ストーム イン スクール フィーバー
うみえりです。スイッチはいった海未ちゃんがあれこれするR指定なのでご注意。
もともと妄想を垂れ流す手遊びで書き始めたものですが、Twitterにて素敵なタグがあったので勝手ながら便乗させて頂いた、#キスの格言ミューズ 2作目です。
前回とは別の作品になります。テーマは唇の上/愛情です。途中でタグつけて投稿しようと思い立ったので、こんなんになってしまいましたごめんなさい。
pixivやTwitterにも同一の作品がありますが、より多くの方に見て頂きたいという思いと、pixivのアカウントを持っていない方への配慮から、コス苔本人による転載です。
ひとを好きになるというのは素晴らしいことだろう。手を重ね目を合わせキスをして。時には肌さえ重ねて。
「絵里…その、近すぎます。学校で」
「なぁに海未照れてるの?」
私の隣の可愛い後輩。私の大切な人。
「破廉恥とまでは言いませんが…人の目が気になるんです」
「変に意識しすぎよ、ただ並んで歩いてるだけじゃない」
ちょっとカタいところはあるけれど、こっそり私のタオルの匂いを嗅いじゃうような可愛らしいところもあるのだ。
引き継ぎの時期で誰もいない生徒会室のドアを開ける。鍵をかける。
「それで、改まっての話って?」
「…希のことです。昨日、泊まりに行ったんですよね」
「えぇ、ウチの両親が亜里沙連れて夜家を空けたから…」
少し怒っているように見える。妬いてるのかな、あぁ海未の髪今日も綺麗だな。
「…何故、私に一言もくれなかったのです」
「稽古があるからって、練習を早退したでしょう?忙しいかと思って」
「それはそうですが…っでも、メールのひとつくらい」
子どもが駄々をこねるような、泣きそうになりながら怒った顔。海未のこんな情けない顔、きっと見られるのは私だけ。
「ごめんなさい。悲しかったわね、ごめんね?」
「え…えり、んむっ」
強引に抱き寄せて、唇を押し付ける。強張って固い唇もさらさらの髪も心地いい。柔らかくて、落ち着く匂い。こういうちょっと面倒くさいところも含めて、私はこの子が好き。
「ごめんね?」
「ずるいです、またそうやって…」
「……じゃあ、こういうのはどう…?」
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自分の悪い癖だと思う。海未が押しに弱いのをいいことに、なんでも私の思うように関係を築いてしまっている。
今回のようなことがあったのは今日が初めてじゃない。小さな揉め事が起きたとき、キスで黙らせてしまった。恥ずかしがる海未がかわいくて、それから何度もそうやって解決してしまうようになった。キスしたり、舌を吸ったり、胸や性器を触ったり。
根本的に何も解決などしていない。ただ海未の弱さにつけ込んで事を濁して逃げていた。もっと可愛い海未が見たいという欲求ばかりが先に出て、最近までそれに気付けなかった。
このままでは海未本人すら気がつかないうちに…自分に厳しく他人にうまく甘えられない海未の性格も相まって、私のこの癖が彼女の心を食い尽くしてしまうのではないか。
それでも、不器用な私はこの事を丁寧に説明することはおろか、言葉にすることすらできない。もどかしさ、罪悪感から必死に目を背けようと海未を抱き、セックスの快楽を貪る日々。それすら、私が海未を己の欲望のまま身体を弄んでいるようなものなのだ。執拗に胸を虐め、絶頂させて欲しいと泣きながら懇願させたり、絶頂を重ねて涙と涎と脂汗でぐちゃぐちゃになり、まともな言葉を失ってなお膣を掻き回し続けたり。
