Aqoursの奇妙な冒険サンシャインは照らし出す1st
ジョジョ4部ラストスパート記念!あのラブライブ!×ジョジョのssが帰ってきた!前と同じく不定期に投稿していきます。
どちらの作品とも乖離があります。苦手な方はご注意ください。
S県N市内浦。この街にスタンドを悪用するスタンド使いがいる。そう聞きつけてやってきた伝説のスタンドアイドル。それに呼応するかのように内浦を舞台に謎の事件が次々発生。内浦の浦の星女学院所属のスタンド使いを中心に回り出す歯車。これは奇跡の冒険譚だ。
第一話『高坂穂乃果、高海千歌に会う』
渡辺曜(私の名前は渡辺曜。浦の星女学院に通う高校2年。まあ、私のことは覚えてくれなくてもいいんだけど。私はこの春、ある奇妙な2人の女の子と会ったんだ)
2016年4月
S県N市内浦
曜「今日からまた新学期かぁ。新学年ってなにか変わるのかな。今日の日程確認しとかなきゃ」ペラッ
曜「ええっと、今日の始業式は…」ドスッ
曜「うわっ!」
???「ごめんね!大丈夫?」
曜「あれ?今、私転ばなかった?」
???「無事ならよかったよ。ところで一つ聞きたいんだけど。この街で高海って名字の高校生を知らない?」
曜「え?い、いやぁ、分からないです」
1人目の奇妙な人はこの人。後で知ったんだけど名前を高坂穂乃果って言うらしい。笑顔を絶やさないけど、どこか強い部分を持ってるような印象。年齢は21歳。今は東京の大学に通ってるらしい。
穂乃果「そうなんだ。じゃあ浦の星って高校は分かる?そこの生徒らしいんだけど」
曜「浦の星なら私の高校ですよ。よかったら案内しますよ」
穂乃果「ほんと!?助かるよ!」
噴水前
???「おお!亀さん。かわいいなぁ」
女ヤンキー1「おい、テメェ何年だ?」
???「ん?2年です。今日から転校してきました」
女ヤンキー2「私らは3年だ。あのなぁ。挨拶ってのはしっかりしなきゃいけないんだぞ、あぁ!?」
???「す、すいません!」
女ヤンキー3「今持ってる銭、全部出しゃ許してやるよ。でなきゃ、この亀みたいにしてやるよ!」バキッ!
???「は、はい。すいません」
曜「うわぁ、怖っ」
穂乃果「怖いけど、亀が殺されてジッとしてるのもどうかね」
曜「は、はぁ…」
女ヤンキー1「テメェ、名前は?」
千歌「高海千歌です」
穂乃果「高海?あの子が?」
女ヤンキー2「おお、そうかよ。銭のついでにその頭のゴミみたいなアホ毛も貰ってくか?なんてな」
千歌「ねぇ先輩。今私の頭のことなんて言った!?あ!?」ドラァ!
女ヤンキー2「うげぇ!」
穂乃果「今のは!スタンド!?」
千歌「私のアホ毛が腐ったバナナみたいだって!?確かに聴いたよコラァ!」ドラァ!
女ヤンキー2「うげぇ!い、言ってないです!」
曜「な、なに!?いきなりヤンキーが飛んで行ったよ!」
女ヤンキー1「な、なんかお前の顔変になってないか?」
女ヤンキー2「え?なに?なんか…え?」
女ヤンキー3「化け物だぁ!」ダダダダ
曜「なんだったんだろ今の…」
千歌「はぁ。疲れたよ。新学期早々なんなんだろ」
穂乃果「あのヤンキーの顔、明らかにおかしかった。なんていうか。形が丸ごと変わったっていうか」
穂乃果「やれやれ。この子が」テクテク
曜「あ、ちょっと!」
穂乃果「ねぇ、あなたが高海さん?」
曜(ん?あの亀、傷が治ってる?)
