2020-08-13 13:49:22 更新

概要

海軍上層部が決めた鎮守府一般公開。

いろいろ話し合った結果、我が鎮守府でも行うこととなり、決まったからには、少しでも多くの一般の方々へ理解してもらえるよう尽力していきたいと思いながら、当日を迎えることになる。


前書き

どうも!柔時雨です。

以前、他の作者さんの作品に思った感想を書かせていただき、その返信で許可を頂きましたので、12話目となる今作を投稿させていただきました!

……俺自身、鎮守府見学とかをしたことが無いので、何が正しくて何が間違っているのか、よく解ってないのですが……
っていうか、自分の艦これゲームのサーバーと、この作品で提督を最初に着任させた鎮守府 『 パラオ泊地 』って、あれ……海外のパラオにある泊地のことだったんですね。俺はてっきり、日本にある鎮守府で何かの軍事用語で 『 パラオ 』って使ってるものだと……

最近まで割と素で思ってました。情報を知らないって怖いなぁ……と思った瞬間でもあります。( ; ゚ Д ゚)

とにかく!いつも優しく此処を覘きに来てくださった皆様に、少しでも楽しんで頂ける作品になっていればいいなぁ……と思っています。

それではまた、どうぞゆっくりしていってください。


鎮守府 ・ 応接室



元帥 「では、今回の議題は後日行われる鎮守府一般公開についてじゃが……」


提督 「いや……ちょっと待てや。」


リア友提督 「何や?提督。」


提督 「何や?もクソもあるか!何でそういう重要な案件を話し合う場所が……本部の会議室じゃなくて、ウチの応接室なんだよ!?」



どういう理由でウチに決まったのかは知らんが、現在この応接に設置された4つのソファに俺達提督、そして元帥が腰を下ろし……それぞれ、俺の傍に那智が、リア友の傍には黒潮ちゃんが、元帥の傍には大淀さんが、後輩の傍には高雄が立っている



後輩提督 「いいじゃないですか。1度来たいと思ってたんですよね、先輩の鎮守府。」


提督 「……まぁ、別にいいけど……それより、お前……最近は高雄が秘書官を務めているのか?阿武隈ちゃんはどうした?」


後輩提督 「えっと……えっとですね?実は…………」



~ 数分前 ~


鎮守府 ・ 正門



後輩提督 「おぉ~……此処が先輩の鎮守府ですか!」


雪風 「司令!司令!ちょっと探検していいですか!?」


文月 「文月も行く~。」


後輩提督 「うん、いいよ。でも、くれぐれも此処の艦娘さん達には迷惑掛けないようにね?」


雪風 「はいっ!」

文月 「はぁ~い♪ 」


そう言いながら雪風が阿武隈の右腕を、文月が左腕を掴む。


阿武隈 「ふぇ!?」


後輩提督 「えっ!?」


雪風 「それじゃあ、行きましょう!阿武隈さん!」


文月 「引率お願いしますね~。」


阿武隈 「えっ!?ちょっと、私……これからてーとくと一緒に会議に参加ぁあああああ…………」ズルズル……


後輩提督 「阿武隈ちゃぁぁぁん!!瑞鳳ちゃん……ちょっと皆のことお願いできるかな?会議には高雄さんに出てもらうから……」


瑞鳳 「う……うん。やれるだけのことはやってみるよ……」



~ 回想終了 ~



後輩提督 「……と、せっかく皆さんで集まるならお披露目しようと一緒に来てもらった、先日建造で新しく着任してくれた雪風ちゃんと文月ちゃんに……その……ドナドナされまして……急遽高雄さんにお願いしました。」


黒潮 「雪風ぇ……」


元帥 「ふぉっふぉっふぉ!そうか、そうか!君の所にも雪風が来たか。あの娘は元気じゃからのぅ。」


大淀 「元帥……あまり笑っていられる状況ではないかと……」


高雄 「申し訳ありません。雪風ちゃんと文月ちゃんには後で私の方からも厳重な注意を……」


リア友提督 「いや、そこまでしてやるんは、流石に可哀想やろ……それで?話を本題に戻すけど、鎮守府一般公開についてやっけ?」


元帥 「うむ!そうじゃ。」



鎮守府一般公開……


それは元帥を筆頭に海軍の上層部が立案した企画で、 『 軍事施設 』という理由で立ち入ることができなかった 『 鎮守府 』 に一般の方々を招待して、艦娘に対する理解度や知識を上げようというのだ。



元帥 「希望者は事前に本部に寄せられた応募書籍から抽選で選ばれた100名。そして、寮舎と工廠、入渠ドック以外は基本的に立ち入りを許可するつもりじゃ。」


提督 「ふむ……妥当なんじゃね?選ばれた人達の中に、アホな考えで来る奴が居ないとは否定できねぇ……工廠はともかく、寮舎と入渠ドックは警戒態勢を厳にしておいた方がいいだろうな。」


大淀 「そうですね。当日は憲兵の皆さんにそちらへ配置していただくよう、お願いしておきます。」


元帥 「頼むぞ。それで、次は一般公開する会場についてなのじゃが……」


提督 「他に要請している鎮守府に関しては、あんた達上層部に任せるとして……この面子の鎮守府からって話なら、無難にリア友んトコの舞鶴鎮守府で良いんじゃねぇか?歴史ある場所だし、俺んトコと後輩んトコに比べて着任している艦娘の人数も多いからな。」


リア友提督 「せやなぁ。うん!どんと来いやでぇ~。」


元帥 「うむ。そうじゃな。じゃが……彼の所と同時に、君の此処にも一般公開をお願いしたいんじゃ。」


提督 「ウチも?いや、でも……さっきチラっと言ったけど、ウチは今那智と磯風、扶桑と祥鳳の4人しか居ないんだ。100人を捌けるとは……あぁ、でも俺も動けば1人20人相手すればいいのか。」


那智 「なるほど……どうする?旦那様がやれというのであれば、私達は責任を持ってやり遂げるぞ?」


提督 「そうだな……」


黒潮 ・ 高雄 ・ 後輩提督 「「「旦那様!?」」」/////


那智 「……!( しまった、いつもの癖で…… ) あっ、いや……こほん。司令官、決断するなら早めに……」/////


提督 「いや……今更だと思うぞ、那智。」


元帥 「ふぉっふぉっふぉ。やるのぅ!まさかケッコンカッコカリをするよりも先に、そういう関係になるとは思っておらんかったぞ!いや……君と彼女なら必然じゃったかな?その調子で、他の3人も大切に愛でてやるのじゃぞ!」


提督 「まさか、元帥から公の場で重婚許可を頂けるとは思ってなかったわ……でも、はい。もちろん、最初からそのつもりですよ。」


黒潮 「え?え?司令はん、知ってたん?」/////


リア友提督 「むしろ、何で黒潮が知らんの?今、ウチでは割とホットな話題やで。秋雲は2人の情事を同人誌にしたくらいやし……青葉も新聞にしてたと思うけど……」


黒潮 「ホンマ!?帰ったら見せてもらお……/////」


後輩提督 「びっくりしました……御二人共、私達の前では全然そんな素振り見せませんでしたから……おめでとうございます!先輩、那智さん。」ニコッ


高雄 「ようやく結ばれたのですね。おめでとうございます、那智さん。初期から提督を支えた仲間として、心から祝福しますよ。」ニコッ


那智 「あぁ……ありがとう。後輩殿、高雄。」ニコッ


元帥 「さて、話が脱線してしまったが……君の此処にお願いしたいという理由は、ちゃんとあるんじゃ。」


提督 「理由……ですか?」


元帥 「うむ。ほれ……先日、君は襲われて怪我をして……しばらく車椅子生活をしておったじゃろ?それで、その時妖精さんに頼んで、この鎮守府修繕と同時に数ヶ所、スロープを設置してもらった。」


