提督と、秘書艦〈加賀、金剛〉の槨水鎮守府(かくすいちんじゅふ) その波乱 参
この話は第三弾! 少し訂正をしました。またコメントされた疑問の回答を行いました。是非、読んでください。
第一級召喚命令に従い、鎮守府を飛び出した種田。しかし本国への帰路には多くの深海凄艦が・・・・・
種田はまた厄介ごとに巻き込まれ、無事なのか。
提督である種田は徹夜をして早急に作戦を立案、今日、本国への第一級召喚命令に従い、「急国帰り作戦」が決行されようとしていた。
出発は0500 皆、出発の最終準備に入っていた。
現時刻 0330
まだ日が出ていない薄暗い空、槨水鎮守府(かくすいちんじゅふ)では今、工廠で積荷、装備の最終段階に入っていた。
「邪魔よ 一航戦 これは私のよ 最初に取ったもん」
「あなたの方が邪魔よ 五航戦の瑞鶴 取ったもん勝ちなんてないわ。年上の先輩の命令は絶対。わかったらそれを寄越しなさい。」
「いやよ ふん」
「は~~~~これだから五航戦のお子ちゃまは・・・・・・・・」
「何を ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」
「妖精さん 20cm通常弾 あと5発頂戴!」
「こっちにも あと20発お願いします。」
「私には三式弾40発よ」
「妖精さ~ん 機関の最終点検頼むネ~ 高速戦艦は速さが命デース!」
「非常用の水と食料積んだ~?」
と空は薄暗いが工廠では騒がしく明るい雰囲気だった。一方、その頃、執務室では・・・・・・
「ふわぁぁぁぁぁ 眠ーい 寝たーい 疲れたー はーーーーーー」
と種田は一人、執務室で愚痴をこぼしていた。作戦立案はシンプルで、すぐ終わったが、その後この召喚命令の謎について考えていたため結局、眠れなかったのである。
(作戦も何もどんな陣形で行くか決めただけだし、そう複雑じゃない。皆に作戦説明も終わったし お茶でも飲むか)と思い休憩を入れた。
「はぁーーーー お茶は最高だ 美味い それに前買ってきていたこの和菓子もおいしい 最高だなこの一時・・・・は・・・・・・・・・くぅぅぅぅ・・・・かぁぁぁぁ・・・」
種田はお茶を飲み、和菓子を食べ、そしてそのまま寝た。 寝るという休憩。 どんな夢を見ようとしているのだか・・・・・・・
現時刻 0430
(提督、遅いわ・・・・もう出発の30分前なのに・・・・・・・・ 何をしていらっしゃるのだろう)と加賀は思い、提督を迎えに執務室に向かった。
「提督! もう出発の30分前ですよ。用意は出来ましたか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
と加賀は執務室の扉を開け、そう言った・・・・・が、加賀は提督の姿を見て驚愕した。
「提督・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「くぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・・かぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・くぅぅぅぅぅ・・・・・・・かぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・ピヨピヨピヨ」
グツグツ・・・ピカーン 加賀の堪忍袋の緒がきれた。すたすたすたすたと提督の目の前まで来て首をぎゅっ・・・・・・・・
「くぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・かぁぁっ・・・ほへ? あっ がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ ぐっぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
加賀止めっ ちょっと あああぁぁぁぁーーーーー」
加賀は種田が失神する手前で力を緩めた。目は恐ろしく冷酷非情を物語っている。 一方、種田は咳をしながらガクガク恐怖で怯えている。
「加賀・・・・・・・あ あのな・・・・・・・ちょっとな 眠くなってな・・・・・そのな・・・・・・」
「言い訳は聞きたくありません・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 チーン
「す すみませんでした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁーー もう出発まで30分もありません。至急用意をしてください。」
「へっ?・・・・・・・・・・・・怒らないの?」
