2023-03-21 04:57:41 更新

概要

初めまして、空っぽと申します。SS投稿するのは初めてなので至らぬ点が多々あると思います。ご容赦ください。


前書き

三人の提督がそれぞれの鎮守府で奮闘する日々を描く作品です。佐世保編になります。グロ表現アリ。エロは今のところなし。
 登場人物
佐世保提督 主人公の一人、妖精が見えるという理由で民間人から提督に。男性
呉提督 主人公の一人、成績優秀な若手のホープ。男性
横須賀提督 主人公の一人、元帥の孫。女性
元帥 長い間現役の御老人。軍人家系だができれば孫には軍属を離れてほしいと願っている。
 その他艦娘たち


序章



 二月某日 ~AM8:00~ 大本営


元帥「入れ」


三人「「「失礼します」」」


元帥「三人ともそろっているな。急な呼び出しをして済まない」


A「は、しかしどのようなご用件でしょう?」


元帥「うむ、しかしその前に確認をいくつかさせてもらおう。君達は先日の襲撃事件は耳にしているかね?」


B「はい。横須賀、佐世保、呉の各鎮守府に対し深海勢力が突如出現、攻撃をうけた。とまでは」


元帥「被害状況は?」


C「いえ、私たちの間では各鎮守府が攻撃を受けたとだけ…」


元帥「ふむ…では被害を伝えるがくれぐれも他言無用でな。各鎮守府被害甚大、艦娘の死者多数、施設機能は完全に停止している」


A「なっ…」


B「は?」


C「そんな…」


元帥「そして佐世保、呉双方の提督は死亡が確認された。横須賀は行方不明だが恐らく死亡しているだろう、との報告だ」


元帥「現状、我が国の防衛は舞鶴がほぼ単独で支えている。なぜ深海勢力が追撃をかけなかったのかは不明だ。そこで…」


元帥「君たち三人を新提督にすることになった。それぞれ呉、佐世保、横須賀となる」


A→呉提督「待ってください。私たちの他にもっと相応しい者がいると思われます。なぜ私達なのですか?」


元帥「君の疑問はもっともだ。総合的に判断したといっても納得しないのだろう?端的に言えば君たちは妖精が見える数少ない者であり、そ            の中で一番適していると判断したからだ」


