2018-05-13 11:46:42 更新

前書き

!注意!

オリジナルキャラ有り

オリジナルの設定有り

設定の一部変更有り

非公式の情報の抜粋

基本アニメ版設定を軸に展開

ネタバレ有り

"ラブライブ!"の世界観とズレる可能性有り


以上、よろしければお付き合い下さい。



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ラブライブif主人公 "北河 ひかり" プロフィール


年齢 16才 (高校2年生)
誕生日 2月29日
血液型 A型
身長 162cm
3サイズ B72 W56 H80

好きな食べ物 ない (本当は甘いもの)
嫌いな食べ物 ない (本当は辛いもの)
趣味 テレビゲーム
特技 人の選別眼。目を見ればそいつがどんな人間か大体わかるぞ。
チャームポイント ない、よく男に間違われる。
得意科目 基本どの教科もそつなくこなす
子供の頃の夢 正義の味方、だったかな?
得意料理 日本食なら基本なんでも




備考
高坂穂乃果の唯一無二の幼馴染

冷静沈着な性格の持ち主

外見の第一印象は、花の女子高生と言うよりは、美少年を彷彿させるが、正真正銘の女子高生

相手のことは名字で呼び、心から気を許している相手のみ名前で呼ぶ癖がある

制服姿の際は、ブレザーの前のボタンは開けており、スカートの下にはスパッツを着用

男口調で話し、服装も男物を好むため、プロフィール上のチャームポイントに、よく男と間違われると記している

人の説得に長け、かつ下手な大人の男性よりも力がつよく、「弁解力と力ずくを兼ね揃えている」

彼女の目は常に物事の核心を見抜いている

A-RISEのメンバー、綺羅ツバサ、優木あんじゅ、統堂英玲奈の3人を引き合わせたのも彼女である

幼馴染の穂乃果とは、生まれこそ彼女より遅いものの、彼女の姉のように振舞って同じ時間を過ごしてきた

西木野大病院に投資もしている、北河財閥跡取り候補であり、当主、北河 護皇の孫娘

小学生の頃に両親を失い、一時期は祖父のもとに引き取られていたが、幼馴染の穂乃果の頼みで音ノ木に戻り、祖父の援助を受け、一人暮らしをしている

周りの人間と距離を置こうとしているのには、昔何らかの理由で他人を傷つけてしまったことが原因のようだが、本人は多くは語っていない

中学生時代に活動していたバスケットボール部において驚異的な活躍を見せたことと、その時のユニフォームの番号が4番だったことから、死を司る第四の騎士、"ペイルライダー"という二つ名で呼ばれていた

μ'sというグループが形になったら自らは彼女たちのもとを離れようとしていたが、自分が彼女たちに必要とされていることを教えられ、μ'sの監視役として残ることを決意した