千歌「え?あ、そうですけど」
穂乃果「高海千歌。8月1日生まれ。6歳の頃、原因不明の高熱に襲われ生死の境をさまよう。それ以降、特殊な能力を身につける」
千歌「なんなんですか?色々知られてるの何か怖いんですけど」
穂乃果「まさかこんなところで会えるとはね。君の能力はスタンドと呼ばれるものだよ。スタンド使い以外には見えないけどね。私は高坂穂乃果。あなたと同じスタンド使いだよ」
千歌「それを言いに来たんですか?」
穂乃果「まさか。ある事件を追って来たんだけど。どうやら最近この街で殺人事件が多発してるらしいね」
曜「そ、そうなんですよ。なんでもバラバラにされるとか血が抜かれるとかで気味悪くて」
穂乃果「友達に便利な人がいてね。探したい人やものをカメラに写してしまう人なんだけど。その友達が写したのがこれ」ペラッ
穂乃果「名前は月島結架。通称ユイ。最近の殺人事件の犯人だよ。こいつもスタンド使いらしい。さらに写ったのがこれ」ペラッ
曜「これって、高海さん?」
千歌「そうみたいだね。それで私のことなんでそんなに知ってるんですか?」
穂乃果「他の友達にね、おっきい財団を持ってる人がいてね。その人に調べてもらったんだよ」
穂乃果「もしこのユイを見ても近づいたりしないようにね」
曜「個人情報怖っ…」
千歌「そうなんですか。でも私は興味ないです。私学校行かなきゃ。今日から浦の星女学院ってとこに転入してきたんです」
曜「そうなんだ!私も浦の星学院生だよ!渡辺曜っていうんだ!」
千歌「曜ちゃんだね。じゃあ道教えてくれる?調べないまま出てきて迷っちゃってて」
曜「うん!行こう!」
穂乃果「そうだね」
道中
千歌「で、なんで普通についてきてるんですか。興味ないって言ったじゃあないですか」
穂乃果「いや、こっちにはまだ用事があるからね」
モブ1「あの子の髪の毛かわいい!」
モブ2「キュートだよね」
千歌「髪の毛褒められるとやっぱり嬉しいもんだね」
穂乃果「いや、だから用事が。くだらない髪の毛のことなんか後に…」
千歌「今なんて言った!?髪の毛けなされると誰だろうと腹が立つよ」
穂乃果「いや、そういう意味で言ったんじゃ!」
千歌「うぉらぁ!」ドラァ!
穂乃果(思っていたより速い!スタープラチナ!)シュイ-ン
千歌「え?」
穂乃果「後ろだよ。変なことはやめてよね」ガシッ
曜「な!瞬間移動!?」
千歌「妙な特技持ってますね」
穂乃果(5年ぶり。実に5年ぶりに時を止められたよ。やっぱり短くなってるなぁ2秒ってところかな)
穂乃果「苦労したけどね。まあいいんだよ。学校が終わったらまたお話しさせてよ」
千歌「えぇ…まあいいですけど。…てか時間!曜ちゃんだっけ!?早く行こう!」タッタッタ
曜「そ、そうだね」タッタッタ
穂乃果(やれやれ。触ったものを治すスタンドかな。でもあのヤンキーの顔は凄いことになってたけど。治し方も自由ってことかな。恐ろしいね。まあ、これから味方になるってことなら心強いか)
放課後
千歌「曜ちゃん!まさか同じクラスになるとはね!これからよろしくね!」
曜「うん。偶然だね。この後穂乃果さんのところに行くの?」
千歌「曜ちゃん穂乃果さんの話気になるの?」
曜「気になるっていうか。この町のことでしょ?だから知っといたほうがいいかなって」
千歌「ふーん。私はそんなでもないんだよね。別に今の時点でうまくいってるっていうか」
フォ-ンフォ-ン
曜「パトカー?何か事件かな。行ってみよう!」タッタツタ
千歌「う、うん」タッタッタ
コンビニ前
曜「うわぁ。凄い人…」
千歌「何があったのかな」
強盗「騒ぐな!道を開けろ!」
警察官「人質を離せ!」
曜「うわぁ、危ないよあれ」
千歌「そうだね。あれは流石にヤバい目してるよ」
強盗「おい!そこの頭に変なのつけてる女もどけ!」
千歌「あ?」
曜「え?…まさか…」
千歌「……」ズカズカ
曜「ああああ!発動しちゃったぁ!」
警察官「ちょっと君!」
千歌「私の頭がなんだって!?」
強盗「なんだお前は!頭きた!このナイフを人質に突き立てることに決めたぜ!」
千歌「頭きた?それはこっちのセリフだよ!」ドラァ!
強盗「うげぇ!」
人質「た、助かった…」
強盗「ああああ!アーミーナイフが腹の中に!」
千歌「外科医に取り出してもらいなよ。刑務所病院の」
強盗「うううう」シュルッ
千歌「なに!?」
???「まさか私の他にもスタンド使いがいるとはね。高海千歌。今度はあんたのことを見ておくことにするよ。どこからか見てるからね」シュル
千歌「あ!待って!」
曜(やっぱりだ。穂乃果さんの言う通りだ。この町で何かが、何かが起きてる)
To be continued…
第2話『高海千歌、ユイに会う』
千歌母「あれ?どこやったかなあの工具」
ユイ(あれが高海千歌の母親か。まずはあいつからだな)
ユイ「おはようございます。牛乳、ここ置いときます」
千歌母「あら、ありがとう」
ユイ「いえいえ、それでは」
千歌母「ちょっと待って?細かいこと言うようだけどこの牛乳、蓋が破れてるわよ?」
ユイ「え?あ、ほんとだ。すいません」
千歌母「気をつけてね」
ユイ「はい」
ユイ(チッ、なかなか鋭いな。まあいい、水道から侵入してやる。このアクアネックレスで!)
