織田信奈の絶望
短いお話です
これは、さっき思い付いただけなので新作とは関係ありません
ここは、本能寺。俺のいた未来では光秀によって引き起こされた「本能寺の変」によって焼き討ちされたため、寺町御池にあったが、本来は油小路蛸薬師(あぶらのこうじたこやくし)にある。
そして、今、おれ、相良良晴は、そこへ向かっている。
この世界での妹、ねねの、攻撃?を押しきり、恩賞をもらうためだ。
金ヶ崎で、しんがりを努め、生きてかってきたらキスをさせてもらうっ!くぅ~何で今まで忘れてたのか不思議だぜ
「よう門番、約束の」
「相良さまお待ちしておりました。お進みください」
へ?妙にあっけないってかすんなりだな、珍しい
「恩賞をもらいに来たぜ!の……ぶな?」
そして、その先にいたの
「よよよようやくきたか、サル!まままっていたじょ!」
かみっかみの白装束に身を包んだーーいや一部包みきれてないがーー柴田勝家その人であった
「な、何で勝家が?」
「お前からいったんじゃないか?恩賞だろう?生きてかえったらその、む、胸を触らしてやるといったじゃかいか」
「あれ、俺そんなこと約束したかな?」
「わ、忘れたのか?いやしかし、武士として一度交わした約束を反古にしたらそんなのは切腹だ。お前が忘れてようが構わん、さぁ触れ!!」
といって、胸を突き上げてくる、更に上目使いで、くそっ可愛いじゃねぇか
ちょ、ちょっとだけなら……
ポヨンっ
その瞬間、俺のなかでなにかが弾けた。いや、弾けたのは……なんだったのだろうか
「さ、さる、いたい、もう少し優しくしてくれ」
「そ、そうだ、そんな感じだ。んっ……って私は何をいってるんだ!!」
「や、やめろ、私はそこまでしていいとは言ってないぞ、や、やめろ、ヤメロー」
「よ、よしはる、今は、六と呼んでくれ。いいや、これからは、二人っきりの時は……」
「んっんっんっ、よしはるぅもっとぉ、あんっ、そう、もっとぉ」
「あんたたちなにやってんの?」
俺が現実に引き戻された瞬間である
そこにあったのは、凍えるような冷たい信奈の視線と、同じく白装束に身を包んだ姿だった。
「い、いや、これはな、信奈」
「あんたには聞いてないわ、サル。六、なにをやってんの?私のサルに」
私の、を少し強調して言う、信奈
「いや、その、これは…………そうだ、このサルが無理矢理…… 」
「そう、やっぱりそうなのね。私があんたの恩賞のために身もだえてる間に、六の胸に飛び込んでるだなんて」
「そうよね、あんたはサルだから、私みたいな超絶美少女のキスより六の牛みたいな乳のほうがいいのよね」
「いや、信奈まって」
「最低」
「…………」
「ほら六行くわよ、こんなバカほっときましょ」
やっちまった。 これから、俺のなかで何かが崩れ始めたのかもしれない
ところ変わって、またもや美少女。今川義元ちゃんの元へやって来ていた。あんなことがあって、さすがに信奈の近くには居られないので、以前から呼ばれていた義元ちゃんのところへやって来ていたのである。
「義元ちゃん。俺どうすりゃいいのかなぁ?」
「そうですね、この際ですから、信奈さんなんか捨てて妾のものに……妾の元にきたらどうですか?」
「そうだな、それもいいかもしれないな」
「なっ、なかなか、正直ですわね。よろしい、ようやく立場をわきまえたのですね、これで私の側近として……ゴニョゴニョ」
最後の方は聞き取れなかったけど、それを聞き返す機会はなかった
「失礼いたします」
まぁ、この通り邪魔が入ったからだ
「何事ですか?」
なぜか少しドスを聞かせる義元ちゃん。でも可愛い
「信奈様から。良晴殿に、信奈様のもとへ訪れよ、とのことにございます」
「だってよ、ありがとな、義元ちゃん。なんかスッキリしたよ」
「いえ、妾を救ってくれたのです。ほんのお礼ですよ」
「そうか、ならついでにあともうひつとお願いを聞いちゃくれないか?」
「妾にできることなら」
「これから、信奈のもとを離れようと思う。そのだから……ここに、来てもいいか?」
「えっ?それは、その……」
「あ、いいよ、やっぱり無理だよな。ただの一般庶民が今の義元ちゃんの所にいくなんて、ごめん、忘れてくれ」
