『東方幸紡記』[第一章: 第一話"魔女"]
外の世界でサラリーマンとして働いていた普通の男性が幻想入り
彼が幻想郷で紡ぐ幸せとは
このssは、東方Projectの二次創作です。
また、筆者はこの作品が処女作となります。
至らぬ点も多いとは存じ上げますが、以下の点にご容赦いただける方は、ぜひ観覧していっていただければと思います。
【注意点】
・筆者はにわか東方ファンかもしれません。原作設定を無視してしまっている可能性があります。
・展開がベッタベタです。(鈍感主人公・どこかで見た展開)そうならないように注意してもそうなってしまう不思議
・直接的な性描写はありませんが、ちょっと匂わせるような展開があったりするかもしれません。一応R-15くらいです。
・一応長編にするつもりで書いてます。現在18話ぐらいまでは書き溜めているので、続きが読みたい!という奇特な方がいらっしゃれば、評価なりコメントなりをしていただけると筆者は大変喜ぶと思います。
以上の点について、何卒ご了承の上、観覧いただければと思います。
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数十分前、アリスに森で見つけられた後のことである。アリスいわく魔法の森を、アリスの自宅に向かって歩く歩く歩く…
歩く、歩く…ある…
「なぁ、結構遠いんだな」
すでに一時間以上歩いている気がするぞ。
「そうかしら」
だというのにアリスの顔は変わらず涼しげである、おのれインドアっぽい見た目のくせしおって。
「主人が運動不足なだけだと思うけど?」
吉に追い打ちをかけられた。
「そら猫はこんぐらいじゃ疲れんだろうけどさ…」
「外来人てやっぱり体力無いのねぇ」
うん、俺だって平均的な体力ぐらいはあるはずだ、たぶん。
だからここの世界の人がおかしいだけだよね?ね?
「ほんとは飛んで行ったらいいんだけど、あなた達は飛べないでしょう?」
ん?飛ぶ?
衝撃的な発言の後、アリスは続けて「さすがに大人の男を持って猫を抱えて飛ぶのはねぇ…」とぼやいた。
「え?アリスは飛べるのか?」
「そりゃ飛べるわよ、というかここの世界の人は結構みんな飛べるわよ?」
「」
…人間の構造でどうやって飛ぶってのさ…あぁそういえば魔法使いって八雲さん?が言ってたっけ、なら飛べるのもちかたないね。
「ま、心配しなくてももう着くわ。ほら、見えてきた」
そんなことを話していると、アリスの言うとおり森の中に木造の一軒家が見えてきた。
「ただいま」
アリスは普通に家に入ろうとしている…って、ちょ、ちょいちょい待て待て。
「えーと、ア、アリス?親御さんは?」
さすがにお邪魔するなら親御さんには挨拶ぐらいせんといかんでしょう、うんその辺の常識はどこの世界も同じはず。
「親?ああ、いないわよ」
「へ?」
つまり?
「というと…一人暮らしって、こと?」
「うん。まぁそうなるわね」
一人ってわけでもないんだけど、とアリスは言っているが…
いやいや女の子の?一人暮らし?え、入っていいもんなんかね。
「なにやってるの?入らないの?」
「主人、おいてくよ」
そんなことを考えていると、すでにアリスと吉は家に入ろうとしていた。
…まぁ他に行けるとこがあるわけでもないから選択肢はないよな。
「…じゃ、じゃぁ、お邪魔しまーす」
アリスに促されそろそろとお邪魔する
「ただいま、上海」
ん?ただいま?一人暮らしじゃないん?
