2015-01-16 11:44:59 更新

概要

http://sstokosokuho.com/ss/read/854
前回です。


前書き

通信制限されてしまったので遅れてます。申し訳ありません。


覇章





作戦は漏れ、仲間に裏切られたという最悪の展開を招いてしまった。

ひとみちゃんと私は殺害され、ことりちゃんだけが残ってしまった。ことりちゃんは恐らく村人。頼れる仲間がいなくなってしまった。


ことり「この10分間で打開策を考えなきゃ…何かないの⁉︎」


ひとみ「あったらすぐにでも言ってるわよ…貴方こそないの⁉︎」


穂乃果「こうしてる間にも時間は過ぎてるんだよ!落ち着いて!」


同盟は崩壊しかけた。人狼がいなければ救い上げる確率はかなり下がる。

勝利への道は少しづつ遠のいていった。






3人が焦ってる中、ぐすっ、ぐすっ、と泣き声が聞こえた。


穂乃果「…誰?誰かいるの?」


絵里「うぐっ…ひどいよぉ…お家帰りたい…」


ボロボロと泣いていたのは3年生の絵里センパイだった。


穂乃果「…どうしたんですか?」


絵里「希に…裏切られたの…助けて、このままじゃ私…」


ことり「穂乃果ちゃん(●8●)私達の同盟に入れてあげようよ…」


穂乃果「まって。もしかしたら、希センパイの差し金かもしれない。」


絵里「違う…私は…!」


穂乃果「これはライアーゲーム。騙しあって人を堕とし、金を稼ぐっていう残虐なゲームなんです。センパイが嘘をついている可能性も充分にあるんです。だから…」


絵里「だから…?」


穂乃果「私達の同盟に参加するのは許可しますが、私の指示に従って貰います。そんなにひどい指示は出しませんが、最低限の証拠が欲しいので。」


絵里「わかった。従うわ…」


ことり「穂乃果ちゃん(●8●)…いくらなんでも酷すぎない…?」


穂乃果「これで騙されてことりちゃんも人狼に殺られたら私達、終わりだよ?私だって絵里センパイを信じたいけど、状況が状況なんだよ。」


穂乃果「うまく行けばひとみちゃんと私も、ゲーム中に救い上げられる…指示に従って!」


そう言って全員で円陣を組み、穂乃果は作戦内容を話した。


ガブリエル「時間です。全員部屋にお戻り下さい。」


穂乃果「(いい?この作戦は全員がちゃんと指示に従って動かないと命取りになる。だから絶対に指示に従って!)」


ことりは穂乃果に言われた事を思い出し、作戦開始を待った。


ナカムラ リョウタ様 人狼によって殺害


プレイヤーを選択し、投票して下さい。


ことりは言われた通り、ひとみに入れた。

しかしなぜひとみちゃん?とことりは疑問に思った。これで投票が重ならなければもう終わりだ。


シガ ヒトミ様 投票により蘇生


アヤセ エリ様 疑惑


穂乃果の作戦は成功した。この人数が減った中での蘇生はかなり大きい。

しかしなぜ成功したのだろうか?

穂乃果はただ従ってとしか言ってないのでことりの疑問はますます増えた。



クロハネ サクヤ様 殺害

理由 裏切られたから


これも想定内なんだろうか?