提督 「あぁ、なるほど。選ばれた人達の中に足が不自由な人が居た場合、優先的にウチに来てもらうことができるってワケか。」


元帥 「そういうことじゃ。頼む、お願いできんかのぅ?」


那智 「そういうことであるなら、我々に断る理由は無いな。やろうではないか、司令官。」


黒潮 「あぁ……那智さんがもう普通に戻っとるぅ……なぁーなぁー、『 旦那様 』はー?」


那智 「……勘弁してくれ。」/////


提督 「でもそうだよな。折角選ばれたのに、体が不自由だからって理由で断念ってのは流石に可哀想だからな……わかった。ウチも一般公開の件、引き受けるよ。」


元帥 「おぉ!ありがとう。引き受けてくれて助かるぞ。」


大淀 「私からもお礼を言わせていただきます。ありがとうございます、提督。」


後輩提督 「えっと、じゃあ私の所は今回見送りということで……」


元帥 「うむ。じゃが……もし、次の機会があるならその時は頼むぞ。」


後輩提督 「はいっ!」


提督 「それじゃあ、大淀さん。えっと……皆さんの食事ってのは弁当か何かが支給されるのか?」


大淀 「最初はそれも考えていたのですが、人数が人数ですし……各鎮守府で海軍カレーを作って振舞うということになりました。」


提督 「なるほど………那智、磯風を呼んで来て……」


黒潮 ・元帥 「「「待って。」」」



俺の腕を必死につかんだ黒潮ちゃんと元帥が、必死の形相で視線を向けてきている。



元帥 「君はこのイベントで死傷者を出す気か!?頼む……無事にこのイベントを成功させたいんじゃ。それだけは……それだけは考え直してくれんかのぅ!?」


黒潮 「提督はん!前に磯風の料理食べて倒れたんやろ!?あの子の腕を知ってて、お願いしようとするなんて……正気の沙汰やないで!?」


提督 「そこまで言うか!?でも、ほら……練習しなきゃ、上達だってしないし……」


元帥 「それは他の日にしてくれ!とにかく、当日磯風には絶対に厨房に立つな!と厳重注意しておいてくれ。」


提督 「ちょっとは信頼してやれよ……仕方ない。那智、扶桑と祥鳳に事情を話して、前日の仕込みをお願いしてもらえねぇだろうか?」


那智 「承知した。後程、伝えておこう。」


提督 「頼む。それじゃあ、他には…………」



その後もしばらく念入りに打ち合わせを続け……満足する内容に纏まり、あとは当日を迎えるのみとなった。



◇◇◇



鎮守府一般公開前夜 二〇〇〇


鎮守府 ・ 座学室



提督 「……ってなわけで、いよいよ明日になったわけだが……皆、大丈夫か?」


磯風 「いよいよだな。ふふっ、楽しみだ。」


提督 「ちなみに、もしかしたら在日中の外国人さんが来る可能性もゼロじゃないから、その辺も意識しててくれ。」


扶桑 「まぁ。『 いんたーなしょなる 』 で 『 ぐろーばる 』 ですね。」


那智 ・ 磯風 ・ 祥鳳 「「「!?Σ ( ゜ ロ ゜;) 」」」


提督 「!?Σ ( ゜ ロ ゜;) 扶桑……頑張ったな。でも……あんまり意識しないで、明日は自然体でいいからな?な?//」ナデナデ


扶桑 「え……?あっ、はい。」/////


那智 「ぷっ……くく……あの扶桑が異国の言葉を……」/////


祥鳳 「ふふっ……扶桑さん、可愛い……」/////


磯風 「完全に油断していた。まさかこんな形で意表を……ふふっ!」/////


提督 「とっ、とにかく!皆、明日は普段と違う意味で大変だろうが、よろしく頼むぞ!」


4人 「「「「了解!」」」」敬礼っ!



*****



翌朝 〇九三〇


執務室の窓から正面玄関の方を眺めると……公開30分前だというのに、ウチに割り当てられた抽選で選ばれた方々が既に大勢スタンバイしていた。


提督 「おぉ……すげぇ人だな。」


扶桑 「正面玄関は現在門を閉ざしているのですが、憲兵さんは立っておられないので……強行突破するような方が居るかもと思っていましたが、どうやら杞憂でした。皆さん揉めることなくジッと待たれていますね。」


那智 「他の選ばれた鎮守府でも、今頃同じような光景が繰り広げられているのだろうな。」


提督 「祥鳳。特別に許可するから此処から艦載機をあの人達の方へ飛ばしてくれないか?パフォーマンス的な意味もあるけど……どんな人が集まってるのか、ちょっと教えてほしいんだ。」


祥鳳 「承知しました。では……攻撃隊、編成できる?じゃあ、随時発艦始めてください!」


提督 「……マジで攻撃すんなよ?」


祥鳳 「わっ……解ってますっ!」/////



窓の外へ放たれた矢が艦載機へと変わり、集まった人たちの方へ飛んでいく。



祥鳳 「…………やはり男の人が多いですね。ですが、女の人や、お子様の姿もちらほら……親子でしょうか?それと、提督が仰っていた海外の方の姿も見えます。こちらは男女複数……何かのグループでしょうか?」


提督 「なるほど……」


磯風 「意外だな。女性の方も居るのか……」


提督 「まぁ、ほら……後輩提督みたいな奴も居るし、そういう偏見ってのは無くした方がいいのかもな。」


磯風 「あっ……そうか、そうだな。すまない、失言だった。」


提督 「ははっ、真面目で良い子だな、磯風は。」ナデナデ


磯風 「んっ……」/////


那智 「ふふっ、では司令官……少し早いが、正門へ向かうとしようか。」


提督 「そうだな。皆をあの人達にお披露目するとしようか。」



***†◇†***



鎮守府 ・ 正門


男性 A 「…………ん?おい!見ろ、提督さんが出て来たぞ!」


男性 B 「おぉぉぉ!後ろの4人、すっげえ美人だぞ!」


提督 「お集りの皆様!本日は遠路遥々、この鎮守府に御越しくださり、誠にありがとうございます。俺が此処の最高責任者……とでも言っておきましょうか、若輩の身ながら提督をさせていただいている者です。」


