2021-02-25 21:33:57 更新

概要

海自陸戦隊所属の19歳中尉が呉に着任しました!...陸戦隊...?
初投稿です!コメント沢山欲しい!
ちょっとずつしか更新できません。結構皆さんに頼ります。(むしろ後書きで常に何か聞いてます。)


前書き

はじめましてよろしくお願いします。初めて小説を書きます。文才は無く、下手の横好きです。面白い、続きが気になると思った方は応援して下さると嬉しいです。
また、アドバイスや「こうして欲しい」と言う方はコメントお願いします。
また、自衛隊式の階級ではありません。
あと、安価(?)が後書きにあるんで、お願いします。
※追記。ミリタリーガバガバです。キャラ崩壊ご注意ください。


俺は和泉昌一。海自の陸上戦力の1つ(海兵隊に近い)の「海自第11陸戦隊」に所属している19歳中尉。なぜこんなに階級が高いかというと、深海棲艦の陸上戦力との戦闘で現場指揮官の多くが殉職したためである。


凛「隊長」


基地を歩いていると、同じくらいの歳の女性隊員に声をかけられる。


昌一「おう、なんだ凛」


彼女は清水凛(しみずりん)。同じ分隊でマークスマンを勤める女性隊員だ。


凛「金沢少将がお呼びです。1300時までに会議室へ」


金沢少将はこの基地の司令官である。


昌一「わかった」

凛「では、また後で」


敬礼する凛。俺も敬礼を返す。

1300に会議室だな。





少将「君は呉基地に転属してもらう」


こんなことを金沢少将が言う。


昌一「はい?」


失礼だとわかって居ても聞き返すしかなかった。




いきなり呉基地の所属にされた。

しかも呉基地は艦娘達がいる「鎮守府」だ。

いきなり転属って言われても...

まあ、いいや。えーと、確か駆逐艦が出迎えしてくれるって聞いたが、誰だろう...?





秋雲「新しい提督、まだかな!」


呉基地の門では、1人の艦娘が提督の着任を待っていた。彼女の名は秋雲。この基地でこの日唯一暇な艦娘だったらしく、提督の迎えと案内を任された。


秋雲「早く新作のテーマ決めないと行けないのに!」


彼女は趣味で同人誌を書いていて、それはかなり人気らしい。主に、基地開放日などに販売している。


秋雲「ん?あの人かな?」


海軍陸戦隊の迷彩服を着たかなり若い男性を見つけたので、近寄って


秋雲「提督ぅ!」と言うと、

昌一「うわ!?」


とかなり驚かれた。





秋雲「提督ぅ!」

昌一「うわ!?」


いつの間にか近くいた少女に元気な声で挨拶され、びっくりしました。うん。


昌一「えーと、確か駆逐艦の」

秋雲「夕雲...じゃない、陽炎型駆逐艦、秋雲さんだよ!提督、よろしくね!」

昌一「お、おう」


かなり元気な艦娘らしい。


秋雲「へぇ...」


急にこちらをジロジロと見てきた。


昌一「どうした?」


気になるので聞いてみると、


秋雲「本当に若いんだねえ」


と、言ってきた。


昌一「まあ、19歳だし」

秋雲「へえ!」


興味深そうにこちらを見上げる。


昌一「あ、俺は和泉昌一。中尉だ。艦隊の指揮は、後に来る月見中佐が採るから、実質的な提督は中佐になる」


そういうと、秋雲は首を傾げ、


秋雲「じゃあ提督は何するのー?」


と言う。


昌一「俺は艦隊の[陸戦]の訓練と指揮だな」




「提督が鎮守府に着任しました!1000時から第1会議室で挨拶を行います!」


呉基地にアナウンスが流れる。俺はそのアナウンスを聞きながらもう一度正門に向かっていた。この基地に配属される呉基地警備隊と陸戦隊の受け入れを行う為だ。基地警備隊は1個小隊32名、陸戦隊は2個中隊192名が着任予定だ。

それの車列に同乗して月見中佐がこちらに来るらしい。

お、早速見えてきた。

87式偵察警戒車を先頭に、軽装甲機動車、高機動車、73式小型トラックが次々と基地に到着した。

そのうちの73式の1台が俺の前に止まり、中から1人女性が降りてきた。


月見「和泉中尉」


月見中佐だ。実はこの人とは家族同然な程、仲がいい。


昌一「お待ちしておりました中佐」


敬礼。中佐も敬礼を行う。


月見「少し遅れてしまったな。済まない」

昌一「いえ。...どうされたのですか?」


すると中佐は頭を抱えて


月見「プレスの連中に邪魔された」


と言う。


昌一「プレス...報道陣ですか」


今の危機的状況下の日本でも、一部マスコミの軍に対する偏向報道が後を絶たない。しかも、そのマスコミはかなり大手企業の為、かなりタチが悪い。


月見「ま、気にするな。艦隊の指揮は私が行うから、小銃関係の訓練とか任せる」


昌一「は。...さ、1000から第1会議室で挨拶になります。」

月見「ああ。わかった。」


そう言って中佐は鎮守府施設に入って行った。

俺も第1会議室へ向かおう。




凛「隊長」


会議室に向かっていると、女性隊員に声をかけられた。ナンパかな?と思って振り返ると、迷彩服を纏った美少女がいた。

というか、我が隊のマークスマン、清水凛がいた。


昌一「え?」

凛「え?ってなんですか」


なんでいんの?と聞きたかったが、時間がない。


昌一「ごめん、時間ないから」


そう言って歩き出す。が。

(なんで付いてくるの?)

めっちゃ無音で付いてくる。

そのまま会議室に着いた。





月見「私は月見中佐だ。本日より呉基地鎮守府に着任した。艦隊の指揮は私が採る。」


会議室で中佐が挨拶する。それに合わせて、会議室にいる艦娘達が敬礼。さっき何人かの艦娘は廊下ですれ違ったが、礼儀正しい人達だ。


榛名「呉基地鎮守府第一艦隊所属、巡洋戦艦、榛名です。貴女が提督なのですね。よろしくお願いします!」


長い黒髪を揺らしながら挨拶する榛名さん。実はこの人とは友達だったりする。

めっちゃこっちちらちら見てるし。


昌一「俺は和泉昌一。中尉です。艦娘の皆さんとは小銃訓練などで関わると思います。」


俺も挨拶をする。

その後は、各艦娘の自己紹介などで会議は終わった。

...艦娘って美人しかいないのな。




唐突だけど、時雨だよ。

今、僕は基地内の屋内射撃場の入り口にいるんだ。

「暇な時に来ていい」って、和泉中尉は言ってたけど、僕は入って大丈夫かな。


昌一「入っていいよ」


いきなり後ろから声をかけられた。振り返ると中尉だ。


昌一「銃は申請すれば貸すし、君たち用の銃もあるから」

時雨「えっと...和泉中尉」


少し気になるので聞いてみる


昌一「僕達にも銃は支給されるのかい?」

時雨「うん。MP5が配られるよ。」


...?


時雨「中尉。...MP5って、なんだい?」

昌一「...まじですか?」





MP5知らないって...まじですか?

いや、これまで艦娘は銃使ってないって聞いてたけど、まじか...


昌一「時雨...でいいんだよね。知ってる銃ってある?」

時雨「...99式20ミリ機銃?」


お、おう。


昌一「人が持てるやつです」

時雨「...26年式拳銃?」


いつの銃だよ。


昌一「ま、いいや。とりあえず、みんなの教官は俺だから、訓練は月1は来いよ〜」

時雨「うん。了解だよ。」





榛名「昌一!」


ん。聞き慣れた声。


昌一「榛名?何?」


時雨と話していると榛名が来た。


榛名「しょーいち!何してるんですかー?」

昌一「ん、射撃場を見にきた」


そう答えながら射撃場の鍵を見せる。


昌一「お前ら用の武器庫も開けないといけんし」

榛名「...艦娘は陸上でも艤装を使いますよ?」


首を傾げながら言う。可愛い。


昌一「もし、敵に人質取られたらどう対処するんだよ?」

榛名「...専門の部隊を待つ!...ですか?」


そう答える榛名。


昌一「そんな時間ないときもあるかもしれん。」

榛名「なるほど...」


榛名さん納得の様子。

俺は射撃場の鍵を開け、扉を開ける。


榛名「わぁ...広いんですね。」

時雨「本当だ。僕らもここで撃つんだよね。」

昌一「そうだぞ時雨。」


俺は持って来ていたケースを開ける。


時雨「中尉。それは?」

昌一「これか?これは3自衛隊の主力小銃、89式小銃だ。陸上自衛隊から20式小銃に代わっていってるけど、まだこっちが主力だな」


そう言いながら小銃を組み立てる。海自の陸戦隊は二脚を外してピカティニーレールを付けている。俺はそこにレーザーポインター、グリップポッドを付けている。ちなみに、光学照準器にはホロサイトを付けている。


時雨「僕達の銃は?」

昌一「ん。ちょいまち」


そう言いながら武器庫にMP5を取りにいく。






...すげぇ。ここの弾薬庫。自衛隊なのにめっちゃ弾ある...!え?基地内で作ってるって聞いてたけどこんなに!?見たところ、5.56mm弾の他に7.62mmNATO弾、9mmPARAなどがある。とりあえず、各300発くらい貰ってもいいだろう。(この後めちゃくちゃ始末書書いた)






時雨「へぇ。軽い銃だね。」

昌一「まじですか?」


びびった。MP5を軽々と持ち上げる時雨さん。


榛名「艦娘の艤装はもっと重いんですよ!」


榛名が教えてくれたことをまとめると、艤装は大体榛名5人分の重さらしく、3、4キロ程度の銃は軽いらしい。一通りの操作を教えるとすぐ上達した。


昌一「距離50、単連射!撃て!」


9mmの軽い銃声が響く。今ので10発連続して撃ったが、マンターゲットの致命部に当てた。


昌一「いいじゃん」

榛名「いいですか?」


頷くと榛名は笑顔で


榛名「これでみんなを守れます!」


と、言った。可愛い。





はじめまして、榛名です!

まず初めに、私にとっての和泉昌一について説明しなければなりません。

彼との出会いは5年前。私は知らない砂浜に座っていました。私は軍艦として武装解除を受けたあと、気が付いたらあの砂浜にいたんです。(後で知った事ですが、あの日は4月19日。私の艤装が終了した日でした。)

そこをしばらく歩いていると、男の子が1人、座っていました。私はどこか儚いその男の子に話かけて見ました。


榛名「すいません。」

昌一「ん、はい」


彼は顔をあげ、こちらを見た。


(あれ、この人どこかで...)


その顔を見覚えがある気がしました。まあ、気のせいでしょう。


榛名「何をしているのですか?」


気になって聞いてみました。


昌一「...海を、見ていたんです。」

榛名「そうですか。海、好きなんですか?」


私は彼から情報を聞き出そうとしました。こうやって世間話から情報を知ろうと。

昌一「...いいえ。昔は好きでしたが、今は嫌いです」

榛名「...ならどうして、海を見ていたんですか...?」


彼は一瞬、言うか迷ったみたいです。一瞬、間を置いて


昌一「...ここにいたら、家族が帰ってくると思って」


と言いました。


榛名「...ご家族は、どうされたのです?」

昌一「...戦死しました。...轟沈した『みょうこう』の乗組員でした。」


彼はそう言いました。どうやら、両親は重巡『妙高』の乗組員だったようです。

...しかし、何か引っかかります。それならご両親が亡くなった理由にはならないはず。

なぜなら、我が帝国海軍は女性の徴兵を行っていないから。

それに『妙高』は戦後まで生き残ったはずです。轟沈はしていません。

その事を伝えると、


昌一「もしかして、艦娘の方ですか?」


と、彼は言いました。


榛名「艦娘...?」


彼はこの世の中について説明してくれました。艦娘のことに自衛隊のこと。戦後のことに世界情勢。

...この世界の敵のことまで。





深海棲艦。突如、ハワイ沖に現れた謎の生命体。

当時、海自が米海軍と合同演習を行っており、これに『みょうこう』が参加していた。

『みょうこう』は米海軍相手に対潜戦闘訓練を行っていた。ソナーでは相手の潜水艦が映っている。

あとはピンガーを打つだけだ。

その時。


ソナーにもう1隻の反応が現れた。

この潜水艦はとても音が大きく、記録には「大戦中の潜水艦のように大きい音」とあった。

この一瞬後、『みょうこう』の対艦レーダーに巨大な艦影が映る。しかも30キロ圏内。おかしい。近すぎる。唐突に現れた。これに対して、アメリカ空軍がスクランブル。警告しに向かった。


...3分後。警告しに向かったP8が撃墜された。それと同時にレーダーに小型の飛翔体が映った。

ミサイルかと思ったがロックオンされてない。

...その飛翔体は16inch砲弾だった。





...目が覚める。いつもこんな夢を見る。

両親はこんな光景を見ていたと思う。


昌一「そろそろ総員起こしか」


時計を見て身体を起こす。

さて、射撃場の鍵を取りに行こう。




射撃場の鍵を持って射撃場に向かうと、先客がいた。


昌一「えっと、明石さん?」


そう呼びかけると明石さんはビクッとこちら向いた。


明石「あ、中尉さんでしたか!」


俺を見て安心したように笑顔になる明石さん。


昌一「どうしたんですか?」


そう聞くと彼女は


明石「銃を一丁貸して欲しいです!」


と言ってきた。


昌一「何故?」


理由を教えてもらう。


明石「私はこの鎮守府の工廠責任者です。」

昌一「うん」

明石「分かりませんか?」

昌一「分かりません。」


それくらいわかんだろって言われた気分。


明石「私が銃の改良しますよ!」

昌一「ダメです」


改良してくれるのは嬉しいが、この銃は呉基地鎮守府の物。そのため月見中佐の許可が必要...月見中佐...あれ?いけるかも...


