ラブライブxトーキョーグール 2nd
2nd 第7話「もう一度」
祝 2ヶ月放置
〜数時間前、グール対策局会議室〜
巨大なモニターのある広い部屋に、大勢の人間が集められていた。
モニターの前には、ノートパソコンを持った石川が立っていた。
石川「…ただいまより、大規模作戦会議を開始します。皆さん、よろしくお願いします」
たくさんの捜査官が出席するこの会議では、今後展開されるであろう大規模なグール討伐について話し合いが行われた。
石川「今回の一件である”キャット”及び…謎のグールを対象に、会議を進めて行きます」
「ンン…謎のグールとは一体何なんだ?」
質問をしたのは田中丸 望元(たなかまる もうがん)。
ダンディな髭が特徴の特等捜査官。
巨大な大砲の様なクインケ、”ハイアーマインド”を使うことで捜査官達からは有名である。
石川「…これからうちの部下が説明します。」
田中丸「助かるよ、石川ボォーイ」
石川「…橘(たちばな)」
橘「普通、病み上りを会議に出すかねぇ…」
会議に出席していた橘が説明を始めた。
橘「謎のグールとは…人間をベースに、グールの赫胞(かくほう)を移植した特別なグール」
橘「今回、そのベースにされたのはこの少女…小泉 花陽。」
モニターに花陽の写真が写る。
橘「写真の通り、かつては国立音ノ木坂学園の生徒であり、スクールアイドル”μ’s”のメンバーでした。」
橘「何らかの方法で彼女にグールの赫胞が移植されたワケですが…ここからは私自身の憶測です」
橘「実際に対峙したところ、気になるポイントがいくつかあったので報告します」
橘「第1に、小泉 花陽が使っていた赫子はかつてのSSSレート、”羆(ひぐま)”を彷彿とさせるものでした。」
橘「第2に、彼女は元々人間であり、捜査官として我々の仲間だったということ。それが敵対してきたのであれば、何か理由があると考えています」
「ヒュヒュ…実に美しい裏切りですな」
「まるでかつての橘准特のようで…」
発言したのはキジマ 式(きじま しき)。
以前、あるグールに全身のパーツを削がれ、継接ぎだらけの人形のような姿をしている。
捜査官達からは”削ぎ師”と言われ、残忍な性格を指摘されている。
橘「…以前の私とは?私は裏切りなどした覚えはないのですが」
キジマ「ヒュヒュ…嘘をつかなくても、私は全て知っておりますので…どうぞ話を続けてください」
橘「…それでは」
橘「私が調べた情報によれば、この施術を行ったのは西木野 廉藏(にしきの れんぞう)。」
橘「彼の持つビルの地下には研究所があり、そこで人間を無理矢理グールに変える技術の実験を行なっていると思われます」
「…そんな情報、どこで調べたんだァ?」
トゲトゲしい髪型をした捜査官は鉢川 忠(はちかわ ちゅう)。
准特等捜査官と高い階級を持つ捜査官の1人。
キジマ准特等と同じく、残忍な性格を持つが彼自身には内に秘めた復讐心があるとかないとか。
橘「…私自身、西木野 廉藏に身体を改造された被害者ですので。」
橘「それにこう見えてスパイ活動は得意なんです」
鉢川「ケッ、信用ならねぇ」
橘「今回の作戦にあたり、目標の一つである彼女を”グリズリー”と呼ばせていただきます。」
橘「私からの報告は以上です…」
石川「ご苦労。…それでは今後の動きと索敵チームのメンバーを発表する」…
ーーーーー
ーー
ーーー
石川「全員、クインケと装備は揃えたか?」
穂乃果「大丈夫です!」
にこ「装備できたわよ!」
海未「装備完了しました!」
仁美「…完了しました」
橘「…一ついいか、石川さん」
石川「なんだ」
橘「ぬぁーーーんでよりにもよって俺と仁美が同じ班なんだよ!!アホか、アホなのか!?アホの坂田かてめぇはーーーっ!??」
仁美「こっちだって文句はあるが上の命令なんだ、大人しく従えバカ」
橘「キーーーーッ!!バカって言ったやつがバカなんだよバーカバーカ!!」
仁美「なんだとぉ…だいたいお前が作戦中にむやみに突っ込むから…」
橘「うっせーーーッ!!」
穂乃果「…いつもあんな感じなんですか」
石川「こっちに来てからはな…以前の作戦前も文句ばかり言ってたな…」
石川「だがコンビネーションは悪くないと思うが」
穂乃果「…」
西木野 廉藏 所有の研究所 索敵チーム
一班
班長 石川 龍之介
副班長及び班長補佐 悟郎 正樹
班員
志賀 仁美
橘 達也
2班
班長 漣 ミライ
副班長及び班長補佐 園田 海未
班員
高坂 穂乃果
矢澤 にこ
これに加え警察より機動隊の一部、数にして25人の兵、合計33人という小規模なチームが完成した(機動隊員には対グール兵器装備済み)。
索敵中に一般市民が狙われないよう、田中丸 望元特等、キジマ 式准特等、鉢川 忠准特等の3名を起点とした防衛チームが組まれ、攻守ともに最強の布陣が組まれた。
