根来俊一、トレーナーになる(3)
根来氏のイナリワン育成ストーリー。その第3弾です。
雑誌のトレーナー育成対抗企画で登場した根来氏を実際のトレーナーにしてしまうという設定で進めて参っているところではあるんですが、この物語では、どちらかというと、史実とも、実際の育成ストーリーとも違う、オリジナルな路線で話を進めていこうと思ってます。
ようやく数か月の時を超えて、ジュニア級が完成いたしましたのでここに発表いたします。
2024.5頃 3話目作成開始。
2024.8 私事の影響により、文筆活動停滞。
2024.10 そろそろと再開。ホープフルステークスの去就でいったんクローズ。
2024.12.9 AM0:00 第1版上梓。7684字
【ここまでのあらすじ】
雑誌対抗ウマ娘育成プロジェクトで2位に入った「ウマっ娘通信」の記者・根来俊一は、その良績をトレセン学園の理事長に見いだされ、編入という形でトレーナーに推挙される。
入ったトレセン学園では、大井から転入してきたばかりのイナリワンに見初められて、新人一年目にして著名ウマ娘の育成を担当することになった。
ついに迎えた、デビュー戦。イナリワンは、少しどころか、かなり緊張しているのがありありと感じ取れた。
何しろ、日本トレーニングセンター学園、通称トレセン学園は、強豪ぞろいのウマ娘たちが綺羅星のごとく存在している。その輝きに、泥臭さが持ち味のイナリワンが、気後れするのは無理もない。
かといって、何も手当てをしなければ、彼女自身のパフォーマンスに支障をきたす。パドックに向かう途中の彼女を俺……根来俊一は呼び止めた。
「だいぶ緊張してない?結構汗もかいてしまっているみたいだけど……」
まだ夏にもかかっていない、それほど気温が高くない時期であるはずなのに、イナリワンのジャージは、ところどころに汗シミが認められるほどだった。
「そ、そんなにもかい?べ、別に緊張なんて……」
言ってるそばから、ダート戦なら格段の強さを誇るスマートファルコンが、不敵な笑みを浮かべながらトランセンドが、そして目下の最大のライバル・オグリキャップが次々にパドックへ向かう通路を通っていく。
「まぁ、君の強さを指し示すのはデビュー戦じゃないって俺は思っているんで、気楽に走ってくれればいいんだよ」
俺が勝ちを所望していると思っていたイナリワンが、少しほほを緩める。
「え?ここで勝たなくていいのか?」
勝ちを意識するあまり、そのプレッシャーにイナリワンが窮屈になっていることに気が付いたからだ。
「ああ。勝つことより負けることから得られることの方が格段に多いからな。いや、そりゃあ俺だって、君のトレーナーになったからには、君には勝ってほしいよ。けれど、連戦連勝なんて到底無理。いつか負ける時がやってくる。だったら、負けることの大切さを初戦で味わうのも悪くないだろ?」
勝ちをあきらめたわけではない。勝とうと思って負けたのなら仕方のないことだ、と俺は説く。
「そう言ってくれて、少し肩の荷が下りたぜ。よくよく考えりゃあ、どんなスターウマ娘だって、負けを知らないわけじゃない。そんな奴、今まで見たことねぇ」
少し、いや、大いにイナリワンの目力が復活する。
「だったら、自分の素の力を見てもらう方が、トレーナーさんにも有用だね。おっし!ここはひとつ、俺様の走りを御覧じろって感じでやってやるぜ」
あっという間にイナリワンの戦闘意欲は引きあがった。
"ウマ娘をノせる。これができてトレーナーだよな"
俺は一人でうなづきながら、イナリワンの後ろ姿を見送った。
「な、俺様の本気、受け取ってくれたかい?」
ウイニングサークルから戻ってきたイナリワンに、俺はただただ恐れていた。
後方一気のごぼう抜き、という表現以外に、彼女の走りを言い表すことができなかったからだ。
確かにまだ全員、デビュー戦であり、そこまで体ができているわけではない。実際、一番人気のオグリにしたところで、体に緩さが感じられた。ほかの著名ウマ娘たちも、ステータスがそこまで特筆すべきものを持っていない。