昌一「...いや、いいかも」

明石「じゃあ!!」


詰め寄ってくる明石。


昌一「いや、月見中佐の許可が必要ですよ」

明石「じゃあ、許可取って来ます!」


そう言って明石は執務室へ向かった。




その頃。榛名は昌一に会うために射撃場に向かっていた。


榛名(...?話し声がします)


榛名は息を潜めて廊下の角を覗いた。すると昌一が工作艦の明石と話している。その距離はかなり近い。


榛名(...え?)


榛名は少し、嫉妬心を抱いた。


榛名(...いいなあ。あんな近くで...)


榛名はこの時、何故こんな気持ちになっていたかわからなかった。


榛名(なんで?私、昌一にあんな近くで話されたことないのに...)


そのまま見ていると明石が離れていった。榛名は我慢出来ずに昌一の元へ向かった。




榛名「昌一」


明石さんを見送った後、射撃場の鍵を開けると榛名が来た。...一瞬、寒気がしたがまだ夏だ。気のせいだろう。


昌一「なんだ?榛名」


そう聞くと榛名は少し俺に寄りかかって来た。


昌一「おっと。本当にどうしたんだ?」

榛名「...昌一...少しだけこうさせて...」


何かあったのだろうか?


昌一「うん。いいよ」


榛名を支えると、榛名は少し安心したように目を閉じる。


昌一「...何かあった時は俺を頼っていいよ...?」


そう言うと、榛名はこくん、と頷いた。



0700

俺と榛名は食堂「間宮」に来ていた。朝ごはんを2人で食べていた。

ちなみに、艦娘は男性のほとんどが苦手らしく、唯一好かれるのは1割の「妖精さんが見える」男性だけらしい。(ちなみに俺は見える)それゆえかどうかは知らないが、結構艦娘が話しかけてくる。駆逐艦に至ってはスキンシップを取ってくる。

(ああいう小さい子に抱きつかれたら微笑ましい気分になるのって俺だけ?)


時雨「あれ、中尉さん」

夕立「ぽい?」


知っている声がするので顔を上げる。時雨と....誰?


昌一「おはよう時雨。その子は?」

時雨「おはよう中尉さん。この子は僕の妹の」

夕立「白露型駆逐艦四番艦、夕立っぽい!」


赤い目をした夕立。もしかして。


昌一「昨日、芝生広場で寝てた子?」

時雨「...夕立...」


そう言うと夕立は焦ったように


夕立「時雨、落ち着くっぽい!昨日は天気が良かったからつい...」と言った。

時雨「だから昨日の雷撃訓練に遅刻したんだ...」


時雨は夕立にこう言い放った。


時雨「夕立。今日のおやつは無しだよ。」

夕立「ぽいいいいいい!?」


なんか、仲良いな。


時雨「ところで中尉さん。」

昌一「ん、こういう時は昌一でいいよ」

時雨「...昌一。今日の射撃訓練、夕立達も参加していいかな。」

「うん。もちろんいいよ!」

「いいっぽい?」

「うん。...夕立?」


いつの間にか夕立が俺の膝の上で丸くなっていた。

気づかなかった。


夕立「なんか、昌一、いい匂いっぽい...」


そう言うと、寝息を立て始めた。


昌一「総員起こし過ぎてるぞ....?」


なんか、榛名にめっちゃ見られてる。


榛名「...昌一?後で榛名も甘やかしてくださいね?」

昌一「あっはい」


この後めちゃくちゃ甘やかした。





この鎮守府の射撃場は100mレンジ×20レーンの射撃場で実弾射撃用の的も多い。


昌一「総員弾込め!」


俺がそう言うと、皆一斉に装填する。


昌一「距離100!単連射!」


セレクターを「タ」に合わせる。


昌一「撃て!」


一斉射撃。みんな射撃の腕はいいが、早撃ちする奴もいる。ここは注意しなければ実戦ではすぐに死ぬ。


昌一「拳銃射撃!」


伏せていた隊員達が一斉に立ち上がる。腰からUSP9を取り出して素早くセレクターを「FIRE」の位置に変え、撃ち始める。距離は15mだ。


昌一「よし、状況終了!」





武器庫に89式小銃とUSP9を返し、昼飯を食べに行く。今日は我が隊のマークスマン、清水凛に脅され...誘われて昼を一緒に食べに行く。


凛「隊長」


来た。今は彼女も俺も海自のデジタル迷彩の作業服を着ている。


昌一「はやいな。まだ15分前だぞ」


凛「いえ、本当は隊長より早く待っていたかったのですが。」


その時。

警報音が鳴り響いた。


『鎮守府に侵入者です!警備隊及び陸戦隊1班は至急確保もしくは制圧を!』


そのアナウンスが終わる前に俺達は走り出した。






昌一「侵入者の数は!?」


インカムに呼び掛ける。すると艦娘の青葉から返答があった。


青葉『侵入者は4人、年齢は10代から20代と思われます!現在、駆逐艦寮に入りました!』

昌一「武器は!?」

青葉『持っていないかと』

昌一「了解!」

青葉『あ、でもスマホで鎮守府内を撮影してます。機密情報保護法違反で警察に叩き出せます!』

月見『中尉、月見だ。相手側が抵抗してきた場合、空に向けて威嚇射撃しても構わない。必ず確保しろ。』

昌一「了解」


俺達陸戦隊1班と警備隊は侵入者がいる駆逐艦寮に入る。すると青葉から


青葉『あ!連中時雨ちゃんを発見したみたいです!殴ろうとしてます!』

昌一「どこだ!」

青葉『廊下の突き当たりを左です!』


一気に走り抜ける。


昌一「うごくな!!基地警備隊だ!....あれ?」

時雨「あ、昌一、ちょうどよかった。この人たち、連れて行って欲しいんだけど。」


時雨が4人を気絶させていた。


隊員「と、とりあえずこの人達は確保しました。」


警備隊の隊員が折りたたみ式の手錠をつける。


昌一「お、お疲れ様ですー?」

時雨「?」


微妙な空気の中、時雨だけは微笑みを浮かべていた。





昌一「青葉、どうだ?」

青葉「どうやらあの人たち、鎮守府に侵入するって動画を配信してたみたいですよ」


青葉はその動画を見せてくれた。どうやら艦娘反対派の人間らしい。いや、自衛隊反対派か。


青葉「あの人たちは国の最重要防衛機密情報を配信しちゃったのでかなりの重罰が下ると思います。」

昌一「でも、これのおかげでマスコミとか基地を囲み取材しそうで怖い。」




数日後。

その通りになりましたぁ。

おしごとたくさんある(疲労)




「人間に攻撃した艦娘を解体しろ!!」

「艦娘の使用反対!!」


基地の入口付近で「艦娘反対」とか、「自衛隊反対」とか色々なプラカードを掲げて立ち往生する人達。正直、これだけの人が来られると基地警備隊だけじゃ手が回らないので、陸戦隊がお手伝い。


隊員『隊長、やばいですよ。多分1500人くらい来てます。平日なのに暇なんすかね』


昌一「こちら和泉、やべえな。マスコミも何社か来てるわ」


俺達、呉鎮守府陸戦隊(正式に結成)1班は鎮守府の屋上から双眼鏡でだいたい1.5キロ離れた基地の入口付近を監視していた。隣にいるのは清水凛。陸上自衛隊に装備されている対物狙撃銃「M82」を土嚢に載せスコープを覗いている。


昌一「清水、定時報告」

凛「異常なし。強いて言うならさっきから同じ黒いバンがウロウロしてる」

昌一「了解」


それを大淀さんに報告する。


昌一「大淀さん。こちら監視チーム1班。異常なしですが黒いバンがウロウロしてます」

大淀『了解です。ひき続き警戒を。』

昌一「了解です。交信終わり。」


俺はホロサイトを外してACOG4倍スコープを付けた89式小銃改のグリップポッドを開き、スコープを覗く。


大淀『こちら大淀。和泉中尉、提督に呼ばれています。』

昌一「?了解です。向かいます。」




昌一「艦娘陸戦隊の設立?」


執務室へ行き、月見中佐に渡された書類にはそう書かれていた。


月見「そうだ。呉鎮守府には保有する4個艦隊以外にも艦娘はいる。そこから1個小隊の艦娘陸戦隊を結成する。まあ、実際は臨検隊のようなものだ。」

昌一「その隊はどういう運用をされるのですか?」

月見「主に不審船の対処や敵基地への潜入、上陸作戦の支援等、様々な任務だ。」


そう言うと、今度は別の書類を見せられる。


月見「今度着任する艦娘だ。この子達は3か月陸上自衛隊で訓練を受けている。彼女達を中心に隊を創設する。訓練を君達陸戦隊に任せる。」

昌一「了解しました。...古鷹、神通、白露ですか」

月見「なお、装備はまだ決まっていない。外国から買うか、既存の小銃を使用するか。君の意見を聞かせて欲しい。」


俺は少し考え、


昌一「でしたら、89式小銃で良いと思います。」

月見「ふむ、何故だ?」

昌一「部品の統一も出来ますし、訓練で教えやすく、陸上自衛隊が20式小銃を配備し始めたので、簡単に用意出来るからです。」

月見「ふむ、たしかに。では、拳銃は?」

昌一「そこはUSP9で良いでしょう。海自陸戦隊ではUSPを装備していますし、信頼性もある。」

月見「そうだな。その方向で行こう。」







屋上の監視所に戻り、凛に話しかける。


昌一「凛、戻ったぞ。何もなかったか?」

月見「隊長、おかえり。向こうのデモ?隊の女性が倒れた。多分熱中症」


俺は双眼鏡でそちらを見た。ちょうど救急車が到着したみたいだ。


隊員『こちら監視チーム2班。陸自の「ニンジャ」から報告です。デモ隊が一部基地の反対側、鎮守府が1番近くに見える所に移動しました。そちらから約900mです。警戒を。』

昌一「こちら監視チーム1班。了解。...だそうだ凛、見えるか?」

凛「見えてる。...多分マスコミ、パンツァーファウストみたいなカメラで鎮守府を撮ってる」

昌一「なんだそりゃ」


双眼鏡で見てみる。


昌一「....いや、あれはグスタフだろ」

凛「どっちでもいい」


のってやったのに。


隊員『こちら監視チーム5班。...交代の時間です。』

昌一「お、了解」





時雨「昌一。ちょっと僕達に付き合ってくれないかな」

食堂行こうとしたら時雨、白露、夕立に捕まった。

昌一「なんだい皆」

時雨「あの、昌一は今週の土曜日、お仕事はあるのかい?」

昌一「ん?あー...休暇申請出せばいいかもしれん」

夕立「じゃあ、申請出しに行くっぽい!」

え、いま?

白露「いっちばーん!!」

白露が走り出す。

俺と夕立、時雨は歩いて行く。






榛名「...榛名は大丈夫じゃないです...」

夕立「あ、榛名さんも行くっぽい!」

榛名「...はい!榛名は大丈夫です!」




身分証を警備隊員に見せ、正面入口から出る。


昌一(うわ、めっちゃこっち見てる...)