高海家
千歌「え?水?」
穂乃果『そう、水に同化するスタンドらしいから、十分に気をつけて』
千歌「わ、わかりました」
千歌母「ん?千歌ー、この写真どうしたの?さっきの牛乳屋さんだけど」ペラッ
アクアネックレス「………」ニヤッ
千歌「なっ!」
穂乃果『どうしたの!?』
千歌「遅かったです。今、お母さんに入っていくのが見えました!」
穂乃果『もしもし!もしもし!』
千歌母「千歌、あんたも何か飲む?」
千歌「私紅茶が飲みたいな」
千歌母「はいはい、紅茶ね」
千歌「ミルクと砂糖入れてね」
千歌(シャイニングダイヤモンド)ドラァ
千歌母「っ!」
千歌母「あれ?ミルクと砂糖だっけ」
千歌「うんお願い」
千歌「もしもし穂乃果さん?スタンドつかまえたんですけど」
穂乃果『え?』
千歌「瓶に閉じ込めました」
穂乃果『な、なんて早さ…まあいいや、すぐに向かうから気をつけてその瓶保管して』
千歌「はーい」
数分後
シャンシャンシャンチャリン
千歌「あー!またミスったぁ!」
千歌「なんでこう一回だけミスするかなぁ」
シャカシャカシャカ
千歌「このスタンド、瓶からは出られないようだね」
高海家前
ユイ「クソっ!どうにかしてあの瓶から出ないと!」
チリンチリン
千歌祖父「ただいまー」
ユイ「あ、あれは!高海巡査。確かに名字が同じだ。まさかこの家とはね。私の犯罪はいつもあいつに邪魔されてきた。だからよく知ってるぞ!夜勤明けにはブランデーを一杯飲むのが楽しみなんだよなぁ!」
高海家リビング
千歌「……」シャンシャン
千歌祖父「動くな!」
千歌「うわぁぁぁ!」チャリンチャリンパン!
千歌「おじいちゃん!なんてことするの!またミスしちゃったじゃん!」
千歌祖父「モデルガンにそこまで驚かなくてもいいじゃあないか。それより千歌、学校はどうした」
千歌「今は人が来るの待ってるの。来たらすぐ行くって」
ブロロロロ
千歌「あ、タクシーで来たみたい。窓の外に見える」
千歌「おじいちゃん、ちょっとま…」
千歌祖父「…………」
千歌「おじいちゃん!」
アクアネックレス「お前が悪いんだ、私から目を離したお前が」
千歌「おおおおぉああ!」ドラララララララァ!
アクアネックレス「おっと、速いな、次はお前だ、待っていろ」スルスル
千歌「待て!」
穂乃果「どうしたの!?」
千歌「おじいちゃんが襲われました。でも大丈夫、私のスタンドでこんな傷すぐに…」ホァァァ
千歌祖父「………」
千歌「おじいちゃん?傷は治ったよ?早く起きてよ。ビビらせ勝負なら負けたって!」
千歌祖父「………」
千歌「なんで、なんで目を覚まさないの……」
穂乃果「千歌ちゃん、人間は物を壊して生きていると言ってもいい。その点あなたのスタンドはとても優しいものだよ。ただ、命だけは…」
千歌「………」
穂乃果「失った命だけは…元に戻せない、たとえスタンドでもね」
千歌「おじいちゃんはいつも、ふざける人だったけど、その奥にはこの街を守る強い決意があった」
千歌「おじいちゃん、その意思は、わたしが受け継ぐよ」
数日後 葬式後
千歌「………」
穂乃果「千歌ちゃん、飲み物や食べ物はパッケージされたものだけにしてね、水道とかはマジで危ないから」
千歌「…わかってます」
穂乃果「ユイが憎いのは分かるけどこの先のことを考えないと」
千歌「………」ゴゴゴゴゴゴ
千歌「いや、至って冷静ですよ私は」
穂乃果「冷静、ね。まあ、あなたの家だから家具をメチャクチャにしようがいいけど」
穂乃果「あいつは今もこっちを見てるはずだよ、警戒を怠らないで」
穂乃果「ところでその腕のアザ、あの朝わたしが掴んだ時のだよね?自分の怪我はスタンドで治せないの?」
千歌「自分で自分は治せませんよ」
穂乃果「じゃああいつに体内に侵入されたら…」
千歌「終わりですね」
穂乃果「………」
高海家前
ユイ「絶対に倒す、ゆっくりとタイミングを待つんだ」
三日後
穂乃果「おかしい。あれ以来全く襲撃がない。どうなってるんだろう」
穂乃果「でも、足跡は家の近くまで残ってる。何を待っているんだろ」
ポツポツポツ
穂乃果「雨、か」
穂乃果「………雨?」
アクアネックレス「………」
穂乃果「おりゃあ!」オラァ!
