そしてこれからが始まる
前作、先輩と僕の日々の続編となります
先輩「これにて、今日の議題は終わりです。皆さんお疲れ様でした」
[お疲れ様でしたー]
先輩(会議が終わるのが遅くなったなぁ・・・待ってくれてるかな・・・急がないと)
ー放課後・・・校門前にてー
僕(先輩・・・まだかな・・・今日は会議があるって言ってたし、遅くなるのかもしれないし・・・もうちょっとだけ待とう)
先輩(待っててくれたんだ・・・)
「ごめんなさい、少し待たせてしまったわね」
僕「い、いえっあの、僕も今来たところだから・・・」
先輩「クスッ、そうね、それじゃあ行きましょうか」
僕「は、はいっ」
先輩(やっぱり緊張させちゃってるのかな・・・)
僕「あの、先輩?」
先輩「ふえっ?な、なにかしらっ?」
(ど、どうしよう、つい焦って声が裏返ってしまったわ・・・)
僕「だ、大丈夫ですか?」
先輩「・・・こほん、大丈夫よ。それで、どうかしたの?」
僕「あの、今度の休日に二人で遊びに行きたいんですが・・・一緒に、行きませんか?」
先輩(可愛い・・・)
「良いわよ、何処に行きましょうか」
僕「良かった!じゃ、じゃあ、あの・・・動物園に行きませんか?」
先輩「良いけど・・・近くにあったかしら?」
僕「最近出来たらしくって、チケットが抽選で当たったんです」
先輩「くじ運はいいほうなの?」
僕「初めてやってみたんですよ、だからよくわからないですけど・・・でも、先輩と一緒に行けたらいいなぁ、って思ったら当たりました」
先輩「ロマンチストなのね」
僕「そ、そうですか?」
先輩「そういうところも好きよ」
僕「へ?」
先輩(つ、つい口に出してしまったわ・・・ど、どうしましょう)
僕「先輩」
先輩「な、なにかしら」
僕「僕も、先輩の人の良いところをちゃんと見てくれるところや、優しいところ好きですよ」[ニッコリ]
先輩[ボフッ]
僕「せ、先輩!?だ、大丈夫ですか!?」
先輩「だ、大丈夫、大丈夫よ・・・ちょっと、その・・・ね?」
僕「だ、大丈夫なら良いんですけど・・・」
先輩「と、とりあえず、先に帰るわね?」
僕「え?あの、先輩?今日は一緒に帰れるんじゃ・・・」
先輩「ご、ごめんなさい。き、今日は一人で帰るわね」[ダッ]
僕「えっ?・・・行っちゃった・・・日時とかどうしよう・・・とりあえずあとで連絡しないと・・・」
ー先輩の自宅ー
先輩「・・・ただいまー」
先輩の母「あら、お帰りなさい、お友達が来てるわよ~」
先輩「そうなの?」
先輩の母「ええ、すごい久しぶりに来たから、約束をしたのかなぁってお母さん思ってたんだけど・・・」
先輩「うんうん、約束してないよ?」
先輩の母「よくさらっと来てたものねぇ、あの子・・・まぁ楽しい子だし良いんだけどね。とりあえず、お菓子と飲み物を持って行ってもらっても良い?」
先輩「うん」
先輩の母「それじゃあ、お願いね~」
先輩「はーい」
ー先輩の部屋ー
先輩「今日はどうしたのよ、いつもは来ないのに」
先輩の友人「いやぁ、なんかからかいがいのありそうな感じがしたからつい・・・ね」
先輩「はぁ・・・そんなことはひとつもないわ」
先輩の友人「本当に?」
先輩「どうせ知ってるんじゃないの?」
先輩の友人「あー、ばれた?実は、風の噂で、あなたに彼氏が出来たって聞いたからさー」
先輩「な、なんで知ってるの・・・あなた、確か別の高校でしょ?」
先輩の友人「そうだよ?」
先輩「だったら普通は知らないんじゃ・・・」
先輩の友人「私は情報通なのよ?」
先輩「そういえばそうだったわね・・・忘れてたわ」
先輩の友人「ふふん、それで、あんたの顔見た感じ、なんかあったんでしょ?話くらいなら聞いたげるわよ?」
先輩「実は・・・」
[少女説明中]
先輩「と、いうことなの」
