気楽に行こうよ」



凛「凛ねぇ、今日は新しい事してみよっかなぁって思ってるにゃ」


絵里「あら、それじゃあMCは凛に任せようかしら」


ことり「……あー、」チラッ


花陽「〜っ」


ことり「は、花陽ちゃん?」


花陽「ッッッ」


ことり「……花陽ちゃん?」ツン


花陽「ひぃ!?」ビクッ


ことり「!?」ビクッ



花陽「は、は、はひぃ……っ、は、花陽は……元気ですっ……」ガタガタッ


ことり「や、やっぱり緊張するよねぇ」


花陽「うぅ……は、花陽……出来ればもう帰りたいですぅ」


ことり「あはは、実はことりも……かな」


花陽「……ちょ、ちょっとおトイレに行って来まぅ……」


ことり「う、うん。少し気を紛らわせてくるといいかも」


花陽「はひ……はぅっ」ヨロッ


ことり(し、死んじゃいそう……)



凛「あ!凛も行くー!」


穂乃果「穂乃果もー!」


真姫「私、飲み物買ってくる」


にこ「あ、にこにーはねぇ」


真姫「買わない」


にこ「……分かったわよぉ。私も行く」


コンコン


絵里「ん?」


希「はーい」



「あ、絢瀬絵里さんと東條希さんですか?」


絵里「は、はい」


「きゃー!」


「わ、私たちファンなんですぅ!」


希「あらま、それは嬉しいねぇ」


「よ、良かったら少しお話しさせて下さい!」


絵里「えっと……どうする?」



希「ん、ええんやない?まだ本番まで時間もあるし」


絵里「そうね。じゃあ、そこのテラスでお話ししましょうか」


「あ、ありがとうございます!」


絵里「じゃあことり。ちょっと出て来るわね」


ことり「う、うん。分かった」


希「ほなぁ〜」


ガチャ


バタンッ



ことり「……みんな行っちゃった」


ことり「……」


ことり「──ん?」


ことり(そう言えば、海未ちゃんは何処に行ったんだろう?)


ガタッ


ことり「海未ちゃーん?いるー?」


シ-ン……



ことり「……う〜ん。LINEしてみようかな」


ことり「……」スッスッ


ポヨンッ


ことり「え?」


……。


ことり(……今、そこのカーテン辺りから聴こえた様な……)ジッ


ことり「──んん!?」


……。



ことり「……なんか、もっこりしてる」


ことり「……」


スッ


海未「……」


ことり「!!?!?」


ことり「う、海未ちゃん!?なんでカーテンの中にいるの!?」


海未「……」



ことり「……海未ちゃん?」


海未「……」


ことり(も、もしかして寝てる……?)


ことり「あの、」


海未「──ご紹介ありがとうございます。」


ことり「へ?しょ、紹介?なにg」



海未「μ'sの園田海未ですぅ」ブツブツ


ことり「!?」



海未「えぇ、どうもはじめましてぇ。私、こう言う歌番組に出させて頂くのは初めてでして、はい。とても緊張していますぅ」ブツブツ


ことり(ちょ……)


海未「μ's全員で来られなかったのは残念ですが、その分、今日は精一杯頑張って行きたいと思いますので、宜しくお願いしますぅ。……え?さ、早速インタビューですか?えぇ、なんでも聞いてください」ブツブツ


海未「作詞を始めた理由ですか?そうですねぇ、お恥ずかしい話なのですが、私、中学生の頃ポエムを書いていまして……え?見せて欲しい?いえいえそんな!人様に見せられる程の物では……ファンの方から?そ、それじゃあ仕方ないですね〜、実は今日持って来てるんですよ〜」ブツブツ


ことり「……」



海未「稚拙なものですが、コレは私が中学生の頃に読んだ小説を元に、その時々に想いを馳せていた様々な出来事への、能動的な感性を表したものでして……はい?ち、違いますよ!そんな文学的なものではなくてですね!──へ?げ、現代詩賞!?大袈裟過ぎます!そこまで大層な物では……」ブツブツ



ことり「……」


ことり(……なんなの?これ、もしかしてライブの為のシミュレーション?)


ことり(いやでも、今日のライブと全然関係ない内容だよね……?)



海未「へ?この中から一曲ですか?……困りましたねぇ、今は私しか居ませんので、μ'sの楽曲は……。はい?わ、私のソロ!?突然過ぎませんか!?……もう、そんなに期待されたら断れないじゃありませんかぁ」ブツブツ


ことり(ソロ!?え、もしかして海未ちゃん……ソロデビューしたいの!?)