アクアネックレス「なんか怪しいのがいると思ったらお前もスタンド使いか」
穂乃果「雨を待ってたんだね!」
アクアネックレス「もうお前らは私から逃れられない!」スルスル
穂乃果「ヤバい!千歌ちゃんに伝えないと!」タッタッタ
高海家
穂乃果「千歌ちゃん!あいつが家に侵入したよ!」
千歌「どうやらそうみたいですね。水道とか全部開いてるし。湯も沸かしてある」
穂乃果「雨漏りもしてるね。屋根のあたりを壊したのかな」
穂乃果「意外と計画的な人間だね」
千歌「フフフフフフ」
穂乃果「何を笑ってるの!?追い詰められてるんだよ!」
千歌「グレートですね。これは。だっておじいちゃんの仇がすぐ近くにいるんですよ」
穂乃果「それはそうだけど、あなたはこの状況、どう切り抜けるつもり?」
千歌「切り抜ける?いやいや、壊し抜ける!」ドラァ!
千歌「壁を壊して隣の部屋に、早く来てください、壁が直ります」
穂乃果「…やれやれだよ」
ホワァァァ
千歌「よし、壁も直った。これで…」
ゴオオォォ
穂乃果「な!加湿器!」
千歌「うっ!」スルスル
穂乃果「千歌ちゃん!」
アクアネックレス「試験でもなんでも自分が思ったとおりのことが起こるとそれはそれは笑ってしまうよなぁ!」
千歌「い、今のは違いますよ、穂乃果さん。笑いなんてこみ上げません」
千歌「ドララララァ!」
千歌「うぇ!」
ペチャ
アクアネックレス「うぅぅぅ」
穂乃果「ゴ、ゴム手袋?」
千歌「ズタズタにしておいたゴム手袋を飲み込んでおいたんです。口から入ってこられても大丈夫なように。そして直した」
穂乃果「な、なかなかすごい発想をするんだね」
千歌「ドララララァ!」
ウワァァァ!
穂乃果「あの木のあたりだね」
高海家前
ユイ「な、なんとか逃げないと」
ユイ「うげっ!」
穂乃果「あなたが…」
千歌「ユイ…」
ユイ「そ、そうだ。だ、だがお前らに私を裁くことはできないよなぁ」
千歌「私はあなたを殺したりはしない。あなたみたいなのと同じレベルにはなりたくないからね…だけど」
千歌「あなたに罪がないわけじゃあない。永遠に供養しなユイ!」
千歌「おじいちゃんとあなたが殺した人間のね!」
千歌「ドララララァ!」ドラララララララ!
ユイ「うわぁぁぁぁ!」
千歌「その木と仲良くやってな」
ユイ「う、うぅ」
内浦名所1ユイの木。少し不気味な模様だが人々には待ち合わせ場所などで親しまれている
穂乃果「やれやれ、なかなか変わった子だよ」
To be continued…
第3話『黒澤姉妹その1』
タクシー内
穂乃果(あのユイが言っていた言葉…気になるなぁ)
高海家前 数分前
ユイ「いくらわたしが罪を重ねてもあんたらに私を裁くことはできないよ」
千歌「別に今あなたを殺したりはしないよ。あなたには永遠に供養してもらうよ。おじいちゃんやあなたが殺した人間のね!」
千歌「ドララララァ!」ドラララララララ
ユイ「な、なんだこれは!」
千歌「木に同化させたよ。それで街で供養するんだね」
ユイ「こんなことしたら、あの人が黙ってないよ!」
穂乃果「あの人?」
ユイ「私にスタンド能力を与えた制服の女だ」
穂乃果「なんだって!?スタンドを与える!?」
ユイ「その女は言っていたよ。数年前にツバサって女が持っていたその弓矢で射られたものは、素質のあるもののみスタンド能力を身につけるらしい」
穂乃果「スタンドを、後天的に獲得できるの…?」
子供「うわぁぁあ!」
千歌「しまった!スタンドから目を離していた!」
ユイ「お前が悪いんだぞ!早く木から離せ!クソみたいな髪型気にするくらいならな!」
千歌「あぁ?」
穂乃果「待って!早まらないで!」
千歌「私の頭がなんだってぇ!?」
千歌「ドララララァ!」ドララララララ
ユイ「ぅ……」
千歌「少々優しすぎたみたいですね」
穂乃果「やれやれ、手がかりが消えちゃったよ」
千歌「ユイの話を信じるんですか?あんな作り話」
