2017-02-22 23:20:15 更新

概要

第8話「貴女と」


前書き

お待たせして申し訳ございません。
重大なお知らせがございます。











〜捜査官突入前、西木野 廉藏 研究所付近〜




真姫「…パパ」


真姫「奴らより先にパパを捕まえないと」




真姫の目的は自らの父である西木野 廉藏の身柄を確保する、というものになっていた。


そうすればこれらの事件の解決の糸口がつかめると踏んだからだ。


研究所付近を見渡し、侵入方法と逃走経路を考えていた。

そうすれば大抵のことは何とかなる、真姫はそう考えていた。




真姫「…!」


真姫「捜査官…!」



研究所前に石川率いる捜査チームが集合していた。


先陣を切り、橘が侵入して行くのが確認できた。


正面玄関が破られ、少数だが十分な戦力と見える捜査チームが研究所に入って行く。



真姫「…何とか隠れて侵入できるかしら」



物陰に身を隠しながら橘がこじ開けた入り口から研究所に侵入する。


鼻を効かせると、わすがにヒトの匂いがあった。


真姫「あれとは別ルートを選ばないと」



真姫は2つあるルートを選ばず、壁を探るように叩くと空洞音のような音がした。


真姫「…ここね」



真姫「ふんっ」


狙いを定めると赫子を放出し、壁を切り壊した。


ボロボロと崩れた外壁の中に、大きな通路が見えた。


真姫「…まさか、パパ…」



真姫はその道へと進んだ。


中は工場のように大型の機械が絶えず動き続け、鈍いリズムを刻んでいた。


真姫「…工場?」


真姫「ここは研究所じゃ…?」



「うえあ」


真姫「!?!!?」



真姫の足元に謎の気配があった。


低い声とともに真姫の足を掴んできた。


真姫「ッ!!」


真姫はそれを振り払い、距離をとって確認した。



真姫「…ヒト?いやそれにしても」


真姫「…なんだろう、この感じ」



もぞもぞと動くヒトのようなものは背中から赫子と思われるものを放出した。


「アアアア…」


「ジニダグ…アイ…」



赫子と思われる”それ”は真姫に向けてではなく、そのヒトのようなものを捕食し始めた。



真姫「…赫子が、ヒトを…?」


真姫「これは…」




「よくこの通路がわかったね」



真姫「!!!」



聞き覚えのある声が響いた。




真姫「…その声、ことり?」



大きなクチバシを模したマスクを外すと、馴染み深い顔が現れた。



ことり「…久しぶり」


真姫「…その様子だと、凛と同じ…」




ことり「”誰かさん”のせいで生死をさまよったんだから。仕方ないよ」


ことり「まあ…ここに来たって事は先生目的だね?」



真姫はことりの台詞が言い終わる前に赫子を展開し、ことりの喉元へと構えた。



真姫「御託はいいわ」


真姫「パパを…西木野 廉藏を出しなさい」




ことり「…ふふ」


ことり「あははは」







真姫「…?」




ことりは腹を抱え、プルプルと笑い始めた。



ことり「あははは、はーっははははははッッ!!」


ことり「あはっ、その顔、その顔面白すぎ…ププッ」


ことり「もぉー相変わらずお父さん大好きだねぇ〜」




真姫「…さっさとパパの居場所を」



ことり「あんな人どーでもいいもん」


真姫「…!?」



ことり「馬鹿な正義を振りかざした連中が来たら、ついでに逃げ出そうとしてたし…」



ことり「”この身体”も、案外わるくないんだよねぇ」




真姫「…あなた、本当にことり…?」



ことり「ん〜〜?」



ことり「どうだろーねぇ〜んふふふ」



ことりは手元から別のマスクを取り出し、装備した。

先ほどのマスクとは違い、ピエロを彷彿としている。



ことり「”ピエロ”にはよくわからないや、ははっ」



ことりが捨て台詞を吐き、指を鳴らすと大型機械の中に紛れて設置されていたカプセルのようなものが壁から現れ、次々と解放されて行く。


カプセルの中からは、真姫がさっき会った、ヒトだかグールだかわからないものが現れた。



真姫「!?…さっきの」



ことり「これは先生の”失敗作”」


ことり「人間にグールの赫胞を移植した”紛い物”たち」




ことり「ゾンビみたいに長生きするから注意してね」


ことり「バァイ」




ゾロゾロと失敗作と呼ばれたものが真姫の元へと近づいてくる。

真姫は臨戦態勢をとった。



真姫「最悪…っ!!」




「アア」


「ゲぁ」



「ぎぃぃ」



真姫は赫子で次々と失敗作を斬り倒していく。

しかし、彼らはグールのように切り口を修復しゾンビのように何度も襲いかかってくる。



真姫「こンの…!!!」


真姫は失敗作を赫子で貫き、滴る血を舐め回す。


真姫「こんなんじゃ、体力がもたない…」


真姫「ち、くしょおッッ!!」



気づけば真姫は失敗作を”倒す”と言うよりは”喰う”ような戦い方をしていた。


失敗作は徐々に再生力を失いつつあった。





真姫「不味い」


真姫「不味い」



不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味いっ



