ラブライブ吸血鬼パロ「ヘルシング」vol.1
吸血鬼パロ書きたくなって書きました。
暇潰しにどうぞ(不定期更新)
エリ「…今日は占いは休みですよ」
忠告を無視し、占い師の前の椅子に座り込む。
黙り込み、何か物欲しそうな顔をした。
「…」
エリ「わかりました。ちょっとした小話ですが、占い代わりにはなるでしょう」
エリ「あれは…もう10年も前のことだったかしら…」
金色の髪をした占い師は、ひとりでに語り始めた。
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「隊列を乱すな、これは訓練ではない」
「目標、城内にて目視。どうしますか、団長」
マキ「ウミに先行させなさい」
マキ「彼女なら確実に仕留めてくれるわ…他の部隊は城外で待機。リンはウミの援護に回って」
リン「了解にゃ」
月明かりに照らされる、古城。
かつて貴族の館として使われていたが、近年の不況により財政悪化。
貴族と呼ばれる人々は年々数を減らした。
自らの城を手放し、新たな地へ旅へ立つ者が後を絶たなかった。
そんな中、一つの怪事件が発生した。
1人の女性が殺害された。
だが、身体にはナイフや銃弾の痕はなく、あったのは首筋にあった歯型のようなものだった。
「吸血鬼」「ヴァンパイア」「ドラキュラ」
人々はそれをこう呼ぶ。
夜な夜な人間を襲い、生き血をすする化け物。
そんな吸血鬼事件が増えるにあたって、1つの組織が国王によって結成された。
「ヘルシング」
聖地オトノキを吸血鬼から守る聖騎士団。
唯一神、「アル・パカ」を信仰する宗教団体より結成された。
彼らは唯一、吸血鬼を討伐することが許可されている。
「ヘルシング」…
それはこの物語を語る上で欠かせない存在である…。
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ウミ「こちらウミ。城内に進入。敵を補足次第連絡します。」
彼女はウミ。ヘルシング聖騎士団、第15番隊隊長を務めている。
17歳、女性ながらもヘルシング聖騎士団に入団し、若くして隊長を務めている。対人戦では右に出るものはいない。
マキ「ええ…了解した」
彼女はマキ。
16歳という若さで聖騎士団の団長を務めている。元から「アル・パカ」を崇拝していた神父が、吸血鬼によって殺害され、その後を継ぐ形で団長へとなった。
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不気味な足音が、だんだんと近づく。
それにつれてウミの鼓動の速度は速くなる。
ウミ「…大丈夫、勝てる…」
剣を強く握り、胸元で十字架のサインを切る。
ウミ「…Amen(エイメン)」
物陰から何者かが襲いかかってきた。
「血を…血をおおおおっ!!」
痩せこけている男だった。しかしその歯にはしっかりと吸血鬼の牙が生えており、目の色は紅く変色していた。
ウミ「…!!」
ウミは体を大きくひねり、吸血鬼の攻撃をかわす。
そして低い姿勢から、手に持っている剣で横っ腹に斬撃を入れる。
ウミ「外したっ!」
「いだあぁぁ!?」
男の横っ腹から血が流れ出る。
「いだい…いだいよぉ…血を…血を飲ませろおおおお」
ウミ「油断しました…!」
ウミは目を瞑った。
すると、吸血鬼の胸元に大きな風穴が開いた。
リン「ウミちゃん、油断は良くないにゃ」
拳銃を持ったリンが現れた。
彼女は「リン」
運動神経が良く、すべての任務を不備なくこなす11番隊隊長だ。
愛銃「デザート・キャット」には自らを象徴する猫のマークと、ヘルシング所属の証である十字架と「アル・パカ」が彫られている。
ウミ「すみません…一撃入れたと思ったのですが」
リン「ウミちゃんも拳銃にすればいいのに…手入れとか楽でいいよ」
ウミ「私は父から受け継いだこの剣で戦うだけです…私は」
リン「…マキちゃん?任務を遂行したにゃ、帰投するにゃ」
無線に連絡を入れる。
マキ「了解…あとねぇ、リン。私のことはマキ”団長”と呼びなさい!」
リン「にゃ、にゃ〜…」
彼女らは「ヘルシング」
唯一神「アル・パカ」の元、吸血鬼を駆逐する者たちだ。
この世界には、神を信仰する者たちと
吸血鬼とで裂け目が出来ていた。
「…ふうん…ウミ、かあ」
「…仲良くなれそうだな」
1人、遠くで佇む吸血鬼がいた。
先ほどの男とは違い、貴族のような格好をしている。
「行こっか」
全身にたくさんのコウモリを纏い、闇夜の中へと消えていった。
ヘルシングのアンデルセンかっこいいよね
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