2020-10-31 12:27:24 更新

概要

罪を重ねた提督の過去
艦娘達の悲劇の過去
そして菊月の過去


前書き

もう艦これじゃないって?
よくわかってるじゃないか(やけくそ
武器がわかりにくいって?
なにしろ設定が細かすぎて難しいんだ
今回は艦これ要素少なめです


俺に名前はなかった

いや、あったのかもしれない

けど、忘れてしまった

最初に殺したのは家族だった

俺は日々虐待を受けていた

よく言われたよ「悪魔、しね!」ってね

けどある日――


母親「このゴミ捨ててきて」ガサッ


提督「……」


母親「とっとと捨ててこいや!」


提督「!…はい」


この日家族は偶然揃ってた

俺は所謂異父兄妹がいた

父親は12の妹に手を出していた

しかし誰も止めなかった

いつものことだ

そう割り切ろうとしたとき――


母親「あーもしもし~久しぶりーそろそろあんたのとこのガキ捨てるから――」


この一言で俺は壊れた

すこしだけあった良心も吹き飛んだ

そして気づいた

こいつらはなにをしてる?

これがふつうなのか?

俺が間違ってるのか?



違う


俺以外が間違っているんだ

そう思ったとき俺はキッチンの包丁を二本持っていた

そこからは覚えてない

気付いたらそこに死体はなかった

ただ血だけが辺り一面にあった

そんなとき電話が鳴った

俺は電話のかけかたなんて知らなかったからとりあえず受話器をとって耳に当てた


??「おい、さっきのはなしだが」


提督「…父さん?」


??「お前…――なのか?」


提督「そんな名前だったんだ、聞けてうれしいよ」


父親「母親や家族はどうした」


提督「…殺しちゃった、みんな殺しちゃった」


父親「……すぐに向かう!」ガチャ


ツーツーツー

この音を聞いた後、俺は意識を失った


――――――――――――

俺が目覚めたのはマンションの一室だった

どうやら元父親に運ばれたらしい

俺はここで短い間幸せに暮らした

この元父親は結婚はしてなかった

子供もいない

どうやら陸軍の将校をやっているらしい

けど俺は恨んでいた

こいつは俺を捨てた

そう考えるしかなかった

ここにきてから3日たったとき

偶然職場に連れて行かれた

当然だ

俺はまだ10歳だった

面倒もみたくなるさ

しかしそれが人生を変える事になるとは思わなかった

―――――――――

将校と言っても一人ではない

あの時いたのは大佐、中将、そして大将である元父親だった

父親がトイレに行った時、俺は大佐に話しかけられた


大佐「君、大将殿の息子だって?」


提督「…うん」


大佐「そうかそうか、それで――」


そう、ここがすべての始まり

次の言葉で俺は変わってしまう

自覚していた

覚悟もしていたのかもしれない

けど良心がなかった訳じゃない

だから俺は従っていた

実際家では優しかった

とてもいい父親だった


大佐「お父さんのこと、憎いだろ?」


見透かされていた

こいつには何もかも解っていた

なぜかなんてどうでとよかった

こいつは…こいつは!