男の子 A 「あっ!たまに町で見かける兄ちゃんだ!」


提督 「おっ……見覚えのある顔が幾つか……それじゃあ、随分とお待たせして申し訳ありませんでした。これより、鎮守府一般公開を始めたいとおもいます!」



俺の開始宣言と共に、その場に居た人達からワッ!と歓声が上った。


那智と磯風が門を開けると、待機していた人達が順番に入ってくる。



提督 「さてと……まずは、今日1日皆様の引率をするウチの艦娘達を紹介させていただきましょう。じゃあ、那智から……」


那智 「承知した。……妙高型 2番艦、重巡洋艦の那智だ。本日はよろしく頼む。」ニコッ


磯風 「陽炎型駆逐艦12番艦、磯風だ。皆さんに失礼の無いよう、精一杯任務を務めさせていただこう。」ニコッ


祥鳳 「祥鳳型航空母艦1番艦、祥鳳です。ようこそ鎮守府へ!心より歓迎します!」ニコッ


扶桑 「扶桑型超弩級戦艦1番艦、扶桑です。皆様、ようこそ御越しくださいました。本日はゆっくりされていってくださいね。」ニコッ



4人が自己紹介を終えた直後、その場の熱気が一気に上昇……したような気がした。



男性 A 「うおぉぉぉぉぉぉ!!祥鳳さん、美人……抱いてください!!」


男性 B 「バカ野郎!気が早いっつうの!祥鳳さん、この馬鹿は放っておいて、俺とお付き合いしてください!」


祥鳳 「えっ!?あっ、はい……?ありがとう……ございます?」


女性 A 「キャーッ!那智さん、かっこいい!!一緒に写真、いいですか!?」


那智 「うっ、うむ……まぁ、それくらいなら……」


女性 B 「磯風ちゃん、可愛い!ねぇ、後でお姉さんと一緒に廻りましょう?」


磯風 「わっ、私で良いのか?……ありがとう。」


外国人 A 「Hey!Look!何てステキなパコダマストなんだ!」


外国人 B 「artistico!フソーさん!そのパコダマストに触れても良いですか!?」キラキラッ!


扶桑 「ぱこだますと?……艦橋のことかしら?どうぞー。」ニコッ


男性 A 「しかし……こんな美人さんと仕事できるなら……提督業って羨ましい職業だな。」


男性 B 「俺、このイベントが終わったら、職安に行ってくるわ……」


提督 「はいはーい!皆さーん!これから此処で記念写真を撮りますので小さいお子さんから先頭に、順番に並んでくださーい!その後、班分けのくじ引きをしますから……そこのお姉さん!磯風と一緒に廻りたいなら頑張ってくださいねー!」



俺が呼びかけると、全員から返事の声が聞こえてきた。


マナーやエチケットが良いお客さんで、本当に助かる。


~ 数分後 ~


記念撮影終了後、無事にそれぞれ俺を含めて1班20人グループが5つでき、1つの班ずつ事前に決めた巡回ルートで鎮守府を案内していく。


こうして鎮守府一般公開が始まった。



◇◇◇



鎮守府 ・ 執務室



提督 「此処が普段、俺や艦娘が書類仕事している部屋です。」


男の子 A 「おぉ~!ひっろ~い!」


外国人 C 「Hey!テートクさん。記念写真、いーですか?」


提督 「あぁ……Sorry。えっと、情報漏洩……は難しいか。大切な秘密、Enemyに知られちゃNo!なので、そういう内容になりそうなモノがPhotoに写って欲しくない。だからSorry。OK?」


外国人 C 「Oh!ナルホド!OK、OK!そういう理由なら仕方ないデース。」


提督 「その代わり、建物の外装や艦娘との写真撮影は事前に許可を貰ってあるから、そっちはOKです。せっかく来てくださったのに、何か思い出に残せるものが無いっていうのは残念ですからね。」


外国人 C 「Oh!thank youデース!」


提督 「さてと……じゃあ、次の場所へ行きましょうか。」



***



鎮守府 ・ 正面玄関。



提督 「皆様、お疲れ様でした。今は一一〇〇か……なら、今から自由行動にします。一二〇〇にはお昼ご飯も用意してありますので、それまでに食堂へいらしてください。」


「おぉぉ!自由行動だー!」「提督さん、ふとっぱらー!」


提督 「何か困ったことがあれば、俺か艦娘達に申してください。ただし!何やら怪しい行動をしている方を御見かけした場合は……敢えて何も言いませんが、気をつけてくださいね。」



俺の呼びかけに大人達は頷き、子ども達は元気良く返事する。



提督 「それじゃあ皆、任せたぞ。」


4人 「「「「了解!」」」」敬礼っ!


「キャー!那智さん、格好いい!」「敬礼カッコいい!僕も真似する!(`・ω・´)ゞ 」


提督 「さてと……」


女の子 A 「てーとくのお兄ちゃん!」


提督 「ん?おう、どうした?」


女の子 A 「あのね、此処を案内してもらう前に、艦娘のお姉ちゃん達が言ってた 『 じゅうじゅんようかん 』 とか 『 こーくーぼかん 』 って何なの?」


提督 「あぁ……そうだよな、普通に生きてたら知らない……よくて扶桑の 『 戦艦 』 って言葉くらいだよな。特に女の子は……うん、俺も提督になるまで何も知らなかったよ。そうだな……今はそういう難しい言葉は覚えなくていいから、今日はとりあえず、あのお姉ちゃん達の名前を頑張って覚えて帰ってくれ。」ナデナデ


女の子 A 「うん!わかった!」


男の子 A 「テートクの兄ちゃん!」


提督 「おう、今度は何だ?」


男の子 A 「さっき案内してもらった時に、かっこいいお兄さんが立っていた場所があったんだけど……あそこは何があるの?」


提督 「かっこいいお兄さん……あぁ、憲兵さんか。えっとだな、さっき皆で中に入った此処の一番でかい建物の隣にある、これまたデカい建物……あそこが艦娘の姉ちゃん達のお部屋がある建物なんだ。」


男の子 A 「おぉ!艦娘のお姉ちゃん達の部屋、見たい!」


提督 「ん~……悪いな。あそこはお姉ちゃん達のプライバシーを守るために……って、言葉がちょっと難しいか。たとえばだな、少年。君の部屋には何か大切な物があるか?」


男の子 A 「えっと……あっ!戦艦のプラモデルがあるよ!戦艦のふそーっていうんだ!」


提督 「戦艦の扶桑!?そうか……艦橋のバランスを保つの難しいだろうなぁ。まぁいいや、とりあえず後でその話を向こうの赤いスカートのお姉ちゃんにしてやるといい。絶対に喜ぶから。」


男の子 A 「うん!わかった。」


提督 「……で、話を戻すけどな。その大切なプラモデルのある少年の部屋にだ……まったく知らない人が入って来て、しかも!大切なプラモデルが壊されたら……どんな気持ちだ?」


男の子 A 「……たぶん、怒ったり、泣いちゃうかも。」


提督 「艦娘の姉ちゃん達も一緒さ。大切な物があるだろうし、知られたくない秘密だってあるだろう。だから、此処で1番偉い俺だって、姉ちゃん達が許してくれないと部屋に居れてもらえないんだ。」