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ーー音ノ木坂学院 音楽室ーー








♪ 挿入歌 きっと青春が聞こえる ♪









♪ 素直に追いかけて 勇気で追いかけて ♪


♪ 小さな願いが明日(あした)を作る ♪


♪ できるかも みんなが望むなら ♪



♪ 誰より頑張っちゃえ とにかく情熱のままに ♪


♪ 目指すのは綺麗な風吹く道 ♪



♪ 羽のように 腕上げて ♪


♪ まぶしい未来へと飛ぶよ ♪





♪ きっと青春が聞こえる その瞬間に聞こえる

笑顔ならいつの日も大丈夫! ♪


♪ きっと青春が聞こえる その瞬間が見たいね ♪


♪ となりに君がいて(嬉しい景色) ♪


♪ となりは君なんだ ♪


















μ's「・・・・・」








穂乃果「・・・えへへ♪」



ことり「えへへ♪」



海未「ふふっ・・・♪」






凛「にゃあ〜♪」



花陽「あはは♪」






にこ「・・・♪」



希「うふふ♪」



絵里「ふふっ♪」









ガラガラッ




ひかり「お前ら、こんな所にいたのか?」



真姫「・・・あんた・・・」



ひかり「楽しそうなのはなによりだが、予選まであまり時間がない、準備ができているなら練習を始めてくれ」




穂乃果「はーい♪」



凛「早く行くにゃあ〜♪」タタタ



花陽「あぁ!凛ちゃん待って〜!」パタタ



にこ「しょうがないわね〜♪」スタスタ





ひかり「まったく・・・」スタスタ
































真姫「・・・・・」ニコッ




























♯18 report4 西木野 真姫 追記










ーー西木野宅ーー



ガチャッ



真姫「ただいま」



真姫ママ「あら真姫ちゃん、おかえり♪」







真姫ママ「ふふっ♪学校で何かいいことでもあったの?」



真姫「・・・?何で?」



真姫ママ「だって真姫ちゃん、とても楽しそうな顔してるんだもん♪わかるわよ♪」



真姫「そんなつもり・・・無かったんだけど・・・」



真姫ママ「あら?そうだったの?最近の真姫ちゃんはずっといい顔してるわよ?」



真姫「・・・・・」













真姫「・・・そうかも・・・」ニコッ



真姫ママ「ふふっ♪あ、そうそう、今日はパパも早く帰ってこれるって言ってたわ」



真姫「そうなの?」



真姫「えぇ、久々に家族全員で夕御飯にしましょ♪」



真姫「うん」





















ーー真姫の部屋ーー






真姫「・・・♪」シャカシャカ







コンコン





真姫「・・・!」ガタッ




真姫「な・・・なに?」



ガチャッ





真姫父「・・・真姫・・・」



真姫「パパ?おかえりなさい、・・・どうしたの?」








真姫父「・・・話がある、降りてきなさい」



真姫「・・・?」



















ーー翌日 音ノ木坂学院 屋上ーー





いっちにー

さんしー

ごぉろくしちはちーー





カン カン





ガチャッ




海未「遅れてごめんなさい!」



穂乃果「海未ちゃん!」



ひかり「珍しく遅かったな?先に始めているぞ」



海未「すみませんひかり」









ひかり「ところで園田、西木野を見なかったか?あいつもまだ来てないんだが」



海未「真姫ですか?さぁ・・・見ていませんが・・・」



ひかり「そうか」





ひかり「ともかく全員揃うまでの間にウォーミングアップは済ませておけ、いいな?」



8人「はい!」



















海未「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト」パン パン パン パン










ガチャッ







真姫「・・・・・」





ひかり「お、西木野、やっと来たか」



にこ「遅いわよー?」





真姫「・・・・・」ドサッ




絵里「あら?真姫、どうして制服のままなの?」



真姫「・・・・・」ペタン







穂乃果「どうしたの真姫ちゃん!」



希「具合悪いん?」




真姫「・・・・・」






ひかり「おいおい西木野、花も恥じらう乙女がその格好でそんな座り方をするもんじゃない」


ひかり「見られちゃいけないものを見られちまうぞ〜?」


















真姫「・・・・・」















ひかり「・・・何かあったのか?」













真姫「・・・・・・から・・・」



ひかり「・・・なに・・・?」



























真姫「私・・・今日でμ'sやめるから・・・」













9人「・・・・・」





穂乃果「えぇぇっ!?」



ことり「ど・・・どういうこと?」



海未「何か気に入らないことが・・・?」




真姫「・・・・・」フルフル




凛「まさか誰かに脅されて・・・!?」




真姫「・・・違うわ・・・」フルフル











真姫「私・・・もうμ'sを続けられなくなったの・・・」







にこ「続けられなくなったって・・・どういうことよ!?」



花陽「やっぱり何か・・・悪い病気とか・・・?」




真姫「大丈夫よ、違うわ」フルフル

























ひかり「・・・西木野総合病院の件で何かあったのか?」







真姫「・・・・・」









絵里「・・・親御さんに言われたのね?」



真姫「・・・・・」コクッ



ひかり「なんだと?しかし西木野のお母さんは私たちの活動に否定的な様子はなかったが?」







真姫「昨日パパに見つかって・・・"遊んでいる暇はないはずだ、すぐに辞めなさい"って言われて・・・」



ひかり「・・・・・」









真姫「でも大丈夫よ、曲のことなら協力をやめるつもりはないから、パパに見つからないようにってことにはなっちゃうけど・・・」


真姫「それに私はもともと花陽のついでにμ'sに入っただけだった訳だし・・・」







にこ「はぁ!?何が"花陽のついで"よ!?あんた馬鹿にしてるの!?」



花陽「にこちゃん・・・!」




真姫「・・・!本当のことなんだからしょうがないじゃない!にこちゃんは知らないだろうけど、私は花陽のついでで穂乃果たちに、μ'sに誘われただけだったのよ!」





海未「そんな・・・!」



ことり「私たち・・・そんなつもりじゃ・・・!」








真姫「・・・ごめん、でも安心して、曲のことなら絶対にパパに見つからないようにするから・・・」


真姫「だからみんなは、私のことは気にせずにスクールアイドルを・・・μ'sを続けて・・・」




























穂乃果「そんなのーー」



ひかり「却下だ」






穂乃果「・・・ひかりちゃん」



真姫「あんた・・・」







ひかり「・・・父親に辞めろと言われて、仕方がないからμ'sを辞める?」