先輩の友人「褒められたのは良いけど、あまりの恥ずかしさにその彼氏くんを置いて帰ってきちゃったのね・・・」
先輩「うん・・・」
先輩の友人「はぁ・・・昔っから、そんなとこあったものね・・・んー、まぁ、なんとかなるんじゃない?」
先輩「どうしてそう言えるのよ・・・」
先輩の友人「私の勘よ」
先輩「・・・あなたがそう言うなら、大丈夫ね」
先輩の友人「あら、めずらしい。あなたが信用するなんて」
先輩「あなたの勘はよく当たるから、それと・・・たまには信じたくなったのよ」
先輩の友人「ふーん、ま、いいわ。そろそろ帰るわね」
先輩「・・・もう帰るの?」
先輩の友人「まーね、私も意外と忙しいから、それじゃね~」
先輩「はいはい、またね・・・はぁ、相変わらず嵐のような人だったわ・・・」
[携帯の着信の鳴る音]
先輩「誰かしら・・・もしもし?」
僕『あ、先輩。こんばんは』
先輩「こんばんは、そう言えば電話でお話するのは初めてね・・・」
僕『そ、そうですね・・・あの、動物園のことなんですけど・・・』
先輩(もしかして・・・キャンセルとか・・・?楽しみだから一緒に行きたいな・・・)
僕『日時と待ち合わせの場所を決めてなかったなぁと思いまして』
先輩「・・・そうね、忘れてたわ・・・どこに何時に着けばいいのかしら?」
僕『それじゃあ、日曜日に学校の門の前に十時半に集合でも良いですか?』
先輩「わかったわ、それじゃその日に会いましょう」
僕『はい!』
(やったぁ!先輩とお出かけだ!楽しみだなぁ)
先輩「その・・・」
僕『?、なんですか?』
先輩「今日は一人で帰ってしまってごめんなさい・・・」
僕『大丈夫ですよ、なにかあったんだろうし。それに、またこうやってお話できるってのが僕は嬉しいんですから』
先輩「そう・・・ありがとう」
僕『いえ、こちらこそです!それではまた~』
先輩「ええ、それじゃあね」
[ピッ]
先輩「・・・楽しみ、どんな服を着ようかな」
ー僕の自宅ー
僕「ふぅ、先輩に電話するのは初めてだから緊張したなぁ・・・」
僕の姉「やっほー」
僕「げっ」
僕の姉「げっ、とは何よ、げっ、とは」
僕「・・・何でもないよ、姉さん」
僕の姉「ふーん、そういえばさー」
僕「なにさ」
僕の姉「いやー、私が上げたチケットあるじゃない?」
僕「い、今更返せとか言わないでよ・・・」
僕の姉「別に言わないわよー、代わりに聞きたいんだけどさー」
僕「何」
僕の姉「誰と行くの?あんたひとりじゃないんでしょ?」
僕「それは・・・」
(ど、どうしよう・・・本当のことは言いたくない・・・でも、先輩のことで嘘も付きたくない・・・うーん・・・)
僕の姉(これは、彼女ができたみたいね・・・でもそれをどういうか必死に考えてるのか・・・仕方ない、誤魔化させてあげましょう)
「はっ、まさか・・・男?」
僕「は?」
僕の姉「男友達とふたりっきりで行くのかなーって。よさげな男の子ならこっそり見に行こうかしら・・・なーんて」
僕「弟をなんだと思ってるのさ・・・そんなんじゃないよ、それに姉さんにも彼氏くらい普通にできるでしょ・・・美人なんだからさ」
僕の姉(さりげなーく優しいのよねぇ、この子)
「ふふん、ま、今はそういう気分じゃないのよ。それに、弟に心配されるほどのことでもないしー」
僕「まぁ、そういうことだからこれで・・・」
僕の姉「はいはい、今回は見逃したげるわよ」
僕「ありがとうございます」
ー動物園に行く日・・・学校の門の前ー
先輩(・・・思ったよりも早くについてしまった、どうしようかな・・・)
「そういえば、お昼ご飯作ってみたけど大丈夫かな・・・美味しく、食べてもらえるかな・・・」
僕「あ、先輩おはようございます」
先輩「おはよう」
僕「ごめんなさい、少し遅れちゃいましたか?」
先輩「うんうん、大丈夫よ。私がちょっと早くに着いちゃっただけだから」
