真姫「自転車に乗るわよ!」
西木野邸 ガレージ
真姫「ふふふっ、ついに買ったわ」
真姫「真姫ちゃんにふさわしいトレンディな自転車…」
真姫「自転車なんて呼ぶのが俗なくらいね。これはまさにbikeだわ」
真姫「音ノ木坂一優雅な真姫ちゃんには、ブランドもののbikeがよく似合うわね」
真姫「さてと、前置きはこれくらいにして…」
真姫「早速乗ってみましょう…」
――
真姫「…」ドキドキ
真姫「だ、大丈夫よ。落ち着きなさい、西木野真姫」
真姫「たかがじてん…いえ、bikeに乗るだけよ?」
真姫「bikeなんて小学生でも乗れるじゃない」
真姫「大丈夫、大丈夫。真姫ちゃんにできないことなんて…」ユラァ
ドテン
――
真姫「っ痛たたた!」
真姫「くっ…腰を強く打ち付けたわ…」ズキズキ
真姫「…」ハァハァ
真姫「も、問題ないわ。まだ始めたばかりだもの。最初は慣れなくて当然よ」
真姫「あせらずじっくりやれば、必ずうまくいくわ」
真姫「と、とりあえず今日はこのくらいにしておきましょう」
――
翌日 学校 1年生教室
真姫「(はぁ…せっかくbikeを買ったっていうのに、通学にはしばらくお預けね)」
真姫「(早くあのbikeで颯爽と朝の街並みを横切りたいものだわ)」ウットリ
凛「真姫ちゃん。ねぇ、聞いてる?」
真姫「へっ?な、何かしら」
凛「真姫ちゃん、さっきから上の空だにゃー」
真姫「ご、ごめんなさい。ちょっと考え事をしてて」
――
昼休み 音楽室
真姫「早く帰ってbikeに乗る練習がしたいわ」ウズウズ
真姫「それにしても…この真姫ちゃんがいまだにbikeに乗れないなんて、みんなにバレたら一大事だわ//」
真姫「きっと、寄ってたかってバカにするに決まってるんだから…」
真姫「…」モウソウチュウ
凛『えー!?真姫ちゃん、高校生にもなってまーだ自転車に乗れないのかにゃー!?』
希『スピリチュアルやね』
穂乃果『本当にそんな人いたんだ!都市伝説かと思ってたよ!』
海未『こら、穂乃果。失礼ですよ。誰にでも得手不得手はあるものです』プクク
絵里『海未、笑いながら言っても説得力ないわよ』
にこ『真姫ちゃん、普段はすかしてるのに、自転車にも乗れなかったにこー?笑っちゃうにこー』
真姫「あぁあぁああぁぁ!」ガタッ
――
真姫「い、いけない。つい取り乱したわ」ハァハァ
真姫「それにしても…絶対バカにされないようにしなきゃ。練習はトップシークレットね」
真姫「きっと乗りこなしてみせるわ。だって私は他でもない、西木野真姫なんだから!」
花陽「(真姫ちゃん、いきなり叫んで…。何があったんだろう?)」ビクビク
――
放課後 部室
海未「今日の練習はこのくらいにしておきましょう」
穂乃果「あーお腹空いたー。どこかに寄っていこうよ~」グダー
海未「穂乃果。寄り道もいいですが、今日のパートの発声練習をちゃんと復習しておくのですよ?」
穂乃果「大丈夫、大丈夫!そうだ、商店街に新しいカフェができたんだった。生クリームたっぷりのパフェ食べに行こうよ~」
ことり「ことりが一緒に行くよ!」
穂乃果「ありがとう!ことりちゃん大好き!」
ことり「ポイントゲットちゅん」グッ
海未「はぁ…復習は期待できそうもないですね」
穂乃果「みんなも一緒に行こうよ!」
――
真姫「(やっと練習が終わったわ。早く帰ってbikeの練習をしないと)」
穂乃果「え~と、絵里ちゃんと希ちゃんと凛ちゃんは来るんだね。真姫ちゃんは来る?」
真姫「(うふふ。いずれは黄昏色に染まる夕陽をバックに、真姫ちゃんのbikeが駆けていくのよ)」ウットリ
穂乃果「真姫ちゃん?」
にこ「ちょっと、真姫ちゃん。ちゃんと聞いてるの?」ポン
真姫「ひゃっ!?ど、どうしたの?」ビクッ
にこ「その様子だと、完全に聞いてなかったわね…」
穂乃果「真姫ちゃんも一緒に絶品生クリームパフェ食べに行かない?」
真姫「えっと、ごめんなさい。今日は用事があるから…」
穂乃果「そっかぁ。それじゃ、ことりちゃんたちは門のところで集合ね!」