ひかり「自分の意志を押し殺してまで親の選択に従う?」








ひかり「ふざけるな」



ひかり「お前のその目は、そんな答えに納得してはいない」





真姫「・・・!」






ひかり「それにお前は"ついで"なんかじゃない、西木野のことをそんな風に思っているやつはこの中に1人もいない」


ひかり「お前は今まで共にやってきた仲間だ、"ついで"なんかじゃない、そうだな?矢澤」



にこ「当たり前でしょ!真姫!あんたはμ'sの立派なメンバーなのよ!?そんな自分のことを"ついで程度"だとか言うなんて、馬鹿にしてるにも程があるわよ!!」


にこ「そんなあんたが、その程度の中途半端な理由でμ'sをやめるだなんて絶対許さないわよ!!」





真姫「にこちゃん・・・」
















ひかり「・・・西木野の父親を説得しよう、お前はこんなところで諦めるべきじゃない」































真姫「・・・ごめん」ポロポロ




真姫「・・・!」クルッ





にこ「真姫っ!!」


ひかり「西木野!」





ガチャッ!


バタン!





タタタタタ・・・











穂乃果「・・・真姫ちゃん・・・」



にこ「・・・くっ・・・!」






ひかり「・・・・・」























ーーアイドル研究部部室ーー





凛「真姫ちゃん・・・泣いてたね・・・」



花陽「・・・うん・・・」



にこ「・・・・・」



ひかり「・・・・・」







花陽「・・・何とかしてあげられないかな・・・?私たちで・・・」



凛「そうだよ、こんなんじゃ・・・真姫ちゃんがかわいそうだにゃ・・・」











にこ「ったく!何が父親よ!!」ガンッ!



花陽「・・・!」ビクッ!


凛「にゃっ・・・!」ビクッ!



ひかり「矢澤・・・」






にこ「いくら産んでくれた親だからって、娘の未来まで決めつけていいわけ!?」


にこ「娘のやりたいことを奪ってまで私物化する資格があるの!!?」




にこ「愛する娘のやることなら!誇りに思いなさいよっ!!」ガンッ!




凛「にこちゃん・・・」















花陽「でも・・・真姫ちゃんもどうしてそこまで・・・?」



ひかり「・・・家庭の事情までは把握出来ないから何とも言えないがーー」


ひかり「こういう場合、矢澤の言うとおり娘を私物化しているということも考えられる」



凛「真姫ちゃんを私物化って・・・どういうこと・・・?」









ひかり「幼い頃に数多くの習い事をさせられている子供の話は聞いたことがあるだろう?中学受験もその一例だ」


ひかり「もちろん本当に子供のためを思ってやらせている親もいるだろうし、子供自身が本当にやりたいと言ったというのも無くはないだろうがーー」


ひかり「中には"子供の将来を思ってと言う口実"で、自分が見栄を張りたいがために子供に強いている親もたくさんいる」


ひかり「・・・"これだけ我が子を立派に育て上げた私はすごいでしょ?"と言わんばかりにな」






凛「そんな理由で!?」



花陽「そんなのってーー」



ひかり「そうだ、その親にとっては我が子というのは、自分の虚栄心を満たすための道具に過ぎないってことさ」


ひかり「その親本人に自覚があるかないかは別としてな」






凛「そんなの・・・酷いにゃ・・・」



にこ「くっ・・・!」ガンッ!






ひかり「さっきも言ったが事情がわからない以上、真相はまだわからない」



ひかり「・・・西木野の父親がそうでないことを祈るばかりだな・・・」
























ーー西木野宅 真姫の部屋ーー






ガチャッ



バタン







ドサッ



真姫「・・・・・」







ひかり『ふざけるな』



ひかり『お前のその目は、そんな答えに納得してはいない』









真姫「・・・納得してはいない・・・か・・・」


真姫「仕方ないじゃない・・・」




















真姫父『なんだ、1位じゃないのか』


真姫父『なに、真姫は勉強では学校で一番だからな』




真姫父『ピアノができるよりずっとすごいさ』



まき『・・・・・』






















真姫「・・・今まで一度だって、自分だけが納得できる生き方なんて許されなかったわよ・・・!」ポロポロ
































ーー翌日 音ノ木坂学院 1年生教室ーー








ガラガラッ



女子生徒1「おはよー!」


女子生徒2「お、おはよう!」




ガヤガヤ





花陽「・・・・・」


凛「・・・・・」










花陽「・・・真姫ちゃん・・・やっぱり来てないね・・・」


凛「うん・・・」

















ーー放課後 屋上ーー





ガチャッ





ひかり「お、来たか、花陽、凛」



花陽「・・・・・」


凛「・・・・・」






穂乃果「・・・真姫ちゃんは・・・?」




花陽「・・・・・」フルフル


凛「・・・・・」フルフル





絵里「・・・そう・・・」



にこ「・・・・・」








ひかり「・・・お前たちの気持ちは分かるが、お前たちにはラブライブ!予選が控えている」


ひかり「今は練習を怠らず、予選に備えよう」


























絵里「それじゃあフォーメーションの確認をするわよ!」



7人「はい!」



ひかり「私が見ておいてやる、絢瀬も入れ」



絵里「ありがとう、ひかり」








穂乃果「それじゃあ!」



ザッ






ひかり「・・・ん?ちょっと待て」



凛「にゃ?」



希「どうしたん?」



ひかり「いや、フォーメーションがちょっとおかしくないか?」



ことり「そうかな?」



花陽「今までもずっとこうやってたはずですが・・・」






ひかり「いや・・・だからだよ、凛と矢澤の間、ポッカリ空いてるじゃないか」



海未「・・・?それが何か?」






ひかり「お前ら・・・そこは西木野の位置だろ?今はもう西木野はいないんだから、その配置だと見栄えがーー」















にこ「はぁ!?あんたバカじゃないの!?」ガタッ



ひかり「うぉっ・・・?」








穂乃果「そうだよ!真姫ちゃんは"ここ"にいるんだよ!」


凛「そうにゃそうにゃ!真姫ちゃんも一緒に歌うにゃ!」






海未「真姫がせっかく戻って来た時に居場所がないのはあんまりでしょう?」


希「ウチらは真姫ちゃんが帰ってきた時に、最善の状況で迎えられるようにしないとね!」







ひかり「・・・お前たち・・・諦めてなかったのか・・・?」




絵里「あたりまえじゃない、真姫は私たちの大切な仲間よ?」


にこ「当然!なんならその父親とか名乗ってる木偶の坊を引っ叩いてでも連れ戻すわよ!」




ひかり「・・・そうか・・・」ニコッ








ひかり(・・・彼女たちの瞳から、まだ光は消えてはいない・・・)


ひかり(なら、それの彼女たちの思いに応えるのが私の役目・・・)






ひかり(しかし今回の事態に対して・・・私に一体何ができる・・・?)



