2023-09-02 00:58:14 更新

概要

ついに八幡は勇気を振り絞り10年ぶりに『あの3人』と会う事を決意し、懐かしの場所へと向かう…
俺ガイル×GGO完結です


前書き

注意 キャラの口調が変だったりオリジナル設定が含まれます。また、今回はGGO要素は少ないですが、それでも大丈夫だという方は是非見て行って下さい。



全てはあの場所から始まった。あの教室から


高2の頃皮肉れた事を書いた宿題を堂々と


提出して罰として奉仕部に入れられた。


それが全ての始まりだ。


その『あの3人』にも俺にも思い深い場所で


区切りをつける。そう決めた。


そうしなければならない。


『自分に素直になる』


そう教えてくれた戸塚


気持ちに整理出来ていない時に俺に喝を


入れてくれた川崎と小町


数少ない友人、家族に面と向ける様に…


辺りが街灯の光で照らし始めるなか


息を切らし近場の駅へと向かい、


近くまで行く電車に乗り


総武高の最寄駅へと向かう。


夏の季節が終わりごろに見せる夕暮れは


未だに明るく車窓から覗く景色は遠くのビル


までくっきりと見えることが出来た。


電車が目的の駅に到着し


すぐ様に改札を出て高校へと向かう。


彼処へ向かうのは何年振りだろうか。


今から5、6年ほど前、葉山隼人が主催で


高校の同窓会の様なものが総武高で


開かれたが、その際、自分にも届いていたが


あの時は今以上に『あの3人』の事を


引きずっていて参加しなかった。


そんな事を思い出しながら目的地に向かって


いると、いつの間にか校門に着いていた。


学校を見上げると


何度も憂鬱な気持ちをしながら潜った校門


何度も平塚先生に飛び出された職員室


そしてここからじゃ見えないが全ての始まり


となった奉仕部の部室…


全て昨日の出来事だったかの様に記憶が


巡ってくる。


材木座の『GGOというゲームは面白い』


そんな一言でここまで来るとは思っても


見なかった。


これは材木座にも感謝しなくては


ならないな。まさかまたアイツに


感謝する日が来るとはな…


色々考え事をして行くと一台の車がこちらに


向かって来るのが見えた。


だが、すぐ近くのコンビニへと止まった。


ただの勘違いか…


そう思った矢先


???「……ッキー!」


???「……谷くん!」


???「……輩!」


3人の女性の声が聞こえてくる


まさか…と思い、もう一度耳を澄ます。


由比ヶ浜「…ヒッキー!!」


雪ノ下「…比企谷くん!!」


一色「…せんぱ〜い!!」


かつて『あの3人』が高校時代に各々


呼んでいた愛称が聞こえてくる。


間違いない、『あの3人』だ。


薄暗い街灯から徐々にこちらに向かってくる


3人を照らしていった。


自分のもうすぐ目の前に現れ


由比ヶ浜達が抱きついてきた。


その際、女性特有の膨らみが腕や身体に


当たっていたのは仕方が無いのであろう。


雪ノ下のはあまり感じなかったのは黙っていよう

 