真姫「それじゃ、みんな。私、急ぐから」
にこ「(怪しいわね…)」
――
西木野邸 ガレージ
真姫「よしっ、夕食まで少し時間があるわね」
真姫「この調子なら、部活の後にも練習時間が確保できそうだわ」
真姫「今日はなんだかうまく乗れそうな気がするわ」ヒョイ
ドテン
真姫「あうっ」
――
真姫「や、やっぱり一朝一夕にはいかないわね…」
真姫「というか、本当に乗れるようになるのかしら」
真姫「もう一回チャレンジよ」ヨット
真姫「あわ、あわわ!」グラグラ
ドタン
真姫「もういやっ!」
――
真姫「なんというか、もう正攻法じゃうまくいきそうにないわね」
真姫「ここまできて諦めるわけにはいかないわ…」
真姫「bikeで転ばずに練習するには、もうアレしかないわね」ゴクリ
真姫「補助輪…」
真姫「だめ、やっぱり恥ずかしい!//」
――
翌日 昼休み 1年生教室
真姫「(とは言ったものの、補助輪なしじゃロクに練習もできないわ)」
真姫「(このまま諦める方がよっぽど恥よね。やっぱり補助輪も買わなきゃ)」
真姫「(まぁ、直接買うのはいくらなんでも恥ずかしすぎるから)」
真姫「(ネットで手頃なの売ってないかしら)」ポチポチ
――
放課後 部室
穂乃果「海未ちゃん、疲れたよ!休憩いれようよ~」
海未「今ですか?せっかく第2パートまできたのですよ。もう少し辛抱してください」
穂乃果「いやだー!もう疲れたのー!」ジタバタ
海未「はぁ…仕方ないですね」
穂乃果「やったー!海未ちゃん大好き!」ダキッ
海未「まったく…練習はちゃんとやらなきゃだめですよ?」グヘヘ
ことり「い、今に見てるちゅん…」ギリッ
――
凛「ちょうどよかったにゃー。凛もへとへとだよ」
花陽「はい、凛ちゃん。これで水分補給しておいてね」
真姫「(休憩が長引くとbikeの練習時間が減るわね…)」
真姫「(あっ、誰でもできる自転車の乗り方講座?こんなのもあるのね)」カチカチ
真姫「(私でもできるかしら…。動画もあるのね)」
にこ「…」
――
翌日 西木野邸 ガレージ
真姫「今日は練習も休みだし、思いっきりbikeの練習ができるわ」
真姫「ネットで注文しておいた補助輪も届いたことだし、早速付けてみましょう」カチャ
真姫「う~ん、やっぱり見栄えはよくないわね…」
真姫「まぁ、安全に練習できるなら仕方ないわね」ヒョイ
真姫「す、すごい!安定してちっとも揺れないわ!」
真姫「これでペダルを漕げば…」ソロソロ
真姫「やったわ!動いてる!私、いまbikeに乗れてるわ!」キコキコ
――
真姫「はぁ~。なんて素晴らしいの、この感覚」ウットリ
真姫「倒れる心配のないbikeがこんなにも心地よいものだなんて」キコキコ
真姫「やれる、やれるわよ!これならいずれ補助輪なしでも乗れそうね!」
真姫「徹底的に練習しておきましょう」キコキコ
――
数日後 放課後 部室
真姫「お待たせ。さ、今日も練習がんばりましょう」ウキウキ
凛「なんだか最近、真姫ちゃん機嫌がいいにゃー」
花陽「何かいいことでもあったの?」
真姫「うふふ、たいしたことじゃないのよ」
――
海未「穂乃果、振り付けが間違ってますよ」
穂乃果「え、本当?」
海未「ちゃんと復習するよう、あれほど言ったではないですか」
穂乃果「だって、複雑なんだもん!すぐには覚えられないよ~」
海未「真姫を見習ってください。ステップ、振り付けと完璧ですよ」
穂乃果「は~い…」
絵里「それにしても、真姫はいつも以上に輝いてるわね」
海未「えぇ。発声に表現力、どれをとっても生き生きとしています」
真姫「そうかしら」フフッ
希「真姫ちゃんにはアイドルのセンスがあるんやろなぁ」
ことり「羨ましいよ~」
――
真姫「(ふふふ、まるで私の人生すべてが輝いてるようだわ)」
真姫「(それもこれも、bikeを乗りこなせてるという歓びよ)」
真姫「(まだ補助輪は付けてるけど…)」
真姫「(きっともう補助輪なしでも乗れるはずよ。えぇ、きっとそうよ!)」
真姫「(真姫ちゃんに不可能はないわ。ここでまた一つ、夢を現実に変えるのよ)」