…失礼、熱くなってしまった

とにかくこいつは今まで起きたことを何故か知っていた

俺は怖かった

逆らえば確実に死ぬ気がした

動物としての本能だ

そして俺は――


大佐「これをあげよう、さあ、憎いやつを殺してきなさい、ね?」


父親をまた殺した

俺は陸軍から賞賛の嵐が降り注いだ

嬉しかったのは事実だが、殺してしまったことに変わりはない

まして元父親は俺が家族殺しをしたのをもみ消していた

ここまでやってくれた相手を殺した俺は


もう狂っていた


その後俺は大佐のもと、殺し屋になった

教育方法は至ってシンプルだった

目の前にいるやつが社会の敵

邪魔するものは自分の敵

敵はすべて殺せ

これを洗脳のように叩き込まれた


それから二年

俺は殺し屋部隊『第82特殊暗殺小隊』に入った

ここでのルールはポイント稼ぎだ

一人殺せば1

100貯めたら出られるというシンプルな牢獄だった

暗殺小隊は他にもあるが割愛する

俺の小隊には二人いた

一人は黒ずくめの男

一人は真っ白の男

黒のやつは『ハウンド』と名乗った

白のやつは『ノイマン』と名乗った

役割としてはノイマンが指示、ハウンドが実行という役割らしい

俺は実行の役割に分担された

そのときノイマンは俺にプレゼントで銃を渡した

刻印には『Alice ballet』と彫られていた

どうやらオーパーツを使ったとかなんとからしいがよくわからなかった

この銃はセミオートハンドガンにも見えたが

ノイマンは『変則二丁拳銃』と言った

意味は全くわからなかったがすごい銃なのはわかった

銃剣が格納される形で付いていた

これが今持ってる銃の正体だ

そしてこの銃をもっての初めての任務は


敵軍の大将の暗殺だった


そもそも敵軍と言ってもきゅうに発足したゲリラ軍だから躊躇なく叩けと言われていた

敵の軍服も手に入り簡単に潜入できた

そしてあっさり…


大将「ひっ、や、やめてくれぇ!」


護衛は全部ハウンドが片付けたから俺はこいつを捕まえるだけだった

二人の連携は恐ろしかった

ノイマンが索敵をして

ハウンドが5秒で10人片付けるという繰り返し

今この駐屯地には俺らとこいつしかいない


ノイマン「おい、お前が殺しな」


俺は一瞬躊躇った

今までとは違う

無抵抗の人間が泣き喚くのを殺すだなんて

でも俺は狂っていた

あえて四肢を撃った


ハウンド「ほう?」

ノイマン「情報はかき集め…まだやってなかったのか」


大将「痛い!痛いぃ!!」


俺は止めない徐々に胴体に近づけて撃っていった

マガジンの最後の一発ずつは頭と心臓に当てた

獲物を完膚無きまでに潰す

これが俺のやり方だと気付いた


ノイマン「よくやった、君にピッタリなコードネームをあげよう」


「今日から君は『ウルフ』だ」


それから俺は殺しまくった

気付いたらハウンドと対等に渡り合えるほど強くなった

よく模擬戦をした

ハウンドは俺と似た銃を使っていたのもあって作戦では背中を任されることあった

そうやって戦いに身を投じてる最中

新メンバーが来た

しかも女だ


??「お初にお目にかかるであります、『サム』とお呼びください」


サム「前は第18小隊所属であります」


ノイマン「ほう?なら君は狙撃手か」


サム「はい、18小隊のコードネームは『黒薔薇』であります」


ノイマン「なに?黒薔薇だと?」


提督(ウルフ)「なんかすごいのか?」


ハウンド「聞いたことはある、黒薔薇は烈風のプラモデルのドローンを飛ばし、その観測で敵を瞬時に仕留める観測手のいらない狙撃手」


ノイマン「ああ、作ったのは私だ」


「「は?」」


