2023-03-21 04:54:05 更新

概要

初めまして、空っぽと申します。SS投稿するのは初めてなので至らぬ点が多々あると思います。ご容赦ください。


前書き

三人の提督がそれぞれの鎮守府で奮闘する日々を描く作品です。佐世保編になります。グロ表現アリ。エロは今のところなし。
 登場人物
佐世保提督 主人公の一人、妖精が見えるという理由で民間人から提督に。男性
呉提督 主人公の一人、成績優秀な若手のホープ。男性
横須賀提督 主人公の一人、元帥の孫。女性
元帥 長い間現役の御老人。軍人家系だができれば孫には軍属を離れてほしいと願っている。
 その他艦娘たち


序章



 二月某日 ~AM8:00~ 大本営


元帥「入れ」


三人「「「失礼します」」」


元帥「三人ともそろっているな。急な呼び出しをして済まない」


A「は、しかしどのようなご用件でしょう?」


元帥「うむ、しかしその前に確認をいくつかさせてもらおう。君達は先日の襲撃事件は耳にしているかね?」


B「はい。横須賀、佐世保、呉の各鎮守府に対し深海勢力が突如出現、攻撃をうけた。とまでは」


元帥「被害状況は?」


C「いえ、私たちの間では各鎮守府が攻撃を受けたとだけ…」


元帥「ふむ…では被害を伝えるがくれぐれも他言無用でな。各鎮守府は被害甚大、艦娘の死者多数、施設機能は完全に停止している」


A「なっ…」


B「は?」


C「そんな…」


元帥「そして佐世保、呉双方の提督は死亡が確認された。横須賀は行方不明だが恐らく死亡しているだろう、との報告だ」


元帥「現状、我が国の防衛は舞鶴がほぼ単独で支えている。なぜ深海勢力が追撃をかけなかったのかは不明だ。そこで…」


元帥「君たち三人を新提督にすることになった。それぞれ呉、佐世保、横須賀となる」


A→呉提督「待ってください。私たちの他にもっと相応しい者がいると思われます。なぜ私達なのですか?」


元帥「君の疑問はもっともだ。総合的に判断したといっても納得しないのだろう?端的に言えば君たちは妖精が見える数少ない者であり、そ            の中で一番適していると判断したからだ」


B→佐世保提督「まあ、民間人から収集するほど少ないですもんね」


C→横須賀提督「わかりました。全身全霊で職務に当たらせていただきます」


元帥「うむ、よろしく頼む。各員ヒトフタマルマルに送迎の者が来る。それまでに準備をしておけ…ああそれと、入ってきてくれ」


???「「「「「失礼します!」」」」」


元帥「各員自己紹介を」


吹雪「特型駆逐艦1番艦、吹雪です」


叢雲「特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ」


漣「綾波型9番艦の漣です」


電「特三型駆逐艦、電なのです」


五月雨「白露型駆逐艦の五月雨です」


元帥「君達三人のサポートをしてくれる艦娘たちだ。話し合って誰が良いか決めてくれ。本当は二人づつ付けたいのだが状況が許さなくてね…一人は一艦だけとなる」


  提督話し合い中…


佐世保提督「じゃあ、私は吹雪さんを」


横須賀提督「私は電さんと漣さんを」


呉提督「私は叢雲さんと五月雨さんを」


元帥「よろしい。では解散とする、諸君らの健闘を祈る!」


 一日目


 ~AM10:00~ 大本営内


佐世保提督→提督「では吹雪さん。よろしく頼む」


吹雪「こちらこそよろしくお願いします!呼び捨てで大丈夫ですよ」


提督「そうか?なら遠慮なく。いやぁ元帥の前だと緊張するわ元民間人の俺が提督になるわでもうパンパンでさ」


吹雪「司令官って軍人じゃなかったんですか?」


提督「根っからの佐世保の民間人だったよ。妖精が見えると分かってから引っこ抜かれたんだ」


吹雪「なら地元に帰ることになるんですね」


提督「まあそうなるな。ところで荷造りは済んでいるか?」


吹雪「はい。私たちは所属が決まった時点で荷物を鎮守府に届けられるようになってます」


提督「よし、なら昼までのんびり待つか、飯でも食ってな」


  提督&吹雪食事&待機中


 ~PM0:00~大本営前


呉提督「ではこれでお別れですね」


横須賀提督「お互い幸運を」


佐世保提督「生きて会おうな」


  提督&吹雪移動中


吹雪「そういえば鎮守府についたらまずやることは何ですか?」


提督「未だに損害が大きいらしいから被害の確認、及び生存者の確認だな」


吹雪「そうですか、みんな無事だと良いんですけど…」


提督「まあ、そう肩肘張んなって。緊張しすぎると良くないぞ?」


  ~翌日AM5:00~


提督「着いた…が」


吹雪「酷い…」


提督「建物の残骸もほぼそのままじゃないか!吹雪!至急生存者を生存者を探せ!俺は応援を要請してくる!」


吹雪「はい!」


  提督室


提督(提督室…だったのか?ここは…)