ひかり(一体・・・何が・・・?)





















ーー音ノ木坂学院前ーー






真姫「・・・・・」




クルッ





真姫「・・・・・」グスッ






スタスタ

















ーー街中ーー






ブロロロ・・・





真姫「・・・・・」







〜 信号が青になりました 〜







真姫「・・・・・」スタスタ





ブロロロ・・・



真姫「・・・?」クルッ









ゴオォォォォォッ!




真姫「きゃ・・・!?」














ゴッ!





キキーッ!


ガシャーン!!





女性1「きゃあぁぁぁっ!」


男性1「おい!女の子が車に轢かれたぞ!!」



男性2「大丈夫か!?しっかりしてくれ!」


女性2「は・・・早く救急車を!」














真姫「ぅ・・・うぅ・・・」ガクッ




















ーー音ノ木坂学院 放課後ーー





ひかり「よし、今日はここまでだ」




8人「お疲れ様でした!」






凛「にゃあ〜・・・今日もいっぱい動いたから疲れたにゃあ」



花陽「凛ちゃん、お疲れ様♪」





穂乃果「予選もだいぶ近くなって来たけど・・・どうかなひかりちゃん?」



ひかり「いや、今の状態を維持できれば問題は無いだろう、着実に仕上がってきている」



ことり「本当ですか!?」



ひかり「あぁ」



希「よかった〜」







ひかり「・・・・・」










ガチャッ!





ヒデコ「穂乃果!!」


フミコ「ひかりさん!!」


ミカ「はぁ・・・!はぁ・・・!」




ひかり「・・・?お前ら?」



穂乃果「どうかしたの?」














ミカ「た・・・大変だよ!!真姫ちゃんが・・・!!」

























ひかり「・・・なんだと!!?」





















ーー病院ーー





ウィーン





ひかり「はぁ・・・!はぁ・・・!」タタタタタ



穂乃果「真姫ちゃん・・・!」タタタタタ


凛「真姫ちゃぁん・・・!」グスッ


花陽「凛ちゃん・・・!泣かないで・・・!」グスッ






タタタタタ



受付「あぁっ!?あなたたち!ちょっとーー」



絵里「ごめんなさい!事情は後で説明します!」タタタタタ















ひかり「・・・!」バッ!




真姫ママ「あ・・・」



ひかり「・・・!あなたは・・・」



真姫ママ「ひかりちゃん・・・それにみんなも・・・?」





にこ「あの!真姫ちゃんは・・・どうなったんですか!!?」




真姫ママ「・・・それがーー」









医者「・・・・・」ツカツカ





真姫ママ「・・・!先生!ウチの子は・・・真姫ちゃんはどうなんですか!?」


ひかり「・・・・・」
















医者「・・・命に別状はありません」



医者「車との接触事故の際、彼女自身が辛うじて避けてくれたため、接触もほとんどなく、怪我も軽い打撲程度です」



真姫ママ「本当ですか!?」




ことり「よかったぁ・・・!」


にこ「まったく・・・」














医者「・・・ですが・・・」



真姫ママ「え・・・?」


ひかり「・・・何か・・・?」











医者「事故の際彼女は、強く頭を打って、今も意識が戻っていません・・・」



真姫ママ「・・・!!」



絵里「そんな・・・!」






医者「今は安静にはしていますが、いつ目が覚めるか、目覚めた時どうなるかは・・・わかりません・・・」






ガチャッ







真姫ママ「真姫ちゃん!!」タタタ




にこ「真姫!!」











真姫「・・・・・」








穂乃果「真姫ちゃん!しっかりして!」



凛「真姫ちゃん!」








花陽「真姫ちゃん・・・!目を開けてよぉ・・・!」



ことり「真姫ちゃん・・・!お願い・・・!」










希「真姫ちゃん・・・!こんなのウソやよね!?真姫ちゃん!!」



にこ「・・・くっ・・・!」







真姫「・・・・・」











ひかり「・・・今日のところは身を引こう・・・親御さんにも迷惑がかかる・・・」



穂乃果「でも真姫ちゃんがーー」



ひかり「今私たちが西木野にしてやれることはない、私たちはただ・・・西木野を信じて待とう」



海未「・・・はい・・・」






スタスタ


























真姫「・・・?」パチッ



真姫ママ「・・・!」







真姫「マ・・・マ・・・?」



ひかり「・・・!!?」クルッ



真姫ママ「真姫ちゃん!!」







ひかり「西木野!」



にこ「真姫ちゃん!!」




真姫「・・・?」






穂乃果「真姫ちゃん!気がついたんだね!?」



花陽「よかった・・・よかったよぉ・・・!」ポロポロ


凛「も〜、かよちん泣き虫だにゃあ・・・」ポロポロ




真姫「・・・・・」




絵里「よかったわ・・・理事長に報告して来るわね」


ことり「あ、私も行くよ絵里ちゃん!」






真姫「・・・・・」






真姫ママ「本当によかったわぁ・・・私の真姫ちゃんにもしものことがあったらどうしようかと・・・!」グスッ



希「大丈夫真姫ちゃん?どこか痛いとことかない?」



にこ「ずいぶん早いお目覚めじゃない、まったく〜、どれだけ心配したと思ってんのよ〜?」





真姫「・・・・・」






ひかり「・・・?どうした?大丈夫か西木野?」





























真姫「・・・パパ・・・?」




ひかり「・・・は?」



にこ「パパ?」










ひかり「・・・?」クルッ



真姫ママ「・・・・・」フルフル



ひかり「・・・・・」クルッ



にこ「・・・・・」フルフル







真姫「・・・パパ・・・♪」

























ひかり「・・・パパ?私が?」




























医者「・・・どうやら頭を打った衝撃で、今の記憶と周りへの認識が曖昧になってしまっているようですね」



穂乃果「・・・どういうこと?」



医者「今自分がどんな状況にあるのかがわからなくなる、周りのものがあるがままに見えなくなる、といったところでしょう」



ひかり「それにしたって、私がパパとはどういうことです?子を持つような歳でもなければ、そもそも私は女ですよ?」



医者「周りのものがどうであろうと関係はありません、彼女にその者がどう映るかは彼女の気持ち次第です」


医者「おそらくですが、彼女は父親に対して何か強い想いがある、それが尊敬か、あるいは・・・そこまではわかりません」


医者「その強い想いこそ、あなたが自分の父親に見えてしまったきっかけかもしれませんね・・・」


医者「奥様、何か心当たりは?」



真姫ママ「・・・いえ・・・」





ひかり「・・・・・」





希「それって、ずっとこのままなんですか・・・?治るんですか!?」




医者「症状は一時的なものでしょう、時間が経ち、彼女の気持ちに整理がつけば元に戻るはずです」



海未「よかった・・・」ホッ




凛「よかった・・・!ホントよかったにゃ!」ダキッ


花陽「ぴゃっ!り・・・凛ちゃん、苦しいよぉ・・・!」




医者「回復が見られるまでは安静にしていることが一番です、何かあればすぐに呼んでください」



真姫ママ「あ・・・ありがとうございます!」










真姫ママ「真姫ちゃん!よかったわね!もう大丈夫よ!」ポロポロ



真姫「・・・ママ・・・?どうして泣いてるの・・・?」



真姫ママ「だ・・・大丈夫よ、嬉しくて泣いてるだけだから・・・!」グスッ



真姫「嬉しい・・・?どうして・・・?」










ひかり「・・・やはり今自分の置かれている状況が把握できていないようだ・・・」


ひかり「絢瀬、理事長への報告は?」



絵里「大丈夫、真姫の現状も含めて報告済よ」



ひかり「そうか、なら私たちはそろそろ失礼しよう、長居すると西木野の負担にもなりかねん」



海未「そうですね、真姫の無事も確認できましたから」






絵里「お騒がせして申し訳ありませんでした」ペコッ



真姫ママ「とんでもないわ、真姫ちゃんのためにありがとね♪」ニコッ



真姫「・・・!」



ひかり「失礼します」ペコッ




スタスタ












真姫「パパ!」ガバッ!