男の子 A 「なるほど……」


提督 「お姉ちゃん達の秘密を守るため、あそこに少年達を入れることができないんだ。ごめんな。」ナデナデ


男の子 A 「うん!わかった。それじゃあ、もう1つの建物は?」


提督 「あっちは艦娘のお姉ちゃん達のお風呂だ。艦娘の姉ちゃん達はな、戦って怪我をするとお風呂で怪我を治すんだよ。」


男の子 A 「おっ……お風呂で怪我を治すの?」/////


提督 「あぁ。まぁ、それ以外の時はそうだな……大きいお風呂屋さんと同じ目的で使われてるんだ。今は誰も入ってないけど、お姉ちゃん達の下着があるかもしれないから……入っちゃ駄目だぞ?」


男の子 A 「うん!わかったよ。」/////


扶桑 「提督。そろそろ昼食の準備を始めますね。」


提督 「おう、頼む。あっ……そうだ、扶桑。この少年の家にな、良い物があるそうなんだ。」


扶桑 「あら。良い物ですか?」


提督 「ほれ、少年。」


少年 A 「う……うん。あのね、僕!戦艦のプラモデルを持っているんだ。」


提督 「その戦艦ってのが、扶桑らしいんだよ。」


扶桑 「あらあら、まぁまぁ!うふふ、ありがとう。大切にしてくださいね。」ニコッ


男の子 A 「はっ、はい!」/////


提督 「あっ、親御さんですか?カメラをお持ちでしたら少し……はい、ありがとうございます。少年、扶桑、ちょっとそこに並べ。」


扶桑 「あっ……はい。」



俺はカメラのピントを2人に合わせ、1枚の記念写真を撮ってやった。



扶桑 「それでは、一度失礼しますね。」


提督 「どうもすいませんでした。」


男の子 A 「てーとくの兄ちゃん……」


提督 「何だ?」


男の子 A 「僕、大きくなったら提督になりたい!それで、兄ちゃんみたいに扶桑お姉さんと一緒に頑張りたい!」


提督 「……やめておけ。今のうちから戦いの道に来ようとするんじゃねえ。少年やさっきの女の子が大きくなるまでには、俺も頑張って海を平和にするよう頑張るから……な?」


男の子 A 「うん……」


提督 「ただ、もし!少年が大人になった時に、俺達の力及ばず海がまだ敵の手にあって……それで、今のその扶桑と一緒に頑張りたいという思いを大切に残してくれていたのなら、その時は……海の平和のために力を貸してくれ。」ナデナデ


少年 A 「……!うん!」



??? 「……聞いたか?」


??? 「あぁ……艦娘達のお風呂だと……!?」


??? 「彼女達の裸は見れずとも、脱衣所にはぱっ……ぱぱぱ、パンツが……!」


??? 「ばか!声がでかい……」


??? 「すまん。とりあえず……行くだけ行ってみるか。」


??? 「おう。ぐふふ……楽しみだなぁ……」



磯風 「…………」


女性 B 「磯風ちゃん!こっちに来て一緒に写真撮りましょう!」


男性 B 「磯風ちゃん!他の女の人達に阻まれて、那智さんに殆ど相手されなかった俺を慰めてくれ!」


磯風 「!あっ、あぁ。承知した。」



~ 数分後 ~



那智 「司令官。扶桑から連絡があった。準備ができたそうだ。」


提督 「了解。皆さーん!昼食の準備ができたそうなので、食堂へ向かいましょうか。」



俺の呼びかけに、その場に居た人達から賛成の返事が返ってくる。



那智 「では、私は先に行って扶桑の手伝いをするとしよう。さすがに1人じゃ大変だろうからな。」


提督 「頼む。祥鳳!また艦載機を飛ばして、離れた場所に居る人達を探してくれるか?」


祥鳳 「お任せください!……第2次攻撃隊、編成できる?じゃあ、随時発進してください!」



祥鳳が真上に放った矢が艦載機へと変化し、鎮守府の領内を飛ぶ光景を目の当たりにした人達から盛大な歓声が湧きあがった。



女の子 B 「しょーほーお姉ちゃん、格好いい!」


外国人 C 「Oh!Great!JapaneseArrowですか!スバラシーです!ショーホー!」


祥鳳 「えっ!?あぅ……その、あっ……ありがとうございます。」///// ニコッ



磯風 「……司令、少しいいだろうか?」


提督 「ん?どうした?磯風。」


磯風 「先程、入渠ドックへ向かう男性達を見かけた。」


提督 「!そうか……入り口は憲兵さんが守ってくれているから、大丈夫だろうが……わかった。ちょっと様子を見に行ってくるよ。」


磯風 「私も同行しよう。何も無ければそれで良いが……もしもの時は……」


提督 「……いや、磯風は先に、祥鳳と一緒に皆さんを食堂まで案内してあげてくれ。流石に祥鳳1人で100人は捌ききれないだろうからな。」


磯風 「!承知した。司令……くれぐれも気をつけてな。」


提督 「おう。」



◇◇◇



鎮守府 ・ 食堂



扶桑 「すいません、那智さん。手伝っていただいて……」


那智 「気にすることはない。1人でこの人数分を用意するのは、骨が折れるだろうからな。」


扶桑 「うふふ。ありがとうございます。」


女の子 B 「お姉さん、カレーください!」


扶桑 「はぁい。ちょっと待っててね。」


女の子 B 「うん!でも、どうしてカレーなの?」


那智 「ふむ……それを説明してくれそうな司令官の姿が見当たらないな……後で、さっき居た提督さんに訊いてみるといい。私よりもきっと、解りやすく教えてくれるはずだ。」