ノイマン「設計図を渡されたときは焦ったぞ、エンジンはモーターだがそれ以外の素材や駆動系を本物と同じにしろなんて」


提督「ノイマンって何でも作れるのな」


ノイマン「偶然にもオーパーツの在処を見つけたのでな」


ノイマン「それにおまえたちのために新装備も作ってる」


提督「へー、名前は?」


ノイマン「まだプロトタイプだからな、付けるなら『00(ダブルオー)』ってとこか?」


提督「なんかかっこいいな」


ノイマン「完成を心待ちにしてくれ」


平和だったのはこの日が最後だった

次の作戦を成し遂げた俺たちは遂にポイントが100になっていた

つまりここからでられる


そう思っていた


俺たちの基地代わりのアパートに手紙がと届いた

そこには


『おめでとう、君たちは解放される、武装して本部まで来なさい』


この筆記はみたことがある

そう少佐の字だった

つまり命令書であることは何となく察した


ノイマン「つまりまだ終わりじゃないってことだ、準備するぞ」


ノイマンの号令によりラストミッションが始まった

もてる武力を持って少佐を殺す

それが最後の戦いだ

――――陸軍駐屯地―――

提督「おかしい」


ハウンド「ああ、静かすぎる…」


提督「そっちは?」


サム『クリアであります』


ノイマン『血の後もないのか?』


ハウンド「ああ、臭いもしない、まるでそもそももぬけの殻だったみたいだ」


ノイマン『だった?』


ハウンド「ほこりが少ない、少なくとも数日前までは誰かいて掃除してる」


ノイマン『…警戒してくれ、恐らく何かは居る』


提督「俺は後方警戒する」


ハウンド「ああ、頼む」


―――――――――

ハウンド「…クリア」


提督「すっからかんじゃねぇか…」


ハウンド「後は?」


ノイマン『後はトーチカもどきの広い空間だけガガガガガッガ』


ハウンド「おい!?」


提督「どうした!?」


ハウンド「通信が切れた…」


提督「まずいな、サムとノイマンが居ないと索敵が難しくなる…」


ハウンド「警戒を高めろ、トーチカに向かうぞ」


提督「了解」


―――――――――

タッタッタッタッタ…


ハウンド「やはり此処にいたか」


少佐「やあ、ジャック君、久しぶりだねぇ」


ハウンド「てめぇ…!」


提督「ハウンド、落ち着け!」


ハウンド「君は名無し君じゃあないか、生きててうれしいよ」


提督「!!」


提督「死ね!!」バンバン


早計だった

何故少佐が武器を持っていなかったのか

何故挑発してきたか考えるべきだった



少佐は嗤っていた

それは一瞬だった


ガキィン!ドサッ


鉄のはじく音が響く

俺は確実に頭と心臓を狙った

なのに少佐は生きている

なにやら妖しげな刀をもって

そして倒れたのは―




ハウンドだった


提督「…は?」


唖然するほか無かった

あいつは俺の銃弾を弾いてハウンドに当てた

しかも心臓と頭に


提督「…は、ハウンド!」


返事はない

当たり前だがこの瞬間までは何かの冗談かと思っていた


少佐「ククク…面白いねぇ!名無し!」


提督「てめぇ…てめぇぇ!!!」


バンバンバンバンバンバンバン


ガキィンガキィンガキィン


提督「(前面からは全部弾かれる!なら…)」


俺は横に走りながら打ち続けた

そして不意に進行方向を変えて


提督「しねぇ!」バン


ガキィン!


少佐「無駄だよぉ」


提督「チッ」


俺は完全に沸騰していた

銃剣を射出して特攻した


提督「ああああああ!!!!」


ガキィン!ガキィン!ガキィン!


少佐「アハハハハ!無駄だって!」


少佐「ほれぇ!」


バキィン!


