SCP-001-LL「まきちゃん」
アイテム番号:SCP-001-LL
オブジェクトクラス:Euclid
特別収容プロトコル:
現在、日本支部にて定期的にSCP-001-LLへの精密検査及び対照実験が行われています。
SCP-001-LLの▪︎▪︎である、▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎氏へ特別記憶処理を施した後、
氏が経営する▪︎▪︎▪︎総合病院をSCP-001-LLの監視、及び制御下へ置く為、
財団のフロント企業により国内の医療法人財団と提携、協力体制を取る事を強く推奨しています。
SCP-001-LLの身体能力は、同じ年齢の女性と比べた場合僅かに高い数値を示す程度であるため、特別な人員配置は必要ありません。
また、当該オブジェクトへ曝露した際、曝露した時間相当に対処出来る記憶処理を行う事で、その効果を打ち消す事が可能です。
説明:
SCP-001-LLは、今現在▪︎▪︎-▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎に通う日本人女性(本名:▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎)です。
SCP-001-LLに対し親愛の情、又は性的興奮を覚えた場合、対象は発話に異常性を示します。
(以下、曝露した対象をSCP-001-LL-aと表記します)
SCP-001-LLに暴露した対象は発話する言語全てが[まきちゃん]となり、この状態になったSCP-001-LL-aを一部の人間は"患者"と称します。
特に問題視されている事柄としてSCP-001-LLは日本国内及びアメリカ合衆国の一部で広くその存在を知られている人物だと言う事です。
これは、当該オブジェクトが▪︎▪︎内で所属している"アイドル研究部"と言う部活内にて発足され、
SCP-001-LLと共に同校に在籍している生徒▪︎名からなる部員達の宣伝活動(グループ名”▪︎▪︎”)による知名度の飛躍的な向上に依るものと思われます。
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【SCP-001-LLのテストログ】
SCP-001-LLに対する認知度と、五感の刺激によって齎される発話への異常性の検証。
対象が母国語での対話を希望した為、日本語での対話が可能な職員のみでこの実験を進めます。
尚、実験終了後に必要性の認められた被験者にはクラスA記憶処理が施されます。
担当職員:◾︎◾︎博士
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[試験概要と入力形式]
項目:五感名
被験者:志願者名
認知度:事前情報の有無
実験内容:五感それぞれへの影響
結果:被験者への曝露結果
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〈実験開始〉
項目:視覚
被験者:○○研究員 32歳(男性)
認知度:事前情報なし
実験内容:SCP-001-LLからは見えない様、マジックミラー越しに5分間注視させ、その間10秒毎に○○研究員へ発話を促した。
結果:2分40秒の時点で○○研究員の発する言葉に異常性が見られた
メモ:まきちゃん
追記:当該オブジェクトへの暴露は、発話だけでなく筆記にも影響を及ぼす様だ。
この段階では、典型的な認識災害と思われる
◾︎◾︎博士
項目:視覚
被験者:@@研究員 27歳(男性)
認知度:情報なし
実験内容:SCP-001-LLの記録映像を5分間注視させ、その間10秒毎に被験者へ発話を促した
結果:40秒の時点で@@研究員の発する言葉に異常性が見られた
メモ:まきちゃん
項目:視覚
被験者:××上級研究員 42歳(男性)
認知度:情報なし
実験内容:5分間SCP-001-LLの写真を注視させ、10秒毎に発話を促した。
結果:1分50秒の時点で××上級研究員の発する言葉に異常性が見られた
メモ:まきちゃん?
追記:実験を志願するのは大いに結構だが、本来の目的を見失わない様に。
◾︎◾︎博士
項目:視覚
被験者:△△研究員 29歳(男性)
認知度:口伝、視認による事前情報あり
実験内容:5分間SCP-001-LLの写実画を注視させ、10秒毎に発話を促した。
結果:開始直後の時点で△△研究員の発話に異常性が見られた
メモ:まきちゃん!
追記:前情報は無しだと言った筈だ。
◾︎◾︎博士
項目:嗅覚
被験者:##研究助手 36歳(男性)
認知度:情報なし
実験内容:SCP-001-LL、被験者共に目隠しと耳栓を装着。被験者に5分間SCP-001-LLの体臭を嗅がせる
結果:規定時間を過ぎても被験者の発話に異常性が見られなかった
メモ:私は一体何を嗅がされたんだ?花か?