真姫ママ「真姫ちゃん!?起きたら危ないーー」





タタタ



ガバッ





ひかり「うぉっ?」グラッ



真姫「・・・!」ギュッ





凛「あれれ?」



穂乃果「真姫ちゃん?」







ひかり「お・・・おい・・・どうした・・・?」
























真姫「パパ・・・行かないで・・・!」ウルウル









ひかり「あ・・・?ぁ・・・う〜ん・・・」










にこ「・・・・・」




絵里「・・・一緒に居てあげれば?ひかり」



ひかり「は?だがーー」



真姫「パパ・・・!」グスッ




穂乃果「真姫ちゃんも一緒に居て欲しいって言ってるよ?パ〜パ♪」











ひかり「・・・よろしいですか・・・?」



真姫ママ「もちろん大歓迎よ、よろしくね♪」






ひかり「はぁ・・・わかった」













真姫「パパ・・・♪」ギュッ



ひかり「やれやれ・・・」







絵里「さて、大切なパパと娘の時間を邪魔しないように、私たちは帰りましょうか♪」



ひかり「茶化すな」




凛「じゃあね〜!真姫ちゃん!ひかりちゃんパパ〜!」



にこ「・・・ふん!」







ガチャッ


バタン








真姫「パパ・・・♪」スリスリ






ひかり「まったく、そこまでできるほど元気なのは結構だが、安静にしてなきゃダメだろう?」



真姫「・・・?」



ひかり「西木・・・いや・・・真姫、今日は疲れただろう?ゆっくり休め」



真姫「うん♪」




真姫ママ「あらあら♪」



















ーー夜ーー





真姫「すぅ・・・すぅ・・・」



真姫ママ「ふふっ・・・♪」






ガチャ





ひかり「・・・娘さんはどうです?」



真姫ママ「大丈夫、疲れたのかグッスリ眠っているわ」



真姫「すぅ・・・すぅ・・・」









ひかり「・・・そうですね・・・ここ最近、彼女にはいろいろあり過ぎた・・・」





ひかり「今回の事故のこともありますがーー」


ひかり「作曲担当、そしてμ'sの正式メンバーとしてスカウトされ、アイドル研究部への加入」


ひかり「その間練習に明け暮れ、数々のライブを行い、舞台に立つ毎日」


ひかり「そしてその部活動が今、父親の意見によって奪われようとしている・・・」



真姫ママ「・・・・・」








ひかり「・・・教えていただきたい、娘さんの部活動について反対していたのであれば、何故今になってなのですか?」



真姫ママ「ごめんなさい・・・私は反対していた訳ではないの」


真姫ママ「真姫ちゃんにもたくさん友達ができるいい機会だと思っていたし、真姫ちゃんが部活をしていたからって勉強を疎かにする子じゃないことも知っていたから・・・」












真姫ママ「・・・でも、主人はそうではなかった・・・」



ひかり「・・・西木野先生・・・ですか?」



真姫ママ「そう・・・主人は、自分と真姫ちゃんの夢を奪われる可能性があるものは、すぐに否定したかったと・・・」



ひかり「先生と彼女の夢、というと?」



真姫ママ「前に話したかもしれないけど、この子はウチの病院を継ぐことになっているの」


真姫ママ「それが真姫ちゃんに目指してもらいたかった夢、それはもちろん私もそう望んでいる・・・」


真姫ママ「主人はあなたたちのやっていた活動が、その夢を叶えるための障害になりかねないと判断したみたいなの・・・」


真姫ママ「・・・"余計なことをしている暇はない"って・・・」







ひかり「・・・"親の心子知らず"とはよく言ったものですが、その逆がまかり通っていてはダメでしょう」


ひかり「少しは娘の気持ちも考えてほしいものです・・・」



真姫ママ「・・・ごめんなさい・・・私じゃ主人の説得はできないの・・・」







ひかり「しかし、私たちの活動ももう少しで半年を迎えようとしています」


ひかり「それだけの長い期間があれば、娘さんが部活動をしていたという事実くらいならいくらでも知る機会はあったはず・・・」


ひかり「それが何故、今になってなのです?」






真姫ママ「主人は仕事が忙しくて、家を空けることが多いの、真姫ちゃんの現状を伝える機会すらほとんど無いほど・・・」


真姫ママ「だから家のことはほとんど私が担っているのよ、真姫ちゃんの学校生活での行動も・・・」







ひかり「・・・確かにお忙しいようですね・・・この病室にも一度も顔を出してはいませんし・・・」



真姫ママ「・・・・・」



























ひかり「・・・失礼を承知でお尋ねしますが、ご主人は娘さんを・・・真姫さんをどう思われているのです・・・?」キッ











真姫ママ「・・・それはーー」























真姫「・・・パパ・・・」グスッ



ひかり「・・・!」


真姫ママ「真姫ちゃん・・・!」

















真姫「パパ・・・ママ・・・どこ・・・?ひとりにしないで・・・!」ポロポロ



ひかり「真姫・・・!」














真姫ママ「真姫ちゃん、大丈夫よ」



真姫「ママ・・・」



真姫ママ「よしよし、こわい夢を見ちゃったのね?かわいそうに」なでなで



真姫「・・・ママ・・・♪」



ひかり「・・・・・」







ひかり「・・・真姫」



真姫「・・・パパ・・・?」



ひかり「大丈夫・・・大丈夫だ、父さんも母さんもここにいる、ずっと・・・お前の側にいるから・・・!」ギュッ







真姫「・・・パパ・・・♪」







真姫ママ「ふふっ♪さぁ真姫ちゃん、パパもママもちゃんと真姫ちゃんの側にいるから、安心しておやすみなさい♪」



真姫「・・・うん・・・♪」



真姫「・・・・・」



真姫「すぅ・・・すぅ・・・」







真姫ママ「おやすみ、真姫ちゃん♪」



ひかり「・・・・・」ニコッ


















ーー翌日ーー






真姫「すぅ・・・すぅ・・・」








ひかり「・・・・・」ピッ ピッ ピッ






プルルルル


ガチャッ







絵里「もしもし?」



ひかり「私だ、すまないな、こんな朝早くに」



絵里「平気よ、真姫の様子はどう?」



ひかり「今はまだグッスリ眠っているよ、症状が酷くなることはなかったから安心してくれ」



絵里「そう、よかったわ」






絵里「あと今朝のニュースで見たんだけど、真姫をこんな目に合わせた轢き逃げ犯はあのあと警察に逮捕されたって」



ひかり「そうか、後々そっちの話でも忙しくなりそうだが、ひとまずはよかったよ」





絵里「ところでひかりはどう?こっちに来れそう?」



ひかり「難しいな、真姫が離してくれそうにない」


ひかり「学校にはさっき休みの連絡を入れておいた」












真姫「・・・?」パチッ













ひかり「あと私がいない間も練習は怠るなよ?予選も近いんだ」


ひかり「真姫がいない今、頼れるのはお前と園田くらいだ、頼むぞ?」



絵里「大丈夫よ、任せておいて」


絵里「それじゃあ、真姫のことをよろしくね」



ひかり「あぁ」




ガチャッ


ツーッ ツーッ ツーッ










ひかり「・・・・・」




真姫「・・・パパ・・・?」




ひかり「・・・!あ・・・真姫、目が覚めたのか」



真姫「・・・今のは・・・仕事の電話・・・?」



ひかり「あ・・・あぁ」








真姫「・・・パパ・・・ごめんなさい・・・」



ひかり「どうして真姫が謝るんだ?」



真姫「だってパパ・・・仕事で忙しいのに、ずっと私の側でお見舞いしてくれて・・・」



ひかり「何を言う?大切な真姫が大変な目に合ったんだ、見舞いくらい買って出てでもさせてもらうよ」





真姫「パパ・・・♪」パァァッ










ひかり(よかった、少しずつだが真姫も今の自分の状況を理解し始めているようだ)