イナリワンも、急ごしらえというほどではないにせよ、強豪を向こうに回して、勝てるレベルにまで到達しているとは一つも感じなかった。そして、よくて掲示板、という具合に俺も予想していた。4番人気というところも微妙だが、見る人はよく見ている、と感じていた。
そしたら、何のことはない。ぴっちり展開がはまったこともあるだろうが、4コーナーからの加速力は半端なかった。
「あ、ああ。優勝、おめでとう」
勝ちを予想していなかったこともあるが、イナリワンに向けた言葉はたどたどしい表現になってしまった。
「なぁんか、そんなに喜んでくれてねぇみたいだけど……」
俺の心の内でも見えるのか、イナリワンはそういって上目遣いで俺を見る。
「あ、いやいや。勝ってしまうなんて、すごいという感情が表に出ているだけだよ」
と、言いつくろってみたものの、イナリワンの俺を見る目は依然厳しいままだ。
「ま、この一戦ですべてが終わりじゃねぇからな。これからも勝って勝って勝ちまくるぜ」
意気軒高に語るイナリワン。その態度に俺も突き動かされる。
「その意気だね。ただ、まあ、今日のところはクールダウンだ。これからのことも決めなくちゃだしな」
あっけないほどにつかんだ勝利。自分が最初に育てたナナコロビヤオキのことを思えば、遠かった一勝がこんなにも手早く得られるなんて、イナリワンの強さは本物じゃないか、とさえ思っていた。
デビュー戦をかざったイナリワンだが、そこからは少し足踏みが始まった。ほかのスターウマ娘たちの台頭である。
次走は、本人のたっての希望ということもあり、ダートのグレードレースである、ジュニアダート王選手権競走にエントリー。しかし、急ごしらえの体作りと、盛岡レース場までの移動、慣れない環境に力を十分に発揮できず、6着と案外な結果に終わってしまう。上位入線バはトレセン学園に所属する強豪たちが勢ぞろいしていた。彼女たちも力をつけてきた証拠でもある。
「ちっくしょう。おいらのどこが至らなかったんだろうなぁ」
盛岡から帰ってきても、イナリワンの口からは後悔と、自省の念しか語られないようになってしまっていた。
「まぁったく。だから俺は最初から反対だったんだよ」
デビューからわずか2か月でのグレードレース挑戦。人気もそれなりに高かったこともイナリワンを猛省させている要因だった。
「周りの連中なんざ、ちょろいって思っちまったのが運の尽きってことか……」
一勝が彼女を舞い上がらせているかもしれない……。俺は少し自分でも反省してこういう。
「それは違うな。負けてここまで凹むイナリワンにしか育てていない俺の責任だろうな」
こう言えば、自分の至らなさだけではなく二人三脚でやっているトレーナーにも荷を負わせられる。早くイナリワンには立ち直ってもらいたかった。
「ト、トレーナーさんよ……」
明らかに目を潤ませているイナリワン。鼻をこすり上げて、こう言い放つ。
「そこまで心配させちまっちゃあ江戸っ子の名折れってもんよ。よし分かった。もうトレーナーさんに面倒掛けさせないように頑張るから、ビシビシトレーニング、入れてやってくれよ!」
以前の力強い視線が戻ってきている。俺は一安心しながらも、
「そう来なくっちゃ!これからは芝のレースにも出てもらうからな、覚悟しておくように!」
と言い渡して、芝でのトレーニングも含まれた、それなりのメニューを提示する。
「ほほう。芝のレースにも、ってか?」
イナリワンは興味津々だ。
「確かに君は向こうではダートしか走ってこなかったわけだけど、なぜ、俺が路線変更しようと思ったか、わかる?」
あえて俺はイナリワンに聞いてみる。
「まあ、普通に考えれば、おいらの脚質や適性を知ったからだろ?」
ごく普通の答えをイナリワンはする。
「それは当然さ。そのうえで、君になんでって聞いてるんだけど……」
俺は冷静さを装いながら、イナリワンの口から答えを期待する。