項目:嗅覚
被験者:##研究助手 28歳(男性)
認知度:性別、生い立ち
実験内容:前記と同じ装備のままSCP-001-LLの名前、年齢、性別の情報を与えた後、
5分間SCP-001-LLの体臭を嗅がせる。
結果:規定時間を過ぎても被験者の発話に異常性が見られなかった
メモ:実験は終わりだろ?彼女を見せてくれ
項目:触覚
被験者:○○博士 51歳(男性)
認知度:情報なし
実験内容:SCP-001-LLが3分間被験者の手に触れる。
結果:規定時間を過ぎても被験者の発話に異常性が見られなかった
メモ:アレは女の子の手かい?
項目:触覚
被験者:○○博士 51歳(男性)
認知度:年齢、性別、生い立ち
実験内容:前記と同じ
結果:発話に異常性は見られなかったが、被験者が突然手を握り返した為、SCP-001-LLが取り乱すハプニングが発生した。
メモ:報告書には書かんでくれたまえ。
追記:心理カウンセリングをお勧めします。
◾︎◾︎博士
項目:聴覚
被験者:☆☆研究員 27歳(女性)
認知度:情報なし
実験内容:約1時間、被験者がSCP-001-LLと会話をする。
結果:主に対象、被験者の生活環境についての話題を提供し合っていたところ、50分経過の時点で☆☆研究員の発話に異常性が見られた。
追記:
視認以外での発症はこれが初めてだ。
やはり性別、年齢に関わらず、SCP-001-LLの存在を認知した上で、彼女に対しある程度の知識と好感を持てば、それが暴露する要因となり得る様だ。
しかしながら、どうも本来の目的を見失っている輩が多いのも事実。
その為、ここで実験志願の募集を打ち切り、今後はDクラスを使う事とする。
◾︎◾︎博士
項目:味覚、触覚
被験者:D-3566
認知度:情報なし
実験内容:SCP-001-LLの頭髪を一本採取し、それを口に含ませる
結果:被験者は数秒間躊躇いの姿勢を見せた後、頭髪を口に含む。
10分間発話を促したが、被験者に変化なし
メモ:なんだって髪の毛なんか食わなくちゃならないんだ。
項目:味覚、触覚
被験者:D-2525
認知度:年齢、性別、生い立ち
実験内容:SCP-001-LLの頭髪を一本採取し、それを口に含ませる
結果:被験者は頭髪を口に含んだが、発話に異常性は見られなかった。
メモ:こう言う趣味はねぇんだけどよ。
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インタビューログ001-LL-1
インタビュアー:◾︎◾︎博士
対象:SCP-001-LL
前記:SCP-001-LLへのインタビューを行うと共に、被験者への物理的、精神的影響がどの程度の物であるかを観察する。
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<録音開始>
◾︎◾︎博士「こんにちは。SCP-001-LL」
SCP-001-LL「……どうも、」
◾︎◾︎博士「今日はご機嫌如何ですか?」
SCP-001-LL「見てわからない?」
◾︎◾︎博士「一見したところ、顔色は悪くない様に思われますが」
SCP-001-LL「……」
SCP-001-LL「……それと、その呼び方どうにかならないの?」
◾︎◾︎博士「規則ですので」
SCP-001-LL「……あっそ。」
◾︎◾︎博士「それでは、インタビューを開始します。」
◾︎◾︎博士「SCP-001-LL。貴方が、今現在置かれている状況を自覚したのはいつですか?」
SCP-001-LL「……さぁ、覚えてないわ」
◾︎◾︎博士「分かりました。それでは次の質問に移ります」
◾︎◾︎博士「貴方の異常性質について、それを行使していると言う自覚はありますか?」
SCP-001-LL「──あのね、」
SCP-001-LL「もしそんな自覚があったのなら、とっくの昔にどうにか制御しようと努力してるわよ」
◾︎◾︎博士「なるほど。」
SCP-001-LL「考え付く事はほぼ全て試したわ。けど、効果なんてまるで無くて……」
SCP-001-LL「そりゃあそうよね。そもそもコレの原因が分からないんじゃ、対処のしようが──」
◾︎◾︎博士「SCP-001-LL。申し訳ありませんが、コチラの質問にだけ答えて下さい」
SCP-001-LL「……ふんっ」
◾︎◾︎博士「次の質問です」
◾︎◾︎博士「SCP-001-LL。貴方はこれまでに、暴露した人物がその異常性質を喪失したところを目撃した事がありますか?」
SCP-001-LL「……無いわ。」
◾︎◾︎博士「それでは、貴方自身暴露した人物について、どの程度の理解がありますか?」
SCP-001-LL「あの人達の事については何も知らないわ。気付いたらみんな、まきちゃんまきちゃん言ってたんだもの」