裏切られたから、という表示に裏があるとしか見られない。


ガブリエル「3ゲーム目が終了いたしました。

このゲームでは

ナカムラ リョウタ様

クロハネ サクヤ様

が、殺害され

シガ ヒトミ様

が、蘇生されました。

残りプレイヤーは7人となりました。」


ことりも…穂乃果ちゃんの為に頑張らなくちゃ。


4ゲーム目が始まる。

共にライアーゲームを無かった事にする為。ほのかと交わした約束を、果たすため。


ことりは4ゲーム目へと足を踏み入れた。







4ゲーム目。

普通にやればこのゲームで人狼ゲームは終了する。しかし、それでは穂乃果達が蘇生される可能性が減ってしまう。残りプレイヤー7名から5名になればゲーム終了。

この2人はかなりの可能性でことりかひとみだろう。希とにこが確実に潰しにきて、あとは勝者としてグルの人を蘇生…


ダメだ。


なんとしても勝って、ライアーゲームを、事務局を潰させなければ。

この思いは穂乃果だけではない。

ことりにも、その思いは伝わった。






ミカエル「準決勝の様子は?」



ガブリエル「まあまあかなー…」



ラファエル「お腹へったー、か…ガブ、なんか買ってきてー」



ガブリエル「えー…今ゲーム中…」



ミカエル「自分で買ってきなさいよ…」



ラファエル「めんどー。」



ガブリエル「あ、そろそろ4ゲーム目開始ですよ」



ラファエル「誰かすごい人いるのー?」



ミカエル「トウジョウ ノゾミ…」



ガブリエル「あ、鋭い。彼女の策はなかなか面白いですよ。とは言っても正直皮算用程度なんですけどねー。」



ミカエル「あと、コウサカ ホノカ…」



ガブリエル「え?コウサカ ホノカ?彼女は同盟を組んでしても負けそうだというのに…」



ミカエル「そろそろ策を打ってくる。私には、わかる。」



ガブリエル「…」



ミカエル「どうかしたの?」



ガブリエル「私達のやってる事は、正しいのでしょうか…?」



ミカエル「人との繋がりを、少女達の底力を、見せて貰いたい。それだけの為の筈よ?」



ガブリエル「本当に?」



ガブリエルはミカエルの胸倉を掴んだ。



ガブリエル「正直、私は嫌です。彼女達にこんな事させるのは…」



ミカエル「彼女達は変わる。その必要があるのよ。変革を起こすために。私はやるのよ。」



事務局側の高みの見物。

どのプレイヤーが勝つか、負けるか。

それを楽しみに見ているその姿は

名前にふさわしくない、天使ではなく

悪魔である。

邪道、残虐、無情。

ライアーゲームを引き起こした事務局側は

一体なんの目的で彼女達をこのゲームに巻き込んだのか。


いずれ分かる事実である。





フクナガ マサト様

人狼によって殺害



淡々とゲームは進み、残りプレイヤー6名。


ことりに対してのプレッシャーは高まる一方であった。


コイズミ アスカ様 村人によって殺害

理由 裏切られたから

コウサカ ホノカ様 村人によって蘇生


同表数だった為、この2人に変動有



穂乃果の作戦は当たった。

たった2票、穂乃果に入れるだけで蘇生できるなんて。

やはりこの人狼ゲームには盲点があったのか。

個人ゲームなんて全くの嘘。

チームで動いてナンボのゲームだった。


残りプレイヤー6名

ゲーム続行



5ゲーム目開始まで10分間の休憩



ここに来て休憩?

この休憩の出る周期が分からない。

事務局側の仕組みだろうか?