デモ(?)隊はこちらをめっちゃ見てきた。中には写真を撮る者もいる。あれからデモ隊はここに4日留まった。

俺達はバスに乗ってとある場所へ向かう。この時に多くの人が声を掛けてきた。殆どの人は「この街を守ってくれてありがとう」という物だった。やはり、地元の人たちは艦娘に感謝しているらしい。

...たまにナンパもあったが、俺が追い払った。






昌一「着いたぞー」


夕立「着いたっぽい?」


俺たちは森林広がるサバゲー場にきた。


時雨「ここは...?」


時雨が尋ねる。


昌一「サバゲー場。中学生の時に参加したことあったから来た。みんなに言っとくけど、基本的なルールはあとで教えるけどそのルールは絶対厳守でお願い。あと、大きな声で挨拶する事。皆さんと仲良くゲームする事。」

「「「はーい!」」っぽい!」


よし。


昌一「銃借りに行こうか」






借りた銃はM4とCQB-R(俺はもちろん89)。


昌一「よろしくお願いします!」


とみんなで挨拶する。するとすぐに「よろしく!」とか

「頑張ろー!」と返事がくる。

今回は殲滅戦。俺たちの方針は「生き残る」ことだ。


「間もなくゲームスタートでーす!」


ピーーーーー!


「スタート!!」

「よしゃ、行くぞ!」


この後、俺は地獄を見ることになる....


昌一「は?弾速おっそ」

時雨「本物じゃないんだから」

昌一「あ、忘れてた」


べしっ!!


昌一「!?ヒットー!!」

榛名「昌一!?」

時雨「昌一ー!!」



2戦目


昌一「今度は行ける!!」パシュパシュ!!

『アイムヒットー!』

昌一「勝てる!勝てるぞおぉ!!」

??「あれ、中尉?」

昌一「ん?あれ?夕張?」

夕張「...」

昌一「...」


ぱしゅ!


昌一「どーしてだよおおぉ!!」


ヒットーー!!




今日の教訓。

みんな強い。





『和泉昌一中尉、至急射撃場まで来てください!』


基地に帰ると呼び出された。榛名達とはここで別れ、射撃場に向かう。




古鷹「あ、中尉。艦娘陸戦隊の装備届きました!」

昌一「はーい。中身確認したら試しに300発づつ撃ってくれ」

古鷹「了解です!」


この子は古鷹。艦娘陸戦隊2班のリーダーで階級は少尉相当艦。すごい優しい子だが、訓練ではかなり目がいいようで89式小銃の300m検定射撃では180発中178発を当てる。


昌一(...あれ?)


なんか頼んでない拳銃がある。M1911...?いや、そのシリーズではあるのだろうが、違う。


昌一「なあ神通、その拳銃なに?」

神通「ああ、M2011です。M1911の近代化モデルです。」

古鷹「中尉、神通のCQBは凄いんですよ!」

昌一「へえ」


スマホで神通の訓練を見せてもらう。


昌一「...神通って格闘徽章持ってんの?」

神通「はい」


こえええ!こんな穏やかそうな神通が格闘徽章って...

さっきの映像は陸自の隊員達を訓練用の模擬銃でばったばったとなぎ倒す物だった。

特殊作戦群で訓練でもしたのかな...


白露「中尉、はいこれ」

昌一「ん?」


白露が拳銃を渡してきた。件のM2011だ。


昌一「なに?」

白露「だから、これ中尉の」

昌一「え?」

白露「え?」

昌一「そうなの?」

白露「そうだよ」

昌一「聞いてないよ?」

白露「サプライズだもん」


...聞けば、榛名や時雨、その他艦娘が月見中佐に頼んで購入したらしい。ご丁寧にホルスターと予備弾倉もつけてくれた。


白露「私達はこれ」


そう言うと、白露はケースからGlockを取り出した。...17?...いや、少し違う。


白露「これはG34。命中率も高いし扱いやすい。」

昌一「へえ」

神通「提督、M2011の試し撃ちをしてはどうです?」

昌一「そうだな」


神通に言われて射撃レーンに向かう。






M2011を撃ってみる。思っていたよりも重い反動だが激しく銃が動く訳でも無く、ソフトな反動だ。グリップが手に良く馴染む。この銃、意外と好きかもしれん...




時刻は2000。もう自由時間だ。この鎮守府内では自衛隊の厳しさが多少軽減されている。日付が変わるまでは何をしていても構わない。


榛名「昌一」


廊下を歩いていると声を掛けられた。榛名だ。


昌一「どうした?榛名」

榛名「少し、付き合ってくれませんか?」

昌一「いいよ」


榛名はこっちです、と踵を返す。しばらく歩くと戦艦寮に着いた。その中の『金剛型』と書かれた部屋に入れられた。


昌一「榛名、用事って...?」

榛名「昌一。今日は何の日か、わかりますか?」

昌一「へ?」

榛名「ですから、今日は何の日かわかりますか?」

分かりません!

昌一「えっと、何の日?」

榛名「それはですね...」


そう言った瞬間、


「「「Happybirthday!!!」」デース!!!」


と、金剛型の3人がクラッカーを炸裂させて入ってきた。


昌一「おわああああ!!????」


ついみっともなく叫んでしまった。







昌一「とりあえず、祝ってくれてありがとう。金剛のスコーンも美味しかったよ」


あの後。俺たちは金剛が淹れてくれた紅茶を飲みながら1時間程話した。


金剛「どういたしましてネー!また来てヨー!!」

昌一「うん、また今度な」


昌一「比叡に榛名、霧島もありがとう」

比叡「昌一、また来てくださいよー!」

榛名「ええ、榛名でいいならお相手しましょう!」

霧島「ええ隊長、では」


そう言って、俺は自室へ向かおうとした。


が。


響き渡るサイレン。窓の外にぽつんと小さい明かりが一瞬灯る。...爆発..!?


『沿岸部に敵が出現!!これは訓練では無い!!陸戦隊及び全艦娘は装備を整え待機せよ!!これは訓練では無い!!』


放送が流れる。


昌一「榛名達は艤装を装備して艦隊に合流しろ!!」

榛名「は、はい!」





月見『中尉、今、海田市駐屯地から第46普通科連隊が向かっている。だが、確実にこちらの方が近い。彼らが着くまで呉の防衛を行ってもらう。』

昌一「了解。あと、艦娘陸戦隊を1班同行させます。」

月見『わかった。交信終わり』

昌一「よし行くぞ!全員乗車!!87式偵察警戒車を先頭に呉へ向かう!!」






呉の一般人はすぐに避難したかシェルターに入ったらしい。普段から避難訓練を行っているおかげだ。


昌一「全員暗視装置持ってるよな」

隊員「あります」


時刻は2130。街灯はまだ着いているが、それでも暗い。


昌一「艦娘陸戦隊のみんなはそこの建物の屋上からオーバーウォッチ。なんかあったらすぐに報告して」


古鷹『了解です』


今日俺たちに同行しているのは艦娘陸戦隊2班。班長は古鷹。主に狙撃任務を担当する。古鷹はB&T社製の「SPR300」消音狙撃銃を装備している。他の艦娘は「20式2型7.62mm小銃」を装備している。これは豊和工業の「20式5.56mm小銃」の口径変更版で艦娘陸戦隊に試験配備となっている。




古鷹「中尉、こちらオーバーウォッチ。敵発見しました。第1小隊の北東、11時。800mまで接近しています。」

昌一『了解。そちらからの狙撃は可能?』

古鷹「こちらからは1200m。できなくもないですが初弾を外す可能性が高いです。」

昌一『了解。ありがとう古鷹。頼りにしてる。』


古鷹は測距装置付き双眼鏡で敵を発見した。もっとも、最初に肉眼で発見していたのだが。


古鷹(昌一さんに頼りにされた...頑張ろう!!)


彼女は和泉昌一とは、彼が中学生の時に会っていた。古鷹は元々、ブラックな運用を行う、いわゆる『ブラック鎮守府』の所属で、戦闘中に気を失って砂浜に流れ着いた古鷹を保護したのが和泉昌一である。


古鷹(彼はもう覚えてないかもしれない。でも私は彼を忘れられない。彼は私の光。彼は私が護って見せる。)




古鷹は気を失って眠っている時、真っ暗な海をゆっくりと沈んで行く夢を見ていた。古鷹は


(ああ。私は沈んでいる...)


と他人事の様に感じていた。それもそれでいい、と。


(私の目が...明るい世界を見ることはなかった...)


そう思って目を閉じようとした。

しかし。古鷹の目に一筋の光が見えた。

その時、古鷹の心にある感情が生まれた。

それは生きたい、という強い願いだ。

それに応えるように光はどんどん大きくなる。

その後、目に入ったのは和泉昌一だった。

暖かい。そう思った。

彼こそが光。私の生きる理由。

古鷹は心からそう思った。





古鷹からの報告を受けて敵が居る場所へ向かう。


隊員『隊長、こちら第2小隊。陸自から連絡です。海田市駐屯地から対戦ヘリ含むヘリコプター部隊が向かっています。10分後に到着予定です。』

昌一「了解。」


深海棲艦が現れて以来、対戦ヘリ部隊が各地に配備された。


隊員「敵発見、200m、おそらくスナイパーです...!」


隊員の1人が発見の報告をする。


隊員「敵発見!」

隊員「隊長、撃ちますか!?」

昌一「...凛、狙えるか?」

凛「大丈夫です」


そう言って20式2型小銃を壁に委託し構える。敵は商業施設の屋上にいる。こちらは地上なので撃ち上げる形になる。


昌一「撃つぞ、周辺警戒!」

隊員「「「了解」」」


しばらくして、凛が狙いを定める。

バアァン!!

撃った。


凛「命中。」

昌一「よし、移動だ、行くぞ!」






隊員「敵部隊発見!!150m!!」

昌一「しゃがめ、しゃがめ!!」

昌一「単連射、撃て!!」


連続する銃声。

相手も撃ってくる。銃声を聞いた限りMG42はいなさそうだ。


「しっかり狙え!!」


敵は突然の攻撃に混乱しているらしい。見当違いなところに撃ってくる。


凛『こちら凛、狙撃援護を行います。』

昌一「了解、アーマーに赤い線が入ってる奴見えるか?それがリーダーだ!!」

凛『...確認しました。狙います。』






凛「当たる...当たる...」


凛はビルの3階から敵兵を狙撃している。


凛「当たる...当たる...当たらない...」


凛には、特殊な技能が有った。それは《自分が撃った弾がどこに当たるか分かる》というものだ。

そのため、弾着観測が必要無い。


凛「当たる...よし、全滅」


凛は敵を殺す事に何も抵抗を感じない。それで昌一を守れるなら何人でも殺す。でもそれで昌一が悲しむなら殺さない。そういう子だ。


凛「こちら凛、敵兵なし。」

昌一『了解、戻ってこーい』

凛「了解、です」





古鷹『古鷹です。狙撃地点1に到着しました。』


古鷹から無線が入る。俺たちは海岸近くの大型ショッピングモールで敵の前線指揮所と思われる陣地を発見、指揮官の殺害と陣地の制圧を行う。


昌一「狙えるか?」

古鷹『290m。余裕です。』

昌一「じゃあ、好きに撃て」

古鷹『了解。』


30秒程間を置く。俺たちは上手く隠れながら古鷹が撃つのを待つ。


古鷹『撃ちました』

昌一「突入」


古鷹の狙撃銃、SPR300は消音狙撃銃でありほぼ無音のまま敵を殺害できる。その銃声は市販の電動ガン程度である。

俺たちはショッピングモールの扉を開け、侵入する。

先頭の隊員は拳銃と小銃を使い分けながら進む。

陣地は屋上にあったので、階段を目指す。途中まで進むと敵を発見。警備のようだ。指揮官が殺されたのにのんびり銃も構えずに歩いている。


昌一(寺田、新田、ナイフであいつ殺ってこい)

隊員((了解。))


ハンドサインで隊員に伝える。2人の隊員は後ろから近付き、口を塞ぎ心臓をナイフで3回。死体は部屋に隠し階段へ向かう。


昌一(階段のドア開けて)


先頭の隊員がドアを開ける。先頭の2人が銃を構える。

誰もいないことを確認し、侵入する。すぐに屋上まで着いた。ドアを少し開けて覗き込む隊員。


隊員(敵兵12人、死体が1つ。敵兵は土嚢に隠れながら周りを伺ってます。)

昌一(よし、手榴弾、投げろ)

隊員(了解です)


先頭の隊員2人が手榴弾を同時に転がし、ドアを閉める。爆発。


昌一「よしっ行け行け!!」


小銃を構えながら進む。敵は全滅した。


「クリア!」

「クリア!」

「オールクリア!」





川内「敵艦隊見ゆ!!距離3600!」


この時、瀬戸内海では水雷戦隊と水雷戦隊の戦いが起きていた。


川内「てー!!」


川内率いる第3水雷戦隊は夜戦という事もあり、敵を一方的に蹂躙した。


月見『川内、聞こえてるか?』

川内「聞こえてるよ、提督。」

月見『そこから呉の海岸近くに泊まってる揚陸艦を撃破して欲しい。』

川内「揚陸艦?それなら潜水艦達に頼めばいいじゃーん」

月見『その揚陸艦、少し特殊でな』

川内「何が?」

月見『潜水艦なんだ。その揚陸艦。』





川内「対潜戦闘よーい!!」


川内達第三水雷戦隊は普段あまり行わない対潜戦闘を行っている。と言っても、訓練自体は行っているので、十分に対応できる。


川内「爆雷投下!」


ドボン。発射された爆雷は海中い潜む敵潜水艦へーーー

命中。


那珂「敵潜水艦の圧壊を確認しました」

川内「よしっ!」


ガッツポーズを決めた川内だが、その元気が消える。

理由は、第三水雷戦隊はみんな分かった。


川内「ふえぇ、もう朝...?」


朝日が昇ったのだ。




陸自のヘリ部隊が到着した。陸自と一緒に残党の掃討を行った。

報告。

陸自すごい...