「え?ど、どこに気が付いたんだろうな……」
イナリワンは食い気味に聞いてくる。残念ながら、当の本人は気が付いていないらしい。
「君が追い込みウマ娘であり続けるからこそ、そして知らず知らずのうちに伸びていた、そのステータスに注目したんだよ」
俺は解説を交えながら、ゆっくりとイナリワンに語る。
「ズバリ、勝負根性さ。今の君の走りは、粗削りでそこまで完成してはいない。それでも、追い込みで前を狙うためには、どうしても「負けられねえ」っていう精神力が必要だ。それに磨きをかければ、足元が芝でもダートでも、変わらないって理解できたからなんだよ。もちろん、芝適性もそれなりにあるっていう裏打ちも忘れてほしくないね」
以前のナナコロビヤオキの時に、俺のトレーニング手法であまり成果が上がらなかったのが、勝負根性だった。だから、ラストの中山グランプリ(有マ記念) で、ゴールドシップに競り負けた、とも思っている。追い込み脚質だからこそ、根性ステータスの伸長ぶりが今後のイナリワンの成績にもかかわってくるように思えた。
「なるほどねえ。おいらのこと、そこまでお見通したぁ、大したもんだ」
呵々大笑しながら、イナリワンはそういって俺をほめる。
「そうと決まれば、出るレースの見極めから入らないとな。何でもかんでも、は前回で終わりにさせてもらうよ」
俺は勝ちを得られるためにレースを厳選し始めた。目の前に、交流重賞も含めた、レーシングプログラムがバッと広げられる。
「クラシック/シニア級のことも頭に入れておいてもらいたいんだけど、まずは、ジュニア級だ」
そういって俺は、残り少なくなってきたジュニア級の部分だけを誇示するように見せた。
「なあ、イナリワン?」
レーシングプログラムを見ているイナリワン。俺は彼女の意見も聞いてみたかった。
「どういうレースっぷりが君にとって気持ちいい?」
ウマ娘は走るために生まれてきている。彼女にとって最高の瞬間は勝利の美酒に酔うことだろうが、仮に勝てなくても、全力を出し切ってゴール版を駆け抜けることがすべてではないかと思ったのだ。負けてくやしいのではなく、納得のいかない走りが彼女にとりついている。そう感じたからだ。
「そりゃあ、勝てるレースに出て危なげなく一着とることだろうけど、相手がいる話。まして目下のライバルのオグリはどうあっても負かしてぇ」
同じ地方のレース場からの移籍組でもあるオグリキャップ。周りがはやし立てている向きもあったが、ライバル関係にあることは間違いなかった。
「なるほどねぇ」
まだ俺はレーシングプログラムと首っ引きだ。
「となると、やっぱりオグリが出てきそうなレースに照準を合わせてみる、というのはどうだろうか……」
良績を積み重ねているオグリは、間違いなくクラシック戦線にも顔を出すはずだ。
「てぇことは、まずはここってか?」
イナリワンが指さしたのは、全日本ジュニア優駿。ダートのデビューをかざったあまたの名馬たちが共演する、ジュニア期のダート王を決めるレースといってもいい。
「うーん。君にはちょっと短い距離のようにも思わなくもないけど……」
長くいい足が持ち味のイナリワンにとって、マイル戦は忙しすぎはしないか、俺は少し心配した。
「俺の中ではやっぱりホープフルステークスなんだよな」
俺の指が、イナリワンの下のマスを押さえた。
「ホッホウ。ここでおいらが芝でも走れるっていう、周りに度肝を抜かせる戦法ってか?」
イナリワンも、俺の選択に少しテンションが上がっている。
「それもあるし、強豪たちとの力関係を見てみたい、というのもある。ダート戦線だけだと、どうしてもメンツは限られてしまうからね」
俺の中では、取れなかった中山グランプリをイナリワンで獲りたい、という方向に向かっていた。
「なるほど、わかったぜ」
イナリワンはそういった。彼女にしてみても、未知の相手と戦う方が、緊張感があっていいはずだ。
そして迎えたホープフルレース当日。