それよりも、穂乃果に会いに行かなくては。




ことり「やったね穂乃果ちゃん(●8●)!」


喜びも束の間、大声で叫ぶ誰かが言った。


希「残念やったなぁ、穂乃果ちゃん!あんたらはここで敗退や!」


希「ウチとにこ、えりちはグル!このまま行けば人狼に噛まれておしまいやなぁ!あっははぁ!」


まさか。にこセンパイだけでなく、希センパイも人狼だったのか⁉︎

このままではことりは人狼に噛まれてしまい、私も投票で消される。

だがひとみちゃんも人狼なのだから

そんなことはないはず…


ひとみ「あの…ごめん」




ひとみ「私、本当は人狼なんかじゃ無いの。」


穂乃果「え?」






ひとみ「私の役割は、占い師だったの」











穂乃果「どういう事…?」



ひとみ「もともと私は、トウジョウ側の人だった。人狼だと偽ってチームに入り、確実に勝者になろうとしてた。」



ひとみ「でも、チームのやり方は酷い事しかない考えだったの。

特定のプレイヤーしか潰さないっていう事しか考えて無かった。

そんなの私は嫌だった…だから離脱してことりと同盟を組んだ。そこにヤザワも入ってきた。彼女がトウジョウ側だって事は知らなかった!」



ひとみ「自分一人で何とかしようとしても、自分は占い師。どうしようも無かった。負けたら地獄行きだもの…」




穂乃果「地獄行き?」




ひとみ「準決勝から負けた時の負債はきっちり働いて返すってシステムに変わったらしいんだけど、そこは休むことも許されない。永遠に労働し続けなければならないって噂を聞いたの。

そんなの、絶対イヤ!」



穂乃果「でも、このままじゃ負けちゃう…そうだ!にこセンパイ達の役割は⁉︎」



ひとみ「トウジョウとヤザワは人狼。アヤセは村人。どうしようもない…」


すると、放送が入った。




ガブリエル「時間です。」





負けなのか…

こんな所で、負けてしまうのか…

せめて最後に、誰かと一緒に笑いたい

心の底から笑いたい

笑わせて

地下労働なんてイヤ…










希「…どうゆうことや…?」










画面には、驚きの結果が表示された。




トウジョウ ノゾミ様

人狼によって殺害





穂乃果「⁉︎」



ひとみ「ヤザワ⁉︎」



誰もがにこが希を裏切ったとしか見れなかった。




ことり「…ごめんね、穂乃果ちゃん。」










ことり「私も、人狼だったの」









ガブリエル「プレイヤーが5名となりましたので、ここでゲーム終了です。

生き残ったプレイヤーは

ヤザワ ニコ様

ミナミ コトリ様

コウサカ ホノカ様

シガ ヒトミ様

アヤセ エリ様

となりました。

最後に、殺害人数を上位3名、発表いたします。


ミナミ コトリ様 3名

トウジョウ ノゾミ様 2名

ヤザワ ニコ様 2名となりました。


トウジョウ様はすでにゲームから除外されている為、蘇生権はミナミ様、ヤザワ様にございます。」


にこ「私は、希を蘇生させる。」


数秒も立たない間に、にこは言った。


にこ「あんたら事務局を潰すのは、希と一緒にやるって決めたから。最後まで生き残る。ね、希。」


希「にこっち…」


ガブリエル「さて、ミナミ様はどうしますか?」


ことりは蘇生無しを言おうとした瞬間、誰かが叫んだ。


海未「ことり!私を、私を蘇生してください!」


ことり「海未ちゃん…」


穂乃果「ことりちゃん、ごめん。海未ちゃんは蘇生させないで。」


ことり「どうして⁉︎」


海未「あの時裏切ったのは謝ります。だから、ここで蘇生してください!穂乃果、ことり!」


穂乃果「私達は、このライアーゲームを潰す目的でここに来たの。海未ちゃんと同じだよ。でもね。

海未ちゃんにもう、迷惑かけたくないから。

必ず2人で事務局を潰して来るから。

それまでは海未ちゃん…」


穂乃果「海未ちゃんも言ったよね。

邪魔。って」


海未「あ、あ、ああああ!」


海未は泣き叫んだ。

絶望していた。


ことり「じゃ、じゃあ…蘇生無しで…」


ガブリエル「決勝に進むメンバーが決定いたしました!

ヤザワ ニコ様

トウジョウ ノゾミ様

ミナミ コトリ様

コウサカ ホノカ様

シガ ヒトミ様

アヤセ エリ様


以上の6名で決勝を行います!

