『東方幸紡記』[第一章:第五話"判決"]
外の世界でサラリーマンとして働いていた普通の男性が幻想入り
彼が幻想郷で紡ぐ幸せとは
このssは、東方Projectの二次創作です。
また、筆者はこの作品が処女作となります。
至らぬ点も多いとは存じ上げますが、以下の点にご容赦いただける方は、ぜひ観覧していっていただければと思います。
【注意点】
・筆者はにわか東方ファンかもしれません。原作設定を無視してしまっている可能性があります。
・展開がベッタベタです。(鈍感主人公・どこかで見た展開)そうならないように注意してもそうなってしまう不思議
・直接的な性描写はありませんが、ちょっと匂わせるような展開があったりするかもしれません。一応R-15くらいです。
・一応長編にするつもりで書いてます。現在18話ぐらいまでは書き溜めているので、続きが読みたい!という奇特な方がいらっしゃれば、評価なりコメントなりをしていただけると筆者は大変喜ぶと思います。
以上の点について、何卒ご了承の上、観覧いただければと思います。
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し、死ぬかと思った…
博麗神社を出て霊夢たちと別れた後、魔理沙とアリスの家に向かっている時に、妖怪?らしい少女に襲われた。
魔理沙いわく、ルーミアという闇を操る妖怪らしいのだが、やっぱあんな感じに人を襲う妖怪もいるんだなぁ…
見た目はかわいらしい少女だったが…
ちなみに、ルーミア自体は魔理沙がなんか色々な色の球?を打ってけちょんけちょんにしてた。
とはいえ流れ弾やらなんやらで死にそうな目にあったのは確かなんですけどね。
とにもかくにもアリスの家の前まで来たわけだが、そんないざこざもあってか辺りはすっかり真っ暗である。
あ、魔理沙は「アリスが怖い気がするから私は帰るぜー」って言って俺を送り届けたらすぐにいなくなってしまった。
「うーん…別にアリスが怒ってるとかそんなことはありえないと思うんだけどなぁ」
アリスは普通にいい子だし、魔理沙はアリスの友人である。そりゃあ料理とか掃除とかしないで、こんな時間まで外にいたわけだから、それについては多少あるかもだが…
俺を連れて行かれたからって魔理沙に怒るようなことはないだろう…
そんなどこぞの主人公みたいにヤキモチやかれるようなことは俺に限ってないデスヨネー。
…ちょっと自分で思ってて悲しくなってきた…
一応ドアをノックしてアリスに呼びかける。
「アリスーただいまー。遅くなってごめん、帰ってきたよー」
………
…あれ?返事がないぞ
明かりはついてるから留守ってこともないだろうし…なんだろ?
「きゃっ!」
?!いまのはアリスの声?!
え?なんかあったのか!?ええい、あとで怒られるかもしれんが、気にしてる場合じゃない!
俺はドアを開けてアリスの声がした方に向かい、扉を開けた。
「…被告人、なにか弁明の言葉はあるかしら」
「えー裁判長。これは故意ではなく、過失の事故です…よって情状酌量の余地をもとめ…あ、いやなんでもないですはい」
アリスにぎろりと睨まれた、こわひ。
「裁判長、よろしいでしょうか」
「どうぞ、検察側証人の発言を認めます」
「主人…もとい、被告人はしばらくこの家で生活しています。よって、お風呂場の位置くらい当然把握していたはずです」
「なるほど、続けてください」
あ!吉!このやろー主人を裏切りやがったな!
「つまりこれは過失ではなく、故意の計画的な犯行であった可能性があります」
「異議あり!異議あり!」
まずい!まずいぞこの流れは!
「被告人は静粛に。発言は認めていません」
あ、あかん…もうだめだぁおしまいだぁ
…そう、結論から言うとアリスの悲鳴らしきものを聞いた俺は、勇敢にも突入した。
…風呂上がりのアリスがいる脱衣所に…
アリスの悲鳴は吉が脱衣所に急にいたせいでびっくりしただけらしい、そして俺は色々とそれはまぁ…言葉には出来ないが色々見てしまった。
その後、真っ赤になったアリスがどこからともなく現れた人形を操って俺を簀巻きにし、現在にいたるわけである。
…うん、でもまぁ綺麗だったなぁ、胸も意外と…いや想像通り結構あったし…
い、いや、いかん!思い出したらいかん!