――
海未「それでは今日はここまでにしましょう」
穂乃果「は~やれやれ。スクールアイドルも楽じゃないよ」
絵里「穂乃果、まるで仕事に疲れたサラリーマンよ」クスッ
穂乃果「こう毎日ハードな練習だと、憩いが必要だよ。ことりちゃん、何かない?」
ことり「そうだねぇ…。あっ、そういえば駅前にできた喫茶店、リラックスできるって評判だよ」
希「あぁ、この間バラエティで紹介されてたあれやろ?。確かアロマが香るアンティークな雰囲気が売りの」
ことり「そうそう。お店オリジナルブレンドのハーブティーがすごい人気なんだよ」
穂乃果「それいい!明日休みだし、みんなで行こうよ!」
――
絵里「私も前から行ってみたいと思ってたのよね」
凛「かよちん、ハーブティーって苦くないの?」
花陽「種類にもよるけど、飲みやすいのもあるよ」
凛「それなら凛も行ってみようかなぁ」
にこ「まぁ、アイドルたるもの気持ちの切り替えは大事よね。私もちょっと興味あるかも」
穂乃果「真姫ちゃんはどう?」
真姫「えぇ、特に予定もないから一緒に行くわ(bikeの練習は午前中にしておけば大丈夫よね)」
穂乃果「よーし、これで全員だね!」
――
翌日 西木野邸 ガレージ
真姫「穂乃果のメールだと、12時にお店に集合だったわね」
真姫「…せっかくだし、bikeで行ってみようかしら?」
真姫「補助輪を付けてくわけにはいかないけど…」
真姫「でも、これだけ練習してきたんだもの。家の周りでも走ってみたし」
真姫「いつも通りにやれば、きっと補助輪なしでも乗れるわ」
真姫「決めた!今日が真姫ちゃんの公道bikeデビューよ!」
――
真姫「颯爽とbikeで到着する私…」モウソウチュウ
穂乃果『わ!真姫ちゃん、どうしたのそのbike!?』
凛『かっこいいにゃー!』
花陽『こ、これはbikeマニアが泣いて喜ぶクラシックブランドですよ!これだけの一級品を乗りこなせるなんて…』ゴクリ
絵里『ハラショー』
にこ『真姫ちゃん、かっこいいにこ!結婚してほしいにこ!』
真姫「うふふふふ…」ウットリ
――
真姫「さてと、そろそろ出かけましょうか」
真姫「記念すべき真姫ちゃんのfirst rideよ…」ゴクリ
真姫「う、動いてる!やった、乗れてるわ!」
真姫「ヒャッホゥ!」キコキコ
――
真姫「あぁ~、いま私は風になっているんだわ」
真姫「気持ちいい…補助輪なしのbikeがこんなにも気持ちいいなんて…」
真姫「カーブも…練習どおりにやれば」クイッ
真姫「やったわ!できたァ!」スイー
――
真姫「そろそろ着きそうね」
真姫「待ってなさいよ。いまに真姫ちゃんが最高にcoolな到着をするんだから」
真姫「うふふ、早くみんなにこの雄姿を見せつけたいわ…」ウットリ
真姫「それもこれも、今までの努力の賜物ね」
真姫「やっぱり真姫ちゃんがナンバーワンよ!」
真姫「とと…前はちゃんと見ないとね」
真姫「へ?や、やだ!ぶつかるゥ!?」
キキーッ バァン
――
真姫「ひぎぃっ…。い、痛い…」ズキズキ
真姫「ま、まさか電柱にぶつかるなんて…油断したわ」
真姫「うっ…。おまけに歩道脇のコンクリートブロックで勢いよく擦り剥いてる…」
真姫「お気に入りの服もボロボロ…もう嫌…」グスッ
真姫「し、しかも集合時間ギリギリだわ。急がないと…」
――
真姫「待った。このままbikeを引きずって行くわけ?」
真姫「そんなの…どう見てもbikeで転んだのが丸わかりじゃない!」
真姫「そ、そんなこと恥ずかしくてとてもできないわ…//」
真姫「仕方ないわね…bikeはそのへんの駐輪場に停めておきましょう…」ヨロヨロ
――
喫茶店前
穂乃果「後はもう真姫ちゃんだけだよね。どうしたんだろー?」
絵里「真姫が遅れるなんて珍しいわね」
海未「何かあったのでしょうか?携帯には何も連絡はありませんが…」
花陽「あ、あれ真姫ちゃんじゃない?」
真姫「…ま、待たせたわね」ボロッ
にこ「ちょっと、どうしたのよ!?」
――