強すぎません?




呉鎮守府に帰還した。装備の返納の前に銃に弾が入っていない事を確認する。鎮守府の執務室に向かい中佐に報告する。


昌一「和泉中尉です!」

月見『入れ』

昌一「失礼します!」


ドアを開けて中に入る。中佐は机に向かい仕事中だった。


昌一「月見中佐、和泉中尉以下呉鎮守府陸戦隊192名!全員帰還です!!」

月見「よくやった中尉、防衛大臣からお褒めの言葉を頂いている。それと、1週間。陸戦隊は休みだ。」

昌一「ありがとうございます!!報告をしても宜しいでしょうか!」

月見「ああ。話してくれ」


俺は今回の戦闘について全て話した。

艦娘陸戦隊の活躍も。







昌一「傾注!!」


会議室に集められた呉鎮守府陸戦隊の隊員が気をつけの姿勢をとる。


昌一「今回の任務、ご苦労だった!!おかげで呉の街を守る事ができた!!俺からはあまり長く話さない!しっかり休め!!」

隊員「了解!!」

昌一「それと、明朝0800から1週間!!休みだ!!」

隊員「了解!!!ッシャ!!!」

昌一「気をつけ!!敬礼!!別れ!!」







榛名「昌一!無事でしたか!?」


廊下を歩いていると、榛名に呼び止められた。榛名は腰にUSP9を腰にさしていた。今は「警戒状態」であり、基地内での護身用として拳銃は所持が許されている。俺もM2011を持っている。


昌一「榛名!大丈夫だよ。榛名こそ無事?」

榛名「ええ、榛名は鎮守府の警備だけですから」

昌一「そっか、良かった...」


俺と榛名はそれからずっと一緒に話し込んだ。


昌一「俺これから1週間休みなんだー」

榛名「ならずっと一緒に入れますね!!」

昌一「えっ?」

榛名「えっ?」

昌一「...榛名はどっか行きたいとこ無いんか?」

榛名「昌一の半径3メートル以内ならどこでもいいです!!」

昌一「えっ??」

榛名「えっ??」


榛名はどこでもいいみたい。じゃあ、どこに行くか...


昌一「榛名、旅行行こっか?」

榛名「!!...一緒に、ですか?」

昌一「嫌ならーー」

榛名「行きます」

昌一「お、おう。行きたいとこある?」

榛名「そうですね...榛名は...」







大淀「提督、和泉中尉他4名の艦娘が外出申請を出してます。」


執務室で仕事中の月見中佐に同じく仕事中の大淀が話しかける。


月見「ん?誰だ?」

大淀「榛名、時雨、夕立、古鷹ですね」

月見「うん、その3人なら1週間は遠征、出撃は無いから許可していいぞ」

大淀「はぁ、提督、貴女がやるんです!」

月見「印鑑ならそこにあるから押しておいてくれ」

大淀「ていとく?」


大淀がただならぬオーラを醸し出す。


月見「すいません、私がやります。」

大淀「お願いしますね」


大淀が月見中佐に書類を渡す。受け取った中佐はその書類を見て、


月見「...外出先に呉市街地って書いてるんだが」

と言った。







って訳で休みだ!!

朝は起床ラッパが鳴る前に全員起きた。多分、08:00時になったらすぐに出かける予定なのだろう。


榛名「しょーいち!!おはようございますっ!!」

昌一「お、おはよう榛名、準備終わってるか?」

榛名「はい!榛名は大丈夫です!」


榛名と食堂に行くと古鷹と時雨、夕立が俺を待っていた。


古鷹「昌一、おはようございます」

時雨「おはよう昌一。」

夕立「昌一、おはようっぽい!」


こちらに気づいた3人が挨拶してくれる。


昌一「うん、おはよう」


挨拶を返す。夕立が俺にしがみついてくる。


夕立「昌一は今日もいい匂いっぽい...」

昌一「ははっ、なんだそりゃ」


よっ、と夕立を抱えあげる。榛名、時雨、古鷹がこちらに「私も!!」という目でこちらを見ているが、先にご飯食べるし。


???「失礼する。貴方がイズミ・ショウイチか?」


振り向くと金髪の艦娘がいた。見覚えが無い。


昌一「ええ、和泉です。貴女は...?」

グラーフ「私はグラーフ・ツェッペリン。ドイツ軍の航空母艦だ。」






昌一「グラーフ・ツェッペリン?」


聞いた事がない。そもそもドイツに空母ってあるのか...?


グラーフ「知らない、という顔だな。それもそうかもしれない、私は1度も実戦に出ていないのだから。」

昌一「そうなんですか」


....ん?

なんでグラーフは俺の名前を知っている?


昌一「なあ、グラーフ」

グラーフ「なんだ?イズミ・ショウイチ?」

昌一「なんで俺の名前を知っているんだい?」


そう言うとグラーフは少し呆れたような顔をして


グラーフ「知らないのか?貴方は私達の間では有名人だぞ?」

昌一「えっ」

グラーフ「ああ。私達ドイツ海軍のように世界中の海軍の間でな」

昌一「そうなん?」


知らなかった。まさかそんなに有名人になっていたとは....恥ずかしい....じゃねえや。


昌一「そういや、何か用?」

グラーフ「ああそうだ。今日の着任と同時にドイツからG36Cが届くと思うのだが、保管庫に置けばいいか、それとも自室で管理すればいいか、分からないんだ。」

昌一「なら、保管庫でお願い。他に届くのある?」

グラーフ「ああ、HK45が一丁届く。」

昌一「了解しました。じゃあ、後で腕前を見るから1000時に射撃場でお願い」

グラーフ「ああ。分かった。」






昌一「構え!」


俺の声でグラーフ、ビスマルク、プリンツ・オイゲンがそれぞれのG36Cを構える。


昌一「撃て!!」


一斉に射撃。3人の射撃の腕は「初心者に毛が生えたレベル」とドイツ海軍の報告書に書いてあったが、なるほど確かにまだまだ上手い訳では無い。

...俺が自衛隊に入って最初に銃を撃った時と同じくらいのスコアだ。プリンツに至っては射撃する時、一瞬だけ目を閉じている。


昌一「状況終了!!弾抜け!!」


全員がコッキングレバーを引き、弾を抜く。銃自体の操作は問題ないようだ。


昌一「うん、各90発ずつ撃ってもらったけど、ドイツで訓練してた?...軍属とは思えないぐらい当たってないけど...」


正直に話す。グラーフ達は


グラーフ「私達はドイツ海軍でGewehrの射撃訓練を受けたのは2回だけだ。他の訓練は全て海上戦闘訓練だ。」


と言った。






...3時間後。グラーフとプリンツだけどんどん上手くなっていく。ビスマルクの的は相変わらず綺麗なままだ。


昌一「ビスマルク?あんま無理しないでな?」

ビス「い、今に当てて見せるわ!!見てなさい!!」


撃ち始めてから3時間、グラーフ達が帰ってから2時間がたってる。あまり無理させる訳にはいかない。


昌一「ビスマルク、そろそろ終わろう?」

ビス「ダメよ!!」


少し涙目になりながら拒否するビスマルク。

...気になる。何故、そんなにむきになってまで撃ちたいのか。


昌一「ビスマルク、なんでそんなに撃ちたいの?」

ビス「決まってるじゃない!私は強くなくちゃいけないの!!」

昌一「どうして?」

ビス「私は、仲間を守りたいの!!もう、誰も失いたくないから!!」


どうやら、ビスマルクは過去に仲間を失った経験があるようだ。

...後で調べて分かったことだが、その艦娘はとある男軍人に暴力を何度も受け、自殺したらしい。その時、ビスマルクは拳銃でそいつを撃ち殺そうとしたが、使い方が分からず、逆に撃たれて死にかけたらしい。


ビス「仲間を守れない者の、何が戦艦よ...!?」


俺は泣き続けるビスマルクの手を取り頭を撫でる事しか出来ない....






ビスマルクはその後、30分泣き続けた。


ビス「...ありがと。もういいわ」


そう言って涙を払い立ち上がる。ビスマルクが射撃場から出ていく。少し振り返り、


ビス「その...嬉しかったわ。じゃあね。」


と言った。


昌一「....また泣きたい時は来てもいいぞ」

ビス「ええ、また甘えに来るわ。」






...やべえ。榛名との約束すっかり忘れてた...

案の定、榛名はかなり怒っていた。


昌一「すまん榛名...」

榛名「昌一なんて知りません!4時間も遅刻するなんて!」


すっかりご立腹の様子。


榛名「榛名だって我慢出来ないこともあります...」

昌一「ごめん榛名、お詫びにって言っちゃなんだけどなにか欲しいものとかある?」

榛名「なら、昌一が欲しいです!ずっと一緒にいて欲しいです!!」

昌一「俺以外で頼む」

榛名「なら...何もいらないです」


ふむ、榛名は俺の着任以来、好意を隠そうともしない。それ自体は嬉しい。でも、こういうお願いされるとどうすればいいか分からない。


榛名「ふふっ。冗談ですよ、昌一」


どうすればいいか悩んでいると榛名が笑いかけてくれた。


昌一「冗談かよ、真剣に悩んだやん」

榛名「それより、早く行きましょう!!」


榛名に手を引かれ走り出す。その横顔は1点の曇りも無い笑顔だった。








夕立「時雨、行ったっぽい」

昌一「じゃあ、僕達も行こう」


今回、榛名と外出する事を知った時雨と夕立は護衛として二人に付いて行った。


時雨「いいなあ榛名さん。昌一とあんなに楽しそうに...」

夕立「っぽい...」







昌一「榛名、最初はどこいく?」


俺と榛名は基地を出てバスに乗った。そこから呉の市街に行ってぶらぶらする。


榛名「誰かさんが遅刻したせいでもうお昼なのでご飯を食べに行きたいです!!」

昌一「まじでごめんなさい」


まだかなり怒っていた。


昌一「...何食べる?」

榛名「昌一が食べたいものならなんでもいいです!!」


...怒っていても榛名は優しかった。

ショッピングモールに行ってから決めよう。






夕立「...見失ったっぽい...」

昌一「いや、僕達が迷ったんだ...」






榛名「昌一!似合ってますか!?」


ショッピングモールに入って榛名が服を買いたいと言ったので、服屋さんに来た。


昌一「おう。榛名らしいよ」


榛名が着ているのは白を基調としたシャツと黒いスカート。清楚な感じが実に榛名らしい。


榛名「...榛名は可愛いかどうか聞いてるんです!」


可愛いなぁ。榛名は。


昌一「可愛いよ」


そう正直に言うと榛名は顔を赤く染め、嬉しそうに笑った。


榛名「この服にします!!」

昌一「いくらぐらい?」

榛名「上下で2万9000円ですね!」

昌一「...俺が払う」


想像の倍は高ぇ。そう思ったが榛名に見栄を張りたくてそう言った。


榛名「昌一、無理しないで下さいね?こう見えても艦娘も給料はあるんですよ?」


知らなかった。そうなのか。

ちなみに俺の月給は25万の基本給とその他手当だ。


昌一「ちなみに月給はいくらぐらい...」


榛名「ええと、基本給が50万円、それと航海手当、出撃手当、危険手当などで100万円くらいですっ!!」


え?耳がおかしくなったかな?