提督「血だまりの後もあるし…電話はどこだ?」


提督「あったあった。繋がっては…いるようだな」


元帥「こちら大本営」


提督「こちら佐世保鎮守府。被害甚大で応援が必要です!」


元帥「分かった。至急手配する。具体的にはどのような物が必要だ?」


提督「建物の修復および食料品、応急処置の器具などをお願いします」


元帥「分かった。食料品等必須の物資は三時間後には届けさせる。建物に関してはできる限り対処するが今日中には難しい」


提督「ありがとうございます」


提督「…ふぅ。さて、どうしたものか…」


???「…ぅ…うぅ」


提督「!誰かいるのか!」


???「たす…ケ…」


提督「このがれきの下か、待ってろ今助ける!」


提督「よし、おい!君!大丈夫か?」


???「…貴方は…」


提督「俺は新しく来た提督だ。君の名前は?」


???「工作艦…明石…です」


提督「良かった。負傷しているところは?」


???→明石「私は大丈夫です…それよりみんなは!?」


提督「今探している。君は避難してくれ。外は寒い。毛布は無いからすまないが俺の上着で我慢してくれ」


明石「ありがとう…ございます…」


提督(気を失ったか…とりあえずここに置いておくわけにはいかないな。抱えて移動させてもらうか)


提督「そういえば吹雪はどこに行った?」


吹雪「…いた!司令官ッ!」


提督「どうした!」


吹雪「生存者です!」


提督「何人だ?場所は?」


吹雪「艦娘寮、三人です」


提督「分かった。案内してくれ」


  艦娘寮 三階 とある一室


吹雪「ここです」


提督「気絶しているか…吹雪はとりあえず起きるまでここで待機、俺は他の生存者と安全な場所を探してくる」


吹雪「分かりました、ところで司令官が背負っているその方は?」


提督「提督室で倒れていた明石だ。この子もここに置いていくから護衛を頼む。じゃ、行ってくる」


  ~AM6:30~ 食堂


提督「ここは…食堂か。被害は一番軽そうだな」


提督「…よし、とりあえずここに皆を移すか。キッチンの方はっと…!」


提督「誰か倒れている!無事ですか!」


???「…」


提督「息はある…良かった。とりあえず食堂のほうに運んでっと」


提督「吹雪を呼びにいくか」


  艦娘寮前


提督「何か騒がしい…?」


吹雪「あっ司令官、早く来てください!目覚めた娘が暴れています!」


  艦娘寮 とある一室


???A「…ちゃん落ち着いて!」


???B「早くみんなを探しに行かないと!」


提督「どうした、何があった?」


???A「あ、貴方は?」


???B「誰だアンタ!」


提督「俺は新しく着任した提督だ。君たちは?」


???A「私は、榛名です」


???B「怪しい奴なんかには名乗らないっぽい!出てけ!」


???A→榛名「夕立ちゃん、暴れないで一旦おとなしくして、ね」


???B→夕立「榛名さんこそ早く離して!」


提督「夕立さん落ち着いてくれ、俺たちが生存者を今捜索している。食堂に一人倒れていた。そっちへ移動しようと思うんだが」


夕立「!それ誰っぽい?!」


提督「名前はわからない、茶髪で赤いリボンをしていたが…」


榛名「それって間宮さんじゃ…」


夕立「ほんと!早く行くっぽい!」


提督「待ってくれ、君達怪我は無いか?あとそこで倒れているもう一人の名前は?」


榛名「榛名は軽い傷だけで大丈夫です。あと倒れている時雨ちゃんも…大きな怪我はなさそうです」


夕立「夕立も大丈夫っぽい」


提督「よし、明石は俺が抱えるから榛名さん、時雨さんを頼めるか?」


榛名「わかりました」


提督「吹雪は他の生存者がいないか探してきてくれ」


吹雪「はい、司令官」


  ~AM7:00~ 食堂


提督「よし、着いた…あれ?さっきの人は?」


夕立「間宮さん何処っぽい?間宮さーん!」


???→間宮「その声は…夕立ちゃん?」


夕立「間宮さん隠れてたっぽい?」


提督「良かった。起きてたのか」


間宮「はい、貴方は…」


榛名「新しく着任された提督だそうです」


間宮「そうでしたか…助けていただきありがとうございます。給糧艦、間宮といいます」


提督「よろしく間宮さん。ここに救助したみんなを集めることにしたんです」


間宮「そうでしたか…他に生き残っている娘はいるのですか?」


提督「今全力で探しています。もう少ししたら応援が来ますのでそれまでここで待機していてください」