由比ヶ浜「また…逢えたね」


一色「先輩は…相変わらず変わらないですよね」


雪ノ下「姉さんからは話は聞いては居たけど…貴方は変わらないのね」


各々10年振りの再開に自分に対しての


感想を言って言った。


こちらからすると3人は高校時代から


凄く大人になってた。


由比ヶ浜は、高校時代の何処となくあった


幼さが残りつつも女性特有の色気が出ていて


雪ノ下は、氷の女王の様な冷たさが


緩和されどんな人にも優しく付き合えそうな


雰囲気を出し


一色は、由比ヶ浜よりも幼さが残っている


ものの、妹の様な雰囲気より姉の様な


頼りがいがある雰囲気を出していた。


八幡「そ、そうか…俺から見たらお前達は良い意味で変わった様に見えるよ」 


久しぶりに会い、言葉が思う様に出ず、


これが精一杯の褒め言葉だった。


由比ヶ浜「グスッ…」


雪ノ下「由比ヶ浜さん…」


一色「結衣さん…」


由比ヶ浜が突然泣いてしまい、


自分が何かデリカシーの無い言葉を


言ってしまったのかもしれない。


八幡「だ、大丈夫か?気分を悪くする様な事を言ったなら謝る…申し訳ない…」


全然頭が回らない。 


やはり逢うべきじゃなかったのかもしれない


雪ノ下「比企谷くん…今、貴方が思っていることは間違っているわ」


由比ヶ浜「そうだよ、ヒッキー…あたしね、嬉しいの…また、みんなで会えて。それで、ヒッキーがちゃんと来てくれた事に」 


驚きを隠せない。


何せ、俺が3人から逃げたのに…


由比ヶ浜は俺が来てくれただけで…


いや、ずっと待っていてくれたからこそ


なのかも知れない。


由比ヶ浜は、そういう奴だった。


『皆んなで仲良くしよう』


高校時代の俺が嫌いだった言葉だ。


だが、その言葉は由比ヶ浜は


一番好きだった。


皆んなが仲良くすれば上手く行く。


そんな子供みたいな考えだが、


それこそが由比ヶ浜の本心を表している。


あの時、2人の告白を受けいれ、


1人を選んでいてもきっともう1人はいい友人


としてずっと続いていたのかも知れない


それが由比ヶ浜、雪ノ下そして一色という


人間なのかも知れない。


なのに俺は、そんな事とは知らずに3人から


逃げ出した。あの頃の自分に逢えるのなら


自分を殴ってやりたい。


一色「先輩…ここまで来れたのは全部結衣さんのお陰なんです。お米ちゃんのメールもありましたが結衣さんが率先して動いたんです」


雪ノ下「私も貴方とは気分の悪い疎遠の仕方をしてしまって後味が悪かったの。だけど、私はまた貴方に拒絶されたら如何しようと考えてしまい動けなかったわ。ずっと考えていた時に由比ヶ浜さんが動いてくれたのよ」 