昌一「え、いくらって?」

榛名「ですから、100万円くらいですっ!!」


すげえな。俺の4倍だわ。


昌一「...それでも俺が払うから」

榛名「いいんですか!?」

昌一「たまにはかっこいいとこ見せないとな」


そう言うと、榛名はまたしても顔を赤くした。






その後は榛名と喫茶店で軽食を取り、適当にショッピングモールを周った。途中、榛名が時雨と夕立を発見したらしいが、プライベートなので放っておいた。


榛名「昌一、移動しませんか?」

昌一「ん、行きたいとこでもある?」


榛名は周りを見ながら、


榛名「少し、この建物内がおかしいです」


榛名は少し怯えたように言う。

....言われて見れば、確かに違和感がある。さっきから団体客の様な人達が行ったり来たりしている。

めっちゃムキムキだし。


昌一「...離れよう」

榛名「...はい」


その時、


夕立「あ!昌一いたっぽい!!」


夕立だ。どうやら、俺を探していたらしい。時雨も一緒だ。


時雨「僕達、昌一達の事探してたんだ。昌一、僕達を置いて...昌一っ!!」


時雨が叫びながら俺の後ろを指さす。

見ると、


榛名「昌一....!?」


榛名が、さっきの団体客に連れ去られていた。


昌一「榛名ッ!!」


しかし、1台のバンがショッピングモールに突っ込んで来た。榛名はそれに乗せられた。


榛名「しょーいち...!!」


榛名がこっちに手を伸ばす。が、そのまま連れ去られてしまった。


昌一「....時雨、夕立!!鎮守府に帰って装備を整えて追うぞ!連中、組織的な犯罪グループかもしれん!」

時雨「り、了解!!」


俺は鎮守府に電話する。


夕張『はいこちら夕張』

昌一「夕張、おれだ。榛名が誘拐された。追跡できるか?」


艦娘は外出の際、GPSを付ける。こういう時、追跡が容易にできるからだが、使うことになるとは...


夕張『できます!榛名さんは幹線道路を南へ時速70キロで移動中です!』

昌一「了解、中佐に代わってくれ」

月見『私だ中尉、今回の艦娘誘拐は警察では手を出しにくい。自衛隊の最高機密だからだ。よって救出作戦を行う。今、そちらに高機が向かってる。装備もあるから車内で着替えろ』


準備の良さに面食らう。まるで誘拐されると知っていたように。


昌一「了解」







高機の中には艦娘陸戦隊1班、つまり、神通の部隊がいた。


神通「中尉、装備です。着替えてください」

昌一「ありがとう神通」


俺は受け取った装備を身につける。89式改、M2011、USP9。それにボディーアーマー、各種ポーチなど。

USP9は左側の太腿につけたホルスターに入れて、M2011は腰の右側だ。USPはクロスドロウする形になるが、こっちの方が抜きやすいのでこうしている。


夕張『中尉、榛名が泊まりました。場所はそこから3キロの廃ビルです』

昌一「了解」

神通「中尉、廃ビルならCQB、及びCQCになります。私達はその為に訓練しています。私達を使ってください。」


神通がそう言う。神通は拳銃格闘が凄まじく、CQB訓練を見ていると、C.A.Rシステムを多用していながら近すぎる敵は柔道のように投げていた。


昌一「分かった。頼む」

神通「はい!」








昌一「全員降車、展開しろ」


俺の指示で全員が車から降りる。周囲を警戒しながら建物に近づく。


月見『中尉、敵は拳銃だけでは無く、AKなどで武装している可能性が高い。どうやら外国系のマフィアらしい。』

昌一「...」

月見『...はあ。昌一、気持ちは分かるけど返事しなさい。』

昌一「あ...すいません、榛名の事で頭いっぱいで...」

月見『まあ仕方ないわね。今青葉が廃ビル内の監視カメラをハッキングしてる。口径不明の拳銃を持ってる奴も多い。榛名は3階の物置部屋にいるわ。』

昌一「榛名に怪我は!?苦しがってませんか!?」

月見『大丈夫よ』

昌一「良かった...」

神通「中尉、そろそろ作戦開始です。」


神通の言葉で無線を切る。


昌一「よし、行くぞ。装填。」


ガチャッとボルトを引き弾を薬室に送る。弾は6弾倉180発持ってきている。

狙撃班が門番を狙撃したら突入だ。








待ってろ榛名。

絶対助けるからな。










古鷹「こちら狙撃1班、目標確認」

昌一『了解、いつでもいいが、全員同時に殺せ』


古鷹はSPR300で狙いを定める。正直、榛名は恋敵だ。

それでも仲間だし、何より同じ鎮守府の家族だ。絶対助ける。

レティクルに敵歩哨を合わせ、引き金に指をかける。


『10、9、8、7....』


狙撃を一斉に行うのは難しい。だが、古鷹達は出来る。


『4、3、2、1』

『撃て』


全員が同時に引き金をひいた。








『正面入口クリア。』

昌一「了解、侵入する。」


俺たちは神通を先頭に建物に侵入する。入口に入って二手に分かれる。神通達はこの建物内の敵の制圧。俺たちは榛名の救出だ。


青葉『その先の角を左に曲がって階段を上がってください』


青葉が無線でナビしてくれる。角に敵が居ないか確認する。先頭に立つ不知火はカッティングパイを利用しながら曲がり角を確認する。カッティングパイとは、曲がり角に差し掛かる時、上から見てパイを切り分けるように

何°かずつ区切って確認する方法だ。パイを切り分けるとき、小さめな扇子型に切り分けるように確認する。


不知火「前方クリア」

昌一「進め」


俺たちは階段を登る。








「!?侵入者だ!!」


敵の1人が神通を発見した。マカロフ拳銃やM1911を撃ってくる。

神通は即座に89式を床に置き、GLOCK34を抜いた。抜いて目の前にいた敵の腹に2発と頭に1発。

続けて体当たりしてこようとした敵を背負い投げの要領で抑えつけ、頭に1発。


「なんだ...なんだこいつ!!?」


敵が2人神通に拳銃を向けるが、


「いっ!?」

「がっ!?」


長良が気づいてG34で手と頭を撃った。

(ありがとう)

神通は目線で長良に伝えた。

敵がAK47で突っ込んで来た。神通は銃身を掴んで片手でG34を腹に3発撃ち、頭に2発撃った。

...それ以上敵は来なかった。








青葉『その先のドアの向こうに榛名さんがいます!』

昌一「了解、敵は?」

青葉『いません!榛名さん1人です』


不知火がドアを調べると、鍵はされているが扉は脆弱だ

と言ってきた。

不知火はドアノブを銃床で叩き折る。中を確認すると、確かに榛名1人だ。


不知火「クリア!」

昌一「榛名!!」


俺は小銃を下ろし榛名に駆け寄る。榛名は眠っていた。


昌一「榛名、起きて」


俺は榛名を起こした。


榛名「ん...昌一...?」


うっすらと目を覚ました榛名。俺を見るとすぐに


榛名「昌一っ!!」


俺にしがみついて来た。


昌一「すまん、遅れた」

榛名「本当にっ..!遅いっ...!」


ポカポカと叩いてくる榛名。


昌一「ごめんって」


榛名は俺の体に身を預けて


榛名「恐かった....」


と言った。


昌一「何もされなかったか?」


こくんと頷く榛名。


昌一「こちら突入1班、目標確保に成功。」

『こちら呉司令部、了解、基地まで護送せよ』

昌一「了解」


榛名はまだ俺に抱きついたまま動こうとしない。


昌一「榛名、帰るぞ」


そう言うと、やっと離してくれる。


『こちら護送車、現着しました』


車が到着した。

榛名に88式鉄帽を被せ、車へ向かう。












その頃の呉近海





『こちらは海上自衛隊護衛艦、いなづま。貴艦の艦名を答えよ。』


JMSDFの駆逐艦から無線が入る。そういえば、私の呉寄港は内緒だった。


ウォースパイト「...こちらRoyalNavy、HMS、battleship《Warspite》」


私は正直に答える。


『....了解、呉基地へ誘導する。』


私は少々驚いた。呉へ行く事は内密だったはず。

私が呉に行く理由は例の中尉の調査の為だ。

そのことを伝えると、


『ああ、既にドイツ海軍が3隻派遣してます』


との事。彼は妖精さんが見えるらしく、ロシア海軍などはなんとしても彼を手に入れたいらしいと言う事は諜報機関から聞いているが、ドイツも...


ウォースパイト(まあ、会ってみれば分かるでしょうね)


私は海上自衛隊の護衛艦について行った。






昌一「こちら和泉、護送車は鎮守府正門に到着した。」

『お疲れ様、任務完了だ。』


榛名を乗せた軽装甲機動車が鎮守府に入り、任務は完了だ。各自武器庫に装備をしまいに行く。


月見『和泉中尉、装備をつけたままでいいから執務室に来い』


中佐に無線で呼ばれる。どうしたんだ?

まあ、行って見れば分かるか....


昌一「了解」







昌一「失礼します!和泉中尉です!」

月見『入れ』


ドアを開けて執務室に入る。そこには、金髪の艦娘がいた。


月見「紹介する。彼女はイギリス海軍の戦艦、ウォースパイトだ。」

ウォースパイト「貴方が和泉昌一ね。私はHMS,Warspiteよ。よろしくね」


にこり、と笑顔で挨拶してくるウォースパイト。


昌一「はじめまして、和泉昌一中尉です。よろしくお願いいたします。」


少し緊張しながら挨拶する。


月見「彼女は呉で1ヶ月過ごす。その間はこの鎮守府の案内をして欲しい。」

昌一「了解です」











ウォースパイト「これからよろしくね、和泉中尉」

昌一「ええ、お願いします。...呼び方は好きに呼んでください。」

ウォースパイト「じゃあ、昌一さんと呼びますね。あと、もう少し砕けた話し方で良いですよ?」

昌一「じゃあ、ウォースパイト。これからよろしく」








夕立(....昌一は忙しいっぽい?)

時雨(僕達も甘えたかったね)









昌一「ウォースパイト、ここが君の部屋だ。好きに使ってくれ。でも銃とか持ち込む時は俺に言えよ?」


ウォースパイトを案内することになり、今は彼女に与えられる部屋に案内している。


ウォースパイト「ええ、ありがとう昌一さん。それで、少しお願いなのだけれど」

昌一「なんです?」

ウォースパイト「後で私のお茶に付き合っていただけないかしら?」


そんなことか。このあとの予定は寝るだけなので、全然構わない。


昌一「良いですよ。」

ウォースパイト「Really?感謝するわ。少し待ってね」


そう言うと彼女はカバンからティーセットを取り出してお茶の用意を始めた。


ウォースパイト「昌一さんは妖精が見えるの?」


お湯を沸かしながら質問してくるウォースパイト。


昌一「うん、見えるよ」

ウォースパイト「それならどうして提督にならなかったの?」

昌一「妖精見えるようになったのが陸戦隊入ってからなんだ。」

ウォースパイト「...そうなの」


陸戦隊入って小銃を撃っているとき、小銃の上に妖精が乗っているのが見えて本当にびっくりした。


ウォースパイト「...もし。もしも貴方にイギリス海軍で提督をやって欲しいって言ったら。...貴方はどうするの...?」


...?