間宮「わかりました」


提督「では俺も探しに行ってきます。くれぐれも動かないように」


榛名「了解しました」


  ~AM8:00~ 鎮守府前


提督「中々見つからないな…ん、あれは」


士官「佐世保鎮守府に到着、物資を届けに来たぞ」


提督「おお、やっときたか。食堂に生存していた艦娘を待機させている。とりあえずそこに運び込んでくれ」


士官「了解した。貴官はこれからどうするつもりだ?」


提督「俺は生存者の捜索を続ける。沿岸にはまだ行っていないからな。あなた達は近付かないでくれ」


士官「了解、それと元帥から伝言の手紙だ。確認してくれ」


提督「確かに受け取った。感謝する」


士官「何、貴官のこれからの苦労に比べればほんの子供の遊びだよ」


提督「はは、そんなことはないさ」


士官「では、また後で」


提督「また後で」


  沿岸部


提督「やって来たはいいものの…あと確認していないのは入渠ドックと出撃ハッチくらいか?」


提督「あと血だまりや争った形跡はあるのになぜ死体はないんだ?…あれは…吹雪?」


吹雪「司令官…」


提督「どうした?入渠ドックの前に座り込んで?」


吹雪「あれ…あれ…」


提督「あれって……!」


提督「うっ…」


吹雪「みんなが…みんなが…」


提督「なぜ一か所に死体が…固まっているんだ…」


提督「近くに行ってくる、吹雪は来るな」


吹雪「いえ…私も、ご一緒します」


提督「そうか、無理はするなよ」


提督「深海棲艦も艦娘も一緒に積まれているな…」


吹雪「艦娘もほとんど原型を留めていない方が…」


提督「頭を吹っ飛ばされているだけならいい方、腕が千切れ足が折れ、内臓が零れている者もいるか…床は血で元の色が分からないな…」


提督「吹雪、食堂に戻って物資の運搬を手伝いにいってくれ、それと生存者をここに立ち入らせないように頼む」


吹雪「分かり、ました」


提督(行ったか…しかし気味が悪い。肉片のひとかけらすら丁寧に集まってるようだ)


提督「生存者を探すか…」


  30分後


提督「やはりいない…か?」


???「ぁっぃ…ぃたい」


提督「!いた!…でもさっきそっちは調べたはず…」


提督「とりあえず食堂まで運ぼう」


  時は少し巻き戻り ~AM8:30~ 食堂


夕立「みんな大丈夫かなぁ…」


榛名「分かりません、祈るしか…」


吹雪「今司令官が探しています、私たちはここで待っていましょう」


間宮「そういえば吹雪ちゃんさっき帰って来た時顔が青かったわよ、大丈夫?」


吹雪「だ、大丈夫ですよ」


士官「お話中失礼、物資の運び込みが終わったので我々は一旦戻る。次に会うのは建物の修復になるだろう」


吹雪「ありがとうございました」


士官「提督殿にはよろしく頼むと伝えてくれ。それとこれを渡しといてくれ」


吹雪「はい、分かりました」


榛名「そういえば吹雪さん、提督はどんな方なの?こんな状況なのに次々と指示を出していたけど」


吹雪「私も昨日知り合ったばかりであまり知らないんですけど妖精が見えるからという理由で軍に収集された佐世保の元一般人、としか」


榛名「そんな方があんなにも冷静に…」


間宮「でも、私には悪い人には見えませんでした」


夕立「うん、夕立がパ二クッた時も冷静に対処してたっぽい」


榛名「ひとまずは…信用してもよろしいいのでしょうか…」


~AM9:00~


提督「よっこらせっと」


吹雪「お帰りなさい、司令官」


提督「おう、一人見付けた。すまんが面倒を見ていてくれ」


吹雪「わかりました、それと報告です。物資の運び込みが終わりました」


提督「了解した。士官殿は?」


吹雪「もう戻られました。次にお会いするのは施設の修復の時だろう、とのことです」


吹雪「ああそれと、この手紙を預かりました」


提督「士官殿から?さっき元帥からの手紙を受け取ったが…」


提督「とりあえずヒトマルマルマルに皆を集めてくれ。それまで休憩としよう」


吹雪「了解しました」


提督「俺は提督室にいるからなにかあったら教えてくれ」


  提督室


提督「とりあえず手紙を確認するか」


手紙「ひとまずご苦労。ひどい状態で引き継いでしまって申し訳ない。できればもっと支援をしたいのだが他二つの鎮守府も問題が発生しており、中々そうできないのが現状だ。一ヶ月の期間を与える。この間に最低限の準備を整えてほしい。最後になるが君に派遣した士官は私の直属だ。存分に頼ってほしい。それでは貴官の健闘を祈る」