「ものすごく怒りたいですが、今は時間がありません。説教は後です。」
「加賀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「説教が後になったからって怒りが収まるとでも? 早く用意してください。」
「はぁ 急ぎます・・・・・・・・」
と以外にも加賀は少しも怒らなかった。種田はその後、加賀に協力してもらい出発の用意を完了。第一号型輸送船の改造船 ‘奥羽‘の指揮所に着いたのは出発10分前 0450だった。
現時刻 0451
「大淀、アナウンスを全艦に・・・・・・・」
「了解しました」
ガチャ「俺だ。皆聞こえるか? 遅くなってすまない。さて今回の作戦 「急国帰り作戦」 は、いたってシンプルだ。だが油断はするな。
この頃、敵勢力が強くなってきてる。しっかり頼むぞ。」
「「「「はい‼」」」」」」
「よし、それでは急国帰り作戦 開始。 全艦発進!」
(俺が帰ってくるまで長門 鎮守府を頼むぞ。)と心の中で鎮守府へ願った。
今現在、提督代理として長門が周辺海域の安全確保の任を成している。何日掛かるかわからないと告げたが長門は自身気に
「私は元連合艦隊旗艦だぞ 何のこれしき舐められては困る」
とサラッと言っていたので安心して全てを任せた。
しかし種田の本国までの道のりはそう安心出来そうななものではなかった・・・・・・・・
鎮守府を出発して三日目、これまで敵水雷戦隊と何回か遭遇したが次々に撃破し完全勝利していった。
だが一機の偵察機からの報告でその余裕は消えていった・・・・・・・
・---・・----・--・---・・・----・-・・・---・-・---・-・・・---・・・ モールス信号受信中
「提督、加賀航空隊偵察機より緊急電です。」
と大淀が緊張感ある声で報告してきた。(遂に来たか・・・・・・・・・・・・)
「読んでくれ。」
「はい、我 敵大艦隊ヲ発見ス 空母2 戦艦3 重巡2 軽巡3 駆逐艦8 計18 艦隊北北東ヨリ接近中 距離 45000 速力約23ノット
敵空母ヨリ多数ノ攻撃機発艦中 との事です。」
(という事は潜水艦にもう見つかっていて敵に知らされたか・・・距離と敵の速力からおよそ45分で敵艦と会敵・・・・・・・・・敵も主力を出してきたな・・・・・・・)
「大淀!加賀、瑞鶴に敵機来襲に備え迎撃機の発艦用意を伝えろ。それから全艦に対空戦闘用意を命令、主力護衛艦隊の水雷戦隊には潜水艦が近く にいると伝えろ。発見次第、対潜戦闘も行うよう命令。あとの指示は彼女たちに任せて守ってもらおう」
「了解しました‼」
(あとは頼んだぞ。俺が無理に指揮しても意味はないからな・・・・・・)
主力艦隊
榛名 「お姉さま 提督から対空戦闘と迎撃機の発艦用意を頼む。また今後の指揮権は旗艦に委ねる。頼んだぞとの事です。」
金剛 「了解ネ 榛名・・・・でも、ていと~く 私をそんなに頼ってくれるなんてうれしいネ。今こそ私たちの力を見せるときネ! yeah~~~」
加賀 「分かりましたから、命令を」
金剛 「Oh.sorryネー それじゃぁ全艦対空戦闘用意ネ 三式弾装填で待機してずーいかくと、おかかは迎撃機を発艦用意完了した機から発艦させるネ」
「「「名前を勝手に変えないで!」」」
主力艦隊の艦娘達 「お~~~~~~~~~~~~~~~~」
加賀&瑞鶴 「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」 ジロ
瑞鶴 「何、私と息合ってるみたいになってるのよ」
加賀 「それはこちらのセリフよ 五航戦・・・・・・・・・・・・・・・・・ でも・・・・今はそうじゃないとだめね。艦首を風上に向けて急いで発艦用意をしましょう」
瑞鶴 「へっ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・う うん わかった」
加賀 「分かりましたでしょう」
瑞鶴 「うっ 分かり・・・ました・・・」
こうして協力し、加賀と瑞鶴は発艦用意できた零式52型、紫電改二の発艦を始めていった。 ブーン ブーン
主力護衛艦隊
神通 「全艦、対空戦闘、対潜戦闘用意。皆、電探から目を離さないで。それから周囲の警戒もお願いします。」
他の艦娘 「「「了解」」」
神通 「皆さん、提督を守るために、自分たちを守るために頑張りましょう。私と姉さん、那珂ちゃんは水偵を飛ばして対潜哨戒を。」
川内 「了解!」 那珂 「うん。分かった。艦隊のアイドル 那珂ちゃんが最初に見つけてみせるね♪」 キラリーン☆
夕立 「頑張るっぽい」 睦月「がんばろね!」
吹雪 「分かりました。」 潮&霰 「分かったわ」