女の子 B 「はぁい!」


扶桑 「はい、お待ちどうさま。熱いから気をつけてね?」


女の子 B 「ありがとう、お姉ちゃん達!お外で食べてくるねー!」トテトテ


扶桑 「うふふ。皆さんに喜んでいただけているようで、良かったです。」


那智 「あぁ。一般公開は成功で終われそうだな。それより、司令官の姿が見えないのだが……」


扶桑 「え?……本当ですね、どうされたのでしょう?」


磯風 「司令なら、入渠ドックへ行ってもらっている。」


那智 「磯風……何か遭ったのか?」


磯風 「何が遭った……のかは解らんが……男性が数名、入渠ドックへ行く姿を見かけてな。司令にはそれを確認しに行ってもらっているんだ。」


扶桑 「そうでしたか。憲兵さんがいらっしゃるとはいえ、心配ですね。」


那智 「そうだな……祥鳳も居ないということは、何かを見つけたのかもしれない。私達も向かった方がいいのかもしれんな。」


男性 B 「ん?扶桑さん、何か遭ったんですか?」


扶桑 「え?あ……皆さん、実は—————……」



◇◇◇



同時刻


鎮守府 ・ 入渠ドック前



提督 「憲兵さん、御苦労様。」


憲兵 「……ん?これは提督殿。どうされました?ロンパイアを持ち出して……」


提督 「実はな、磯風が此処に数名の男性が向かう姿を見ていてな……ちょっと、側面から裏口にかけてを見せてもらってもいいかな?」


憲兵 「そうでしたか。正面に居た私の死角からという可能性がありますね……わかりました。此処は見ていますので、どうぞ調査なさってください!」


提督 「ありがとう。」



俺は入渠施設の側面に設置されている曇りガラスが割られていないか……どこか侵入できそうな場所は無いか、などを確認しながら歩を進めていく。



提督 「……ん!?」


憲兵 「どうされました!?提督殿!裏口で何かありましたか!?」


提督 「あぁ!裏口の扉の取っ手が石で壊されてやがる!でも、ずっと此処に居た憲兵さんに気付かれず、どうやって……」


祥鳳 「提督?どうしたんですか?こんな所で……」


提督 「祥鳳……はっ!もしかして……ココを壊した連中、祥鳳が放った艦載機のエンジン音とか、他の参加者さんの雑踏に乗じて……」


祥鳳 「……!提督、そこ……どうしたんですか!?壊されているようですが……」


提督 「実は先程、磯風がこの施設へ向かう男性数名の姿を見たそうでな。もうとっくに逃げたか……まだこの建物の中に居るのか、それを確かめに来たんだ。」


祥鳳 「なるほど、そうでしたか。そして今、裏口のドアの取っ手が壊されているのを発見されたんですね。」


提督 「……祥鳳。このドアの向こう側って、どうなってるんだ?」


祥鳳 「えっと、確か……そのまま脱衣所に直結していたはずです。」


提督 「それじゃあ、取っ手を壊した連中は正面……は憲兵さんが守ってるから絶対に無理。となると、もう目的を済ませて此処から逃げたか……」


祥鳳 「私と提督が此処を去るのを、中でジッと待っているか……ですね。」


提督 「すまんな、祥鳳。此処がどどういう場所か重々承知しているが……中に入らせてもらうぞ。」


祥鳳 「はい。提督、くれぐれも気をつけてくださいね。」



俺は壊れた扉をゆっくりと引き、入渠ドックの脱衣所へ足を踏み入れる。


窓から差し込む日の光で室内は充分明るく、洗濯籠に積み上げられた洗濯物が放置されている。



提督 「あれは那智の服……洗濯はまだしていなかったのか。」


祥鳳 「はい。今日は一般公開に専念していたのと、憲兵さんが絶対に守ってくださるとのことでしたので、明日纏めてやろうかと……」/////


憲兵 『それがこのような事態になってしまい、申し訳ありまありません!提督殿、祥鳳殿。中は特に問題無さそうですか?』


提督 「脱衣所をパッと見た感じは。それじゃあ、祥鳳。あの洗濯物の山の中から無くなってる物があるかないか確かめてくれ。俺は……浴室の扉を開ける。」


祥鳳 「わかりました!」



俺はロンパイアの柄を握りしめたまま、浴室の扉を横へとスライドさせた。


使用されていない浴室内はひんやりとしており、静まり返った空間に天井から床や浴槽へと滴り落ちた水滴の音だけが響き渡る。



提督 「…………誰も居ない。逃走に使えそうな場所も無い……浴槽には冷めた湯がまだ並々入っている状態だから、中に隠れるのは不可能か。潜水してるようにも見えないし……くそっ、逃げられたか。」


祥鳳 「……!提督、後ろです!」


提督 「え?」



俺が丁度1番奥まで進んだところで、まだ準備されていない状態のサウナの扉が開き、2人の男性が飛び出して来た。



提督 「くっ!祥鳳、頼めるか!?」


祥鳳 「はいっ!」


男性 C 「邪魔だ!どけぇ!!」


祥鳳 「きゃああっ!」



忍び込んだ男性の1人が祥鳳を突き飛ばし、残る1人も彼に続いて脱衣所の壊れた扉から脱走を図った。



提督 「大丈夫か!?祥鳳!」


祥鳳 「はい、何とか……提督!私のことはいいですから、彼等を追ってください!」


提督 「解った!」


憲兵 『動くなっ!憲兵だ!貴様等の身柄を拘束する!!』


男性 D 『ぐあぁぁぁぁぁ!!』



外から聞こえて来た声を聞く感じだと、憲兵さんが男性1人の身柄を拘束したらしい。


とにかく今は、残る1人が正門から脱走する前に捕まえなくては!



*****



鎮守府 ・ 食堂前


俺が逃亡者を追いかけて食堂前まで来ると、逃亡者は小さな女の子を拘束し、首筋に隠し持っていたのだろうサバイバルナイフを突きつけていた。


女の子が悲鳴を上げ、騒ぎに気付いた一般のお客様達が集まってきている。



提督 「あんな物騒な物が、そこら辺の店で簡単に買えるなんて……世も末だねぇ。」


男性 A 「いや、提督さんが持ってる武器の方が物騒ですやんwww!!」


男性 C 「おっ……お前等!こっちに来るんじゃね!この女の子がどうなってもいいのか!?」


女の子 B 「ママー!」涙目


提督 「くっ……典型的な子悪党め……」


扶桑 「提督。後は私達にお任せください。」



後方から声が聞こえたので振り返ってみると、那智、磯風、扶桑が艤装を展開した状態で現れた。



那智 「事情は磯風から聞いた。司令官、よく此処へ追い詰めてくれた。」


提督 「追い詰めたが状況は最悪だけどな……すまん。人質を取られてしまった。」


磯風 「大丈夫だ。問題無い。」



そう言いながら磯風が主砲を構え、男性のナイフを持つ手に弾丸を当てた。


男性が短い苦悶の声を上げ、衝撃と痛みで手からナイフを地面に落とし……男性の拘束が解けた女の子がこちらに向かって走って来た。


女の子の母親と思われる女性が、走って来た彼女をひしっと抱きしめる。



磯風 「よし……」


提督 「『よし……』じゃねえ!お前、もう少しズレていたら、女の子に当たってたぞ!」


磯風 「問題無い。実弾ではなく、ちゃんと演習で使っているゴム弾を使用している。」


提督 「実弾だったら大問題だったわ!……まぁ、ゴム弾でもメチャクチャ痛そうだけど……」


男性 C 「くっ……この……!」



男性が地面に落ちたサバイバルナイフを拾い上げようと身を屈めた瞬間、彼の顔のすぐ傍を物凄い速度でゴム弾が通り抜けていく。



男性 C 「……………はい?」


扶桑 「ご自身の悪行を棚に上げ……あまつさえ、幼い女の子を人質に取るなど……絶対に許せません!」


那智 「扶桑。夾叉だ……次は直撃させろ。」


扶桑 「はい!」


提督 「直撃させるなぁぁぁ!!Σ ( ゜ ロ ゜;) 扶桑も 『 はい! 』じゃない!……まぁ、さっきの1発で無力化できたみたいだし、あの女の子は災難だったが……他に被害は無いみたいだからな。とりあえず……褒めてやる。よくやった。」



俺が3人に賛辞を送った直後、お客さん達からも怒涛の歓声と賛辞の声が沸き上がった。



女性 A 「磯風ちゃん、格好いい!お姉さんを抱いてっ!!」


男性 B 「涼しい顔して、とんでもない事言ってる那智さん、マジイケメンwww!」


男の子 A 「やっぱり、扶桑さん……格好いい!!」キラキラッ


外国人達 「「「「「HU ・ SO ・ U !!HU ・ SO ・ U !!」」」」」Foooo!!