提督「もう一つの士官殿の方はっと…物資の詳細と連絡先、それにここの艦娘の名簿か」


提督(五十人以上がいたのか…生き残ったのは内六人、か)


提督(時間まで当時の状況を調べてみるか)


  ~AM10:00~


提督「通信の履歴が見つかったが…急に囲まれた?どういうことだ?」


提督(敵の推定数は百以上…そんな大人数に気付かないなんてあるのか?)


吹雪「失礼します。お時間です。それと、二人が目覚めました」


提督「分かった、今向かう」


  食堂


???「…あ、貴方が提督?」


提督「ああそうだ、君は…」


???「航空母艦、飛龍です」


提督「よろしく頼む。ドックで君が生きているのを見つけることができて本当に良かった」


???→飛龍「助けてくれてありがとう」


提督「とりあえずゆっくり休んでくれ、と言いたいんだがこの後全体に話すことがある。悪いがそれまで待ってくれ」


夕立「提督さん、時雨が起きたっぽい!来てっぽい」


提督「君が時雨さんかい?」


???→時雨「うん、僕が時雨。助けてくれてありがとう」


提督「怪我はないな?よし、みんな、聞いてくれ」


提督「改めて自己紹介を、俺はここに新しく着任する事になった提督だ。よろしく頼む」


提督「元帥殿から一ヶ月の休養期間を頂いている。とりあえず君達はゆっくり休んでいてくれ」


全員「了解」


提督「それと食堂の外にはあまり出ないように、特に沿岸部には近づかないよう頼む」


榛名「質問です。なぜ近寄ってはいけないのですか?まだ深海棲艦がいるのではないのでしょう?」


提督「それはだな…」


提督「仕方ない、端的に言う。気分が悪くなったら言ってくれ」


提督「入渠ドックに死体が積まれている。敵味方関係なく、だ」


夕立「そんな…」


提督「わざわざ行って傷つくことはない、わかったか?」


榛名「…それは何人ほどでしたか、、、」


提督「たしかなことはいえないが恐らくここにいる者以外全て、だ」


提督「恐らく生存者は他にいないと思われる」


全員「…」


提督「だから絶対に近付かないように」


提督「とりあえず皆疲れただろう。これにて解散にする。ゆっくり休んでくれ」


提督「吹雪と榛名はこの後ついてきてくれ、鎮守府の被害を確認する」


吹雪・榛名「「了解しました」」


  少し後


間宮「提督さんがおっしゃった事は…本当なのでしょうか」


時雨「生き残ったのは僕たちだけ…」


夕立「そんなの噓っぽい、みんなが死んでるわけ…なんて…」


明石「ですが噓をつく理由がないですよ…」


飛龍「とりあえず今はみんなが生き残ったことを喜ぼうよ」


間宮「そう、ですね…そういえば!さっきの物資の中に食材があったんですよ!これで今夜はおいしい料理を作りますね!」


夕立「ホント!夕立カレーが良いっぽい!」


時雨「僕は何でもいいかな」


間宮(なんとか悲嘆ムードから抜け出せました…)