「ゴホン!」
不埒な気配を感じたのかアリスが机をバンッと勢いよく叩いた。
こえーよアリスさん…
「それでは被告人に判決を伝えます」
ああ、どうか火あぶりの刑とかになりませんように…
「…判決は有罪。被告人は食事当番一ヶ月の刑に処します」
…ん?あれ?
「ア、アリス?」
「なによ。文句でもあるの?」
「い、いや、文句というか…こんなもんでいいのかなぁ…と」
恐る恐る聞いてみる、てっきり焼き土下座でもさせられるかと思ってたから…
「…いいわよ。別に。ワザとじゃないのはわかってたし、一応私を助けようと思って来てくれたんでしょ?
…だ、だから、これでいいわよ…」
「」
oh…お母さん、これがツンデレってやつなのかな…
というか、ちょっと照れてるっぽいのが可愛いんですけどみなさんどうでしょう?
「でも!食事当番一ヶ月はきっちりやってもらうからね!」
「いや、そんぐらい全然かまわないよ」
というかアリスの…そのアレと比べたらお釣りがくるレベルだ。そもそも食事当番はこの3週間基本的に上海(実質アリスだが)と俺で、たまにアリス本人が作ってくれるくらいだから、そんなに今と変わらない気がする。
はて…?そう考えると、あんまり罰になってないような…
「まったく主人たら…アリスが優しくてよかったわね」
うるさいぞ吉よ。貴様が主人を裏切ったことは忘れはせんからな!
そんなこんながあって夕食の場、今日に関してはアリスが作っておいてくれたらしいものを温めなおしていただいている。
アリスいわく、魔理沙に連れまわされて疲れてるだろうと思って、帰ってきたらすぐ食べれるように準備しておいてくれたらしい。
…やっぱいい子だよなぁ…
「で、魔理沙に連れられて結局どこに行って来たの?」
アリスが食事の手を止めて聞いてきた。
「あぁ、今日は結局博麗神社ってとこにいっただけだったよ」
「そうなの?の、割には結構時間かかったわね」
「うん、最初は霊夢と会って色々話してたんだけど、途中で紫さんも現れてね、それでここに連れてこられた経緯とか色々聞いてたら結構遅くなっちゃっててさ」
「あのスキマ妖怪、ホントに神出鬼没ね…」
「ま、まぁちゃんと聞いたことは教えてくれてるし、結構良くしてくれてるよ?」
「ふぅん、そう。なんだか怪しいわね…」
「そうかなぁ。あ、そうそうそれで帰りにルーミア?って言ったかな?妖怪の女の子に襲われてさ」
「え、大丈夫だったの?」
「魔理沙が送ってくれてたからね、逆に妖怪の子が心配になるくらいけちょんけちょんにしてたよ」
「ああ、そういえばそうよね。アイツったら、顔見せないで帰ったから忘れてたわよ」
「あはは…」
アリスが怒ってそうだから~と言ってたことは伏せておこう…
「でも…そうね」
「ん?どしたの?」
「いや、これからあなたも外に出てくことも増えると思うし、毎回魔理沙に連れてってもらうわけにもいかないでしょ?」
「まぁそれはそうだな…」
今日のは連れてってもらったんじゃなく連れ去られたんだがな。
「私が連れてってもいいんだけど…そうできない時もあるかもしれないし。
うん、そうね。明日からは飛ぶ手段と自衛の手段について考えましょうか」
「え?!飛べるようになれるのか?」
いやいや…だって俺、普通の人間ですよ?
「たぶん大丈夫よ。それと自衛の手段の方も大丈夫だと思うわ。私が教えてあげるから」
「お、おお…ありがとう?」
「一応師匠になるわけだからね、あんまり甘やかすつもりはないから覚悟してね」
「は、はい。師匠」
うう…アリスはいい子だけど、師匠となると結構厳しそうだよなぁ、アリスしっかりしてるし…
まぁでも、男の子の夢として飛べたりなんか出来るのはあこがれるし、頑張ってみようかな。
「あ、そうだ」
「?どうしたの??」
そういえば今日の話が出てきて思い出した。
霊夢にいつまでもアリスの家にいるわけにもいかないんだから、自立して生活しないのかって言われた話だ。
「えーとその、なんだ」
「なによ、はっきりしないわね」
うわ、いざ言うとなるとなんか気まずいな…ここまでさんざん世話になってきてるしなぁ。
「その、な?今日霊夢とかと話してな?人里で自立して生活しないのかって言われたんだよ」
「…ふぅん」
あれ?なんかいま気温下がりました?