「だから、妾の話をお聞きなさい!!」
「え?」
「…………お待ちしております」ボソッ
「え?」
「お待ちしております!!」
「……いいの?」
「構いません、身分などこの私がいかようにもしてさしあげましょう」
「そうか、そうか。なら、これからもよろしくな義元ちゃん」
「ええ、お待ちしております良晴さま」
そう言ってくれた、義元ちゃんの笑顔は今までの誰より綺麗に見えた。そして、自分のなかでも決心が着いた、信奈のもとを離れるという決心が………………そんなつもりだった
ああ、人間の決心なんて脆いものだ
そうして、数日後、ねねの、所で少し過ごしたあとまたもや本能寺を、訪れていた。門の前で少し足が止まる。なにせ、あんなことがあったのだ。
すると向かいから、だれかが、いや、勝家が歩いてきた
「あ、サル」
「ん?どうしたんだ?」
平然を装ってみるけど、内心がくがく、だってこの人いきなり槍とか振り回してきそうなんだもん
「あの、先日のことだが、その済まなかった。姫さまの前だからついサルに被せてしまった」
以前の俺なら、もしかしたら、ここで許して仲直りして、また、やり直してたのかもしれない。でもやっぱり、俺はもう壊れていた。この言葉を聞いてもなにも感じない、むしろうすら寒く思えてくる
「あっそ、もういいよ」
だから、こんな返事をした。頭を下げていた勝家は、思わず顔をあげていたが、俺はそれを見ずにそのまま通りすぎた
「さ、さる?ま、待ってくれ今のはどういう……」
無論無視した、でも、勝家は、追いかけて来なかった
私、柴田勝家は、酷く後悔していた。姫さまを、私を助けてくれた恩人を、だしに使うなど、一人の武士として、人間として、恥ずべきことをしてしまった
あれから、サルは姫さまのもとへはやってこなくなった。謝りたくても謝れない。サルに会って、謝りたい。
良晴に会いたい
そんなときだった、姫さまが、サルに話がある呼び戻せとおっしったのは
私はサルが来るという日に合わせ待ち伏せした
……人が歩いてくる、と突然立ち止まった、本能寺の門の前で。
間違いない、サルだ。謝ろう。謝ろう。そう念じて、足を踏み出した
最初サルは少し驚いた顔をしていた。そして、話し出すとああという顔に変わった。
「あの、先日のことだが、その済まなかった。姫さまの前だからついサルに被せてしまった」
言った。ようやく言えた。これでまたサルと話せる。実は先日のあれがあまりに忘れられなくて……ってまた私はなにを!
「あっそ。もういいよ」
最初は、幻聴だと思った。
聞いたことのない声、サルの感情のない声。でも、顔をあげてサルの、良晴の顔を見て悟った。
これは、間違いなく良晴から発せられたことばなんだと
分かったら、真っ白になった、体が動かなくなった
どうすればいいかわからなくなった
「さ、さる?ま、待ってくれ今のはどういう……」
待ってくれ、いかないでくれ、そんな声を、そんな目を私に向けないでくれ
私は話したかったんだ、それだけでよかったんだ。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、
本当にごめんなさい、良晴
「ようやく来たわね、サル。あたしを待たせるなんていい度胸してるじゃない」
勝家と別れて、すぐだからか。俺の心は覚めたままだった
いつもなら、嫌みの一言でも言ってやるのに、それすらしようと思わなかった
「そうか。すまん」
いつのまにか、回りには家臣が集まっていた
丹羽長秀 明智光秀に加え、さっきあった柴田勝家もいる。半兵衛ちゃんと犬千代はいないが、どこかに出掛けてるのだろう
「それで、どうしたんだ今日は、あ、いやいいや。俺からも話があったんだ丁度」
「ななな。なによ、恩賞ならあげないわよ、あんたなんかに」
「いらねーよ、そんなもん」
「………………え?ならなんのはなしなのよ」
思わず目が点になる信奈、かなり驚いてるらしい、まぁそもそも恩賞の話だったのかもしれんしな
「俺は、信奈のもとを離れようと思う」
最初何をいってるのか分からなかった、信奈の元を離れる?