  提督室


提督「さて榛名さん。辛い体験を思い出してしまうことになりすまないが襲撃当時の状況を報告してくれ」


榛名「分かりました。それと榛名は呼び捨てで構いません」


榛名「気を失っていたので正確な日は分かりませんが…お昼過ぎでした。榛名は出撃のための準備をしていました」


榛名「すると突然警報が鳴って…外に出ると既に敵が上陸し始めていました。数は分かりません。とても多かったことは確かです」


榛名「敵は非武装の艦娘たちを襲いながら提督室を目指しているようでした」


榛名「榛名も提督室に向かおうとしたのですが…」


榛名「その時に夕立ちゃんと時雨ちゃんを見つけたんです」


榛名「二人は深海棲艦に襲われている最中で、榛名は二人を救出して艦娘寮へ逃げたんです」


榛名「それから部屋に立てこもって敵の攻撃をしのいでいたんです」


榛名「砲撃の音が止んだのは日付が変わるころだったと思います。その時は既に弾も打ち尽くしていて…」


榛名「三人であの部屋にずっといるうちに気絶してしまいました」


提督「そして発見された、か」


提督「教えてくれてありがとう榛名、食堂に戻ってくれ。それと明石を呼んできてくれ」


榛名「かしこまりました。失礼します」



吹雪「…警報が鳴った時には既に敵が陸に上陸していた、っておかしいですよね?」


提督「ああ、そこが疑問なんだ。敵が突然現れたのはなぜだ?」


提督「そこを把握するためにも提督室にいた明石に聞きたいんだが」



明石「失礼します」


提督「入ってくれ」


明石「提督、ご用件は?」


提督「襲撃当時の報告をしてもらいたい、すまないが」


明石「分かりました」


明石「私はいつものように工廠にいたんです」


明石「装備のメンテナンスをしていたら警報が聞こえて外を確認したら凄い数の深海棲艦がいて」


明石「ほ、他の娘達を…」


提督「落ち着いて、無理なら話さなくても構わない」


明石「大丈夫です…私は戦えないので提督室に逃げたんです」


明石「そしたら提督だけいて、私に隠れるようにいったんです」


明石「私が隠れている間提督は指示を飛ばしていたんですが…」


明石「提督室に深海棲艦が来たんです」


明石「見たこともない敵でした。姫、或いは鬼クラスだと思います。そんなのが二体」


明石「提督は最後まで抵抗しようとしたんですが敵は笑いながら一瞬で提督を殺しました」


明石「その後、ココハ壊シチャイケナイ、ジャア適当ニ壁デモ壊スカっていって」


明石「提督室を破壊したんです」


明石「そのときに私は気を失っちゃって…提督に助けてもらうまで瓦礫に埋もれていました」


提督「報告感謝する。つらいことを思い出させて済まない」


明石「いえ、大丈夫です」


提督「食堂に戻ってくれ。」


明石「わかりました、それと、今夜間宮さんが夕食を出すそうです。ヒトナナマルマルに集合になってます」


提督「分かった。間宮さんにはくれぐれも無茶しないように言ってくれ」


明石「はい、それでは失礼します」



提督「…姫、鬼級が二体?こんな近海まで?」


吹雪「しかも提督室を壊しちゃいけないって…でも壁は壊した?」


提督「何か狙いがあることはわかる、だがそれ以外が一切分からないな…」


提督「とりあえず状況は分かった。これから施設を見て回るが吹雪はどうする?食堂にいてもいいぞ?」


吹雪「いえ、ご一緒します。万が一敵が残っている可能性もありますので」


提督「わかった」


  ~AM11:00~ 工廠


提督「工廠に来てみたが比較的被害は少ないか」


吹雪「あっ、妖精さんです」


妖精「/(`Д‘)/」


提督「待ってくれ、俺たちは敵じゃない」


妖精「(・・?」


提督「俺は新しくきた提督だ」


妖精「(`・ω・´)ゞ」


提督「被害を確認したい、他にも妖精さんはいるか?」


妖精「丶(ーー*)チョイマチ」


妖精→妖精A「(‵・ω・)b」


妖精B「(*・ω・)ノ」


妖精C「(´ーωー`)」


吹雪「良かった。沢山います!」


提督「工廠は使えるのか?」


妖精A「(´;ω;‵)」


提督「わかった。数日中に工事の方が来るからそれまで待機してくれ。艦娘たちは食堂にいるから会いに行ってあげてくれ」


妖精達「「「( ̄^ ̄)ゞ」」」


  ~AM11:30~ 艦娘寮


提督「改めて確認していくか」


吹雪「もしかしたら生き残っている娘がいるかもしれないですもんね!」


  一階


吹雪「ここら辺は血痕が少ないですね」


提督「恐らく上へ上へ逃げたんだろう、榛名たちも三階の奥の部屋にいたからな」


  二階


吹雪「部屋を全部確認しましたが生存者は見当たりませんでした…」


提督「ありがとう、もう四日もたってるのに未だに血の匂いが消えないな…」


吹雪「それにしても何故死体が移動しているんでしょう…?」


提督「それも謎なんだよな…」


  三階


提督「最上階だな、念の為全部屋確認するか」


提督「最後、ここが榛名たちのこもっていた部屋だよな」


提督「?扉を誰か閉めたのか?…!」


???「おや、ようやく来たか」


吹雪「司令官!私の後ろに!」


???「素早い対応だ、素晴らしい。が、腕が震えているよ?」


提督「貴様、何者だ」


???「ああ、誤解しないでくれ。私はここを襲った奴らではないし、敵意はないよ」


提督「どうだか、男の深海棲艦なんか聞いたことがないがな」


提督(しかし、白い肌に雰囲気、深海棲艦によく似ている)