僕「よ、良かったです・・・そういえば先輩はいつも着く時間は早いんですか?」
先輩「き、今日は・・・その・・・君と一緒にデートをするのが楽しみで・・・つい、ね」
僕「そ、そうですか、僕も、その、とても嬉しいです!」
[・・・・・]
先輩「そ、そろそろ行きましょうかっ」
僕「そっ、そうですねっ」
ー動物園に向かう道ー
先輩「そういえば、お昼はどうするの?」
僕「園内で適当なものを食べようかなーと思っていました」
先輩「じ、じゃあ」
僕「はい、なんですか?」
先輩「お昼ご飯を作ってきたから一緒に食べない?」
僕「良いんですか!?やったぁ、先輩の手料理だー、楽しみだなぁ
そういえば、先輩」
先輩(喜んでもらえて良かった・・・)
「なあに?」
僕「今日の先輩、すごく可愛いですね
あ、あそこみたいですね」
先輩(ふ、不意打ちよ、そんなサラっと褒めるなんて・・・嬉しいけど、嬉しいけどっ///)
「・・・そうみたいね」
(本当に近場にあったのね・・・)
僕「それじゃあ、入りましょうか」
先輩「そうね」
ー動物園内ー
僕「最初はどこからまわりましょうか」
先輩「最初は・・・しろくまを見に行かない?」
僕「良いですよ」
先輩「私、もふもふしてるのが結構好きなの」
僕「癒されますものね」
先輩「うん」
僕「それじゃあ、行きましょうか」
先輩「ええ」
ーしろくまのエリアー
僕「しろくまって可愛いですよね」
先輩「そうね、もふもふしてて癒されるわ」
僕「もふもふしてる狩人なんですね」
先輩「そうね、でも見てる分にはいい感じよね」
僕「そうですね」
ー数分後・・・園内ー
先輩「次はどこに行く?」
僕「そうですね・・・そろそろお昼にしませんか?僕お腹すいちゃって」
先輩「もうそんな時間なのね、それじゃ、お昼にしましょうか」
(初めてお昼ご飯を家族意外に食べてもらえるなんて・・・緊張するな・・・大丈夫だといいんだけど・・・)
僕「あそこのベンチで食べましょう」
先輩「そうね」
ーお昼ご飯ー
先輩「はい、どうぞ」
僕「おおー、すごく美味しそうです!」
先輩「そう言って貰えて嬉しいわ」
僕「それじゃあ、いただきます」
先輩「はい、どうぞ」
僕「もぐもぐ、美味しい、すごく美味しいです!」
先輩「そう、良かった」
僕「もぐもぐ、そういえば先輩は食べないんですか?」
先輩「少しだけいただこうかしら、はむっ、うん、美味しく出来てる」
(ちょっと不安だったけど美味しく出来てて良かった)
[もぐもぐ・・・もぐもぐ・・・]
僕「ふぅ、ごちそうさまでした。すごく美味しかったです!」
先輩「はい、美味しく頂いてもらって良かったわ」
僕「先輩」
先輩「なあに?」
僕「いえ、何でもないです」
先輩「気になるから教えてくれない?」
僕(どうしようかな・・・話そうかな)
「・・・僕は、先輩のことが大好きってことです」
先輩「私も、貴方のことが好きよ」
僕「だから、一緒に過ごしていけたら良いなって思って・・・」
先輩「・・・[ギュッ]」
僕「先輩・・・」
先輩「私は、まだ貴方の隣にいる時間が短いけど、その、私も一緒にいたいと思うわ・・・」
僕「先輩・・・ありがとう」
先輩「うん」
ーモノローグ・エピローグー
これからも、日々は続く、その時間を大切なこの人と一緒に過ごせたら、過ごしていけると、そう思う
ここまで読んでいただきありがとうございました。
前作先輩と僕の日々の続編ということで書かせていただきました。
ほのぼのとした優しい世界
リクエスト等がございましたらコメントしていただけると嬉しいです
また別の作品でお会いできることを楽しみにしております。それではっ!
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