不味くて不味くて、気色悪いっ




死ね、死ね、みんな死ね…


俺(わたし)の…





真姫「邪魔をするなぁぁぁぁぁアアアアッッ!!!!!!」




真姫はさらに多くの赫子を解放し、失敗作を一掃した。



ベチャ、ベチャと失敗作が壁に当たる音がした。




真姫「はーっ、はーっ…」


真姫「先を、急がないと…」




「真姫…ちゃん?」




真姫「!」



真姫「今度は凛…?」



ようやく戦いを終えた直後、真姫の前に凛が現れた。



凛「今度は、って」


凛「他の誰かと会った後みたいな言い方だね」




真姫「そうね」


真姫「あなたたちの言う”失敗作”と…ことりに会ったわ」



凛「…ことりちゃん?」


凛「いや、まさか…」



真姫「…?」





凛「…真姫ちゃん、どうしてここへ?」




真姫「もういちいち話すのも面倒だわ」


真姫「西木野 廉藏はどこ?答えなさい」



凛「…それは言えないにゃ」



真姫「あなたも…あの外道の味方をするのね」




凛「…仕方ないじゃん」



真姫「仕方ない…?」



凛は尻尾のような赫子で真姫を吹き飛ばした。


真姫「ーーーーーッッ」



壁が破壊され、想定していなかった通路へと出されてしまった。



真姫「(しまった、これじゃ捜査官たちと…)」




凛は赫子を構え、真姫へとまっすぐに突っ込んだ。



凛「かよちんや絵里ちゃんを、何よりμ’sのみんなを救いたくて、凛はッッ!!」



真姫も負けじと赫子を使い、凛と応戦する。



真姫「もっと違うやり方があったでしょ…?なのにあんたはっっ!!!」




こうして2人は周りを一切気に留めず、ミライ達が来るまで戦い続けていた。




〜現在に至る〜




穂乃果「…なんで止めたんだっけ」



凛「…穂乃果ちゃん」



真姫「穂乃果…」





ミライ「下がれ高坂ッ!!」


ミライ「ミライ班、戦闘態勢!」



穂乃果「み、ミライさん!」




ミライ「園田、Bの15で待機!矢澤は後方で援射用意!!」



海未、にこ「りょ、了解!!」




真姫「ほんっと、最悪…!!」


真姫「こんなところで、負けられないのにっ!!」



真姫の赫子の質が、変わったような感じがした。


真姫の中の”制御出来ない力”が目覚めたような気がした。



真姫「どいつも、こいつもっ!!」



凛「ちょ、真姫ちゃん!」


凛「このままじゃ2人ともやられちゃう、だから1度…」




真姫「うるさあアアアアアアアアいッッ!!!!!」



ミライ「!!」


ミライ「伏せろォォっ!!」



真姫は禍々しい赫子を大量に展開し、広範囲に振り回した。



ミライを除く捜査官たちと、凛はこれに対応できず、吹き飛ばされてしまった。




穂乃果「うぐっ!」


海未「っ!!」



にこ「きゃあっ!!」



全員が壁に打ち付けられ、気を失った。


凛は何とか持ちこたえ、その場から退却した。




ミライ「チッ」


ミライ「よくも大切な部下を」




真姫「…」



ミライ「それがお前の…本来の姿なのか?」



真姫は赫子で身体を覆い、今までの赫子とは違う、百足のような赫子を展開した。



真姫「わからない…けど」


真姫「わたしのじゃまをするやつは…」



ミライ「(これが…”赤髪” 西木野 真姫なのか…?)」





真姫「摘まなきゃ」








〜その頃、石川班〜




石川「なんだ、こいつら…」



仁美「まるでゾンビだな、次から次へと」





悟郎「最後まで気を抜けませんね…」



悟郎「機動隊の皆さんも、油断せず」


悟郎「にぁ」



悟郎の首が、突然もぎ取られた。

赤い液体のシャワーの中から、見覚えのある顔が現れた。



石川「!?」


石川「悟郎っ!!」



仁美「…こいつは…」


機動隊「「ぐ、グリズリー…?」」






”グリズリー”と呼ばれた彼女は、返事をするように答えた。




花陽「米(ジャム)ちょおだい」


もぎ取った悟郎の首の付け根あたりをベロベロと舐め回した。






後書き

私、るしふぇるは今回の作品でss投稿を最後にしようと思います。
いつも楽しみにしてくれた皆様、読んでくれた皆様、大変申し訳ございません。様々な意見があると思いますが、やはり読者を長い間待たせてしまうのはいけないと思い、今回の決断に至りました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。さらに、ツイッターの方も停止させていただきます。
応援してくれた皆様、本当に、本当にありがとうございました。結局作品も完結させることもできず、人として調子に乗ってしまい、本当に申し訳ございませんでした。
それでは。


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2017-07-29 12:15:34

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