由比ヶ浜「私ね、ヒッキーに肝心な事を伝える前に離れちゃって、ずっとモヤモヤしてたんだ。だからまたこうして会えて、私は嬉しいの」


やはり、由比ヶ浜は優しい。約10年という


時が経っても俺に気を使ってくれている。


比企谷「…今まで黙っていてすまない。俺は逃げていた。あんな別れ方をしてまた由比ヶ浜達に逢うのが怖くて逃げていた。」


きっと、由比ヶ浜達も怖かっただろう。


だが、それを乗り越えて会いに来た。


俺は逃げ続けていたのに…情けない…


由比ヶ浜「ううん、私達もヒッキーから逃げていたんだよ。でも、どうしても諦めきれないから、もう一度あの頃の様に4人で仲良くやりたいから今、ここにいるんだよ」


雪ノ下「そうね」


一色「ですね」


3人が同じ意見を述べた。


なら、俺もそれに応えるしか無い。


あの時逃げて言えなかった事を。


今言わないとまた言えなくなる


気がしてきたから…


比企谷「由比ヶ浜、雪ノ下、一色…俺も3人に言わなくちゃ行けない事がある…」


由比ヶ浜「うん…聞かせて」


雪ノ下「聞かせて頂戴」


一色「聞かせて下さい」


比企谷「まず、今まで逃げて済まなかった。今でも後悔している。なのに会いに来てくれてありがとう。」


比企谷「そして…10年前、本来なら俺が言わなくちゃいけない事をいう…」 


比企谷「由比ヶ浜…お、俺と…付き合ってくれないか…」


今まで無いほど心臓の鼓動が


全身で感じ取れるのが分かる。


夏の終わりに差し掛かる時期の所為なのか


身体中から汗が流れているのが分かる。


かつて、中学時代に折本に告白した時と


同じ…いや、それ以上だろう。


由比ヶ浜「……」


由比ヶ浜の顔は下を向き表情が伺えず、


返事は無い。この際どんな仕打ちを受けても


全てを受け入れるつもりだ。


それが今、俺が最大限出来る事だから…


由比ヶ浜「…んで…」


由比ヶ浜が顔を上げ、何か小さく返事が


聞こえて来た。が、あまりにも小さく自分


には聞き取れなかった。


その表情を汲み取ってくれたのか由比ヶ浜が


もう一度返事をしてくれた


由比ヶ浜「はい…喜んでっ」


由比ヶ浜は目からは涙を流し、満面の笑みを


浮かべ返事を返してくれた。


その瞬間、身体が由比ヶ浜に


吸いつかれるかの様に動いた。


気づけば自分が由比ヶ浜とハグをして居た。


比企谷「ありがとう…ありがとう…ありがとう」


自分は由比ヶ浜にこんな酷い奴の告白の返事


を貰ったのが嬉しく、


そして俺を許してくれて


嬉しくて泣いて居た。


30近くの自分がこんなに無くのは


みっともないが感情が抑えら得ず涙を


流していた…


由比ヶ浜は俺が泣いている間ずっと


頭を撫でていてくれた…


一色「ふぅこれで私の長かった初恋が終わる事が出来ましたよ」


雪ノ下「えぇ…私もよ一色さん…私は親からのお見合いの誘いを受けなくてはならなくなったけどね…」


一色「はぁ…長かったですね…私達の初恋…」


雪ノ下「本当にね…」


一色「雪乃せんぱ〜い」グスッ


雪ノ下「…来なさい…」


一色「ウワァァン!!!」グスッ


雪ノ下「私達は頑張ったわ…だから次も頑張れるわよ」グズリッ



少し時間が経ち、皆落ち着いた所で


立ち話も良いが少し落ち着いた場所で話を


しないかと雪ノ下が提案し、近くにある


サイゼへと向かった


比企谷「此処は俺が出すよ。何でも好きなのを頼んでくれ」


由比ヶ浜「なんか久々にくるね」


雪ノ下「比企谷くんらしいと言うべきかしらね」


一色「まぁ私はサイゼすきですけどね」


そう言いながらも3人は和気藹々とメニュー


を眺めてあれが良い、これが良いと


話し合っていた。本当にあの頃の様に戻って


来れたのだな、ひとりで嬉しく感じていた。


3人のメニューが決まるとタブレット式の


注文画面に入力し、料理が届くのを待った。


ちなみに俺はミラノ風ドリア。


流石サイゼ10年経っても変わらないメニュー


でいてくれて。


その後も、料理が届くまで今までの事を


話してくれたり、届いた後も、行儀が悪いと


分かっていたがずっと喋り続けていた。


由比ヶ浜が大学でレポートに追われ、


雪ノ下や一色に泣きついてきたり、


雪ノ下が弁護した人が冤罪をかけられてた


のを証拠を集め、その人を無罪にしたり、


一色が大手保険会社に勤める為の面接で


雪ノ下や由比ヶ浜に助言を求めていた等、


3人は高校卒業後も仲良くやっていた様だ。


3人の話が終わると次は俺の話を聞きたいと


言われ、今まで何をしていたのかを話した。


大学で抜け殻の様に生活していた事や、


最近では小町や従姉妹になった川崎に喝を


入れられたり、戸塚に助言で決心がついたり


と色々と話した。


楽しい時間というのはあっという間に


過ぎてしまうもので時計を見ると22時を


指していた。明日も仕事がある為


そろそろ切り上げたいところだが、今の時間


が恋しくなる。


由比ヶ浜も時計を見てハッと気づいたのか


慌てて声を出した


由比ヶ浜「えっ⁉︎もうこんな時間⁉︎早いよ〜」


一色「嘘…まだ家の事やってない…」


雪ノ下「私も急いで飛び出してしまったから何もして来なかったわ…」


3人も時間を見て明日の事や家の事を心配し


始めていた。やはり、社会人になると


こういう事が起こる。仕方がないと分かって


いるが何処か寂しさを感じる。


自分も3人の事を考え今日はお開きにしよう


と提案し、3人とも了承してくれた。


由比ヶ浜「次は『どっち』で会う?」


由比ヶ浜が振り向きイタズラを考える


子供かの様な笑顔で聞いてきた。


この『どっち』とは俺なら分かっている。


それを見越して雪ノ下も一色もクスリと


笑っていた。


雪ノ下「私は何方でも構わないわよ」


一色「そうですね、次は先輩の休みや仕事が終わる時間も考えなくちゃいけなくなりますけでねぇ」


雪ノ下と一色の顔をみると由比ヶ浜と


同じ様な顔を見せていた


比企谷「そうだな。次は…」


次会う約束を考えて居ると自然と頬が


上がっているのに気づいた


一色「うわぁ…先輩、人前でしちゃいけない顔になってますよ…」


雪ノ下「由比ヶ浜さん…この男に何かされたらすぐに連絡して頂戴。弁護士として徹底的にやるわ」


由比ヶ浜「ヒッキーはそんな事しないし!」


3人のやりとりが一瞬、高校の制服を着た


景色に見えた。


比企谷「そこまで言わなくていいだろう…」


こんな些細な会話が懐かしく、


そして楽しい。


再びこんな日常に戻れて


心から感謝している…


比企谷「話を戻して、そうだな次は…」


俺が言い掛けた言葉を3人は息を合わせた


かの様に被せて来た


由比ヶ浜・比企谷・雪ノ下・一色

「「「「『GGO』で!」」」」


      完


後書き

最後まで読んで頂きありがとうございます。
長い間俺ガイル×GGOを書いておりましたが、ついに完結させました。自分の都合で先延ばしにしてしまいましたが、ようやく完結する事が出来ました。本当に応援してくださった皆様のおかげです。一応このシリーズは終わりますが、これからも別の作品は書いていくつもりなので宜しくお願いします。


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