索敵は一般市民の少ない深夜に行われた。
〜秋葉原某所、とあるビル入口〜
石川「…ここでいいんだな、橘」
橘「…ああ」
索敵チーム全員が武器の準備を始めた中、橘は1人単独で行動を始めた。
橘「先陣を切らせてもらうぞ」
石川「!?」
ロックされたガラス製の自動ドアをキックで壊し、ビルの中へ堂々と侵入した。
それと同時に警報機が作動し、人影が橘に向かっていった。
橘「やっぱりな」
??「ーーーッ!??」
飛び込んできた人影を橘は確実に見切り、掴んで投げ飛ばした。
??「が…」
わずかに、赫子を展開していた。
だがそれ以前に、橘はこれをグールだと悟っていたようだ。
橘「西木野 廉藏はどこにいる?」
??「…地下、だ…」
橘「…地下か」
橘「オラ行くぞ〜」
石川「…あ、ああ」
チーム全員が唖然としていた。無理もない。
気配すら感じなかった入口の伏兵に、橘のみ気付きそれに対峙できたという対応力。
石川「目標を再確認する。」
石川「目標はグリズリー、及びキャット、そして…西木野 廉藏の確保。」
石川「全員、生き延びて帰還するように!」
「「了解!!」」
地下の広い部屋に着くと、そこには大きな分かれ道が続いていた。
石川「…あれ、橘は?」
穂乃果「先に行くって言って…」
ミライ「馬鹿が」
石川「…そんなに嫌だったのかね」
石川「まあいい、道は2つ、ミライ班と別れて行動を開始する」
〜橘 龍也〜
橘「…1人で突っ走ってきたのはいいけど」
橘「道に迷った…」
「どこかで見た顔ね」
橘「!?」
突然攻撃してきた巨大な尻尾のような赫子を橘は回避する。
橘「おお」
橘「えーと、あれだ」
橘「えりちゃん、だっけ?」
絵里「あら、聞いてたのね」
橘「いや〜美人相手に手合わせとかツいてるな〜」
橘は自らの拳銃型クインケ、”スペルビア”を起動した。
橘「この先に先生がいるんだろ?」
橘の言葉と同時に絵里も再び赫子を構える。
絵里「知ったところで無意味よ」
〜ミライ班〜
ミライ「…ずっと景色は変わらない…か」
穂乃果「1本道で、壁にも違和感を感じない…」
海未「本当にこんなところに医者がいるんですか?そもそも…医者が研究、というのも不自然な気が」
ミライ「…数年間、犬で入れたことに感謝しなければな」
にこ「いぬ?」
ミライ「私と石川は…元々はごく普通の警察官だった。」
ミライ「奴の…西木野 廉藏の調査のため、部下として行動してきた」
穂乃果「…その調査が実って、今回確保する…」
ミライ「そうだな」
ミライ「早い所終わらせなければな」
海未「…!?全員、止まってください!」
ミライ「!?」
海未「何か…聞こえます」
全員が耳をすますと、何かがぶつかり合う音と話し声が聞こえた。
にこ「…近い!」
ミライ「全員、戦闘態勢!気を抜くな!」
音がする方へ走ると、2人の人物が戦っていた。
穂乃果「!!」
穂乃果「あれは…」
片方は猫のマスクをつけ、尻尾のような赫子を使い、
もう片方は4本の鋭い赫子と剥き出しの歯茎を彷彿とさせるマスクをつけている。
凛「真姫ちゃん、どうしてわかってくれないの!?」
凛「凛は仕方なく戦っているのにっ!!」
真姫「貴女の言うことなんて理解できない!!」
真姫「どうしてあんな外道に味方するの!?」
凛「この分からず屋ああっ!!」
2人は穂乃果たちに全く気づいていなかった。
ミライはある作戦を思いついた。
ミライ「…疲弊しているところを狙うぞ」
ミライ「全員待機」
穂乃果たちはその場にしゃがみ、ミライの指示を待った。
が…
ミライ「!?」
ミライ「止まれ高坂っ!!」
穂乃果は2人の元へ走り出していた。
手にはクインケを握りしめている。
穂乃果「すぅーーーッ…」
穂乃果「ストーーーーーーップ!!!」
真姫「!?」
凛「え!?穂乃果ちゃん!?」
穂乃果は2人の戦いを無理やり止めた。
穂乃果「…」
凛「…」
真姫「…」
ミライ「…」
海未「…」
にこ「…」
穂乃果「…なんで止めたんだっけ」
どうも、うp主です。
この度は二ヶ月という長い期間を空けてしまい、申し訳ございませんでした。
様々な用事と、家庭の事情が重なり中々ssを書き上げることができませんでした。
私個人、中途半端に作品を投稿してしまっては読者が悲しむと思い、わずかな時間を見つけては書き、見つけては書き、を繰り返していたらこんなに期間が空いてしまいました。
今後も頑張ってssを書き上げていきたいと思っているのですが、また長い期間空けてしまう可能性も十分にあります。
その時は…首を長くしてお待ちください。
この度は本当に申し訳ございませんでした。今後ともラブライブxトーキョーグールをよろしくお願いします。
るしふぇる
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