海未「──えへへ。な、なんだか恥ずかしいですねぇ。こんな全国区の番組で、ましてやソロで歌うだなんて……、へ?プ、プロのアイドルの方々も見ていらっしゃるのですか!?ドラマの抜擢も視野に入れてる!?」ブツブツ


ことり(ど、ドラマ!?何言ってるの!?)



海未「わ、分かりました!不肖園田海未。全国の皆さまへ、心を込めて歌わせて頂きます!」ブツブツ


海未「それでは司会の方、宜しくお願いします。」ブツブツ


海未「……チャララララ♪チャララララ♪」ブツブツ


ことり「……」


ことり(口で前奏入れてる……)


海未「ジダ-イノア-ラ-シニハ-♪サカ-ラエヌ-サダメ-♪♪」ブツブツ


───




海未「"嵐の中の恋だから"。園田海未さんバージョンでしたぁ〜、わーパチパチパチー!」ブツブツ


ことり「……」


海未「……へ?あ、アンコール!?」ブツブツ


ことり「!?」


海未「えー、皆さん。アンコールありがとうございます。今日このステージに立てて、私は本当に幸せです」ブツブツ


ことり「──ッ」グッ


ことり(……いや、ダメダメ。駄目だよ?ことり。抑えて抑えて、)



海未「え?海未ちゃん可愛いって……は、恥ずかしいですっ///、──はい?この曲の歌詞はどんな心境で書いたか、ですか?そうですねぇ。あの歌詞は変わりゆく世界と、変らぬ恋人同士の想いを比喩的な形で表したものでして」ブツブツ


海未「……は!?恋愛経験!?そ、そんなものありませんよ!──へ?海未ちゃん大好きって……っ///も、もう!からかうのはやめて下さい!あんまり言うと撃ちますよ?それ!ラブアローシュート♪」ブツブツ


海未「そぉ〜れ、バァーン♪バァーン♪」ブツブツ


ことり「」



ことり(──あ、ダメだ。叩きそう)



海未「うふふ♪ハートの弓矢で、貴方たちを狙い撃ちにしちゃうぞ♡」ブツブツ


ことり「ッ」グッ


ことり「──ね、ねぇ?海未ちゃん」ニコッ


海未「……」


ことり「えっと……そろそろみんな戻って来るし……ね?」


海未「……」


ことり「あ、あれ?海未ちゃん?」


海未「……」



海未「……なんですか?ことり」


ことり「へ?」



海未「私は今、精神統一の真っ最中なのです。どうか邪魔をしないで下さい」


ことり「せ、精神統一!?」


海未「コレをやる事で、心が前向きになり、確実な成功へのイメージが構築されます」


海未「つまり、試合前のルーティーンの様なものですね」


ことり「ルーティーン……?」


海未「はい。これこそ正に、究極のルーティーン……」



海未「ハイパーポジティブ・タイムです」


ことり「……」



海未「アイドルたる者、いつ如何なる時も油断してはならないのです」


海未「──では、精神統一の続きをしますので、失礼します」サッ


ことり「……」


海未「さぁ今夜も始まりました!ラジオ番組【海未の家そのだ】のお時間です!パーソナリティはお馴染みこの私、撫子うみみんがお送りしま〜す!」ブツブツ


ことり「……」


海未「今日のゲストはぁ!なんとなんと!あの伝説のアイドル声優、○森○子さんです〜わぁ〜ぱちぱち〜……」ブツブツ


──バッ!!!!!!



「ただいまー!遅くなってごめ──」



ことり「ふんっ!!!」ガシッ


海未「うぐっ!?」


穂乃果「!?」


ことり「ふぬうぅぅぅっ!!」ギュウゥゥッ


海未「んんんんんんんんんっっ!!?!?」


花陽「こ、ことりちゃん!?」


凛「凄いよっ!!カーテンにアイアンクローしてるにゃーっ!!」


絵里「貴方……何やってるの……?」



ことり「!?」パッ


海未「ぷはぁ!!」


絵里「!!?!?」


穂乃果「う、海未ちゃん!?」


海未「こ、ことりっ!!?一体なにを……っ!?」


ことり「ぁ……ぇ、えっとぉ……」


ことり「こ、これはぁ……」



にこ「(……アーティストが、楽屋で訳わかんない事やるって話はよく聞くけど)」ヒソヒソ


真姫「(えぇ。まさかμ'sの中に……しかも、依にもよってSMプレイだなんて……)」ヒソヒソ


絵里「……まさか、海未の事いじめてたの?」


ことり「違うからっ!!!」


ことり「こ、これはね?その……アレだよ」


穂乃果「あれ?」


ことり「!そ、そう!試合前の……えっと……アレ!」



凛「(試合って……一体なんの試合なんだろうね?)」ヒソヒソ


希「(多分、そう言う事の"しあい"なんじゃない?)」ヒソヒソ


ことり(うっ……ど、どうする!?どうやって誤解を……)