唇で心を縛り、単調な言葉で謝り、暴力的に肌を重ね…薄まった罪悪感を言葉にしない謝罪で流す。意図せず始まったとはいえ、まるで性的な道具、奴隷とすら言っていいかもしれない扱い。それに気づいてなお、抑制できない自分の弱さ。安い謝罪ではなく、なにか別の方法で脱却する必要があった。
そんなある日、偶然にも海未がヤキモチを妬いた、練習の無い放課後。人気の少ない棟の密室で2人きり。私は、「いつもとちがうこと」を提案した。
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「好きに、ですか」
「そう。人気の少ない放課後で、ここは密室」
「…何を考えて、ここは学校で」
「私がしたいって言ってるの」
「………っ」
あぁ、これじゃいつもと一緒。違うの。謝りたいの。帳消しに、したいの。
「誰にも言わないと約束してくれますか」
「勿論よ」
なんなら、殴ってもいい。最低でごめんなさい。謝れなくて、ごめんなさい。
「…………絵里の所為なんです、絵里がわるいんです」
「う、むぃ」
後頭部に手を回されて、勢いよくキスされた。前歯ががちゃっと音を立てた。唇をふにゅふにゅ食まれ、口中を舐めまわして、私の舌をフェラするように吸い上げ、むせるほどの唾液を私に流し込んで。
「がぼ…っう、ぐ…」
「全部飲んでくださいね」
ごくっ、と海未の唾液を嚥下する音が頭蓋骨に響く。脳が蕩ける。さっきから背筋に流れる電気がとまらない。
「飲みました?…口開けてください」
「んぁ……」
初めて見る海未の顔。細くてあったかくて、楽しそうで冷たい目。
初めての感覚。海未、私言う通りにできたよ。全部飲んだよ。だから嫌いにならないで。
「もう一度です」
「むっ、んぅ……う゛っ」
今度は舌を絡めながら、私の制服を乱暴に引き剥がした。ブツッという音がして、ボタンが飛んで行った。背筋の電気が骨盤を打って、腰が跳ね上がった。
「ふは……綺麗ですね、絵里は」
「う、み……」
「ボタンごめんなさい。あとで私が探します」
そんなことどうでもいい。謝らないでよ、そんな小さなことで。色っぽい、いじめっ子みたいな目で私を見る。海未ってそんな目するんだ。そんな目、できるんだ。
露わになった胸元にキスしながら、股座にするりと手を伸ばす。奥手で堅物だと思ってたけど、結構大胆なのね。
「声、抑えてくださいね」
「……ん」
違う。今の海未、知ってる。いつもの私だ。そっくりそのまま、私の真似をしてるんだ。
ぐじゅ、と音がして、指がずぶずぶと沈む。決して乱暴な手つきでは無いけれど、興奮を抑えきれないのが伝わる。ちょっと痛くて、怖い。海未もこうだったのかな。
「あ、いた、待っ」
「無理です」
「は、ぁ……ぅ…っ」
「…もう準備出来てるじゃないですか。爪当たったら背中叩いてくださいね」
「う、ぐぅっ、あっ!あぁっ、むぅ…っ」
ばちゃばちゃと下品な音を立てて、海未の指が激しく動く。思えば、他人にしてもらうのって初めてだ。恥ずかしくて海未が見れない。下品な女だって思われてないだろうか、呆れられたりしてないだろうか。声、抑えなきゃと思ったら手で押さえられた。
「絵里、ちゃんと抑えてください、聞かれますよ…?」
ここが学校だということを思い出す。何やってるんだろうと冷静になる一方で、機能を止めた脳からは快楽物質と電気が流れ、腰が跳ね上がる。
「ううぅぅぅ、ぐっ、うう!………ぅ、ん…」
「絵里、指噛まないでくださ……い、イっちゃいましたか」
「ぁ…うみ、はげしすぎるか」
「もう一度」
「ま…まって、ま、やっ、ああぁっ!」
また海未の手で口を塞がれる。お腹の奥が熱くなって、溢れてくるどろどろの愛液が海未に泡立てられる。重い水音と泡が潰れる音が部屋に、身体中に響く。蕩けた目の海未の顔が近づいてくる。キスしてくれるのかな、と思ったら耳に吐息をかけられた。それだけで、馬鹿みたいに震える。