ひかり(未だに私のことは"パパ"呼ばわりだがな・・・)










真姫「・・・パパ?」













ひかり(しかし、私は今までこんなにも弱々しい彼女を見たことがなかった)


ひかり(事故の衝撃のせいか、それともこれが彼女の本質か・・・)











真姫「パパ!」ガバッ



ひかり「うぉっ?」



真姫「どうしたの?大丈夫?」キョトン



ひかり「あ・・・あぁ、大丈夫、少し考え事をしていただけだ」







ガチャッ





真姫ママ「あ!真姫ちゃん!起きてたのね?」



真姫「ママ!」



真姫ママ「よしよし♪ホントに真姫ちゃんが元気でよかったわ♪」なでなで



真姫「・・・♪」







真姫ママ「そうだ真姫ちゃん、何か食べたいものはない?何でも言って!」




真姫「食べたいもの・・・トマトが食べたい」



真姫ママ「トマトね、わかったわ!」



ひかり「真姫、トマト好きなのか?」



真姫「うん、そうよ」



真姫ママ「そうそう、真姫ちゃんは昔からトマトが大好きだったものねー♪」



ひかり「・・・そうか」








真姫ママ「それじゃあ、ママ今から買ってくるわね」



真姫「うん、行ってらっしゃい」





真姫ママ「じゃあ真姫ちゃんのこと、お願いね?」




ひかり「はい、任せてくだーー」


スッ


ひかり「むぐっ・・・?」


真姫ママ「・・・・・」





真姫「・・・?」









真姫ママ「お願いね?"あなた"♪」





ひかり「・・・あぁ、任せておけ・・・」
























ーー音ノ木坂学院 アイドル研究部部室ーー



ガチャッ





穂乃果「おはよー!」




凛「あ、穂乃果ちゃん!」


花陽「おはよう」




ことり「みんなおはよー」


海未「遅くなってすみません」




希「お、穂乃果ちゃんたちも集まったね」



にこ「どうなのよ?生徒会の方は?」




ことり「絵里ちゃんたちが残してくれた引き継ぎももうすぐ終わりそうだよ」



海未「どこかの生徒会長さんが、もっと要領が良ければとっくに終わっていたのですが・・・」



穂乃果「えへへ・・・ごめん・・・」








穂乃果「あ、そうだ、今日やっぱりひかりちゃんも休みだって」



絵里「えぇ、大丈夫、今朝ひかり本人から連絡があったわ」







にこ「・・・・・」




希「・・・にこっち・・・」



絵里「やっぱり心配?真姫のこと・・・」







にこ「・・・事故の当日、真姫ちゃんのお見舞いに来たのって、真姫ちゃんのお母さんと私たちだけだったわよね?」



凛「え?」


花陽「う・・・うん、そうだよね」














にこ「・・・何で父親は出てこないわけ?」



ことり「それは・・・」



穂乃果「確かにそうだよ!真姫ちゃんが大変な目に合ったのに!」



海未「ですが真姫の父上は大病院の医師、家族のために時間を割く余裕すらないのかもーー」






にこ「だったらなんだってのよ!?真姫があんな辛い思いをしてんのよ!?」ガタッ!



海未「にこ・・・」




にこ「そのくせ真姫がアイドルをやってると知ったらすぐに辞めろだなんてーー」


にこ「偉そうなことをぬかしておいて、結局何もできないんじゃないの!?」



にこ「娘のためになら、無理の一つでも聞きなさいよ!それができなきゃ父親失格よ!!」ガンッ!





穂乃果「・・・にこちゃん・・・」



















ーー西木野総合病院ーー





真姫父「・・・・・」




医師1「先生!例の件について質問が・・・」



真姫父「・・・何だ?」








医師1「・・・・・」


真姫父「・・・・・」






医師1「なるほど・・・わかりました!ありがとうございます!」



真姫父「そうか・・・よかった」



医師1「失礼します」スッ



カツカツカツ・・・







真姫父「・・・・・」



医師2「・・・先生?」



真姫父「何だ?」



医師2「あの・・・失礼を承知でお聞きしたいのですがーー」


医師2「たしかに私たちは常に、先生に頼りきりになってしまっているのは事実です・・・」


医師2「ですが・・・先生の娘さん・・・真姫さんが事故に遭ったと聞きました」










真姫父「・・・それで?」



医師2「あの・・・娘さんのお見舞いとか・・・無事を確認なさらなくていいのですか・・・?」











真姫父「・・・・・」


























ーー病院 真姫の病室ーー




真姫「ごちそうさま、おいしかった♪」



真姫ママ「そう、よかったわぁ♪」



ひかり「ふっ、真姫が元気になってくれてよかったよ」







ピリリ ピリリ ピリリ




真姫「・・・?ママ、電話よ?」



真姫ママ「あら?ホントね」



ひかり「出るといい、真姫は私が診ている」



真姫ママ「ふふっ♪ありがとう、あなた♪」



ひかり「・・・・・」







ガチャッ



バタン











真姫「・・・パパ」



ひかり「どうした真姫?」



真姫「ホントにいいの?今日は仕事に行かなくて?」



ひかり「くどいな真姫、大丈夫だと言ったろう?既に休みをもらうと連絡はしてあるからな」










真姫「・・・ごめんなさい、パパ・・・私がこんな事故になんか遭わなければ、パパに迷惑をかけることなんかなかったのに・・・」









ひかり「真姫」スッ



真姫「・・・パパ?」



ひかり「・・・親っていうのはな、子供に迷惑をかけられるためにいるようなものなんだ」


ひかり「むしろ子供にかけられた迷惑など迷惑でもなんでもない、むしろ誇りに思うことだ」


ひかり「子供のためなら無理の一つでも二つでも・・・いくら言われようが聞く、それが親ってものだ」






ひかり「私の両親もそうだった・・・」



真姫「パパ・・・」






ひかり「・・・だから私のことは心配しなくていい」


ひかり「それより早く元気になるようによく休め、いいな?」



真姫「・・・・・」



























真姫「パパ・・・なんだかいつもより優しいね」



ひかり「え・・・?」



真姫「なんだか・・・こんなに優しいパパ・・・久しぶりに見た気がするなぁ・・・」





ひかり「・・・そんなに違うか・・・?」



真姫「うん、えへへ・・・♪」



ひかり「・・・・・」


























ひかり(・・・許せ、真姫)


ひかり(私は今から、卑怯なことをする・・・!)














ひかり「・・・真姫」



真姫「どうしたの?パパ?」



ひかり「もしかしてだが、私は今までに・・・何度も真姫を傷つけるようなことをしてしまっていただろうか?」



真姫「え・・・?」



ひかり「教えてほしい、何か私が・・・真姫の気持ちを考えずにしてしまったこととか、真姫が大切な時にしてやれなかったこととかーー」





ひかり「・・・お前の大切な夢を奪ってしまうようなこととか!」







真姫「・・・!」



真姫「そ・・・そんなこと・・・ないわ!パパは私の・・・大切なーー」









ひかり「真姫、頼む・・・!私はーー」


ひかり「お前にとって、最高の父親でありたいんだ・・・!」







真姫「・・・・・」























パパ『なに、真姫は勉強では学校で一番だからな』




パパ『ピアノができるよりずっとすごいさ』

















穂乃果『いきなりなんだけど、あなた!アイドルやってみたいと思わない!?』



















???『"常に自分の道を決めるのは、周りの人間や状況ではなく、自分自身の意思であるべき"だ』








???『・・・また会おう』



















真姫「・・・・・」















真姫「・・・ねぇ、パパ・・・」



ひかり「なんだ?真姫?」







真姫「私・・・ちゃんとやったよ・・・?パパの言われた通りに・・・」


真姫「勉強だって、誰にも負けないくらい・・・がんばったよ・・・!」



ひかり「真姫・・・」



真姫「習い事だって・・・たくさんあったけど、全部ちゃんとやったよ・・・!」


真姫「大好きなピアノだって・・・1番にはなれなかったけど・・・私・・・がんばったんだよ・・・!」


真姫「だからーー」























ポロポロ



ひかり「・・・!」





真姫「だから・・・褒めてよぉ・・・!よくやったって・・・!!」ポロポロ




ひかり「・・・真姫」



真姫「うっ・・・うぁぁ・・・!」ポロポロ








ひかり「・・・・・」スッ



真姫「・・・パパ・・・」




ひかり「・・・真姫、すまなかった・・・」ポンポン






ひかり「・・・よくやった、お前はすごいよ」



ひかり「・・・お前は、私の誇りだ」ポンポン




真姫「パパ・・・♪」ポロポロ




ダキッ



ひかり「ふっ・・・」



真姫「えへへ・・・♪」ポロポロ




ひかり「・・・・・」
















ひかり「・・・・・」キッ



















ーー西木野総合病院ーー








真姫父「・・・・・」





ガチャッ!