後日、連絡を致します。」



海未ちゃんを蘇生せず、準決勝は終わった。

でも、必ず

ライアーゲームを無かったことにして

必ず海未ちゃんを助けだすから待ってて。

待っててほしい。









ゲームを終え会場を出た穂乃果は外で泣き叫んだ。

共に歩んだ親友を…私は、私は。


今日何度も裏切った事に対しての後悔が

大きすぎた。




ことり「穂乃果ちゃん…(●8●)

2人で頑張って、事務局を潰して海未ちゃんを助けだそう!だから泣かないで、穂乃果ちゃん!」


そう言うと、ことりは穂乃果を抱きしめた。



穂乃果「…うん」



たった1人の慰めだったが、

少しだけ、

ほんの少しだけ

心が軽くなった気がした。


散っていった友の為に、何としてもこの

地獄のゲームを生き延びなければ。











ライアーゲーム準決勝が終了して早3日。


学校には海未ちゃんは来なかった。

先生の話によると風邪を引いたらしい。

穂乃果にはその話が嘘だとすぐにわかった。

何故なら3日前、穂乃果は海未を裏切ったのだから。

たった一度の裏切りを、どうしても許せなかった。親友でいたかった。信じたかった。


でも裏切られた。海未は穂乃果に

「邪魔。」


と言ったのだ。

また思い出す。ライアーゲームの恐怖を。

もはや殺し合いに近いだろう。





ことり「穂乃果ちゃん…?」


穂乃果「…!ごめん、考え事してた…」


ことり「今はゆっくり休もうよ…でも、準決勝の穂乃果ちゃんの作戦、一か八かだけど凄かったよ!」




ことりは出来る限りの慰めと賞賛をした。



穂乃果「…そう?ほとんど賭けだったけど、上手くいったのはことりちゃんのお陰だよ。」



ことり「私は言う通りにしてたから良く分からなかったけど…なんとなく穂乃果ちゃんのしたかったこと、わかったよ!」




なんだか少し前を思い出す。



平和に進んでいた時間。

ラブライブに向けての練習。

仲間と、友達と笑いあった瞬間。



今は…この日々を取り戻したいと、ただ願っている。

このライアーゲームで、優勝して。

全てを取り戻す。



笑いあった瞬間を、仲間を。



穂乃果「…ことりちゃん。」



ことり「なあに?」



穂乃果「私、頑張ってライアーゲームで優勝して、皆を取り戻す。

もしかしたら、ことりちゃんを裏切るかもしれない。これは騙し合いのゲームだから。でも…」


穂乃果「その時は…私を、許して…!お願い…」


穂乃果の目には涙が。

ポツポツと膝に落ちる。


それを見たことりは

そっと穂乃果を抱きしめた。


ことり「大丈夫。穂乃果ちゃんが裏切る時は、皆の為だって。わかってるから。

頑張って、決勝戦!」


穂乃果「うう…ことり、ちゃん…」



穂乃果は泣いた。

まだ私には、甘えられる友達がいた。


でも、いつまでも甘えてはいられない。

皆を取り戻す。

ことりの為にも、皆の為にも。




この出来事の数時間後、彼女達が家に帰った頃だ。



ライアーゲーム事務局より、決勝の通知が届いた。







@コウサカ ホノカ様


ライアーゲーム決勝戦進出、おめでとうございます。

いきなりで申し訳ないのですが、決勝戦についてのご説明、及び詳細を確認していただきますよう、お願いします。

@会場 羽田国際空港


@所持品 危険物以外ならなんでも良し。


@ゲーム内容は会場にて。


@今回のゲームはかなりの精神力を使いますので、食事、お手洗い等の設備は全てこちらで配備させていただきます。それでも満足がいかない場合は、各自で何かを持ってくる等してください。


@5日後、午後15時にてゲームを開始します。



穂乃果「ついに来た…」


穂乃果はライアーゲームに向けて色々と準備した。

所持品はなんでもいい。それなら色々と持って行く。

使える物はとことん使おう。

これが最後なのだから。



穂乃果は図書室で借りたゲームの歴史についての本を読んだ。


ページの片隅に、妙な記事があった。


@ライアーゲーム


異国で行われた、人と人との信頼をはかるゲーム。互いにゲームで騙し合い、さらに仲良くなるという絶大の効果があったと研究者が発表したが、

このゲームが賭博に使われて以降、誰もこのゲームの名前そのものを口にしなくなった。




信頼…?