真姫「な、なんでもないわ」
にこ「そんなわけないでしょ、ボロボロじゃない!」
海未「真姫、いったい何があったのです?」
凛「ひどい怪我…」
花陽「だ、大丈夫なの?」
――
真姫「(ま、まずいわね。まさかみんなこんなに心配してくるなんて…)」
真姫「(でも、bikeで転んだなんて口が裂けても言えないわ)」
真姫「大丈夫よ。待たせて悪かったわ」
絵里「良くないわ。血が出てるわよ」
希「けっこうひどいなぁ…」
ことり「早めに手当てしないと大変だよ…」
――
真姫「(私…いったい何をしてるのかしら…)」
真姫「(見栄を張って補助輪なしぶっつけ本番でbikeに乗るなんて)」
真姫「(その挙句に転んで大怪我)」
真姫「(本当、情けないわ…)」
真姫「うぅ…」グスッ
穂乃果「真姫ちゃん?」
――
真姫「(補助輪付きで練習した日々…懐かしいわね)」
真姫「(あの時は…きっと補助輪なしでも乗れるって…そう思えたのに)」
真姫「(やっぱり、現実は残酷ね)」
真姫「(高校生にもなってbikeにも乗れないなんて…)」
真姫「(この先、みんなの笑いものよ…)」ヒクッ
真姫「ご、ごめん…私、今日は気分が良くないから帰るわ!」ダッ
にこ「ま、真姫ちゃん!」
――
希「待った!にこっち、今は真姫ちゃんをそっとしておいてあげた方がええよ」
にこ「ど、どうしてよ。あんな状態で一人にしていいわけ!?」
希「そらそうやけど…そうなると成り行き上、理由を聞くことになるで?」
ことり「私も…止めておいた方がいいと思う。真姫ちゃんを傷つけるだけだよ」
絵里「どう考えても、あんな怪我するはずないわ。脚からも血が出てたし…」
にこ「…まさか。嘘でしょ、そんなわけ…!」
――
海未「認めたくないのは私たちも同じです。しかし、真姫のあの様子は…」
穂乃果「洋服もボロボロだったし…誰かに乱暴されたんだね」
にこ「そんな…そんなはずないわ!いくらなんでも、こんな真昼間に…」
絵里「加害者は何も見知らぬ人間だけじゃないわ。恋人にされることだってあるのよ」
にこ「で、でも真姫ちゃんにそんな相手…」
凛「そういえば、真姫ちゃん最近スマートフォンを使ってることが多かったよ」
希「きっと連絡を取り合ってたんやな」
ことり「練習が終わったら、すぐに帰ってたもんね」
花陽「真姫ちゃん、あんなに幸せそうだったのに…」
――
穂乃果「…許せないよ。真姫ちゃんの想いを裏切って、こんなことをするなんて…」
にこ「どうしたらいいのよ、私たち…」
希「今は時間が必要やね。あれこれ聞き出すと真姫ちゃんが傷つくだけや」
海未「そうですね。ただ、いつまでも真姫を一人にしておくのも気がかりです」
絵里「にこ、あなたの方から真姫へそれとなくメールを送ってもらえないかしら?」
にこ「私が…?」
絵里「真姫がμ’sのメンバーで誰よりも信頼してるのがあなただからよ」
ことり「私もにこちゃんから連絡してあげた方がいいと思うな」
――
にこ「わかった。私だって心配でしょうがないし…。いつ連絡すればいい?」
穂乃果「真姫ちゃん、歩いて帰ったはずだから…30分もあれば着いてるはずだよ」
花陽「すぐにはメールを見る余裕もないと思います。もう少し後で、気持ちが落ち着いたころがいいのでは?」
絵里「そうね。15時ころならどうかしら?」
にこ「わかったわ。私も冷静になりたいし…今日は帰って文面を考えるわ」
海未「にこ、よろしく頼みましたよ」
――
西木野邸 真姫の部屋
真姫「今日は最悪な一日だったわ…」
真姫「見栄を張って無理したのが間違いのモトよね」
真姫「とんだ公道デビューだったわ」
真姫「あ~、湿布貼ったけど腰が痛いわ…」ズキズキ
真姫「スカートも破けちゃうし…これ、気に入ってたのよ」
――
真姫「それにみんなの反応…絶対bikeで転んだってバレたわ」
真姫「思わず恥ずかしくて逃げちゃったわよ」
真姫「なんて顔向けしたらいいのかしら…」ハァ
真姫「あら、メール?誰かしら…」
from にこちゃん
title 落ち着いた?