???「まあ、警戒しないでくれ。って言っても無理か。なら一つ誠意をお見せするとしよう」


提督「誠意…?」


???「近い内に駆逐艦が一人、この近海に迷い込む。その娘は今回の件の重要な鍵を握っている」


提督「…それがどうした」


???「今言ったように誠意だよ。情報は与えたよ、ではさらばだ」


提督「吹雪、撃て」


吹雪「は、はい!」


  ドオン‼


吹雪「…噓、無傷?!」


???「手荒いな、まあいい。また近いうちに会うとしよう」


提督「…消えた?」


吹雪「…」


提督「とりあえず食堂に戻るとしよう。昼時だしな」


吹雪「…はい、司令官…」


  時は少し巻き戻り ~AM11:00~ 食堂


榛名「…やはり決めました」


明石「榛名さん?どうしました?」


榛名「皆に会いに行こうと思います」


明石「皆って…もしかして提督から禁止された…」


榛名「はい、やはり行かないのはダメな気がするんです」


夕立「夕立も行くっぽい」


時雨「僕も、行くよ」


榛名「夕立ちゃん、時雨ちゃん…分かりました。提督が帰ってきたらお願いしてみましょう」


妖精A「(*・ω・)ノ」


飛龍「!!妖精さん!無事だったんだね」


妖精B「(*ーωー*)」


妖精C「( ̄ー ̄)アッタリメエヨ」


明石「良かった。良かった…あの時は私一人だけ逃げてしまってごめんなさい!」


妖精A「( ´∀`)キニスンナ」


妖精B「( ´ー`)シャーナイ」


妖精C「( ´ーωー)ノープロブレム」


間宮「でも妖精さんは何故ここにこれたんです?」


妖精A「(・ω・)テートクダヨ」


榛名「なるほど、それで皆さん来ることができたんですね」


  三十分後


…グウ~


夕立「…おなかすいたっぽい…」


時雨「僕もしばらく何も食べてないね…」


榛名「立てこもっていた時に部屋にあったお菓子類も一日でなくなってしまいましたもんね…」


飛龍「私は…あれ?ずっと気絶してたのかな…」


明石「私も同じような感じです…」


間宮「私達艦娘は人よりは食べなくても生存できますがそれでも辛いですよね…」


明石「そういえば妖精さん、補給施設は無事ですか?」


妖精C「¬( ´ーДー`)rドウシヨウモネエ」


明石「これじゃ私達も満足に動けないですね…」


榛名「でもすぐに復旧するとおm…」


 …ドオン…


榛名「伏せて!」


全員 ダッ




榛名「…今のは…」


時雨「砲撃音…」


夕立「っぽい…」


飛龍「深海棲艦がまだいたのかな?」


榛名「とりあえず周囲を警戒して待ちましょう」


  ~PM0:00~ 食堂


提督「今戻った。みんな無事か?」


榛名「提督、先程の砲撃音は…」


吹雪「私が撃った音です」


時雨「敵がいたのかい?」


提督「いや、正体不明の男が艦娘寮にいた」


吹雪「私の砲撃を受け止めて姿を消しました…」


飛龍「いやいやいや、砲撃を受け止めた?男ってことは艦娘でもないんでしょ?」


吹雪「確かに片手で受け止められました。人間ではありえません」


時雨「そいつが今回の襲撃の首謀者かな?」


提督「わからない、本人は関係ないとは言っていた。しかしどう考えても怪しいのは確かだ」


夕立「深海棲艦はいなかったっぽい?」


提督「ああ、確認した限りではいなかった。といっても安心はできないが…」


全員「…」


提督「見張りはすぐに来る。それまでは俺と吹雪で警戒をするから心配しないでくれ」


明石「しかし…」


…グウ~


夕立「…またおなかが鳴っちゃったっぽい…」


提督「そうだ。君達これまで何も食べていなかっただろう。いまからスープを持ってくる」


間宮「なら私が」


提督「間宮さん、命令だ。休んでください。今まで無理をしてるんだから動かないでください」


提督「いいですね?」


間宮「はい…」


吹雪「私、お手伝いしますね」


提督「ありがとう、じゃあやるか」



提督「キッチンは予想通り使えるようだな」


吹雪「これだけの被害を受けて使用可能なのは奇跡ですね」


提督「士官殿の物資の中にあったもので作るとなるとコンソメスープくらいがよさそうだな」


吹雪「司令官、料理できるんですね」


提督「難しいものはできないぞ?あくまで簡単なものだけだ」



提督「ほら、できたぞ。」


吹雪「熱いので気をつけてくださいね」


夕立「美味しそうな匂い!いただきます!」


提督「ゆっくり食べろよ、胃が驚くからな」


時雨「…ああ、美味しい…」


榛名「これは…身体にしみますね」


飛龍「熱っ!ちょっと冷まして飲もう…」


明石「久々の補給、ありがとうございます」


間宮「…美味しい」