昌一「俺には艦隊の運用方法がわかんないし、専門でも無い。俺に出来るのは艤装を展開してない君達を守ることぐらいだ。」

ウォースパイト「...つまり?」

昌一「俺より提督に向いてる人はいっぱいいるよ。」

ウォースパイト「...そう。どうぞ紅茶よ。今日はアッサムの気分だからアッサムの茶葉を使ってみたわ。」

昌一「ありがとう。...美味しいな!」


ウォースパイトの淹れた紅茶はすごく美味しかった。鼻から香りが抜けて行く。


昌一「ありがとう。また淹れて貰ってもいいかい?」

ウォースパイト「ええ、喜んで。おやすみなさい。」










その頃、ポートモレスビー沖


「敵潜水艦探知!数3!」

「警戒!」


5人の艦娘がこの海域で哨戒任務に当たっていた。


スチュアート「こちら哨戒艦隊、嚮導艦スチュアート!敵潜水艦隊を発見しました!」

『了解。可能なら撃破せよ。不可能なら救援を呼べ。』


この艦隊の旗艦、スチュアートはオーストラリア海軍に所属する艦娘だ。


ヴァンパイア「司令部はなんて?」


スチュアートに話しかけたのは同じくオーストラリア海軍のヴァンパイアだ。


スチュアート「可能なら撃破せよ、だって。」

ヴォイジャー「なら撃破しましょうか」

ヴァンパイア「ヴォイジャーはやる気あるなあ」


好戦的な姿勢を見せるヴォイジャー。彼女はいつもおっとりしているが、戦闘になると悪魔のように敵を痛めつけながら沈める。


ウォーターヘン「...ん?」

スチュアート「ウォーターヘン?どうしたの?」


聞くと、ウォーターヘンに搭載されている対水上レーダーに反応があったらしい。


ウォーターヘン「重巡4とおそらく輸送船団。この編成はおそらく....」

スチュアート「...上陸作戦部隊」










「防御陣地、準備よし!」


此処はポートモレスビーのパプアニューギニア国防陸軍は海岸部に機銃陣地を設けて上陸作戦を水際で阻止しようとした。


「中隊長!後方支援の部隊がまだ到着してません!」

「中隊長!通信隊が逃亡しました!」


戦闘が始まる前からこのザマだ。国防軍の士気は最悪。これでは最初の戦闘で首都を奪われる。


「前線から報告!敵発見!」

「まだ撃つな!充分に引き付けろ!」


中隊長はそう命令するが、

ドドドっ!

前線は勝手に撃ち始めた。


「ちっ!おい馬鹿野郎共!今すぐ後退しろ!砲撃が来....」


前線で爆発が起こる。防御陣地は壊滅状態だ。


「敵に上陸されました!」


部下が悲鳴をあげる。


「狼狽えるな!前線を下げる!お前ら!着いて来.....」


中隊長は言いかけて、8inch砲の榴弾に吹き飛ばされた。









昌一「パプアニューギニアが壊滅状態!?」


ウォースパイトを部屋に案内した後、自室で眠り、朝起きると基地全体が喧騒に包まれていた。起床ラッパがなる前に起きたので、何があったと思って部下を捕まえて話を聞くと、


「パプアニューギニアに深海棲艦が上陸」


という事らしい。


月見「ああ。今はオーストラリア海軍が奪還を試みているが、敵には重巡洋艦や戦艦、空母もいるらしく、オーストラリア海軍の艦艇やミサイル、艦娘では歯が立たないらしい。それで、自衛隊の艦娘が支援に向かう事になった。陸戦隊にも行ってもらう。水陸機動団と一緒に上陸作戦だ。」

昌一「水陸機動団がいるなら我々は何をするんです?」

月見「主に偵察や陣地設営、まあ要はなんでも屋だ。」

昌一「...了解です。出発はいつですか?」

月見「明日だ。それまでに準備しろ」

昌一「了解」


中佐と別れ、陸戦隊の元へ向かう。明日の説明をしなければ行けない。









昌一「聞いているかもしれないが、明朝0900にパプアニューギニアに向かう。自衛隊初の攻撃作戦だ。気を引き締めろ」


俺は中隊に集合を掛け、ブリーフィングを行った。


昌一「なにか質問は?」


隊員が手を挙げる。


昌一「田中」

「はい。上陸は海からボートで行いますか?」

昌一「揚陸艦のヘリで行く。」


これに隊員達はざわつく。輸送船は数あれど、海上自衛隊に揚陸艦は1隻しかない。先月就航したばかりの

『しののめ』だけだ。


「『しののめ』で行くんですか!?」


隊員の1人が嬉しそうな声で言った。


昌一「嬉しそうだな。そうだ、新鋭艦に乗れて浮かれるのはわかるが、気ぃ引き締めろ?」


まあ、気持ちは分かるけどね。










「隊長、訓練場のCQBエリア使っても良いですか?」

昌一「いいぞーってか俺もやるわー」


CQBエリアとは、この鎮守府の妖精さんに頼んで作って貰ったものだ。ここは本来増設予定だったヘリコプター格納庫らしく、かなり広い。

装備を付けて隊員達の元へ向かう。


昌一「状況開始」


俺の声で全員が壁に張り付く。先頭の隊員がドアを開けて全員が静かに室内に入る。

廊下のT地路で止まる。先頭の隊員が立ったまま壁を覗き込む。俺はその隊員の後ろでしゃがんで89式を構えて援護する。ほとんどの軍は先頭がしゃがんで後ろの隊員は立って撃つことが多いが、これだと先頭の隊員が不意に立ち上がった時、誤射してしまう事があるので、俺達はこうしている。


訓練は完璧だった。

あとは実戦で上手く行けばいい。









「隊長、空自のF35ですよ!」

昌一「俺達の護衛機だ。心強いだろ」


俺達は今、航空自衛隊のC2輸送機に乗っている。沖縄に停泊中の「しののめ」に向かうためだ。

C2輸送機2機とF35の護衛機4機の飛行編隊。傍から見れば壮観だろうな。いや、この窓から見ても壮観だわ。


「おうお前ら静かにしてろ!」


第2小隊長の宮部少尉が怒鳴る。するとすぐに静かになった。


昌一(さすが元陸自レンジャー...怖い...)


宮部少尉は陸上自衛隊のレンジャーとして5年間、水陸機動団で過ごし、今は海上自衛隊の陸戦隊創設に貢献した(ちなみに海上自衛隊に陸自のレンジャーにあたる資格はない。)。


『和泉中隊長、意見具申します。こいつら叩き落としましょう』

昌一「え、どこから?」

『冗談です』


....怖っ!








沖縄に着き、息つく間もなく揚陸艦「しののめ」にヘリで向かう。

「しののめ」型航空揚陸艦は「ひゅうが」型護衛艦にウェルドックを持たせて上陸作戦を行えるようにした護衛艦。

ウェルドックとは、艦尾に設置されている格納庫で主に上陸用舟艇や戦車などを搭載している。

ヘリの窓から「しののめ」が見えてきた。全長260mと海上自衛隊最大級の護衛艦。ヘリコプターを23機搭載し、さらにF35Bを7機搭載している。


「でけえ...」


隊員の1人が呟く。無理もない。ヘリで見下ろすだけで圧倒される。


昌一「もうすぐ降りるぞ!」

「了解!」









〜呉海自工廠にて〜


「我々の特二式内火艇は火力が足りません!」

「37ミリ砲ではシ型中戦車には歯が立たない!」

「至急改善をよーきゅーする!」

明石「わかったから落ち着いて〜!!」


呉鎮守府の工廠で、明石が妖精達に囲まれていた。

何やら、特二式内火艇という揚陸戦車の火力不足が不満らしい。


明石「そうは言っても火力あげる為には設計変えないと行けないからなぁ....夕張に頼んで見るか....」

月見「なんだ、面白そうな事をしているな」

明石「ひゃああ!!!」


いきなり耳元で囁かれる。振り向くと提督がいた。


明石「て、提督〜!!」

月見「はは、すまんすまん」


提督は楽しそうに笑った。


月見「で、どうした」

明石「特二式内火艇の火力不足を改善して欲しいそうです。でも大口径の砲を積むと、どうしても砲弾のスペースを確保できず、また速度も低下するので設計を見直さないといけなくて」

月見「ふむ、確かにこんな貧弱な砲では駄目だな。」

明石「今のところ、76mm砲を考えてます」

月見「よし、開発を始めてくれ。資材は必要なだけ出す」

明石「はい!」









揚陸艦「しののめ」に乗り込む。「しののめ」の周りには佐世保鎮守府の長門、陸奥、龍驤、吹雪、白雪、深雪が護衛としてついている。


「中隊長、あれはなんですかね?」

昌一「あれは紫電改二だな。呉鎮守府は烈風が主力だから見慣れないか」

「あっF35Bについて行きますね」

昌一「不思議な絵面だな」

「和泉中尉!」


名前を呼ばれて振り向くと


昌一「艦長!」


なんと「しののめ」艦長の大佐だった。

皆一斉に敬礼する。


「和泉中尉、少し良いですか?」

昌一「は。どうされました?」

「少し話したいです。私の部屋に来てください。」

昌一「了解。」







「和泉中尉、貴方のお父さんの和泉勝大佐にはお世話になりました。」


艦長室に入ってすぐに「しののめ」艦長の大佐に頭を下げられる。


「貴方のお父さんには私が『みょうこう』勤務の頃にお世話になりました。」

昌一「大佐は『みょうこう』に乗っておられたのですか?」

「はい。その時の艦長がお父さんだったんです。お父さんの事は本当に残念です...。」

昌一「いえ、もう慣れました。」

「そうですか...」


こういうと少し薄情者みたいに思えてしまう。


昌一「艦長、そろそろ戻ります。」

「ええ、何かあったらいつでも頼ってくださいね」

昌一「はい。失礼します。」






船尾にあるウェルドックと言われる格納庫では、20式水陸両用戦闘車が並んでいた。この車両はAAV7の後継車両として開発された。35mm機関砲が一門と対戦者ミサイル発射機を4つ搭載している。この車両には水陸機動団が乗り込む。我々はヘリコプターで上陸作戦を行う。







『第2小隊、市街地に侵入、目標建物内に敵無し。狙撃拠点とする』

昌一「了解、第2小隊はそのままそこで戦場を監視せよ」

『了解、監視します』

『第3小隊、敵発見、敵およそ3個小隊』

昌一「了解、そこは近くに水陸機動団が上陸する。障害となるなら水陸機動団と協力して撃破せよ」

『了解』

昌一「こちら呉陸戦1、敵およそ3個小隊を上陸地点の近くに発見。こちらの戦力では対処出来ない。応援を頼む」

『こちら水機1、了解。』

「こちら第2分隊長から小隊長へ、米空軍のA10攻撃機が接近。」

昌一「了解。」









『デビル1からデビル2。目標視認。対空砲の射程に入る。』

『デビル2了解。』


まだ夜が明けきっていない空に2機の攻撃機が現れる。

この攻撃機は米空軍のA10という攻撃機で、戦車キラーと言われる戦車の天敵。


『デビル1から2、目標にヘルファイアをロックオン。』

『了解。ロックオンします。』


ヘルファイア対戦車ミサイルを敵の野砲陣地にロックオンする。


『発射』


ミサイルを発射。ミサイルは目標に吸い込まれて行った。


『対空砲火確認!』


ようやく対空砲がこちらを撃って来る。

しかしA10パイロットはこれを狙っていた。

この作戦は敵の隠蔽された対空砲を発見し、撃破するための作戦だったのだ。


『デビル1から2、30ミリで対空砲を破壊する。』

『了解。破壊します。』


機首に搭載している30ミリガトリング砲で対空砲を破壊する。これで対空砲は全て潰した。


『ミッションコンプリート。退避する。』











「隊長、水陸機動団が上陸しました。」

昌一「抵抗がほとんどないな。待ち伏せか?」


俺達の小隊は水陸機動団が上陸する砂浜が見える崖の上に陣取っている。


『こちら水機、敵はどこにいる?』

昌一「こちら陸戦1、そちらから11時方向、約500mに伏せている。」

『...発見した。ミサイル発射する。』

昌一「了解。」


水陸機動団の水陸両用車からミサイルが発射される。


昌一「ターゲットキル。敵は全滅しました。」

『了解。前進する』


全ての車両は前進する。


『...中隊長、敵の野砲陣地発見。恐らく、88mmFlak36です。』

昌一「え、アハトアハト?」


なぜ知ってるかは、某戦争アニメの影響だ。


昌一「え、不味くない?」

『やばいです』


すぐに報告しなければ。









『こちらCP(前線指揮所)。敵は74式戦車を撃破しうる砲及び戦車を持っている可能性が高い。注意されたし。』

「戦車隊了解。」


輸送艦『おおすみ』から上陸用舟艇で上陸した74式戦車改二、4両が市街地に入る。砲塔前部に追加のM2重機関銃を載せた74式が隊列を成しているのは壮観だ。


「ん...?」


車長がキューポラから顔を出して双眼鏡で索敵していると、遠くに煙のようなものが見えた。

双眼鏡で目視すると、


「...!!!敵戦車発見!!正面1500m!!」


エンジンから出る、戦車の煙だった。


『敵戦車!!数5!!』

『全車、対榴(対戦車榴弾:HEAT)装填!!』

「敵戦車発砲!!」


敵の戦車が撃ってきた。


『4号車、被弾!!履帯が切れました!』


4号車が動けなくなった。


『敵戦車特定!!六号戦車、ティーガーⅠです!!』

『....!?なんだと!?くそ、本部に報告しろ!!!』









「隊長、敵の戦車隊を発見。現在、74式戦車隊が応戦中です。」

昌一「敵の戦車は?」

「ティーガーです。」


最悪だ。ティーガーなら74式戦車を正面から撃破できる。90式戦車や10式戦車も側面なら可能だ。


「隊長!新しい任務です!オーストラリア陸軍が上陸するので、上陸地点の威力偵察をして欲しいと....」


その時、ものすごい爆発が起こった。

155mm榴弾ってレベルじゃない!!