B→佐世保提督「まあ、民間人から収集するほど少ないですもんね」


C→横須賀提督「わかりました。全身全霊で職務に当たらせていただきます」


元帥「うむ、よろしく頼む。各員ヒトフタマルマルに送迎の者が来る。それまでに準備をしておけ…ああそれと、入ってきてくれ」


???「「「「「失礼します!」」」」」


元帥「各員自己紹介を」


吹雪「特型駆逐艦1番艦、吹雪です」


叢雲「特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ」


漣「綾波型9番艦の漣です」


電「特三型駆逐艦、電なのです」


五月雨「白露型駆逐艦の五月雨です」


元帥「君達三人のサポートをしてくれる艦娘たちだ。話し合って誰が良いか決めてくれ。本当は二人づつ付けたいのだが状況が許さなくてね…一人は一艦だけとなる」


  提督話し合い中…


佐世保提督「じゃあ、私は吹雪さんを」


横須賀提督「私は電さんと漣さんを」


呉提督「私は叢雲さんと五月雨さんを」


元帥「よろしい。では解散とする、諸君らの健闘を祈る!」


 一日目


 ~AM10:00~ 大本営内


横須賀提督→提督「じゃ、これからよろしくね電、漣」


電「よろしくお願いします、なのです」


漣「よろしくお願いしますね、ご主人様」


提督「ご主人様?」


漣「ま、いいじゃないですか」


提督「うーん、ま、そうね」


電「それにしても女性の司令官さんなんて珍しいのです」


漣「普通妖精が見えるなら私達艦娘になるもんね」


提督「ああ、それには事情があって」


漣「kwsk(・∀・)」


提督「ま、ご飯でも食べながら話しましょ?」


  食堂


漣「ここの食堂ともしばらくお別れになるのね、ツラミ」


電「また来れるはずなのです。漣ちゃん」


漣「で、ご主人様。さっきの話の続きを」


提督「そうね、どこから話そうかしら」


提督「二人は私のことどこまで知ってる?」


電「女性の提督さん、としか」


漣「右に同じ」


提督「私、元帥の孫なの」


電「!?」


漣「なんとぉ!」


提督「私の家は軍家系なのね。それで妖精が見えた私も艦娘に!と思ったんだけど」


提督「検査してみたらなんと結果は艦娘適正なし、だから提督になったってわけ」


電「電も検査うけてなれたのです。」


漣「私は海域を彷徨ってるところを保護されたので…検査は初耳です」


電「でも、妖精が見えて検査がハズレって聞いたことないのです」


提督「私もよ、だから最初はびっくりしたわ」


提督「さ、いい時間ね。いきましょう」


 ~PM0:00~大本営前


呉提督「ではこれでお別れですね」


横須賀提督「お互い幸運を」


佐世保提督「生きて会おうな」


移動中 車内


提督「私達は一番近くて良かったわ」


電「呉と佐世保のお二人は一日がかりの移動になりますね」


漣「ところで横須賀の鎮守府の情報はありますか?」


提督「そうね、まずは行方不明の提督の捜索…ってことになるんだけど」


漣「けど?」


提督「襲撃当時の様子が全く分からないの」


電「それはおかしいのです。襲撃されても最低限の通信はあるはずなのです」


提督「そうなのよ。だけどたった一言『深海棲艦ノ襲撃アリ』とだけ打たれたあと音信不通」


漣「即ち何の情報もない、と」


提督「それともう一つ、横須賀付近の軍属の人間も殆ど連絡が取れないそうよ」


電「この四日間でこれだけ近いのに状況が分からないのはそういう事ですか…」


提督「こっちから派遣された人間もなぜか音信不通、或いは何処かで殺されているわ」


漣「…もしかして私達、とんでもない貧乏くじじゃ無いですか?」


提督「他二つも決していい状況じゃないわ」


漣「うへえ、やべえよやべえよ…」


電「と、とりあえず!鎮守府に到着するまで準備しておくのです!」


漣「鬼が出るか蛇が出るか、或いは深海棲艦がでるか…」


提督「縁起でもないわ…」


 ~PM13:00~ 横須賀鎮守府前


電「到着したのです」


漣「誰もいないし何も聞こえないですなあ…」


提督「中に入りましょう、そうしないと何も始まらないわ」



 ~PM13:30~ 提督室


提督「一通り見て回ったけど」


漣「誰もいないですね」


電「おかしいのです、戦闘があったような雰囲気じゃないのです」


漣「艦娘だけじゃなくて士官もいないですね」


電「妖精さんもいないのです」


提督「とりあえず大本営に連絡するわ」



元帥「こちら大本営」


提督「横須賀鎮守府です。状況の報告を」


元帥「何かわかったか?」


提督「誰もいない、という事と、戦闘が起こった様子はないという事だけ」


元帥「ふむ…建物の損害は?」


提督「綺麗なものよ、人だけがいないみたい」


元帥「了解した。支援は必要か?」


提督「とりあえず艦娘が欲しいわ、このままじゃ工廠すら動かせない」


元帥「わかった、舞鶴から派遣させる。夜にはつくだろう」


提督「感謝するわ。では通信を終了します」