曙&長月&陽炎&皐月 「「「当然じゃない。頑張るのはね。」」」
第一号型改造輸送船 奥羽 艦橋
種田はそれぞれの艦隊に命令した後、この艦に被害がでるかもしれないことを考え、乗組員にもそれぞれ命令をしていた。
種田 「被害対策班の一班~五班は機関室に 残りはそれぞれの部署に一班ずつ配備しろ。
消火班、退艦準備班は別命あるまで待機。
操舵手、通常船速から戦闘船速に切り替え 主力艦隊と速力合わせろ。
それから大淀は随時、状況を知らせる事。」
大淀&全乗組員 「「「了解」」」
(はぁーー んなこと言っても被害は出るだろう・・・が最小限に抑えたい・・・・・ だが最悪の結果にはならないようにしないとな・・・・・・・・・ )
こうして戦いの火蓋は切られようとしていた。
次回、激戦が立ちはだかる
3日以内に出頭で、3日目の戦闘ならば、だいぶ本国に近いはず。
本国付近で大規模戦闘は、流石におかしくないか、絶対国防圏ズタズタすぎだと思われた方
→コメント欄に詳しく書いたので是非読んでください。
説明不足すみません。
次巻も見て下さい。
コメント、評価もたくさんお願いします。
拝見させていただきました。
一話一話が短くとても読みやすいですが、私としてはもうちょっと長い方が読みごたえがあっていいかなと思います。
次回も楽しみにしています。
アニメの三水戦と十四駆ですね。
コメント、それに読んでいただきありがとうございます。
おっしゃるとうり、アニメの三水戦と第十四駆逐隊を使わせていただきました。
それぞれの個性を把握できるようにしようと思ったので・・・・・・。
次回は長くなりそうです。
お楽しみください。
スペースや中点が多すぎるせいか、僕のスマホからだと読みにくくなっている箇所がいくつかあります。
中点に関しては三点リーダに変えればすっきりすると思いますので、よろしければご検討ください。
丁寧で面白いですね。
前回の自分でボーキ取りにいく赤城さんとか、金剛のおかかとか、首を掴む加賀さんとか、所々にやけるような可愛い描写があって嬉しい
コメントありがとうございます。
とても励みになります。
コメントありがとうございます。
とても励みになります。
話はとたても面白かったですし継続して拝見したいと思いました
只文字数が少ない状態でスレを複数立てるのはちょっと見る側にとっては
探す手間があったり、ボリュームがどうしても少なく見えてしまい損を
しているなぁと個人的に感じました
分かりました。
コメントありがとうございます。
3日以内に出頭で、3日目の戦闘ならば、だいぶ本国に近いはず。
本国付近で大規模戦闘は、流石におかしくない?絶対国防圏ズタズタすぎでしょ。
コメントありがとうございます。
説明不足ですみません
はい。コメントされた通り普通ではありえません。
しかし、本文でも述べたように今、敵の勢力が何故か槨水鎮守府方面だけ勢いを異様に増してきていました。そのため本国では槨水鎮守府方面だけ防衛線を縮小しその分、航空機や海上要塞からの対艦砲などで集中砲火を行い、敵を一気に殲滅していました。
敵は陸に近づけば近づくほど陸軍、空軍からの集中攻撃を受けるため、容易に近づけずにいました。そんな時、種田の主力艦隊が来たため敵は陸、空からの攻撃が届かない本国の縮小された防衛線外の海域で迎撃したようです。
なのでまだ種田は本国の絶対国防圏外にいたという事です。
本当に槨水鎮守府方面の防衛線は下がっています。
この事が種田の海軍に召喚された理由なのではないでしょうか。
しっかり考えて読んで下さりありがとうございます。
次回も楽しみに。
丁寧な説明、ありがとう。
次回も楽しみにしてるよ。
しかし、槨水鎮守府は大変だな。
国防圏外の激戦区で、戦力が分散。これが敵に察知されれば、最低3日は鎮守府の現存戦力で対応しなければならない。しかも、槨水鎮守府方面からの敵が増加したとなれば、本国からは、哨戒任務の怠慢、最悪裏切りまで疑われているわけだ。なかなかハードな状況だが、まずは貴隊の健闘を祈る。
うっ
そこまで・・・考えるとは
すごいっすね。
コメントありがとうございます。
おお、返信してくれるとはありがたい。
まぁ、敵に察知されるかは運だが、上層部は提督を簡単には悪いようにしないだろう。只でさえ敵に侵攻されているんだ、そこで確証もないのに重罰を与えた場合、世間をいたずらに不安にさせるだけだからね。
ならば、暗殺が得意なお目付け役の人、もしくは艦娘をつける位が妥当だろう。表向きは戦力の増強として。裏では本国に状況を報告し、もし提督が黒だった場合「前線にて勇敢に戦い、名誉の戦死」を与えるために、ね。
まぁ、このコメントはノイズ程度に思ってくれ。