医師3「先生!急患です!」



真姫父「・・・わかった、すぐに行く」ガタッ





コツ コツ コツ

























ーー病院 真姫の病室ーー






コンコン




真姫ママ「真姫ちゃん?起きてる?」













真姫ママ「・・・寝ちゃったかしら?」




ガチャッ




真姫ママ「あ・・・」


真姫ママ「・・・ふふっ♪」









真姫「すぅ・・・すぅ・・・」


ひかり「すぅ・・・すぅ・・・」






真姫ママ「ふふっ♪おやすみ、真姫ちゃん♪」なでなで









ひかり「すぅ・・・すぅ・・・」



真姫ママ「ごめんなさいね、あなたには苦労をかけちゃったわね」






真姫ママ「おやすみ、ひかりちゃん」なでなで





















ーー翌日ーー








真姫「・・・・・」






真姫「ん・・・?うぅっ・・・」ムクッ



真姫「・・・朝・・・?」



真姫「・・・あれ?」







ひかり「すぅ・・・すぅ・・・」





真姫「・・・どうして・・・?」








ひかり「ぅ・・・ん・・・?」パチッ



ひかり「・・・あぁ、真姫、起きていたのか」



真姫「・・・・・」



ひかり「・・・私もこんなところで寝てしまっていたのか・・・すまなかったな、真姫」























真姫「・・・どうしてあんたがここにいるの?」




ひかり「真姫・・・?」


ひかり「もしかして、記憶がもとに戻ったのか?」



真姫「・・・記憶が戻ったってどういうこと?」



真姫「私は確か・・・車に轢かれて・・・それで・・・?」











ひかり「・・・真姫、私は誰だかわかるか?」



真姫「はぁ?あんたはひかりでしょ?北河ひかり!」


真姫「・・・あんたどこかで頭でも打ったの?」



ひかり「よかった、私の知っている真姫だ」






真姫「はぁ?」






ガチャッ






真姫ママ「あら真姫ちゃん、おはよう♪」



真姫「あ、ママ・・・」






ひかり「奥さん、真姫さんの記憶が戻りました」



真姫ママ「え・・・!?本当に!?」



ひかり「はい、間違いありません」






真姫ママ「真姫ちゃ〜ん!よくがんばったわね!」ダキッ



真姫「ヴェェッ!?ちょ、やめてよママ・・・恥ずかしいわよ・・・///」



真姫ママ「お〜よしよし♪」なでなで



真姫「うぅっ・・・///」カーッ











ひかり「さて、なら私ももう行かねばな」ガタッ



真姫「・・・・・」



真姫ママ「ひかりちゃん、本当にごめんなさい、いろいろありがとうね」



ひかり「大切な仲間のためなら当然のことです、お気になさらず」







真姫「・・・あれ?」



真姫ママ「ん?どうしたの真姫ちゃん?」








真姫「そういえば・・・パパが来てたと思ったんだけど・・・?」



真姫ママ「・・・・・」











ひかり「・・・来てたよ」



真姫「え?」


真姫ママ「・・・ひかりちゃん・・・」




ひかり「・・・私は会っていないがな・・・」



真姫「そう・・・」






ひかり「失礼します」ペコッ


ひかり「・・・真姫」



真姫「・・・?」






ひかり「・・・また会おう」





ガチャッ


バタン














ひかり「・・・・・」キッ


















ーー音ノ木坂学院 屋上ーー





海未「ワン!ツー!スリー!フォー!ファイブ!シックス!セブン!エイト!」パン パン パン パン






ガチャッ






ひかり「・・・よぉ」




海未「あ、ひかり!」



穂乃果「ひかりちゃん!おかえりー!」ダキッ



ひかり「おっと・・・?その癖も治らんなぁ」











にこ「ひかり!真姫ちゃんは!?真姫ちゃんはどうなったの!?」



ひかり「・・・真姫は無事に記憶がもとに戻った、怪我の回復も順調で、明日には退院できると連絡があった」



ことり「そうなんですね!よかったぁ」



絵里「一時はどうなるかと思ったわよ」



希「ひとまずは安心やね」










ひかり「さて、予選までの期間も残りわずか、これが最後の追い込みになるぞ、気合いを入れろ!」



8人「はい!」









ひかり「・・・・・」



















ーー翌日 西木野宅ーー







プルルルル プルルルル



ピッ




真姫父「私だ」








真姫父「・・・北河氏が私に?」


真姫父「わかった、すぐに行く」


ピッ



ツーッ ツーッ ツーッ





真姫父「・・・一体なんだ?」

















ガチャッ




真姫父「ん・・・?」






ひかり「・・・・・」




真姫父「・・・君、私は今、北河氏に呼ばれて来たのだが、何か知ってーー」



ひかり「私だ」



真姫父「む?」



ひかり「私は北河 ひかり、北河財閥当主 北河 護皇の孫娘だ」


ひかり「そして今日、お前をここに呼び出したのも私だ」




真姫父「なるほど・・・妻から話は聞いてはいたが・・・」ギシッ





真姫父「私はこう見えても忙しい身でね、要件なら手短に頼む」


















ひかり「・・・お前から真姫を取り返しに来た」



真姫父「真姫・・・?私の娘の真姫のことか?」



ひかり「それ以外に何がある?」







真姫父「・・・おかしな話だね?真姫は私の家族だ、それを君は取り返すと言い出しているのかい?」



ひかり「あぁ、そうだ」







真姫父「はぁ・・・悪い冗談なら他を当たってくれ、そんなことに付き合う暇はないんだ」




















ひかり「・・・お前は本当に、自分は"真姫の父親"と胸を張って言うことができるのか?」



真姫父「・・・何が言いたい?」









ひかり「3日前、真姫は街中を歩いていた時に車に轢かれる事故に巻き込まれた」




真姫父「・・・知っている」



ひかり「本当か?」







真姫父「あぁ、妻から話には聞いている」



ひかり「・・・・・」









ひかり「お前は見舞いにも来なかったな?愛すべき娘の一大事だというのに」



真姫父「・・・・・」




ひかり「・・・お前はいつもそうだ、娘の気持ちなど顧みようともしない」



真姫父「何のことだい?まるで知っているかのような言い方だが?」





ひかり「とぼけても無駄だ、真姫から全て聞いている」


ひかり「真姫はお前たちの言うことをキチンと聞いて、勉強や習い事を全てこなしてきた」


ひかり「自分のすることに、自由など与えられることもなく・・・」


ひかり「それでも彼女は愛する家族を喜ばせるために、努力することをやめることはなかった」


ひかり「それなのにお前は、そんな彼女の想いも考えず、敬意を払うこともなかった」


ひかり「子は親に尽くすことが当然だとでも思っているのか?」



真姫父「・・・・・」







ひかり「更には、彼女が珍しく言った我が儘を聞き付けるや否や、本人の意思を踏みにじって、二言目にはやめろと言ったのもお前だそうだな?」



真姫父「我が儘・・・?あぁ、真姫がやっていた"スクールアイドル"とかいうやつか?」


真姫父「君たちには申し訳ないが、真姫には医学部に行くため勉強する時間が必要だ」


真姫父「それにとくにうちの娘がアイドルをする必要はないように思うがね?」






ひかり「必要かどうかを決めるのは真姫自身だ、お前じゃない」


ひかり「そして彼女が私たちとの活動を必要としているのは明らかだ」



真姫父「どうしてそう言える?」



ひかり「お前よりも側で彼女を見てきた私にはわかる」







ひかり「彼女に初めて会った時、彼女は私にピアノを聴かせてくれた」


ひかり「今考えてみれば、わずかにピアノの音色から出ていた寂しさはこのせいだったのかと思ったよ」


ひかり「だがその目はそれ以上に充実した色をしていた」



真姫父「・・・ふむ・・・」



ひかり「・・・お前は知らないだろうが、あの子はピアノが大好きだったんだ」


ひかり「幼い頃からピアノにこだわっていたのはそのためだ」



ひかり「ピアノコンクールでも、大好きなピアノでがんばっていた自分を、おまえに褒めて欲しかったと泣いていた」


ひかり「お前を喜ばせるために努力していたというのに、報われないことだ」



真姫父「・・・そうか・・・」








ひかり「それだけではない、今回のスクールアイドル活動の反対、そして娘の強制送還」


ひかり「お前に反抗することができなかった真姫はその真実を私たちに、泣きながら伝えに来た」


ひかり「真姫はお前に、二度も夢を奪われたんだ!」



真姫父「・・・・・」







ひかり「・・・娘の笑顔を奪うような真似をするとは父親失格だな」


ひかり「お前が本当に父親なら、娘のすることに誇りを持ってみせろ」









真姫父「・・・北河さん、君たちの気持ちもわかっているつもりだがーー」


真姫父「私たち家族で病院を受け継いで行くのは私の夢であり、そして何より真姫の夢でもある」


真姫父「真姫がそのために努力をし続けてくれている姿を私は見ている」


真姫父「その真姫の夢を、そんな軽はずみな、一時の気まぐれであるスクールアイドルとやらに失われてしまってはーー」


真姫父「それこそ、真姫の夢を奪うことになるのではないか?」



ひかり「・・・・・」



真姫父「私には真姫の父親として、間違った道に進まないように、余計なものを排除しなければならないんだよ」











ひかり「知ったような口を聞くな、お前に真姫の父親を名乗る資格はない・・・!」



真姫父「・・・・・」



















真姫「・・・パパ?誰か来てるの?」




ガチャッ




真姫「・・・!」



ひかり「よぉ、また会えたな」



真姫「あんた・・・どうして・・・?」












ひかり「真姫」



真姫「・・・?」








ひかり「・・・お前は、μ'sを続けたいか?」



真姫「・・・・・」


ひかり「・・・・・」


真姫父「・・・・・」









真姫「・・・・・」コクッ



ひかり「・・・・・」ニッ














ひかり「よぉ、お前には真姫のために余計なものを排除する必要があると言ったな?」



真姫父「あぁ、そうだ」






ひかり「私も北河財閥の跡取りとして生きることを真剣に考えていた時期があった」


ひかり「だがそのことを考えるたびに一つの疑問にぶつかった」


ひかり「・・・本当に私はこのままでいいのかーー」


ひかり「本当に親に用意された道を選ぶことで、自分は納得できるのか・・・と」



真姫父「・・・・・」





ひかり「それは決して、自分の産まれの不幸を呪っている訳ではない」


ひかり「だが人は生きている限り、色々な夢を見る」





ひかり「財閥の跡取りとして、大切な家族とともに見た夢ーー」


ひかり「自分自身が心の底から信じた、譲ることのできない自分が見た夢ーー」


ひかり「仲間たちと過ごした中で見つけた、守りたい仲間たちの夢ーー」



ひかり「それらは確かに、相容れない夢なのかもしれない」



ひかり「だが今は、どれか一つになどと決めることはできない、何が正しいかなどわからない」




ひかり「何が必要なのかなんか、誰にも分かりはしないーー」









ひかり「生きて行くことに、余計なものなんかないんだよ!」




真姫「・・・・・」


真姫父「・・・・・」








ひかり「"常に自分の道を決めるのは、周りの人間や状況ではなく、自分自身の意思であるべき"だ」




ひかり「自分の選んだ道が正しいのか、そうだと言える唯一無二の基準はーー」







ひかり「自分自身がその道を選んで生き続け、最期の時を迎えた時ーー」










ひかり「その人が、笑顔でいられるかどうかだ」











真姫「・・・!」


真姫父「・・・・・」







ひかり「それはどれだけ親しい人間だろうと・・・例え父親だろうとわかることはない」


ひかり「それがわかるのはただ一人」







ひかり「自分自身だけだ」








真姫「あんた・・・」















ひかり「真姫」



真姫「え・・・?」



ひかり「私がしてやれるのはここまでだ」


ひかり「あとは真姫がどうしたいのか、他ならないお前自身が決めろ」


ひかり「そしてそれをこの男に、お前の父親に心からぶつけるんだ」



真姫「・・・・・」









真姫父「真姫、こっちを見なさい」



真姫「・・・・・」クルッ






真姫父「・・・・・」キッ







真姫「・・・・・」ブルブル












ひかり「真姫」パシッ



真姫「・・・!」



ひかり「・・・・・」ニコッ








真姫「・・・!」キッ












真姫「・・・パパ!」



真姫父「・・・・・」





真姫「お願い!私・・・どうしてもμ'sをやりたい!」


真姫「勉強だってちゃんとします!医学部だって絶対受かってみせる・・・!」



真姫「だから・・・!」




真姫父「・・・!」










真姫「・・・お願いだから・・・!」ポロポロ









真姫「私・・・アイドルを続けたい・・・!みんなと一緒にいたいの!」ポロポロ



真姫父「・・・!」












真姫父「・・・・・」ガタッ



真姫「あ・・・」ポロポロ



ひかり「・・・!?」







真姫父「・・・・・」スタスタ




真姫「あぁ・・・」ポロポロ





ガチャッ




ひかり「待てよ・・・」



バタン




ひかり「待てっ!!!」ダッ!




ガチャッ!