電「…以外なのです。ちゃんとした言葉だったのです」


提督「以外ってなによ。そりゃ仕事なんだから当たり前よ」


漣「いや身内だと、ねえ?」


電「しかもお爺さんなのです」


漣「めっちゃ可愛がってそう…可愛がってそうじゃないですか?」


提督「少なくとも公の場では違うわよ」


電「少なくとも?」


漣「漣、気になります!」


提督「この話は終わり!」


漣「(・З・)チェー」


提督「とりあえずもっと状況を把握しなきゃ、資材を確認しに行くわよ!」


電「了解なのです」


漣「さっきは入り口から見ただけで建物の中には入りませんでしたもんね」


 倉庫


提督「各種資材は手を付けられてないけど…」


漣「装備はまるっと消えてますね」


電「何で装備だけ…」


提督「分からないわ、次は食堂を確認しましょう」


 食堂


提督「食材はないわね…」


漣「人は相変わらずいないですね」


電「埃も積もっているのです。電たちが来るまでは誰も来てないのです」


提督「次は工廠よ」


 工廠


提督「機材は無事ね」


電「でも、明石さんも夕張さんも妖精さんもいないのです」


漣「道具は綺麗に置かれているみたいです」


電「余計にわからないのです…」


漣「全員神隠しにでもあった、って感じですね」


提督「最後に入渠ドックに行くわよ」


 ~PM15:00~ 入渠ドック


提督「…まあ分かってたけど」


漣「誰もいない」


電「なのです」


提督「一旦状況を整理しましょう」


提督「資材、及び設備は無事、建物も破壊の痕跡は無し」


漣「人と装備と食材は消滅って感じですね」


電「そして埃が積もるくらい人の出入りがなかったってことなのです」


三人「「「うーん」」」


提督「…手詰まりね」


漣「この状況じゃ動こうにも動けませんしね」


提督「これじゃ夜まで待つしかないか…」


電「!海上に反応アリ!」


提督&漣「「!!」」


提督「深海棲艦?!」


漣「数は…六隻!」


電「深海棲艦では…ないです。艦娘なのです」


提督「港に行くわよ」


漣&電「了解」


  港


???A「…あら、貴女達は誰?」


???B「誰でもいいけどお姉さまには近づかないで」


提督「私達はここに新しく着任した提督よ、そちらは?」


???C「提督?待って、何があったの?」


???D「皆も見当たらんな」


???E「ええ、姉さん、通信も取れません」


???F「…漣ちゃん?」


漣「横須賀鎮守府が音信不通になり、代わりに派遣されたのよ」


電「後で確認をとると良いのです。それより貴女達の名前も教えて欲しいのです」


???A「扶桑型戦艦一番艦、扶桑です」


???B「同じく扶桑型、二番艦の山城よ」


???C「一航戦、赤城です」


???D「利根型重巡洋艦、一番艦の利根である」


???E「同じく利根型二番艦、筑摩と申します」


???F「特型駆逐艦…綾波型の潮です」


???A→扶桑「事情は分かったけど…何でみんなはいないの?」


提督「それが私達にもさっぱり…貴女達は今までどこに?」


???C→赤城「私たちは五日前から作戦へ出ていました。無事に目標を達成したのですが…」


???D→利根「途中で嵐に遭遇してな、帰還が遅れたのじゃ」


???B→山城「そしてようやく嵐を抜けたと思ったら鎮守府と通信不能…」


???E→筑摩「さらには深海棲艦に遭遇し…」


???F→潮「それを撃破、ようやく帰投したところです」


提督「とりあえず貴女達が無事で良かったわ」


電「他に作戦に出ている艦隊はあるのですか?」


赤城「いえ、いない筈です」


漣「鎮守府外は盲点でしたわ…」


提督「通信不能になったのは何時から?」


扶桑「嵐に入ってからなので…四日前、ですね」


山城「最後の通信も特に異変があるようには感じなかったわよ」


利根「とりあえず移動せんか?立ち話では満足に話し合えん」


提督「そうね、提督室に行きましょうか」


 提督室


提督「で、どうする?」


筑摩「大本営に一応確認を」


提督「分かった。繋げるわ」



元帥「こちら大本営」


筑摩「こちら横須賀鎮守府所属、筑摩です」


元帥「生き残りがいたのか?」


筑摩「私たちはつい先ほどまで作戦に出ていました」


元帥「ふむ」


筑摩「そこでお尋ねしたいのですが、新しい提督が着任したことは本当ですか?」


元帥「事実だ。前提督は行方不明、他艦娘及び士官も失踪している」


筑摩「そう、ですか」


元帥「…こちらも確認が完了した。貴艦は確かに作戦に出たと報告がある」


筑摩「良かったです」


元帥「他に何もなければ提督に変わってくれ」


提督「変わりました」


元帥「あれから何か分かったか?」


提督「資材と設備は無事、人員と食材は消失、埃が積もっていることから四日間人の出入りはなかったかと」


元帥「了解した。詳細な報告は後日あげてくれ」


提督「了解」


元帥「状況が不明瞭に過ぎる、とりあえず鎮守府の機能復旧に全力を尽くしてくれ」