「絵里、凄いことになってますよ。椅子から滴るくらいに…」
「やめ、耳元で、あ…!?」
ぷしっ、という軽い音がして決壊する。辺り一面に潮が撒き散らされる。あぁ、海未ブレザー脱いでないじゃない。あぁダメだ、またイく。
「わ、え……絵里、吹いちゃいました?ああぁ、すごい量ですよ絵里」
「んぅ、うんんんんんん!ふ、ぐ、ぅう!」
「あぁまた……私の、そんなに気持ちいですか?」
「うん……はぁっ、きもち、いぅ、」
ぬちぃ、と粘った音を立てて指が引く抜かれる。泡立って白濁した液が糸を引く。
「見てください絵里、こんなになっちゃいました。ブレザーも袖がこんなに……」
「うみ、ごめん…なさい……」
海未はなにも答えず、私の下着を剥ぎ取った。濡れて気持ち悪かったから、心地よかった。するすると無言のまま、海未も下着を脱ぐ。あぁ、そういう事か。海未ももう限界なんだ。スカートをたくし上げて、
「私がイったら止めにしますから…もう少しだけ、付き合ってください」
「うん……声出ちゃうから、また塞いで?」
何も言わずにキスされた。くっついたまま、腰が動き始める。探るように蠢いて、見つけて、抉るように大きくグラインド。互いに鼻息を浴びせ合いながら、喘ぎ声を潰して舌を絡め合う。海未の汗の匂い、唾液の匂い、シャンプーの匂い、首筋から香る無条件で興奮する匂い、愛液の匂い。死ぬほど、気持ちいい。
「う、んむ……うみ、うみ、」
「んぅ……えりぃ……」
「うみ、ほんとうにふ、ぅん…ごめんなさい」
「……ブレザーのことですか?んっ、それなら、クリぃ、…っニングにだせば」
「それもそうなん、だけど…今までのこと、ぜんぶ」
ぴた、と海未の腰が止まる。
「なんですか、全部って……」
「…うみのこと……話も聞かずに道具みたいに扱って、はぐらかして、いっぱい我慢させちゃって」
「絵里……?」
「ごめんなさいって、償うわけじゃないけど…」
「絵里」
怒らせてしまっただろうか、そんなつもりで身体を差し出したのかって、最低だって。
海未の腰がゆっくりと動き出す。海未の手が私の頬に触れる。ぶつ、かな。
「私は不満に思ったことなんて、っぁ、ないですよ」
「ほんと、に?」
「えぇ、でも…んっ、こうやってしてるときは、そういうの、なしで」
「あ……ごめんっな、さいぃ」
頬に当てた手にきゅっと力が入って、柔らかい唇同士、優しいキス。
「愛してます、絵里」
「私も、海未のこと愛してるわ」
「…腰、もう止めませんからね」
「ん、一気にいっちゃおっか……」
夕陽が射すまで何度も求めあった。椅子の下は水たまりになって、首筋には痕が残って。
「…さすがに、手も腰も限界です…」
「う、ぅ…あ…」
「絵里がこんなになってるの、初めてですね」
「うみ、タフすぎ……」
「ふふっ、絵里が可愛いのがいけないんです」
テキパキと後処理を始める海未。私は自分の衣服を整えるので精一杯だった。
「あの、絵里……ボタン、ごめんなさい」
「あ……そっか」
「本当、ごめんなさい、見つからなくて…」
ブレザーまで着ておいて忘れていた。そういえばひとつ取れちゃったんだっけ。
「いいわよ海未……そのかわり帰り、家まで送ってくれる?」
「えぇ、もちろんです」
さっきのことは帰り道に話そう。ちゃんと歩けるかは不安だけど。
次の日。海未が珍しくセーターで登校してきたこと、私の3つめのボタンがよく見ると違うこと、2人ともちょっとだけ襟が立ってる理由は、私達だけの秘密。
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