ことり(いっそ本当の事を……いや、多分誰も信じない)


絵里「(ね、ねぇ?ことりって、カーテン越しに人の顔を掴む癖があるの?)」


穂乃果「(う、う〜ん……そんな癖あったかなぁ……)」


ことり「あ、あのね?みんn」「μ'sの皆さん。」ガチャ


ことり「!?」



「次、出番ですので宜しくお願いします」




穂乃果「よしっ!みんな行こう!!」


絵里「えぇ。お客さんの期待に応えなきゃ」


にこ「さ〜て、にこのニューコールを披露しなきゃね♪」


凛「う〜っ、テンションMAXだにゃ!」


花陽「はぅ……まだ心の準備が……っ」


希「みんな〜楽しもうなぁ♪」


真姫「まったくぅ、はしゃぎ過ぎよ」


海未「……」


海未「──よし。行きましょう!」カッ



ことり「」




ことり「ふんっ!!!」ガシッ


海未「ぐぬぅっ!!?」




【おわりに】



にこ「──はいはい、お疲れ様〜」


穂乃果「いやぁ〜、お客さん来てくれたねぇ!」


にこ「そうねぇ、ありがたい事だわ」


にこ「──それとも、よっぽど暇なのかしらね?」


穂乃果「にこちゃん!」


にこ「うそようそ。観てくれるだけで充分嬉しいわ」


穂乃果「それにしても、なんだか変な感じするね」



にこ「そりゃあ、自分たちの日常を見られた訳だから、変な気持ちにもなるわよ」


穂乃果「でもさ?こうして見ると私たちって、見えない所でも結構仲良しだよね!」


にこ「まぁ、一部の子とは喧嘩ばっかりしてたけど」


穂乃果「あはは……。え、絵里ちゃんとか海未ちゃんは、中々頑固ってゆーか……ね?」


にこ「……私って、そんなにバツイチ子持ちっぽい?」


穂乃果「え"っ」



にこ「そんなに擦れたOLに見える?」ズイッ


穂乃果「ぅっ……」


にこ「どーなのよ」


穂乃果「で、でもさ!にこちゃんはきっと30歳になっても今と変わらなそうだから、それはちょっと羨ましいかなぁ……なんて、」


にこ「当たり前でしょ」


穂乃果「へ?」


にこ「にこは永遠の美魔女にこにーなんだから、歳食ったって見た目は変わらないわよ」


穂乃果「……はは、」



にこ「それよりアンタ。結局、アレから絵里には誘われたの?」


穂乃果「アレから?どれから?」


にこ「ほら、例の演歌よ」


穂乃果「あー……うん、まぁ……」


にこ「じゃあなに?もしかして、本当に演歌歌ったの?」


穂乃果「……」


にこ「……」


にこ「……因みに、なに歌ったの?」



穂乃果「…………天城越え、」


にこ「ブッw」


穂乃果「アーッ!!?笑ったなぁ!?穂乃果頑張ったのに!全然興味ないのに頑張って歌ったのにぃ!!」


にこ「えw、絵里とアンタが天城越えってwwっ、二人してぇっwww」


穂乃果「〜ッッッ」


穂乃果「──にこちゃんだって!!」


にこ「〜っw、え?」



穂乃果「にこちゃんだってあるじゃん!!絵里ちゃんに聞かれてるじゃん!!」


にこ「!?」


穂乃果「部室で大っきなオ」にこ「つぉおおらああああああああっっっ!!!!!」ガバッ


穂乃果「──ッ!──ッッッ!!!」モゴモゴ


にこ「ハァッ、ハァッ……はぁ……っ」


にこ「まったく……このお馬鹿は……」チラッ



にこ「──あ?」




にこ「とっとと終わしなさいよっ!!!」ガタンッ



【おわり】



冬の在庫処分セールでした。


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2019-11-21 04:48:15

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