提督「はっ」


元帥「では通信を終了する」



赤城「とりあえず、お互いの身元は確認できましたね」


扶桑「こんな状況になるなんて…不幸だわ」


山城「お姉さまが無事で何よりです!」


漣「潮ちゃん久しぶりですなあ」


潮「漣ちゃん、久しぶり」


漣「朧ちゃんとボノは?」


潮「横須賀にいたよ。でも今は…」


漣「そうですか…」


電「そういえば皆さんお怪我はされてないですか?作戦の後なんですよね?」


利根「大丈夫じゃ、全艦被弾なしじゃ」


電「凄いのです!」


筑摩「でも…」


提督「どうしたの?」


筑摩「どうも戦闘にも違和感があったんです」


提督「違和感?教えて」


赤城「私から説明しますね」


赤城「私たちの戦闘は基本航空戦力による一方的な形でした」


赤城「なので作戦終了時まで会敵しても砲雷撃戦には入らなかったんです」


提督「そこまでに問題が?」


扶桑「いえ、問題は嵐の後の戦闘です」


赤城「嵐を抜けた私達はその直後に会敵、艦載機を出す前に懐に入り込まれ、戦闘となりました」


山城「敵は戦艦三隻、空母一隻、重巡一隻、駆逐二隻だったわ」


利根「あの時は絶望感が凄かったのお…」


潮「でも攻撃してこなかったんですよね」


提督「攻撃してこなかった?」


筑摩「はい、完全に奇襲を受けた形でした。下手すれば全滅もあり得たほどです」


扶桑「なのに敵はこちらを見ているだけだった…いいえ違うわね」


赤城「砲撃はしてきました。ですがどれも当たらなかった」


山城「私たちも反撃したのだけれど…」


利根「駆逐艦には躱され、戦艦は砲撃を食らってもかすり傷のようじゃった」


筑摩「そんな状況がしばらく…丸一日続きました。ですが、突然相手が退却したんです」


潮「そうして私たちはここに戻ってくることができました」


提督「深海棲艦が敵意を持っていなかったってこと?」


扶桑「恐らく」


電「また理解できない情報が増えたのです…」


提督「とりあえずその情報は置いときましょう…」


漣「失踪に関連があるかわかりませんもんね」


提督「当時の通信記録を調べてみましょう。それで何が起こったのかわかるかも」


 ~PM17:00~


扶桑「かなり探しましたが…」


赤城「当時の記録はありませんね」


潮「最後の記録は私たちが出港した時です」


電「それ以降の記録は丸ごと消されているか、隠されているのです」


漣「相変わらず状況は不明って感じですか」


提督「いえ、一つあるわ」


漣「ご主人様、というと?」


提督「記録の保管場所を知っている人間は限られているわ」


筑摩「つまりこの異変には内部の情報に精通している者が関与していると?」


提督「そういう事」


利根「元々きな臭いがさらに面倒くさい感じがしてきたのう」


全員「うーん…」


提督「…何もわからないし、何も出来ないから」


扶桑「どうしましょう?」


提督「ご飯食べようか」


山城「…はあ!?」


提督「だって、今やれることはやったでしょ?」


山城「いやだからって…」


提督「それに、みんなお腹空いてない?」


赤城「早く食べたいですね!」


電「確かにいい時間なのです」


提督「でしょ?なら息抜きがてら食事にしましょう」


  食堂


漣「食堂に来たはいいものの…」


山城「なんで食べ物が無いのよ!」


赤城「…」ズーン


潮「赤城さん、元気出してください…」


赤城「ご飯…ゴハン…」


提督「そうだったわ…うっかり」


電「大本営から持ってきた分をとってきたのです」


漣「電ナイス!」


扶桑「でもこの人数には足りませんね」


利根「とりあえず赤城の分は確保するのじゃ。さもないとあそこで干物になるぞ」


筑摩「私は大丈夫です。消耗の激しい扶桑さんたちに」


提督「うーん、五人分だから…」


電「電もお昼食べたので大丈夫なのです」


漣「漣もいりませんよ」


提督「じゃあ私、電、漣、筑摩の四人は我慢ってことで」


筑摩「買出しにいくのはどうじゃ?別に禁止されておらんのだろう?」


提督「私達以前にこっちにきた士官が失踪してるのよ。そんな中で動きたくないわ」


漣「一応キッチンの方探してきますね。もしかしたら何か残っているかも」


電「電も手伝うのです」


筑摩「私はここにいますね」


提督「私もここで待つわ」


  キッチン


漣「食材棚は空っぽだわ」


電「お鍋にも何も入ってないのです」


漣「仮に入ってたとしても四日間放置されたものは食いたくねえですな…」


電「コンロ下の棚は…ん?」


漣「お、何かありました?」


電「何か入っているのです」


漣「それは…」


電「手紙?」


漣「読んでみましょ」


手紙「手紙にて失礼する。私はここで起きたことを知っている者だ。直接会わない無礼を許してほしい。君たちに事の真相を伝えたい。地図を同封してある。そこに来てほしい。もう一つ、警告だ。万が一、近海で人型の深海棲艦に会った時は絶対に手を出すな」