提督「一人暮らしの男料理だからな、大雑把だぞ…」


間宮「いえ、とっても美味しいです。こんなにおいしく感じたのはいつ以来かしら…」



全員「ごちそうさまでした(っぽい)」


提督「よし、みんな。これから自由時間とする。夕食までゆっくりしていてくれ」


間宮「夕食は私が作らせていただきますね」


提督「いや間宮さん、貴女は…」


間宮「大丈夫です。私に作らせてください」


提督「…わかりました。ただ、作るときは俺を呼んでください。手伝うので」


間宮「ありがとうございます」


榛名「提督、お願いがあるのですが」


提督「どうした?」


榛名「提督は近付くなとおっしゃいましたが、やはりみんなを確認したいのです」


榛名「これは、ここにいるみんなで決めました。どうか許可していただけないでしょうか?」


艦娘「お願いします」


提督「…わかった。ただし明日とする」


提督「再三言っているが今日は休んでくれ」


榛名「ありがとうございます、提督」


提督「俺は提督室に行くよ。みんなは食堂で待機していてくれ」


  ~PM13:30~ 提督室


提督「もしもし」


元帥「こちら大本営」


提督「艦娘の保護、及び施設の確認が終わりました。それと、ご報告したいことが」


元帥「ご苦労、艦娘は無事だったか?」


提督「現在六名を救出しました。それ以外は…」


元帥「そうか…いや、六名も助かったのだ、と考えろ」


元帥「襲撃の報告から四日、それだけの時間が経った状態でよく助けてくれた」


提督「…ありがとうございます」


元帥「施設の状況に関しては士官に伝えてくれ、彼が手配してくれる。それと、報告したい事とは?」


提督「はい、まず一つ目はこの襲撃は恐ろしい速さで行われたようです」


提督「通信の履歴、そして艦娘からの聞き取りから突如沿岸に深海棲艦が出現したような印象を受けます」


元帥「監視の目をすり抜けたという事か、具体的な敵の規模はわかるか」


提督「記録によると数は百は超える、と。さらに姫、鬼級の者まで確認されたようです」


元帥「そんな大規模なら哨戒している者が気付かない筈がない。ふむ…」


提督「二つ目は戦死者が一か所に集められていました」


提督「確認させていただきますが、死体を一か所に集めるよう指示されましたか?」


元帥「いや、そのような命令は出していない。そのような悠長なことができる時間も無かった」


提督「入渠ドックに敵味方関係なく積まれていました。しかも、かけらも余さずに、です」


元帥「その情報だけだと何とも言えん。しかし重要な情報であると考えられる。記録しておこう」


提督「最後に、正体不明の者と遭遇、交戦し、取り逃がしました」


元帥「深海棲艦の残党か?」


提督「いえ、その者は男でした。しかし、深海棲艦の特徴である肌の白色と濡れたような外見であり、さらに艦娘の砲撃を受け止め、会話もできました」


元帥「…謎だな。そいつが首謀者か?」


提督「本人は否定していました。しかし何らかの関係があるのは間違いないかと」


元帥「わかった。その者はこちらでも調べてみる」


提督「ハッ…そして男は気になる事を言い残していきました」


元帥「それは?」


提督「近々、駆逐艦が鎮守府の近海に現れること、その娘が今回の襲撃の鍵を持っているとのことです」


元帥「その情報は不確かかつ重要だ。決して他言するな。他の鎮守府でもだ」


提督「ハッ」


元帥「よろしい。報告は以上か?」


提督「はい、また何かあれば連絡します」


元帥「支援の艦娘を送りたいところだが残念ながら人手が足りん。貴官には苦労を掛けるが健闘を祈る。ではこれにて通信を終了する」



提督「…はあ」


提督「次は士官殿にかけるか」


提督「もしもし、こちら佐世保鎮守府」


士官「こちら士官、どうされた」


提督「施設の被害状況の確認が終わった。ほとんどの建築物が損壊している。無事だったものは食堂くらいだった」


士官「了解した。明日には修復作業に入る」


提督「感謝する。それと一つ、お願いがあるのだが」


提督「入渠ドックに死体が集められている。それについては明日まで手を付けないでくれないか?それと今夜の見張りをお願いできないか?」


士官「そちらも了解した。作業可能になり次第また報告をお願いする。見張りに関しても安心してくれ、もとよりそのつもりだ。貴官は艦娘たちの傍にいてやってくれ」


提督「手間をかけさせてしまって申し訳ない」


士官「貴官の苦労に比べれば大したことは無い、大変だろうが必要な時は遠慮なく声をかけてくれ」


提督「…ありがたい」


士官「一段落したら飲みにでも行こう。ではまた」


提督「必ず、ではまた」



提督(報告は終わった。資料の整理をするか)