穂乃果「作り話じゃないよ。私はさっきのツバサと仲間とともに闘って倒した。ただわからないことがあったんだ。一体ツバサとその仲間たちはどうやってスタンド能力得たのかっていうこと」
千歌「それがさっきの話ってこと?」
穂乃果「わからないけど調べてみる価値はありそうだね」
翌日
浦の星女学院 図書館
曜(やっぱりここ数年の内浦での行方不明者数は異常だ。他の同規模の街の7倍はある)ペラッ
千歌「あ、いたいた。曜ちゃん放課後も勉強?帰ろうよ」
曜「あ、千歌ちゃん。うん、帰ろっか」
帰り道
千歌「へぇ、内浦について調べてるんだ」
曜「うん、一応自分の街だし」
???「………」ササッ
曜「ん?」
千歌「どうしたの?」
曜「ねぇ、あの建物って空き家だよね?」
千歌「そうだね。引っ越してきてたら分かるもん。ウチ近所だし」
曜「今その窓のあたりに人影が見えたんだけど」
千歌「そんなことないと思うけど」
曜「気になるなぁ。ちょっと覗いてみよう」チラッ
ヒュ- サクッ
曜「うぐっ!」バタッ
千歌「よ、曜ちゃん!」
千歌「誰!?」
???「倒れましたわね。素質がなかったか、或いは…」
???「まあいいですわ。どちらにせよ使えないと思いますし」
千歌「誰だって聴いてるんだけど!?」
???「ルビィ、その人は高海千歌よ。ユイを倒した」
スッ
黒澤ルビィ「こ、この人が?」
千歌「あ、新手!?」
???「ルビィ、あなたのスタンドでその人を倒しなさい」
ルビィ「お、お姉ちゃん、もうやめようよ」
???「つべこべ言ってないで出しなさい!」
ルビィ「ピ、ピギィ!」ゴゴゴゴゴ
千歌「これがこの子のスタンド!…ただ様子がおかしい」
ルビィ「や、やめて!ザ・ハンド!」ガオン!
千歌「スタンドが暴走してる!?」
???「その子のスタンド、ザ・ハンドは強力なスタンドよ。ただ、その子自身の精神力が弱いからまだうまく扱えないんですの。せいぜいがんばってください、千歌さん」ズルズル
千歌「曜ちゃんを返して!」
ルビィ「ピギィ!」ガオン!
千歌「うわっ!まずはこっちだね」スッ
千歌(大振りだけど右手に何かしらとてつもないパワーを感じる)
ルビィ「近づかないで!」ガオン!
千歌「な、なんだろうこの違和感」スッ
千歌(後ろの看板…空き家だから立入禁止って書いてあるのか)
千歌(いや、違う。立…禁止?入の文字がない!もともとなかったように!)
ルビィ「わ、私のスタンドの能力は空間を削りとる能力なんです。消えた部分の断面でくっついてしまうらしくて」
ルビィ「消えた部分自体がはどうなるかルビィもわかりません」ガオン!
千歌「せ、説明しながら攻撃してきてる。制御できてない!」
ルビィ「わ、わたしから離れてください!」ガオン!
千歌「おっと!…あれ?」スッ
ルビィ「く、空間を削り取って瞬間移動させたみたいです」ドゴッ
千歌「うへっ!せ、説明しながら殴るとは…にしても」
ルビィ「うわぁ!」ガオン!
千歌「うへっ!こ、これどうやって抜け出そうかな…あ…あれなら」スッ ドゴ
ルビィ「こうなったら、は、離れてもどうしようもないです!」
千歌「いや、そうでもないよ。ちょっと痛いかもしれないけど我慢してね」ヒョイ
ヒュ----
ルビィ「空間を削り取って向かいの植木鉢が飛んできてる!」ガシャン!
ルビィ「ピギィ…」バタッ
千歌「な、なんとか止まった。攻撃されたとはいえ暴走だもんね。なんかかわいそうだなぁ」
千歌「っと、それより。早く曜ちゃんをシャイニングダイヤモンドで治さないと」
空き家玄関
千歌「さて、曜ちゃんを返してもらうよ。ルビィちゃんのお姉さん」
黒澤ダイヤ「この子は別にいいんですの。私に必要なのはこの矢」ザシュ!
千歌「傷口が広がるから抜かないで!」
ダイヤ「この矢は大切なもので一本しかないんですの」
ダイヤ「回収しないといけませんわ」
千歌「あ、あなたは…」
To be continued…
第4話『黒澤姉妹その2』
ダイヤ「この矢は大切なもので一本しかないんですの。回収しなくっちゃあいけませんわ」ザクッ!