漣「なんですこれ?」


電「誰かもわからないのです…」


漣「とにかくご主人様に報告しましょう」



赤城「ガツガツ」


利根「赤城よ、そんなにがっつくな。下手したら…」


赤城「!ウグュッ」


利根「そら言わんこっちゃない」


電「ただいまなのです」


提督「おかえり。食べ物は見つかった?」


漣「食べ物は無かったんですけど、こんなものが」


提督「手紙?どれどれ…」


電「どう思いますか?」


提督「怪しさしかないけど」


漣「ですよねー」


提督「ただこれ以外手掛かりがないのよね…」


電「ということは」


提督「明日悪いけどここに誰か向かってもらうわ」


筑摩「どうしました?」


提督「こんなものがあったのよ」


筑摩「ふむ…」


提督「唯一の手掛かり、或いは罠なんだけど…」


筑摩「現状これに頼るしかないということですね」


提督「そういう事」


筑摩「分かりました。他の方へは後で話しておきますね。今は食事を楽しんでいただきたいので」


提督「助かるわ」


電「そういえば、もうそろそろ助っ人が来る時間じゃないですか?」


提督「そうね、正門で待っていましょうか」


  正門


電「…それにしても不思議なのです」


提督「何が?」


電「こんな騒動が起きていたのに大本営はおろか近所の町すら知らないのです」


提督「言われてみれば確かに…」


電「気付いているならもう少しざわついているはずなのです。なのに来る途中でみた人達はそんな様子微塵もなかったのです」


提督「それもそうね…明日は町にも調査の手を伸ばしてみましょうか」


電「それがいいのです。…あ、車が来たのです」


 ガチャ


提督&電(敬礼)


???A&B&C&D(敬礼)


提督「失礼、貴官らが舞鶴からの援軍で間違いないか?」


???A「ああ、俺は軽巡、天龍だ」


???B「同じく軽巡、龍田だよぉ」


???C「同じく軽巡、大淀です」


???D「給糧艦、伊良湖です」


提督「私が提督よ」


電「駆逐艦、電なのです」


???A→天龍「話は聞いてるぜ。なんでも全員が行方不明だって?」


提督「ええ、でも作戦にでていた艦隊がいてその娘達は無事よ」


龍田「何隻いるの?」


提督「私と一緒に来た駆逐艦二人含めて八隻よ」


天龍「マジかよ…」


龍田「『何もない』からほとんど変わってないわねぇ」


大淀「新横須賀提督、舞鶴の提督より手紙を預かっています。ご確認を」


舞鶴提督(手紙)「新提督、着任おめでとう。就いて早々苦難の連続で大変だろうがどうか頑張ってほしい。派遣した四隻は以降貴殿の配属になる。大本営にも話は通してあるから安心してくれ。すまないが我々としてもこれ以上の支援は難しい。一刻も早く態勢を立て直してくれ。次は直接会えることを願おう