「砲弾落下!!」

「対爆防御!!」


目を開けると、


昌一「なんだこれ...」


散々に破壊された市街地があった。















昌一「報告!!」

「砲弾落下!!1名戦死!!負傷者7名!!うち重症2名!!」


さっきの砲撃で小隊が壊滅状態だ。1人死人も出た!!


「くそっ!!どこからだ!!」

「田中が!!くそ、モルヒネを打て!!」

昌一「CP!!こちら陸戦隊!!砲撃を受け、第1小隊が壊滅!対砲レーダーは捉えたか!?」

『....こちらCP、対空レーダーが捉えている。砲撃発射地点はそこから北東、47キロだ。対戦車ヘリが向かってる』


47キロ!?遠い!なんの砲だ!?


昌一「それと救急ヘリを要請する!!被害は負傷者7名!!うち重症が2名!!」


涙を堪えて答える。


『...了解!チヌークが向かってる!!』














『アタッカー1、目標付近に到着....』

『なんだあれ....』


攻撃ヘリ、AH64のパイロットは呆然とした。

目の前に巨大な建造物がたっている...。

巨大な砲口がそそり立つ。


『あれ、野砲か!?』

『あれが野砲?冗談だろ!?』


司令部に報告しようと考えた、次の瞬間!


『!?対空砲だ!!』

『米軍が破壊したんじゃねえのか!?』


対空戦車だ。それを見たガナーが叫ぶ。


『...クーゲルブリッツ!!ナチス・ドイツの対空戦車です!!』














月見『榛名、緊急任務だ。』

榛名「はい、なんでしょう?」


敵の輸送船を破壊する任務を行っていた榛名率いる第一艦隊に、月見中佐から無線が入る。


月見『敵の野砲を海上から砲撃してもらう。砲弾の観測は水陸機動団が行う。』

榛名「榛名了解です。」

月見『それでな....』

榛名「?はい?」


一瞬、月見中佐が言い淀む。


月見『その野砲によって、我が鎮守府の陸戦隊が被害を被った。...和泉中尉の班だ...』

榛名「え....」


榛名は海の上で立ち尽くす。


榛名「...和泉中尉は無事なんですか?」

月見『無事だよ。』

榛名「良かった...」


昌一が無事だとわかった。安堵する榛名。


榛名「わかりました!向かいます!」

月見『ああ、頼む』



















「おーい!!向こうの陣地に84(84mm無反動砲)持っていけ!!」

「こちら3班!!機関銃陣地の構築完了!!」


水陸機動団が掌握した市街地では、防御陣地の構築が始まっていた。


「和泉中尉!!」


唯一、あの砲撃で無傷だった俺と清水凛はしばらくこの陣地で待機せよ、という命令が下った。


「中尉、水機の相内曹長です。ここが襲撃を受けた場合、第2機関銃班と行動してもらいます。」

昌一「了解です曹長」


第2機関銃班は米国から購入したM240B汎用機関銃を装備している。

M240Bは自衛隊の62式機関銃では隊員から不満があったこと、MINIMI軽機関銃だと、射程や威力が足りないことから採用された。


昌一「皆さん、よろしくお願いします!!」


俺は隊員の皆さんに挨拶する。


「よろしくお願いします!!」「ほんとに若いんですね!」


等、歓迎された。















榛名「こちら第1艦隊!旗艦榛名です!」

『...こちら観測班、配置に着いた。いつでもどうぞ』


第1艦隊は月見中佐の指示を受けて敵の野砲を破壊しようとしていた。


榛名「砲撃用意!!」

榛名「1番砲、2番砲旋回中、発射可能まで40秒〜」

榛名「三式弾、揚弾!!」


第1艦隊の戦艦、榛名と金剛が主砲を旋回させる。2人とも41センチ連装砲を装備しており、副砲に155mm近代副砲、高角砲に5inch高角速射砲、対空機銃にMG151/20三連装機銃を装備している。


榛名「主砲、用意よし!」

金剛「主砲、発射可能デース!!」


2隻の戦艦が主砲を構える。


榛名「撃てー!!」

金剛「fire!!」


主砲から放たれた三式弾が遥か彼方の地上に向かう。











「やっと終わった...」

「死者は出てない...良かったです」


74式戦車の搭乗員は戦ったティーガー1の残骸の写真を撮っていた。本部に資料として送るのだ。


「しかし、4号車が脱落か...痛いな...」

「まだ敵も戦車を持ってるはずだ。普通科の連中は1両でも戦車を必要としてるはずだろうな..」


しばらくして、戦車は前進しだす。










榛名「弾着まで5秒!3,2,1!!」

『弾着!!...!?初弾、全弾命中!?』


自衛隊員が驚くのが無線越しに伝わってくる。

無理もない。弾着修正を行わずに初弾を命中させたのだ。


『連続で射撃してください!』

榛名「了解!てー!!」ドオン!














「中尉、その89、どうなってんすか!?」

「見せてくださいよー!」

昌一「別にカスタムは20と変わんないよ?」


第2機関銃班。ここの隊員は、若い人が多い。

そのためか、俺としては話しやすい。


「うわっ...すごい!」

「こんな89見たことない...」

昌一「この89式小銃は海上自衛隊向けに改造された小銃だからね。」


この89式小銃はハンドガードがHK416に近い物になっている。そのためか、遠目から見ると89式小銃に見えない。


「中尉、俺にもみせt...」


















昌一「....なんだ!?」


爆発音がした。しかもかなり近い!

サイレンが鳴り出した。


『...敵です!数、およそ300!!』

「なっ..!?みんな戦闘準備!!いけ、いけ!」

「まずい!!おい、陣地にいけ!機関銃を撃つんだ!!」


俺は草むらに伏せてACOGスコープを覗く。


「敵車両3!おそらくテクニカルと思われる!!清水!狙撃支援!!」

『了解』

『後方ヨシ!84撃ちます!』


味方の陣地から84mm無反動砲が発射される。3発撃って3発全て命中した。


「歩兵接近!!機関銃、撃てー!!」

昌一「清水!無線機を背負った敵はいるか!?」

凛『...見つけました。撃ちます。』

『ああ、クソ!!全員!対爆防御!!』


俺は咄嗟に頭を抱えて伏せる。

爆発音。


昌一「なんだ!?」

『ああ、クソ!!スツーカだ!!』

『爆撃機だ!!』


まずい!!航空支援を要請しなければ!!


昌一「清水!航空支援は!?」

凛『もう呼んでます。もうすぐ...』


その時。空中の爆撃機が爆散する。

頭の上を、6機のプロペラ機がフライパスする。


榛名『昌一!!無事ですか!?』

昌一「!?榛名か!?」

『はい!貴方の榛名です!!そちらに向かった戦闘機は瑞鶴の烈風です!』

昌一「そうか、助かったよ榛名!瑞鶴にもお礼言っといて!!」

凛『...隊長!!まずいです!敵の一部が陣地内に侵入!!』

昌一「やばっ...!!!榛名!また後で!!」

榛名『はい!』













「撃て!!撃ちまくれ!!」ドドド!!


M240Bを撃ちまくる隊員。ほかの隊員も20式小銃のグリップポッドを開いて単発で撃つ。


凛『隊長、2キロ先から接近中の戦車があります。数3。』

昌一「まじか、凛!対戦車誘導弾の班に報告しろ。」

凛『了解』

「中尉!!まずいです、敵歩兵が前の陣地に入ってます!!」

昌一「やべえ、援護しろ!!前にいる隊員を守れ!!」

「了解っ!!」


パン!!パン!!

俺も89式小銃を撃つ。


昌一「くそっ!!前に出る!!誰か援護頼む!!」

「任せてください!!」

「俺も行きます!」


隊員2人が付いてきた。


昌一「おい、大丈夫か?」

「舐めないでください!これでも俺たちはレンジャーです!!」

「そうっすよ!!」

昌一「...よし、行くぞ!!カバーしろ!!」


前の陣地に行くと、敵の兵士と曲がり角で遭遇した。

俺は小銃から手を離してUSP9を腰から抜いた。


バン!!バン!!バン!!


神通に教えて貰った撃ち方を実践した。

敵とはかなり近距離だったので、拳銃を自分の体に貼り付けるように撃った。こうすると、拳銃を奪われる可能性が低くなる。


昌一「よし、2人とも対戦車ミサイル発射陣地に行くぞ!!」

「了解!!」





















『メイジ1からメイジ2、敵の爆撃機の編隊を目視。全機撃墜せよ』

『メイジ2了解』


メイジ隊。彼らは、「しののめ」F35B航空隊である。

現在、ウエポンベイに4発の対空ミサイル、腹に25mm機関砲を抱えている。


『ロックオン。FOX2』


ミサイル発射。ミサイルはしばらくして白煙が消える。


『キル』


そしてマッハ1.0で敵爆撃機に接近、距離1キロで機関砲を撃つ。


1秒間撃った。


『キル』


一瞬の交差で爆撃機を2機撃墜した。


メイジ1も同じように撃った。























〜強襲揚陸艦しののめ〜


昌一「え、あいつ生き返ったの?」


ヘリでしののめに戻ってきた俺たちは、驚きの報告を受けた。

なんと、戦死判定だった隊員が息を吹き返したというのだ。


「はい。おそらくショックで心配停止になったのでしょう。ほかの隊員で重症なのは田中上等士です。彼は爆風をモロに受けてます。てっぱちがなければ頭がやられてました。」

昌一「わかった。医務室はどこだ?」

「2ブロック先です。」

















昌一「渡辺!!生きてたか!!」

「中尉!!心配かけました!!」


医務室に行くと、死にかけた隊員が元気そうにしていた。


昌一「田中、腕折れたか」

「すみません中尉、俺は2ヶ月何もできません...」

昌一「安静にしてろ。」


田中は、頭に包帯を巻いていた。


昌一「まあ、とりあえず、呉陸戦隊の任務は完了。あとは水機と米軍の任務だ。帰るぞ。もうすぐヘリで輸送船に移動する。いいな」

「はい!」























「アノ人....モシカシテ....」




























ビスマルク「....」パン!パン!


呉基地の射撃場。ドイツの戦艦、ビスマルクは1人、黙々とG36Cを撃っていた。


ビスマルク(...やっぱり、中尉がいないとやる気が出ないわ...)


ウォースパイト「あら?ビスマルク?」

ビスマルク「?....あら、ウォースパイトじゃない。どうしたの?」


撃っていたら、入口ウォースパイトが入ってきた。


ウォースパイト「私は射撃しに来たわ。まさか、ビスマルクがいるなんて」

ビスマルク「なによ、私がいたら悪い?」

ウォースパイト「いえいえ違うわ!仲間がいて嬉しいのよ!」ニコッ


ウォースパイトは持っていたガンケースから銃を取り出した。


ビスマルク「M4...?」

ウォースパイト「いえ、M6A2よ。第22SAS連隊から貰ったの。」


なるほどM4系の銃なのか。


ウォースパイト「ビスマルク、良かったら勝負しない?」

ビスマルク「勝負...?」

ウォースパイト「そうよ。」

ビスマルク「ごめんなさいウォースパイト。私は今そういう気分じゃないの。」

ウォースパイト「あら、ショウイチが帰って来なくて寂しいの?」

ビスマルク「ちがっ....ええ、そうね。寂しいわ....」


















『右舷後方より魚雷接近!!』

『衝撃に備え!!』

昌一「聞いたか!?掴まれ!!」


ドオオン!!!