外の気温は、珍しく一けた台に沈んだままだったが、俺とイナリワンの二人は、周りのウマ娘やトレーナーたちがドン引きするくらい、張り切っていた。
「おいおい、あの新米トレーナー、根来って言うんだっけ?あんな風に舞い上がっちまって……大丈夫かよ」
「いや、それは単なる、bluff、とは違う何かを感じる……あのウマ娘、要警戒だ」
シンボリクリスエスが俺たちの作戦を見抜くような一言を投げかける。
「いーやいやいや、レースって言ったら超アゲアゲでテンションマックスが上等っしょ!!」
割って入ってきたのがパリピな言葉が口癖のダイタクヘリオスだ。
「平常心でいることが最大限の力を発揮する唯一の方法。踊らされてはいけません」
口調も穏やかなグラスワンダーが持論を述べる。
「やっぱりGiって、テンション上がっちゃいますよね。おっとり系の私だって、走っちゃおって思っちゃいますから」
ヒシミラクルが、ちょっとぽっちゃりした姿で現れる。
「なに、下僕どもがどうほざこうと、どうあがこうとも、この"王"の勝利は揺るがん」
と、オルフェーブルが威厳たっぷりに述べれば、
「ハーッハッハッハ。ただの"王"より、"覇王"の方が素晴らしいことをこの大舞台でみなに知らしめるとしよう」
テイエムオペラオーがそれに応じる。
いずれ劣らぬ著名ウマ娘の中に紛れれば、イナリワンなど、注目されなくて当たり前である。7番人気の評価は、俺にとっては若干見くびられたもんだな、くらいには思っていたが、ここで良績を残せれば、そのあとが続く。要するに「勝つ」ことよりもこの雰囲気に慣れておかせたかった。
「いやいや、イナリワンをここにぶつけてくるとは、予想してませんでした」
パドックからイナリワンを送り出した俺に、師事したことのある桐生院師が声をかけてきた。
「彼女には、芝の英雄たちの雰囲気を一度でも感じ取ってもらいたかったですから」
俺は桐生院師にそういう。
「なるほど。勝ちは二の次、ということですか」
桐生院師が、俺の"作戦"を感じ取る。
「ええ。芝への適性も、距離に関しても、まだまだ未知数なウマ娘、それがイナリワンだと思ってます。ダートだけで終わらせたくはないですからね」
自信たっぷりに、キッと桐生院師を見つめて、俺は返答する。
「うんうん。いいトレーナーになってきたじゃないですか」
肩をポンとたたかれる。
「そう。走るために生まれてきたウマ娘たちを、彼女の一番輝く場所で輝かせてあげるのがトレーナーの仕事なんです。もう、私から教えることは何もありませんね」
にっこりとして、桐生院師は立ち去って行った。
パドックから観覧席に向かって俺は走る。関係者席もあるにはあるが、あんな高いところからレースを見たって、何がわかるというのだ。
「あ、根来さん、こっちこっち」
手招きしているのは、同期の津川だった。
「今日は、イナリワンの特別な日だもんね」
津川の担当しているウマ娘も、デビューを飾り、ジュニア級では2勝クラスまで勝ち進んでいる。「オールザットポップ」という名前もかわいいと評判だった。ただ、ジュニア級では上位と当たることを避け、体作りに専念していると聞く。
「そのうち、イナリワンと戦うかもしれないから、レースっぷりを拝見しときたいな、と思って」
津川のトレーナーぶりは、周りから一目置かれるほどの完璧さだった。体調管理、走破タイム、筋力増強。狂いを生じさせない仕上げが、勝利を次々にもぎ取っているのだと思っていた。
「いやいや。勝つかどうかわからないレースを見たところで何の足しにもならないよ」
謙遜しながら俺は言う。
「まあ、それは見てのお楽しみ、だね」
そういって、津川はターフの方に目をやる。
"相手関係から言って、このレースで勝てることはほぼないだろう。だから、どういうレース運びをするか、俺も見てみたい"
俺の思いがどこまで伝わるのか、スタートの瞬間まで不安でいっぱいだった。
ただ、一つだけ、俺には"確信"があった。