また、得意のサル語が飛び出したのかと思った。サルの目を見た
そしたら、理解できた。
サルの言った言葉の意味、いや、頭で理解はしたけど、心がそれに追い付いてくれなかった。心の中でいろんな言葉が爆発する
ずっとわたしと一緒にいるって言ったのに、未来にかえるまで一緒にいるって言ったのに、外国に行くの、私の夢を手伝うって言ったのになんで今さらそんなことを言うの?
そして、押さえきれなくなったそれらは必然的に口から出ていった
「何いってんのあんた?バカなの?アホなの?あーそうだったわ、あんたはサルだったわね、いいわ、自分のいっていることが分かっていないようだから、心のひろーいあたしが聞き逃してあげる、感謝しなさいよね!!」
そしたら、サルはまたばかをいったもう我慢はできなかった
「いいや。嘘じゃない。義元ちゃんが迎えてくれるらしい」
だめ、サルが行っちゃう
せっかく今日はありがとうって言おとおもってたのに、あたしが下にでるなんてありえないけど、このままじゃサルはどこかに遠くに……そんなのはいや、無理。無理矢理にでもあたしのところにおいとかなくちゃ、
そうよ、サルはサルなんだから、野放しにしちゃだめじゃない、飼い主である私がこれからも飼ってあげなくちゃ、もし、外に出して変なことしたらあたしのせいになるんだから、そんなのは許可できないわ
そんなあたしの心情は、言動に影響を及ぼした
悪い方向に
普段のひねくれた性格と相まって、今一番いっちゃいけないことをいってしまった。これだけは、これだけは、だめだったのに…………
「サルなんて、サルなんて金ヶ崎で死んじゃえばよかったのに!!」
プチっ
何かが切れた音がした
今まで必死に押さえてきたものが全部崩れ出した
「サルなんて、サルなんて金ヶ崎で死んじゃえばよかったのに!!」
はは、はははは、何も言い返せない
やっぱりそうだったんだな、俺は必要のない人間だったんだ。なぁ神様なんで俺をこの世界にやったんだ?なんで秀吉の代わりに俺なんかを呼んだんだ?なんで、どうして、
俺はこんなに苦しまなきゃいけないんだ?
周りでこえがする
「姫さま、今のはちょっと」
「姫様、いまのはいけない」
「姫さま!!」
長秀、犬千代、勝家、がそれぞれ言うが俺にはなにもとどいてない
「はは、はははは、ははははは。そうだよなやっぱりそうだよな。分かってたんだよそんなこと」
「ど、どうしたんだ。サル?」
「あ?勝家か?いや、なんでもない。ああ全くなんでもない。こんなのは始めからわかってたことだからさ。信奈は、俺のことが嫌いで、必要としてるどころか邪魔に思ってるなんてのは」
「なっそんなことは!」
「そんなことは、ない?か、それこそ、信じられねぇよ。もう無理だよ。俺には信じられねぇよ」
伏せていた顔をあげてそう言った良晴
にだれも反論できなかった
相良良晴は、笑いながら涙を流していた
まだ、全員が茫然自失としているなか、良晴は。近くにあった、刀を手に取る
「もういいよ、なんだか、すごく疲れた。それに、信奈もそれを望んでるんだろ」
鯉口を切り。刀身が覗く。日本刀特有の眩い輝きが、良晴の動きを一瞬躊躇わせた。だがそれも一瞬。鞘を捨てて、刀身が長いので両手で持ち、腹ではなく、首に切っ先を当てて、一言
「じゃあな」
「だめ!」
「いやぁ」
「やめてっ」
何人かの叫びが響く、意識を取り戻した勝家他何人かが止めにかかる、が時すでに遅し。切っ先はすでに喉の皮膚に触れ、
そして、
そして………………
読んでくださりありがとうございます
そして・・・
気がつくと目の前には、犬千代と五右衛門と半兵衛ちゃん、それに泣きべそかいたねねがいた。
『ここは天国・・?』と一瞬思ったのだが首筋が熱い・・
俺は死ぬことはできなかったらしい
あたりを見渡すと、どうやら今川義元の屋敷だ
(ロリ万歳
なんか本当に毎回毎回ありがとうございます。心の支えですよもうほんと(笑)
これからもよろしくおねがいします
あれ?自刃しちゃうの?義元ちゃんが待っててくれてるのに勿体無い。
IF展開で義元に就いた後と自刃後の織田家の没落までが見たいです。
(このコメントに気付くか不明ですが)
今川の所に行くって言ってたのに、何死んでるのw