千歌「や、やめて!曜ちゃんの傷が広がってしまう!」
ダイヤ「私にとってこの矢はきちんと元のところに戻らなければいけないものです」
ダイヤ「あなたはCDを聴いた後、元のケースにきちんとしまうでしょう?」
ダイヤ「誰だってそうする。私もそうする」
千歌「そんなこと聞いてないからとにかく曜ちゃんを返してもらうよ」
ダイヤ「まあいいです、そこはもう私の攻撃可能範囲ですわ」キラッ!
千歌(な、なんか攻撃してくる!避けないと!)ササッ
ルビィ「ちょっ、ちょっとハンド!」トテトテ
千歌「あ!そこは!」
ルビィ「ピギィ!」ダダダダダダダダダ
ルビィ「……」バタッ
千歌(な、なんて人なの。自分の妹を)
ダイヤ「ルビィ、やはりあなたの精神力は貧弱ね」
ダイヤ「私がいないと何もできないんですものね、仕方ないですわ」
ダイヤ「もう一回いきますわよ」ダダダダダダダダ
千歌「一旦外へ!ドララララ!」ガシッ!
ドゴドゴドゴ
千歌「な、直す…」シュ-
千歌「ふぅ。なんとかなった。それで…このルビィちゃんだっけ?大丈夫…じゃないよねこの怪我は」
千歌「おーい!おーい!………気づかないかな」
ルビィ「…………」
千歌「仕方ない…シャイニングダイヤモンド!」シュ-
ルビィ「ん?ん?」
千歌「気がついたみたいだね。スタンドの暴走もないみたい」
ルビィ「ル、ルビィはなんで怪我してないんですか?」
千歌「私が治したからね。さっきのは不問にするから、遠くへ行きな」
ルビィ「で、でも…」
千歌「私はまだあなたのお姉さんに用があるから、それじゃ」
空き家内
千歌「二階に行ったのかな?」
ルビィ「あの!」
千歌「まだいたの?遠くに行きなって」
ルビィ「治してくれたのは感謝します。でもなんで自分の怪我は治さないんですか?あなたも怪我してるのに」
千歌「シャイニングダイヤモンドは自分の傷は治せない。都合のいいことばかりじゃあないってことだよ」
千歌「わかったらさっさと行った行った」コツコツコツ
空き家二階
千歌「………」スッ
千歌「!曜ちゃんだ!…ってこれ明らかに罠だよなぁ…でも行くしかないよね!」
ルビィ「まっ、待ってください!」
千歌「ちょ!なにっ!?」
ルビィ「ザ・ハンド!」ガオン!
曜「………」スッ
千歌「ルビィちゃん、スタンド出して大丈夫なの?」
ルビィ「怖いですけど、あなたには助けてもらったんです。お返ししないと」
千歌「普通に使いこなせててよかったよ。空間を削ったんだね」
ルビィ「助けたいと思いながらスタンドを出したらなんとか扱えました」
千歌「優しいスタンド使いだね。とにかく助かったよ」
千歌「シャイニングダイヤモンド!」シュ-
曜「?うわぁ!…って千歌ちゃんか。ここどこ?」
千歌「話は後!まずここから出るよ!」
キラン!ダダダダダダダダ
千歌「やっぱり来たかぁ。この小さい兵隊の人形がルビィちゃんのお姉さんのスタンド…」
千歌「ドララララ!」
スッスッスッスッ
千歌「ってたくさんいるし!痛っ!小さいけど攻撃力は本物だ」
ダイヤ「ルビィが余計なことをしたせいで予定が崩れましたが…ここであなたを逃すわけにはいきません」
千歌「だと思ったよ…どうしよ」
ダイヤ「全隊!攻撃準備!」ザッ!
ダイヤ「撃てー!」ダダダダダダダ
千歌「うわぁ!曜ちゃん!こっちに逃げるよ!」
曜「う、うん!」
空き家二階部屋
千歌「あの窓から…」
パタパタパタパタ
千歌「へ、ヘリコプターまであるの…」
キュルキュルキュルキュル
曜「せ、戦車もいるよ!」
千歌「本当だ!一体何体の…え?」
千歌「よ、曜ちゃん!それが見えるの!?」
曜「よ、よくわからないけどそうみたい…」
ダイヤ「なるほど、その子には素質があったのですね」
千歌「あ、あの矢で…」
ダイヤ「もしかしたら私が探しているスタンドを持っているかもしれません。あなた、スタンドを出してみなさい」
曜「出してって言われても…知らないよ出し方なんて」
ダイヤ「千歌さんでしたっけ?あなたが教えなさい」
千歌「えぇ…まあいいけど。いい?曜ちゃん、スタンドってのは精神力なの、あの人をやっつけたいって気持ちになれば自然と出るはずだよ」
曜「そ、そんなこと言われても、よくわかんない」
ダイヤ「出してもらうわよあなたのスタンド。グリーンベレー!やりなさい」
サクッ!