提督「ぐっ!」


俺は吹っ飛んだ

体は限界に近かった


提督「はぁっ!はぁっ!はぁ…」


少佐「うーん折れないねぇ、なら…」


後ろから大量のマシンが現れた

殺戮兵器だ


提督「うそ…だろ?」


少佐「アッハハハハハ!いいねぇ!その絶望に満ちた顔!最高!最高だよぉ!アハハハハ―」


終わった

あいつには勝てない

足掻こうにも足掻けない

生物本能的に危険と訴えられいる気がする

そのとき

俺の中の何かが壊れた


―――回想―――

提督「俺に?」


ノイマン「ああ、ハウンド達と話した結果、君ならいいデータを持ってくるだろうという結論がでた」


提督「結局データかよ」


ノイマン「まあ実験前に稼働実験やらはしている、確実に動いてくれるだろう」


提督「しっかしこれすげぇな、サブマシンガン

にスナイパーライフル、おまけのようにショットガンまで、しかも二丁ずつとは、完全に俺達用じゃねえかよ」


ノイマン「ああ、元々その予定だったが、完成が遅かったからせめてデータだけでもってな」


提督「わかったよこれを付けてけばいいんだろ?」


ノイマン「頼む」


提督「りょーかい」


ノイマン「ああ、パスワードは――」


―――――――――

提督「Alice and ballet dance」ボソッ


提督(?)「sniper:true

smachinegun:true

     shootgun:true

     Aliceballet01:true

     Aliceballet02:false

     silverguiltysword:true

     paradiselost:nosing」ブツブツ


少佐「アハハハハ―ん?」


ここから先は俺も分からない

気付いたら少佐は肉片一つなかった

あたりに散らばる破片と薬莢

ボロボロの俺の装備

なにがあったかは察した

遠くから車らしき音がした

俺はハウンドの二丁拳銃をもって逃げた


疲弊してた俺はあっさり捕まってしまった

捕まえたのは元帥

俺は偶然ドライブ中の元帥と鉢合わせした

そこから俺は海軍に衣食住を最低限確保してもらうかわりに汚れ仕事を請け負うという形をとった

しかし仕事はたった一つだけしか頼まれなかった

海軍少将の連れ出しと暗殺

少将は現在懲罰房に入れられているらしく、これを連れ出して殺せということだ

潜伏と暗殺は慣れてたのですぐ片づける筈だった


「侵入者ー!」ピー!


謀られていた

完全に俺も殺すつもりだったらしい

仕方ないので計画を変更した


少将「お、おいどうするんだよ!」


提督「うるさい」バン


とにかく俺は逃げた

そもそも俺は何のためにこんな事をしたのか

何故海軍に保護を求めたのか

何故殺し屋になったのか


提督「そうか…俺は、幸せに、なりたかっただけなんだ…」タッタッタッタッ


ハァ…ハァ…


森の中を一人走る


ハァ…ハァ…


提督「(まだ…まだだ…!やっと目の前まで見えた幸せを…捨てる訳には…!)」


急に風が吹く、足元に崖がある


そこには一面海が広がっていた


提督「う…み…?」


もはや退路はなく、後ろからは追っ手と思われる足音がする


提督「あぁ…ここまで長かったな…」


俺は手に持っていたハウンドのAliceballetをこめかみにあて、引き金をひいた


彼への謝罪の意味を込めて


――――――――――――


提督「あとは知っての通り北上に拾われて菊月と暮らして幸せな時間を過ごした」


菊月「ひとつ腑に落ちないことがある」


提督「なんだ?」


菊月「何故私に言わなかった、そんな重要なことを」


提督「だって悲しむだろ、俺はそばにいる奴に二度と悲しい思いをしてほしくないし俺もしたくない」


菊月「そうか、愚問だったな」


武蔵「私もいいか」


提督「ああ」


武蔵「その後サムとノイマンとやらはどうした」


提督「…通信が途絶えたままだ、恐らく先に殺された可能性が高い」


武蔵「そうか、すまなかった」


提督「さて、これで満足か?曙」


曙「昔の提督がクソならあんたはゴミ以下ね、命を狩った時点で負けよ」


提督「…その通りだよ、なにも言い返せない」


曙「まあ約束は約束だからここの話はしてあげる、みみかっぽじってよく聞きなさい―」



曙「この地獄の半年を」


―――――――――

人間というのは二通りの考え方があるわ

性善説と性悪説のことね

私が思うのは後者よ

人は誰しも悪であり、善は取り付けられたようなもの

私からすれば善というのは後で付けれる

例え人を殺したとしても正義のためというなら人間は間違いなく殺す

それが戦争を生んだ

だから私ははっきり言うわ


私は人間じゃない


私は本部からの派遣だった

元々ここは駆逐艦が少なかったのよ

それに提督は新人だった

参謀役兼監視役として3ヶ月いる予定だった

そう"予定"だったのよ

けど私はここが居心地が良かった

ここは寒くない

ここはひとりじゃない

私が優秀だからいくら悪態をついても何もいわれない

むしろ仲良くしてくれる

だから私はここが好きだった

最初はね

私はありったけのコネを使ってここに所属を移した

それから何ヶ月か経ったある時

川内が夜戦したいと騒ぎを起こして出撃、轟沈したと連絡があったわ

私と仲のいい一人が川内だった

だからあの時は泣いたわ

けど問題はそこじゃなかった

川内の轟沈を全く悲しまなかったクソ提督がいた

流石におかしい気もした

けど私は杞憂だと思った

思ってしまった

流石に一日目は悔しさが見えていた

今思えばこれも演技だったわけだけど

二日目からケロッとしていた

この日、潮が帰ってこなかった

次の日なんていったと思う?

単独出撃で轟沈したなんていうのよ?

私は怒りを覚えた

私は本部に戻ろうとした

そのとき見てしまった


潮が、犯されるのを


潮は泣きながら拒否していた

けどクソ提督は止めなかった

私もクソ提督を止められなかった

私は逃げた

今なら本部に連絡がとれる

そう思った

けど、それはこの居心地がいい場所を潰すのと同じ

1人かみんなか

私はみんなをとったわ

戦う上でも犠牲はつきもの

ひとりだけで済むならみて見ぬ振りするしかなかった

けど一週間後

榛名がいなくなった

私はぞっとした

クソ提督は出張だといった

金剛はせめて一言欲しかったなんて言っていた

けど私はもっと早く気づくべきだった


駆逐艦が一部屋ずつ居なくなってることに


初めに数が少ない夕雲型

次に潮だけ

そして朝潮型

この時点で気付くべきだった

さらに

秋月型

海外艦

睦月型


止まらなくなっていた

おかしい

クソ提督も人間だ

犯すにしても限界があるはず

消えてる数のほうが圧倒的に多いはず

だから私は確実な証拠を揃えて本部に提出するつもりだった

1ヶ月後

空母も消えてるのに気づいた

クソ提督は前線基地の建設中とかほざいた

嘘だ

しかし皆は信じていた

だから誰も気づかなかった

私は証拠を探し続けた

けれどなにも見つからない

そして私がやっと一つも証拠が見つからず


半年たっていた


この時点で空母0、駆逐艦は私だけ

そして――


ついに私が呼び出された


私の負けだ

間に合わなかった

証拠はなにもでなかった

正常なのは私しかいない

私がなんとかしなければ

そう思って扉の前にたどり着いた

今は武器はない

ただの少女だ

無論本部からきた私は訓練を受けていない訳ではないが、いくらなんでも護身術レベルでしかない

急所に一発入れて逃げる

それでいこう


曙「失礼します」ガチャ


元提督「ああ、曙、実は前線基地の話で――」


曙「嘘なら聞き飽きたわ、せめて死ぬ前に真実の一つくらい教えてくれてもいいんじゃない?」


元提督「…何の話だ?」


曙「とぼけないで、駆逐艦と空母をどこへやったのかしら?」


元提督「だから前線基地に――」


曙「潮、生きてたのね」


元提督「!?」


曙「その反応、やっぱり何かあるのね」


元提督「いつ気付いた…」


曙「あなたが扉を閉め忘れた時かしら」


元提督「…ああ、潮は生きていた、というか最初から単独出撃なんてしていない」


曙「でしょうね、どうせ潮をのことだから拒否できなかったのね、あんた…最低よ」


元提督「ふふ、ならお前が何故呼ばれたのかわかるな?」


曙「ええ、いやなほど分かるわ、答えは簡単、死ね」


元提督「相変わらずキツいね…でもそう言うところが―悪くない」ニヤッ


曙「!」ゾッ


元提督「どうせお前も売り飛ばすんだ、だから真実を教えてやろう」


曙「売り飛ばす…ですって?まさか、人身売買してたなんて…!」


元提督「勘違いするなよ、お前たちは――


    人間じゃない」


曙「!!」


元提督「だからいくら売り飛ばしても合法に金が入る、おこぼれは俺に戻ってくるから一石二鳥だ」


曙「潮は…生きてるの?」


元提督「俺がやりまくったら死んだよ」


曙「~!!!」


元提督「さあ、ネタばらしは終わりだ、潔く俺の商売道具になるか――死ね」ジャキ


さすがの私も死んだかと思ったわ

けど私も無策じゃない

この瞬間を待っていた


―――――――――

ここからは私が話そう

私は部屋でくつろいでいた時に曙から全て聞いていた

勿論私も違和感があったからな

問いただす為の作戦ということで、私は扉の前で構えていた

するとまさかのすべ真実、更に衝撃的な事実まで浮かんだ

こいつは最初から相棒でも何でもなかった

その時曙から合図がでた

私が突入する合図

もう迷わない

私は殺す勢いで扉を破った

―――――――――

銃を持ち出すなんてフェアじゃない

まあ私は協力者がいる時点でフェアじゃないけど

私も協力者である彼女も限界

ならば

捕まえて全て吐いてもらうわ

そして私は


武蔵に合図を送った


瞬間


ドバァァン


ドアが粉砕されて武蔵がタックルを繰り出した

いくら男でも武蔵のタックルはかわせない

武蔵のタックルをモロに食らったあいつは気絶した

案外弱くてびっくりしたわ

私はそこにあった電話で本部に連絡を取った


本部の人「誰だ?」


曙「久し振りね、曙よ」


本部の人「…"狼の狩人は"?」


曙「"夕暮れに舞い、朝焼けに首を断つ"」


本部の人「なにがあった、お前はここの所属じゃないんだぞ」


曙「緊急事態よ、すぐにここに本部の人間を送って、それからこのクソヤロウの身辺調査と身柄拘束も」


本部の人「…わかった、とりあえず先に憲兵隊を送る、話は聞かせてもらうぞ」


曙「ええ、よろしく頼むわ」ガチャ


武蔵「貴様、本部直属だったのか」


曙「ああ、あなたは後の方に来たから知らないのね、私は元本部直属の監視役兼参謀役よ」


武蔵「そうだったのか…」


曙「そうだわ、確かここに…」ゴソゴソ


武蔵「本棚に何かあるのか?」


曙「あった、これよ」


武蔵「これは、日記か?」


曙「私の指南書よ、多分ここにしばらく戻れないからあなたが指揮しなさい」


武蔵「私なのか?」


曙「あなたは私と違ってカリスマ性がある、だから最低でも指揮には皆従うはずよ」


武蔵「…わかった、しかし早く戻ってくるんだぞ、私はお前も心配だからな」


曙「あら、嬉しいわね、なら精々私が口出し出来ないほど指揮できるようにしなさい」


武蔵「わかった、お互い頑張ろう」スッ


曙「握手なんて久しぶりね」ギュッ


曙「死ぬんじゃないわよ」ボソッ


武蔵「ああ、勿論だ」ボソッ


―――――――――

提督「それで?元提督は連行、お前たちは事情聴取ってかんじか」


曙「ええ、その後のあいつの行方は知らないわ」


武蔵「その後一週間後に曙は島風と夕立を連れて帰ってきたんだ」


曙「あの二人は別のところから本部に保護されていたわ、二人とも戻る気は無かったらしいけど、みんないるここがいいってね」


提督「他の売られた艦娘達の行方は?」


曙「残念だけど殆ど所在不明よ、外国に回った可能性もあるわ」


提督「回収は無理、か…」


武蔵「気に病むことはない、空母勢は大体別の提督に艦娘として使われている、駆逐艦も場所によるがな」


提督「そうか…あ、北上は何か―」


北上「zzzzzz」


提督「うーん、平常運転過ぎる」


菊月「…」


提督「…菊姉?」


菊月「ん?ああすまん」


提督「どうかしたのか?」


菊月「いや、なにも…」


提督「…溜め込み過ぎる癖、出てるぞ」


菊月「…ノイマン」


提督「あいつがどうかしたか?」


菊月「ノストラダムス・イナックス・マラカニアン…」


提督「!それは…ノイマンのフルネーム…」


菊月「やはりか、奴は―――



   私の前の所属鎮守府の技工士だ…」


―――――――――


…まさか全ての始まりがここだったとはな…

時は三年前に遡る

この時恐ろしい論文と計画が始まった

まず論文だが『オーパーツによる先進性と代償』

これはオーパーツを使った兵器開発のことと、オーパーツによる代償などについて書かれてる

そもそもオーパーツそのものがかなり貴重だ

つい5年前に採掘され、2年研究された

研究成果は兵器の欠点などを補うことが可能になる

というとこまでが今までの成果だ

そして計画は


『パラダイスロスト』計画


世界全体の抑止力として、核搭載可能な超電磁砲、レールガン

これをオーパーツによって実現させる

これにより世界を一つにする

平和を壊すのはこれ一つだけでいい

非武装世界を目指すものとして、最後の武装兵器を作り出す計画だ

この狂った計画の被験体になったのは


私、菊月だ


計画はまず00というプロトタイプを作りそれを試験的に運用するところから始まった

そう、お前の最初の兵器

あれは私に積む前に脳波によるリンクを確かめる実験として使われた

実験は成功、しかし自我が一時的になくなるため、機械の方でも設定が必須になった

今度はレールガンそのものもの実験が始まった

できるだけ小さく高威力になるように作られた

完成したのが『01 plcannon』パラダイスロスト計画の一つの終着点だ

これは核弾頭が目的ではなく、どこからでもどこでも打つことのできる移動式の高火力砲としての役割を持つ

そしてこの実験体は私だ

私は元々練度が低く、よくみんなの足を引っ張っていた

しかし技工士長は「なら力をやろう」なんて言って

パラダイスロストを渡してきた

どうやら元々私にするつもりだったらしい

そしてそれをつけた私はたった一撃で敵哨戒部隊を倒した

それだけじゃない

海が割れた

これは上から下に向けて撃ってはいけない

いまでもそう思っている

それから私は色々な兵器の実験を手伝わされた

提督も褒めてくれたからな

そして私の装備がほぼ完成したとき

提督からケッコンと定年退職の話をされた

ざっくりいうと「どこか静かなところで暮らそう」ということだった

それから私は海を去った

そして一昨日の話になる

私は久しぶりに見た艤装をみて唖然とした

これが私の罪

何人もの命、プライド、歪んだ平和がここにある

せめて

まだ一度くらい

輝いてもいいだろうって

あの日誰にも見られない角度からパラダイスロストで狙撃した

しかしワンテンポ遅かった

ネ級は既に撃っていた

そして私は思った

また死なせてしまう


だが敵弾は味方に当たってない

代わりに私と敵の対角線上に砲弾が落ちてきた

そう、おまえが刀を抜いたときだ

抜刀した直後レーダーから消えたと思ったら敵の目の前にいるような奴だ

とんでもないのはわかってた

恐らくはその『死暮』だろうな

その時、私より上がいると思った

今までは計画のため、私より上のものはいないと思ってた

その前提条件が崩れたとき

私は菊月に戻れた気がする

それでも

私は、私達は兵器

その運命からは逃れられない

そう、誰も――

――――――――――――

「それは違う」


菊月「!?」


提督「俺は、俺達は兵器、しかし、変わろうとすることもできる、少なくとも俺達は一人じゃない」


菊月「…」


北上「少なくとも私は信じてる、他は知らないけどね」


菊月「お前…起きてたのか」


北上「寝てても話は聞いてたからね」


北上「それで?私達はどうすればいいかな?」


提督「…今は戦う」


武蔵「…」


提督「今俺達はなにも知らなすぎる、敵がどういうものかもわかっていない、だから最低限の消費で最大の戦果をあげる必要もある」 


武蔵「なぜだ?」


提督「ある程度立場がないと動きたいときに動けないからだ」


武蔵「わかった、続けてくれ」


提督「ああ、これから先は過酷な戦いも多くなるかもしれない、せめてお前たちだけでも俺を信じてほしい、よろしく頼む」


ドドドドドドバァン


提督「ん?」


「ぽーーーーい!!!」


提督「グヘェ」


提督「何しに来たんだ夕立…」


夕立「私は提督さんを信じてるっぽい!」


提督「…は?」


神通「私もですよ」


提督「んん?」チラッ


北上ピースピースイエーイ


提督「あいつ、マイク仕込んでやがったな…」


夕立「提督さん!提督さん!」


提督「どうした?」


夕立「提督さんは夕立達のこと信じてる?」


提督「…当たり前だろ」ナデナデ


提督「さてと…北上、マイク寄越せ」


北上「ん、ほい」スッ


提督『あーあー、お前たち全員に告ぐー、全員

許可なく軍法会議を聴取したとして、[全力!地獄の特訓大会!]をしてもらいまーす』


武蔵「なんだそれは!面白そうじゃないか!」


提督『全員俺と1対1で海上戦してもらいまーす』


武蔵「」


イヤァァァァ

シマカゼガニゲター

オイカケロー

クマァァァ

クマガヨンソクホコウシテル

クマジャナイクマ!


菊月「え?私もか?」


提督「連 帯 責 任」


菊月「(´・ω・`)」


そして地獄の強化訓練は始まった…


――――――――――――


「久しぶりだな」


「ええ、久しぶりであります」


「お前も軍法会議に参加するのか?」


「いえ、元帥直々の呼び出しでありますよ」


「そうか、ウチにも遊びに来るといい」


「全身弄られそうなので遠慮しとくであります」スタスタ


「…いったぞ…ウルフ」


「やだなぁ、他人の空似だよ」


「なぜここにいる」


「憲兵の詰所は汗臭いからね、ここでコーヒーでも飲んでリフレッシュしようってこと」


「…じゃあ何故…






何故ジャックナイフを持っている…!」




次回、伏線ありスギィ!(大嘘

次回、兵器達の物語 沈む太陽

悲劇は終わらない




後書き

随時更新です
いつも呼んでくれてありがとうございます
不備等あったら米お願いします
追記:区切りがいいのでここで板変えます
次は展開が多くなると思います
この物語に同情してはいけない
ただ他人事のように見ていればいい
殺戮しか知らない提督
人の愛情を知らない艦娘
そして何もかも知ってしまった菊月
彼らは過去を振り返り
動き出す――


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歩提督さんから
2019-04-12 21:42:05

艦娘可愛いぃさんから
2019-04-10 01:25:12

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歩提督さんから
2019-04-12 21:42:05

艦娘可愛いぃさんから
2019-04-10 01:25:09

このSSへのコメント

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1: SS好きの名無しさん 2019-04-08 05:34:29 ID: S:nWGEZz

このSS面白スギィ!
更新まだかな~?
このコメント読んだら毎秒更新して、どうぞ

2: アークレトル 2019-04-09 20:42:24 ID: S:7puJPo

↑えぇ…(困惑
なかなか褒められることないので嬉しいです、前作もグダグダですが見てみてください

3: 艦娘可愛いぃ 2019-04-10 01:25:00 ID: S:VVh71c

↑返信ありがとナス!
後、前作は全部見ました!面白かったですよ!
そんなことより、毎秒投稿して、どうぞ。

4: アークレトル 2019-04-10 17:13:45 ID: S:0LL4aF

↑したいのは山々ですが安価終わるまでもちっとだけお待ちを

5: 艦娘可愛いぃ 2019-04-10 23:27:47 ID: S:1uTCkf

↑了解安価終わったら
毎秒更新しなくても、どうぞ(良心)

6: 艦娘可愛いぃ 2019-04-13 23:21:35 ID: S:xbQaGK

おっ!更新してたゾ~
なんかいろいろこれから明かされていくんでしょか?
まぁ、楽しみに待っとるで、
長文失礼

7: アークレトル 2019-04-16 16:40:53 ID: S:CK0gt4

↑あざっす
不定期更新なので気長におまちください
(スマホのフリックでやってるから打ち間違いがね…)

8: 艦娘可愛いぃ 2019-05-03 02:03:40 ID: S:7h7kga

おっ!更新してたゾ~
なんかノイマンの名前が中二臭い…
後、潮を犯したクソ提督は?
ぼっこぼこにした後に三式弾でぶっ殺してやる
まぁ、楽しみに待っとるで、
長文失礼(使いまわし)

9: アークレトル 2019-05-03 21:01:14 ID: S:pU_KiA

↑勿論忘れてないぜ
ノイマンは人間コンピュータの偉人からとりますた
名前は検索の三番目に出てきたのを繋げただけ(メタレス
大事なのはノイマンであることなので気にしたら負け
クソ提督は読み返したら察することはできるけどちゃんと書くのでしばしお待ち

10: 艦娘可愛いぃ 2019-05-11 19:13:30 ID: S:3RX9Oz

更新されてたゾ~
地獄の特訓…あっ.............(察し)
まぁ、提督と一対一は死にますわな
次の更新まで!
3!
2!
1!
はい!更新!

11: アークレトル 2019-05-11 20:53:53 ID: S:yAVtjp

↑更新したら消えちまったんだ…
持ち直すまでまってくれ…


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