「で、でな?まぁ俺としてもいつまでもアリスの家に世話になりっぱなしなのも悪いし、もうそろそろ出ていくべきかなとか…思ったりしなかったりするわけで…あ、もちろんいますぐって話じゃないんだけどな?!」
「…」
え、えーと、アリスうつむいて黙っているんだけど、あれ?俺これミスった??
「ア、アリスさん…?」
「…食事当番一ヶ月って約束した…」
「…え?」
「だから!私の裸見た罰に!食事当番一ヶ月やるって約束したでしょ!」
…おうふ
「そ、そうだよな!さっき約束したばっかだもんな!」
「そうよ。なに?約束破るの?タダ見ってこと?」
トーンダウンはしたけどいかんせん怖いっす、アリスさん…
「破らない破らな…あ、はい破りません」
「そ。ならいいわ」
…ふぅ、なんとか耐えたわー
「と、とりあえず自立して生活云々の話は保留だな、うん!」
「そうね」
アリスはすでにすまし顔だ、わー温度の変化がスゴイナー。
夕食後、アリスは先ほどの件が嘘だったかのように普通な感じで「ちょっとやりかけの作業があるから、お風呂入って先に寝ちゃっていいわよ」とアリスの作業部屋に行ってしまった。
というわけで、俺は洗い物をして風呂に入ってアリスの家で与えられた自室で吉とくつろぎ中である。
「まったく…主人は間が悪いというかなんというか」
「…うるさいな…さっきその主人を裏切った件は忘れてないからな!」
「だって今日主人が遊んでる間、遊んでくれたりご飯作ってくれたのはアリスだもの」
「ぐ…」
そう言われるとそうなんだが…遊んでいたわけじゃないんだぞ。
「それにあれは主人が悪いわよ。いや…あれ『も』、ね」
「も?他に俺なんかしたか…?」
「さっきのやつ。アリスにここを出ていくつもりだって話したでしょ?」
「いや、それに関してはいずれはそうしなきゃならんし…なにもアリスにとっても悪いことではないだろう?
一人と一匹が余計に暮らしてるんだし、負担もかかってるだろうしさ」
「はぁ…それ本気で言ってるの?」
本気もなにも…普通じゃないか?
「そらまぁそうだよ。でもまぁたしかに言われてみると、こんだけ世話になってるし、なんかの形で礼はしないといけないしな。
いきなりそろそろ出て行きますってのはたしかにアリスも怒るか」
うん、そう考えたらさっきのはさすがにひどかった気もしてきた
折をみてアリスにも謝っておこう…
「あのさぁ…まぁもうそれでいいけど…」
だというのに吉は呆れ顔である、なんやっちゅーねん。
「はぁ…」
アリスの作業部屋にて、この家の家主は誰も人がこないこの場所で一人ため息をついた
「ちょっと…怒りすぎたかしら…」
でもあれは幸祐が悪いわよ、急に出ていくとか言い出すし…
「でも…」
なんでだろう。そもそも家にいさせてあげるのは彼が生活していくめどが立つまでって話だったし、つまり別に出ていくのだって、いつ出て行ってもおかしくないわけだ。
でも、それを言われたとき、なぜか腹が立ってしまった。
そもそも今日魔理沙に連れて行かれる時だってちょっと嫌な気分になった。
霊夢も魔理沙も悪い奴じゃない、そんなことわかっている…
けど…なんとなく彼がどこかに行ってしまう気がして嫌だった。
「なんでかしらね…」
ずっと一人で暮らしてきたから、人と一緒にいるってことに浮かれてるのかもね。
…それに、彼との生活は楽しいし…
「やめましょ。…らしくないわ」
ぐるぐるする思考に踏ん切りをつけ、特にすることも残っていたわけではないので人形の簡単な整備だけし、アリスも床に就いた。
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