曜「うわぁぁぁ!」
ピキンッ!
コトッ
千歌「な、なんなのこれは」
ダイヤ「た、卵?」
千歌「曜ちゃん!この後は?」
曜「後も何もこれで終わりだよ!」
千歌「ど、どういうこと」
ピキッ
ダイヤ(っ!今のは……。ヒビが入ったような)
ダイヤ「それだけならもうあなたたちに用はないですわ。やられてもらいます」
千歌「曜ちゃん!危ないからあっちに!」シュ!
曜「わぁ!な、投げないでもいいじゃんか」
ダイヤ「全隊ィー!攻撃開始ィ!」
ダダダダダダ
千歌「ドララララ!」キンキンキンキンキン
シュシュシュ
千歌「くっ!か、数が多い…」
ダイヤ「私のスタンド、バッドカンパニーは規律正しいスタンド。見てみなさい、美しい私の軍隊の幾何学模様を」
千歌(なんとか突破して本体を叩くしかないかな…)
ダイヤ「あなたはスタンドをいなしつつこの私を攻撃すればいいと考えていると思いますがそれはできませんわ。今からあなたは脚を奪われ、腕を奪われ、頭が吹き飛ぶのですから」
ダイヤ「私の作戦は絶対に遂行されますの」
千歌「へぇ、完璧な作戦だなぁ。できないことに目をつぶればね!」
千歌「ドララララ!」ドララララララ
千歌(攻撃を弾きつつ近づいてる!これなら!)
カチッ!ド-ン
千歌「なっ!じ、地雷だって!?」
ダイヤ「まずは脚、それから….」
シュ-シュ-シュ-ド-ン!
千歌「うわぁ!」
ダイヤ「私のヘリコプター、アパッチのミサイルであなたの腕を奪いました」
千歌「…………」
ダイヤ「どうしました?もしかして命乞いでもするつもりですか?」
ダイヤ「ダメです。認められませんわ」
千歌「勘違いしてるね。私の作戦は既に"終わってる"んだよ」
シュ-シュ-シュ-
ダイヤ「わ、私が飛ばしたミサイルを、直して!」
ドカ-ン!
千歌「几帳面な性格ならメモしておくべきだね、忘れないように」
To be continued…
第5話『黒澤姉妹その3』
曜「や、やった!倒した!」
千歌「さて、さっさと逃げようか。ルビィちゃんもいつの間にか居なくなってるし」
曜「でもまだ弓矢が見つかってないよ!」
千歌「ちょっと、今から探す気?」
曜「このままだとまた私みたいに傷つく人が出るかもしれないし。私は探すよ」タッタッタ
空き家階段
曜「こ、こっちかな」
千歌「待って」
曜「止めても行くよ私は」
千歌「いや、逆だよ。私も行く。曜ちゃんの勇気に負けたよ」
曜「あ、ありがとう」
空き家屋根裏
千歌「慎重にね、何が待ってるかわからないから」
曜「う、うん」
千歌「よし、行こう!」
曜「うん!…な、なんだろあれ」
千歌「た、倒れてる人がいる…」
ダイヤ「み、見てしまいましたわね」
千歌「ダイヤさん…」
ダイヤ「あれは、私たちの父親ですの。かつて存在したスタンド使いのツバサに魂を売ったね」
千歌「ツバサ…今ツバサって言ったの!?」
千歌(穂乃果さんが言ってた通りだ…)
ダイヤ「今まで裕福なんていう生活はしていなかった。私たちは早くに母親を亡くし、父親に暴力を振るわれる日々を過ごしていた」
曜「そ、そうなんだ」
ダイヤ「だけど、ある日突然うちの銀行口座に大量の金が振り込まれたの。この時すでにツバサの手下になってしまっていたのですわね」
ダイヤ「手下になった際に、肉の芽っていうツバサの歌を具現化したものを埋め込まれていた。父はそれがなにかしらの理由で暴走してから寝たきりですの」
千歌「穂乃果さんが倒したっていうタイミングかな…」
ダイヤ「恐らくね。ただ今となってはどうでもいいんです。死ぬわけでも生きているわけでもない父はもう元には戻れない。だからせめて、楽に死なせてあげたい。私たちのスタンドでは死にませんの」
ダイヤ「父を死なせてあげられるスタンド使いをつくるために!弓と矢が必要なの!」
千歌「そんな…ことが…」
ルビィ「そ、そうなんです。お姉ちゃんはそのためにいろんな人を…」
ダイヤ「黙りなさい!あなたはなにもしないくせに!弓と矢は私が使う!誰にも渡しませんわ!」
ビリビリッ
曜「ダイヤさん!後ろのコンセント!」
ダイヤ「えっ?…がぁぁぁぁぁ!」
ルビィ「お姉ちゃん!」
???「その弓と矢は頂いていくよ!あなたがくれたこの能力でね!」
千歌「ど、どうやって侵入したんだろう…」
ダイヤ「ルビィ!離れなさい!私に近づかないで!巻き込まれますわ!」
ルビィ「いいや、逆だよお姉ちゃん…ザ・ハンド!」ガオン!