祥鳳 「……えっと、急いで駆け付けたのですが……この賑わいは一体……?」


提督 「ん~……何て言えばいいんだろう?惨事が良い方向に転んだっつう感じかな……さてと、那智!磯風!扶桑!今からこの馬鹿の身体検査を行う!お前等のうちの誰かの下着を持ってるかもしれないから……ちょっと、こっちに来て祥鳳と一緒に円陣を組んでくれねぇか?」


那智 ・ 磯風 ・ 扶桑 「「「了解!」」」



扶桑の攻撃に恐怖し、腰を抜かしていた男性の身柄を拘束し、4人に円陣を組んでもらった中心で男性の服を上から順番に脱がしていく。


すると、あっさりと色鮮やかな女性物下着が見つかった。



提督 「こいつ……メタボかと思ったら、服の内側に下着を隠し持ってやがっただけか……」


男性 A 「マジかよ……下着泥棒とか、最低だな!」


男性 B 「まぁ、皆さん美人だから、野郎として気持ちは解らんでもないが……それでも犯罪行為に手を染めるなよな。」


女性 A 「那智さん達可哀想……」


提督 「ところで………このブラジャーとパンツ……誰のだ?那智、お前のか?」


那智 「いや、私の物ではないな。」


磯風 「…………司令、その……それ、私のだ。返してもらえないだろうか?」/////


提督 「おっ……おう、磯風のだったか。ほら……とんだ災難だったな。」/////


男性 E 「!? 磯風ちゃんの……4人の中では1番年下っぽい、磯風ちゃんのブラとパンツをだとぉぉぉぉぉ!?」


女性 B 「酷い!さいってー!!」


男性 F 「提督さん!そっちに行っていいですか!?そいつの顔面、1発ぶん殴ってやりてえんですけど!!」


提督 「皆さん!気持ちは解りますが、落ち着いてください!この者達はこちらで厳重に処罰した後、警察へ輸送いたしますので!……扶桑。皆さんの昼食はどれくらい終わっている?」


扶桑 「那智さんにも配膳を手伝っていただいたので、既に皆さんに渡し終えています。ただ……まだ少しだけ余っていますので、先程捕まった時に落としてしまった女の子に、もう1度差し上げたいのですが……」


提督 「ん。わかった。じゃあ、扶桑はさっきの女の子と親御さんと一緒に先に食堂へ……磯風!扶桑の用事と皆さんの食事が終わったら、遠慮はいらない……厨房の使用を許可する!存分に2人分の料理をするといい!」


那智 ・ 祥鳳 「「Σ ( ゜ ロ ゜;) !?」」


磯風 「!……まったく、私だって少しは上達している……と思うのだがな……承知した。この磯風、愚行を犯した2人のために 『 最高のもてなし 』 をしてやろうではないか!」


男性 C 「は?磯風ちゃんの手料理が食えるの?ぐっふっふ……捕まってしまったが、いいこともあるんだな……」


提督 「ふっ……そう思っていられるのも今のウチだ……那智と祥鳳は引き続き、皆さんの引率を頼む。俺と磯風が抜ける分、ちょっと大変になるだろうけど、頑張ってくれ。」


那智 「承知した。」


祥鳳 「提督……やりすぎないでくださいくださいね?」


提督 「そこんとこは憲兵さんと、磯風と要相談……かな。」



~ 数十分後 ~



女性 A 「那智さん、那智さん。」


那智 「ん?何だ?」


女性 A 「さっきの下着泥棒……どうなったのか、見てみたいんですけど……」


那智 「……悪いことは言わない、見ない方が良いぞ。それに……おそらくだが、もうすぐ聞こえてくるだろう。」


女性 A 「聞こえる?」



- 同時刻 -


鎮守府 ・食堂


憲兵さんには引き続き入渠ドックの警備をお願いし、俺は下着泥棒2人をロープで椅子に縛りつけて固定していた。



提督 「……なるほど。盗んだ下着はネットオークションにねぇ……」


男性 D 「他の連中はどうやって入手してるのかは知らねえけどな、かなりの高額で取り引きされてるんだぜ?まぁ、女性に不自由してないアンタには解らねえだろうけどな!」


提督 「解らないし、知りたくもねぇなぁ。」


男性 C 「それより、磯風ちゃんの手料理はまだですかねぇ?腹減っちまって……」


磯風 「司令、待たせたな。」



そう言いながら磯風が厨房から、2枚の皿を両手に持ってこちらへ歩いてきた。


そして……磯風が料理を盛った皿を机の上に置いた瞬間、その場に居た俺を含む野郎3人の目が……涙腺が刺激される。



男性 C ・ D 「「ぎゃあああああああああああああ!!目がっ、目がぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


提督 「磯風!心なしか、立ち昇る湯気が赤く見えるような気がするのだが……料理の説明を願えるだろうか!?」



皿に盛られているのは、普通に肉を焼いた……物だったんだろう。ソレは文字通り備長炭のように黒く、硬くなってしまっている。


いや、もうこの際、豚肉だか牛肉だか解らなくなってしまった物は置いておくとして……問題はこの肉だった物体にかかっているソースだ!


何か異様に赤いんですけど……?(((((( ; ゚ Д ゚ )))))



磯風 「うむ!肉は普通に焼いたのだが、ソースを少しこだわってみた。西洋にはみかんを使ったソースがあると聞いてな。」


提督 「オレンジソースのことか?確かに鴨肉料理にかかってたりするけど……これ、どう見ても赤いぞ?」


磯風 「厨房に柑橘類が無かったので、冷蔵庫に入っていた苺のジャムで代用してみた。同じ果物だから、きっと大丈夫だ!」ニコッ


提督 「苺ジャムだけで、こんな物理的に刺激的な湯気が昇るわけないだろ!正直に言ってみ?他に何を入れた?」


磯風 「司令がそこの男達を仕置くと言っていたのでな。ただ美味いだけじゃ意味が無いと思い、厨房に置いてあった少し大きな唐辛子を使ったんだ。」


提督 「少し大きい唐辛子?」



俺は1度席を立ち、厨房へと歩を進め、中を確認する。



ジョロキア×複数 【アーヒャヒャヒャ!( ゚ ∀ ゚ )(。Д 。) アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャアヒャヒャヘ(゚ ∀ ゚ * )ノヽ( * ゚ ∀ ゚)ノアヒャヒャ!! 】



~ ブート・ジョロキア ~


2007年にギネス世界記録に【世界一辛い唐辛子】登録された唐辛子。

( 2018年現在はイギリス・ウェールズで発見された『 ドラゴンズ・ブレス・チリ 』 が 「 人を殺すほど辛い最強唐辛子 」として君臨している )


ジョロキアの産地である北インド地方の一部やバングラディシュでは香辛料として用いる他、生食もする。


また、北東インドでは、畑や民家を荒らす野生のアジアゾウを撃退するためにすり潰して柵に塗ったり、対ゾウ用のトウガラシ発煙筒を開発する試みがなされている。


収穫時の注意点として、ハバネロの2倍近い強烈なカプサイシン量を誇るためゴム手袋は必須アイテム、可能ならマスクとゴーグルも用意したい。

うっかり皮膚に接触すると後々痛みが走ったり、その気化した汁を吸引するだけで喉や鼻、肺などに違和感や痛みが生じる場合があるので扱いには細心の注意をすること。


ジョロキアを触った後の手で、粘膜や皮膚の薄い場所(鼻をほじったり、目を拭いたりなど)は、絶対に触らないようにするように。


特に、トイレに入るときは注意!