SCP-001-LL「余りにも患者が増えるものだから、パパが別棟を作ってそこに収容してくれたのだけれど」
SCP-001-LL「それでも、私に会う人みんながあーなるものだから、隔離病棟にも限界が来てる様だわ」
◾︎◾︎博士「──ふむ。それについては、現在財団のフロント企業と提携して、病院側への資金援助をさせて頂いています。なので今のところ隔離棟については問題無いかと、」
SCP-001-LL「……それには感謝するけど、そもそもの原因をどうにかしないと、延々に隔離病棟ばかり建造する事になるわよ?」
◾︎◾︎博士「だからこそ、我々は貴方を確保、収容し、そして保護しているのです」
SCP-001-LL「保護……ね。」ギシッ
:徐に上体を反らすSCP-001-LL
SCP-001-LL「ふぅ……」スッ
:組んでいた足を組み替え、頬杖をつく仕草を見せるSCP-001-LL
◾︎◾︎博士「……」ゴクッ
SCP-001-LL「……それで?」
:◾︎◾︎博士に対し、少し煩わしそうな表情を向けるSCP-001-LL
SCP-001-LL「質問はもう終わりかしら?」
◾︎◾︎博士「……ゴホンッ」
◾︎◾︎博士「ええ。……それでは」
SCP-001-LL「……」
◾︎◾︎博士「次の質問をしまきちゃん」
◾︎◾︎博士「──ッ!!?」
驚愕の表情を露わにする◾︎◾︎博士
◾︎◾︎博士「まきちゃん!?」ガタッ
SCP-001-LL「……」
突然立ち上がり、激しく動揺を示す◾︎◾︎博士
◾︎◾︎博士「ど、どうして……まきちゃんがまきちゃん!」
SCP-001-LL「……はぁ、」
◾︎◾︎博士「まきちゃんまきちゃん!まきちゃんでまきちゃんがまきちゃん……っ」
何かを必死に伝えようとしているが、暴露後のため、通常の言語を使用できない◾︎◾︎博士
◾︎◾︎博士「まきちゃん…まき……ちゃん」
SCP-001-LL「……」
SCP-001-LL「ご機嫌いかが?」
◾︎◾︎博士「……まきちゃん。」
<インタビューログ終了>
メモ:
同性である私ならば、当該オブジェクトへの暴露はあり得ないと思いインタビューに望んだワケだが、ほんの僅かにでも劣情を抱いてしまうだけで曝露対象になり得てしまう様だ。
──だが、誓って言う
私はレズビアンではない。
実験終了後、◾︎◾︎博士はクラスA記憶処理を施され、通常業務へと復帰しました。
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インタビューログ 001-LL-2
インタビュアー:◾︎◾︎博士
対象:SCP-001-LL-α
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<録音開始>
◾︎◾︎博士「えぇ。そ、それではインタビューを開始します。」
SCP-001-LL-α「まきちゃん」
◾︎◾︎博士「……先ず最初に、貴方の名前を教えて下さい」
SCP-001-LL-α「まきちゃん」
◾︎◾︎博士「くっ……で、では、貴方はご自身の現状を理解していますか?」
SCP-001-LL-α「まきちゃん」
◾︎◾︎博士「わ、分かりました……。では、次の質問に移ります」
SCP-001-LL-α「……」
◾︎◾︎博士「今の貴方は、その単語以外で発話することは可の──」
SCP-001-LL-α「まきちゃん!」
◾︎◾︎博士「クソッタレ!インタビューは終了だ!」
◾︎◾︎博士「おい!コイツと私に記憶処理を頼む。」
SCP-001-LL-α「まきちゃん!」
追記:
若い男性職員には、特に厳重に言い伝えておくように。
もし、汚染された職員が妄想に耽って、報告書の裏に写実画でも描こうものなら、
サイトの人間は疎かO5の連中すらも汚染される事態になり兼ねない。
社会的地位を失ってもいいと言うのならば、今すぐ彼女の部屋をノックすればいい
ただ、いま現在サイト内にて、必死の思いで彼女に似合う花を探している男性職員どもにこれだけは言っておく
記憶処理で失う様な薄っぺらい感情は、恐らく一過性のものだろうと
欲望を発散させた後、紙屑以外に一体なにが手元に残るのか、
それをよく考える事だな。
◾︎◾︎博士
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本作品は、SCP財団に掲載されている報告書
とは全くの無関係であり、登場する本家オブ
ジェクト・職員・機動部隊等の特性は、飽く
までも二次創作の範疇に限ります。
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このSSへのコメント