タタタタタ





真姫「うっ・・・うぅ・・・!」ポロポロ























真姫父「・・・・・」スタスタ









ひかり「貴様ぁ・・・!」ガシッ



真姫父「・・・・・」



ひかり「逃げるのか!?まだ話は終わってない!」グッ



真姫父「・・・・・」














ひかり「お前にとって真姫は、自分の虚栄心を満たすための道具に過ぎないのか!?」


ひかり「お前は自分の娘に何の誇りもないのか!?」




ひかり「答えろ!!お前は真姫の父親なんだろうが!!」グッ










真姫父「・・・・・」



ひかり「・・・?」
























真姫「・・・うっ・・・グスッ・・・」ポロポロ





スタスタスタ








ひかり「・・・真姫・・・」



真姫「・・・?」グスッ








スッ







ひかり「・・・行こう」



真姫「・・・!」


















ーー音ノ木坂学院 屋上ーー









ひかり「さぁ、着いたぞ真姫」



真姫「・・・ねぇ」



ひかり「ん?」



真姫「あれから・・・パパ、何て言ってたの・・・?」



ひかり「・・・それはだなーー」


















真姫父『・・・父親というのは、君の言うとおり娘に誇りを持って、娘の選んだ道を応援するものだがーー』



ひかり『・・・?』








真姫父『娘が間違えた道を選んでしまった時に、それを正すという仕事もある』



ひかり『・・・・・』










真姫父『だが、君たちとなら心配はなさそうだ』



ひかり『え・・・?』



真姫父『私はあれほど真剣な真姫の目はそうは見たことがない』


真姫父『・・・真姫がそれほど本気だということなのだろう・・・』





真姫父『真姫の一時の気の迷いだったら、そんなことに私たちの夢を邪魔されるのは許せなかったがーー』


真姫父『真姫の心からの夢だとしたら、私も心から応援したい』













ひかり『・・・その言葉に・・・嘘はないんだな?』スッ




真姫父『もちろんだ』



真姫父『だが私は仕事が忙しく、どうしても側にいてやることができない』


真姫父『だから、君に頼む』


真姫父『真姫の夢を・・・応援してやってくれ』




ひかり『・・・もちろんだ・・・』














真姫父『・・・ひかりさん、真姫のことを頼む』



ひかり『・・・・・』ペコッ





タタタタタ







真姫父『・・・・・』スタスタ
















ひかり「ってな」



真姫「そう・・・だったの・・・」



ひかり「真姫の目の前で言えばいいものを・・・親子揃って素直じゃないなぁ」



真姫「・・・ふん!」



ひかり「ふふっ♪」







真姫「あ・・・ありがと・・・ひかり・・・」



ひかり「何を言う?仲間として当然だ」


ひかり「真姫が無事で本当によかったよ」



真姫「・・・ひかり、そういえばいつから私のことを名前で呼ぶようになったの?」



ひかり「ん?まぁそれは色々あってな、今更戻せないから我慢してくれ」



ひかり「それを言えば私も、真姫に名前で呼ばれたのは初めてだったよな?」



真姫「べ・・・別に!特別な意図なんかないわよ!」



ひかり「ははは!そろそろ行こう、あいつらが待ってるぞ」



真姫「うん・・・」




























真姫「・・・ありがと・・・"パパ"・・・」



ひかり「ん?どうした?」


真姫「・・・!何でもないわよ!」





ガチャッ




















ーー翌日 音ノ木坂学院ーー






穂乃果「いやぁ、真姫ちゃんが戻ってきてくれてよかったよぉ」



絵里「ホント、どうなるかと思ったわよ」



真姫「ごめんなさいみんな、迷惑かけて・・・」








ひかり「さて、メンバーも全員揃い、予選まで時間もない訳だがーー」



ひかり「それを承知で、おまえたちに頼みがある」



ことり「・・・?」



海未「どうしましたひかり?」








ひかり「予選の前に一つ、プライベートなライブを所望したい」



凛「プライベートなライブ?」



花陽「どういうことですか?」




ひかり「いや、私たちの活動を知ってほしい人が現れてな、その人向けに一つというわけなんだが」


ひかり「もちろん大々的に公表はする、予選前の宣伝になるだろう」




希「それはええけど・・・」



にこ「いきなりそんなこと言われても、何の準備もないわよ?」






ひかり「予選用に練習していた曲が2つあるだろう?その内の1曲をつかう」





ひかり「お前たちが了解してくれればステージの用意もある」



穂乃果「おー!さすがひかりちゃん!」


穂乃果「それならやらない手はないよね!」



絵里「やれやれ・・・」



真姫「穂乃果はこうなると止まらないからね・・・」













ひかり「それでなんだがな、センターを真姫に頼みたいんだ」



穂乃果「え?」



真姫「どうして?」






ひかり「その理由はあとで話す、穂乃果、悪いが真姫とポジションを代わってもらうことになる、真姫も合わせて練習し直してもらうことになる」



穂乃果「それはいいけどーー」








真姫「ひかり・・・あんたまさか?」



















ひかり「このライブは、とても意味のあるものになるだろう」




















♪ エンディングテーマ Music S.T.A.R.T♪







♪ Welcome song! ひとつになる心 ♪


♪ だからここが私たちの Never ending stage ♪




真姫ママ「真姫ちゃ〜ん♪」





♪ 不思議たくさん見たいね ♪


♪ 君と一緒に感じたい ♪


♪ そんな願いに奇跡とチャンスが La la la LoveLive! ♪



♪ 素敵な出会いありがとう ♪


♪ 信じるチカラありがとう ♪


♪ 勇気で明日は変わるんだね ♪





ーー西木野総合病院ーー



真姫父「・・・・・」







♪ なんで今まで素直になれずにいたの? ♪


♪ Music! 聞いてよ!! ♪


♪ これからみんなでこれから踊ろう ♪


♪ Let’s go! 始めよう!! ♪







♪ だってパーティー終わらない ♪


♪ だってパーティー終わらない ♪


♪ まだまだみんなで 思い切り歌うよ ♪




♪ だってパーティー終わらない ♪


♪ だってパーティー終わらない ♪


♪ 楽しさmiracle 笑顔☆無敵…そんな気分さ! ♪


♪ (とまらないみんな)La la la 最高気分さ!! ♪








♪ Welcome song! ひとつになる心 ♪


♪ だからここが私たちの Never ending stage

— ♪












真姫ママ「わぁ・・・♪」パチパチ




スタスタ




ひかり「いかがでしたか?娘さんの晴れ舞台は?」



真姫ママ「最高ね!真姫ちゃんが心から楽しんでいるのが伝わってきたわ!」



ひかり「それはよかった」







ひかり「・・・ご主人はいらっしゃらなかったのですね・・・」



真姫ママ「ええ、どうしても仕事が外せないって」


真姫ママ「でもちゃんとモニターで見ているはずよ」



ひかり「・・・・・」













真姫ママ「・・・あの人は、真姫ちゃんの立派な父親よ」



ひかり「え・・・?」



真姫ママ「真姫ちゃんが事故に遭ったあと、すぐに私に連絡してくれたの」


真姫ママ「そのあとも毎日、真姫ちゃんを心配して・・・私にずっと連絡を・・・」



ひかり「・・・そうだったんですか・・・?」



真姫ママ「えぇ」





















ピリリ ピリリ ピリリ




真姫『・・・?ママ、電話よ?』



真姫ママ『あら?ホントね』



ひかり『出るといい、真姫は私が診ている』



真姫ママ『ふふっ♪ありがとう、あなた♪』



ひかり『・・・・・』







ガチャッ



バタン








ピッ





真姫ママ『もしもし?』



真姫父『私だ、瑞妃・・・真姫は大丈夫なのか?』



真姫ママ『心配ないわ、元気よ、今はまだ気持ちの整理がついてないみたいだけど』


真姫ママ『今は大切な友達が側にいてくれているから大丈夫よ』



真姫父『・・・そうか』







真姫ママ『ところで仕事は今大丈夫なの?』



真姫父『なんとか空き時間を見つけて今連絡している』


真姫父『だが今はそんなことより真姫が心配だ』
















真姫父『・・・瑞妃・・・』



真姫ママ『なに?あなた?』






真姫父『私は・・・ちゃんと真姫の父親になれているだろうか・・・?』


真姫父『真姫には昔から寂しい思いをさせてしまったからな』


真姫父『それに、今もこうして真姫が大変な時に見舞いにも行ってやれない・・・』







真姫父『瑞妃・・・私は真姫の父親だと名乗る資格があるのだろうか・・・?』





真姫ママ『大丈夫よ、あなたは立派な真姫ちゃんの父親よ、そのことは私が誰よりもよく知っているわ』



真姫父『・・・・・』











真姫父『・・・瑞妃、真姫のことを頼む』



真姫ママ『・・・はい!』






ツーッ ツーッ ツーッ















ひかり「・・・それは・・・また私はデリカシーのないことを言ってしまいましたか・・・」


ひかり「また穂乃果に怒られるな・・・」




真姫ママ「でもあの人も、あなたのことを気に入っていたわよ?」



ひかり「そうなのですか?」



真姫ママ「あそこまで自分の意見を物怖じせずに言えるのは大したものだって言っていたわ」


真姫ママ「あと、あそこまで真姫のために本気になってくれるとは、真姫もいい友達を持ったって」


真姫ママ「それはもちろん私もそう思っているわ」



ひかり「・・・ありがとうございます」










真姫ママ「ひかりちゃん、私からも頼むわ」






真姫ママ「真姫ちゃんのこと、よろしくね♪」





ひかり「はい、任せてください」













真姫「・・・♪」ニコッ





















♯18 report4 西木野 真姫 追記「本当の気持ち」 fin


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