追記 四人は横須賀所属になることを知らない。君から伝えてやってくれ」


提督「ふむふむ」


伊良湖「それと、食料がないとのことでしたので舞鶴より持ってきました」


天龍「ま、トラック一台分しかないが三日は保つはずだぜ」


龍田「それ以降は大本営から支給があるはずよ」


提督「了解、感謝するわ」


大淀「資材はあるとのことでしたがこれからの方針は固まっていますか?」


提督「ええ、明日はこの事件の調査及び建造で戦力の増強をするつもりよ」


大淀「了解しました。工廠の設備は私が扱えますので」


伊良湖「とりあえず、これからしばらくよろしくお願いしますね」


提督「あー、それなんだけど…」


天龍「?どうした?」


提督「四人ともこれから横須賀に配属だって」


天龍「は?」


龍田「えぇ?」


大淀「はぁ…」


伊良湖「え?」


電「なんでそんな驚いているのです?」


天龍「いや聞いてねえぞそんなこと!」


伊良湖「提督はしばらくの出張だって…」


大淀「…まあ大体わかりました、はあぁ…」


龍田「あの提督、次会ったら容赦しないから」ニコニコ


提督「龍田さん笑顔が怖い」


電「なんで伝わってないのです?」


提督 手紙ピラッ


電「…えぇ」


大淀「あの提督の事です。まあ、予想はしてました」


電「愉快な方なのですね…」


提督「食堂にいきましょ。皆待ってるわ」


 その頃食堂


扶桑「ごちそうさまでした」


山城「悪いわね、私達だけ」


筑摩「いえいえ」


潮「お腹いっぱいです」


赤城「私は物足りませんが…」


利根「そういえば漣よ」


漣「はいはい何でしょうか?」


利根「提督殿はどんな方なのじゃ?」


漣「ああ、それはですね…」


  漣説明中…


漣「…というわけです」


筑摩「なるほどそれで提督に…」


漣「なんか全然お嬢様って感じじゃないですよね」


利根「ふむ」


潮「利根さん?」


利根「ん?何でもないぞ?」


利根(成程、初対面の相手に堂々としている理由は分かった。しかし)


利根(何故あんなに追い込まれた目をしておる?いや、飢えた目か?あれは)