???「なにっ!」
ダイヤ「がはぁ!…わ、私の腕が…」
???「姉の腕をスタンドで削り取るとは…ルビィとかいったね。あなたも精神的に成長してるわけか」
???「まあいい、この弓と矢だけはもらっていくよ」
ダイヤ「か、返しなさい!……」バタッ
曜「な、なんてことが…また弓と矢の被害者が出てしまう…」
千歌「振り出しに戻ったね。とりあえず…」
ルビィ「お、お姉ちゃん…ごめんね…」
千歌「あなたのスタンドで消したものは私にも『治せない』。お姉さんの腕は無いままだよ」
千歌「でもそれ以上に…あなたは、命を助けた。どんな方法でも救えない命を助けたんだ」
千歌「ルビィちゃん。あなたは本当に優しいスタンド使いだよ」
ルビィ「あ、ありがとう、ございます…」
千歌「穂乃果さんに連絡しようか。手伝ってくれるはずだよ」
ルビィ「穂乃果さんってまさか高坂穂乃果さんのことですか?」
曜「え?なんで知ってるの?」
ルビィ「穂乃果さんと知り合いなんですか!?」
千歌「急にグイグイくるなぁ…この前会ったばかりだけどね」
曜「どうしたのさ急に」
ルビィ「高坂穂乃果さんって言ったら伝説のアイドルじゃないですか!五年前にエジプト旅行して世界を救ったとか」
千歌「それ有名なんだ。この間初めて知ったよ」
ルビィ「穂乃果さんは冒険の仲間、チームμ'sのみんなと一緒にエジプトに行ったんですよ」
曜「だからツバサのこと知ってたのね」
ルビィ「お姉ちゃんとルビィはμ'sに憧れてPVのセリフまで覚えてたんですよ」
千歌「うわ、ガチ勢だこれ」
曜「そんなに憧れてたなら穂乃果さんに会いに行く?今から」
ルビィ「い、い、いいんですか!?」
千歌「いや、いいっていうか行かないと今はどうしようも無いし。ダイヤさんの腕もどうするかだし」
ルビィ「じゃあ早速行きましょ!」
曜「も、ものすごい行動力だ…」
千歌「やれやれだね…」
ホテルニュー白坂
千歌「というわけなんです」
穂乃果「それは悔しい思いをしたね。ゴールが目の前で逃げてったわけだ」
穂乃果「ただ千歌ちゃんの言う通り、ダイヤちゃんだっけ?が生きていて本当に良かったよ。ルビィちゃんは大した子だよ」
ルビィ「い、い、い、いえ!そ、そ、そんなことない、ですわよ」
曜「ルビィちゃん緊張しすぎてダイヤさんになってるよ」
穂乃果「なんでこの子こんなにガチガチなの?」
千歌「穂乃果さんが有名人だからじゃないですか。私は知らなかったけど」
穂乃果「こんなとこにも知ってる人がいるとは…」
穂乃果「まあいいや。ダイヤさんの腕をなんとかするあてはあるんだよ。そこに頼んでおくから」
曜「治せるの!?」
穂乃果「治すのはさすがに無理だよ。高性能の義手をつけてあげようかと思ってね。知り合いの財団に頼もうかと」
千歌「じゃあしばらくダイヤさんとはお別れですね」
ルビィ「お姉ちゃん、ちゃんと義手つけてもらってきてね」
穂乃果「さてと…頼んでみるかね」ピッ
穂乃果「もしもし?私だよ。…うん、義手を依頼したいんだけど……うん、両腕」
穂乃果「……はぁ!?5000万!?無理だよそんなの!……くだらない嘘やめてくれる?」
穂乃果「……え?製作費サービス!?本当に!ありがと!真姫ちゃん大好き!」
穂乃果「じゃあ迎えをニュー白坂まで来させてくれる?…うん、前で待ってるから…はいはーい」ピッ
穂乃果「タダでいいって」
千歌「電話の相手何者なんですかそれ」
ルビィ「西木野真姫さんですね。μ'sのメンバーの」
穂乃果「え、この子どこまで分かるの?」
曜「大好きなんだねμ'sが」
ルビィ「はい!お姉ちゃんもまきまきまー財団にお世話になったと分かればきっと大騒ぎしますよ」
千歌「なんかすごい子が仲間になってくれたよ」
曜「心強いけどね」
穂乃果「全くその通りだよ」
To be continued…
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