提督 「…………何でこんなモンが、鎮守府の厨房に?」



……っていうか、磯風。


あいつ……調理の時、1番至近距離に居たのに、何とも無かったのか?



磯風 「司令、早く食べさせないと、冷めてしまうぞ?」


提督 「おっ……そうだった。じゃあ、始めるか。」



俺は磯風や男性達の傍へ戻ると、ナイフとフォークを手に取り、肉だった物を切ってみた。


ナイフを当てた瞬間、ガキンッ!と金属同士がぶつかり合った時のような音がしたが、その後はスムーズに切ることができ……たが、生焼けだったのか、切り口からはブシュッ!と音を立てて黒と赤が混ざった液体が噴出し、切り終えた断面からも同色の液体が流れ出ている。



男性 C ・ D 「「……………」」


提督 「…………さてと……食え!」ニコッ


男性 C ・ D 「「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


提督 「えぇい!うるさい!ほら……御望みの磯風が作った料理だぞ!食いたかったんだろ?あぁん!?」


男性 C 「いや、だって!まさか、そんな物体Xみたいなモンが……んぐぅっ!?」



男性が激しく抗議するため、大きく口を開けた瞬間……俺はフォークに刺さっていた固形物を、男性の口に押し込んだ。


口に物を入れられた男性が条件反射でゆっくりと咀嚼する度、彼の口の中からガリッ……ゴリッ……と、おおよそ肉を食っていると思えないような音が聞こえ、何とかゴクリッ……と、音を鳴らして嚥下したかと思った瞬間



男性C 「ぎぃぃいいやあぁぁぁぁああああおぶrrrrrごはぁッ!?びゆるぎっ!?あぁゆうおぉぉぉqあwせdrftgyふじこlp」



この世の言葉かと思えないような奇声を発しながら、口から泡を吐いて、白目を剥きながら後方へと盛大に転倒した。


両手両足を縛られた状態で逃げることもできず、ただ後頭部を床にぶつけた後はピクピクと小さく痙攣をしている。



男性 D 「ひいぃぃぃぃぃ!?」


提督 「次は……貴様の番だ……」


男性 D 「いやっ……嫌だぁぁぁ!!あぁぁぁ……逃げられない!!ひぃぃいい!?なっ、まっ……せめて、磯風ちゃんに 『 あ~ん 』」


提督 「ほれ、あ~ん。」


男性 D 「んぐふぅ!?」



男性が自分から口を開けてくれたので、先程切った残りの肉だった物を入れて差し上げる。


そして口を閉じ、先程の男性と同じように咀嚼と嚥下をして……そして



男性 D 「………………ぐふっ!?」



先程の男性とは対照的に、短く咽かえすように唸った彼もまた……口の端から泡を吐き、白目を剥いた状態で意識を失った。



提督 「……仕置き完了。磯風、もったいないけど……この料理は処分してしまうな?」


磯風 「仕方ない……ぐすっ……この様子を目の当たりにしたのでは、司令に食べてくれとも言えないからな……」涙目


提督 「磯風……大丈夫。確かに今は……その……残念な腕前かもしれないけど、いつかはきっと……上達するさ。」ナデナデ


磯風 「ん……///// 司令……うん、ありがとう。」ニコッ



◇◇◇◇◇



鎮守府 ・ 正門


あの後……磯風の料理を食べた2人は憲兵さん達の連絡で駆け付けたお巡りさん達の手により、警察病院へと搬送され……

( その時 のお巡りさんの 『 何をしたら、こんな状態になるんだ? 』 と言わんばかりの、あの驚愕の表情は絶対に忘れない )


それ以外は特に何事も無く、無事に最後までプログラムを遂行することができた。



提督 「え~……途中、馬鹿な奴が2名ほど現れてしまいましたが、皆さん……満足していただけたでしょうか?」



俺の問い掛けに、満場一致で「楽しかった!」「満足した!」などの声が返ってきたので、俺はホッと胸を撫で下ろす。



男性 A 「くっそ~……もう終わりなのかよ!まだまだ那智さん達と一緒に居たいぜ!」


女性 B 「提督さん。此処を常に一般公開可能にしてもらえませんか!?」


提督 「それはちょっと、俺の一存ではどうにも……( ̄∇ ̄;)ハッハッハ 」


外国人 A 「今日はトッテモ満足しまシタ!またChanceがあるなら、応募したいデース!」


女の子B 「艦娘のお姉さん達、助けてくれてありがとー!とっても、かっこ良かった!」


男の子 A 「僕、今日の事、日記に書いて、学校で皆に教えてあげるんだ!」


提督 「此処の秘密に関係することは勘弁な。……さて、皆さん。世間ではまだ、彼女達艦娘をただの兵器だという考えを持つ方が少なからず居るそうです。此処へ来るまでの皆様の中にもいらっしゃったのではないでしょうか?」



俺の言葉に一部の女の人や、子ども達の保護者の方が目を伏せるように、少しだけ下方向へ視線を向けたような気がした。



提督 「ですが今日1日……半日程度ですが、こうして共に過ごしていただいて、彼女達もまた皆さんと同じように生きている、ちょっと戦う力のある歳相応の女の子達であることを理解していただけたのなら、我々一同嬉しく思います。」



一度軽く頭を下げ……再び上げて、お客さん達に改めて視線を向け、言葉を続ける。



提督 「確かに我々が海で行っていることは戦争で、皆様には多大なる御迷惑をお掛けしています。ですが、どうか!海で彼女達を見かけた際は嫌悪感を抱かず、一言 『 頑張れ! 』 と声を掛けてあげてください。長くなりましたが、只今の言葉を持ちまして、〆させていただきたいと思います。本日は皆様、我が鎮守府に御越しくださり、本当にありがとうございました!」



俺と那智達4人がお辞儀をした直後、お客さん達から盛大な拍手と、歓声が沸き起った。



男性 B 「あったりまえだー!!知ってるぜ、最近この辺りの海が安全になって、海水浴場が利用できるようになったんだからな!」


外国人 C 「ワタシ、実は船で貿易をする仕事してマース。そして、Memberは違いますが、いつも私の乗る船を守ってくださる姿を見て、本当に感謝してるんデス。皆さん、いつもthank youデース!!」


女性 B 「今度町で見かけたら、声を掛けてもいいですか!?もっと皆さんとお話したいです!」


男の子 ・ 女の子 A 「「兄ちゃん( 提督さん )、艦娘のお姉さん達、いつもありがとー!」」


提督 「皆さん……こちらこそ、ありがとうございます!あっ……今朝撮った記念写真は、出来上がり次第、皆様が応募してくださった書面の住所を頼りに送らせていただきます。それでは!皆さん、お疲れ様でした!」