これが、信頼をはかるゲーム?

笑えない冗談だ。

負けたら人生の終わり。


誰だ。こんなゲームを考えたのは。

あなたのせいで今、私は友達を失っているというのに…



しかしライアーゲーム事務局の目的が

敗者から金を巻き上げる事では無く、

本当に人との信頼を得る為だとしたら…



いや、それはないだろう。

それなら人に堂々と借金だなんだを課せられるか?


これは騙し合いのゲームだ。

事務局も何か騙してるかもしれない。

隠してるかもしれない。



全て。





壊してやる。




潰してやる。





友達を取り戻す為に。





やってやる。
















5日後。



羽田国際空港へ来た。

事務局側の人間に連れられ、空港の地下へ案内された。

すでに全員揃っていた。



ミカエル「お待たせいたしました…これよりライアーゲーム決勝戦を開始致します!

先に申し上げますが、もしかしたらこの決勝戦、騙す要素が余り無いかもしれません。本当に命をかけなければならないゲームですから。

それでは決勝戦のゲームを発表致します!


Dチョイスゲーム!」










@合計6丁のハンドガンが準備されています。


@その内5丁に実弾、1丁には虚弾、つまり空砲が仕込まれています。


@誰が、どれを撃つか、それを3日かけて選んでいただきます。


@3日後、各自銃を選択。

それを自らに発砲。

生き残った方がライアーゲーム優勝者です。



希「3日⁉︎そんなにいらへんよ⁉︎」


ミカエル「それはどうでしょう、このゲームにはかなりの精神力が必要となります。

果たして数分で虚弾の入った銃を選択できますか?」


ひとみ「Death Choice…死を選択する…だからDチョイスゲームなのね…」


ミカエル「ちなみに、今回は敗退した際に発生する負債はございませんよ?」


穂乃果「生き残るのは優勝者ただ1人だから…か。」



ミカエル「それでは時間も押しているのでゲームを開始しましょう。」



すると、目の前にあるショーケースに6丁のハンドガンが現れた。ガラスで覆われていて、触れない。


ミカエル「では3日後、またお会いしましょう。」



この部屋には6つの個室がある。

それぞれ扉に各々の名前が刻まれていた。

穂乃果は自分の名前が刻まれている部屋に入った。


穂乃果「…え?」


穂乃果が見た光景は、とんでもない物だった。

そこにあったのは自分の部屋だった。

机の上に放置していたライアーゲームの招待状まで再現されているのか?そこには黒い封筒がある。


穂乃果「ここで最後の時を過ごせってこと…?」


いや、少し違う。

部屋の角に黒い箱があった。


穂乃果「なんだろう…⁉︎」


中にはぎっしりと一万円札、それも束で。

ザッと2億…?はあるかもしれない。


穂乃果「…これ、何かに使えないかな…?」


コンコン。

ノック音が響く。


ことり「…穂乃果ちゃん?いる?」


ことりが扉を開けた。


すると突然、ことりは抱きついてきた。


ことり「ううっ…嫌だよぉ…死にたく…ないよ…!」


ことりの目には涙が浮かぶ。

ボロボロと、ことりは泣いている。


穂乃果「大丈夫。…大丈夫だから。」


穂乃果もそっと、ことりを抱きしめた。

そこには小さな温もりが感じられた。

もしかしたら、これも最後なのかもしれない。

嫌だ。

ことりちゃんをそんな目に合わせられない。

何とかして銃を見極めなければ…

その方法を見つけなければ。



にこ「穂乃果…?いる?」



ほのか「にこセンパイ…。」


部屋ににこが入ってきた。


にこ「あなた、部屋の黒い箱に何が入っていたの?」


穂乃果「え?」


にこ「にこは金属探知機が入っていたわ。穂乃果は何が入っていたのよ?」


穂乃果「…お金が入っていました。」


にこ「ふーん…てゆうか金属探知機なんてどこで使うのかしら?不思議ね。」


穂乃果「…にこセンパイ。」


にこ「何よ?」


穂乃果「ここに、2億あります。ことりちゃんを勝たせるために協力してもらえませんか?」


にこ「あなた、死ぬ気なの?」


穂乃果「親友が死ぬよりよほどマシです。でも…自分1人では何も出来ない。だからにこセンパイに協力してほしい。」


にこ「そのお金でどうしろっていうのよ」





穂乃果「ライアーゲームを…リタイアしてください。」