  ~PM16:30~


提督(とりあえず残っていた資料は整理できた)


間宮「失礼します」


提督「入ってくれ」


間宮「そろそろ夕飯の準備をしようかと」


提督「わかった。丁度作業も終わったところです」


間宮「それは良かったです。今夜はカレーを作ろうかと」


提督「カレーか、なにか理由はあるのか?」


間宮「夕立ちゃんのリクエストですね」


提督「了解しました。じゃあ、行きましょうか」


  キッチン


提督「よし、作るか」


間宮「具材を切るのを手伝ってもらっていいですか」


提督「わかりました」



提督「よし、切り終わった」


間宮「ありがとうございます。失礼ですが提督、結構手際がいいですよね」


提督「そうか?料理が得意なわけではないが」


間宮「それにしてはすごく包丁さばきとか手馴れてますね…あ、あとは私がやりますので食堂で待っててください」



飛龍「あ、提督、お疲れ様です」


提督「ゆっくり休めたか?吹雪の姿が見えないが」


明石「吹雪ちゃんなら外で警戒をしてくれています」


提督「ありがとう。呼んでくるよ」


  外


提督(吹雪を見つけたが…ボーっとしているな)


提督「吹雪、もうすぐ飯だぞ」


吹雪「あ、司令官、わかりました」


提督「気が抜けていたようだが大丈夫か?」


吹雪「えっ、と、大丈夫です」


吹雪「今日一日でいろんなことが起こっちゃって思い返していたんです」


提督「確かに多すぎるくらいにな…」


提督「とりあえず食堂に戻ろう。その後ゆっくり休んでくれ」


吹雪「はい!司令官!」


  ~PM17:00~ 食堂


間宮「お待たせしました。カレーになります!」


夕立「ごっはん~ごっはん~♪」


提督「冷めないうちに食べよう」


全員「いただきます」


飛龍「うーんおいしい!」


明石「さすが間宮さん!」


時雨「僕には少し辛いかな…でも、おいしいよ」


間宮「時間がなくて辛さ別に作れなかったんですよ。ごめんなさいね」



全員「ごちそうさまでした」


夕立「おいしかったっぽい!けど、夕立もう眠いっぽい…」


提督「食堂の後ろの方に布団が用意してある。ゆっくり眠ってくれ」


榛名「提督はどこでお休みになるおつもりですか?」


提督「安心してくれ、執務室で寝るとするよ」


飛龍「でもそれじゃ提督休めないんじゃない?」


提督「布団を持っていけば大丈夫さ。それにどこでも眠れる質でな。君たちが起きている間はここにいるがすぐに退散するさ」


提督「間宮さんも休んでください。片づけは俺がしておくので」


間宮「それじゃ提督に申し訳…


提督「これは命令です。早く休んでください」


間宮「…ありがとうございます」


  ~PM19:00~


提督(みんな寝たか、起こさないように)


 執務室


提督(布団は敷いた、明日の準備でもするか。まだしたい仕事もあるしな)



…コンコン


提督「誰だ?」


夕立「提督さん、夕立怖いっぽい…眠れないっぽい…」


提督「…しょうがないな、そこの布団で寝なさい」


夕立「おやすみっぽい…」


提督「…そこの二人、出てこい」


時雨&吹雪「ギクッ」


提督「はあ…どうした二人とも。吹雪は布団まで持ってきて…」


時雨「僕は夕立が起きたから追いかけてきて…」


吹雪「私は時雨ちゃんを追って…」


提督「…ここで寝たいなら好きにしろ、夕立を起こさないようにな」


時雨&吹雪「はい」


提督(これじゃおちおち電気もつけることができないな…)


提督(しょうがない、今日は寝るか)


提督「…さて、どこで寝るか…」


 一日目 終了


このSSへの評価

1件評価されています


SS好きの名無しさんから
2023-03-21 22:18:38

このSSへの応援

1件応援されています


SS好きの名無しさんから
2023-03-21 22:18:40

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください