2018-07-20 17:03:05 更新

概要

流行りものに乗っかってみた。感想のような妄想その8

注意事項

適当なタイトル
誤字脱字、二次創作にありがちな色々と適当な文章


前書き

墨染まりし鋼の桜 の感想のような妄想




頭が痛かった

何処から入り込んだのか、気づけば客間に見知った客人が居た

思い出すのは昔日の、重桜の桜を舞い散る花びらを見上げてはしゃいでいた赤い髪の女の子

だが、それも昔の話し。今ともなれば立場も違う、はたして呼んでもない客人を歓迎して良いものか


「何をしている…」


眉間に皺を寄せた江風が、赤い髪をした少女に話しかける


「ふゃっほー♪」


呼ばれて、ちゃぶ台の前であぐらを かいていた少女が振り返った

ほっぺは押し込んだ大福でふっくらと、口周りは白粉で化粧をされて、まるで子供のような有り様


「凄いんだよ江風っ、あかねちゃん ったら、気づいたらそこにいてさっ」


どうしてか陸奥にも懐かれているし

昔からそうだ、無茶苦茶やる割には変に好かれたりするのは

まぁ、同じくらい避けられもしていたが


「それは凄い、じゃなくて奇怪と言うんだ…」


ぬらりひょん、とか言っただろうか

知らぬ間に家に上がり込み、食い散らかしてはどっかに行くとか言った化性の類

どうだろう? この恥知らずな娘に当てはめてはぴったりなのではないか

頭を抱えながらも江風はそんな事を考えていた


「立ち去れ…。今なら見なかった事にも…」


そっと、下げていた刀に手を掛ける

脅しのつもりは無かった。いや、中途半端な脅しなんて面白がるような奴だ

殺しはしないでも、振り抜くことに躊躇う気は…


「おうっ、何やってんだ?」


伸びてきた手に刀を抑えられる


「夕立…か…」


厄介な話だ

真っ向きって、ソロモンの悪夢と…。憂いもなければそれも良いが


「どうして あの娘と一緒に…」

「あたしの指揮官だからなっ、文句あっかっ」

「…」


躊躇いもなく言い切られてしまった

陸奥もそうだが、子供ぽいっと言うか、単細胞にはよくよく懐かれる娘だったと思い返す

そうして、遊んで回って、片付けをするのは何時だって私か…


「綾波はどうした?」

「あの娘はだって、艦隊に必要だもの?」

「…そうか」


刀を下ろす

どうにも、これと遊んでる暇は無くなったらしい




頭が痛かった


セイレーン共を蹴散らして、ようやく重桜までたどり着いたと思ったら


「さぁっ、何処からでもかかってらっしゃいっ」

「私達がっ」

「相手になるぜっ」

「…」


指揮官が立ち塞がっていた

一緒になって、陸奥と夕立も変なポーズを取っているし

少しばかり距離をとって他人の振りをしている江風が気の毒にも思える


「すとーっぷっ!」


たまらず声を上げる瑞鶴

何をするにも何からしていいのか分からなかった


「ちょっと綾波、あれアンタの指揮官でしょ、どうにかなさいよ…」

「奇遇ですね。瑞鶴の指揮官でもあるのですよ?」

「勘弁してよ…」


頭を抱えてその場にしゃがみ込む

もういっそ「お前たちの指揮官は預かった」とか言われたほうがまだ気が楽だ


「瑞鶴よ…取り乱してる所すまんがの…」

「三笠先輩? 今度はなんですか?」


困り果てた声に、恐る恐る振り返ってみると


「翔鶴も こっちおいでー」


手招きをする あかねの声に誘われて


「は~い♪ 翔鶴もまぜてまぜて♪」


喉を鳴らして駆け出す姉


「翔鶴姉っ!?」

「あぁっ、瑞鶴っ、ダメよっ止めないで 指揮官が、あかねさんが呼んで…」


慌てて着物の袖を捕まえると、なんとかかんとか羽交い締めには成功した


「ダメじゃないっ。これ以上ややこしくしないでよっ」

「落ち着いて瑞鶴」

「なに?」


一際落ち着いた姉の声に、なにか考えでもあるのだろうかと期待もするが


「姉は、貴女の勝利を信じているわ」

「うん…で?」

「うん…瑞鶴、ちょっと…くるし…ぎぶぎぶぎぶ…」


ぎゅーっと、翔鶴姉を抑えていた腕に力込め続ける

何が勝利を、だ。そんな言葉でちょろ任せて向こう側になんて行かせるもんですか


「…埒が明かないな」


そんな茶番を眺めながらも、江風が嘆息していた

それ以前にもう戦う空気でさえぶち壊しだ

だったらもう、手っ取り早い方法で引き取って貰うが早いだろう


「…提案だが?」


黒の刀身、赤い刃、冷たい温度を あかねの細い首筋へとあてがった

これで、力加減を間違えれば用意に首は飛ばせる。そんな状況での脅迫(言うこと)は一つだけ


「あかねの命が惜しくば引け」


まさに一石二鳥の策だと思う

面倒くさい娘も叩き返せるし、重桜を神子様も守り通せる

惜しむらくは、武人として戦いたいと体が疼く事くらいか

とはいえ、こんな巫山戯た連中に神子様を任せるのも不安しか無い


「どうぞ?」


だが、対した綾波の言葉は随分と単調なものだった


「脅しのつもりはないが?」

「ええ、分かっていますよ? 江風が冗談をいうタイプではないのは…」


表情に乏しい…が、やれるものならやってみろ、そう言った風にも受け取れた

止める自信があるのか? だが、たとえ夕立が飛びかかってきてもどうなる状況でもない

それでも、あかねの落ち着き様からしても有り得る話には思える


「で、どうですか指揮官? 泣いて謝るなら綾波が助けてやらんでもねーですけど?」


その言葉は随分とぶっきら棒だった

それはだって、勝手に居なくなったと思ったら、目の前に立ち塞がった挙げ句人質に取られてやがる

自業自得も良い所、いっそこのまま打倒したほうが平和になるんじゃないかとさえ思う程に


「うん、これがダメだったらお願いするわ」

「ですか…」


けど、あかねに 限って言えば

その程度でどうにかなったら綾波たちは苦労してないと、悪い意味での信頼が勝っていた


「っ!」


江風の呼吸の合間を着いて、その場から姿を消す あかね

遅れて振るわれる刀に散らされる赤い髪

次の瞬間には、江風から掠め取った刀を構える あかねの姿


左か…


この距離、この間合いでの抜刀術

本来では驚異と言えるが、生憎と自分の刀は直刀だ

いくら最強と謳われる抜刀術の秘奥とはいえ…来ると分かっているものを


受けるか避けるか、どちらもダメだ。なまじ不完全な状態でも不安が残る

それにどうせまっとうな型ではないのだ、繰り出す前に頭を潰したほうが確実に


「貰ったっ!」


構えるあかねに最速の一手

あるいは、海の上ではなく踏みしめる地面があれば

もしくは、直刀ではなく専用の刀だったなら、また結果は違ったかもしれないが


「と、見せかけて飛◯閃」

「むはっ!?」


タイミングは完璧だった

飛び込んできた江風のおでこ目掛けて、親指に弾かれた刀の柄がもの凄い勢いでぶつかっていた


すってんころりん


強かにおでこにぶつけられ、足を滑らせ反対側にすっ転ぶ


「わーっ!? 江風ちゃんっ江風ちゃんっ」


慌てて陸奥が駆け込んで来るが、目を回してうめき声を上げるのが精一杯のようだった


「勝ったわっ!」


天高く拳を突き上げ勝利を宣言する あかね


「うっそーん…」


自分の出番が取られた事もそうだけど

いくら不意打ち気味だからって、あんまりにもあんまりな結果に瑞鶴の口から思わず声が漏れていた


「気持ちは分かるがな」


瑞鶴の肩に三笠の手が置かれる


「昔からああいう娘だよ、アレは…」


自分で火種を撒いて延焼させて、周りを巻き込んで消火する

面倒事を増やす割に、最終的には全部解決してるんだから質が悪いのかなんなのか


「いや、それにしたって…」


瑞鶴が見つめる視線の先

驚いた隙きに逃げ出した翔鶴姉と夕立とで きゃっ♪きゃっ♪してる指揮官

どうして良いかも分からずに、三笠先輩に視線をもどしても困ったように肩を竦められてしまう


「まあ、江風に手を焼かされずにすんだと切り替える事じゃな」

「です、か…まあ、そうですね…」


確かに、まだ長門を起こすって大事も残ってるし、無駄な消耗は避けたかったけど

陸奥に介抱されている江風が可哀そうっちゃ、可哀そうにも思えた






「だーれだ」

「あかね様…ですわ」

「はい♪ 正解っ♪」


答え合わせと、赤城の顔から手を離して、その姿を晒す あかね

示し合わせたようなやり取り。それはだって、後ろにたった時点でバレてるのだから、ただじゃれているだけでしかない


「このような所に、一体どうされました?」

「赤城に会いに来たの、じゃダメかしら?」

「このような時でなければ、閨に連れ去っていましたわねぇ」

「あら、私はいつだって構わないけど?」

「御冗談を、分かってらしてるのでしょう?」

「ふーん、じゃあ良いんだ?」

「構いませんわ」

「ただの戦艦に様は無いって?」

「抜け殻ですもの。開戦を止められなかった時点で終わってますわ」

「手厳しいんだ。あんなちっちゃい娘に」

「お好きでしょう? 幼子は。赤城からのプレゼント、ですわ」

「わーいっ、赤城大好きー」

「まぁまぁ、指揮官様ったら」


無遠慮に抱きついてくる あかねを 慈しむように抱きとめる赤城


「それで、上手くいったの?」


赤城の胸の内、そっと置かれた言葉に体を固くする


「なーんてねっ」


ぱっと、笑いながら赤城から離れると踵を返す あかね


「加賀、夕飯はきつねうどん が良いわっ」

「あ、あぁ…」


その場の状況を一切無視した日常的なお願いに、しどろもどろに頷く加賀


「まったく。心臓に悪いお方ですわねぇ…」


あかねの 背中を見送って、見えなくなった頃にようやくと肩から力を抜いた赤城


「心なしか、泳がされているような気にもなるな」

「まったく、ですが…」

「ああ…」


あれは面白がっているだけだと、二人は結論する

良からぬことを企んでいるのまでは理解しているだろうが、面白そうだから様子見をされている

怖いのは、どうにかする自信があるからなのか。それとも、どうなっても良いのかの判断がつかない所か


「しかしこれで重桜の未来も…」


くつくつと、事の成就を前笑いをこぼす赤城


「これも、お前の想定内なのか…」


そんな姉を横目に、通り過ぎた背中に思いを馳せる加賀だった



ーおしまいー






後書き

江風ちゃん 可愛い


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