"負けて悔いのないレースがここではできる"
相手の強さなりに合わせられるのがイナリワンの強みでもある。いかに"負けられねぇ"と思えるかがポイントだった。
そして、その勝負根性だけは磨きをかけてきたつもりだ。それにフィジカルが付いてこられるか、どうかがレースの見どころだった。
「今年はメンバーが揃いました。ここから三冠を狙うウマ娘が出てくるのか、どうか……」
実況のアナウンサーの声も若干上ずっている。
そして、運命の……
「カッコン!!」
ゲートが開いた。
「いやぁ、トレーナーさんよ、ここまで走らせてくれてありがとうな」
ホープフルステークスの結果は3位だった。早仕掛けしたオルフェーブルにつられてしまい、最後の直線で伸びを欠いてしまった。ただ、3着と4着の差は6馬身もあった。勝ちウマ娘をたたえるステージを終えてイナリワンはそういって俺に話しかけてきた。
「もうちょっと、だったよな」
悔しさ半分、掲示板に載ったことの喜び半分で、俺はイナリワンに言う。
オルフェーブル、テイエムオペラオーというまさに「王座」対決に割って入ろうとできたジュニア期の育成は、俺の中では完璧だった。それでも勝ちきれないのは、基礎的な体力なのか、それとも精神力なのか……俺自身が自省・分析しないといけない時間帯に入ったことは明白だった。
「いやあ、大したものですよ」
俺たち二人を拍手でたたえながら、桐生院師が近付いてきた。横には負けて悔しいのか、不機嫌なスイープトウショウがいた。
「こんな追い込み不利なコース形態で、しかも2000m戦であそこまで上位に肉薄できるんですから……イナリワン、いいウマ娘になりますよ」
桐生院師は素直な気持ちで我々をほめたたえるのだが、それすらも気に入らないのだろう。
「フンっ!あなたには負けてしまったけれど、このままで終わる魔法少女じゃないんだからね。覚えておきなさい!」
捨て台詞を残して、スイープトウショウはすたすたとその場を離れてしまう。
「いやはや。うちのスイープは、気難しくってね……」
問題児を預かることの多い桐生院師。彼の苦悩も分かるような気がしている。
彼が視界から離れたのを見送って、
「ということで、トレーナーさんよ」
と、イナリワンが、悔しさもにじませながら俺の方を見て言う。
「何とか、あいつらに勝つトレーニング、考えといてくれよなっ!」
といってくるのだが、それがたやすくできるかどうか、俺には不安でいっぱいだった。
何しろ、相手も時間の経過とともに成長するからだ。それを凌駕するには、その成長のスピードに追い付き追い越さなくてはならない。それが簡単にできるほど、レースの世界は甘くないことは、3年間のトレーナーもどきの育成で分かっているつもりだ。
「ああ。今すぐにズバッとした答えは出せないけど、何とかひねり出してみるよ。俺だって、君が俺を指名してくれたことに報いたいからね」
報いる、なんて大げさに言ったが、俺の中では、勝ちを毎回期待できるウマ娘を育成できるなんて、思ってもみなかったことだからだ。
この一戦を通じて、俺とイナリワンとの間に、さらなる絆……共闘関係、とでもいうのだろうか、そういったものが芽生え、強固になっていくのを感じた。そう。まだまだ俺たちの戦いは始まったばかりなのだ。
イナリワンという、実在の競走馬(から派生したウマ娘)をストーリーに持って行こうと思ったとしても、実際のところ、大井での活躍とかを見知っているわけではないので、どうしてもゲームの中の3年縛りでないと厳しい部分もあります。これからは、クラシック級での活躍を見せていこうと思っていますが、私をはじめ、古参プレイヤーは、「負けが信じられない」レベルまでに育成できるわけで、リアルを重視しようかどうか、は、次の端緒をどういう具合に始めるかで決まろうかと思います。
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