にこ「あんたねぇ…それをことりに使えばいいじゃない。」


穂乃果「ことりちゃんには…ライアーゲームを止めて欲しい。その意思を伝えたい。私の命をもってして!」



にこ「私はリタイアなんてしないわ。」


にこ「希と協力してライアーゲームをとめるんだもの。あなたらこそ、リタイアすればいいじゃない?」


穂乃果「目的が私達と同じなら、一緒に…」


にこ「私か希が勝った後、ライアーゲームを壊滅させて警察に通報する。…負けていった人達への、せめてもの弔いよ。」


にこ「あなた達はライアーゲームをなかった事にするんでしょ?そしたら今まで稼いだ金が台無しじゃない。

それじゃダメなのよ。」


穂乃果「にこセンパイ…見損ないました。お金の為だなんて、そんなこと言うなんて…」









そんな議論を続けていたら、1日目が終わってしまった。

事務局からの放送で、12時には電気が消えるという。

ここには風呂もトイレも食べ物も、すべて準備されていた。


そうまでして事務局は何がしたいんだろう。


穂乃果は温かい毛布の中で考えながら、ぐっすりと眠った。










2日目。



穂乃果はショーケースの中に入った銃をみて、色々と考えていた。

もしこの中に1つだけ、空砲が入ったエアーガンだとしたら。

にこセンパイの持っている金属探知機でどれが当たりか判断出来るかもしれない。


穂乃果「にこセンパイ!金属探知機、貸してもらえませんか!」


にこ「別にいいけど…」


穂乃果は金属探知機を持ってショーケースに近づいた。


1つ目。

金属探知機からは音が鳴った。



2つ目。

金属探知機からは音が鳴った。



3つ目。

金属探知機からは音が鳴った。



4つ目。



金属探知機は反応しなかった。

もしかしたら…これが。

これが生き残れる銃なのかもしれない。


さっそくこれをことりに知らせた。


ことり「穂乃果ちゃんすごい!すごいよ!」


穂乃果「でも、にこセンパイ達も気づいてるかもしれない。どうすれば…」


ことり「…あ!ケースを並べ替えちゃうのはどう⁉︎」


穂乃果「金属探知機を使われたら終わりだけど、少しなら誤魔化せるかも。やってみよう!」


穂乃果達はショーケースの所へ行き、移動させようとした。






ショーケースはぴったり固定されていて動かなかった。


ことり「そんな…!」



時間は止まってくれない。


神様はイジワルだ。


どうしろっていうんだ。



また、無駄な時間を過ごしてしまった。


貴重な1日を、無駄にしてしまった。



どうしてだろう。


こういう時、普通なら。


楽しい時間は早く過ぎてしまうのに、


辛いことは遅く終わる感じがする。




何故こんなに辛いのに。


早く時間が過ぎてしまう?


止まれ。


止まれ止まれ。


時間よ止まれ。





止まらない。



過ぎていく。






それが神様の作った

時間軸。















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2016-11-08 22:17:38

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2015-11-21 23:02:37

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2015-01-16 12:36:11

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2015-01-16 12:32:31

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1: SS好きの名無しさん 2015-11-21 23:03:03 ID: eLAx2YrC

自演乙


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1: SS好きの名無しさん 2016-11-08 22:03:23 ID: iGRFXwlu

ラブライブキャラとラブライブサンシャインのキャラがライアーゲームに出る小説を書いて。たまには福永と秋山もライアーゲームに参戦して欲しい


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