本文 さっきは、その、力になってあげられなくてごめん。みんな同じ気持ちだったから。真姫ちゃんのこと、余計に傷つけちゃうんじゃないかって…。私でよかったら、返信お願い。真姫ちゃんの力になりたいの。
真姫「にこちゃん?ずいぶんとかしこまった文面ね」
真姫「こんなに仰々しいと、かえって恥ずかしいじゃない//」
真姫「まぁ、何も言わずに逃げた私が悪いわけだし…返信しておこう」カチカチ
――
にこ「きたっ!真姫ちゃんからだ!」
from 真姫ちゃん
re:落ち着いた?
本文 さっきはごめんなさい。せっかくの休日にみんなで楽しく集まれるはずだったのに…。にこちゃん、心配してくれてありがとう。
にこ「返信はきたけど…本当に大丈夫なのかしら?」
にこ「どうしよう…電話してもいいのかな」
にこ「ううん、迷ってるヒマなんかないわ!真姫ちゃんがつらい時に私が支えてあげなくてどうするのよ!」
――
真姫「あら、今度は電話だわ」
真姫「もしもし、にこちゃん?」
にこ『ま、真姫ちゃん!いま…大丈夫なの?』
真姫「え、えぇ。大丈夫だけど?一応、傷の手当もしておいたし」
にこ『あ、あの…こんなのことになって、本当、何て言えばいいのかわからないけど…』
真姫「(確かに、コメントしづらいわよね)」
――
にこ『私は…真姫ちゃんがつらい時こそ力になりたいの!』
真姫「そ、そう?ありがとう」
にこ『真姫ちゃんは一人じゃないから!μ’sの仲間がいて、私もいる!』
真姫「そ、そうね(何?何かにこちゃん熱くない?)」
にこ『私たち…ずっと待ってる!真姫ちゃんが戻ってくるまで、ずっと待ってるから!』
真姫「そんな大げさな…怪我はそこまでひどくなかったから、練習に影響はないわよ?」
にこ『でも…真姫ちゃんの心、あれだけ傷ついたのに…』
真姫「(確かに相当へこんだけれどね)」
――
真姫「もう、にこちゃん。そんなに心配しなくていいわよ。しばらく公道bikeはお預けにするから」
にこ『え?bike?』
真姫「あぁ、ごめんなさい。自転車のことよ。私もバカだったわ。補助輪なしでも大丈夫だって慢心したのよ」
にこ『え?ちょっと、話が読めないんだけど…』
真姫「もうっ、にこちゃんわかっててからかってるでしょ?自転車よ。無理して自転車に乗って転んで怪我したのよ!これで満足?」
にこ『は?ハァ!?ナニソレ、イミワカンナイ!』
この後、にこちゃん始めμ’sの仲間たちは自分たちの早とちりに気付きました。真姫ちゃんはというと、新たな公道デビューに向けて、みんなにbikeの練習を手伝ってもらうことになったそうです。
おわり
うっふん
あっはん
こういうSSを書けるようになりたい…面白かったです
まきちゃん
かわいい
かきくけこ
まきちゃんさいこう! かわいすぎ!