昌一「ああくそ!!最悪だ!」

「やばいっす、どうしますか中尉!」

昌一「俺たちにできることはない!とりあえず、艦内の状況を確認するしかないな。ちょっと艦橋行ってくる!」








〜艦橋〜


「ああくそ!!護衛艦挺はどこだ!!」

「艦娘艦隊は現在、後方に待機していて、対処できません!!」


艦橋に上がると、大混乱だった。周りに艦娘はおらず、現在そばにいるのは護衛艦「あたみ」しかおらず、魚雷接近に気づけなかったことから、深海棲艦の新型潜水艦、もしくは他国の潜水艦である可能性が高い。


昌一「っ!!」


俺は艦橋脇の機関銃座に出る。

備え付けの双眼鏡で周囲を見渡す。


昌一「...!?やべえ、深海棲艦だ!!」


おそらく、深海棲艦だと思われる人型の化け物がいた。





















金剛『輸送船の船体が真っ二つデース!』

榛名「そんな...昌一....!!」
























「....フフフ....彼ヲ回収シタワ....」




















ヤット....ヤット手ニ入レタ!!アア...5年ブリネ....彼ト会エナクナッテカラ.....

デモ、コレデマタ毎日オ話シデキル...!!


モウ、我慢シナクテイインダ...!!

















昌一「あう....どこ...ここ」


目が覚めると、真っ暗な場所にいた。


昌一「いてて....体は動くな....銃がないな...」















「...フフフ」









アア、ヤット、ヤットアエタ....ズットサガシテタノヨ?















榛名「....昌一、どこにいるんですか?」


榛名は船の残骸を目の前にして呟いた。

























「....目ガ覚メタカシラ?」

昌一「え....だれだ....!?」


目の前に、深海棲艦がいた。しかも、人型だ。


「オチツイテ。敵ジャナイワ。」

昌一「敵じゃない...?でも、体が全体的に白っぽいし、カタコトだし....」

「アア、カタコトジャ聞キ取リヅライワネ....」


そう言って、深海棲艦は、俺の腕を掴み、


「アーン....」ガブッ!!

昌一「ぐあ!?」


思いっきり噛み付いた。


昌一「いってえ!!何するんだ!」

「貴方の体に私の血を混ぜたわ。これで聞こえるはずよ」

昌一「あれ、ほんとだ」


って、それってまずいんじゃ....他人の血を体に混ぜるなんて、HIVを引き起こすかもしれない。


「大丈夫よ。私たちの血はあなたたちの言う血ではないの。....まあ、それはまた今度。」


彼女はこほん、と咳払いをして、


「あなた。私のものになりなさい。」


と、言った。













昌一「....は?」


何言ってるのか分からない。

私のものになれ?

奴隷か?


昌一「....まず、ここはどこだ?」

「ここは深海...って言うほど深くはないわ。場所はまだ教えられないわ。」

昌一「じゃあ、あんたは誰だ?」

「私はこの辺りの深海棲艦の頭よ。名前は.....」


深海棲艦が突然上を見上げる。


「.....潜水艇2隻。距離2キロ。まずいわね...」

昌一「どうかしたのか?」

「ほかの深海棲艦が攻めてきたわ。あなたも手伝って」

「ほかの深海棲艦って..?」


彼女が銃を渡してくる。


「死にたくなければ戦って!!」

昌一「お、おう」ウケトリ

「私の部隊を貸すわ。」パチン


彼女が指を鳴らすと、部屋の奥から深海の兵士たちがやってきた。


昌一「......!?」


俺は驚いた。彼らが持っていたのは89式小銃だったのだ。



















昌一「なんで...89を....」

「....驚かないで聞いてね」


深海棲艦はゆっくりと口を開く。


みょうこう「私は、『みょうこう』なの」





















昌一「え...?」

みょうこう「私は、海上自衛隊の《みょうこう》。その生まれ変わりね。」

昌一「《みょうこう》って...イージス艦の...?」

みょうこう「そうよ。あなたのお父様やお母様も知っているわ。」


絶句した。両親の艦が目の前にいる。敵として。


みょうこう「あなたのことはご両親からたくさん聞いたわ。それに....」


みょうこう「昔、あなたとはよく遊んだわ。」

昌一「え?」

みょうこう「ほら、昔あなたの家によく忍び込んでたじゃない。本土にいる時はいつも行ってたわ。」

昌一「ええー.....」

みょうこう「覚えてないの?」


顔を見ても思い出せない。俺はこんな子とあったことはないはずだ。


みょうこう「本当に思い出せないの?」

昌一「ああ...」

みょうこう「じゃあ、今はいいわ。まずは敵を倒すことよ。はい、あなたの銃」ポン


みょうこうが俺の89を取り出して渡す。

受け取った89は対して傷もついてなかった。


昌一「....俺はあんたに従えばいいのか?」

みょうこう「そうよ。お願いね」























凛「隊長が...行方不明...!?」

「はい。先程の攻撃で負傷者12名が出ましたが死者は出ず。和泉中尉が行方不明です。」


先程の攻撃で輸送船1隻が轟沈。艦娘達と護衛艦「あたみ」がソナーで潜水艦を捜索したが、何も見つからなかった。


凛「....捜索は『あたみ』のヘリに任せるしかない。今は私たちには何もできない。」


凛は諦めるしかなかった。

















榛名「提督!!昌一を探させてください!!」


榛名は呉にいる月見中佐に和泉昌一の捜索活動の許可をもらおうとしていた。


月見『...ダメだ、先程の深海棲艦がまたくるかもしれない。その時はお前らが護衛艦「あたみ」を守らなければならない。呉陸戦隊員が乗った「あたみ」をな。』

榛名「ですがっ...!!榛名はっ...!!」


昌一を探さなければならない。そう言おうとした。


月見『...私だってッ!!』

榛名「!!」ビクッ





月見『...私だって探したいさ。私は昌一のことを2人に任されたんだ。』


月見『だから榛名、今は我慢してくれ。「あたみ」のヘリが捜索中だ。既にUS-2も飛んでる。』

榛名「...はい」



















昌一「なんだあれ...」


俺は絶句した。敵が来るからと身構えていれば、洞窟に入って来たのは歩兵10名と...


昌一「戦車じゃねえか....」

《二尉、あの戦車はどうします?》


岩陰から深海の兵士...いや、深海の自衛官?が話しかけてくる。


昌一「あー、今の自衛隊の階級では中尉です。」

《中尉、どうします?対戦車兵器はないですよ?》

《あるのは辛うじてキャリバー(M2重機関銃)だけです。》

昌一「え?キャリバーあんの?」

《はい。あとあの戦車は側面ならキャリバーで抜けます》

昌一「...いいこと聞いたわ。戦車は1両、歩兵10名。戦車が角から飛び出してくる時に見せる側面を撃てるようにキャリバー配置してくれ。キャリバー担当は3人、他の5人は俺と一緒にそこのくぼみに伏せてキャリバーが戦車撃破したら敵を殲滅。いいね?」

《了解》
















「ソナーに感あり!!」

「音源は!?」


『あたみ』のソナーが不思議な音を捉える。


「なんだこれ...潜水艦の音じゃない...?」

「貸してみろ」


「...これ、銃声か?」






















昌一「なんだこれ」


俺は撃破した戦車を調べている。


昌一「装甲がもうただのトタンじゃん。主砲も小さくね?」

《この戦車は旧軍で使われていた軽戦車です。何故撃って来なかったかは知りません。》

昌一「ほーん...って、撃って来てたらどうなってた...?」

《さあ?撃って来なかったのでいいのでは?》

















みょうこう「さて、そろそろ貴方に話さないといけないわね。」

昌一「みょうこうの話か?」


みょうこうは静かに頷く。


みょうこう「まず、何故私が深海棲艦なのに深海棲艦に狙われるのか。そこから説明するわ。」











みょうこう「まず、沈んだ私がどのように深海棲艦になったのか説明するわ。

《みょうこう》という艦が沈んだあと、私は深海棲艦に鹵獲される。本来なら、そこから深海棲艦として該当する艦種になるの。

駆逐艦が鹵獲されたら基本はイ級になって量産される。空母が鹵獲されたらヲ級になって量産される。」


昌一「つまり、見方の駆逐艦は鹵獲されたら敵の駆逐艦に変わるって言うことか?」


みょうこう「そう。私の話に戻るけど、私の場合該当する艦種がなかった。だから、私はイ級やヲ級のような量産艦じゃなくて《みょうこう》として生き残った。」


昌一「そうなのか...」


みょうこう「そして私は深海棲艦の活動に参加せず、この洞窟で妖精さん達と一緒に過ごしてた。」


昌一「妖精さんって、さっきの隊員?」


みょうこう「ええ。そしたら近所で大規模な陸上戦闘が起きたじゃない?だから覗きに来たら、あなたがいたの。


私がよく知るあなたが....」


昌一「そういや、俺の事昔から知ってるって言ってたよな?どういう意味だ?」


みょうこう「言葉通りよ。よく艦長達が話してるから気になって会いに行ったじゃない?覚えてない?」


昌一「んんん....覚えてない」


みょうこう「そう....まあ、後で思い出してもらうからいいけど」


昌一「....」ブルッ























「スクリュー音探知!!近づいて来ます!」

「音源の主は!?」

「現在照合中...出ました!!これは...ッ!?」

「なんだ!?どこの艦だ!?」

「...海上自衛隊、《こんごう》型の音です!!」


















みょうこう「見えてきたえわよ」

昌一「本当だ」


みょうこうが俺が乗るボートを曳航してくれている。


みょうこう「さて、撃ってくるかしら?」

昌一「え?」

みょうこう「向こうからしたら私は深海棲艦よ。」

昌一「あ、そっか」

みょうこう「あら、〖あたみ〗主砲旋回。」

昌一「ちょ」


やばいって。


みょうこう「ロックオンされたわ」

昌一「やばいやばい!」

みょうこう「落ち着いて。発光信号を送るわ」













榛名「昌一!!」


艦隊接近すると、榛名が飛びついて来た。


昌一「ちょ、危ないって」

榛名「心配したんですよ!?大丈夫でしたか....誰ですかその女」

みょうこう「昌一の姉です」

昌一「後で説明する。」





















ー〖あたみ〗艦内ー


凛「昌一!!」ダキッ

昌一「おう、凛」


ちょ、一応人前だし勤務中だから。


「隊長!!無事でしたか!?」

「隊長!!」

「隊長!!」


隊員達が心配そうに話しかけてくる。


昌一「俺は無事だよ。お前らは?」

「陸戦隊に損害はありません!!」

昌一「そら良かった。このまま帰るぞ」
















月見「...そうか!!昌一は見つかったか!!」

榛名『はい。ですが、深海棲艦と思われる艦艇と一緒でした。呉に入れます。』

月見「了解。ありがとう榛名」

榛名『では、また鎮守府で』









榛名「....早く昌一と話したいな....」











〜呉基地到着!!〜




昌一「帰ってきた...」


俺は呉基地に到着した「あたみ」を降りる。


月見「中尉!!無事か!?」


月見中佐が駆け寄ってきた。俺は慌てて敬礼する。


昌一「はっ、無事です。」

月見「良かった...」


月見中佐は俺の肩を叩いて離れていった。



















みょうこう「ふーん...彼女が月見中佐ね....」
















ビスマルク「中尉!!」ダキッ

ウォースパイト「ショウイチ!!」ダキッ

昌一「あっ死ぬ」バキッ!!


ビスマルクとウォースパイトが抱きついてきた。彼女達とは出会って間もないはずなんだが...























榛名「昌一っ!!」ダキッ!!!!

昌一「ぐはぁっ!?!?」


報告書を書きはじめた時、榛名が部屋に入ってきた。


榛名「久しぶりです!!!!!」ギュウウウウウウ

昌一「ちょ...ギブ....」メキメキ


榛名は俺の体をこれでもか!と抱きしめる。いや、締め付ける。


昌一「あかん...死ぬゥ...」

榛名「あれっ!?昌一!?大丈夫ですか!?昌一!昌一ィー!!!!」











榛名「ごめんなさい...」

昌一「反省しなさい。まじで痛かったからな!」


やっと離してくれた。


昌一「まあ、反省してるなら許しても...」


許してもいい。


榛名「昌一の苦悶する顔...もう一度だけなら...」

昌一「」