と、疑問に思ってアリスの視線の先に目を向けると
小さな人形がこちらに向かってトコトコと歩いてきていた。
…うんそうだな、魔法使いなんだもんね、飛べるんだもんね、そら人形ぐらい自立して歩くよね。
なんかこの異常な事態に慣れてきている自分は嫌だけど…
「シャンハーイ」
「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」
「うるさいよ」
また吉にちょっとひっかかれた、痛い
「じゃあ上海、私たちはリビングにいるから、お茶の用意をして頂戴」
と、アリスが上海に指示を出すと
「シャンハーイ」
上海と呼ばれた人形はおそらくキッチンがある方向にトコトコと歩いていった。…ちょっとかわいいじゃんか…
「さて、まぁとりあえず座って」
アリスに促されてリビングにあるテーブルの椅子に腰かける。
「改めて自己紹介ね、私はアリス・マーガトロイド、魔法使いよ
『七色の人形遣い』なんても呼ばれているわね」
人形遣いかぁ、だから人形が自立して動いてたんかね。
「えーと、俺は添木幸祐、八雲さんいわくこことは別の世界から来た人間だよ。ほんでこいつは吉、元いた世界で飼ってた猫だね」
吉がニャァと鳴く、猫か、いや猫だった。
「そ。まぁやっぱり外来人ってことね」
「外来人って言い方はよくわからないけど、たぶんそうなのかな」
「基本的に、この幻想郷ではこの世界ではない世界のことを外の世界って呼んでるわ。
だからあなたみたいに外の世界から来た人のことは、『外来人』って呼ばれるわけ」
なるほど、というかその口ぶりだと俺みたいのはそこそこいるってことなのかな…
「で」
アリスは続けた
「幸祐はこの後どうするの?」
どうする?ああ、まぁそうか。そうだよな。
「外の世界に戻る?それなら一応そうゆうこともやってる巫女がいるから、出来なくはないと思うけど」
「戻る…か」
八雲さんと夢で話したことを思い出す。
『いまの世界を…離れたいかしら?』
元の世界での最後の思い出は、最悪なものだった。人の悪意がつらくて新しい場所で一から生活を始めたいと思ったのも事実だ。
と、また苦しげな気配でも感じたのだろうか、吉が膝の上にのってきた。
…こいつはほんとに鋭いな。
「…外の世界でなにかあったの?」
アリスに尋ねられる。
「うん、まぁ…ちょっとね」
こういう時、俺は話せない。誰かに心から頼れない、人を信じていないわけではないが、心の底から誰かに頼りきれないところがある。
「まぁ誰にでも話したくないことぐらいあるわ、話したくないならいいのよ」
気を遣わせてしまっただろうか。
「ごめんな」
謝ることでもないわ、とアリスは気にしてない風に言った。
ちょうどその話が終わったころに上海が紅茶らしきものを運んできて入れてくれた。
アリスは入れられた紅茶を一口飲み
「それで、話を戻すけど、あなたはこれからどうするの?」
もう一度そう尋ねた。
「そうだね…ここで新しく暮らしていってみようと思う、吉はそれでもいいか?」
俺の愛猫にも聞いてみる。
「あたしは主人のいるところにいるよ」
いまさら野良になるのも嫌だしね、と吉は続けた。
「ってことで『幻想郷』で生活していってみようと思う、無謀かな?」
「そう。でも無謀なんてこともないと思うわよ、実際いままでにも外来人が幻想郷に居を構えたことだってあるしね」
先人がいるのか、それは心強いな。
「で、差し当たってここで生活するのに心当たりはあるの?」
「あ」
考えてなかったわけではないが、そりゃあこちらでの生活のために必要な心当たりなど、あるわけがない。
「その顔だと何もないって感じね、ま、そうだろうとは思ったけど」
「うん…」
困った。とりあえず、まず住むところがない、お金もない、そんでもって仕事もない。
割と詰んでないかこれ?
「はぁ…」
アリスにもため息をつかれた、いやだってさ…いきなり来たわけだししょうがないやん…
「しょうがないわ。まぁここまで乗りかかった船、しばらくはここに住んでいいわよ」
「…え?!」
「だってしょうがないじゃない、あなたのこと預かってくれそうな場所に心当たりはあるけど、そこで預かってもらうのもここで預かるのもそう大差はないしね」
「いやーそれはありがたいんだけどさ…」
だってアレだぜ兄貴?かわいい女の子の一人暮らしに成人男性が紛れ込むんだぜ?
もしかしなくても犯罪ちっくじゃないですかやだー。
いや、まてよ、これはフラグでここから俺と彼女とのめくるめく生(性)活が…
「ちなみに変なこと考えてたら追い出すからね?」
アリスにニッコリ言われた、デスヨネー。
「主人顔に出すぎ」
忠告ありがとう吉、でももうちょい早く言ってくれな
「さて、というわけで当面あなたはここで生活するわけなんだけど、部屋は客間があるからそっちを使ってね。
猫ちゃんも一緒でいいかしら?」
「吉よ。あたしも主人と一緒のがいいしそれでいいわ」
なんか落ち込んでたら、いろいろ決められてた。
「で、当然、ただいてもらうってほど甘やかすつもりもないから、家事とかできることは手伝ってもらうからね。
…一応聞いとくけど、あなた家事はできるの?」
「一人暮らししてたし問題ないと思うよ」
まぁあくまである程度は、だが。
「そ。じゃあ任せても大丈夫そうね」
「つーことはあれかね、食事・掃除・洗濯とかかな、俺の仕事は」
「…洗濯はいいわ」
「ん?そう?…あ」
ああ…そらそうよな、だってほら下着とかさ…
「…主人、だから、顔」
げ、アリスがちょっとだけ怒ってる気がする…
うん気を付けよう。
「はぁ…まったく。まぁいいわ…改めて、これからよろしくね、幸祐」
「うん、よろしくアリス」
こんなわけで、二人と一匹の魔法の森での奇妙な生活がスタートしたのであった。
なお、ちょっとだけ期待していたような展開には…なりそうもない。
con il suo blog OCHALODEILCNIMA, si tratta di un blog che ho già recensito QUI e che continuo ad apprezzare per le tematiche legate alla disabilità (Max è affetto da distrofia