一同 「「「「「お疲れ様でしたー!」」」」」



こうして……鎮守府一般公開はほぼ無事に終わり、俺達5人はお客さんの最後の1人が見えなくなるまで、手を振り続けた。



◇◇◇



鎮守府 ・ 執務室



提督 「ふい~……疲れたぁぁぁ……」


那智 「あぁ……今まで経験したことが無かったからな……慣れないことをして、私達も疲れた……」


磯風 「だが、お客さん達が満足してくれたみたいだったからな。それは喜ばしいことだろう?」


祥鳳 「うふふ。そうですね……ふふっ、那智さんも磯風ちゃんも、女性の方から人気がありましたね。」


提督 「俺もそれはちょっと意外だった。まぁ……野郎の俺から見ても、2人は格好いいと思うことがあるから、気持ちは解らんでもないかな。」


那智 「ふふっ、そうか。それを言えば、祥鳳も扶桑も外国の方々や子ども達からの人気が凄かったではないか。」


磯風 「特に扶桑さんは外国の方々から凄く好評だったな。」


提督 「あぁ、確かに!祥鳳はその装束や弓、艦載機で、扶桑は艦橋や艤装で外人さんや子ども達の注目の的だったな。」


祥鳳 「うふふ。そうですね。喜んでいただけたみたいで、私も嬉しいです。」


扶桑 「まさか、この私があんなに大勢の……それも異国の方を中心に興味を持っていただけるとは、思ってませんでした。」/////


提督 「やったな、扶桑!『 いんたーなしょなる 』 で 『 ぐろーばる 』 に成功したじゃないか。」


扶桑 「はい。提督……私、嬉しいです。まさかこんな日が来るとは思っていませんでしたので。」ニコッ


祥鳳 「ぷっ……もう!提督……ちょっと、忘れかけていたのに……不意打ちは卑怯ですぅ……www」/////


那智 「しかし、無事に成功して良かったな、司令官。」ニコッ


提督 「あぁ、そうだな。皆、本当にお疲れ様。後片づけとかは明日でいいから、今日はゆっくり休んでくれ。」



*****



鎮守府一般公開から数日後……現像した記念写真も無事に送ることができ、これでようやく終わったな。と思っていたある日のこと……


俺の下に元帥から電話がかかってきた。



元帥 『報告書を読んだぞ、かなり好評だったようじゃな。ふぉっふぉっふぉ。』


提督 「まぁ……おかげ様でな。他の鎮守府はどんな感じだったんです?」


元帥 『ふむ……まちまち……じゃのう。君や舞鶴のように成功を収めた所もあれば、逆もまた然り……次回があるなら、今回酷評だった場所は選ばんよ。』


提督 「なるほど。個人的には酷評だった場所の内容も気になるけど……まぁいいや。とりあえず、話はそれだけなら……」


元帥 『いや、ちょっと待ってくれんか?実はのぅ……今回実施した鎮守府一般公開が思いの外、子ども達のウケが良くてのぅ。上層部の一部で 『 鎮守府を修学旅行の一環として予定に組み込んでみませんか?』といった内容を小 ・ 中学校に呼び掛けてみては?という意見が上がっておるのじゃが……君はどう思う?』



……と、そんな話を持ち出されたが、俺は適当に言葉を濁して通話を終了した。


今回の件で味を占めた上の連中が言い出したのかは知らんが、絶対に成功するとは限らねぇんだから……まずは自分達の所で試して、成功してから提示してくれ。


今はただ……純粋に休ませてくれ。と思い、窓から見える空と海を眺めながら、ふぅっと溜め息を吐いた。


後書き

最近、作業用BGMとして、私が子ども時代放送されていた『ひらけ!ポンキッキ』という番組で( 前語り、後語りは伏字無しでも大丈夫ですよね?)放送された歌の中の
『 およげ!たいやきくん 』や『 ふねがゆく 』という曲を、よく聞くようになってきました。

前者はまぁ……知らない人は少ないでしょう。後者はマニアックすぎて知っている方の方が少ないでしょう。

いずれにせよ、子ども用の歌というのはシンプルに表現されて伝わるので、大人になった今、改めて聞くと昔以上に気分が高揚したりしています。……私だけでしょうか?海は広いな、大きいな……まさにその通り。

さて!ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

俺が海軍カレーの存在を知ったのは、昔アニメのOnePieceのオリジナル内容で、サンジが新米の海兵コックと共に、海軍の船の厨房で作っていたのが最初です。その後、違う番組でより詳しく知りました。

曜日感覚を狂わせないため……なるほど!と思います。

日常生活を送っていると、中々軍事施設という場所に行く機会ないのですが……そういうツアーみたいなのがあったら、参加してみるのも有りかなと思っている自分が、最近ちょっとだけ現れてます。

今はもうされていないようですが、海外のあそこに眠るあの子を……おっと、それはまたの機会にしましょうか。

それでは!改めまして、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

また次回……何かしら思いつき次第、投稿させていただこうと思います。では、失礼します。


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4件評価されています


CQC中毒さんから
2018-06-30 22:17:11

SS好きの名無しさんから
2018-06-14 18:35:36

SS好きの名無しさんから
2018-06-10 18:36:48

テンロータさんから
2018-06-10 13:49:22

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CQC中毒さんから
2018-06-30 22:17:14

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2018-06-10 18:36:55

テンロータさんから
2018-06-10 13:49:24

このSSへのコメント

3件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2018-06-26 22:23:54 ID: ys9LZfYs

どうもです。
評価と応援だけ押しておきながら、
コメントするのが非常に遅れてしまい、
大変申し訳ございません。

『いんたーなしょなる』に『ぐろーばる』
.....扶桑、『ゆー でぃど いっと!』
(使い方、あってますよね?)

ジョロキア....、なんでそんなものが.....。
中学の頃、化学部が育ててたハバネロの余りを貰って、辛さに涙が出て、その涙を拭って死にかけたのを思い出しました。

どこの鎮守府に行っても、おかしな野郎が尽きないですね。提督の苦労がまた増える.....。(おかしな野郎は俺も人のこと言えないんですけどね.....。)

作業用BGM.....
自分は、ゲームやアニメなどのサントラやフリー音源などをよく使ってますね。
作業中に歌詞ありを聴くと、作業とごちゃごちゃになって、(こいつ、直接脳内に.....)状態が現実になってしまうんですよね....。はあ.........、器用になりたい.....。

重ね重ね、遅くなってすいませんでした。
失礼しました。

2: テンロータ 2018-06-26 22:35:46 ID: ys9LZfYs

どうもです。

すいません。1は自分です。
またやらかしてしまいました。

再度、失礼しました。

3: 柔時雨 2018-06-27 00:12:56 ID: 6TdVECzb

おぉぉぉ!テンロータ様、いつもコメント、ありがとうございます!

いえいえ、別に強制とかではないので、好きな時に感想を呟いてくださっていいんですよ~

一般公開ネタはCQC中毒様の作品内に登場した内容に興味をそそられたもので
俺なりに普段通り1話構成でやらせていただきました。

一般公開 → 大勢の人 → 外人さんいらっしゃい の流れは、こちらを綴る上で考えていたので
4人の中で1番英語を話さないであろうと思われる扶桑姉さまに頑張っていただきました。
(実際、扶桑さん、山城さんの艦橋は、そういうのが好きな外国人さんにマジで人気があるそうです。違法建築とか言わせない。)

ジョロキアの説明はWikiをそのまま参照してます。
俺はあれをもう食べ物とは思わない……わさび、からし、唐辛子、キムチはこの世から消え去ればいいのに……


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