扶桑「でもよかったですね。艦娘を手荒に扱うような方ではなくて」


山城「お姉さまに何かしたら即主砲で木っ端微塵ですけどね」


  ~PM19:00~ 食堂


提督「戻ったわよ」


漣「お帰りなさいませ、ご主人様」


筑摩「後ろの方が舞鶴の?」


天龍「ああ、軽巡、天龍だ。よろしく頼むぜ」


龍田「龍田です。天龍ちゃん共々、よろしくお願いしますね」


大淀「大淀型軽巡、大淀です。皆さんご無事で何よりです」


伊良湖「給糧艦、伊良湖です。皆さんの食事はお任せください!」


扶桑「扶桑型戦艦、扶桑です。こちらこそよろしくお願いします」


山城「扶桑型戦艦二番艦、扶桑お姉さまの妹、山城よ」


利根「重巡、利根である。この度は助力感謝するのじゃ」


筑摩「利根方二番艦、筑摩と申します。一緒に頑張りましょう」


潮「駆逐艦潮といいます…あの、よろしくお願いします」


漣「同じく駆逐艦漣です。私は大本営から来ました」


提督「さて、これでとりあえず全員揃った感じね」


筑摩「提督、明日の出撃は皆に話を通しておきました」


大淀「いきなり出撃ですか?流石に性急すぎるのでは…」


提督「いえ、戦闘はしないわ」


大淀「では何故?」


電「そこに今回の事件の手掛かりがあるかもしれないのです」


 電事情説明中


大淀「なるほど…」


天龍「あー、悪いが明日の編成は決まっているのか?」


赤城「私が出ること以外は未定ですね」


天龍「じゃあ俺を入れてくれ」


扶桑「構いませんがいいのですか?」


天龍「ああ」


龍田「天龍ちゃんは出撃したがりだから気にしなくていいわよぉ」


提督「まあ明日には決めておくわ」


赤城「それより伊良湖さん!」


伊良湖「わひゃぁ!な、なんですか?」


赤城「今すぐご飯の用意ってできますか?」


伊良湖「はい、できますけど…」


扶桑「それなら提督たちの分を作ってもらえませんか?」


山城「私達は先に食べたけど食料が全員分なくってね、提督達は食べてないの」


伊良湖「そういう事でしたらすぐに準備しますね」


提督「助かるわ…」


天龍「だったら俺たちの分も頼む、こちとらぶっ通しで走り続けて晩飯食べてないしな」


  30分後


伊良湖「できましたよ」


赤城「白米!」


伊良湖「簡単なものですが…」


提督「いやありがとう。もうお腹が減って…」


天龍「じゃいただきます」


提督「!美味しい」


伊良湖「お口に合って良かったです」


天龍「当ったり前よ。伊良湖の料理は全部うまいぞ」


龍田「それ天龍ちゃんが自慢する事じゃないんじゃない?」


伊良湖「私の専門はデザート系なのですが…」


赤城「ほっへもおいひいでふよ(とってもおいしいですよ)」


利根「食べながらしゃべるな行儀が悪い…」


利根「ああそれとその一杯で終わりにするのじゃぞ」


赤城「!」


利根「もう五合は口にしておろう。その調子では貴重な食料が一日と保たんわ」


赤城「ングングゴックン そうですね。物足りないですがこのくらいで…」


天龍「赤城はどこの鎮守府でも大食いなんだな…」


漣「舞鶴にも赤城さんいるんですか?」


大淀「はい、こちらの赤城さんと大体同じですが細かなところは違いますよ」



提督&舞鶴組&電漣「ごちそうさまでした」


伊良湖「おそまつさまでした」


提督「よし、今日やれることはやったしこの後は自由時間!」


漣「やったぜ」


提督「十時には寝るようにね、特に駆逐艦」


潮「分かりました」


  ~PM20:00~


提督「私は提督室にいるから、じゃあね」


利根「吾輩は早めに休むとするかの」


筑摩「では私も、お先に失礼しますね」



扶桑「さて、何をして過ごしましょうか」


山城「私はお姉さまの隣で…」


潮「お話しませんか?お互いの事もよく知らないし」


龍田「いいんじゃない」


漣「ガールズトークktkr!(・∀・)」


大淀「そうですね、じゃあ利根さんについて聞いてもいいですか?」


赤城「利根さんですか?」


大淀「はい、私の知っている利根さんはもっとこう、筑摩さんに頼るといいますか…」


天龍「確かにここの利根さんはしっかりしてるよな」


扶桑「彼女、この鎮守府の最古参のメンバーなんです」


山城「私達姉妹が来る前にはいたわよ」


大淀「成程、それであんなに自立されているのですね」


赤城「正直最初の頃の利根さんをこの場の誰も知らないんです」


潮「知っているのは提督…くらいでしょうか」


漣「そういう大淀さんはどうなんですか?」


大淀「私ですか?語れる程の物は何も…」


龍田「大淀さんは事務仕事がとっても早いの」


天龍「それで今回の助っ人に抜擢されたってわけだ」


大淀「戦闘はあまり得意ではないのですけれど…それに、舞鶴では私がいなくても大丈夫なくらいに人がいますから」


電「天龍さん達はどうして選ばれたのです?」


天龍「あー…」


龍田「私達は旧式の艦だからね、舞鶴にはいらないの」


電「そんなひどい事を言われたのですか?」


龍田「いーえ、でもなんとなくわかるのよ」


天龍「さて、次は電達の番だぜ」


電「電は特に…普通に民間人から艦娘になっただけなのです」


扶桑「人から艦娘になったタイプなのね」


山城「扶桑姉さまと同じね」


漣「人間時代についてもう少し聞かせてほしいですね」


電「どこにでもいる普通の女の子だったのです。妖精さんが見えると分かったから艦娘になったのです」


電「漣ちゃんはどうなのです?」


漣「漣は海で発見されてそれからは大本営で訓練をしてましたね」


赤城「大本営所属だったんですか?」


漣「そう言われればそうですけど基本は置物扱いでしたよ」


漣「でもこんな事態になって横須賀にお供することになったわけです」


漣「じゃあ次は赤城さんの…」


赤城「私ですか?そうですねえ…」


扶桑「もういい時間よ、続きはまたの機会に」


潮「そうですね…もう眠いです」


赤城「明日は忙しいですからね。しっかり休養を取りましょう」


龍田「俺たちはどこで寝ればいい?」


山城「艦娘寮の空いてるところを使ったら?」


扶桑「そうね、電ちゃん達も」


漣「じゃあ潮ちゃんご一緒していいですか」


潮「いいよ、でも変なことしないでね?」


漣「人を変態みたいに扱わねえでくだせえ…」


大淀「電ちゃん、一緒に寝ますか?」


電「よろしくお願いするのです」


 同時刻 提督室


提督「…」


提督「一日、やっと…終わった…」


提督「はあ…」


提督(この横須賀で絶対に成り上がってやる。もう元帥の孫としか見られないのは嫌)


提督「さて、もう寝ましょうか」


 トントン


提督「誰?」


利根「利根じゃ。話をしてもよいかの?」


提督「構わないわ、入って」


利根「失礼する。仕事中だったかの?」


提督「いえ、後は寝るだけよ」


利根「そうか、どうじゃ?提督になった気分は?」


提督「まだまだよ。これからどんどんやってくわ」


利根「ふむ。じゃがキツイ時は周りを頼るのじゃぞ?一人だといずれ限界が来る故な」


提督「心配しなくても大丈夫よ」


利根「そうか…では失礼するとするかの」


提督「もう?」


利根「休むところだったのじゃろう?あまりダラダラとすべきではないと思ってな」


提督「まだいいのに」


利根「何、落ち着いたらまた話せるじゃろう。ではお休みなさいじゃ」


提督「おやすみなさい」


 パタン


利根(やる気に満ちておるのは良い事なのじゃが…)


利根(暴走しそうな気配もある。気を付けておくかの)


 一日目 終了





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